JP2002202509A - 液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents

液晶表示装置およびその製造方法

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JP2002202509A
JP2002202509A JP2001329664A JP2001329664A JP2002202509A JP 2002202509 A JP2002202509 A JP 2002202509A JP 2001329664 A JP2001329664 A JP 2001329664A JP 2001329664 A JP2001329664 A JP 2001329664A JP 2002202509 A JP2002202509 A JP 2002202509A
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crystal display
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JP2001329664A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Tanaka
好紀 田中
Kenji Nakao
健次 中尾
Shoichi Ishihara
將市 石原
Tsuyoshi Kamimura
強 上村
Daiichi Suzuki
大一 鈴木
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 R−OCBモード液晶表示装置など、両基板
においてプレチルト角が相違する液晶表示装置におい
て、両基板間で電気的非対称を低減し、表示品位を向上
させる。 【解決手段】 互いに対向する第1の基板301および
第2の基板308と、前記基板同士間に挟持された液晶
層304とを備え、前記第1の基板301近傍に存在す
る液晶分子と前記第2の基板308近傍に存在する液晶
分子とでプレチルト角の絶対値が相違する液晶表示装置
の製造方法において、前記第1の基板の前記液晶層と接
する表面に形成される第1の配向膜303と、前記第2
の基板の前記液晶層と接する表面に形成される第2の配
向膜306とを同一材料で形成し、且つ、前記第1の配
向膜303または前記第2の配向膜306のいずれか一
方のみにラビング処理を施した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速応答で広視野
の表示性能を持つ液晶表示装置に関するものである。更
に具体的には、反射型光学補償ベンド型液晶表示装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、ブラウン管等に比較し
て薄型で軽量、かつ低消費電力のディスプレイ(画
(映)像表示)装置である。このためテレビやビデオな
どの画像表示装置やモニター、ワープロ、パーソナルコ
ンピューターなどの事務(OA)機器のみならず、携帯
電話あるいは携帯端末の表示部にも広く用いられてい
る。
【0003】従来、液晶表示素子としては、例えば、ネ
マチィック液晶を用いたツイストネマチック(TN)モ
ードの液晶表示素子が実用化されているが、これは応答
速度が遅く、また視野角が狭い等の欠点を有している。
また、応答速度が速く、視野角が広い強誘電性液晶(F
LC)、あるいは反強誘電性液晶(AFLC)等もある
が、現時点では耐ショック性、温度特性等に大きな欠点
があり、広く実用化されるまでには至っていない。ま
た、光散乱を利用する高分子分散型液晶を使用した表示
モードは、偏光板を必要とせず、高輝度表示が可能であ
るが、本質的に位相差板による視角制御が出来ない上
に、現時点では応答特性に課題を有しており、このため
TNモードの液晶に対する優位性は少ない。
【0004】最近、携帯電話、モバイルの用途分野では
情報処理速度が飛躍的に向上し、市場的に動画表示機能
を要求されつつある。このような要求に対応するものと
して、応答が速く視野角が広い光学補償ベンド(Optica
lly self-Compensated Bend:以下、「OCB」とい
う。)モードが提案されており、この反射型への応用と
して反射型光学補償ベンド(以下、「R−OCB」とい
う。)モードが提案されている。
【0005】図2は、R−OCBモード液晶表示装置の
構造を示す断面図である。この液晶表示装置は、透明電
極502が形成されている基板501と、透明電極50
7が形成されている基板508と、基板501、508
間に配置される液晶層504とを有する。透明電極50
2、507上には配向膜503、506が形成されてい
る。配向膜503には水平配向膜が用いられ、配向膜5
06には垂直配向膜が使用される。また、基板501、
508の外側には、偏光板513、516がクロスニコ
ルに配設されており、この偏光板513、516と基板
501、508間には位相補償板517、518が介在
している。更に、図示を省略するが、基板508の内面
または外面には反射板が配置されている。
【0006】このR−OCBモード液晶表示装置におい
ては、液晶層に電圧が印加されていない初期状態では液
晶層は、一方の基板側では液晶分子が基板面に対して垂
直に配向し、他方の基板側では液晶分子が水平に配向し
ている。表示に際しては、電圧印加により液晶層の中央
部の液晶分子の配向方向が基板に垂直となるように制御
する必要はあるものの、予め両基板において液晶分子の
プレチルト角が相違するため、OCBモードで必要とさ
れるような転移過程を必要としない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
R−OCBモード液晶表示装置においては、前述したよ
うに、両基板において液晶分子の配向を相違させる必要
があるため、配向膜503には水平配向膜を使用し、配
向膜506には垂直配向膜を使用するというように、両
基板で異なる種類の配向膜を使用している。その結果、
両基板間で電気的非対称が発生し、通常の使用条件にお
いても表示濃度不均一性や、長時間同じ表示を点灯させ
た場合の表示の焼き付きという不具合が発生し、表示品
位を著しく低下させるという問題があった。
【0008】そこで、本発明は、R−OCBモード液晶
表示装置など、両基板においてプレチルト角が相違する
液晶表示装置において、両基板間で電気的非対称を低減
し、表示品位を向上させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0010】前記目的を達成するため、本発明の第1の
液晶表示装置は、互いに対向する第1の基板および第2
の基板と、前記基板同士間に挟持された液晶層と、前記
第1の基板の前記液晶層と接する面に形成された第1の
配向膜と、前記第2の基板の前記液晶層と接する面に形
成された第2の配向膜を備えた液晶表示装置であって、
前記第1の配向膜と前記第2の配向膜とが同一材料で形
成され、且つ、前記第1の基板近傍に存在する液晶分子
と前記第2の基板近傍に存在する液晶分子とでプレチル
ト角の絶対値が相違していることを特徴とする。
【0011】前述したように、従来の液晶表示装置にお
いては、上下基板で異なる種類の配向膜を使用している
ため、配向膜材料間の電気特性(Δε等)の差により、
配向膜表面上に異なる分極を生じ、その結果、電気的非
対称が発生してDC成分が液晶層に常に印加される状態
が発生する。そのため、液晶層内に存在する水分、イオ
ン成分が配向膜表面に吸着して電気二重層を形成し、表
示焼き付き等の表示不具合が発生し易くなるものと考え
られる。
【0012】これに対して、本発明の液晶表示装置にお
いては、両基板において同一材料の配向膜を用いるた
め、電気的非対称が発生し難く、表示異常の少ない均一
な表示を達成することができる。
【0013】また、前記第1の液晶表示装置は、R−O
CB型液晶表示装置であることが好ましい。
【0014】前記目的を達成するため、本発明の第1の
製造方法は、互いに対向する第1の基板および第2の基
板と、前記基板同士間に挟持された液晶層とを備え、前
記第1の基板近傍に存在する液晶分子と前記第2の基板
近傍に存在する液晶分子とでプレチルト角の絶対値が相
違する液晶表示装置の製造方法であって、前記第1の基
板の前記液晶層と接する表面に第1の配向膜を形成し、
前記第2の基板の前記液晶層と接する表面に前記第1の
配向膜と同一材料からなる第2の配向膜を形成する工程
と、前記第1の配向膜および前記第2の配向膜の少なく
とも一方に配向処理を施し、前記第1の配向膜と前記第
2の配向膜とでプレチルト角制御特性を相違させる工程
とを含むことを特徴とする。
【0015】このような構成によれば、両基板において
同一材料の配向膜を用いるため、電気的非対称が発生し
難く、表示異常の少ない均一な表示を達成することがで
きる。
【0016】ここで、「プレチルト角制御特性が相違す
る」とは、第1の配向膜近傍に存在する液晶分子のプレ
チルト角と、第2の配向膜近傍に存在する液晶分子のプ
レチルト角とが互いに相違する状態である。
【0017】前記第1の製造方法においては、前記配向
処理を前記第1の配向膜または前記第2の配向膜のいず
れか一方のみに対して実施することが好ましい。この好
ましい例によれば、両基板において同一材料の配向膜を
用いながら、両基板のプレチルト角を相違させることが
容易である。
【0018】また、前記第1の製造方法においては、前
記配向処理として、ラビング処理を採用することができ
る。この場合、前記ラビング処理は前記第1の配向膜ま
たは前記第2の配向膜のいずれか一方のみに対して実施
してもよいし、前記第1の配向膜および前記第2の配向
膜の両方に対して実施し、且つ、前記第1の配向膜と前
記第2の配向膜とでラビング強度を相違させてもよい。
ラビング処理条件を変化させることで、両基板において
同一材料の配向膜を用いながら、両基板に異なるプレチ
ルト角を発生させることができる。
【0019】また、前記第1の製造方法においては、前
記配向処理として、撥水処理を採用することができる。
この場合、前記撥水処理は、前記第1の配向膜または前
記第2の配向膜のいずれか一方のみに対して実施するこ
とができる。
【0020】また、前記第1の製造方法においては、前
記配向処理として、紫外線を照射する処理を採用するこ
とができる。この場合、前記紫外線の照射を、前記第1
の配向膜または前記第2の配向膜のいずれか一方のみに
対して実施してもよいし、前記第1の配向膜および前記
第2の配向膜の両方に対して実施し、且つ、前記第1の
配向膜と前記第2の配向膜とで前記紫外線の照射強度お
よび照射時間の少なくとも一方を相違させてもよい。照
射条件を変化させることで、両基板において同一材料の
配向膜を用いながら、両基板に異なるプレチルト角を発
生させることができる。
【0021】また、前記第1の製造方法においては、前
記配向処理として、ラビング処理を実施した後、紫外線
を照射する処理を採用してもよい。
【0022】また、前記第1の製造方法においては、前
記第1の配向膜と前記第2の配向膜とに、異なる配向処
理を施してもよい。このような例としては、第1の配向
膜にラビング処理を実施し、第2の配向膜に紫外線照射
処理を実施する形態、第1の配向膜にラビング処理を実
施し、第2の配向膜に撥水処理を実施する形態、第1の
配向膜に紫外線照射処理を実施し、第2の配向膜に撥水
処理を実施する形態などが挙げられる。
【0023】また、前記第1の製造方法においては、前
記第1の配向膜および前記第2の配向膜として、ポリイ
ミド系配向膜、単分子光配向膜、斜方蒸着膜などを使用
することができる。
【0024】前記目的を達成するため、本発明の第2の
製造方法は、互いに対向する第1の基板および第2の基
板と、前記基板同士間に挟持された液晶層とを備え、前
記第1の基板近傍に存在する液晶分子と前記第2の基板
近傍に存在する液晶分子とでプレチルト角の絶対値が相
違する液晶表示装置の製造方法であって、前記第1の基
板の前記液晶層と接する表面にポリイミド配向膜前駆体
を形成し、これを焼成して第1の配向膜を形成する工程
と、前記第2の基板の前記液晶層と接する表面に、前記
ポリイミド配向膜前駆体と同一材料からなる前駆体を形
成し、これを焼成して第2の配向膜を形成する工程とを
含み、前記第1の配向膜を形成するための焼成温度と、
前記第2の配向膜を形成するための焼成温度とを互いに
相違させることを特徴とする。このような構成によれ
ば、両基板で同一材料のポリイミド配向膜を使用しなが
ら、ポリイミド配向膜の焼成温度、すなわち焼成時の熱
履歴を変化させることで、両基板に異なるプレチルト角
を発生させることができる。
【0025】また、前記第1および第2の製造方法にお
いては、液晶表示装置がR−OCB型液晶表示装置であ
ることが好ましい。
【0026】前記目的を達成するため、本発明の第2の
液晶表示装置は、互いに対向する第1の基板および第2
の基板と、前記基板同士間に挟持された液晶層と、前記
第1の基板の前記液晶層と接する面に形成された第1の
配向膜と、前記第2の基板の前記液晶層と接する面に形
成された第2の配向膜を備えた液晶表示装置であって、
前記第1の配向膜と前記第2の配向膜とが異なる材料で
形成され、前記第1の配向膜の誘電率が前記第2の配向
膜の誘電率よりも大きく、且つ、前記第1の配向膜の膜
厚が前記第2の配向膜の膜厚よりも小さいことを特徴と
する。このような構成によれば、両基板で異なる配向膜
を用いながらも、その膜厚を相違させることにより、両
基板の非対称性が軽減され、表示異常の少ない均一な表
示が達成できる。
【0027】また、前記第2の液晶表示装置の別の形態
は、互いに対向する第1の基板および第2の基板と、前
記基板同士間に挟持された液晶層と、前記第1の基板の
前記液晶層と接する面に形成された第1の配向膜と、前
記第2の基板の前記液晶層と接する面に形成された第2
の配向膜を備えた液晶表示装置であって、前記第1の配
向膜と前記第2の配向膜とが異なる材料で形成され、且
つ、前記第1の配向膜および前記第2の配向膜の少なく
とも一方の下方に絶縁膜が形成されていることを特徴と
する。このような構成によれば、絶縁層の存在により両
基板の非対称性が軽減され、表示異常の少ない均一な表
示が達成できる。
【0028】前記第2の液晶表示装置においては、前記
第1の基板上における液晶あるいは配向膜の分極量と、
前記第2の基板上における液晶あるいは配向膜の分極量
とが等しいことが好ましい。
【0029】ここで、「分極量」とは、液晶中に存在す
るイオンが配向膜上に吸着した電荷量と配向膜中の誘電
分極が配列することにより表面電荷が発生したものであ
る。この分極量によって液晶にDCバイアスが印加された
状態となるため、液晶の応答特性が非対称になる原因で
ある。この分極量を定量化するためには、液晶の特性を
対称化させるためにDCバイアス電圧を逆方向極性に印加
し、このDCバイアス電圧で評価可能である。単位面積あ
たりの電荷量Qは簡易的にQ=CVで示される。ここでCは単
位面積あたりの液晶の容量、Vは前述の対称化させるた
めに必要なDC電圧である。
【0030】また、前記第2の液晶表示装置は、R−O
CB型液晶表示装置であることが好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本実施形態の
液晶表示装置においては、互いに対向する第1の基板お
よび第2の基板と、前記基板同士間に挟持された液晶層
とを備え、前記第1の基板近傍に存在する液晶分子と前
記第2の基板近傍に存在する液晶分子とでプレチルト角
の絶対値が相違する。このような液晶表示装置として
は、例えば、R−OCB型液晶表示装置が挙げられる。
【0032】図1は、本発明の本実施形態に係る液晶表
示装置の構造の一例を示す断面図である。この液晶表示
装置においては、第1の基板301と第2の基板308
とがスペーサーを介して互いに対向するように配置され
ており、この両基板間に液晶層304が挟持されてい
る。第1の基板301および第2の基板308の液晶層
側表面には、それぞれ、透明電極302、307が形成
されている。更に、第1の基板301および第2の基板
308の液晶層と接する面には、それぞれ、第1の配向
膜303および第2の配向膜306が形成されている。
また、第1の基板301および第2の基板308の液晶
層側と反対の面には、それぞれ、偏光板315、31
6、および、位相補償板313、314などが適宜配置
されている。
【0033】この液晶表示装置においては、電圧が印加
されていない初期状態の液晶層の配向状態は、第1の基
板301近傍では液晶分子の分子軸が基板平面に対して
若干の傾きを有しながらもほぼ水平に配向した状態であ
り、第2の基板308近傍では液晶分子の分子軸が基板
平面に対して若干の傾きを有しながらもほぼ垂直に配向
した状態、すなわちハイブリッド配向である。
【0034】このようなハイブリッド配向を得るため、
第1の基板301近傍に存在する液晶分子は、基板平面
に対して水平または略水平に配向するように制御されて
いる。例えば、そのプレチルト角は、例えば0°〜15
°、好ましくは4°〜10°、更に好ましくは6°〜1
0°に制御されている。一方、第2の基板308近傍に
存在する液晶分子は、基板平面に対して垂直または略垂
直に配向するように制御されている。例えば、そのプレ
チルト角は、例えば30°〜80°、好ましくは40°
〜80°、更に好ましくは60°〜80°に制御されて
いる。
【0035】本実施形態においては、第1の配向膜30
3と第2の配向膜306は、同一材料で形成されてい
る。このように同一の配向膜を使用することにより、前
記両基板において電気的特性の非対称性が発生し難く、
表示以上の少ない良好な表示を実現することができる。
【0036】このような同一材料の配向膜を用いて両基
板でプレチルト角を相違させた液晶表示装置は、例え
ば、次のような方法により製造することができる。
【0037】(第1の方法)第1の基板301および第
2の基板308上に、それぞれ、透明電極302および
307を形成する。電極材料としては、例えば、インジ
ウム錫酸化物などの導電透明材料を使用することがで
き、その形成方法としては、例えば、化学気相成長(C
VD)法により電極材料を成膜した後、これをフォトリ
ソグラフィーおよびエッチングによりパターニングする
方法を採用することができる。
【0038】第1の基板301および第2の基板308
上に、それぞれ、透明電極を被覆するように、第1の配
向膜303および第2の配向膜306を形成する。この
とき、第1の配向膜303および第2の配向膜306は
同一材料により形成する。
【0039】配向膜の形成材料は、特に限定するもので
はなく、例えば、ポリイミド系配向膜材料、単分子光配
向膜、斜方蒸着膜などを用いることができる。単分子光
配向膜しては、例えば、下記式[化1]で表されるよう
なフルオロアルキルシロキサンの加水分解及び乾燥脱水
誘導体が挙げられる。
【0040】
【化1】
【0041】また、斜方蒸着膜としては、例えば、酸化
シリコンを使用することができる。また、その蒸着角に
ついては、特に限定するものではないが、例えば4〜1
5度である。
【0042】次に、第1の配向膜303および第2の配
向膜307のいずれか一方のみに、配向処理を施す。配
向処理としては、例えば、ラビング処理、撥水処理、紫
外線照射処理などを採用することができる。なお、配向
処理の条件については、配向膜の有するプレチルト角制
御性を考慮して、所望のプレチルト角に応じて設定され
る。
【0043】ラビング処理を採用する場合の例に挙げて
説明する。ラビング処理は、一般に、ラビング布を巻き
付けた回転ローラーを、一定の方向に移動する基板に近
接させながら回転させることによって、ラビング布より
起毛したパイルで基板(または配向膜)表面を一定方向
に擦ることにより実施される。このとき、ラビング強度
が強いほど、プレチルト角の絶対値を小さくすることが
できる。ラビング強度は、例えば、ラビング密度で表す
ことができる。ここで、ラビング密度R[mm 2]は、 R=l×v×t =2(z×r)1/2・2πr×p/60・2(z×r)1/2/s =0.42zr2p/s で示される。但し、lは接触距離[mm]、vは線速度
[mm/s]、tは処理時間[s]、zは押込み量[m
m]、rはローラー半径[mm]、πは円周率、pはロ
ーラー回転数[rpm]、sは基板の移動速度[mm/
s]である。なお、前記接触距離とはラビング布より起
毛したパイルの先端が基板に接触している長さで定義さ
れ、前記線速度とは基板上においてラビング布より起毛
したパイルの先端が移動する速度で定義され、前記押込
み量とはラビング布より起毛したパイルの毛足の長さと
前記パイルの毛足の根元から基板までの距離の差で定義
される。
【0044】例えば、第1の配向膜303および第2の
配向膜307としてポリイミド系化合物を使用して、前
述したようなハイブリッド配向の液晶表示装置を製造す
る場合であれば、ラビング密度は5000〜30000
mm2に設定することができ、好ましくは10000〜
25000mm2、更に好ましくは10000〜200
00mm2に設定される。
【0045】次に、配向処理として紫外線照射処理を採
用する場合を例に挙げると、紫外線の照射強度が強いほ
ど、プレチルト角の絶対値を小さくすることができる。
例えば、第1の配向膜303および第2の配向膜307
としてポリイミド系化合物を使用して、前述したような
ハイブリッド配向の液晶表示装置を製造する場合であれ
ば、照射強度は10〜1000Wに設定することがで
き、好ましくは100〜1000W、更に好ましくは2
00〜1000Wに設定される。
【0046】また、照射時間が長いほど、プレチルト角
の絶対値を小さくすることができる。例えば、第1の配
向膜303および第2の配向膜307としてポリイミド
系化合物を使用して、前述したようなハイブリッド配向
の液晶表示装置を製造する場合であれば、照射時間は2
秒から200秒に設定することができ、好ましくは2秒
から20秒、更に好ましくは2〜10秒に設定される。
【0047】また、単位面積あたりの積算照射光量は1
00〜1000mJ/cm2に設定することができ、好
ましくは100〜500mJ/cm2、更に好ましくは
100〜200mJ/cm2に設定される。
【0048】次に、撥水処理を採用した場合を例に挙げ
て説明する。撥水処理としては、例えば、配向膜表面に
撥水性を有する界面活性剤を塗布する方法が採用でき
る。この界面活性剤としては、例えば、CF3(CF2
7−(CH22−SiCl3に代表されるようなフルオロ
アルキルシロキサンなどの含フッ素化合物を使用するこ
とができる。特に、表示特性をより向上させることがで
きるため、フッ素の含有量の少ない化合物を使用するこ
とが好ましい。またシランカップリング剤の上記雰囲気
中にさらすだけでも効果は高い。
【0049】一般に、配向膜表面の撥水性が高いと垂直
配向性を示し、親水性が高いと水平配向性となる。よっ
て、撥水処理を施すことにより、一方のプレチルトを高
くすることができる。この場合、プレチルト角は撥水性
を有する界面活性剤の接触角とほぼ同等の値を示すが、
この値が約40°を超える場合は液晶配向性が悪くな
り、均一配向を達成し難くなる場合があり有効ではな
い。
【0050】また、前記配向処理を第1の配向膜303
および第2の配向膜307の両方に実施し、且つ、第1
の配向膜303と第2の配向膜307とでその処理条件
を相違させてもよい。ここで相違させる条件とは、前掲
した条件である。この場合、各条件は、所望のプレチル
ト角に応じて適宜設定することができる。
【0051】なお、単分子光配向膜または斜方蒸着膜を
使用した場合についても、前述したようなポリイミド形
配向膜を使用した場合の条件と、ほぼ同等の条件を適用
することが可能である。
【0052】また、斜方蒸着膜を採用する場合は、蒸着
方向の基板平面に対する傾きを相違させることにより、
電気的特性を同一としながら垂直配向と水平配向を形成
することも可能である。また、単分子光配向膜では、膜
厚が極めて薄いため、多少の電気的な非対称があっても
それを緩和できるメリットがある。
【0053】(第2の方法)第2の方法は、配向膜とし
てポリイミド系配向膜を使用する場合に有効な方法であ
る。まず、前記第1の方法と同様にして、第1の基板3
01および第2の基板308上に透明電極302および
307を形成する。
【0054】次に、前記第1の基板301および前記第
2の基板308のそれぞれに、電極を被覆するように、
ポリイミド系配向膜材料を塗布し、第1の配向膜前駆体
および第2の配向膜前駆体を形成する。ここで、ポリイ
ミド系配向膜材料としては、第1の基板301と第2の
基板308とで同一材料を使用する。
【0055】続いて、第1の配向膜前駆体および第2の
配向膜前駆体を焼成するが、このとき、第1の配向膜前
駆体と第2の配向膜前駆体とでその焼成条件、例えば焼
成温度を相違させる。この場合、焼成温度が高いほど、
プレチルト角の絶対値を小さくすることができる。例え
ば、前述したようなハイブリッド配向の液晶表示装置を
製造する場合であれば、第1の配向膜前駆体と第2の配
向膜前駆体とで焼成温度を60〜80℃、更には80〜
100℃相違させることが好ましい。
【0056】また、焼成温度に代えて、焼成時間を相違
させてもよい。この場合、焼成時間が長いほど、プレチ
ルト角の絶対値を小さくすることができる。例えば、前
述したようなハイブリッド配向の液晶表示装置を製造す
る場合であれば、第1の配向膜前駆体と第2の配向膜前
駆体とで焼成時間を5〜20分、更には5〜10分相違
させることが好ましい。または、同一の焼成温度であっ
ても、徐冷または急冷というように、熱履歴を変化させ
ることが好ましい。また、焼成温度および焼成時間の両
方を相違させてもよい。
【0057】前述したように、本実施形態の液晶表示装
置によれば、ハイブリッド配向の液晶表示装置におい
て、前記両基板において電気的特性の非対称性を低減
し、表示異常の少ない良好な表示を実現することができ
る。
【0058】なお、本実施形態の液晶表示装置は、プレ
チルト角が上下基板で相違するものであれば、その表示
モードについて特に限定するものではなく、反射型ある
いは透過型を問わずあらゆるモードの液晶表示装置に適
用することが可能である。
【0059】また、本実施形態の方法は、配向膜のみな
らず、液晶層に電気的非対称を発生させるその他の付加
形成膜についても、同様に応用できる。更に、液晶表示
装置の駆動上、液晶層に電気的非対称が発生している場
合は、逆に上下基板内で駆動上の非対称を相殺するよう
に、意識的に電気的非対称を形成することも有効であ
る。
【0060】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態に係る液晶表示装置の別の一例について説明す
る。なお、液晶表示装置の構造については、図1に示す
構造と実質的に同様であり、その詳細な説明については
省略する。
【0061】本実施形態における液晶層の配向状態は、
第1の実施形態と同様に、第1の基板近傍に存在する液
晶分子のプレチルト角の絶対値と、第2の基板近傍に存
在する液晶分子のプレチルト角の絶対値とが互いに相違
する配向、例えばハイブリッド配向である。なお、プレ
チルト角の絶対値およびその差については、第1の実施
形態と同様とすることができる。
【0062】本実施形態においては、第1の配向膜30
3と第2の配向膜306は異なる材料で形成され、且
つ、その膜厚が互いに相違している。この膜厚は、第1
の配向膜303および第2の配向膜306の有する静電
容量がほぼ等しくなるように調整される。すなわち、第
1の配向膜303の誘電率が第2の配向膜306の誘電
率よりも大きい場合、第1の配向膜303の膜厚が第2
の配向膜306の膜厚よりも小さくなるように調整され
る。
【0063】好ましくは、第1の配向膜の容量と第2の
配向膜の容量との差が、第1の配向膜の容量と第2の配
向膜の容量のうちの小さい方の容量の10%以下、望ま
しくは5%以下、さらに望ましくは3%以下であれば良
好な特性が得られる。但し、表示特性は、液晶材料と配
向膜材料との相性、液晶層の比抵抗などの影響をも受け
るため、前記容量の差は必ずしも前記範囲である必要は
ない。
【0064】また、本実施形態においては、第1の配向
膜303と第2の配向膜306を異なる材料で形成し、
且つ、第1の配向膜および第2の配向膜の少なくとも一
方の下方に絶縁膜を積層してもよい。このときも同様
に、第1の基板上の合成容量が第2の基板上の合成容量
との差が、前記合成容量のうちの小さい方の合成容量の
10%以下、望ましくは5%以下、さらに望ましくは3
%以下であれば良好な特性が得られる。この場合は、合
成容量は、配向膜とその下地層の直列接続されたコンデ
ンサと等価であるとみなせる。また、誘電率の高い配向
膜材料を用いる場合、下地に誘電率の低い材料を形成す
ると効果的である。なお、前述したように、表示特性
は、液晶材料と配向膜材料との相性、液晶層の比抵抗な
どの影響をも受けるため、前記容量の差は必ずしも前記
範囲である必要はない。
【0065】なお、絶縁膜の材料および膜厚について
は、上記条件を満足するものであれば、特に限定するも
のではない。絶縁膜材料としては、例えば、SiO2
SiOx、SiN、Ta25などの無機材料であっても
よいし、アクリル系フォトレジスト、基板の平坦化に用
いられる有機高分子膜をなどの有機材料でもよい。ま
た、絶縁膜の膜厚についは、例えば50〜5000n
m、好ましくは100〜4000nmとすることができ
る。
【0066】なお、第1の配向膜および第2の配向膜の
形成材料および膜厚については、上記条件を満足するも
のであれば、特に限定するものではない。配向膜の形成
材料としては、第1の実施形態で例示したものを使用す
ることができる。また、配向膜の膜厚は、例えば20〜
200nm、好ましくは50〜120nmとすることが
できる。
【0067】本実施形態の液晶表示装置によれば、ハイ
ブリッド配向の液晶表示装置において、2枚の両基板に
おいて異なる配向膜を使用しながらも、その膜厚を調製
したり、絶縁膜を追加形成することによって、前記両基
板において電気的特性の非対称性を低減し、表示以上の
少ない良好な表示を実現することができる。
【0068】なお、本実施形態の液晶表示装置について
も、第1の実施形態と同様に、プレチルト角が上下基板
で相違するものであれば、その表示モードについて特に
限定するものではなく、反射型あるいは透過型を問わず
あらゆるモードの液晶表示装置に適用することが可能で
ある。
【0069】また、本実施形態の方法は、配向膜のみな
らず、液晶層に電気的非対称を発生させるその他の付加
形成膜についても、同様に応用できる。更に、液晶表示
装置の駆動上、液晶層に電気的非対称が発生している場
合は、逆に上下基板内で駆動上の非対称を相殺するよう
に、意識的に電気的非対称を形成することも有効であ
る。
【0070】
【実施例】(実施例1)図1と同様の構造を有する液晶
表示装置を以下の要領で作製した。まず、マトリックス
構成を有する透明電極付きの2枚のガラス基板上にポリ
イミド系配向膜材料(日産化学工業社製「SE−779
2(商品面)」:固形成分6%)を塗布し、200℃の
恒温層中で1時間硬化させて配向膜を形成した。なお、
ポリイミド系配向膜の膜厚は約100nmとした。その
後、レーヨン製ラビング布を用いて一方の基板(以下、
「フロント側基板」という。)のみにラビング処理を施
した。なお、ラビング条件は、ローラーの回転数を60
0回転、基板の移動速度を20mm/s、ローラー半径
を65mm、押し込み量を0.3mmとした。
【0071】上記2枚の基板を、スペーサー(日本触媒
社製)およびシール樹脂(三井東圧化学社製「ストラク
トボンドXN−21−S(商品名)」)を用いて、基板
間隔が6.5μmとなり、マトリックスが上下2枚の基
板で直交するように貼り合せてセルを作製した。上記セ
ルに、液晶材料(メルクジャパン社製「MJ96435
(商品名)」)を真空注入法にて注入し、封止樹脂(日
本ロックタイト社製「352A(商品名)」:UV硬化
型樹脂)を用いて封止した。次に、フロント側基板に
は、その偏光軸が配向膜のラビング処理方向と45°の
角度をなし、かつ、偏光板に貼合するフィルム位相差板
を任意の角度で配置し、他方の基板(以下、「リア側基
板」という。)には反射板のみを貼合し、テストセルを
作製した。これを、テストセルAとする。
【0072】また、リア側基板に形成する配向膜とし
て、膜厚約50nmの垂直配向膜(日産化学工業社製
「RN−768(商品面)」:固形成分6%)を使用し
たこと以外は、テストセルAと同様にして、テストセル
Bを作製した。
【0073】また、比較例として、リア側基板に形成す
る垂直配向膜の膜厚を約100nmとしたこと以外は、
テストセルBと同様にして、テストセルRを作製した。
【0074】得られたテストセルに、室温にて6Vのス
タティック波形を印加し、市松表示で24時間の連続表
示を行った後、全点灯表示を行い、連続点灯部分の表示
異常を観察した。また、市松表示24時間の連続表示後
の全点灯表示観察を1サイクルとした。表1に、各テス
トセルの表示上の目視観察結果を示す。
【0075】
【表1】
【0076】表1より明らかなように、テストセルRは
僅か1サイクル目で強い表示の焼き付きが発生してい
る。これに対し、テストセルAは、10サイクル後の確
認においても表示の焼き付きは発生しなかった。また、
テストセルBでは、7サイクル以降に初めて表示焼きつ
きが発生した。
【0077】この理由であるが、比較例のテストセルR
では、異種の配向膜材料を使用しているため、電気的非
対称が発生し、焼き付きが発生したものと考えられる。
但し、テストセルBでは、フロント側基板の配向膜のコ
ンデンサ容量に合わせ、リア側基板の配向膜の膜厚を、
フロント側基板の配向膜の約50パーセントに調整する
ことにより、テストセルRの場合に比べ、焼き付き発生
時間が延長されており、電気的対称性を向上することで
大幅な信頼性向上を達成できることが確認できた。
【0078】(実施例2)図1と同様の構造を有する液
晶表示装置を以下の要領で作製した。まず、マトリック
ス構成を有する透明電極付きの2枚のガラス基板上にポ
リイミド系配向膜材料(日産化学社製「RN−768
(商品名)」:約40°のプレチルト角を発現する。)
を塗布し、200℃の恒温層中で1時間硬化させて配向
膜を形成した。一方の基板(以下、「フロント側基板」
という。)の配向膜のみに、下記条件でラビング処理を
施した後、300nm未満の比較的短波長のUV光を照
射した。このとき、積算照射光量は2000mJとし
た。ラビング条件は、ローラーの回転数を600回転、
基板の移動速度を20mm/s、ローラー半径を65m
m、押し込み量を0.3mmとした。
【0079】上記基板を用いて、実施例1と同様にし
て、テストセルを作製した。これを、テストセルCとす
る。テストセルCにおいては、UV光照射を実施したフ
ロント側基板におけるプレチルト角が、他方の基板(以
下、「リア側基板」という。)におけるプレチルト角よ
り小さいことが確認された。
【0080】得られたテストセルについて、実施例1と
同様の方法により、その表示特性を観察評価した。結果
を、表2に示す。
【0081】
【表2】
【0082】表2より明らかなように、本実施例におい
ても、実施例3のテストセルAと同様に、10サイクル
後の確認においても表示の焼き付きは発生しなかった。
【0083】(実施例3)実施例1と同様にして、マト
リックス構成を有する透明電極付きの2枚のガラス基板
上にポリイミド系配向膜を形成した。次に、一方の基板
(以下、「リア側基板」という。)の配向膜表面に、撥
水性の界面活性剤(信越化学工業社製「MFS−17
(商品名)」)を厚み20nmで塗布し、120℃で乾
燥させた。
【0084】上記2枚の基板を用いて、実施例1と同様
にして、テストセルを作製した。これを、テストセルD
とする。得られたテストセルについて、実施例1と同様
の方法により、その表示特性を観察評価した。結果を、
表3に示す。
【0085】
【表3】
【0086】表3より明らかなように、本実施例のテス
トセルDにおいては、8サイクル以降に弱い焼き付きは
発生するものの、7サイクルまでは良好な表示品質を確
保できた。
【0087】(実施例4)図1と同様の構造を有する液
晶表示装置を以下の要領で作製した。まず、マトリック
ス構成を有する透明電極付きのガラス基板上に、シリコ
ン窒化膜を膜厚約100nmで形成した(以下、この基
板を「リア側基板」という。)。このリア側基板のシリ
コン窒化膜上にポリイミド系配向膜材料(日産化学社製
「SE−7792(商品名)」)を塗布し、200℃の
恒温層中で1時間硬化させて配向膜を形成した。一方、
別の透明電極付きのガラス基板上に同様のポリイミド系
配向膜材料を塗布し、200℃の恒温層中で1時間硬化
させて配向膜を形成した(以下、この基板を「フロント
側基板」という。)。
【0088】上記基板を用いて、実施例1と同様にし
て、テストセルを作製した。このとき、フロント側基板
の配向膜の膜厚を約100nmに固定し、リア側基板の
配向膜の膜厚を、表4に示すように、それぞれ、10n
m、30nm、60nmおよび90nmとして、4種の
テストセルを作製した(テストセルE〜H)。得られた
テストセルについて、実施例1と同様の方法により、そ
の表示特性を観察評価した。結果を表4に示す。なお、
表4において、テストセル名とともに記した括弧内の数
値は、リア側基板の配向膜の膜厚である。
【0089】
【表4】
【0090】表4より明らかなように、テストセルFで
最も良好な表示特性が得られ、次いでテストセルEで良
好な表示特性が得られた。この理由であるが、テストセ
ルFでは、フロント基板配向膜のコンデンサ容量と、リ
ア基板の絶縁膜と配向膜のコンデンサ容量の和が等しい
状態になっており、電気的非対称性が最も小さいためで
あると考えられる。また、テストセルEでは、テストセ
ルFに次いで電気的非対称性が小さい状態であると考え
られる。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
2枚の基板においてプレチルト角が相違する液晶表示装
置において、前記両基板において同一材料の配向膜を使
用するか、または、前記両基板において異なる配向膜を
使用し、その膜厚を相違させるか若しくは絶縁膜を追加
形成することによって、前記両基板における電気的特性
の非対称性を低減し、表示以上の少ない良好な表示を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液晶表示装置の一例を示す断面図で
ある。
【図2】 R−OCB型液晶表示装置の一例を示す断面
図である。
【符号の説明】
301,308,501,508 基板 302,307,502,507 透明電極 303,306,503,506 配向膜 304304 液晶層 313,314,513,514 位相差板 315,316,515,516 偏光板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石原 將市 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 上村 強 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鈴木 大一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H088 HA03 JA09 KA14 LA05 2H090 HB08Y MA10 MA16 MB01 MB12 MB14

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する第1の基板および第2の
    基板と、前記基板同士間に挟持された液晶層と、前記第
    1の基板の前記液晶層と接する面に形成された第1の配
    向膜と、前記第2の基板の前記液晶層と接する面に形成
    された第2の配向膜を備えた液晶表示装置であって、前
    記第1の配向膜と前記第2の配向膜とが同一材料で形成
    され、且つ、前記第1の基板近傍に存在する液晶分子と
    前記第2の基板近傍に存在する液晶分子とでプレチルト
    角の絶対値が相違していることを特徴とする液晶表示装
    置。
  2. 【請求項2】 R−OCB型液晶表示装置である請求項
    1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 互いに対向する第1の基板および第2の
    基板と、前記基板同士間に挟持された液晶層とを備え、
    前記第1の基板近傍に存在する液晶分子と前記第2の基
    板近傍に存在する液晶分子とでプレチルト角の絶対値が
    相違する液晶表示装置の製造方法であって、前記第1の
    基板の前記液晶層と接する表面に第1の配向膜を形成
    し、前記第2の基板の前記液晶層と接する表面に前記第
    1の配向膜と同一材料からなる第2の配向膜を形成する
    工程と、前記第1の配向膜および前記第2の配向膜の少
    なくとも一方に配向処理を施し、前記第1の配向膜と前
    記第2の配向膜とでプレチルト角制御特性を相違させる
    工程とを含む液晶表示装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記配向処理が、前記第1の配向膜また
    は前記第2の配向膜のいずれか一方のみに実施される請
    求項3に記載の液晶表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記配向処理がラビング処理である請求
    項3または4に記載の液晶表示装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ラビング処理が前記第1の配向膜お
    よび前記第2の配向膜の両方に対して実施され、且つ、
    前記第1の配向膜と前記第2の配向膜とでラビング強度
    が相違する請求項5に記載の液晶表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記配向処理が撥水処理を施す工程であ
    る請求項3または4に記載の液晶表示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記配向処理が紫外線を照射する処理で
    ある請求項3または4に記載の液晶表示装置の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記紫外線の照射が、前記第1の配向膜
    および前記第2の配向膜の両方に対して実施され、且
    つ、前記第1の配向膜と前記第2の配向膜とで前記紫外
    線の照射強度および照射時間の少なくとも一方が相違す
    る請求項8に記載の液晶表示装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記配向処理が、ラビング処理を実施
    した後、紫外線を照射する処理である請求項3または4
    に記載の液晶表示装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第1の配向膜と前記第2の配向膜
    とに、異なる配向処理が施される請求項3に記載の液晶
    表示装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第1の配向膜および前記第2の配
    向膜が、ポリイミド系配向膜、単分子光配向膜または斜
    方蒸着膜である請求項3〜11のいずれかに記載の液晶
    表示装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記液晶表示装置が、R−OCB型液
    晶表示装置である請求項3〜12のいずれかに記載の液
    晶表示装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 互いに対向する第1の基板および第2
    の基板と、前記基板同士間に挟持された液晶層とを備
    え、前記第1の基板近傍に存在する液晶分子と前記第2
    の基板近傍に存在する液晶分子とでプレチルト角の絶対
    値が相違する液晶表示装置の製造方法であって、前記第
    1の基板の前記液晶層と接する表面にポリイミド配向膜
    前駆体を形成し、これを焼成して第1の配向膜を形成す
    る工程と、前記第2の基板の前記液晶層と接する表面
    に、前記ポリイミド配向膜前駆体と同一材料からなる前
    駆体を形成し、これを焼成して第2の配向膜を形成する
    工程とを含み、前記第1の配向膜を形成するための焼成
    温度と、前記第2の配向膜を形成するための焼成温度と
    を互いに相違させることを特徴とする液晶表示装置の製
    造方法。
  15. 【請求項15】 液晶表示装置がR−OCB型液晶表示
    装置である請求項14に記載の液晶表示装置の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 互いに対向する第1の基板および第2
    の基板と、前記基板同士間に挟持された液晶層と、前記
    第1の基板の前記液晶層と接する面に形成された第1の
    配向膜と、前記第2の基板の前記液晶層と接する面に形
    成された第2の配向膜を備えた液晶表示装置であって、
    前記第1の配向膜と前記第2の配向膜とが異なる材料で
    形成され、前記第1の配向膜の誘電率が前記第2の配向
    膜の誘電率よりも大きく、且つ、前記第1の配向膜の膜
    厚が前記第2の配向膜の膜厚よりも小さいことを特徴と
    する液晶表示装置。
  17. 【請求項17】 前記第1の基板上における液晶分子の
    分極量と、前記第2の基板上における液晶分子の分極量
    とが等しい請求項16に記載の液晶表示装置。
  18. 【請求項18】 R−OCB型液晶表示装置である請求
    項16または17に記載の液晶表示装置。
  19. 【請求項19】 互いに対向する第1の基板および第2
    の基板と、前記基板同士間に挟持された液晶層と、前記
    第1の基板の前記液晶層と接する面に形成された第1の
    配向膜と、前記第2の基板の前記液晶層と接する面に形
    成された第2の配向膜を備えた液晶表示装置であって、
    前記第1の配向膜と前記第2の配向膜とが異なる材料で
    形成され、且つ、前記第1の配向膜および前記第2の配
    向膜の少なくとも一方の下方に絶縁膜が形成されている
    ことを特徴とする液晶表示装置。
  20. 【請求項20】 前記第1の基板上における液晶分子の
    分極量と、前記第2の基板上における液晶分子の分極量
    とが等しい請求項19に記載の液晶表示装置。
  21. 【請求項21】 R−OCB型液晶表示装置である請求
    項19または20に記載の液晶表示装置。
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