JP3252294B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶分子をあるプレチ
ルト角をもたせて水平配向した液晶表示素子に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】液晶分子を水平配向させた液晶表示素子
には、TN(ツイステッド・ネマティック)モード、S
TN(スーパー・ツイステッド・ネマティック)モー
ド、ECB(電界制御型複屈折)モードのうちの水平配
向型のもの、強誘電性液晶または反強誘電性液晶を用い
たもの等がある。
【0003】これらの液晶表示素子は、液晶層をはさん
で対向する一対の透明基板の互いに対向する面に、透明
電極と、液晶分子を水平に配向させるための水平配向膜
とを形成した構成となっている。なお、強誘電性液晶ま
たは反強誘電性液晶を用いた液晶表示素子には、一方の
基板のみに水平配向膜を設けているものもある。
【0004】これらの液晶表示素子の基板上に設けられ
る水平配向膜は、一般に、基板上にポリイミド等からな
る水平配向材の膜を形成し、その膜面を一方向にラビン
グ処理して形成されており、液晶分子は、基板面に対し
あるプレチルト角をもって水平配向されている。
【0005】このプレチルト角は、液晶分子の配向の安
定性を左右する重要な要素であり、プレチルト角をある
程度大きくしてやれば、配向膜の配向規制力による液晶
分子の配向の安定性を良くすることができる。
【0006】ところで、上記液晶表示素子における液晶
分子のプレチルト角は、主に配向膜の材質によって決ま
るが、現在開発されている水平配向材は、比較的大きな
プレチルト角が得られるものほど信頼性が低いため、こ
のような配向材で配向膜を形成すると、液晶表示素子の
表示の安定性が悪くなり、長期間の使用にともなって表
示むら等の欠陥が発生してしまう。
【0007】このため、液晶表示素子の配向膜には、プ
レチルト角はあまり大きくとれないが、液晶表示素子の
表示の安定性は良くすることができる、信頼性の高い水
平配向材が用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記信
頼性の高い水平配向材で配向膜を形成している従来の液
晶表示素子は、液晶分子のプレチルト角が小さいため
に、液晶分子の初期配向状態が不均一になってしまい、
そのため、液晶表示素子が表示むらのある低品質のもの
となってしまうという問題をもっていた。
【0009】本発明の目的は、液晶分子のプレチルト角
を大きくして液晶分子の配向の安定性を良くすることが
でき、しかも、配向膜を信頼性の高い水平配向材で形成
して表示の安定性も良くすることができる液晶表示素子
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面が平坦な
一対の基板と、これらの一対の基板の内面に形成された
表示用の電極と、これらの電極上に形成された水平配向
膜と、前記一対の基板間に封入された液晶とを備え、前
記一対の基板の少なくとも一方に、真空蒸着により凹部
と凸部の高低差が10nm以上の表面粗さを持った凹凸
面が表面に形成される膜厚に成膜された電極が形成さ
れ、この電極表面の凹凸面上にほぼ均一な膜厚の水平配
向膜を形成することにより、前記水平配向膜を前記液晶
の液晶分子にプレチルト角を与える凹凸面膜としたこと
を特徴とするものである。また、請求項2に記載の発明
は、一対の基板の少なくとも一方に形成される表面粗さ
が10nm以上の凹凸面を有する電極は、その膜厚が2
60nm以上に形成されていることを特徴とする。
【0011】
【作用】このように、配向膜を表面粗さが10nm以上
の凹凸面膜とすると、この配向膜によって配向される液
晶分子が、配向膜の材質に応じたプレチルト角より大き
なプレチルト角をもって配向するため、液晶分子のプレ
チルト角を大きくとれない水平配向材で配向膜を形成し
ても、実際の液晶分子のプレチルト角を大きくして液晶
分子の配向の安定性を良くすることができる。また前記
水平配向材は、液晶分子のプレチルト角は大きくとれな
いが高い信頼性をもっているため、表示の安定性も良す
ることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1および図2を
参照して説明する。図2は液晶表示素子の断面図、図1
は図2のI部分の拡大図である。
【0013】まず、液晶表示素子の全体構成を説明す
る。この液晶表示素子は、図2に示すように、ガラス等
からなる一対の透明基板1,2を枠状のシール材3を介
して接着し、この両基板1,2間のシール材3で囲まれ
た領域に液晶8を封入したもので、両方基板1の内面に
はそれぞれ表示用の透明電極4,5が設けられており、
その上には、液晶分子を水平に配向させるための水平配
向膜6,7が設けられている。
【0014】上記水平配向膜6,7は、ポリイミド等の
水平配向材で形成されており、その膜面にはラビング処
理が施されている。そして、これら配向膜6,7は、図
1に示すように、微細な凹凸をもつ凹凸面膜とされてお
り、その凸部と凹部との高低差、つまり表面粗さ(R
a)は、10nm以上とされている。
【0015】この配向膜6,7は、その下の配向膜形成
面、つまり透明電極4,5の表面を、表面粗さが10n
m以上の凹凸面とすることによって上記のような凹凸面
膜とされている。
【0016】上記透明電極4,5は、基板1,2上に透
明導電膜、例えばITO膜を真空蒸着法により成膜し、
このITO膜をフォトリソグラフィ法によりパターニン
グして形成されたものであり、真空蒸着法により成膜さ
れる被膜の表面粗さは、その堆積厚さが厚くなるのにと
もなって大きくなるため、この実施例では、前記ITO
膜をその表面粗さが10nm以上になる膜厚に成膜し、
このITO膜をパターニングして、上記表面粗さをもつ
電極4,5を形成している。
【0017】そして、配向膜6,7は、上記電極4,5
の上にほぼ均一な膜厚に形成されており、このように、
表面を凹凸面とした電極4,5の上にほぼ均一な膜厚に
配向膜6,7を形成すると、この配向膜6,7が、電極
4,5の表面粗さとほぼ同じ表面粗さをもつ凹凸面膜と
なる。
【0018】なお、上記配向膜6,7の膜厚は500〜
1000nmであり、配向膜6,7の膜厚がこの程度で
あれば、配向膜6,7の表面粗さが電極4,5の表面粗
さとほぼ同じになる。
【0019】すなわち、上記液晶表示素子は、その両基
板1,2に設ける透明電極4,5の表面を、表面粗さが
10nm以上の凹凸面とし、この電極4,5の上にほぼ
均一な膜厚に配向膜6,7を形成することによって、こ
れら配向膜6,7を表面粗さが10nm以上の凹凸面膜
としたものであり、配向膜6,7をこのような凹凸面膜
とすると、この配向膜6,7によって配向される液晶分
子が、配向膜6,7の材質に応じたプレチルト角より大
きなプレチルト角をもって配向する。なお、図1におい
て、矢印aは液晶分子のプレチルト方向、θは基板面に
対する液晶分子のプレチルト角を示している。
【0020】下記の[表1]は、透明電極4,5の表面
粗さを異ならせた3種類の液晶表示素子を試作し、これ
ら各素子について液晶分子のプレチルト角(平均値)を
調べた結果を示している。
【0021】なお、ここでは、各素子の電極表面粗さを
それぞれ8.2nm(電極膜厚100nm),9.5n
m(電極膜厚140nm),13.2nm(電極膜厚2
60nm)とした。また配向膜としては、固有の液晶分
子プレチルト角が異なる4種類の配向膜を選び、これら
配向膜を各素子にそれぞれ同じ膜厚(500〜600n
m)に形成した。
【0022】
【表1】
【0023】この[表1]のように、電極表面粗さを
8.2nm(配向膜の表面粗さも同じ)とした素子1
は、配向膜Aを用いた場合のプレチルト角が3.0°、
配向膜Bを用いた場合のプレチルト角が2.4°、配向
膜Cを用いた場合のプレチルト角が4.2°、配向膜D
を用いた場合のプレチルト角が4.5°であり、これら
プレチルト角は、各配向膜の固有のプレチルト角(配向
膜面を凹凸面としないときのプレチルト角)とほとんど
同じである。これは、電極表面粗さを9.5nm(配向
膜の表面粗さも同じ)とした素子2においても同様であ
る。
【0024】これに対して、電極表面粗さを13.2n
m(配向膜の表面粗さも同じ)と大きくした素子3は、
配向膜Aを用いた場合のプレチルト角が3.2°、配向
膜Bを用いた場合のプレチルト角が2.6°、配向膜C
を用いた場合のプレチルト角が4.7°、配向膜Dを用
いた場合のプレチルト角が4.9°と、上記素子1およ
び素子2よりプレチルト角が大きくなっている。
【0025】これは、配向膜6,7の表面粗さを10n
m以上にすると、液晶分子が配向膜6,7の材質に応じ
たプレチルト角より大きなプレチルト角をもって配向す
ることを示している。
【0026】そして、上記液晶表示素子においては、両
基板1,2の配向膜6,7を表面粗さが10nm以上の
凹凸面膜としているため、液晶分子のプレチルト角を大
きくとれない水平配向材で配向膜を形成しても、実際の
液晶分子のプレチルト角θを大きくして、液晶分子の配
向の安定性を良くすることができ、したがって、液晶分
子の初期配向状態を均一にして、その表示品質を向上さ
せることができる。
【0027】また、前記水平配向材は、液晶分子のプレ
チルト角は大きくとれないが高い信頼性をもっているた
め、表示の安定性が良いから、長期間の使用にともなっ
て表示むら等の欠陥が発生することはない。
【0028】また、上記実施例では、透明電極4,5の
表面を表面粗さが10nm以上の凹凸面とするために、
この電極4,5の膜厚(ITO膜の堆積厚さ)を厚くし
ているが、このように電極4,5の膜厚を厚くすると、
上記[表1]に示したように電極の面抵抗が小さくなる
ため、電極4,5での電圧降下を小さくできるという効
果も得ることができる。
【0029】なお、上記実施例の液晶表示素子は、透明
電極4,5の上に配向膜6,7を形成したものである
が、本発明は、透明電極4,5をSi N(窒化硅素)ま
たはSi O2 (酸化硅素)等からなる透明な絶縁膜で覆
ってその上に配向膜6,7を形成している液晶表示素子
にも適用できるもので、その場合は、前記絶縁膜を、そ
の表面粗さが10nm以上になるように成膜(プラズマ
CVD装置によって成膜)すればよい。
【0030】また、上記実施例では、配向膜形成面(透
明電極4,5の表面)を表面粗さが10nm以上の凹凸
面とし、その上に配向膜6,7をほぼ均一な膜厚に形成
することによって、この配向膜6,7を上記表面粗さの
凹凸面膜としているが、この配向膜6,7を凹凸面膜と
する手段は、上記実施例に限られるものではない。
【0031】さらに、上記実施例では、液晶表示素子の
両方の基板1,2の配向膜6,7をそれぞれ表面粗さが
10nm以上の凹凸面膜としているが、いずれか一方の
基板の配向膜は、表面粗さが10nmより小さい凹凸面
膜としても、また凹凸がほとんどない平坦膜としてもよ
い。
【0032】
【発明の効果】本発明の液晶表示素子は、表面が平坦な
一方の基板上に、真空蒸着により凹部と凸部の高低差
10nm以上の表面粗さを持った凹凸面が表面に形成さ
れる膜厚に成膜された電極が形成され、この電極表面の
凹凸面上にほぼ均一な膜厚の水平配向膜を形成すること
により、前記水平配向膜を前記液晶の液晶分子にプレチ
ルト角を与える凹凸面膜としたものであるから、液晶分
子のプレチルト角を大きくして液晶分子の配向の安定性
を良くすることができ、しかも配向膜を信頼性の高い水
平配向材で形成して表示の安定性も良くすることができ
る。
【0033】
【発明の効果】本発明の液晶表示素子は、少なくとも一
方の基板の水平配向膜を、表面粗さが10nm以上の凹
凸面膜としたものであるから、液晶分子のプレチルト角
を大きくして液晶分子の配向の安定性を良くすることが
でき、しかも、配向膜を信頼性の高い水平配向材で形成
して表示の安定性も良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI部分の拡大図。
【図2】液晶表示素子の断面図。
【符号の説明】
1,2…基板 3…シール材 4,5…電極 6,7…配向膜 8…液晶 a…液晶分子のプレチルト方向 θ…プレチルト角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337 G02F 1/1343

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面が平坦な一対の基板と、これらの一対
    の基板の内面に形成された表示用の電極と、これらの電
    極上に形成された水平配向膜と、前記一対の基板間に封
    入された液晶とを備え、前記一対の基板の少なくとも一
    方に、真空蒸着により凹部と凸部の高低差が10nm以
    上の表面粗さを持った凹凸面が表面に形成される膜厚に
    成膜された電極が形成され、この電極表面の凹凸面上に
    ほぼ均一な膜厚の水平配向膜を形成することにより、前
    記水平配向膜を前記液晶の液晶分子にプレチルト角を与
    える凹凸面膜としたことを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】一対の基板の少なくとも一方に形成される
    表面粗さが10nm以上の凹凸面を有する電極は、その
    膜厚が260nm以上に形成されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の液晶表示素子。
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