JP3155900B2 - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

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JP3155900B2
JP3155900B2 JP818995A JP818995A JP3155900B2 JP 3155900 B2 JP3155900 B2 JP 3155900B2 JP 818995 A JP818995 A JP 818995A JP 818995 A JP818995 A JP 818995A JP 3155900 B2 JP3155900 B2 JP 3155900B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレビ受像機、ビデオ
カメラのビューファインダー、コンピュータの端末用モ
ニターなどに用いられる表示素子あるいは液晶プリンタ
ーやプロジェクターなどに用いられる光バルブに採用さ
れ得る液晶素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【背景技術の説明】比較的低コストで製造できるものと
してTN液晶を用いたパッシブマトリクス駆動方式の液
晶表示素子が知られている。この素子は、クロストーク
やコントラストの点で限界があり、TN液晶を用いたパ
ッシブマトリクス駆動方式の液晶表示素子は、高密度配
線数の表示素子、例えば液晶テレビジョンパネルなどに
適したものとは言い難い。
【0003】この様な従来のTN液晶が持つ根本的な問
題を解決するものとして、クラークとラガヴァルに付与
された米国特許第4,367,924号の明細書に記載
されている様な、双安定性を有する強誘電性液晶素子が
知られている。この強誘電性液晶素子は使用状態におい
てカイラルスメクチック相を呈するスメクチック液晶が
用いられている。この液晶は理想的には2つの安定状態
のいずれかに安定しようとして、中間的な分子位置を取
りにくい。
【0004】このようなスメクチック液晶を用いた液晶
素子を表示パネルとした表示装置においては、画像の表
示を行っているとパネル内が部分的に黄色く色付いた
り、カラー画像の色調が変化することがあった。このよ
うな現象を本発明者らは「黄変」と呼んでいる。この現
象は液晶分子がパネルを構成する上下一対の基板の面方
向に移動することによって、移動先の部分の液晶分子の
単位面積あたりの密度が大きくなり基板間隔(セル厚)
を大きくすることによる。
【0005】又、逆に液晶分子の単位面積あたりの密度
が小さくなった部分では液晶分子の配向欠陥が生じる恐
れもある。
【0006】この移動を防止すべく基板内面を粗面化す
る技術が、1992年12月10日に出願番号988,
830号として米国に特許出願された明細書に記載され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする技術課題】しかしながら、上
述した粗面化する技術によっても、液晶分子の移動を防
ぐには不十分であった。なぜなら、ある特殊な表示パタ
ーンの場合には、有効面内に液晶が移動してあつまり、
セル厚が厚くなり、上述した黄変現象が生じてしまうか
らである。
【0008】又、液晶分子の移動を防止する技術では、
一旦液晶分子が移動し「黄変」を起こしてしまうと、そ
れを元に戻すことが極めて難しい。勿論、このようなセ
ル厚の変化は、表示装置に限らず、液晶プリンターの露
光制御に用いられるような光変調を行う場合にも問題と
なるであろう。
【0009】又、上述した粗面化する技術では、商業的
に成功する商品として要求されるに十分な水準にまで黄
変現象の低減されたものには成り難かった。なぜなら、
液晶素子のおかれる環境は常に同じとは限らないため
に、環境条件によっては黄変が生じてしまうからであ
る。つまり研究レベルでは十分でも商品レベルでは必ず
しも消費者の要求を満足するに十分とは云えないもので
あった。
【0010】
【発明の目的】本発明は、上記技術課題に鑑みなされた
ものであり、簡単な構成でセル厚の変動の生じにくい液
晶素子及びそれの製造方法を提供することにある。
【0011】
【技術課題を解決するための手段及び作用】上述した技
術課題を解決し上記目的を達成する1つの手段は、互い
に対向する一対の電極を有する基板と、該一対の電極間
に配した2つの安定状態を呈するカイラルスメクチック
液晶とを具えた液晶素子において、前記安定状態のうち
一方の状態を電界下においた時の移動方向と、他方の状
態を該電界下においた時の移動方向とが、一方向となる
べく該一対の基板の内面が配向処理されており、前記液
晶素子は、有効光変調領域と該有効光変調領域の外側に
設けられた周辺領域とを有し、該周辺領域と該有効光変
調領域との配向処理が異なることを特徴とする液晶素子
及びそれを用いた装置である。
【0012】本発明者らは、先ず第一に2つの安定状態
にある液晶分子はいずれの状態でも配向状態によって移
動方向を変えられることを発見した。
【0013】この知見に鑑み、配向処理を用いる液晶の
移動速度の配向処理依存性を測定しておいて、該依存性
に基づいて上下基板の配向処理を設定することにより、
2つの安定状態にある液晶分子の移動方向を同一方向と
することができた。
【0014】そして、周辺領域としてプレチルトの大き
な領域を設けることで周辺領域を通じて一時的に生じた
高密度の部分から低密度の部分へ液晶を移動させて液晶
の密度変化を抑制することができる。
【0015】上述した技術課題を解決し上記目的を達成
する第2の手段は、互いに対向する一対の電極を有する
基板と、該一対の電極間に配した2つの安定状態を呈す
るカイラルスメクチック液晶とを具え、有効光学変調領
域とその外側の周辺領域とを含む液晶素子において、前
記有効光学変調領域における、該双安定状態のうち一方
の状態を電界下においた時の該液晶の移動速度をV1、
他方の状態を該電界下においた時の該液晶の移動速度を
V2とした時、該V1及びV2のうち絶対値の大きいほ
うが0.3mm/hour以下であり、該周辺領域と該
有効光学変調領域との配向処理が異なることを特徴とす
る液晶素子及びそれを用いた装置である。
【0016】本発明者らは、有効光学変調領域の外側の
周辺領域を高プレチルト状態に配向させることで、液晶
分子の高密度部分から液晶分子の低密度部分に周辺領域
を介して液晶を移動させることで、液晶分子の移動があ
っても実質的に黄変が生じないようにし、しかも液晶分
子の移動速度を特定することで周辺領域の作用を効果的
に発揮させるものである。
【0017】こうして、本発明によれば、従来ではセル
厚の変化を生じていたような表示パターンを表示しても
黄変が生じ難くなる。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】上述した技術課題を解決し上記目的を達成
する第4の手段は、互いに対向する一対の電極を有する
基板と、該一対の電極間に配した2つの安定状態を呈す
るカイラルスメクチック液晶とを具え、有効光学変調領
域とその外側の周辺領域とを含む液晶素子の製造方法に
おいて、該周辺領域にフィルム状のマスク材を張り付け
て該有効光学変調領域を選択的にラビングすることを特
徴とする液晶素子の製造方法である。
【0022】本発明者らは、有効光学変調領域の外側の
周辺領域を高プレチルト状態に配向させることで、液晶
分子の高密度部分から液晶分子の低密度部分に周辺領域
を介して液晶を移動させることを可能にした。本発明
は、このために、液晶分子の移動があっても実質的に黄
変が生じないようにし、しかもその周辺領域の配向状態
をその作用のために最適な状態に保つことで周辺領域の
効果を高めるものである。
【0023】こうして、本発明によれば、より黄変が生
じ難くなり、仮に一度黄変が生じてもそれを消滅させる
ことができるような液晶素子を簡単な方法で製造でき
る。
【0024】又、フィルム状のマスク材を用いる為に、
くり返し多量の基板を処理しても、配向処理の作用の劣
化が少ない。
【0025】上述した技術課題を解決し上記目的を達成
する第5の手段は、互いに対向する一対の電極を有する
基板と、該一対の電極間に配した双安定状態を呈するカ
イラルスメクチック液晶とを具え、有効光学変調領域と
その外側の周辺領域とを含む液晶素子において、該周辺
領域の液晶分子のプレチルト角が該有効光学変調領域の
プレチルト角より大きくなるように該周辺領域にパーフ
ルオロポリマーを含む配向膜を設けたことを特徴とする
液晶素子及びそれを用いた装置である。
【0026】本発明者らは、有効光学変調領域の外側の
周辺領域を高プレチルト状態に配向させることで、液晶
分子の高密度部分から液晶分子の低密度部分に周辺領域
を介して液晶を移動させることを可能にした。本発明
は、これにより、液晶分子の移動があっても実質的に黄
変が生じないようにし、しかもその周辺領域の配向状態
をその作用のために最適な状態に保つことで周辺領域の
効果を高めるものである。
【0027】こうして、本発明によれば、より黄変が生
じ難くなり、一度黄変を生じてもそれを消滅させること
ができる。
【0028】本発明によれば、パーフルオロポリマーを
含む配向膜を設けたので、マスクラビングをしなくとも
2つの領域の間での配向処理を異ならしめることができ
る。
【0029】
【実施例】
(好適な実施態様の説明)本発明の液晶素子は有効光学
変調領域とそれに隣接する周辺領域との配向処理を異な
らしめた液晶素子及びその製造方法を更に改良したもの
である。また、周辺領域の一部が有効光学変調領域と同
じ配向処理になっていてもよい。
【0030】本発明の液晶素子は、あらゆる光変調型の
ものに用いられるが、好ましくは、各画素の光の透過率
を2値あるいは多値に制御できる光シャッタ、光バルブ
と云った光変調型に好ましく用いられる。また、画素の
アドレスの方式も、セグメント型、マトリクス型、ある
いは光導電膜を用いた光アドレス型のいずれにも採用出
来る。以下の各実施例は2次元マトリクス電極によるマ
ルチプレキシング駆動による液晶素子を例に挙げて説明
する。
【0031】(セル構成)本発明に用いられる液晶セル
を形成する為の基板としては、その上に電極が形成でき
るもの、又は基板自体が電極として機能するものが用い
られる。
【0032】具体的には、ガラス、石英、サファイア、
シリコン、ステンレス、スチール、高分子樹脂等であ
り、一対の基板のうち少なくとも一方が透明であること
が好ましい。
【0033】本発明に用いられる液晶セルを形成する一
対の電極としては、少なくとも一方が透明導電体で形成
されることが望ましく、そのような材料としては、酸化
錫、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)等が
好適に用いられる。また必要に応じて透明導電体により
低抵抗の金属層を付与した構成であってもよい。その厚
みは40〜200nmに設定することが望ましい。
【0034】液晶分子の配向制御のための配向制御膜と
しては、ポリイミド、ポリピロール、ポリビニルアルコ
ール、ポリイミドアミド、ポリエステルイミド、ポリパ
ラキシレン、ポリエステル、ポリカーボネイド、ポリビ
ニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリス
チレン、セルロース樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂
などの有機膜、あるいはSiOの斜方蒸着膜などのよう
な無機膜が適宜選択されて用いられる。その厚みは5〜
100nmに設定することが望ましい。
【0035】また、配向制御膜と基板との間には、Ti
SiOx、SiO2 、TiO、Ta23 、SiN等の
無機膜を設けてもよい。この無機膜は主として、内面の
平坦化や絶縁を目的として設けられる。
【0036】又、この無機膜又は配向制御膜の少なくと
もいずれか一方に微粒子を分散させて基板内面に微細な
凹凸を形成することも望ましいものである。
【0037】いずれにせよ、配向制御膜として何を用い
るかや、ラビング処理をどのようにするかは、以下に詳
述する各実施例に従って適宜選択する。
【0038】図1は液晶素子(液晶セル)の有効光変調
領域の基本構成を説明するための模式的断面図である。
以下に述べる有効光変調領域とは、表示素子における画
像表示に用いられる画素の集合からなる表示領域や液晶
プリンタの露光制御を行う光バルブとして実質的に機能
する部分である。
【0039】図1において、11a、11bは液晶セル
1を構成するための上下基板、12a、12bは上下電
極、13a、13bは必要に応じて設けられる上下の絶
縁膜、14a、14bは上下の配向制御膜、15は液晶
材料層、16は液晶材料層の厚み(セル厚)を一定に保
持するためのスペーサである。
【0040】本実施態様による液晶素子では、上下基板
の内面としての配向制御膜14a、14bの配向処理方
法を規定することで、黄変を防止している。
【0041】図2は液晶分子の移動と配向処理との関係
を示すグラフである。横軸は配向処理度合いとしての粗
面化度を、縦軸は液晶分子の移動速度と方向とを示すも
のである。
【0042】図3は印加電界下における分子の移動方向
を説明する為の模式図である。
【0043】従来例では、図3に示すように、液晶の移
動の方向22はラビング方向20と液晶分子の平均分子
軸方向21、21′により決まっていると考えられてい
た。液晶分子の移動方向がこのようにラビングの方向に
依存することから、その現象は基板界面でのプレチルト
の状態に依存していることが推定される。平均分子軸方
向21、21′は強誘電性液晶分子の双安定状態におけ
る平均的な分子位置を示している。ここで、例えば平均
分子軸方向が21で示した状態で液晶がスイッチングし
ない程度の適当な交流電界を印加すると、矢印22方向
に液晶分子が移動する。これにより、液晶セル1内の液
晶は端部23に向けて移動し、この厚みを増加させて黄
変を起こす。逆に21′の状態に液晶が向いていると逆
に22′の方向に移動し液晶セル1内では図中右端部2
3′のセル厚を大きくし黄変させる。但し、ここでは自
発分極の向きが負である液晶材料を用いた場合について
述べている。これに対して本発明者らの実験によればさ
らに、この液晶移動現象は、図2に示すように、パネル
の配向処理の状態に依存していることが判明した。
【0044】図2のうち実践LB は例えば図3の方向2
1を向いた液晶の移動速度と配向処理度の関係を示し、
実践LW は方向21′の液晶における該関係を示してい
る。
【0045】理想的には、配向処理の度合いをPO に示
す点に設定できれば液晶の移動は抑えられるが、PO
は用いる液晶材料や駆動電圧やセル構造に依存する為
に、PO 点を呈する配向状態を生み出すことが難しい。
【0046】また、配向処理の設計からのずれ即ち許容
値が0であるので、製造歩留まりの低下が避けられず、
素子製造の低コスト化が難しい。
【0047】そこで、本発明では、2つの安定状態にお
ける移動方向を、配向処理を図2の範囲R1 に収めるこ
とで、同一の正方向とするものである。又、一方の安定
状態にある液晶の移動のみを押えることはできるので、
2つの安定状態のうち、一方のみが所定の一方向に移動
するように設定してもよいが、この方法は許容値を大き
くし難い。この場合の正負は相対的なものであることに
注意されたい。
【0048】範囲R1 は用いる液晶材料や駆動電圧やセ
ル構造に依存する為に、本発明の液晶素子の製造におい
ては、例えば液晶材料と駆動電圧とを定めて、配向処理
度を変えた実験サンプルを多数作製し、図2に示すよう
な特性を測定して、最適な設計値を採用することが望ま
しい。
【0049】上述した基板構成をふまえて、本発明の好
適な実施態様による液晶素子について説明する。
【0050】この素子では、有効な表示領域として機能
する領域の外側に枠領域を設け、液晶の移動が生じて
も、該枠領域によって移動による液晶分子の密度の変化
を補償する。枠領域は必ずしも環状になっている必要は
なく、液晶分子の密度変化を抑制できるものであれば、
左右(図3)のみにある枠領域があるものであってもよ
い。
【0051】図4はこの液晶素子の模式的上面図、図5
はそのBB′線による断面を示している。このセルで
は、2次元マトリクス構成の電極によって、有効光学変
調領域としての縦12×横22の画素からなる表示領域
31の外周に周辺領域としての枠領域32が設けられて
いる。そして、枠領域32と表示領域31とはそれぞれ
配向状態が異なっている、好ましくは枠領域32の液晶
分子のプレチルト角が該表示領域31のプレチルト角よ
り大きくなるような配向処理が基板内面に施されてい
る。より好ましくは枠領域32では分子の長軸が45度
以上となっていればよく、より好ましくは基板内面に対
してほぼ垂直な向きを持つ垂直配向のような非一軸性配
向となっている。垂直配向のためには、図5に示すよう
に、枠領域32を垂直配向処理する。また表示領域の配
向膜は、必要に応じて微粒子14Cが分散されて粗面化
処理が施され、さらにラビング処理がなされている。こ
うすることにより表示領域の液晶分子のプレチルト角を
25°以下に比較的小さくしている。上下基板の表示領
域のプレチルト角は1°〜25°好ましくは10°〜2
0°の範囲から適宜選択し、上下基板の各内面でプレチ
ルト角を異ならしめるときには、その角度の差は1°〜
6°より好ましくは3°〜6°とする。また、17は枠
領域の更に外側を封止するためのシール接着剤である。
【0052】本発明に用いられる液晶セルを形成する一
対の電極12a、12bとしては、少なくとも一方が透
明導電体で形成されることが望ましく、そのような材料
としては、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム錫
(ITO)等が好適に用いられる。また必要に応じて透
明導電体により低抵抗の金属層を付与した構成であって
もよい。その厚みは40〜200nmに設定することが
望ましい。
【0053】液晶分子の配向制御のための配向制御膜1
4a,14bの原料としては、ポリイミド、ポリピロー
ル、ポリビニルアルコール、ポリイミドアミド、ポリエ
ステルイミド、ポリパラキシレン、ポリエステル、ポリ
カーボネイド、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアミド、ポリスチレン、セルロース樹脂、アク
リル樹脂、メラミン樹脂などの有機膜、あるいはSiO
の斜方蒸着膜などのような無機膜が適宜選択されて用い
られる。その厚みは5〜100nmに設定することが望
ましい。
【0054】本発明に用いられる絶縁膜としてはTiS
iOx、SiO2 、TiO、Ta23 、などの無機膜
で、必要に応じて、粗面化処理のために平均粒径40n
mの微粒子を分散させてもよい。膜厚は20〜300n
mとすることが望ましい。
【0055】粗面化処理としては、TiとSiとの比が
1:1の成分の溶液中に微粒子を分散させて塗布し、そ
の後焼成することで行える。粗面化処理の度合いは微粒
子の分散密度、平均粒径、その上に設けられる層の厚み
などを適宜設計することで所望の粗面が得られる。
【0056】粗面化度の小さい内面における該粗面を形
成する微粒子の分散密度は、粗面化度の大きい内面にお
ける該粗面を形成する微粒子の分散密度の50乃至90
%であることが望ましい。また、粗面化度の小さい内面
(配向膜表面)における平均高低差が、粗面化度の大き
い内面(配向膜表面)における平均高低差の50乃至9
0%であることが望ましい。このような粗面を形成する
微粒子の平均粒径としては、1乃至20nmであること
が望ましい。
【0057】また、本発明の配向制御膜は界面の液晶分
子のプレチルトを所望の範囲に設定するためにラビング
処理を行うことが望ましい。
【0058】(液晶セルの製造方法)ガラスなどの透明
基板を用意し、その上にCVD法、スパッタリング法、
イオンプレーティング法などの蒸着方法により透明導電
膜を形成し、これをストライプ上にパターニングする。
その後、絶縁膜を上述した蒸着法又は塗布により形成す
る。続いて微粒子を分散させた溶液を印刷して仮焼成及
び硬化処理を行い粗面を形成する。配向制御膜はポリア
ミド酸のような溶液をスピナーコートし焼成して形成す
る。この膜にラビング処理を行う。こうして得られた基
板の一つの上にスペーサとしてのビーズを分散させ基板
の周囲にシール剤を設けてもう一つ基板を張り合せた。
その後、注入口から液晶材料を注入し徐々に冷却してカ
イラルスメクチック相に転移させる。
【0059】粗面化の為の微細な凹凸の基本的な形成方
法は、前述した米国特許出願No.988,830に詳
しく記載されている。
【0060】そして、枠領域の液晶分子のプレチルト角
を大きくする為に、枠領域を垂直配向処理した。具体的
には、表示領域には水平配向膜を設けると共に、枠領域
に垂直配向膜を選択的に設ける。又は、全面に、ラビン
グ処理を施すとプレチルトが小さくなり非ラビング処理
でプレチルトが大きくなる膜を設け、枠領域をマスクし
て、表示領域のみ選択的にラビングしてもよい。より好
ましいラビング方法は、後述する実施例のとおりであ
る。
【0061】次にラビング処理について説明する。この
方法は、後述する各実施例のいずれにも用いることがで
きる。
【0062】図6はラビング処理を説明する模式図で、
ラビングローラ120は、円柱状のローラ121にナイ
ロン布等のラビング布122を貼りつけた構造を有して
いる。このラビングローラ120を、Cの方向に回転さ
せながらガラス基板11a(11b)上の配向制御膜1
4a、14bに所定圧で当接させ、そしてガラス基板1
1a、(11b)(又はラビングローラ)を矢印B方向
に移動させて配向制御膜14a、14bを摺接すること
により配向規制力が付与される。なお、この配向規制力
はラビングローラ120をガラス基板11a(11b)
に当接させる際の当接力により決定され、通常はラビン
グローラ120を上下させることにより(押込み量εを
変える)、ラビング布122と配向制御膜14a、14
bとの接触量で制御されている。この方法では、押込み
量ε、ローラ回転数、ローラ送り速度、ラビングの回数
を変えることで、液晶の配向状態を変えられる。
【0063】(プレチルト角αの測定)プレチルト角α
の測定は、クリスタルローテーション法により求めた。
測定法は、液晶素子をガラス基板面で回転させながら、
回転軸と45°の角度をなす偏向面を持つヘリウム・ネ
オンレーザ光を回転軸に垂直な方向から照射して、その
反対側で入射偏向面と平行な透過軸を持つ偏向板を通し
てフォトダイオードで透過光強度を測定した。そして、
干渉によってできた透過光強度の双曲線群の中心となる
角と液晶装置に垂直な線とのなす角度をΦxとし、下式
に代入してプレチルト角αを求めた。
【0064】
【外2】 ここで、n0 は常光屈折率、ne は異常光屈折率であ
る。なお詳細には、J.J.Appl.Phys.Vo
l.119(1980)NO.10,ShortNot
es 2013に記載されている。
【0065】(実施例1)本発明の実施例1では、図1
に示したセル構成を用いて、粗面化した基板の内面のラ
ビング処理を上下基板で異ならしめて2つの安定状態に
おける液晶の移動方向を同一方向とする。そして、有効
表示領域の周囲に周辺領域としての枠領域を設けて、こ
の枠領域の配向処理を表示領域の配向処理と異ならしめ
る。具体的には枠領域のプレチルト角を有効表示領域の
プレチルト角10°〜25°より大きくし、上下の表示
領域のプレチルト角を3°〜5°異ならしめることで液
晶の移動に依る移動を一方の端部で吸収して高密度化を
防止し、他方では有効表示部内に枠部から液晶を供給す
ることで低密度化を妨げるものである。この場合枠領域
の液晶は垂直配向状態となっていることが好ましい。
【0066】本実施例においては、ガラス基板11a、
11bとしての板厚を1.1mmのものを用いITOの
透明電極12a、12bをスパッタ法で形成した。この
透明電極12a、12bの膜厚は1500Åとし、幅1
70μmのストライプ状のものを30μmの間隔を開け
て多数設けた。ショート防止用の絶縁膜13a、13b
としてはTa25 膜を用い、900Åの厚さとなるよ
うにスパッタ法で形成した。さらに、表面状態改質のた
め塗布型絶縁層(TiSi=1:1東京応化社製)を塗
布し300℃で焼成を行った。膜厚は1200Åとし
た。さらにTi・Si=1:1の比率よりなる成分の絶
縁膜の6.0重量%の溶液中に、平均粒径400Åのシ
リカよりなる微粒子を予め分散させ、該溶液の印刷を、
5μmの粗さの展色板を用いて行った。その後、100
℃約10分の仮焼成を行い、さらにUV照射を行い、ま
たさらに300℃で約1時間の加熱焼成処理を施した。
この絶縁膜の厚さは200Åとした。
【0067】一方、配向制御膜14a、14bの形成
は、ポリアミド酸(日立化成(株)製;LQ1802)
をNMP/nBC=1/1液で1.5Wt%に希釈した
溶液をスピナーで2000rmp、20secの塗布条
件で塗布し、その後270℃、1時間焼成して行った。
【0068】そして、枠部を設ける為に、該枠部を金属
のマスクで覆い以下に述べるラビング処理が施されない
ようにした。
【0069】そして、前述したローラーを用いて、押込
み量εを0.35mm、ローラ回転数1000rpm、
ローラ送り速度を30mm/sとして、ラビング回数を
2回としたプレチルト角20°となる基板と、4回とし
たプレチルト角17°となる基板の2種類を作製した。
【0070】そして、配向膜表面の凹凸の測定を、SE
M写真及びAFMによって行った。このSEM写真とA
FMの測定から、配向膜表面の凹凸の幅は5〜17n
m、密度は約108個/mm2 、高低差は10〜25n
mであることが分かった。
【0071】このようにして製作されたガラス基板11
a、11bを、一方のガラス基板11a(11b)に平
均粒径約0.8〜1.2μmのビーズスペーサ16(シ
リカビーズ、アルミナビーズ等)を散布し、他方のガラ
ス基板11a、11bにエポキシ樹脂の接着剤であるシ
ール接着剤をスクリーン印刷法で形成し、両ガラス基板
11a、11bを貼り合わせて、図4、5に示したよう
な構成のセルを作成した。なお、貼り合わせはガラス基
板11a、11bに施したラビング処理のラビング方向
が略平行になるように行った。その後、下記の相転移温
度、及び物性値を示すピリミジン系強誘電性液晶を減圧
下で等方相に昇温し毛管現象により注入して、その後徐
冷して液晶装置を製造した。
【0072】 チルト角 θ=15.1°(at 30℃) 層の傾斜角 δ=10.2°(at 30℃) 自発分極 Ps=5.5(nc/cm2 )(at
30℃)
【0073】ここで、上述した基板と液晶の移動速度の
関係を測定した。
【0074】本発明者らは、図7に示すセルを用いて液
晶の移動量と方向との関係を求めた。このセルは、二方
のみがシール接着剤によって密着され、他の二方は開放
されて液晶の移動量及び移動方向を測定できるようにな
っている。図6は、その実験の様子を示したものであ
り、図8のAに示すように、液晶素子に電界を印加し、
液晶分子の平均分子軸をすべてS1方向(又はS2方
向)にあらかじめ揃えておく。また、基板11a、11
b間に注入する液晶の両端(セルの開放側の両端)には
マーカーとしてネマチック液晶を付けており、該ネマチ
ック液晶の侵入長を観察することによって液晶の移動量
及び移動方向を確認できるようにしている(B、C参
照)。また、液晶素子の駆動は、短形交番電界(パルス
幅60μsec、±6V/μm)を一定時間(14時
間)印加することにより行ない、駆動時の温度は40℃
とした。なお、この短形交番電界は液晶がスイッチング
する閾値電界の1/3であり、一定時間(14時間)印
加し続けた後も液晶素子の平均分子軸はS1方向又はS
2方向を維持するような値とした。
【0075】前述した方法にて次のような液晶セルの試
料1A、1B、1C、1Dを作製した。
【0076】1Aは上下基板のラビング条件として、ラ
ビング回数2回の上下基板を用いた。このセルでは、プ
レチルトの大きい枠部は設けなかった。
【0077】1Bは試料1Aと同じで、垂直配向処理の
なされた枠部を設けたものである。
【0078】1Cは上基板のラビング回数を2回、下基
板のラビング回数を4回として、上下非対象の配向処理
をもつセルであり、プレチルトの大きい枠部をもたない
ものである。
【0079】1Dは試料1Cに枠部を加えたものであ
る。
【0080】こうして作製した試料の上下電極を用いて
マルチプレキシング駆動を行い図9に示すような表示パ
ターンを表示してメモリー状態とした後、リフレッシュ
駆動により該表示をくり返し表示続け、黄変が生じるか
否かを観察した。
【0081】図9中、ハッチング部分は一方の安定状
態、それ以外の部分は他方の安定状態にあることを示し
ている。
【0082】試料1Aでは、符号Y1 、Y2 、Y3 、Y
4 、Y6 、Y13、で示す個所で黄変が生じた。
【0083】試料1Bでは、符号Y3 、Y4 で示す個所
のみに黄変が生じた。
【0084】試料1Cでは、符号Y5 〜Y14に示す個所
のみに黄変が生じた。
【0085】本発明による試料1Dでは黄変は生じなか
った。
【0086】(実施例2)本発明の実施例2では、実施
例1と同じセル構成を用いて、粗面化した基板の内面の
粗面化の度合いを上下基板で異ならしめて2つの安定状
態のおける液晶の移動方向を同一方向とする。そして、
枠領域を設けて有効表示部と異なる配向処理を施した。
好ましくはこの枠部のプレチルト角を有効表示領域のプ
レチルト角10°〜25°より大きくすることで液晶の
移動に依る移動を一方の端部で吸収して高密度化を防止
し、他方では有効表示部内に枠部から液晶を供給するこ
とで低密度化を妨げるものである。この場合枠領域の液
晶は垂直配向状態となっていることがより好ましい。
【0087】基本的なセルの構成及び製造方法は実施例
1と同じであるが、以下に述べる試料として、プレチル
ト角が23°となるように上基板の微粒子の分散密度を
108個/mm2 、下基板の微粒子の分散密度をプレチ
ルト角が20.5°となるように70個/mm2 とし、
ラビング条件はローラ送り速度を30mm/s、ラビン
グ回数を4回で統一した。
【0088】駆動電圧として、一旦、選択ライン上の画
素を図9のハッチング領域(暗領域)と同じ安定状態に
リセットした後、図9の表示状態とするリフレッシュ駆
動を行った。
【0089】又、別に、駆動電圧として、一旦選択ライ
ン上の画素を図9の非ハッチング領域(明領域)と同じ
安定状態にリセットした後、図9の表示状態とするリフ
レッシュ駆動を行った。この場合、枠部を設けなかった
試料では、図9のY5 〜Y14の個所に黄変が生じたが、
枠部を設けた試料では黄変は生じなかった。
【0090】以上述べた実施例1、2では、液晶の移動
方向を2つの安定状態のいずれにおいても、同一方向と
することと枠領域のプレチルトを表示領域のそれより大
きくすることで、従来より知られた黄変の起こりやすい
表示を行っても、黄変の発生を押えることができた。
【0091】次に、本発明の別の好適な実施態様による
液晶素子の断面を図10に示す。11a、11bは液晶
セル1を構成するための上下基板、12a、12bは上
下電極、13a、13bは周辺領域(枠部)に設けら
れ、高プレチルト角を得るための絶縁膜、14a、14
bは上下の配向制御膜、15はカイラルスメクチック相
を呈しうる液晶材料層、16は液晶材料層の厚みとして
のセル厚を一定に保持するためのスペーサ、17は端部
のシール接着剤である。
【0092】このセルでは、2次元マトリクス構成の電
極によって、縦12×横22の画素からなる有効光学変
調領域としての表示領域の外周に周辺領域が設けられて
いる。
【0093】表示領域と周辺領域とは互いに異なる配向
処理がなされている。この時少なくとも表示領域にはプ
レチルト角が25°以下となるような配向処理を施すと
よい。
【0094】具体的には、周辺領域の液晶分子のプレチ
ルト角(基板界面近傍の液晶分子の長軸が該界面となす
角度)が該表示領域の液晶分子のプレチルト角より大き
くなるように配向制御されていることが好ましい。より
好ましくは周辺領域では分子の長軸が45度以上、基板
内面に対してほぼ垂直な向きを持つ垂直配向となってい
ることが望ましい。
【0095】一方有効光学変調領域としての表示領域で
は、プレチルト角が1°以上25°以下、より好ましく
は1°以上20°以下、最適には10°以上20°以下
とされる。
【0096】そして、2つの安定状態にある液晶分子の
移動速度のうち、移動の速さ、つまり、移動速度の絶対
値が大きい方の該値を0.3mm/hourとする。移
動速度は、一対の基板内面の配向状態や駆動信号電圧或
いは用いる液晶材料等によって任意に設定できる。
【0097】ところで、本発明者らの実験によれば、図
11の(I)に示すようなパネルに白黒のストライプ状
のパターンを表示し駆動し続けると、黒を表示して平均
分子軸を1の状態にしたエリアの液晶分子は、a方向に
移動しその結果、パネル端部のAの領域のセル厚が、他
の領域に比べて増加する。逆に白を表示して平均分子軸
を2の状態にしたエリアの液晶分子は、b方向に移動
し、その結果Bの領域セル厚が増加する。
【0098】これに対し、図11の(II)に示すよう
に表示領域の外周を取り囲むように周辺領域を設け、前
述した構成の配向状態にすることにより、黒表示状態の
際に、a方向に移動した液晶は、周辺領域に移動可能と
なり周辺領域に集まった液晶はさらにc、d方向にも移
動可能であることが分かった。また逆に周辺領域から表
示領域にもe方向に液晶分子の移動が可能である。
【0099】また、白表示の際にも、b方向に液晶が移
動した場合、周辺領域に集まった液晶は、さらにc′、
d′方向に、またe′方向にも移動可能である。
【0100】これは、プレチルト角が大きく、垂直配向
に近づくにつれ、スメクチック層の形成方向が、パネル
面内で等方的な層に近づき、さらにその結果、外部から
の印加電界に対して、液晶分子が等方的な移動をするよ
うになるためであると考えられる。
【0101】これにより、本発明の構成パネルでは、図
11の(I)に示すような液晶分子の移動によるパネル
内での圧力分布を生じても周辺領域で液晶分子の等方的
な移動が可能なため圧力分布を緩和することができ、パ
ネル端部のセル厚の増加が抑制される。
【0102】図10の電極12a、12bや配向制御膜
14a、14bは前述した材料から適宜選択して用いら
れる。
【0103】図10の絶縁膜13a、13bとしては、
TiSiOx、SiO2 、TiO、Ta23 などの無
機膜で、必要に応じて、粗面化処理のために平均粒径4
0nmの微粒子を分散させて高プレチルトを達成する。
あるいは図10の周辺領域の配向状態を垂直配向とする
ために絶縁膜13a、13bと配向制御膜14a、14
bの代わりに垂直配向膜を設けても良い。
【0104】また、微粒子分散の絶縁膜13a、13b
と同様な凹凸を有する膜を表示領域内部にも設けても良
い。粗面化用の絶縁膜は、TiとSiとの比が1:1の
成分の溶液中に微粒子を分散させて塗布し、その後焼成
することで成膜できる。粗面化処理の度合いは微粒子の
分散密度、平均粒径、その上に設けられる層の厚みなど
を適宜設計することで所望の粗面が得られる。
【0105】以上の粗面を形成する微粒子の平均粒径と
しては、1乃至20nmであることが望ましい。また微
粒子を保持する絶縁膜の膜厚は20〜300nmとする
ことが望ましい。
【0106】そして、少なくとも表示領域内の配向制御
膜は界面の液晶分子のプレチルトを所望の範囲に設定す
るためにラビング処理を行うことが望ましい。
【0107】(実施例3)本実施例においては、図10
に示すような液晶セルを作製した。1.1mm厚のガラ
ス基板11a、11bを用意し、ITOの透明電極12
a、12bをスパッタ法で形成した。この透明電極12
a、12bの膜厚は1500Åとし、幅170μmのス
トライプ状のものを30μmの間隔を開けて多数設け
た。Ta25 膜を、900Åの厚さとなるようにスパ
ッタ法で形成したのち、表面状態改質のため塗布型絶縁
層(TiSi=1:1東京応化社製)を塗布し300℃
で焼成を行った。膜厚は1200Åである。さらに、T
i・Si=1:1の比率よりなる成分の絶縁物の6.0
重量%の溶液中に、平均粒径400Åのシリカよりなる
微粒子を予め分散させ、該溶液の印刷を、5μmの粗さ
の展色板を用いて行った。その後、100℃約10分の
仮焼成を行い、さらにUV照射を行い、またさらに30
0℃で約1時間の加熱焼成処理を施した。この絶縁膜の
厚さは200Åとした。
【0108】こうして、配向膜表面に凹凸を有する膜を
得た。SEM写真とAFMの測定から、配向膜表面の凹
凸の幅は5〜17nm、密度は約108個/mm2 、高
低差は10〜25nmであることが分かった。
【0109】一方、配向制御膜14a、14bの形成
は、ポリアミド酸(日立化成(株)製;LQ1802)
をNMP/nBC=1/1液で1.5Wt%に希釈した
溶液をスピナーで2000rmp、20secの塗布条
件で塗布し、その後270℃、1時間焼成して行った。
この膜厚は200Åとした。
【0110】この配向制御膜14a、14bにはラビン
グ処理が施されている。図6にて説明したように、ラビ
ングローラ20は、円柱状のローラ21にナイロン布等
のラビング布22を貼りつけた構造を有している。この
ラビングローラ20を、Cの方向に回転させながらガラ
ス基板11a(11b)上の配向制御膜14a、14b
に所定圧で当接させ、そしてガラス基板11a(11
b)(またはラビングローラ)を矢印B方向に移動させ
て配向制御膜14a、14bを摺接することにより配向
規制力が付与される。なお、この配向規制力はラビング
ローラ20をガラス基板11a(11b)に当接させる
際の当接力により決定され、通常はラビングローラ20
を上下させることにより(押込み量εを変える)、ラビ
ング布22と配向制御膜14a、14bとの接触量で制
御されている。本実施例では、周辺領域上にマスク材を
配して、周辺領域がラビングされないようにして押込み
量εを0.35mm、ローラ回転数を1000rmp、
ローラ送り速度を30mm/secのラビング条件でプ
レチルト角が20°となるよう2回行った。
【0111】このようにして製作されたガラス基板11
a、11bを、一方のガラス基板11a(11b)に平
均粒径約0.8〜1.2μmのビーズスペーサ16(シ
リカビーズ、アルミナビーズ等)を散布し、他方のガラ
ス基板11a、11bにエポキシ樹脂の接着剤であるシ
ール接着剤をスクリーン印刷法で形成し、両ガラス基板
11a、11bを貼り合わせて、セルを作成した。な
お、貼り合わせはガラス基板11a、11bに施したラ
ビング処理のラビング方向が略平行になるように行っ
た。その後、下記の相転移温度、及び物性値を示すピリ
ミジン系強誘電性液晶を減圧下で等方相に昇温し毛管現
象により注入して、その後徐冷して液晶装置で製造し
た。なお、一方の基板11aの一軸配向処理方向と、他
方の基板11bの一軸配向処理方向とがなす角度をθc
とした場合に、θc が、 0°<θc <20° なる関係を満たすようにしてもよい。
【0112】 チルト角 θ=15.1°(at 30℃) 層の傾斜角 δ=10.2°(at 30℃) 自発分極 Ps=5.5(nc/cm2 )(at30
℃)
【0113】本発明者は、図7に示すセルを用いて液晶
の移動量と方向との関係を求めた。このセルは、二方の
みがシール接着剤によって接着され、他の二方は開放さ
れて液晶の移動量及び移動方向を測定できるようになっ
ている。図8は、その実験の様子を示したものであり、
図8の(a)に示すように、液晶素子に電界を印加し、
液晶分子の平均分子軸をすべてS1方向(又はS2方
向)にあらかじめ揃えておく。また、基板11a、11
b間に注入する液晶の両端(セルの開放側の両端)には
マーカーとしてネマチック液晶を付けており、該ネマチ
ック液晶の侵入長を観察することによって液晶の移動速
度を確認できるようになっている。
【0114】以下に述べる評価により、液晶の移動によ
る中央部のセル厚の変動が移動速度の特定により生じに
くくなり、高プレチルトの周辺領域により周辺部のセル
厚の変動が抑えられることがわかる。
【0115】前記方法で得られた、実施例3による液晶
素子の試料に、図12に示す基本駆動信号を用いて、図
13に示す表示パターンを繰り返し表示するリフレッシ
ュ駆動を20時間続けて行った。
【0116】図12において、S1、S2、S3は互い
に隣接する3つの走査線上の画素に印加される走査信号
を、Iはその画素の情報線に印加される信号である。黒
(暗)状態にリセットしたのち、白(明)状態に反転さ
せる時の書き込み電圧をVope、そのときの情報線の
電圧をVsegとしたときVseg/Vopeをバイア
ス比Rvとする。Vopeは26Vとした。
【0117】Rvを1/2.4として駆動したとき、液
晶の移動速度は0.6mm/hourであり、黄変は図
14のY34 でのみ若干発生した。但し、15時間程
度の駆動では黄変は生じなかった。
【0118】Rvを1/3.0として駆動したとき、液
晶の移動速度は0.4mm/hourであり、この時も
黄変は図8のY34 でのみ若干発生した。但し、15
時間程度の駆動では黄変は生じなかった。
【0119】本発明によるRvを1/3.2として駆動
したとき、液晶の移動速度は0.3mm/hourであ
り、この時は黄変は全く発生しなかった。
【0120】本発明によるRvを1/3.4として駆動
したとき、液晶の移動速度は0.2mm/hourであ
り、この時も黄変は全く発生しなかった。
【0121】上記実施例3のセルのうち、周辺領域も表
示領域と同じ低プレチルトとなるようなラビング処理を
行い、周辺領域も表示領域と同じ配向状態としたセルを
作成した。こうして上記同様に、駆動信号を印加して、
黄変の発生の様子を観察した。
【0122】Rvを1/2.4として駆動したとき、液
晶の移動速度は0.6mm/hourであり、黄変は図
14のY34 に加えY613でも発生した。但し、1
5時間程度の駆動では黄変は生じなかった。
【0123】Rvを1/3.0として駆動したとき、液
晶の移動速度は0.4mm/hourであり、黄変は図
14のY34 に加えY12613でも発生した。
但し、15時間程度の駆動では黄変は生じなかった。
【0124】Rvを1/3.2として駆動したとき、液
晶の移動速度は0.3mm/hourであり、この時も
黄変は図14のY12567891316
1718という周辺で発生した。
【0125】本発明によるRvを1/3.4として駆動
したとき、液晶の移動速度は0.2mm/hourであ
り、この時も黄変は図14のY125678
913161718という周辺で発生した。
【0126】(実施例4)実施例3同様に液晶素子の試
料に、図12に示す基本駆動信号を用いて、図15に示
す表示パターンを繰り返し表示するリフレッシュ駆動を
20時間続けて行った。また本実施例2では、微粒子の
絶縁膜への付与を行わず、表示領域の基板内面を粗面化
しなかった。プレチルト角は22.5°であった。実施
例2ではVopeを変えることで液晶の移動速度を変化
させ、そのときの様子を観察した。Rvは1/2.7と
した。Vopeを25Vとして駆動したとき、液晶の移
動速度は0.7mm/hourであり、黄変は図15の
34 のみで若干発生した。但し、15時間程度の駆
動では黄変は生じなかった。
【0127】Vopeを20Vとして駆動したとき、液
晶の移動速度は0.4mm/hourであり、この時も
黄変は図15のY34 でのみ若干発生した。但し、1
5時間程度の駆動では黄変は生じなかった。
【0128】本発明によるRvをVopeを17.5V
として駆動したとき、液晶の移動速度は0.3mm/h
ourであり、この時は黄変は全く発生しなかった。
【0129】上記実施例4のセルのうち、周辺領域も表
示領域と同じ低プレチルトとなるようにラビング処理を
行い、周辺領域も表示領域と同じ配向状態としたセルを
作成した。こうして上記同様に、駆動信号を印加して、
黄変の発生の様子を観察した。
【0130】Vopeを25Vとして駆動したとき、液
晶の移動速度は0.7mm/hourであり、黄変は図
15のY345141519で発生した。
【0131】Vopeを20Vとして駆動したとき、液
晶の移動速度は0.4mm/hourであり、黄変は図
15のY345714151819で発生した。
【0132】Vopeを17.5Vとして駆動したと
き、液晶の移動速度は0.3mm/hourであり、黄
変は図15のY57891516171819
発生した。
【0133】以上のような、実験を繰り返し行った結
果、きわめて長い駆動時間を経た後の黄変の発生は液晶
の移動速度に依存することが判明した。とりわけ0.3
mm/hour以下になると表示領域中心付近での黄変
の発生がなくなるために、比較的プレチルト角の大きい
配向状態を周辺領域に形成するともっとも効果的であ
る。ここでいう移動速度とはその方向を無視した絶対値
を意味する。
【0134】本発明の別の好適な実施態様による液晶素
子の模式的断面を図16に示す。11a、11bは液晶
セル1を構成するための上下基板、12a、12bは上
下電極、3a、3bは周辺領域(枠部)に設けられ、高
プレチルト角を得るための垂直配向膜、14a、14b
は該垂直配向膜とは異なる上下の配向制御膜、15はカ
イラルスメクチック相を呈しうる液晶材料層、16は液
晶材料層の厚みとしてのセル厚を一定に保持するための
スペーサ、17は端部のシール接着剤である。
【0135】このセルでは、2次元マトリクス構成の電
極によって、縦12×横22の画素からなる有効光学変
調領域としての表示領域の外周に周辺領域が設けられて
いる。そして、表示領域と周辺領域とでは異なる配向処
理がなされている。周辺領域の液晶分子のプレチルト角
(基板界面近傍の液晶分子の長軸が該界面となす角度)
が該表示領域の液晶分子のプレチルト角より大きくなる
ように配向制御されている。より好ましくは周辺領域で
は分子の長軸が45度以上、最適には基板内面に対して
ほぼ垂直な向きを持つ垂直配向となっていることが望ま
しい。
【0136】一方有効光学変調領域としての表示領域で
は、プレチルト角が1°以上25°以下好ましくは1°
以上20°以下とされる。
【0137】本発明に用いられる液晶セルを形成する一
対の電極や配向膜は前述した材料と同じものが用いられ
る。
【0138】ガラスなどの透明基板を用意し、その上C
VD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法な
どの蒸着方法により透明導電膜を形成し、これをストラ
イプ上にパターニングする。その後、絶縁膜を上述した
蒸着法により形成する。
【0139】配向制御膜はポリアミック酸のような溶液
をスピナーコートし焼成して形成する。この膜にラビン
グ処理を行う。こうして得られた基板の一つの上にスペ
ーサとしてのビーズを分散させ基板の周囲シール剤を設
けてもう一つ基板を張り合せた。その後、注入口から液
晶材料を注入し徐々に冷却してカイラルスメクチック相
に転移させる。表示領域と周辺領域の配向処理のために
は、低プレチルト角を生ぜしめ得る低プレチルト配向膜
を表示領域に高プレチルト角を生ぜしめる高プレチルト
配向膜としての垂直配向膜を周辺領域にそれぞれ設け、
そこにマスクを設けて、該表示領域内のみを選択的にラ
ビングして表示領域を低プレチルト配向、周辺領域を高
プレチルト配向とする。
【0140】ラビングの方法は前述したとおりである。
【0141】(実施例5)本実施例においては、図16
に示す液晶セルを作製した。1.1mm厚のガラス基板
11a、11bを用意し、ITOの透明電極12a、1
2bをスパッタ法で形成した。この透明電極12a、1
2bの膜厚は150nmとし、幅170μmのストライ
プ状のものを30μmの間隔を開けて多数設けた。Ta
23 膜を、90nmの厚さとなるようにスパッタ法で
形成したのち、その上に配向膜としてのポリアミック酸
溶液(日立化成工業株式会社製のLQ−1800:商品
名)をフレキソ印刷により塗布し、270℃にて1時間
焼成してポリイミド配向膜を20nmの膜厚で形成し
た。
【0142】次に周辺領域に垂直配向剤として、チッソ
株式会社製の“ODS−E”(商品名)を周辺領域にの
み選択的に塗布し、80℃にて30分間乾燥させて約4
0nmの垂直配向膜を形成した。
【0143】周辺領域がラビングされないようにマスク
材を設け、押込み量εを0.35mm、ローラ回転数を
1000rpm、ローラ送り速度を30mm/secと
してたラビング条件で、ラビングを2回行った。
【0144】このようにして作製されたガラス基板11
a、11bを、一方のガラス基板11a(11b)に平
均粒径約1.5μmのビーズスペーサ16(シリカビー
ズ)を散布し、他方のガラス基板11a、11bにエポ
キシ樹脂の接着剤であるシール接着剤をスクリーン印刷
法で形成し、両ガラス基板11a、11bを貼り合わせ
て、空セルを作成した。なお、貼り合わせはガラス基板
11a、11bに施したセラビング処理のラビング方向
が略平行になるように行った。その後、下記の相転移温
度を示すピリミジン系の強誘電性液晶を等方相に昇温し
た状態で空セル内に真空注入し、その後徐冷して液晶セ
ルを製造した。
【0145】
【0146】こうして得られた液晶セルの表示領域のプ
レチルト角はその全領域でほぼ18°、周辺領域はクロ
スニコルの偏光板のもとで明状態のない垂直配向であっ
た。
【0147】本発明によれば、より黄変が生じ難くな
り、一度黄変が生じてもそれを消滅させることができ
る。
【0148】本発明の更に他の好適な実施態様による液
晶素子の模式的断面を図17に示す。11a、11bは
液晶セル1を構成するための上下基板、12a、12b
は上下電極、14a、14bは上下の配向制御膜であ
り、13a、13bは周辺領域(枠部)に設けられ非ラ
ビング処理により高プレチルト角を得るための配向膜の
部分である。
【0149】15はカイラルスメクチック相を呈しうる
液晶材料層、16は液晶材料層の厚みとしてのセル厚を
一定に保持するためのスペーサ、17は端部のシール接
着剤である。
【0150】このセルでは、2次元マトリクス構成の電
極によって、縦12×横22の画素からなる有効光学変
調領域としての表示領域の外周に周辺領域が設けられて
いる。そして、表示領域と周辺領域とでは互いに異なる
配向処理がなされている。具体的には周辺領域の液晶分
子のプレチルト角(基板界面近傍の液晶分子の長軸が該
界面となす角度)が該表示領域の液晶分子のプレチルト
角より大きくなるような配向処理が施されている。より
好ましくは周辺領域では分子の長軸が45度以上、最適
には基板内面に対してほぼ垂直な向きを持つ垂直配向と
なっていることが望ましい。
【0151】一方有効光学変調領域としての表示領域で
は、プレチルト角が1°以上25°以下好ましくは1°
以上20°以下とされる。
【0152】(セル構成)本発明に用いられる液晶セル
を形成する一対の電極12a、12bとしては、前述し
たものが用いられる。表示領域の配向制御膜14a、1
4bも前述した構成と同じである。
【0153】高プレチルト角を得るために周辺領域の配
向制御膜13a、13bの上に別の垂直配向膜(例え
ば、チッソ株式会社製“ODS−E”:商品名)を塗布
乾燥させて設け、この部分をフィルムでマスクした後ラ
ビングしてもよい。
【0154】ガラスなどの透明基板を用意し、その上C
VD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法な
どの蒸着方法により透明導電膜を形成し、これをストラ
イプ上にパターニングする。その後、絶縁膜を上述した
蒸着法により形成する。
【0155】配向制御膜は有機酸のような溶液をスピナ
ーコートし焼成して形成する。この膜のうち表示領域を
除く周辺領域に薄いフィルムを粘着剤で張り付ける。次
に、基板の内面全面を後述する方法でラビング処理す
る。その後、該フィルムを取り除く。こうして選択的な
ラビング処理が行える。
【0156】こうして得られた基板の一つの上にスペー
サとしてのビーズを分散させ基板の周囲シール剤を設け
てもう一つ基板を張り合せた。その後、注入口から液晶
材料を注入し徐々に冷却してカイラルスメクチック相に
転移させる。
【0157】ラビングは押込み量ε、ローラ回転数、ロ
ーラ送り速度などのラビング条件を適宜設定して行う。
ラビング方法は前述したとおりである。
【0158】詳しくは、表示領域と周辺領域の配向処理
のためには、低プレチルト角を生ぜしめ得る低プレチル
ト配向膜を表示領域に高プレチルト角を生ぜしめる高プ
レチルト配向膜を周辺領域にそれぞれ設けなければなら
ない。本発明では、そのために、周辺領域上に、フィル
ムを張り付けることでラビング処理がなされない部分を
作る。用いられるフィルムとしてはフレキシブルな高分
子フィルムが望ましく、その厚さも100μm以下とす
ることが望ましい。より好ましくは厚さを50μm以下
とする。
【0159】図18は、本発明の好適な実施態様による
液晶素子の製造方法において、フィルム33を基板の周
辺領域32上に貼り付けた状態を示す模式図である。
【0160】図18では、隣接する2辺に別の帯状のテ
ープを貼り、角の部分では2つのテープを重ねている様
子が示されている。基板上の不図示の辺でも同様な処理
が施されていることは言うまでもない。
【0161】マスク材としてステンレススチールのよう
な薄板を用いると、薄板と被ラビリング基板との間でラ
ビング布のパイル糸が削られて、それらの隙間に侵入し
ゴミとなる。これはセル厚を乱す原因になる。更にこの
ような工程を繰り返すと薄板表面が汚れてラビング装置
のメンテナンスが面倒になる。
【0162】本発明によれば、こうした問題が一挙に解
決できる。
【0163】(実施例6)本実施例においては、1.1
mm厚のガラス板11a、11bを用意し、ITOの透
明電極12a、12bをスパッタ法で形成した。この透
明電極12a、12bの膜厚は150nmとし、幅17
0μmのストライプ状のものを30μmの間隔を開けて
多数設けた。Ta23 膜を、90nmの厚さとなるよ
うにスパッタ法で形成したのち、その上に配向膜として
のポリアミック酸溶液(日立化成工業株式会社製のLQ
−1800:商品名)をフレキソ印刷により塗布し、2
70℃にて1時間焼成してポリイミド配向膜を20nm
の膜厚で形成した。
【0164】次に周辺領域にのみ、片面に粘着剤のつい
た厚さ50μmのポリエステルテープを張り付けた。こ
のときテープと基板との間の一部分に無塵紙をはさんで
おいた。そしてナイロンパイル糸を含むラビング布のロ
ーラを用いてラビングを行った。
【0165】その後、テープを基板から剥し、イソプロ
ピルアルコールで基板を洗浄した。
【0166】このようにして製作されたガラス基板11
a、11bを、一方のガラス基板11a(11b)に平
均粒径約1.5μmのビーズスペーサ16(シリカビー
ズ)を散布し、他方のガラス基板11a、11bにエポ
キシ樹脂の接着剤であるシール接着剤をスクリーン印刷
法で形成し、両ガラス基板11a、11bを貼り合わせ
て、空セルを作成した。なお、貼り合わせはガラス基板
11a、11bに施したラビング処理のラビング方向が
略平行になるように行った。その後、下記の相転移温度
を示すピリミジン系の強誘電性液晶を等方相に昇温した
状態で空セル内に真空注入し、その後除冷して液晶セル
を製造した。
【0167】
【0168】こうして得られた液晶セルの表示領域のプ
レチルト角はその全領域でほぼ18°、周辺領域はクロ
スニコルの偏光板のもとで明状態のない垂直配向であっ
た。また、基板間にナイロンパイル糸の屑も見られなか
った。
【0169】本発明によれば、より黄変が生じ難くな
り、仮に一度黄変が生じてもそれを消滅させることがで
きるような液晶素子を簡単な方法で製造できる。
【0170】本発明の更に別の好適な実施態様による液
晶素子の模式的断面を図19に示す。11a、11bは
液晶セル1を構成するための上下基板、12a、12b
は上下電極、3a、3bは周辺領域(枠部)に設けら
れ、高プレチルト角を得るためのパーフルオロポリマー
からなる配向膜、14a、14bは上下の配向制御膜、
15はカイラルスメクチック相を呈しうる液晶材料層、
16は液晶材料層の厚みとしてのセル厚を一定に保持す
るためのスペーサ、17は端部のシール接着剤である。
【0171】このセルでは、2次元マトリクス構成の電
極によって、縦12×横22の画素からなる有効光学変
調領域としての表示領域の外周に周辺領域が設けられて
いる。そして、表示領域と周辺領域とでは施す配向処理
が異なっている。周辺領域の液晶分子のプレチルト角
(基板界面近傍の液晶分子の長軸が該界面となす角度)
が該表示領域の液晶分子のプレチルト角より大きくなる
ように配向制御されている。より好ましくは周辺領域で
は分子の長軸が45度以上、最適には基板内面に対して
ほぼ垂直な向きを持つ垂直配向となっていることが望ま
しい。
【0172】一方有効光学変調領域としての表示領域で
は、プレチルト角が1°以上25°以下好ましくは1°
以上20°以下とされる。
【0173】(セル構成)本発明に用いられる液晶セル
を形成する一対の電極12a、12bとしては、前述し
たように、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム錫
(ITO)等が好適に用いられる。また必要に応じて透
明導電体により低抵抗の金属層を付与した構成であって
もよい。その厚みは40〜200nmに設定することが
望ましい。
【0174】液晶分子の配向制御のための配向制御膜1
4a、14bとしては、ポリイミド、ポリピロール、ポ
リビニルアルコール、ポリイミドアミド、ポリエステル
イミド、ポリパラキシレン、ポリエステル、ポリカーボ
ネイト、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ
アミド、ポリスチレン、セルロース樹脂、アクリル樹
脂、メラミン樹脂などの有機膜、あるいはSiOの斜方
蒸着膜などのような無機膜が適宜選択されて用いられ
る。その厚みは5〜100nmに設定することが望まし
い。
【0175】本発明に用いられる周辺領域用の配向膜3
a、3bとしては、パーフルオロポリマーが好ましく用
いられる。より好ましくは、脂肪族環状構造を持つもの
を採用する。具体的には、下記の構造式をもつものであ
る。
【0176】
【外3】
【0177】また、少なくとも表示領域内の配向制御膜
は界面の液晶分子のプレチルトを所望の範囲に設定する
ためにラビング処理を行うことが望ましいが、本発明で
は上述した配向膜を用いることにより、基板内面全面を
非選択的にラビングできるので製造工程が簡略化され
る。
【0178】(液晶セルの製造方法)ガラスなどの透明
基板を用意し、その上CVD法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法などの蒸着方法により透明導電膜
を形成し、これをストライプ上にパターニングする。そ
の後、絶縁膜を上述した蒸着法により形成する。
【0179】配向制御膜はポリアミド酸のような溶液を
スピナーコートし焼成して形成する。そして、周辺領域
にパーフルオロポリマーからなる配向膜を設けて、基板
全面をでラビング処理する。こうして得られた基板の一
つの上にスペーサとしてのビーズを分散させ基板の周囲
シール剤を設けてもう一つ基板を張り合せた。その後、
注入口から液晶材料を注入し徐々に冷却してカイラルス
メクチック相に転移させる。
【0180】(実施例7)本実施例においては、図19
に示すような液晶セルを作製した。1.1mm厚のガラ
ス基板11a、11bを用意し、ITOの透明電極12
a、12bをスパッタ法で形成した。この透明電極12
a、12bの膜厚は150nmとし、幅170μmのス
トライプ状のものを30μmの間隔を開けて多数設け
た。Ta23 膜を、90nmの厚さとなるようにスパ
ッタ法で形成したのち、その上に配向膜としてのポリア
ミック酸溶液(日立化成工業株式会社製のLQ−180
0:商品名)をフレキソ印刷により塗布し、270℃に
て1時間焼成してポリイミド配向膜を20nmの膜厚で
形成した。
【0181】次に周辺領域に脂肪族環状構造を持つパー
フルオロポリマーとして、旭硝子株式会社製のCYTO
P“CTX−807”:商品名をフレキソ印刷により選
択的に塗布した。その後、150℃にて1時間焼成して
約40nmの垂直配向膜を形成した。
【0182】そして周辺領域と表示領域とを含む全面を
押込み量εを0.35mm、ローラ回転数を1000r
mp、ローラ送り速度を30mm/secとしてたラビ
ング条件で、ラビングを2回行った。
【0183】このようにして製作されたガラス基板11
a、11bを、一方のガラス基板11a(11b)に平
均粒径約1.5μmのビーズスペーサ16(シリカビー
ズ)を散布し、他方のガラス基板11a、11bにエポ
キシ樹脂の接着剤であるシール接着剤をスクリーン印刷
法で形成し、両ガラス基板11a、11bを貼り合わせ
て、空セルを作成した。なお、貼り合わせはガラス基板
11a、11bに施したラビング処理のラビング方向が
略平行になるように行った。その後、下記の相転移温度
を示すピリミジン系の強誘電性液晶を等方相に昇温した
状態で空セル内に真空注入し、その後徐冷して液晶セル
を製造した。
【0184】
【0185】こうして得られた液晶セルの表示領域のプ
レチルト角はその全領域でほぼ18°、周辺領域はクロ
スニコルの偏光板のもとで明状態のない垂直配向であっ
た。
【0186】さらに液晶移動現象の評価として図11に
示す様に液晶分子の平均分子軸がaの光学安定状態とb
の光学安定状態にラビング方向に垂直なストライプ状エ
リアでそれぞれ揃えパルス幅25μs、電圧振幅40
V、1/2デューティの矩形波を約20時間印加し、
A、B位置でのセル厚変化を測定した。その結果、電界
印加前後でのセル厚変化は、全く認められなかった。
【0187】(比較例)有効画素部をとり囲む外周領域
に垂直配向膜を形成しない以外は、実施例1と同様の方
法でセルを作成した。得られたセルは、外周領域も含め
プレチルト角17°の均一配向を示した。
【0188】次に、実施例7と同様の条件にて液晶移動
現象を評価したところ、電界印加前に比べ、A部でセル
厚が30%、B部で32%の増加が認められた。
【0189】以上説明した各実施例は互いに組み合わせ
て液晶素子構成することが好ましい。
【0190】具体的には、両基板内面の配向処理を液晶
分子の移動方向が一方向になるように設定するととも
に、周辺領域にパーフルオロポリマーからなる非水平配
向膜を設け、且つ、フィルムマスクによりラビング処理
を行わないようにする。
【0191】或いは、液晶分子の移動速度V1、V2が
その絶対値の大きいほうが0.3mm/hourを越え
ないような条件で駆動するとともに、周辺領域にパーフ
ルオロポリマーからなる非一軸性配向膜を設け、且つフ
ィルムマスクによりラビング処理を行わないようにする
ことである。
【0192】勿論上記2つの組み合わせ例のうち、パー
フルオロポリマーの採用又はフィルムマスクの採用のい
ずれかを欠いてもよいことは明らかである。
【0193】次に、以上説明した各実施例の液晶素子が
用いられた画像表示装置について説明する。
【0194】図20はその画像表示装置の制御系のブロ
ック図である。200は表示手段であり前述した液晶素
子に偏光板が組み合わされたものであり、必要に応じて
背面光源を有するものである。201はデコーダ及びス
イッチを含む走査線駆動回路、202はラッチ回路、シ
フトレジスタ、スイッチなどを含む情報線駆動回路、2
03は両駆動回路201、202に供給する多数の基準
電圧を発生する基準電圧発生回路、204はCPUや画
像情報保持のためのRAMを含む制御回路、210は画
像入力用のイメージセンサやアプリケーションプログラ
ムが実行されているコンピュータなどの画像信号源であ
る。
【0195】次に、以上説明した本発明の液晶素子を用
いた画像形成装置について説明する。
【0196】図21はその画像表示装置の制御系のブロ
ック図である。210は、炭素を含むアモルファスシリ
コン等の感光体213に静電画像を形成するためのもの
で、上述した液晶素子を光バルブとして含み光源215
を具備する露光手段である。211は感光体213上の
静電画像をトナー像に現像する現像手段、212は感光
体213上の残留トナーを取り除くクリーニング手段で
ある。感光体上の現像されたトナー像は記録媒体214
に転写される。
【0197】又、本発明は、反強誘電性液晶と呼ばれる
スメクチック液晶を用いた素子にも適用できるであろ
う。
【0198】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、従来の液
晶素子では防止できなかった黄変現象を防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子の有効光変調領域の構成を示
す模式的断面図。
【図2】液晶の移動と配向処理の度合いとの関係を説明
するためのグラフを示す図。
【図3】印加電圧下における液晶の移動を説明するため
の模式図。
【図4】本発明の液晶素子の構成を示す模式的上面図。
【図5】図4のBB′線による液晶素子の断面を示す模
式的断面図。
【図6】本発明の液晶素子に採用されるラビング方法を
説明するための模式図。
【図7】液晶素子の液晶の移動速度の測定方法を説明す
るための模式図。
【図8】液晶素子の液晶の移動速度の測定方法を説明す
るための模式図。
【図9】液晶素子の黄変の様子を説明するための模式
図。
【図10】本発明の液晶素子の別の例の断面を示す模式
的断面図。
【図11】印加電圧下における液晶の移動を説明するた
めの模式図。
【図12】本発明に用いられる駆動波形を説明するため
の図。
【図13】図12の駆動波形による画素の表示状態を示
す図。
【図14】液晶素子の黄変の様子を説明するための模式
図。
【図15】液晶素子の黄変の様子を説明するための模式
図。
【図16】本発明の液晶素子の他の例の模式的断面図。
【図17】本発明の液晶素子の他の例の模式的断面図。
【図18】テープの貼り付け工程直後の基板の様子を示
す模式図。
【図19】本発明の液晶素子の他の例の模式的断面図。
【図20】本発明の液晶素子を用いた画像表示装置の制
御系のブロック図。
【図21】本発明の液晶素子を用いた画像形成装置の制
御系のブロック図。
【符号の説明】
1 液晶素子(液晶セル) 11a 上基板 11b 下基板 12a 上電極 12b 下電極 13a、13b 絶縁膜 14a、14b 配向制御膜 15 液晶材料層 16 スペーサ 17 シール接着剤 31 表示領域 32 枠領域 33 フィルム 120 ラビングローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平6−9065 (32)優先日 平成6年1月31日(1994.1.31) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−9066 (32)優先日 平成6年1月31日(1994.1.31) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 森 直 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 三浦 聖志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 佐藤 文良 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 斉藤 正道 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 高尾 英昭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小嶋 誠 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 朝岡 正信 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−266327(JP,A) 特開 平2−141726(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337

Claims (33)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する一対の電極を有する基板
    と、該一対の電極間に配した2つの安定状態を呈するカ
    イラルスメクチック液晶とを具えた液晶素子において、 前記安定状態のうち一方の状態を電界下においた時の移
    動方向と、他方の状態を該電界下においた時の移動方向
    とが、一方向となるべく該一対の基板の内面が配向処理
    されており、 前記液晶素子は、有効光変調領域と該有効光変調領域の
    外側に設けられた周辺領域とを有し、該周辺領域の配向
    処理と該有効光変調領域の配向処理とが異なっているこ
    とを特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】 前記一対の基板の内面において互いに異
    なるプレチルトを持つべく前記配向処理がなされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶素子。
  3. 【請求項3】 前記配向処理として、前記一対の基板の
    内面において互いに異なるラビング処理が施されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶素子。
  4. 【請求項4】 前記配向処理として、前記一対の基板の
    内面にそれぞれ互いに異なる粗面化度をもつ配向膜が付
    与されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶素
    子。
  5. 【請求項5】 該周辺領域の液晶分子が垂直配向してい
    ることを特徴とする請求項1に記載の液晶素子。
  6. 【請求項6】 該周辺領域には非ラビングによる垂直配
    向膜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載
    の液晶素子。
  7. 【請求項7】 前記配向処理として、前記一対の基板の
    内面にそれぞれ互いに異なる粗面化度をもつ配向膜が付
    与されており、粗面化度の小さい内面における該粗面を
    形成する微粒子の分散密度が、粗面化度の大きい内面に
    おける該粗面を形成する微粒子の分散密度の50乃至9
    0%であることを特徴とする請求項1に記載の液晶素
    子。
  8. 【請求項8】 前記配向処理として、前記一対の基板の
    内面にそれぞれ互いに異なる粗面化度をもつ配向膜が付
    与されており、粗面化度の小さい内面における平均高低
    差が、粗面化度の大きい内面における平均高低差の50
    乃至90%であることを特徴とする請求項1に記載の液
    晶素子。
  9. 【請求項9】 前記配向処理として、前記一対の基板の
    内面にそれぞれ互いに異なる粗面化度をもつ配向膜が付
    与されており、該粗面を形成する微粒子の平均粒径が、
    1乃至20nmであることを特徴とする請求項1に記載
    の液晶素子。
  10. 【請求項10】 前記配向処理として、前記一対の基板
    の内面において互いに異なるラビング処理が施されてお
    り、該ラビング処理の回数がそれぞれ異なることを特徴
    とする請求項1に記載の液晶素子。
  11. 【請求項11】 前記カイラルスメクチック液晶は強誘
    電性液晶であることを特徴とする請求項1に記載の液晶
    素子。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の液晶素子を含む露光
    手段と、感光体と、現像手段と、転写手段と、を有する
    画像形成装置。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の液晶素子を含む表示
    手段と、該表示手段に駆動信号を供給する駆動手段と、
    偏光板と、を有する画像表示装置。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の液晶素子を含む表示
    手段と、該表示手段に駆動信号を供給する駆動手段と、
    偏光板と、表示すべき画像信号を供給する信号源と、を
    有する画像表示装置。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載の液晶素子を含む表示
    手段と、該表示手段に駆動信号を供給する駆動手段と、
    偏光板と、表示すべき画像信号を供給する信号源として
    のイメージセンサを有する画像表示装置。
  16. 【請求項16】 請求項1に記載の液晶素子を含む表示
    手段と、該表示手段に駆動信号を供給する駆動手段と、
    偏光板と、表示すべき画像信号を供給する信号源として
    のコンピュータとを有する画像表示装置。
  17. 【請求項17】 互いに対向する一対の電極を有する基
    板と、該一対の電極間に配した2つの安定状態を呈する
    カイラルスメクチック液晶とを具え、有効光学変調領域
    とその外側の周辺領域とを含む液晶素子において、 前記有効光学変調領域における、該安定状態のうち一方
    の状態を電界下においた時の該液晶の移動速度をV1、
    他方の状態を該電界下においた時の該液晶の移動速度を
    V2とした時、該V1及びV2のうち絶対値の大きいほ
    うが0.3mm/hour以下であり、 該周辺領域の配向処理と該有効光学変調領域の配向処理
    とが異なることを特徴とする液晶素子。
  18. 【請求項18】 前記一対の基板の内面に粗面化された
    配向膜が付与されていることを特徴とする請求項17に
    記載の液晶素子。
  19. 【請求項19】 粗面をもつ配向膜が付与されており、
    該粗面を形成する微粒子の平均粒径が、1乃至20nm
    であることを特徴とする請求項17に記載の液晶素子。
  20. 【請求項20】 前記カイラルスメクチック液晶は強誘
    電性液晶であることを特徴とする請求項17に記載の液
    晶素子。
  21. 【請求項21】 請求項17に記載の液晶素子を含む露
    光手段と、感光体と、現像手段と、転写手段と、を有す
    る画像形成装置。
  22. 【請求項22】 請求項17に記載の液晶素子を含む表
    示手段と、該表示手段に駆動信号を供給する駆動手段
    と、偏光板と、を有する画像表示装置。
  23. 【請求項23】 請求項17に記載の液晶素子を含む表
    示手段と、該表示手段に駆動信号を供給する駆動手段
    と、偏光板と、表示すべき画像信号を供給する信号源
    と、を有する画像表示装置。
  24. 【請求項24】 請求項17に記載の液晶素子を含む表
    示手段と、該表示手段に駆動信号を供給する駆動手段
    と、偏光板と、表示すべき画像信号を供給する信号源と
    してのイメージセンサを有する画像表示装置。
  25. 【請求項25】 請求項17に記載の液晶素子を含む表
    示手段と、該表示手段に駆動信号を供給する駆動手段
    と、偏光板と、表示すべき画像信号を供給する信号源と
    してのコンピュータとを有する画像表示装置。
  26. 【請求項26】 互いに対向する一対の電極を有する基
    板と、該一対の電極間に配した双安定状態を呈するカイ
    ラルスメクチック液晶とを具え、有効光学変調領域とそ
    の外側の周辺領域とを含む液晶素子において、 該周辺領域の液晶分子のプレチルト角が該有効光学変調
    領域のプレチルト角より大きくなるように該周辺領域に
    パーフルオロポリマーを含む配向膜を設けたことを特徴
    とする液晶素子。
  27. 【請求項27】 前記パーフルオロポリマーは脂肪族環
    状構造を持つことを特徴とする請求項26に記載の液晶
    素子。
  28. 【請求項28】 前記脂肪族環状構造を有するパーフル
    オロポリマーが、下記の構造式で示されるものであるこ
    とを特徴とする請求項27記載の液晶素子。 【外1】
  29. 【請求項29】 前記カイラルスメクチック液晶は強誘
    電性液晶であることを特徴とする請求項26に記載の液
    晶素子。
  30. 【請求項30】 請求項26に記載の液晶素子を含む露
    光手段と、感光体と、現像手段と、転写手段と、を有す
    る画像形成装置。
  31. 【請求項31】 請求項26に記載の液晶素子を含む表
    示手段と、該表示手段に駆動信号を供給する駆動手段
    と、偏光板と、を有する画像表示装置。
  32. 【請求項32】 請求項26に記載の液晶素子を含む表
    示手段と、該表示手段に駆動信号を供給する駆動手段
    と、偏光板と、表示すべき画像信号を供給する信号源
    と、を有する画像表示装置。
  33. 【請求項33】 前記周辺領域にはパーフルオロポリマ
    ーからなる膜が設けられ、フィルムマスクにより非ラビ
    ング処理されている請求項1又は17に記載の液晶素
    子。
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