JPH10253313A - 感歪み抵抗体ペーストおよびそれを用いた力学量センサ - Google Patents

感歪み抵抗体ペーストおよびそれを用いた力学量センサ

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JPH10253313A
JPH10253313A JP9056552A JP5655297A JPH10253313A JP H10253313 A JPH10253313 A JP H10253313A JP 9056552 A JP9056552 A JP 9056552A JP 5655297 A JP5655297 A JP 5655297A JP H10253313 A JPH10253313 A JP H10253313A
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真也 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感歪み特性(GF)が大きく、かつ信頼性の
高い力学量センサを提供する。 【解決手段】 感歪み抵抗体ペーストに配合するガラス
フリットに、PbOを73.1〜86.7重量%、Si
2を9.7〜22.2重量%、B23を2.5〜5.
0重量%、およびAl23を0.9〜3.6重量%含む
PbO−SiO2−B23−Al23系ガラスを用いる
ことにより、抵抗体形成の際の結晶化ガラスとの界面反
応を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調、電装、住宅
設備、電化、FAなどの機器において、圧力、荷重、加
速度、変位などを計測する力学量センサに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、空調、電装、住宅設備、電化、F
Aなどの機器を高性能化、高機能化するために、圧力、
荷重、加速度、変位などの力学量を計測する手段への要
求が高まりつつある。測定対象も構造物の荷重量から、
気体や液体の流体圧力など多岐に亘っており、様々な測
定ニーズに対応できる力学量センサが期待されている。
しかし、従来より力学量センサとして用いられていたシ
リコン半導体式センサやCu−Ni合金を用いた歪みゲ
ージ式センサなどは、これらの要求に対応するには、信
頼性や価格に問題があった。
【0003】そこで、絶縁性の基板上に感歪み抵抗体お
よび電極を形成した力学量センサが提案されている。こ
の力学量センサは、種々の応力によって基板が変形した
とき、その歪み量を、基板表面に形成された感歪み抵抗
体の長さや断面積の変化に起因した抵抗値の変化より検
出するものである。このときのセンサ感度は、ゲージフ
ァクタ(以下、GFと略す)として、応力による基板の歪
み量と抵抗値変化の割合(抵抗値変化率/歪み量)で規
格化されている。
【0004】近年、力学量センサ用基板として、表面を
絶縁層で被覆された金属基材からなるメタルコア(琺
瑯)基板が、アルミナを代表とする各種セラミックス製
の基板と比べて弾性率や加工性などに優れることから広
く用いられてきている。メタルコア基板の金属基材に
は、例えば鉄系のステンレス鋼あるいはホーロ鋼が用い
られる。金属基材の表面に形成する絶縁層には、例えば
SiO2−B23−CaO−MgO系の結晶化ガラスが
用いられる。また、感歪み抵抗体は、例えば酸化ルテニ
ウム等の導電材料粉末、ガラス粉末および有機バインダ
を混合して調製されるペーストを塗布、焼成して所定の
形状に形成される。なお、このようにして得られたセン
サは、必要に応じて、その表面に保護層が設けられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような感歪み抵抗体材料およびメタルコア基板を用いた
力学量センサにおいても、様々な用途への応用展開を考
えた場合に満足されるセンサ感度は得られていない。そ
のため、上記と同様の構成の感歪み抵抗体において、感
歪み特性(GF)を大きくし、センサ感度を向上させる
ために種々の検討が行われている。
【0006】力学量センサの感歪み特性は、感歪み抵抗
体中のガラスとメタルコア基板表面の結晶化ガラスとの
界面における反応に大きく影響される。すなわち、界面
反応によって感歪み抵抗体中のガラス成分が消費され、
導電経路は導電粒子同士の直接接触によるものの割合が
大きくなるため、感歪み抵抗体のGF値は小さくなり、
酸化ルテニウム固有の特性であるGF値2に近づくもの
と考えられている。界面反応による影響を低減し、感歪
み抵抗体自身の特性を十分に引き出すため、感歪み抵抗
体の膜厚を厚くする検討も行われているが、図6に示す
ように、感歪み抵抗体の膜厚が厚くなるにつれて、感歪
み特性は向上するものの、感歪み抵抗体の表面や内部に
気泡が発生しやすくなり、センサ諸特性のバラツキが大
きくなる。
【0007】本発明は、以上のような問題点を解決し、
高感度(高GF)で信頼性の高い力学量センサを提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、メタルコア基
板上に感歪み抵抗体を形成するための感歪み抵抗体ペー
ストに、結晶化ガラスとの界面反応を抑制することので
きるガラスフリット、すなわち、PbOを73.1〜8
6.7重量%、SiO2を9.7〜22.2重量%、B2
3を2.5〜5.0重量%、およびAl23を0.9
〜3.6重量%含むPbO−SiO2−B23−Al2
3系ガラスを用いる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の感歪み抵抗体ペースト
は、酸化ルテニウム、ガラスフリットおよび有機バイン
ダを含み、ガラスフリットが、PbOを73.1〜8
6.7重量%、SiO2を9.7〜22.2重量%、B2
3を2.5〜5.0重量%、及びAl23を0.9〜
3.6重量%含むPbO−SiO2−B23−Al23
系ガラスからなるものである。本発明の感歪み抵抗体ペ
ーストの好ましい態様においては、酸化ルテニウムおよ
びガラスフリットの和に対する酸化ルテニウムの割合が
10〜30重量%である。本発明の感歪み抵抗体ペース
トの他の好ましい態様においては、酸化ルテニウムの粒
径が0.5〜3.0μmである。本発明の感歪み抵抗体
ペーストのさらに他の好ましい態様においては、ガラス
フリットの粒径が5μm以下である。有機バインダに
は、例えば、セルロース系樹脂またはアクリル系樹脂を
用いる。また、有機バインダを溶解させる溶媒には、例
えばテルピネオールまたはブチルカルビトールアセテー
トを一種であるいはこれらを混合して用いる。
【0010】本発明の力学量センサは、表面に結晶化ガ
ラス層を備えた金属基材からなる絶縁基板、絶縁基板の
表面に形成された一対の電極、電極間を接続して形成さ
れた感歪み抵抗体を具備し、感歪み抵抗体が、PbOを
73.1〜86.7重量%、SiO2を9.7〜22.
2重量%、B23を2.5〜5.0重量%、およびAl
23を0.9〜3.6重量%含むPbO−SiO2−B2
3−Al23系ガラスからなるガラスフリット、酸化
ルテニウムおよび有機バインダを含む感歪み抵抗体ペー
ストを焼成して得られたものである。感歪み抵抗体は、
上記の感歪み抵抗体ペーストを、例えば、描画、スクリ
ーン印刷、メタルマスク印刷、ドクターブレード、オフ
セット印刷などによって絶縁基板上に塗着した後、焼成
して形成される。
【0011】本発明の力学量センサに使用する金属基材
には、ホーロ鋼、ステンレス鋼、珪素鋼、ニッケル−ク
ロム−鉄、ニッケル−鉄、コバール、インバーなどの各
種合金材やそれらのクラッド材などが選択されるが、こ
のうち絶縁層との密着性の観点からステンレス鋼SUS
430が最も好ましい。金属基材の材質が決定されれ
ば、所望の形状に、通常の機械加工、エッチング加工、
レーザ加工等によって加工される。その形状は、負荷荷
重の大きさや用途により、円筒形や板状(箔状も含む)
等が選択される。これら金属基材は、例えば、絶縁層の
密着性を向上させる目的で、表面脱脂され、ついでサン
ドブラスト処理や、ニッケル、コバルトなどの各種メッ
キを施された後、熱酸化処理によって酸化被覆層が形成
される。
【0012】金属基材上には、結晶化ガラスからなる絶
縁層が形成される。結晶化ガラス層は、電気絶縁性およ
び耐熱性の観点から、たとえば、焼成によってMgO系
の結晶相を析出するような無アルカリ結晶化ガラスで構
成されることが好ましい。特に、SiO2=7〜30重
量%、B23=5〜34重量%、CaO=0〜20重量
%、MgO=16〜50重量%、La23=0〜40重
量%、ZrO2=0〜5重量%、P25=0〜5重量%
からなるガラス組成が好ましい。結晶化ガラス層を金属
基材上に被覆する方法としては、スプレー法、粉末静電
塗装法、電気泳動電着法等がある。このうち、被膜のち
密性、電気絶縁性等の観点から、電気泳動電着法が、最
も好ましい。
【0013】電気泳動電着法による結晶化ガラス層の形
成方法の一例を挙げると、まずガラスにアルコールおよ
び少量の水を加えてボールミル中で約20時間粉砕、混
合し、ガラスの平均粒径を1〜5μm程度にする。得ら
れたスラリーを電解槽に入れて、循環させる。そして、
金属基材を、このスラリー中に浸漬し、300Vで陰分
極させることにより、金属基材表面にガラス粒子を付着
させる。これを乾燥後、焼成する。これによって、ガラ
ス粒子が溶融すると共に、ガラスの成分と金属材料の成
分が、充分に相互拡散するため、ガラス層と金属基材と
の間に強固な密着が得られる。なお、焼成は、常温から
徐々に昇温して上記温度に到達させる方法が好ましい。
この方法によると、微細針状結晶を無数に析出させ、ガ
ラス層の機械強度や抵抗体との密着性を向上させること
ができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の感歪み抵抗体ペーストおよび
それを用いた力学量センサの好ましい具体例を、詳細に
説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限
定されるものではない。
【0015】上述の製造方法に基づいて感歪み抵抗体を
形成したGF測定用のサンプルを説明する。以下のよう
にして、図1に示す力学量センサを得た。長さが100
mm、幅が30mmで、厚さが0.8mmのステンレス
鋼SUS430からなる金属基材1に、前処理として脱
脂・水洗・酸洗・水洗・ニッケルメッキ・水洗の各処理
を施した。ついで、SiO2を13重量%、B23を2
5重量%、MgOを39重量%、CaOを3重量%、L
23を5重量%、ZrO2を2重量%およびP25
1重量%を含む結晶化ガラス粒子を分散させたスラリー
中にこの金属基材1を浸漬し、対極と金属基材1間に直
流電圧を印加することにより、金属基材1の表面にガラ
ス粒子を被覆させた。次に、この表面に結晶化ガラス粒
子を被覆した金属基材1を加熱して室温から880℃ま
で2時間かけて昇温させ、さらにこの温度で10分間保
持する焼成を行なった。これにより、図1に示すように
表面に厚さ100μmの結晶化ガラスからなる絶縁層3
を備えた絶縁基板を得た。ついで、絶縁層3の表面にA
g−Ptペーストをスクリーン印刷した後、800℃で
焼成して一対の電極4を形成した。
【0016】平均粒径が1.2μmの酸化ルテニウム
と、平均粒径3μmで表1〜3に示す組成番号1〜21
のガラスを重量比で1:4となるように混合した。この
混合物に、エチルセルロースとテルピネオールを主成分
とする有機ビヒクルを、酸化ルテニウムとガラスの混合
物100重量部に対して約20重量部添加した。これら
を乳鉢で混合し、さらに3本ローラで2時間混合して、
感歪み抵抗体ペーストを得た。なお、乳鉢混合およびロ
ーラ混合の際に、希釈剤としてブチルカルビトールアセ
テートを適時加えて、最終的にペースト粘度を調整し
た。
【0017】《実施例1》表1〜3に示す組成番号1〜
21のガラスを用いた感歪み抵抗体ペーストをそれぞれ
調製した。得られた感歪み抵抗体ペーストを用いて、絶
縁基板に形成された一対の電極を接続するように、所定
のパターンで印刷したのち、絶縁基板を乾燥器で120
℃で30分間乾燥させた。ついで、この絶縁基板をピー
ク温度800℃で10分間焼成し、抵抗体2を形成し
た。
【0018】ここで、表1に示す組成番号1〜8のガラ
スは、他の成分を一定として、SiO2とPbOの比を
変化させたものである。表2に示す組成番号9〜13の
ガラスは、他の成分を一定として、Al23(表中では
AlO1.5で表す)の配合量を変化させたものである。
表3に示す組成番号14〜21のガラスは、他の成分を
一定として、B23(表中ではBO1.5で表す)の配合
量を変化させたものである。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】これらのガラスを用いて得られた力学量セ
ンサのGF、ノイズ特性および抵抗値を測定した。その
結果を表1〜3に示す。ちなみに、これらの評価におい
て、多くの製品への応用を考えた場合、GF特性は15
以上、ノイズ特性は5dB以下、抵抗値のバラツキ
(σ)は10%以内が望まれる。
【0023】また、用いるガラス自身の耐酸性が、感歪
み抵抗体の信頼性に大きく影響することから、あわせて
それぞれのガラスの耐酸性を評価した。この評価は、5
%のクエン酸水溶液中にそれぞれのガラスを30分間浸
漬し、その間の単位表面積あたりの減量値が、10mg
/cm2以下のものを○、同じく11〜20mg/cm2
のものを△、20mg/cm2以上減量したものを×と
したものである。
【0024】表1より明らかなように、抵抗体中のPb
Oの含有率が高くなるにしたがい、センサのGF特性は
向上する。PbOの含有率が73.1重量%以上になる
と、GFは目標とした15以上になった。しかし、Pb
Oの含有率が86.7重量%より高くなると、ガラスは
徐々に結晶化しやすくなるため、耐酸性は低下し、ノイ
ズ特性やバラツキに示すように、抵抗値の安定性は悪化
した。PbO含有率を89.2重量%とした試料は、安
定した抵抗値が得られず、またGF測定ができなかっ
た。したがって、SiO2の含有率は、9.7〜22.
2重量%、PbOの含有率は、73.1〜86.7重量
%であることが好ましい。
【0025】表2から、抵抗体中のAl23の含有率が
高くなるにしたがい、耐酸性は向上することがわかる。
しかし、表1に示すSiO2とPbOを変化させたもの
と同様に、Al23の含有率が高くなるのにともない、
ガラスが結晶化しやすくなり、抵抗値の安定性が悪くな
った。したがって、Al23の含有率は0.9〜3.6
重量%であることが好ましい。
【0026】表3から、抵抗体中のB23の含有率が高
くなるに従い、抵抗値の安定性は向上することがわか
る。これは、B23が少ない場合は酸化ルテニウムがガ
ラス成分と反応してルテニウム酸鉛が析出しやすいため
と考えられる。しかしながら、B23の含有率が5.5
重量%以上では、耐酸性が低下した。これは、B23
含有率の上昇にともないガラスネットワークの結合が弱
くなったためと考えられる。したがって、B23の含有
率は2.5〜4.9重量%であることが好ましい。
【0027】《比較例1》表4に示すガラスを用いて、
実施例1と同様の検討を行った。組成番号22および2
3のガラスは、組成番号6のガラスのPbO成分をBi
1.5成分で置き換えたものである。組成番号24およ
び25のガラスは、SiO2成分を含まないB23−P
bO−Fe23(表中、FeO1.5で表す)系ガラスで
あり、組成番号26、27および28のガラスも、Si
2成分を含まないテルライト系ガラスである。
【0028】
【表4】
【0029】組成番号22および23のガラスは、Pb
O成分の減少にともないGF特性が低下した。組成番号
24および25のガラスは、SiO2成分を含まないた
めに、抵抗値の安定性や耐酸性が低いと考えられる。組
成番号26、27および28のガラスは、TeO2成分
がSiO2成分の役割を果たすことから抵抗値は安定す
るものの、一方で耐酸性は低い。
【0030】《実施例2》実施例1の組成番号6と組成
が等しく、粒径が3μmのガラスフリットおよび粒径が
1.2μmの酸化ルテニウムを、酸化ルテニウムとガラ
スフリットの和の10〜35重量%となるように混合し
て感歪み抵抗体ペーストを調製し、これを用いて実施例
1と同様の力学量センサを作製した。
【0031】得られたセンサの諸特性を実施例1と同様
に評価した。ペーストの焼成温度と得られた感歪み抵抗
体の抵抗値の関係を図2に示す。図2より、いずれの組
成比においても、焼成温度が高くなるにつれて、抵抗値
が低下することがわかる。また、同じ温度で焼成した場
合には、感歪み抵抗体中の酸化ルテニウムの含有率が高
くなるにつれて、抵抗値が低下することがわかる。
【0032】実用時の消費電流や自己発熱などを考慮す
ると、抵抗値は約10kΩが望ましい。そこで、酸化ル
テニウムの含有率を変化させてそれぞれ抵抗値が約10
kΩの力学量センサを実施例1と同様に作製し、その特
性を評価した。
【0033】抵抗値が10kΩのときの酸化ルテニウム
の含有率とGF特性の関係を図3に示す。これより、G
F特性は、酸化ルテニウムの含有率が高くなるにつれて
向上することがわかる。これは、感歪み抵抗体中の抵抗
体中の酸化ルテニウムの含有率が低い場合、所定の抵抗
値に合わせるには含有率が高い場合と比較してより高温
で焼成しなければならないためと考えられる。すなわ
ち、焼成の際に基板と抵抗体の界面反応がより促進さ
れ、GF特性が低下するものと考えられる。酸化ルテニ
ウムの含有率が10重量%以下の場合、ノイズが6dB
以上になり、バラツキも10%以上になることから、抵
抗値の安定性に問題がある。一方、酸化ルテニウムの含
有率が25重量%以上になると、RuO2粒子同士の接
触が増加することにより、GFは逆に低下する傾向を示
す。これらの結果より、目標とする特性値を満たすため
には、酸化ルテニウムの配合比は、酸化ルテニウムとガ
ラスの和に対して10〜30重量%であることが好まし
い。
【0034】《実施例3》粒径が0.1〜5.0μmの
酸化ルテニウムと、実施例1の組成番号6と同組成で平
均粒径が3μmのガラスフリットを、重量比で1:4と
なるように混合してペーストを調製し、実施例1と同様
の力学量センサを作製した。得られたセンサの性能を実
施例1と同様に評価した。酸化ルテニウムの粒径に対す
るGFおよびノイズ特性を図4に示す。図4より、GF
特性は、酸化ルテニウムの粒径が大きくなるにつれて向
上し、粒径が0.5μm以上になると目標である15以
上になるが、粒径が1.5μmより大きくなると、GF
はかえって低下する。一方、ノイズ特性は、粒径が大き
くなるにつれ悪化する。粒径が3.0μmを超えるとノ
イズは目標とする5dBよりも大きくなる。これより、
酸化ルテニウムの粒径は0.5〜3.0μmであること
が好ましい。
【0035】《実施例4》粒径が1.2μmの酸化ルテ
ニウムと、実施例1の組成番号6のガラスと同組成で粒
径が1〜20μmのガラスフリットを、重量比で1:4
となるように混合してペーストを調製した。得られたペ
ーストを用いて実施例1と同様の力学量センサを作製し
た。
【0036】得られた力学量センサの静電気(ESD)
特性を調べた。本試験は、感歪み抵抗体の電気容量を1
50pFとして、感歪み抵抗体を電位1.5kVに帯電
させたのち、帯電した電荷を330Ωの抵抗体を介して
放電させる試験を10回繰り返し、この試験の前後にお
ける感歪み抵抗体の抵抗値の変化率を調べたものであ
る。この条件における抵抗値変化率は、−10%以下が
望まれる。図5に、静電気特性とガラスの粒径の関係を
示す。ガラスの粒径が小さくなるにつれて、抵抗値変化
率の絶対値は小さくなり、5μm以下では抵抗値変化率
の絶対値は10%以下になった。したがって、ガラスの
粒径は、5μm以下が好ましい。なお、ガラスの粒径を
かえてもGFは約20で一定であり、ガラス粒径がGF
特性におよぼす影響は、ほとんどみられなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明によると、高感度で高出力の力学
量センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の力学量センサの一部を切り
欠いた斜視図である。
【図2】抵抗体ペーストの酸化ルテニウム/ガラスの各
配合比における感歪み抵抗体形成時の焼成温度と得られ
た抵抗体の抵抗値の関係を示す特性図である。
【図3】抵抗値を一定にした力学量センサの感歪み抵抗
体中の酸化ルテニウムの含有率とセンサのGFの関係を
示す特性図である。
【図4】感歪み抵抗体中の酸化ルテニウムの粒径とセン
サのGFおよびノイズの関係を示す特性図である。
【図5】感歪み抵抗体ペーストに用いたガラスフリット
の粒径と、得られたセンサの静電気特性の関係を示す特
性図である。
【図6】感歪み抵抗体の厚さとセンサのGFの関係を示
す特性図である。
【符号の説明】
1 金属基材 2 絶縁層 3 絶縁基板 4 電極
フロントページの続き (72)発明者 池田 正樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化ルテニウム、ガラスフリットおよび
    有機バインダを含み、前記ガラスフリットが、PbOを
    73.1〜86.7重量%、SiO2を9.7〜22.
    2重量%、B23を2.5〜5.0重量%、およびAl
    23を0.9〜3.6重量%含むPbO−SiO2−B2
    3−Al23系ガラスからなる感歪み抵抗体ペース
    ト。
  2. 【請求項2】 前記酸化ルテニウムの配合量が、前記酸
    化ルテニウムおよび前記ガラスフリットの和の10〜3
    0重量%である請求項1記載の感歪み抵抗体ペースト。
  3. 【請求項3】 前記酸化ルテニウムの粒径が、0.5〜
    3.0μmである請求項1記載の感歪み抵抗体ペース
    ト。
  4. 【請求項4】 前記ガラスフリットの粒径が、5μm以
    下である請求項1記載の感歪み抵抗体ペースト。
  5. 【請求項5】 表面に結晶化ガラス層を備えた金属基材
    からなる絶縁基板、前記絶縁基板の表面に形成された一
    対の電極、前記電極間を接続して形成された感歪み抵抗
    体を具備し、前記感歪み抵抗体が、PbOを73.1〜
    86.7重量%、SiO2を9.7〜22.2重量%、
    23を2.5〜5.0重量%、およびAl23を0.
    9〜3.6重量%含むPbO−SiO2−B23−Al2
    3系ガラスからなるガラスフリット、酸化ルテニウム
    および有機バインダを含む感歪み抵抗体ペーストを焼成
    して得られたものである力学量センサ。
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