JPH10253085A - 温水式暖房床の施工方法及び温水式暖房床並びに床材 - Google Patents

温水式暖房床の施工方法及び温水式暖房床並びに床材

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JPH10253085A
JPH10253085A JP6100197A JP6100197A JPH10253085A JP H10253085 A JPH10253085 A JP H10253085A JP 6100197 A JP6100197 A JP 6100197A JP 6100197 A JP6100197 A JP 6100197A JP H10253085 A JPH10253085 A JP H10253085A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで施工できる温水式暖房床の施工方
法及び暖房床を得る。 【解決手段】 温水用パイプPの循環路の形状に対応し
た凹溝を裏面に形成した複数の床材(A、B、C)を床
下地上に配置した後、床面の両端側に配置した端末用床
材Bを取り外す。直線状の凹溝2と該凹溝2を被覆する
裏面シート4を持つ床材Aの該凹溝2を通して温水用パ
イプPを敷設し、端部同志を接続して温水の循環路を形
成した後に、先に取り外した端末用パネルBを床下地に
固定する。床材(A、B、C)の配置工程とは分離して
温水用パイプPの敷設及び循環路形成工程を行なうこと
ができ、施工管理の合理化が図れ、施工コストの低減が
可能となる。また、凹溝2が裏面シート4により被覆さ
れているので、接着剤が凹溝2内に入り込むことはな
く、温水用パイプPの挿通はスムーズに行われる。ま
た、凹溝2内に異物が入り込むことはなく、温水用パイ
プPが損傷することもない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温水式暖房床の施
工方法及び温水式暖房床、並びにそれに用いる床材に関
し、特に、床材施工と暖房施工とを分離して行なうこと
を可能とし、それにより、作業性の改善を図り低コスト
化を可能とした温水式暖房床の施工方法及び該施工方法
により構築される温水式暖房床、並びに、そこに用いら
れる床材に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート床あるいはコンクリート床
上に張られた下地合板のような床下地上に、木質系床材
に電気ヒータあるいは温水用パイプ等の発熱源を組み込
んだ床材を配置するようにした暖房床は知られている。
その一つの形態に、発熱源として温水を用い、ガス給湯
器のような温水発生源からの温水を温水循環用のパイプ
を通して循環させるようにしたものが実用化されてい
る。図17は、温水循環型の暖房床に用いられている暖
房パネルの一例であり、通常、中間パネルa、端末パネ
ルb及び接合用パネルcの組み合わせにより構成され
る。
【0003】いずれのパネルも、フローリング床を施工
するときに用いられると同様の木質系床材の内部に温水
用のパイプを一体に埋め込んだものであり、図示のよう
に、中間パネルaには長さ方向の両端に開口を持つ2本
のパイプPa1、Pa2が埋め込まれ、端末パネルbには長
さ方向の一方の端部に入口と出口の開口を持つ1本のパ
イプPbが埋め込まれ、さらに、接合用パネルcには裏
面側に一部(図17の斜線部分)を露出する形で2本の
パイプPc1、Pc2が埋め込まれている。
【0004】この温水用パイプを埋め込んだ各単位パネ
ルa、b、cは、それぞれ分離した状態で工場で製造さ
れ、暖房床の施工現場に搬入後、所定の継手により各パ
イプを接続して連続した循環路を形成する場合と、図1
7に示すように、工場において単位パネルa、b、cを
所定枚数、所定の順序で接続し、それを施工現場に搬入
して施工する方法とが取られる。現場でのパイプ接続作
業あるいはパネル敷設作業を少なくするために、各パネ
ルは幅広に形成され、そこに温水供給側のパイプの経路
が長くなるように何度か折曲させて埋め込まれるのが普
通である。
【0005】図18は、暖房床の一施工例を示す平面図
であり、通常、床面の4周には放熱源を持たない通常の
床材がボーダーパネルdとして配置され、その内側に、
単位パネルa、b、cが所定の配列で配置される。この
例では、図17に示した4枚組の暖房パネルが13枚、
階段状に位置をずらして配置されており、その左側端部
に位置する各接合用パネルcに埋め込まれたパイプ
c1、Pc2の露出部に温水連絡器がそれぞれ取り付けら
れ、そこにジョイントボックスGに連接する引き込みパ
イプPgが接続される。
【0006】ジョイントボックスGには図示しない温水
発生源に接続する温水導入配管(往路配管)とその戻り
管(復路配管)が接続しており、温水発生源からの温水
は、往路配管→ジョイントボックスG→引き込みパイプ
Pg→温水連絡器→接合用パネルcのパイプPc2→中間
パネルaのパイプPa2→端部パネルbのパイプPb→中
間パネルaのパイプPa1→接合用パネルcのパイプPc1
→温水連絡器→引き込みパイプPg→ジョイントボック
スG→復路配管と循環し、床暖房を行なう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記ように、現在の温
水式暖房床に用いられる床材パネルは、木質系床材に温
水用パイプを一体に埋め込んだ形に工場において製造さ
れ、それが施工現場に持ち込まれて床材パネルの敷設作
業と温水循環路形成のための配管接続作業とが行なわれ
る。現場の作業において、床材の敷設は大工の仕事であ
り、温水循環路形成のための諸作業は暖房機器店側の作
業であることから、作業効率を落とさないために、双方
の作業者を同時に配置することが必要とされている。
【0008】また、各単位パネル間で温水用パイプを継
手を用いて接続していくことは煩雑な作業であり、ま
た、継手部分の点検口をパネル側に設ける必要もあり、
作業量からもまたパネルの構造上からも、高い施工コス
トを必要としている。図17に示すように、工場で複数
枚の単位パネルが接続したものを製造しそれを現場に搬
入する場合には、施工現場でのパイプの接続作業量を低
減することはできるが、このような連続状のパネルを工
場から現場へ搬送するのには特別な包装を必要とし、さ
らに、施工現場での敷設作業も困難となる。また、パイ
プの露出部にキズや不用な折曲が生じ、パネル全体が不
良品となるケースも生じやすい。
【0009】さらに、前記のように単位パネル内での温
水経路を長くするために、通常、幅広の床材が用いら
れ、そこに複数の曲がり部を持つ凹溝が加工されるが、
この凹溝加工はきわめて煩雑でありコストの高騰を招い
ている。また、図17に示すように複雑な経路に加工さ
れた凹溝の中に、温水用パイプを埋め込みかつそこに安
定的に固定させる作業にも長い時間を必要としており、
改善が求められている。
【0010】本発明の目的は、現在の温水循環方式によ
る暖房床及びその施工方法が持つ上記のような不都合を
解消することにあり、より具体的には、大工側の作業で
ある床材の配置作業と暖房設備店側の作業である温水用
パイプの接続、配設作業とを分離した工程として施工す
ることを可能とし、それにより、施工コストを低減可能
とした温水式暖房床の施工方法を得ることにある。
【0011】また、本発明の他の目的は、床材裏面に形
成される温水用パイプの収容用凹溝の軌跡を簡素化し、
それにより、床材の製造コストを低減可能とした温水式
暖房床の施工方法を得ることにある。
【0012】さらに本発明の他の目的は、温水用パイプ
の接続箇所を少なくし、それにより、施工作業を簡素化
すると共に水漏れの発生確率を低減した温水式暖房床の
施工方法を得ることにある。
【0013】さらに本発明の他の目的は、施工方法を簡
素化し、結果として低コストで施工可能であり、温水用
パイプの配置作業が容易であり、かつ、温水用パイプに
損傷が発生するのを大きく回避して、万一、床材あるい
は温水循環系に損傷あるいは異常が発生した場合でも、
温水用パイプのみを容易に交換し補修することができる
ようにした温水式暖房床を得ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明による温水式暖房床の施工方法は、基本的
に、温水用パイプの循環路の形状に対応した凹溝を裏面
に形成した複数の床材を床下地上に配置する工程、該配
置した複数の床材の一部を取り外す工程、該取り外した
床材に隣接して配置されている床材に形成された凹溝を
通して温水用パイプを連続的に配設する工程、温水用パ
イプの配設終了後に前記取り外した床材を元の位置に再
配置する工程、とを有しており、前記取り外される床材
以外の床材として、少なくとも裏面に形成した凹溝部分
を被覆する裏面シートを持つ床材を用いて施工すること
を特徴とする。
【0015】好ましくは、前記の取り外される床材以外
の床材として、裏面に形成した凹溝部分に沿って余分な
接着剤を取り込むための細い第2の溝がさらに形成され
ている床材を用いる。
【0016】本発明による温水式暖房床の施工方法にお
いては、床下地上に配設すべき温水用パイプの配管パタ
ーンに応じた形状に凹溝が切られた複数の床材が工場で
製造され、該床材はそのままで施工現場に搬入される。
施工現場では、該複数の床材の中、前記した少なくとも
裏面に形成した凹溝部分を被覆する裏面シートを持つ床
材を各凹溝が連続するようにして所要枚数多数段にわた
り組付け、好ましくは周囲に形成される実部分の釘打ち
や接着剤を用いて床下地上に固定配置する。
【0017】次に、裏面に曲線(例えば、U字状)的な
凹溝が切られている床材(すなわち、取り外される床
材)を、その凹溝端部がすでに固定配置した前記床材の
凹溝の端部と連続するようにして配置する。そのように
してすべての床材を床下地上に配置することにより、配
置された床材の裏面には連続した一つの循環路が形成さ
れ、その時点で、大工側の作業である床材の配置作業は
終了する。
【0018】次に、暖房設備店側の作業として、温水用
パイプの接続、配設作業を行う。先ず、先に配置した曲
線的な凹溝を持つ床材のみを取り外し、隣接した床材に
形成された凹溝内に、温水用パイプを一方端から他方端
まで挿通する。この床材は主に直線状の凹溝が形成され
ており、かつ、少なくとも裏面に形成した凹溝部分は裏
面シートで被覆されているので、床下地面との接着に用
いた接着剤が凹溝内に侵入することはなく、凹溝内への
温水用パイプの挿通は障害なく行われる。万一、床下地
上に釘等の異物が残っている場合でも、該裏面シートに
よりそれが凹溝内に入り込むのを阻止することができ、
温水用パイプが損傷を受けるのを防止できる。さらに、
裏面に形成した凹溝に沿って余分な接着剤を取り込むた
めの細い第2の溝をさらに形成した床材を用いる場合に
は、例えば不均一な厚みに接着剤が塗布されたような場
合に、その盛り上がり部分(余剰な接着剤)を該第2の
溝内に逃がすことが可能でき、接着が不安定になったり
接着面が凹凸状となったりするのを阻止することができ
る。
【0019】挿通に際して、一本の温水用パイプをU状
に折曲させ、一枚の床材の2本の凹溝に同時に挿通させ
てもよい。すべての凹溝に温水用パイプを挿通させた後
に、床材の端部から延出している温水用パイプの端部同
志を一つの連続した循環路を形成するように適宜の連結
具を介して接続する。
【0020】その際に、好ましくは、先に取り外した床
材の裏面に形成される凹溝の軌跡と略同じ軌跡が描かれ
た台紙を用い、該取り外した床材の位置に前記台紙を置
く。そして、床材の端部から延出している温水用パイプ
の折曲部あるいは接続部の形状を、該台紙に描かれた軌
跡に沿うように姿勢を合わせながら、折曲あるいは接続
を行なう。
【0021】上記作業の後に、先に取り外しておいた床
材をもとの位置に再配置する。その際に、接着剤や釘打
ち等により固定するようにしてもよく、螺子止め等の手
段により着脱自在な形態で定着してもよい。温水用パイ
プの軌跡は前記の台紙を用いることにより、裏面に形成
された凹溝の軌跡とほぼ一致した軌跡となっており、配
管後の床材の取り付けは容易である。このようにして形
成された温水循環系路の両端を、従来の温水式暖房床の
場合と同様に、温水発生源側に接続することにより、暖
房床の施工は終了する。
【0022】好ましくは、前記取り外される床材とし
て、周囲の1ケ所又は数カ所に取り外し用のテープを貼
着したものを用い、大工側の作業としての該床材の配置
作業時に、該取り外し用のテープの端部を表面から露出
した状態としておく。そうすることにより、暖房設備店
側の作業員は該床材を容易に取り外すことができる。温
水用パイプの配設終了後に、該取り外し用のテープを除
去した状態で該床材を元の位置に再配置する。
【0023】好ましくは、本発明に用いる床材は、均熱
板としての金属箔が中間層として配置される。これによ
り、温水用パイプの付近のみ加熱されるのを防ぎ、均熱
効果が高められる。
【0024】上記の説明で分かるように、本発明の温水
式暖房床の施工方法によれば、床材を配置するいわゆる
床材施工と温水循環系を形成する暖房施工とを完全に独
立した工程として行なうことが可能となり、かつ、床材
施工は通常のフローリング床施工と同じようにして実施
可能である。そのために作業効率は向上し施工コストは
低減する。また、床材は、主に直線状の凹溝を持つもの
と曲線状の凹溝を持つものとに分けることができ、か
つ、曲線状の凹溝を持つものは必要とされる床材の総個
数の一部であることから、床材全体としての凹溝加工作
業は低減し、製造コストは低減する。
【0025】また、主に直線状の凹溝を持つ床材の裏面
には少なくとも該凹溝部分を覆うように裏面シートが配
置されるので、温水用パイプの挿通作業は容易であり、
かつ、異物の侵入により温水用パイプが損傷を受けるこ
ともない。
【0026】なお、上記の温水循環系は床面全体で1つ
の循環系としてもよく、床面積が広い場合には、温水循
環系を複数系形成し各系統毎に温水を循環させるように
してもよい。さらに、温水循環系は施工すべき床面の全
面に行なってもよく、部分的に行なってもよい。また、
従来の場合のように、必要に応じて、周囲に通常の床材
をボーダーパネルとして配置するようにしてもよい。
【0027】上記の説明からわかるように、本発明での
裏面シートを持つ床材に形成される凹溝の長手方向の形
状は、床下地上に該床材を配置した後に凹溝の一方端か
ら他方端まで温水用パイプを挿通することができる形状
であればよく、好ましくは直線状の凹溝であるがそれに
限られず、例えば床材の長手方向に大きな曲率で湾曲す
るような形状であってもよい。従って、本発明において
「主に温水用パイプの直線部分」あるいは「主に直線状
の凹溝」等というような場合における「主に」の語は、
真に直線状のみならず、そのような大きな曲率で湾曲す
るような形状をも含むものとして用いられる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明による温水式暖房床
の施工方法、温水式暖房床、及び、用いる床材の一実施
例を図面を参照して説明する。
【0029】図1は、本発明による温水式暖房床の施工
方法により施工された温水式暖房床を上方から見た状態
を示しており、施工床面の4周に沿った部分を除いて配
置される裏面シートを持つ床材A、Aa(斜線部分)、
図でその右方側辺に沿って配置される第1の端末用床材
Ba、その左方側辺に沿って配置される第2の端末用床
材Bb、及び、その上下の側辺に沿って配置されるボー
ダー床材Cとが、コンクリートスラブに敷設した床下地
合板上に配置されている。好ましくは、従来工法におけ
ると同様に、床下地合板の下面には合成樹脂発泡材等の
断熱材が施工される。後記するように、この状態は本発
明による施工方法における床材施工工程の終了状態でも
ある。
【0030】図2、図3は、裏面シートを持つ床材Aの
一つの実施例を示している。図2aはその平面図、図2
bは背面図であり、図3はその拡大して示す短片に沿っ
た断面図である。この例において、裏面シートを持つ床
材Aは、表面側合板1aと裏面側合板1bとの間に均熱
板として機能するアルミ箔3を配置した3層構造であ
り、例えば同時熱圧成形等の手段により一体成形され
る。図示しないが、アルミ箔3には、均熱作用を低下さ
せない程度の開孔率で多数の小孔を形成し、各層の接着
性を向上させようにしてもよい。図示のように、裏面側
合板1bの周囲には、通常の床材の場合と同様に雄実5
a、雌実5bが形成される。
【0031】裏面側合板1bの裏面には、後記する温水
用パイプPを収容できる大きさの凹溝2が長辺方向に平
行に複数本(この例では4本)形成されており、該凹溝
2に沿って細い第2の溝2a、2aがさらに形成されて
いる。そして、前記凹溝2を覆うようにして好ましくは
その全長にわたりポリエチレンラミネート紙のような裏
面シート4が例えば水溶性接着剤により貼着されてい
る。好ましくは、図示のように、表面側合板1aの表面
には突板等の適宜の表面層が形成され、かつ、疑似溝1
cが設けられる。なお、裏面シート4は、後記するよう
に床下地面に塗布した接着剤が凹溝2内に入り込むのを
抑制することができ、かつ、異物により容易に破損しな
い強度を持つ素材であれば任意のものを用いることがで
き、他に、ポリオレフィン系シートのラミネート紙のよ
うな複合紙や不織布、あるいは、ポリエチレンやポリプ
ロピレンのようなオレフィン系樹脂シートそのもの等を
有効に用いることができる。
【0032】図4は、第1の端末用床材Baと第2の端
末用床材Bbを説明するものであり、この例では、両者
が一体に形成された端末用床材Bとして示されている。
後記するように、この端末用床材Bは施工現場におい
て、図4cに示すように、例えば線10の位置により2
分割され、図4cにおいて右側の第1の端末用床材Ba
と左側の第2の端末用床材Bbとに分離される。この例
において、端末用床材Bは、前記した裏面シートを持つ
床材Aと同じ素材、すなわち、表面側合板1aとアルミ
箔3と裏面側合板1bとからなる3層構造をなす素材か
ら構成され、少なくともその幅と厚みは同じとされる。
【0033】図示のように、裏面側合板1bの中央部分
には長手方向に直交する多数の切り込み6が形成され、
さらに、右辺及び左辺の近傍には、裏面シートを持つ床
材Aに形成した凹溝2とほぼ同じ大きさの凹条71 〜7
4 及び81 〜84 が、その短辺側の側面に端部を開放し
てかつ4本の凹溝2と等しい間隔で形成される。そし
て、右辺側においては凹条71 と72 及び凹条73 と7
4 とは互いに連通してU字状の凹溝7a、7bを構成
し、左辺側においては凹条82 と83 とが互いに連通し
てU字状の凹溝8aを構成する。さらに、上方及び下方
の凹条81 と84 は、前記U字状の凹溝8aのU字状折
曲部よりも幾分内方において長手方向に直交して形成さ
れた第3の凹溝9にまで達していると共に、途中におい
て長手方向の側面側に向かって分岐し、全体として略ト
字状の凹溝8b、8cを形成している。さらに、裏面側
合板1bの4側面には、裏面シートを持つ床材Aの4周
に形成された雄実5a、雌実5bに衝接することなく床
材Aと連続的に接合できるように、内方への切欠き部1
1が形成されている。また、その短辺側の裏面には、そ
れぞれ2本の取り外し用のテープ12が図4cによく示
すように表面側合板1aを越えて延出する長さで貼着さ
れている。
【0034】図5は、ボーダー床材Cを示している。ボ
ーダー床材Cは従来のフローリング床に用いられる木質
系床材と同じものであってよく、この例では、床材Aと
同様に、表面側合板1aと裏面側合板1bとを有し、裏
面側合板1bの周囲には雄実2aと雌実2bが形成され
ると共に、少なくともその幅と厚みは同じとされてい
る。
【0035】本発明による温水式暖房床の施工方法にお
いては、施工すべき床面に必要とされる数の前記床材
A、B、Cが工場で製造されて施工現場に搬入され、最
初に、それらが床面上に配置される。第1の端末用床材
Baと第2の端末用床材Bbとを当初から別のものとし
て工場で製造するようにしてもよい。
【0036】それらの床材を用いて図1に示す形状の暖
房床を施工する場合を以下に説明する。最初に、各床材
A、B、Cが図6a〜cに示す手順で床面(床下地上)
に配置される。すなわち、先ず、ボーダー床材Cが床面
50の上辺51に沿って3枚、1列に配置される(図6
a)。配置に際しては、従来のフローリング床の場合と
同様に、接着剤を用いてあるいは必要に応じて雌実部分
に釘打ち等を行って床面に定着させる。床材の配置に先
立って、従来の暖房床施工の場合と同様に、床面(床下
地)上に適宜の断熱処理、均熱処理を施すようにしても
よい。また、従来工法と同様に、図示しない温水発生源
からの温水導入用の往路配管及び温水発生源への復路配
管の配設工事も行なわれる。
【0037】次に、図4に示す端末用床材Bを床面の寸
法に合わせて2分割し、第1の端末用床材Baと第2の
端末用床材Bbとに分離する。分離した第1の端末用床
材Baを床面の右側辺に接して、かつ、裏面のU字状の
凹溝7a、7bの開放端側が内側方向となるようにして
配置する(図6b)。この際、第1の端末用床材Baは
床面上に置くだけとして床下地に対して固定しなくても
よいが、作業の安定性を考慮して、接着剤あるいは仮固
定釘等により仮固定してもよい。いずれの場合であって
も、裏面に貼着した取り外し用のテープ12の先端が表
面側に現れるようにしておく。
【0038】なお、裏面側合板1bの中央部分には多数
の切り込み6が形成されていることから、分離後の各端
末用床材は、床面への配置時に側辺側となる部分が比較
的曲がりやすくなっている。そのために、壁面に幅木を
取り付けているような場合であっても、床面への取り付
け、取り外しが容易となる。
【0039】次に、配置した第1の端末用床材Baに接
して裏面シートを持つ床材Aを3枚配置する。その際、
図1及び図6cに示すように、床面の幅方向の長さに応
じて、単位長さの床材Aよりも短い長さの裏面シートを
持つ床材Aaも用いられる。この裏面シートを持つ床材
Aaは施工現場で切断して得てもよく、当初から工場に
おいて製造しておいてもよい。裏面シートを持つ床材
A、Aaは、ボーダー床材Cと同様に、接着剤を用いて
あるいは必要に応じて雌実部分に釘打ち等を行って床面
に定着させる。
【0040】接着剤の塗布は、床下地材に対して筋状に
行ってもよく、床材A、Aaの裏面に対して行ってもよ
い。床材A、Aaの裏面に接着剤を塗布する場合には、
好ましくは、裏面シート4を除いた箇所に塗布するよう
にする。いずれの場合でも、接着剤の塗布厚みにむらが
ある場合に、配置時に床材A、Aaを押し付けながら幾
分スライドさせることにより、余分な接着剤は前記した
細い第2の溝2a内に入り込むので、均平な接着面が得
られる。
【0041】次に、前記分離した第2の端末用床材Bb
を裏面シートを持つ床材Aの端部と床面の左側辺との間
に、かつ、底面のU字状の凹溝8aの開放端側が内側方
向となるようにして配置する。必要な場合には切り込み
6に沿って一部を破断して長さを調節する。この際、前
記第1の端末用床材Baと同様に、第2の端末用床材B
bは床下地に対して接着固定しなくてもよく、接着剤あ
るいは仮固定釘等により仮固定してもよい。いずれの場
合であっても、裏面に貼着した取り外し用のテープ12
の先端が表面側に現れるようにしておく。
【0042】以下、この作業を必要回数(この例では1
0回)反復し、最後に、床面50の下辺に沿って3枚の
ボーダー床材Cを定着して、図1に示す形状の床材施工
工程は終了する。
【0043】次に、暖房施工を行なう。暖房施工は大工
ではなく暖房器具店の作業員により行なわれる。作業者
は、先ず、図7に示すように、表面に飛び出している取
り外し用のテープ12を手で引き上げることにより、第
1の端末用床材Baと第2の端末用床材Bbを取り外
し、次に、図8に示すように、所定長に切断された架橋
ポリエチレンパイプのような温水用パイプPを、裏面シ
ートを持つ床材Aの裏面に形成した各凹溝2を通して、
一方端から他方端まで貫通させる。床材Aの凹溝2は裏
面シート4により覆われているので、凹溝2内に床材A
の接着時に用いた接着剤が入り込むことはなく、温水用
パイプPは円滑に凹溝2内を通過する。
【0044】好ましくは、図9に示すように、1本の温
水用パイプPの長さを床面に定着した裏面シートを持つ
床材Aの長さLLの2倍よりも幾分長いものとし、それ
をU状に折り曲げて、2本の凹溝に右端から左端に向け
て挿通する。以下、同様にして、隣接する2本の凹溝に
対して1本の温水用パイプPを挿通していく。それによ
り、先に取り外した第1の端末用床材Baの場所には温
水用パイプPのU状の折曲部Puが露出し、第2の端末
用床材Bbの場所にはその両端部Peが露出した状態と
なる。
【0045】このようにしてすべての裏面シートを持つ
床材Aに形成した凹溝2に温水用パイプPを挿通した後
で、その温水用パイプP群が一つの循環路を形成するよ
うに端部同志の連接を行なう。床面の広さに応じて、2
以上の循環路を形成するように連接してもよい。図10
は5段分の裏面シートを持つ床材Aに挿通された温水用
パイプP群で一つの温水循環路を構成する場合の例であ
り、図において、最も上位に配置される温水用パイプP
の一方の端部Pe1は、床面に別途配置されたジョイント
ボックスGの温水供給側に、引き込みパイプPg1を介し
て接続され、他方の端部Pe2は下位に位置する温水用パ
イプPの一端Pe3に接続される。また、その温水用パイ
プPの他端はより下位に位置する温水用パイプPの一端
に接続される、というようにして順次接続され、5段目
の裏面シートを持つ床材Aの下位に位置する温水用パイ
プPの他端Pex側が引き込みパイプPg2を介してジョイ
ントボックスGに接続されることにより、一つの温水循
環路が形成される。
【0046】そのようにして温水循環路を形成した後
に、先に取り外しておいた第1の端末用床材Baと第2
の端末用床材Bbから取り外し用のテープ12を除去
し、該床材を接着剤によりあるいは必要に応じて疑似溝
1c部分に釘打ちを行うことによって元の位置に固定す
ることにより、暖房施工工程は終了する。
【0047】先に説明した第1の端末用床材Baと第2
の端末用床材Bbの裏面に形成したU字状の凹溝7a、
7b、8aの形状及び略ト字状の凹溝8b、8cの形状
は、前記のように温水循環路を構築した場合での、第1
の端末用床材Ba側及び第2の端末用床材Bb側におけ
る温水用パイプPの軌跡に相当するものであり、また、
第2の端末用床材Bbの裏面に形成した第3の凹溝9は
引き込みパイプPg1あるいはPg2の軌跡に相当するもの
である。従って、循環路形成時にそれらの凹溝の形状に
一致するように、温水用パイプPのU状部の軌跡及び接
続部の軌跡を定め、また、場所を一致させることで、第
1の端末用床材Baと第2の端末用床材Bbの循環路形
成後の取り付けは容易となる。
【0048】実際の暖房施工時に、該温水用パイプPの
U状部の軌跡及び接続部の軌跡等を第1の端末用床材B
a及び第2の端末用床材Bbの裏面に形成した各凹溝の
形状に一致させて作業を進めることは容易でない。図1
1はその作業を容易かつ確実に行なうために用いる台紙
60の一例を示している。この台紙60の右側には第1
の端末用床材Ba裏面に形成したU字状の凹溝7a、7
bの軌跡がそのまま転写されて印刷模様60aとしてあ
り、左側には第2の端末用床材Bb裏面に形成したU字
状の凹溝8a、略ト状の凹溝8b、8c及び第3の凹溝
9軌跡と、温水用パイプPの互いに接続されるべき2本
の端部Peがカットされるべき長さを示す目印63a、
63bとが印刷されている。
【0049】作業者は、第1の端末用床材Baを取り外
した後で、図12aに示すように該台紙60を、その印
刷模様60a側の先端が定着された裏面シートを持つ床
材Aの4本の凹溝2に一致するように床面上に置く。ま
た、第2の端末用床材Bbを取り外した後で、図13a
に示すように該台紙60を、その印刷模様60b側の先
端が定着された裏面シートを持つ床材Aの4本の凹溝2
に一致するように床面上に置く。
【0050】その状態で、U状に折曲した2本の温水用
パイプPを裏面シートを持つ床材Aの4本の凹溝2に挿
通し、そのU状部分60uを台紙60に転写された印刷
模様60aと一致するように姿勢を矯正する。必要に応
じて、台紙60を取り外し、図12bに示すように、第
1の端末用床材Baを定着することにより作業は終了す
る。以下、この作業を反復する。
【0051】第2の端末用床材Bb側では、先ず、温水
用パイプPの一番上に位置する端部Pe1を真っ直ぐに延
ばして第3の凹溝9に該当する印刷模様部分でカット
し、そこで曲がり継手S1 を介して引き込みパイプPg1
に接続する。次に、その下の端部Pe2をパイプカットラ
イン63aに合わせてカットし、その下に位置する端部
e3をパイプカットライン63bに合わせてカットし
て、そこに直線継手S2 を取り付ける(図13b)。そ
して、端部Pe2と端部Pe3とを印刷された軌跡軌跡と同
じくなるように微調整しながら継手に挿入し連接する
(図13bで点線で示す)。必要に応じて、台紙60を
取り外し、第1の端末用床材Ba側と同じように第2の
端末用床材Bbを定着することにより作業は終了する。
以下、この作業を反復する。
【0052】このように、台紙60を用いることにより
温水用パイプPの折曲部あるいは接続部での姿勢制御は
容易かつ確実となり、温水用パイプの循環路形成後に取
り外した端部用床材を容易に床面に定着することができ
る。なお、前記台紙として、裏面に均熱板を張り付けた
ものを用いてもよく、その場合には、該台紙は取り外さ
れることなくそのまま床面上に残される。
【0053】図14は、端末用床材Bの他の形態を示す
背面図である。この端末用床材Bsは、裏面に形成され
る凹溝の配置を除き、他の構成は図4に基づき説明した
端末用床材Bと同じである。すなわち、端末用床材Bs
において、裏面側合板1bの中央部分には長手方向に直
交する多数の切り込み6が形成され、さらに、右辺及び
左辺の近傍には、裏面シートを持つ床材Aに形成した凹
溝2とほぼ同じ大きさの凹条711〜714及び811、812
が形成されている。図で右辺側の凹条711〜714は、そ
の一端解放部を、端末用床材Bsの右側短辺に、床材A
に形成した4本の凹溝2と等しい間隔でそれぞれ位置さ
せており、他端解放部は左右に対称的に2本ずつ湾曲し
て長手方向の両側面にそれぞれ位置させている。左辺側
の凹条811と812は全体としてU字状に湾曲しており、
両端を左側短辺に、床材Aに形成した4本の凹溝2と等
しい間隔となるように位置させている。すなわち、外側
に位置する凹条811は、その両端が床材Aに形成した4
本の凹溝2の外側の2本と一致する位置となっており、
外側に位置する凹条812は、その両端が凹溝2の内側の
2本と一致する位置となっている。
【0054】さらに、右辺側には、凹溝711と凹溝712
を連結しかつ側辺に延びる連結溝7 15、及び、凹溝713
と凹溝714を連結しかつ他方の側辺に延びる連結溝716
が形成されており、左辺側には、凹溝812の湾曲部を接
続する連結溝813が形成されている。
【0055】この端末用床材Bsも、前記した端末用床
材Bと同様に、床面の寸法に合わせて2分割され、分離
した第1の端末用床材Bsaを床面の右側辺に配置さ
れ、第2の端末用床材Bsb床面の左右側辺に配置され
る。そして、端末用床材Bの場合と同様にして配管作業
が行われるが、端末用床材Bsの裏面に形成した凹溝の
配置が異なることにより、温水用パイプの接続形態が図
4の端末用床材Bと場合と相違する。特に説明しない
が、端末用床材Bsの裏面に形成したU字状の凹溝の軌
跡をそのまま転写印刷した台紙も必要に応じて用いられ
る。
【0056】図15、図16は、前記した端末用床材B
sを用いる場合の温水用パイプの配管系の異なる例を示
している。いずれの場合も、前作業として、所定長に切
断された温水用パイプP1 を裏面シートを持つ床材Aの
裏面に形成した4本の凹溝2のうち外側に位置する2本
を通して左側から右側に向けて貫通させ、もう一本の温
水用パイプP2 を内側に位置する2本を通して同様に左
側から右側に向けて貫通させる。それにより、先に取り
外した第2の端末用床材Bsbの場所には温水用パイプ
1 とP2 のU状の折曲部が露出し、第1の端末用床材
Bsaの場所にはその両端部が露出した状態となる。
【0057】このようにしてすべての裏面シートを持つ
床材Aに形成した凹溝2に温水用パイプPを挿通した後
で、その温水用パイプP群が一つの循環路を形成するよ
うに端部同志の連接を行なう。図15は2段の床材群で
1つの循環路を形成する場合であり、図16は3段の床
材群で1つの循環路を形成する場合である。
【0058】図15の場合には、図示のように、上段の
第1の端末用床材Bsaの場所では、温水用パイプP1
とP2 の一方の両端部が接続具Pc1 により連通状態に
接続され、他方の両端部は下段の温水用パイプP1 とP
2 の一方の両端部とそれぞれ接続具Pc2 、Pc3 によ
り連通状態に接続される。また、下段の第1の端末用床
材Bsaの場所では、温水用パイプP1 とP2 の他方の
両端部同志が接続具Pc1 によりそれぞれ連通状態に接
続される。それにより、温水の循環系が上下2段の床材
群内に構築される。そして、図示しないT型ジョイント
等を介して、前記接続具Pc2 はジョイントボックスG
(図9参照)の温水供給側に接続され、他方の接続具P
3 は戻り側に接続され、接続具Pc2 から供給される
温水は、図で矢印で示すような上下2段の床材群内を循
環し、再び他方の接続具Pc3 からジョイントボックス
Gに戻される。
【0059】図16の場合は、上段と下段の床材群の接
続態様は図15のものと同様であり、中段の床材群の温
水用パイプP1 とP2 の双方の両端部がそれぞれ接続具
Pc1 によって上方及び下方の温水用パイプP1 とP2
の端部とそれぞれ連通状態に接続している。それによ
り、温水の循環系が上中下3段の床材群内に構築され
る。そして、中段の床材群における前記第2の端末用床
材Bsbの位置における温水用パイプP2 の湾曲部には
接続具Pc2 が連通状態に配置されて、また、温水用パ
イプP1 の湾曲部には接続具Pc3 が連通状態で組付け
られる。そして、図示しないが、図15の場合と同様
に、図示しないT型ジョイント等を介して、前記接続具
Pc2 はジョイントボックスG(図9参照)の温水供給
側に接続され、他方の接続具Pc3 は戻り側に接続され
る。それにより、この場合も、接続具Pc2 から供給さ
れる温水は、図で矢印で示すような上中下3段の床材群
内を循環し、再び他方の接続具Pc3 からジョイントボ
ックスGに戻される。
【0060】そのようにして温水循環路を形成した後
に、先の実施形態の場合と同様にして先に取り外してお
いた第1の端末用床材Bsaと第2の端末用床材Bsb
が元の位置に固定され、暖房施工工程は終了する。な
お、端末用床材Bsの裏面に形成した凹溝のうち、連結
溝715及び連結溝813は、接続具Pc1 〜Pc3 が入り
込むための凹溝である。この端末用床材Bsでは、図4
に示した端末用床材Bと比較して温水用パイプPの湾曲
部の曲率を大きくとることができるので、配管作業が容
易化する利点がある。また、同様な接続法を繰り返すこ
とにより、4段以上の床材群内に循環系を構築すること
も容易である。
【0061】上記の説明は、本発明による温水式暖房床
の施工方法及び温水式暖房床並びに床材の好ましい実施
の形態の説明であって、他に多くの変形例が存在する。
例えば、各床材に設けた均熱板としての機能を果たす金
属箔3は必ずしも必須でなく、省略してもよい。裏面シ
ートを持つ床材Aに形成した第2の溝も、接着性を向上
させるために設けるものであり、接着剤の塗布が均一厚
さに行えるように施工環境においては、第2の溝を有し
ない床材を用いても、良好な接着性は確保される。取り
外し用のテープも作業の効率化の観点から用いられるも
のであり、省略可能である。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、床材の配置作業である
大工側の作業工程と温水用パイプの敷設作業である暖房
設備店側の作業工程とを完全に分離することが可能とな
り、作業管理の自由度が大きくなることから、結果とし
て施工の低コスト化がもたらされる。
【0063】また、床材はその裏面に凹溝を加工しかつ
該凹溝を裏面シートで被覆するのみであり、温水用パイ
プの組み込みを要しないので、低コスト化が可能とな
る。また、通常の床材と同様に完成品としての在庫管理
及び出荷であり、施工管理も容易となる。
【0064】さらに、床材を施工した後に温水用パイプ
を挿通する作業手順であり、従来のように運搬時にパイ
プが損傷して暖房床材全体が欠陥品となるようなことは
なく、例え暖房施工時に温水用パイプが損傷した場合で
も、損傷した温水用パイプのみを交換すればよく、メン
テナンスも容易でありかつ維持コストも低下する。
【0065】また、凹溝を持つ床材の裏面には少なくと
も該凹溝を覆うように裏面シートが配置されるので、温
水用パイプの挿通作業は容易であり、かつ、異物の侵入
により温水用パイプが損傷を受けるのも回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による暖房床を示す平面図。
【図2】取り外される床材以外の床材である凹溝を持つ
床材の一実施形態を示す図であり、aは平面図、bは背
面図。
【図3】図1の床材のIII-III 線による拡大断面図。
【図4】端部用床材の一例を示す図であり、aは平面
図、bは背面図、cは正面図、dは拡大した右側面図。
【図5】ボーダー用床材を示す図であり、aは平面図、
bはV-V 線による断面図。
【図6】各床材の配置手順を示す図。
【図7】暖房施工の最初の手順を説明する図。
【図8】暖房施工の次の手順を説明する図。
【図9】ヒーター用床材に温水用パイプを挿通した状態
を説明する図。
【図10】温水用パイプによる温水循環系の一例を説明
する図。
【図11】温水用パイプの配設に用いる台紙を示す図。
【図12】台紙の使用状態を説明する図。
【図13】台紙の他の使用状態を説明する図。
【図14】端部用床材の他の例を示す図であり、aは平
面図、bは背面図、cは正面図、dは拡大した右側面
図。
【図15】温水用パイプによる温水循環系の他の例を説
明する図。
【図16】温水用パイプによる温水循環系のさらに他の
例を説明する図。
【図17】従来の温水用暖房パネルを説明する図。
【図18】従来の温水用暖房パネルにより構築された暖
房床を説明する図。
【符号の説明】
A…裏面シートを持つ床材、B…端末用床材、C…ボー
ター用床材、P…温水用パイプ、2…裏面シートを持つ
床材の裏面に形成される凹溝、2a…凹溝に沿って形成
される第2の溝、3…均熱板、4…凹溝部分を覆う裏面
シート

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温水用パイプの循環路の形状に対応した
    凹溝を裏面に形成した複数の床材を床下地上に配置する
    工程、該配置した複数の床材の一部を取り外す工程、該
    取り外した床材に隣接して配置されている床材に形成さ
    れた凹溝を通して温水用パイプを連続的に配設する工
    程、温水用パイプの配設終了後に前記取り外した床材を
    元の位置に再配置する工程、とを有しており、前記取り
    外される床材以外の床材として、少なくとも裏面に形成
    した凹溝部分を被覆する裏面シートを持つ床材を用いて
    施工することを特徴とする温水式暖房床の施工方法。
  2. 【請求項2】 前記取り外される床材以外の床材とし
    て、裏面に形成した凹溝に沿って余分な接着剤を取り込
    むための細い第2の溝がさらに形成されている床材を用
    いて施工することを特徴とする請求項1記載の温水式暖
    房床の施工方法。
  3. 【請求項3】 前記取り外される床材として、周囲の1
    ケ所又は数カ所に取り外し用のテープをさらに貼着した
    床材を用い、温水用パイプの配設終了後に、該取り外し
    用のテープを除去した状態で該床材を元の位置に再配置
    することを特徴とする請求項1記載の温水式暖房床の施
    工方法。
  4. 【請求項4】 前記取り外される床材は、温水循環路を
    形成するに際して、該温水用パイプを折曲させる必要の
    ある場所又は温水用パイプを接続する必要のある場所に
    配置される床材であることを特徴とする請求項1ないし
    3いずれか記載の温水式暖房床の施工方法。
  5. 【請求項5】 前記取り外される床材の裏面に形成され
    た凹溝の軌跡と略同じ軌跡が描かれた台紙を用い、該取
    り外した床材の位置に前記台紙を置き、該台紙に描かれ
    た軌跡に沿って温水用パイプを配設するようにしたこと
    を特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の温水式暖
    房床の施工方法。
  6. 【請求項6】 温水供給源との間で温水を循環させるた
    めに床下地上に配設された温水用パイプと、該温水用パ
    イプの循環路に沿った凹溝が裏面に形成された床材であ
    って該配設された温水用パイプを該凹溝中に収容した状
    態で床下地上に配置されている複数の床材とを有してお
    り、該複数の床材は、温水用パイプの主に直線部分を収
    容する床材と主に温水用パイプの折曲部分又は接続箇所
    を収容する床材とで構成されており、かつ、前記主に温
    水用パイプの直線部分を収容する床材は少なくとも裏面
    に形成した凹溝部分が裏面シートで被覆された床材であ
    ることを特徴とする温水式暖房床。
  7. 【請求項7】 前記主に温水用パイプの直線部分を収容
    する床材は、裏面に形成した凹溝部分に沿って余分な接
    着剤を取り込むための細い第2の溝がさらに形成されて
    いることを特徴とする請求項6記載の温水式暖房床。
  8. 【請求項8】 前記主に温水用パイプの折曲部分又は接
    続箇所を収容する床材は裏面に所定の深さの切り込みが
    形成されていることを特徴とする請求項6記載の温水式
    暖房床。
  9. 【請求項9】 前記床材は、均熱板としての金属箔を中
    間層として有していることを特徴とする請求項6記載の
    温水式暖房床。
  10. 【請求項10】 温水用パイプを収容するための裏面に
    形成した1本又は複数本の凹溝と、少なくとも該凹溝部
    分を被覆する裏面シートとを有することを特徴とする温
    水式暖房床用の床材。
  11. 【請求項11】 前記凹溝部分に沿って形成された細い
    第2の溝をさらに有することを特徴とする請求項10記
    載の床材。
  12. 【請求項12】 均熱板としての機能を果たす金属箔を
    中間層としてさらに有することを特徴とする請求項10
    又は11記載の床材。
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