JP3898352B2 - 床暖房パネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パネル基材に電気ヒータが内蔵された床仕上材一体型の床暖房パネルに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
床仕上材として使用される床仕上材一体型の床暖房パネルは、図6(a)に示すように、通常、表面に突板等の表面仕上材が貼着されたパネル基材51と、このパネル基材51に内蔵される面状発熱体や線ヒータ等の電気ヒータ52と、この電気ヒータ52に電気的に接続された状態でパネル基材51の内部をその幅方向に横断する接続電源線53と、この接続電源線53の両端部に接続されたコネクタ54とを備えており、複数の床暖房パネル50を、前記コネクタ54を介して電気ヒータ52を相互に接続しながら床下地材の上に順次敷設していくことで床暖房フロアが施工される。
【0003】
ところで、こういった床暖房パネル50を用いて床暖房フロアを施工する場合において、隣接する床暖房パネル50同士を完全に整列させた状態、即ち隣接する床暖房パネル50の目地を揃えるような状態で敷設していくのであれば、特に問題はないが、通常は、図6(c)に示すように、隣接する床暖房パネルの目地が揃わないように、隣接する床暖房パネルを交互にずらしながら敷設していくのが一般的であるので、図6(a)に示す床暖房パネル50以外に、同図(b)に示すように、床暖房パネル50と外観上同じであるが、接続電源線53の位置が異なる床暖房パネル50aを別途製造しておかなければならず、床暖房パネル自体の製造コストが高くなると共に数多くの在庫を抱えなければならないといった問題があった。
【0004】
また、上述したような2種類の床暖房パネル50、50aを用いて床暖房フロアを施工する場合は、2種類の床暖房パネル50、50aの配列を予め決定しておかなければ、必要な各床暖房パネル50、50aの枚数をそれぞれ正確に把握することができないので、床暖房パネルを発注する場合に手間がかかるといった問題があると共に、施工者が2種類の床暖房パネル50、50aを適宜識別しながら交互に敷設しなければならないので、施工効率が低下するといった問題がある。
【0005】
そこで、この発明の課題は、複数種類の床暖房パネルを用いることなく、目地が揃わないように敷設することのできる床暖房パネルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、パネル基材内に電気ヒータが内蔵された床暖房パネルにおいて、前記電気ヒータに電気的に接続された状態で前記パネル基材の所定位置を横断する接続電源線と、前記電気ヒータに対して電気的に絶縁され、前記接続電源線の横断位置とは異なる所定位置で前記パネル基材を横断する中継電源線とを備えている床暖房パネルを提供するものである。
【0007】
以上のように構成された床暖房パネルでは、目地が揃わないように、隣接する床暖房パネルをずらしながら敷設する場合に、隣接する一方の床暖房パネルの接続電源線と他方の床暖房パネルの中継電源線とが相互に対応するように、接続電源線と中継電源線とをパネル基材内にそれぞれ配置しておくと、隣接する床暖房パネルの接続電源線と中継電源線とを接続することで、1枚おきに敷設される同一並びの床暖房パネル群の各電気ヒータを相互に電気的に接続することができ、従来のように、接続電源線が異なる位置に配設された2種類の床暖房パネルを用いることなく、1種類の床暖房パネルだけで、目地が揃わないような状態に床暖房パネルを敷設することが可能となる。これにより、従来に比べて、床暖房パネル自体の製造コスト及び在庫数の低減を図ることができると共に、床暖房パネルの敷設作業の効率化を図ることができる。
【0008】
特に、請求項2に記載の床暖房パネルのように、前記接続電源線及び前記中継電源線の両端部にそれぞれコネクタが接続されているものにあっては、接続電源線と中継電源線との接続をコネクタを介して簡単に行うことができるので、床暖房パネルの敷設作業をさらに効率よく行うことができるという効果がある。
【0009】
また、上記の課題を解決するため、請求項3に記載の発明は、パネル基材内に電気ヒータが内蔵された床暖房パネルにおいて、前記電気ヒータに電気的に接続された状態で前記パネル基材の所定位置を横断して前記パネル基材の一方の側縁から少なくとも前記パネル基材の横断長さ分だけ余分に延び出した延長部分を有する接続電源線と、前記パネル基材の所定位置を横断するように前記パネル基材に形成された、隣接する床暖房パネルの前記接続電源線の延長部分を収容する収容溝とを備えている床暖房パネルを提供するものである。
【0010】
以上のように構成された床暖房パネルでは、目地が揃わないように、隣接する床暖房パネルをずらしながら敷設する場合に、隣接する一方の床暖房パネルの接続電源線と他方の床暖房パネルの収容溝とが対応するように、接続電源線と収容溝とをパネル基材にそれぞれ配置しておくと、隣接する一方の床暖房パネルの接続電源線の延長部分を他方の床暖房パネルの収容溝に収容すると共に、その延長部分をさらに隣りの床暖房パネルの接続電源線に接続することで、1枚おきに敷設される同一並びの床暖房パネル群の各電気ヒータを相互に電気的に接続することができ、従来のように、接続電源線が異なる位置に配設された2種類の床暖房パネルを用いることなく、1種類の床暖房パネルだけで、目地が揃わないような状態に床暖房パネルを敷設することが可能となる。これにより、従来に比べて、床暖房パネル自体の製造コスト及び在庫数の低減を図ることができると共に、床暖房パネルの敷設作業の効率化を図ることができる。
【0011】
特に、請求項3に記載の床暖房パネルのように、前記接続電源線の両端部にそれぞれコネクタが接続されているものにあっては、接続電源線同士の接続をコネクタを介して簡単に行うことができるので、床暖房パネルの敷設作業をさらに効率よく行うことができるという効果がある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1(a)、(b)に示すように、この床暖房パネル1は、厚み12〜15mmの3プライ合板や5プライ合板等からなるパネル基材11と、このパネル基材11に内蔵される電気ヒータとしての面状発熱体14と、パネル基材11の表面に貼着される、厚み0.3mmの突板等からなる表面化粧材15と、前記面状発熱体14に電気的に接続された接続電源線16と、前記面状発熱体14に対して電気的に絶縁されている中継電源線17と、前記接続電源線16及び中継電源線17の両端部にそれぞれ接続されたコネクタ18、19とを備えている。
【0013】
前記パネル基材11は、同図(b)に示すように、前記面状発熱体14を収容するための収容凹部12aが形成された基材本体12と、収容凹部12aを閉塞するための蓋板13とから構成されており、この蓋板13は、基材本体12の収容凹部12aの周囲に形成された段部12bに嵌め込むことで基材本体12に装着されるようになっている。
【0014】
また、前記面状発熱体14は、基材本体12の収容凹部12a内に塗布された接着剤によって収容凹部12a内に固着されており、前記蓋板13は、面状発熱体14及び基材本体12に形成された段部に塗布された接着剤によって面状発熱体14及び基材本体12に固着されている。
【0015】
前記接続電源線16は、パネル基材11の長手方向の一端側において、面状発熱体14から伸び出すリード線14aに接続され、屈曲した状態でパネル基材11をその幅方向に横断するように配設されていると共に、前記中継電源線17は、パネル基材11の長手方向の略中央部において、パネル基材11をその幅方向に直線状に横断するように配設されており、両者とも面状発熱体14に重ね合わされた状態で収容凹部12a内に面状発熱体14と共に収容されている。
【0016】
前記コネクタ18、19は、前記接続電源線16及び中継電源線17の一端側にそれぞれ接続された雌側コネクタ18a、19aと、他端側にそれぞれ接続された雄側コネクタ18b、19bとから構成されており、前記雌側コネクタ18a、19aはパネル基材11の一方の側面側に形成された図示しない切欠部に固着されていると共に、前記雄側コネクタ18b、19bはパネル基材11の他方の側面側に形成された図示しない切欠部に引き出し自在に収容されている。
【0017】
接続電源線16に接続されたコネクタ18と中継電源線17に接続されたコネクタ19は、図2に示すように、目地が揃わないように短手方向に隣接する床暖房パネル1を相互にずらしながら敷設する際に、隣接する一方の床暖房パネル1のコネクタ18と他方の床暖房パネル1のコネクタ19とが対応する位置に設けられており、一方の床暖房パネル1の雌側コネクタ18a、19aと、これに隣接する他方の床暖房パネル1の雄側コネクタ19b、18bとを、それぞれ接続することができるようになっている。なお、雄側コネクタ18b、19bは、上述したように、パネル基材11から引き出すことができるようになっているので、雌側コネクタ18a、19aとの接続作業も容易に行うことができる。
【0018】
従って、目地が揃わないように、隣接する床暖房パネル1を相互にずらしながら敷設した場合でも、1枚おきに敷設される同一並びの床暖房パネル群の各面状発熱体14を接続電源線16及び中継電源線17を介して相互に電気的に接続することができ、図6に示すような接続電源線53が異なる位置に配設された2種類の床暖房パネル50、50aを用いることなく、上述したような1種類の床暖房パネル1だけで、目地が揃わないような状態に床暖房フロアを施工することができる。
【0019】
これによって、従来のように接続電源線の位置が異なる2種類の床暖房パネルを製造する必要がなくなるので、床暖房パネルの製造コストを抑えることができると共に多数の在庫を抱える必要もなくなる。また、床暖房フロアを施工する場合においても、施工者は1種類の床暖房パネルのみを取り扱えばよいので、床暖房パネルを発注する際の手間が緩和されると共に床暖房パネルの敷設作業を効率的に行うことができる。
【0020】
図3及び図4は、他の実施形態を示している。この床暖房パネル2も、基本的な構造は、上述した床暖房パネル1と同じであるので、同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
【0021】
この床暖房パネル2は、図3(a)、(b)に示すように、接続電源線16に、パネル基材11の一方の側縁からパネル基材11の幅方向の長さ分だけ余分に延び出した延長部分16aを設けると共に、前記床暖房パネル1に設けられた、両端にコネクタ19が接続された中継電源線17に代えて、隣接する床暖房パネル2の接続電源線16の前記延長部分16aを収容する収容溝11aを形成した点で、上述した床暖房パネル1とは異なる。なお、この床暖房パネル2では、蓋板13を分割すると共に基材本体12に切欠部を形成することによって、収容溝11aを形成している。また、この床暖房パネル2における接続電源線16及び収容溝11aは、上述した床暖房パネル1の接続電源線16及び中継電源線17と同一の位置に配設してある。
【0022】
以上のように構成された床暖房パネル2を用いて床暖房フロアを施工する場合、図4に示すように、目地が揃わないように、隣接する床暖房パネル2を相互に所定長さだけずらしながら敷設すると、隣接する一方の床暖房パネル2の接続電源線16と、他方の床暖房パネル2の収容溝11aとが対応する位置にくるので、同図に矢印で示すように、隣接する一方の床暖房パネル2の接続電源線16の延長部分16aを他方の床暖房パネルの収容溝11aに収容し、延長部分16aの先端に接続されている雄側コネクタ18bを、さらに隣りの床暖房パネル2の接続電源線16の雌側コネクタ18aに接続することで、1枚おきに敷設される同一並びの床暖房パネル群の各面状発熱体14を相互に電気的に接続することができ、図6に示すような接続電源線53が異なる位置に配設された2種類の床暖房パネル50、50aを用いることなく、上述したような1種類の床暖房パネル2だけで、目地が揃わないような状態に床暖房フロアを施工することができる。
【0023】
また、この床暖房パネル2は、上述した床暖房パネル1と異なり、1組のコネクタ18しか使用していないので、床暖房パネル2の製品コストが低下すると共に、施工時における床暖房パネル2間の電源線の接続箇所も半分になるので、床暖房パネル2の敷設作業をさらに効率よく行うことができるという効果がある。
【0024】
なお、この実施形態では、パネル基材11の略全面に面状発熱体14を設けた床暖房パネル1、2について説明したが、床暖房フロアにおける床暖房エリアの境界部分には、図5(a)、(b)、(d)、(e)に示すように、パネル基材11の半面のみに面状発熱体14を設けた床暖房パネル1a、1b、2a、2bを使用することもできる。
【0025】
また、上述した床暖房パネル1を用いて床暖房フロアを施工する場合は、例えば、図5(c)に示すように、上述した床暖房パネル1から面状発熱体14を削除して接続電源線16を中継電源線17aに代えると共に、一方のコネクタ19bを削除して他方のコネクタ19aを中継電源線17bを介して前記中継電源線17aに結線した結線用パネル1cを使用することにより、各面蒸発熱体14が相互に電気的に接続された2組の床暖房パネル群を最終的に大きな1つの床暖房パネル群として電気的に接続することができる。
【0026】
また、上述した各実施形態では、一の接続電源線16に対して一の中継電源線17または一の収容溝11aを設けているが、一の接続電源線16に対して複数の中継電源線17または複数の収容溝11aを設けることも可能であり、その場合は、複数枚おきに敷設される同一並びの床暖房パネル群の各面状発熱体14を相互に電気的に接続することができる。
【0027】
また、上述した各実施形態では、電気ヒータとして面状発熱体14を採用しているが、これに限定されるものではなく、線ヒータ等の種々の電気的発熱体を採用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明にかかる一実施形態である床暖房パネルを裏面側から見た概略平面図、(b)は(a)のX−X線に沿った概略断面図である。
【図2】同上の床暖房パネルを敷設した際の接続電源線と中継電源線との接続状態を示す概略平面図である。
【図3】(a)はこの発明にかかる他の実施形態である床暖房パネルを裏面側から見た概略平面図、(b)は(a)のY−Y線に沿った概略断面図である。
【図4】同上の床暖房パネルを敷設した際の接続電源線の接続状態を示す概略平面図である。
【図5】同上の床暖房パネルの変形例等を示す概略平面図である。
【図6】従来例を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1、2 床暖房パネル
11 パネル基材
11a 収容溝
14 面状発熱体
16 接続電源線
16a 延長部分
17 中継電源線
18、19 コネクタ

Claims (4)

  1. パネル基材内に電気ヒータが内蔵された床暖房パネルにおいて、
    前記電気ヒータに電気的に接続された状態で前記パネル基材の所定位置を横断する接続電源線と、
    前記電気ヒータに対して電気的に絶縁され、前記接続電源線の横断位置とは異なる所定位置で前記パネル基材を横断する中継電源線と
    を備えている床暖房パネル。
  2. 前記接続電源線及び前記中継電源線の両端部にそれぞれコネクタが接続されている請求項1に記載の床暖房パネル。
  3. パネル基材内に電気ヒータが内蔵された床暖房パネルにおいて、
    前記電気ヒータに電気的に接続された状態で前記パネル基材の所定位置を横断して前記パネル基材の一方の側縁から少なくとも前記パネル基材の横断長さ分だけ余分に延び出した延長部分を有する接続電源線と、
    前記パネル基材の所定位置を横断するように前記パネル基材に形成された、隣接する床暖房パネルの前記接続電源線の延長部分を収容する収容溝と
    を備えている床暖房パネル。
  4. 前記接続電源線の両端部にそれぞれコネクタが接続されている請求項3に記載の床暖房パネル。
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