JPH1025285A - オレフィン化合物のエポキシ化法 - Google Patents

オレフィン化合物のエポキシ化法

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JPH1025285A
JPH1025285A JP8177989A JP17798996A JPH1025285A JP H1025285 A JPH1025285 A JP H1025285A JP 8177989 A JP8177989 A JP 8177989A JP 17798996 A JP17798996 A JP 17798996A JP H1025285 A JPH1025285 A JP H1025285A
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reaction
hydrogen peroxide
solution
ketone
alcohol
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JP8177989A
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Osamu Kondo
近藤  治
Takanobu Okamoto
隆伸 岡本
Yukari Shimizu
ゆかり 清水
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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  • Catalysts (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】チタンシリカライト触媒を用いてオレフィン化
合物を過酸化水素でエポキシ化する反応に於て、触媒寿
命と触媒活性を向上させる方法を提供する。 【解決手段】チタンシリカライト触媒存在下、オレフィ
ン化合物を過酸化水素でエポキシ化する反応に於て、ア
ルコ−ルとケトンの混合物を共存させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種有機合成原
料、合成樹脂や医薬品の原料及び中間体、合成樹脂安定
剤や殺菌剤等の幅広い用途を持つ重要な工業原料である
エポキシ化合物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】触媒の存在下、オレフィン化合物と過酸
化水素からエポキシ化合物製造する方法は様々なものが
知られている。その中でも特開昭59−51273等に
記載されている、結晶性チタンシリカライト触媒(TS
−1触媒)を用いる方法は、不均一反応系であるため触
媒と反応生成物の分離が容易であり、工業的に有望な方
法である。前述の特許、或いは同発明者らによる総説
(Chim. Ind. (Milan), 72, 610 (1990))において開示
されているように、反応は水に可溶な極性溶媒、とりわ
けメタノール、或はアセトンを溶媒として用いることに
よって良好な反応成績が得られ、なかんずくメタノール
がほとんどの場合最適な溶媒であることが知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、TS−
1触媒の存在下、オレフィン化合物と過酸化水素からエ
ポキシ化合物を製造する方法について、上述の特許及び
文献に基づいてこの方法の試験を行った。上述の溶媒を
用いて反応を検討した結果、この反応系は比較的良い収
率及び選択率でエポキシ化合物を生成するものの、以下
の3点が大きな問題となった。第1の問題は、触媒の劣
化が非常に速く、触媒単位重量当たりのエポキシ化合物
生成量が非常に小さいことである。しかもこのように劣
化した触媒は、溶媒による洗浄などの簡便な方法によっ
ては元の特性に復帰せず、焼成による再生処理が必須で
あった。第2の問題は、溶媒が存在することによるエポ
キシ化合物の加溶媒分解などの望ましくない副反応によ
る選択率の低下である。第3の問題は、溶媒であるメタ
ノール或いはアセトンが、原料過酸化水素の希釈剤であ
る水及び反応によって副生する水を反応系内に取り込ん
でしまうため、反応終了後、蒸留によって水を系外に除
かなければならない点である。即ち、実際の工業化に於
いては、第1の問題を解決するために、頻繁に多量の触
媒を焼成によって再生するという、煩雑かつ高コストの
プロセスを組み入れる必要があり、第2の問題は原料費
の増大を意味し、第3の問題はユーティリティーコスト
の増大を意味する。いずれの場合もTS−1触媒を用い
る方法の経済性を著しく損なっている。従って、この方
法が経済的なプロセスとして成立するためには、最大の
欠点である触媒寿命の大幅な増大とエポキシ選択率の向
上が不可欠であり、且つ反応終了後に水を低コストの方
法によって分離する必要があるという結論を下すに至っ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
に鑑み、TS−1触媒の欠点の解決を図るべく鋭意検討
を行った結果、TS−1触媒の存在下、各種オレフィン
化合物と過酸化水素よりエポキシ化合物を製造する方法
に於て、アルコールとケトンの共存下に於いて反応を行
うことによって、それぞれの物質を単独で溶媒として使
用する場合に比較して触媒寿命が増大するのみならず、
触媒活性も向上するという全く予期せぬ事実を発見する
に及び、本発明を完成させるに至ったものである。更に
本発明のアルコール及びケトン共存下に於いては、反応
終了後、反応液を室温まで冷却することによって反応液
が2層に分離し、不要な水を蒸留によらず容易に取り除
けることも明かとなった。
【0005】以下に本発明について詳しく説明する。本
発明で用いる結晶性チタンシリカライト触媒は、MFI
結晶構造を持つシリカライトの格子Siの一部がTi原
子で置換されたものであり、公知の方法(例えば、US
P4,410,501)で調製したものを用いることが
できる。即ち、テトラエチルオルトシリケートとテトラ
エチルオルトチタネートをテトラプロピルアンモニウム
ヒドロキシド存在下で加水分解し、生成するエタノール
を留去後適当量の水を添加した溶液をオートクレーブに
移し、水熱合成することによって結晶の沈澱が得られ
る。この沈澱物を、洗浄、乾燥、焼成して結晶性チタン
シリカライト触媒を得ることができる。結晶格子中のS
iとTiのモル比は反応の活性を左右する重要な因子で
あるが、Si/Ti比で5ないし200が好ましい範囲
であり、より好ましくは20ないし100である。ま
た、結晶格子中にSi、Ti以外の元素、例えばB、A
l、Ga等を含んでいてもよい。このようにして調製し
たチタンシリカライト結晶は、このままで反応の触媒と
して用いても良いが、適当な手段で造粒あるいは成型し
て用いても良い。反応に使用する触媒の量は、触媒の活
性が結晶中に含まれるTi量等によって変化するため一
義的に決定することはできず、かなりの範囲で変わり得
る。あえて規定すれば、反応溶液中の濃度として、0.
1wt%から20wt%の範囲が適当である。より好ま
しい範囲として、0.5wt%から10wt%である。
【0006】本発明に於いて使用するアルコールとし
て、一般式、Cn H2n+1OHで表され、nが5以下であ
る脂肪族低級アルコールが好ましく、具体的には、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、t−ブタノール等
が挙げられるが、最も好ましいアルコールはメタノール
である。一方、本発明に於いて使用するケトンとして
は、一般式、Cm H2m+1(CO)Cn H2n+1で表され、
m+nの値が2以上、5以下であるような脂肪族ケトン
が好ましく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、
ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、エチルイソプロピルケトン等が挙げら
れる。特に好ましくは、アセトン、メチルエチルケトン
である。共存させるアルコールとケトンの混合物の使用
量の和には適当な範囲が存在し、少なすぎると反応中の
溶液が均一でなくなり反応成績の低下が生じる。即ち、
反応液が有機層と水層とに分離し、主に水層中で進行す
るエポキシ化合物の加水分解反応によるジオール生成等
の副反応の寄与が大きくなり好ましくなく、一方、アル
コールとケトンの混合物の量が多すぎると反応速度の低
下や、生成するエポキシ化合物の反応液中濃度が低くな
るために、多量のアルコール及びケトンを除去するため
のエネルギーコストが大きくなりすぎて経済的でない。
また、アルコールとケトンの混合物の量は用いるオレフ
ィンと過水のモル比などによっても変わり得るため、そ
れぞれの場合に於ける最適値を選択する必要があるが、
基本的には、反応中の溶液が均一であるような状態が望
ましい。その様な範囲として、あえて規定すれば反応液
総量に対して5wt%ないし80wt%、より好ましく
は10wt%ないし70wt%である。
【0007】本発明の特有の効果は、アルコールとケト
ンの共存下に反応を行うことによって発現するものであ
るが、アルコール或はケトンのいずれかを主体とし、そ
の中に一方の成分を比較的微量添加するだけでもそれぞ
れの物質を単独で使用したときに比較して寿命、及び/
または反応成績が向上する。しかしながら、よりその効
果を発揮するためには、アルコールとケトンの混合比率
をある一定の範囲とする必要がある。その具体的な範囲
としては、メタノール/ケトン重量比にして0.1ない
し10の範囲が好ましく、より顕著な効果は、アルコー
ル/ケトン重量比が0.2ないし5の範囲に規定するこ
とによって得られる。これらのアルコールやケトンは、
それぞれ1種類ずつを混合して用いても良いし、それぞ
れ2種以上を混合して用いても良い。また、本発明は、
前記の範囲を守れば、アルコール、ケトン以外の物質を
添加することを妨げない。
【0008】本発明に従ってエポキシ化されるオレフィ
ン化合物は、少なくとも1個のエチレン性不飽和官能基
を有する非環式及び環式有機化合物である。2個あるい
はそれ以上の炭素−炭素二重結合がオレフィン中にあっ
てもよい。また、オレフィン化合物は炭化水素置換基以
外の置換基、例えばハライド、カルボン酸、エステル、
ケトン、ヒドロキシ、アシル、エーテル、チオール、ニ
トロ、シアノ、無水化物、アミノ等を含むことができ
る。好ましいオレフィン化合物は、2ないし約20の炭
素原子を含むものである。オレフィン化合物の例として
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、
イソブテン、イソプレン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、アリルアルコールなどを挙げることができる。
【0009】過酸化水素水溶液は、工業用に入手可能な
30wt%、60wt%、90wt%などの濃度の市販
品を問題なく使用することができる。過酸化水素は、触
媒、原料オレフィン、並びにアルコールとケトンの混合
物と一緒に予め反応系に加えておいて反応を開始する、
いわゆるバッチ反応と呼ばれる方式でも良いが、反応熱
制御のしやすさの観点から、連続的或は間欠的に反応系
に加える、いわゆるセミバッチ反応と呼ばれる方式がよ
り好ましい。或は、オレフィン、アルコールとケトンの
混合物、及び触媒を共に連続的に攪拌反応器に導入し、
同時に生成物を一定速度で抜き出す、いわゆる連続反応
と呼ばれる方式ももちろん可能である。TS−1を固定
床としてその上に溶媒で希釈した原料を流す方法も可能
である。
【0010】添加する過酸化水素の量は、オレフィン化
合物に対してモル比で過剰に用いることもできるし、オ
レフィン化合物を過剰にすることもできる。過酸化水素
を過剰に用いる場合は、反応に長時間を要し、生成した
エポキシ化合物の加水分解によるジオール生成などの副
反応の寄与が多い傾向があるが、反応液中のオレフィン
化合物濃度を相対的に低減できるため製品の分離生成が
容易になる利点を有する。一方、オレフィン化合物を過
剰に用いると、反応速度が大きい、副生物の生成が僅か
であるなどの利点を有するが、過剰のオレフィン化合物
を精製時に除去する必要がある。これらの点を考慮し
て、好ましい範囲として、オレフィン化合物/過酸化水
素モル比が0.7ないし10、より好ましくは0.8な
いし5の範囲である。
【0011】本発明において、エポキシ化は大気圧下で
実施できるが、オレフィン化合物が反応温度でガス状で
ある場合は、それを液相中に溶解させるのに十分な圧力
を保つことが好ましい。反応温度は、30℃から120
℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは40℃から80
℃の範囲である。
【0012】
【実施例】以下に本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明の内容はこれらによって如何なる意味に
おいても限定されるものではない。
【0013】参考例1 TS−1触媒調製 テトラエチルオルトシリケート375gとテトラエチル
オルトチタネート10.3gを、3リットルの四つ口セ
パラブルフラスコに入れ、窒素気流下、滴下ポンプを用
いて20重量%テトラプロピルアンモニウムヒドロキシ
ド水溶液648gを5.4g/分の速度で滴下した。滴
下の間中、反応液温度は20℃で一定となるように調節
した。滴下終了後もしばらく攪拌を続け、加水分解を完
全に進行させた後、反応温度を80℃に加熱し加水分解
で生成したエタノールを反応液から留去し、透明なゾル
を得た。得られたゾルに蒸留水を290g加え、溶液全
体の重量を885gとしてSUS316製の3リットル
オートクレーブに充填率30%で充填した。オートクレ
ーブ内の気体を窒素で置換した後、密閉して170℃に
2日間加熱後、200℃に昇温してさらに2日間200
℃に保持した後、室温に冷却した。白色固体を含む液を
遠心分離機を用いて3000rpmで20分間遠心分離
を行い、ほぼ透明な上澄み液と白色のチタンシリカライ
ト粒子とに分離した。得られた白色チタンシリカライト
粒子を蒸留水で洗浄後、乾燥し、電気炉で空気中、55
0℃、6時間焼成処理を行い、91.7gのチタンシリ
カライト触媒が得られた。得られた結晶性チタンシリカ
ライト中のSi/Ti比を蛍光X線法により求めたとこ
ろ66であった。
【0014】実施例1 温度計、還流冷却器、攪拌機を取り付けた500mlの
四つ口フラスコに、1−オクテン59.4g(0.53
0モル)、メタノール74g及びメチルエチルケトン7
4g、参考例1において調製したTS−1 6.75g
をそれぞれ仕込み、60℃に調節した油浴で約58℃に
加熱した。温度が一定になった時点で60wt%過酸化
水素水の滴下を開始し、1分当たり0.20gの速度で
30分間、合計6.0g(0.106モル)滴下した。
その間、反応熱によって反応液の温度はほぼ60℃で一
定に保たれた。滴下終了後、さらに5分間攪拌を続けた
後フラスコを油浴から取り外し反応を終了させた。反応
溶液から触媒を濾過によって分離し、濾液はガスクロマ
トグラフィー及びヨウ素滴定によって有機成分及び残存
過酸化水素を定量した。ロート上の触媒ケーキを40m
lのメタノールで洗浄した後80℃で1時間乾燥し、次
の反応に使用した。このバッチ操作を合計3回繰り返し
た。各バッチ毎の反応成績を表1に示す。過酸化水素転
化率は、1バッチ目が94. 1%、3バッチ目では5
9.0%であった。また、消費過酸化水素基準の1−オ
クテンオキサイド選択率は、1バッチ目で89.0%、
3バッチ目で93. 1%となった。主な副生成物は、1
−オクテンオキサイドの加溶媒分解物であった。この反
応液を室温まで冷却すると二層に分離し、下層は水が主
成分であった。
【0015】実施例2 温度計、還流冷却器、攪拌機を取り付けた200mlの
四つ口フラスコに、1−ヘキセン40.0g(0.47
6モル)、メタノール50g及びメチルエチルケトン5
0g、参考例1において調製したTS−1 4.59g
をそれぞれ仕込み、54−56℃に調節した油浴で約5
3℃に加熱した。このとき、反応液は緩やかに還流し
た。温度が一定になった時点で60wt%過酸化水素水
の滴下を開始し、1分当たり約0.15gの速度で35
分間、合計5.4g(0.0953モル)滴下した。そ
の間、反応液の温度は少しずつ上がり、最終的には55
℃になった。滴下終了後、さらに5分間攪拌を続けた後
フラスコを油浴から取り外し反応を終了させた。反応液
から触媒を濾過によって分離し、濾液はガスクロマトグ
ラフィー及びヨウ素滴定によって有機成分及び残存過酸
化水素を定量した。ロート上の触媒ケーキを40mlの
メタノールで洗浄した後80℃で1時間乾燥し、次の反
応に使用した。このバッチ操作を合計3回繰り返した。
反応成績を表2に示す。過酸化水素転化率は、1バッチ
目が88.4%、3バッチ目では59.2%であった。
また、消費過酸化水素基準の1−ヘキセンオキサイド選
択率は、1バッチ目で86.0%、3バッチ目で92.
7%となった。主な副生成物は、1−ヘキセンオキサイ
ドの加溶媒分解物であった。反応液は室温まで冷却する
と二層に分離し、下層の主成分は水であった。
【0016】実施例3 メタノールとメチルエチルケトンの混合物を用いる代わ
りに、メタノールとアセトンの混合物(メタノール50
g及びアセトン50g)を共存させて反応を行った他は
実施例2と同様の操作を3回繰り返した。このとき、反
応液の温度(還流温度)は50℃となった。反応成績を
表2に示す。過酸化水素転化率は、1バッチ目が87.
4%、3バッチ目では56.7%であった。また、消費
過酸化水素基準の1−ヘキセンオキサイド選択率は、1
バッチ目で83.3%、3バッチ目で91.9%となっ
た。反応液は室温まで冷却すると二層に分離し、下層の
主成分は水であった。
【0017】実施例4 温度計、還流冷却器、攪拌機を取り付けた200mlの
四つ口フラスコに、アリルアルコール50.0g(0.
861モル)、メタノール25g及びメチルエチルケト
ン25g、参考例1において調製したTS−1 3.4
7gをそれぞれ計り取り、59℃に調節した油浴上で約
57℃に加熱した。温度が一定になった時点で60wt
%過酸化水素水の滴下を開始し、1分当たり約0.22
gの速度で45分間、合計9.8g(0.173モル)
滴下した。その間、反応熱によって反応液の温度はほぼ
60℃で一定に保たれた。滴下終了後、さらに15分間
攪拌を続けた後フラスコを油浴から取り外し反応を終了
させた。反応溶液から触媒を濾過によって分離し、濾液
はガスクロマトグラフィー及びヨウ素滴定によって有機
成分及び残存過酸化水素を定量した。ロート上の触媒ケ
ーキは40mlのメタノールで洗浄した後80℃で1時
間乾燥した。グリシドールの過酸化水素基準収率(過酸
化水素転化率* 選択率)は66. 8%であった。
【0018】比較例1 メタノールとメチルエチルケトンの混合物を使用する代
わりに、メタノールのみを148g使用した他は実施例
1と全く同様の操作を3回繰り返した。反応成績を表1
に示す。メタノール単独系では1−オクテンオキサイド
の加溶媒分解が起こり易くなり、選択率が70%前後ま
で大きく低下した。更に、過酸化水素転化率は、1バッ
チ目93.7%から3バッチ目52.2%に低下し、メ
タノール/ ケトン混合系よりも触媒劣化が顕著であっ
た。
【0019】比較例2 メタノールとメチルエチルケトンの混合物を使用する代
わりにメチルエチルケトンのみを148g使用し、濾過
後の触媒洗浄にもメチルエチルケトン40mlを用いた
他は実施例1と同様の操作を3回繰り返した。反応成績
を表1に示すが、1バッチ目に於いても過酸化水素転化
率、選択率とも実施例1に比較して大きく劣るものであ
った。さらに、3バッチ目には過酸化水素転化率が3
2.8%にまで低下し、触媒の劣化が極めて顕著であっ
た。
【0020】比較例3 メタノールとメチルエチルケトンの混合物を用いる代わ
りに、メタノールのみを100g使用した他は実施例2
と同様の操作を3回繰り返した。このとき、反応液温度
(還流温度)は51℃となった。反応成績を表2に示
す。過酸化水素転化率は、1バッチ目87.5%から3
バッチ目47.4%に低下し、メタノール/ メチルエチ
ルケトン共存下に比べて触媒劣化が顕著であった。
【0021】比較例4 メタノールとメチルエチルケトンの混合物を用いる代わ
りにメチルエチルケトンのみを100g使用し、濾過後
の触媒洗浄にもメチルエチルケトン40mlを用いた他
は実施例2と同様の操作を3回繰り返した。このとき、
反応温度は55℃であった。反応成績を表2に示すが、
1バッチ目に於いても過酸化水素転化率は実施例2に比
較して大きく劣るものであった。さらに、3バッチ目に
は過酸化水素転化率が32.0%まで低下し、触媒の劣
化が極めて顕著であった。
【0022】比較例5 メタノールとメチルエチルケトンの混合物を用いる代わ
りにアセトンのみを100g使用し、濾過後の触媒洗浄
にもアセトン40mlを用いた他は実施例2と同様の操
作を3回繰り返した。このとき、反応温度(還流温度)
は52℃であった。反応成績を表2に示すが、1バッチ
目に於いても過酸化水素転化率は実施例3に比較して大
きく劣るものであった。さらに、3バッチ目には過酸化
水素転化率が29.1%まで低下し、触媒の劣化が極め
て顕著であった。
【0023】比較例6 反応溶媒として、メタノールとメチルエチルケトンの混
合物を用いる代わりに、メタノールのみを50g使用し
た他は実施例4と同様の操作を行った。グリシドールの
過酸化水素基準収率は実施例4よりも低下し、62. 1
%となった。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明は次のような特有の効果を有す
る。即ち、アルコールとケトンを反応系に共存させると
いう非常に簡単な操作によって反応成績が向上し、かつ
触媒寿命が増大するという効果が得られる。従って、従
来では頻繁に多量の触媒を再生操作に賦す必要があった
ものが、その回数、及び再生量を減少させることが可能
となり、さらに、反応成績的にも向上するため、より低
コストでオレフィンのエポキシ化を行うことが可能とな
る。更に、反応後の溶液が二層に分離し易くなるため、
過酸化水素を用いた反応系で従来問題であった水の蒸留
による分離コストを大幅に低減することが可能となり、
工業的に非常に有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタンシリカライト触媒の存在下、オレフ
    ィン化合物と過酸化水素よりエポキシ化合物を製造する
    方法に於て、アルコールとケトンの共存下に於いて反応
    を行うことを特徴とするオレフィン化合物のエポキシ化
    方法。
  2. 【請求項2】アルコールが、一般式、Cn H2n+1OHで
    表され、ここにnが5以下である脂肪族アルコールから
    選択される請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】ケトンが、一般式、Cm H2m+1(CO)C
    n H2n+1で表され、ここにmとnの和が2以上5以下で
    ある脂肪族ケトンから選択される請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】オレフィン化合物が炭素数20以下の化合
    物である請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】オレフィン化合物が、エチレン、プロピレ
    ン、1−ブテン、2−ブテン、イソプレン、1−ヘキセ
    ン、1−オクテン、アリルアルコールから選択される請
    求項1記載の方法。
JP8177989A 1996-07-08 1996-07-08 オレフィン化合物のエポキシ化法 Pending JPH1025285A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001012616A1 (en) * 1999-08-13 2001-02-22 Colorado State University Research Foundation Epoxidation of olefins
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