JPH10252090A - 斜面掘削機と支持機と斜面掘削装置 - Google Patents

斜面掘削機と支持機と斜面掘削装置

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JPH10252090A
JPH10252090A JP9059565A JP5956597A JPH10252090A JP H10252090 A JPH10252090 A JP H10252090A JP 9059565 A JP9059565 A JP 9059565A JP 5956597 A JP5956597 A JP 5956597A JP H10252090 A JPH10252090 A JP H10252090A
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wire rope
excavator
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Yukihiro Seki
幸弘 関
Koji Sanao
康二 佐直
Masayuki Shomura
雅幸 正村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】斜面における岩石や土砂の除去作業が安全に能
率良く行え、しかも作業性のよい斜面掘削機と支持機と
斜面掘削装置を提供する。 【解決手段】斜面掘削機5は、ワイヤロープ4により支
持され、斜面1に沿って昇降させて斜面を掘削する遠隔
操作式のものである。斜面掘削機5は、クローラ式下部
走行体24と、車体の前部に取付けられる多関節アーム
29と、多関節アーム29の先端に取付けられるバケッ
ト34とを備える。支持機2は、下部走行体7上に旋回
装置6を介して上部旋回体9を設置してなる。上部旋回
体9上にウインチ10を搭載すると共に、起伏自在にワ
イヤロープ支持体12を取付ける。ワイヤロープ支持体
12の先端に、ウインチ10に巻取り繰出しされるワイ
ヤロープ4を掛けるシーブ11aを取付けてなる。斜面
掘削機5と支持機2とにより斜面掘削装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、崩落の危険がある
断崖等の斜面の岩石や土砂を掘削する等の作業に用いら
れる斜面掘削機と、該斜面掘削機等の斜面作業機を支持
する支持機と、両者を組み合わせた斜面作業装置に係
り、特に、斜面に発破をかけ、その後に斜面に残った岩
石を下方に落下させて岩石の自然落下の危険を無くす工
事を行う際に使用するに好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】山沿いの斜面に沿って施工されている道
路や線路等においては、斜面の岩石が道路や線路に落下
して事故を起こすことを防ぐため、崩落の危険のある斜
面に発破をかけ、その後、斜面に残った岩石を下方に掻
き落す工事が行われている。この工事を行う場合、従来
は作業員がブレーカ等の作業具を用いて作業を行ってい
る。
【0003】一方、斜面作業車により掘削等の作業を行
う作業機として、特開平4−120319号公報に開示
されたものがある。この作業機は、斜面の上部の左右に
間隔をおいて2本のアンカーを埋め込み、一方、バック
ホウバケットを有する斜面作業車の後部に左右2台のウ
インチを搭載し、各ウインチにそれぞれ巻かれるロープ
を前記左右のアンカーにそれぞれ接続し、バケット側を
下向きにし、各ウインチをそれぞれ独自に作動させてロ
ープを巻取り繰り出すと同時に、斜面作業車の下部走行
体を作動させて上下に走行させることにより、斜面作業
車の昇降を行い、斜面作業車の横移動は、左右のウイン
チの巻取り繰出し量に差を持たせて一たん上昇(下降)
後に下降(上昇)することにより行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、人手に
よる作業では、急斜面での作業であるため、作業環境が
悪く、また、作業性も良くないという問題点がある。
【0005】また、特開平4−120319号公報に開
示されているように、斜面作業車に搭載した2台のウイ
ンチの操作により昇降を行う方法の場合、左右のウイン
チの巻取り、繰出し量に差を持たせることによって斜め
横移動を行うため、ウインチの巻取り、繰出し量の調整
が難しく、所望の位置に横移動することが困難であり、
また、横移動可能な範囲も作業車を支持するアンカー間
に限られ、作業範囲が限定され易いという問題点があ
る。
【0006】本発明は、上記した問題点に鑑み、斜面に
おける岩石や土砂の除去作業が安全に能率良く行え、し
かも作業性のよい斜面掘削機および斜面掘削装置を提供
することを目的とする。
【0007】また本発明は、斜面掘削機等の斜面作業機
をワイヤロープを介して支持するに好適な支持機を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1ないし請
求項6は斜面掘削機に関するものであって、請求項1
は、ワイヤロープにより支持され、斜面に沿って昇降さ
せて斜面を掘削する遠隔操作式の斜面掘削機であって、
クローラ式下部走行体と、該斜面掘削機の車体の前部に
取付けられる多関節アームと、該多関節アームの先端に
取付けられるバケットとを備えたことを特徴とする。
【0009】請求項2は、請求項1において、バケット
をフェース型バケットとしたことを特徴とする。
【0010】請求項3は、請求項1または2において、
前記クローラ式下部走行体が、その前後端が斜めに形成
された船形をなすことを特徴とする。
【0011】請求項4は、請求項1または3までのいず
れかにおいて、前記車体の前部に下部走行体よりも前方
に突出するアウトリガーを回動自在に取付けたことを特
徴とする。
【0012】請求項5は、請求項1から4までのいずれ
かにおいて、斜面掘削機の下部車体に対して、多関節ア
ームを取付けかつ油圧装置を搭載した上部車体を、後方
を下げる方向に傾斜可能に取付けたことを特徴とする。
【0013】請求項6は、請求項1から5までのいずれ
かにおいて、前記多関節アームが車体に起伏自在に取付
けられるブームと該ブームの先端に回動自在に取付けら
れるアームとからなり、アームを回動させるアームシリ
ンダと、バケットを回動させるバケットシリンダとを多
関節アームの下面側に取付けたことを特徴とする。
【0014】請求項7ないし請求項9は、斜面作業機を
斜面の上部からワイヤロープを介して支持する支持機で
あって、請求項7は、下部走行体上に旋回装置を介して
上部旋回体を設置し、該上部旋回体上にウインチを搭載
すると共に、上部旋回体にワイヤロープ支持体を起伏自
在にかつ上部旋回体から外方に延出させて取付け、該ワ
イヤロープ支持体の先端に、前記ウインチに巻取り繰出
しされるワイヤロープを掛けるシーブを取付けてなるこ
とを特徴とする。
【0015】請求項8は、請求項7において、前記ワイ
ヤロープ支持体が伸縮ブームからなることを特徴とす
る。
【0016】請求項9は、請求項7または8において、
前記ワイヤロープ支持体の先端に、該ワイヤロープ支持
体を地面に支持させる台を取付けたことを特徴とする。
【0017】請求項10は、斜面掘削機と、掘削する斜
面の上部から該斜面掘削機をワイヤロープにより支持す
る支持機とからなり、前記支持機は、下部走行体上に旋
回装置を介して上部旋回体を設置し、該上部旋回体上に
ウインチを搭載すると共に、上部旋回体にワイヤロープ
支持体を起伏自在にかつ上部旋回体から外方に延出させ
て取付け、該ワイヤロープ支持体の先端に、前記ウイン
チに巻取り繰出しされる前記ワイヤロープを掛けるシー
ブを取付けてなり、前記斜面掘削機は、クローラ式下部
走行体と、該斜面掘削機の車体の前部に取付けられる多
関節アームと、該多関節アームの先端に取付けられるバ
ケットとを備えたことを特徴とする。
【0018】
【作用】請求項1においては、斜面掘削機による掘削
は、斜面掘削機の遠隔操作により行われるため、斜面に
おいて作業員が岩石の落下作業を行う必要がない。ま
た、支持機からのワイヤロープにより、斜面上の斜面掘
削機を支持することにより、斜面掘削機が斜面から落下
することを防ぎ、また、斜面掘削機の転倒を防ぐ。
【0019】請求項2においては、バケットとしてフェ
ース型バケットを用いたので、バケットを前方に回動さ
せることにより、岩石を前方に跳ね除けながら、上方か
ら下方へ岩石を能率よく落下させることが可能となる。
【0020】請求項3においては、斜面掘削機の下部走
行体を船形に形成したので、比較的大きな岩石が斜面に
突出している場合においても、その岩石に乗り上げて通
り過ぎることが可能となる。
【0021】請求項4においては、車体の前部に下部走
行体よりも前方に突出するアウトリガーを回動自在に取
付けたので、バケットやアームの作動により岩石や土砂
を前方に放出するように回動させた場合の反力をアウト
リガーで受けて斜面掘削機が前のめりに転倒することを
防止することができる。
【0022】請求項5においては、油圧アクチュエータ
の油圧源を有するパワーユニットを、下部車体に対して
上部車体の後方を下げる方向に傾斜可能に取付けたの
で、作業時にはパワーユニットの後方を下げて作業を行
うことにより、斜面掘削機の重心が後方に移動して斜面
掘削機が前のめりになることを防止することができる。
【0023】請求項6においては、前記多関節アームの
アームシリンダ、バケットシリンダを多関節アームの下
面に取付けたので、多関節アームの重心が斜面に近くな
り、多関節アームによって斜面で掘削作業を行った場合
に、多関節アームの自重もしくはその掘削反力によって
掘削機が前のめりに転倒するモーメントを低減でき、斜
面で確実に掘削反力を受けることができる。
【0024】請求項7においては、斜面上で作業を行う
斜面作業機をワイヤロープにより支持する支持機が下部
走行体を有するため、下部走行体の作動により支持機を
移動させさらに必要に応じて旋回装置を旋回させること
により、ワイヤロープによる支持点を移動することがで
きる。また、ワイヤロープの繰出し位置が、ワイヤロー
プ支持体の先端のシーブであるため、斜面の上部に支持
機の走行路を施工しておき、その走行路上に支持機を設
置し、ワイヤロープの支持点だけを斜面の縁から突出さ
せることができ、これにより、ワイヤロープ支持体の上
部旋回体に対する取付け位置を低い位置とし、ワイヤロ
ープにかかる張力によって支持機の転倒が生じ難い構造
が実現できる。
【0025】請求項8においては、支持機に設けるワイ
ヤロープ支持体を伸縮ブームによって構成することによ
り、斜面の上部に設けた走行路上に支持機を設置して作
業を行う場合、支持機の下部走行体を作動することな
く、伸縮ブームを伸縮させることにより、ワイヤロープ
支持体の先端のワイヤロープ繰出し位置が走行路の縁近
傍に位置するように容易に調整することができる。
【0026】請求項9においては、ワイヤロープ支持体
の先端に台を取付けたので、ワイヤロープ支持体を台に
よって地面に支持させることにより、ワイヤロープに生
じる張力により、ワイヤロープ支持体に過大な力がかか
ることを防止することができる。
【0027】請求項10においては、支持機と斜面掘削
機とをワイヤロープによって接続した状態において作業
を行うことにより、斜面掘削機の斜面からの落下、転倒
を防止した状態で安定した斜面掘削作業が行えると共
に、支持機の移動により、作業場所を横方向に容易に変
えることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は本発明による斜面掘削装置
の一実施例を示す側面図である。1aは発破をかけて崩
壊させる前の斜面、1は発破により斜面の一部を崩落さ
せた後の斜面、1bは斜面下部の道路や線路等、2は斜
面1の上部に施工した走行路3に設置した支持機、5は
支持機2にワイヤロープ4により支持される斜面掘削機
である。
【0029】前記支持機2は、図2の側面図および図3
の平面図に示すように、クローラ式下部走行体7上に旋
回装置8を介して上部旋回体9を設置し、該上部旋回体
9上にエンジン発電機15と、該発電機15を電源とす
る電動モータ10aにより駆動されるウインチ10と、
電動モータ16aにより駆動される油圧ポンプ16と、
油タンク17と、電動モータ19aによりファンが駆動
されるオイルクーラ19と、斜面掘削機5に電力を供給
するケーブル18を巻取り繰出しする定トルクモータ2
0a付きのケーブルリール20と、コントロールバルブ
23とを搭載すると共に、オペレータの持つ操作用無線
式送信器21からの操作信号を受信する受信器22を搭
載する。
【0030】また、上部旋回体9には上部旋回体9の下
方への回動が可能で、油圧シリンダ13により起伏され
るブーム12を取付け、該ブーム12の先端にはシーブ
11a、11bを取付け、また、上部にガイドシーブ1
4a、14bを取付けている。そして、前記ウインチ1
0により巻取り繰出しされるワイヤロープ4を、ブーム
12上のガイドシーブ14aおよびブーム先端のシーブ
11aに掛けて繰出し、一方、ケーブルリール20に巻
かれたケーブル18を、ブーム12上のガイドシーブ1
4bおよびブーム12の先端のシーブ11bに掛けて繰
出すように構成されている。ブーム12は内蔵油圧シリ
ンダにより伸縮される伸縮式ブームである。ブーム12
の先端には台60が軸支により揺動自可能に垂下して取
付けられている。該台60は高さ調整可能である。
【0031】該支持機2は、オペレータの持つ操作用無
線式送信器21からの操作信号を受信器22で受信し、
受信された操作信号により、前記エンジン発電機15
と、油圧ポンプ16用電動モータ16aと、オイルクー
ラ19の電動モータ19aの駆動停止、ウインチ10用
電動モータ15aの駆動、停止、コントロールバル23
の切り換え制御による下部走行体7、旋回装置8の駆動
停止およびブーム起伏用油圧シリンダ13やブーム12
の内蔵油圧シリンダの遠隔制御を行う構成を有するもの
である。なお、無線式の遠隔操作に限らず、有線式の遠
隔操作も可能であり、また、このような遠隔操作式では
なく、オペレータが支持機2に乗車して操作する方式と
してもよい。
【0032】一方、斜面掘削機5は、図4の側面図およ
び図5の平面図に示すように、左右に走行用油圧モータ
24bを有するクローラ式下部走行体24を有する。該
斜面掘削機5は、斜面1にある岩石を容易に乗り越えて
走行できるように、下部走行体24を船形(即ち図4に
示すように下部走行体24の前端aおよび後端bを斜め
に)構成している。また、該下部走行体24の骨格を構
成する下部車体24aには、図6の側面図に示すよう
に、上部車体25が後部の枢着軸48を中心として回動
自在に取付けられ、油圧シリンダ49の伸長によりリン
ク50、51を介して上部車体25の前部が持ち上げる
ことができ、その結果、上部車体25の後方を下げるこ
とにより、斜面掘削機5の重心が後方に移動し、これに
より斜面において斜面掘削機5が安定して支持されるよ
うにしている。
【0033】上部車体25の前部には、図5に示すよう
に、縦ピン26を中心にスイングシリンダ27により左
右に例えば60度の範囲で旋回自在に旋回台28を取付
け、該旋回台28に多関節アーム29を取付けてなる。
図4に示すように、該多関節アーム29は、ブームシリ
ンダ30により旋回台28に起伏自在に取付けたブーム
31と、該ブーム31の先端にアームシリンダ32によ
り上下に回動自在にピン付けしたアーム33とからな
り、該アーム33の先端に、フェース型のバケット34
をバケットシリンダ35により回動されるように取付け
てなる。
【0034】また、該斜面掘削機5は、図5に示すよう
に、上部車体25上に、電動モータ36aと、該電動モ
ータ36aにより駆動される油圧ポンプ36と、オイル
クーラ37と、油タンク38と、コントロールバルブ3
9を搭載すると共に、オペレータの持つ操作用無線式送
信器46からの操作信号を受信する受信器47を有す
る。該受信器47は、に受信された操作信号により、前
記電動モータ36aの起動、停止スイッチや、コントロ
ールバルブ39の制御による走行用油圧モータ24bの
作動、停止スイッチや、前記スイングシリンダ27並び
に多関節アーム29のシリンダ30、32、35、上部
車体25起伏用の油圧シリンダ49、後述のアウトリガ
ー55、56の上げ下げ用油圧シリンダ52、53を遠
隔制御するものである。
【0035】前記アウトリガー55、56は、図5と、
図7の側面図に示すように、下部車体24aの前後に、
枢着軸61、62を中心として油圧シリンダ52、53
によりそれぞれ回動されるようにそれぞれ左右1対ずつ
取付けられており、掘削作業時には油圧シリンダ52、
53を伸長させることによりこれらのアウトリガー5
5、56を下部走行体24の下面より下方に突出させる
ことによって斜面1に押し当てるようにしている。前部
のアウトリガー55は、斜面掘削機5の下部走行体24
より前部に突出させて斜面掘削機5を支持することによ
り、斜面掘削機5が前のめりに転倒することを防止する
ものであり、後部のアウトリガー56は前記バケット3
4の代わりに油圧ブレーカを取付けて破砕作業を行う場
合に斜面掘削機5を支持する役目を果たす。
【0036】該斜面掘削機5は、図4、図5に示すよう
に、上部車体25の後部の左右に、それぞれ上下1組の
ブラケット40、41を有し、一方、前記支持機2から
繰出されるワイヤロープ4の先端に着脱自在に接続され
るブラケット42には左右2個のシーブ43、44を有
し、各シーブ43、44に、前記上下のブラケット4
0、41にそれぞれ両端を接続したワイヤロープ63、
64を掛けてなる。また、ブラケット42は、ケーブル
18を接続するコネクタ57を有し、コネクタ57と前
記電動モータ36aとは伸縮ケーブル58を介して接続
される。
【0037】このような斜面掘削装置により斜面掘削を
行う場合は、ケーブルクレーンやヘリコプター等により
予め斜面1の上部に施工しておいた走行路3上に支持機
2を分解輸送して組立てておき、同様に斜面掘削機5を
走行路3に引き上げ、支持機2のワイヤロープ4および
ケーブル18を斜面掘削機5のブラケット42に接続す
る。
【0038】次に図1、図2に示すように、支持機2の
オペレータは、ブーム12の伸縮量を調整して台60を
走行路3の縁に置く。一方、斜面掘削機5のオペレータ
は、無線による遠隔操作により油圧シリンダ49を伸長
させて上部車体25を下部車体24aに対して傾斜さ
せ、斜面掘削機5の走行用油圧モータ24bを作動させ
て斜面掘削機5を斜面に沿って下ろす。同時に、支持機
2のオペレータは、ウインチ10を作動させてワイヤロ
ープ4を繰出し、これによりワイヤロープ4が張った状
態に保って斜面掘削機5を下ろす。斜面掘削機5が掘削
作業を行うべき箇所に達したら、油圧シリンダ52、5
3を伸長させてアウトリガー55、56を下ろしてアウ
トリガー55、56により斜面掘削機5を支持する。
【0039】ここで、前記支持機2におけるワイヤロー
プ4の繰出し位置が、ワイヤロープ支持体であるブーム
12の先端のシーブ11aであるため、ワイヤロープ4
の支持点だけを走行路3の縁から斜面1側に突出させる
ことができ、これにより、ワイヤロープ支持体の上部旋
回体に対する取付け位置を低い位置とし、ワイヤロープ
にかかる張力によって支持機2の転倒が生じ難い構造が
実現できる。
【0040】また、支持機2に設けるワイヤロープ支持
体であるブーム12を伸縮ブームによって構成したの
で、ブーム12を伸縮させることにより、シーブ11a
すなわちワイヤロープ繰出し位置が走行路の縁近傍に位
置するように容易に調整することができる。
【0041】また、ワイヤロープ4をブーム12に直接
支持させるのではなく、ブーム12の先端の台60を介
して地面に支持させたので、ワイヤロープ4に生じる張
力により、ブーム12に過大な力がかかることを防止す
ることができ、しかも台60を揺動可能に軸支し、かつ
高さ調整可能としたので、ブーム12の移動に伴って台
60も移動しても、台60の位置決めを容易に行うこと
ができ、設置位置の多少の傾斜、凹凸にも対応できる。
【0042】斜面掘削機5による斜面1の掘削は、ワイ
ヤロープ4により転倒、落下を防止した状態で、オペレ
ータが無線による遠隔操作により多関節アーム29およ
びバケット34を前方に回動させて岩石を前方に跳ね除
けて落下させることにより行う。これにより、上方から
下方へと斜面掘削機5を移動させて斜面1に残留する岩
石等を能率良く掻き落とすことができる。
【0043】斜面掘削機5による掘削時には、上部車体
25の前部に下部走行体24よりも前方に突出するアウ
トリガー55を下部走行体24より下方に突出させて斜
面1に支持させ、これにより、掘削反力をアウトリガー
55で受けて斜面掘削機5が前のめりに転倒することを
防止する。
【0044】また、掘削時には、図1に示すように、斜
面掘削機5の上部車体25の後方を下部車体24aに対
して下げることにより、斜面掘削機5の重心を後方に移
動させて斜面掘削機5が前のめりになることを防止す
る。
【0045】また、多関節アーム29のアームシリンダ
32、バケットシリンダ35を多関節アーム29の下面
に取付けたので、図1に示すように斜面1に斜面掘削機
5を位置させて作業する場合、多関節アーム29の重心
が斜面に近くなり、多関節アームによって斜面で掘削作
業を行った場合に、多関節アームの自重もしくはその掘
削反力によって掘削機が前のめりの転倒するモーメント
を軽減でき、斜面で確実に掘削反力を受けて安定した姿
勢で作業を行うことができる。
【0046】斜面掘削機5の斜面1における昇降は、前
記支持機2によりワイヤロープ4を介して斜面掘削機5
を支持した状態で前記ウインチ10を作動させ、これに
よりワイヤロープ4を巻取りあるいは繰出すと同時に、
遠隔操作により、斜面掘削機5の下部走行体を駆動させ
て走行させることにより行う。この場合、斜面掘削機5
の下部走行体24を船形に形成しているので、斜面1に
比較的大きな岩石が斜面に突出している場合において
も、その岩石に乗り上げて通り過ぎることが可能とな
り、また、下部走行体24のサイズを大型化する必要が
ない。
【0047】斜面掘削機5の横方向の移動は、図8に示
すように、支持機2を矢印aで示すように、走行路3上
を走行させて移動した後、斜面掘削機5の下部走行体2
4の油圧モータ24bを駆動して矢印bに示すように斜
面1上を斜めに上昇(または下降)させ、同時にワイヤ
ロープ4をウインチ10により巻取り(または繰出
し)、その後、斜面掘削機5を矢印cで示すように下降
(または上昇)させることにより行う。このように、1
方向からワイヤロープ4によって支持すれば、前記公報
に記載のように2台のウインチの巻取り繰出し量を異な
らせる方法に比較し、簡単な操作で容易に位置変えを行
うことが可能となる。
【0048】また、本実施例においては、支持機2の旋
回装置8を作動させてブーム12の向きを図8のd、e
に示すように変えることにより、ワイヤロープ4の支持
点を横方向に移動することができ、ワイヤロープの支持
点の制御範囲が広がり、支持点を容易に調整することが
できる。
【0049】本発明は、発破により斜面を破砕、崩壊さ
せるのではなく、例えば30度程度の傾斜の比較的緩や
かな斜面における岩石や土砂の除去作業にも用いること
ができる。
【0050】また、斜面掘削機5のワイヤロープ4によ
る支持機は、例えば斜面1の上部にレールを設置し、そ
のレールに沿ってウインチ車を移動自在に設置したもの
として構成してもよく、また、斜面1の上部に固定する
旋回台に多関節アームや伸縮ブーム等を取付けたウイン
チ装置からワイヤロープを繰出すように構成してもよ
い。また、支持機2は、図9に示すように、多関節アー
ム29Aの先端にブレーカ59を取付けて斜面の岩石の
破砕を行うもの等、他の斜面作業機を支持する機械とし
て用いることができる。また、多管節アームに取付ける
バケットとしてバックホウバケットを使用することがで
きる。
【0051】
【発明の効果】請求項1によれば、斜面掘削機による掘
削は、ワイヤロープにより斜面掘削機が支持された状態
で斜面掘削機の遠隔操作により行われるため、斜面にお
いて作業員が岩石の落下作業を行う必要がなく、安全に
作業を行うことができる請求項2によれば、岩石や土砂
が落下する方向にバケット等を回動させて落下させるた
め、能率よく掘削作業を行うことができる。
【0052】請求項3によれば、斜面掘削機の下部走行
体を船形に形成したので、比較的大きな岩石が斜面に突
出している場合においても、その岩石に乗り上げて通り
過ぎることが可能となり、比較的大きな岩石がある斜面
でも円滑に走行することができ、また、下部走行体が小
型ですむ。
【0053】請求項4によれば、斜面掘削機の掘削時の
掘削反力をアウトリガーで受けて斜面掘削機が前のめり
に転倒あるいは回動することを防止することができ、安
定した掘削作業が可能となる。
【0054】請求項5によれば、斜面における作業時
に、上部車体の後方を下げることにより、斜面作業時に
斜面掘削機の重心を後方に移動させ、斜面掘削機が前の
めりになることを防止し、姿勢を安定させることができ
る。
【0055】請求項6によれば、前記多関節アームのア
ームシリンダ、バケットシリンダを多関節アームの下面
に取付けたので、多関節アームの重心が斜面に近くな
り、多関節アームによって斜面で掘削作業を行った場合
に、多関節アームの自重もしくはその掘削反力によって
掘削機が前のめりに転倒するモーメントを低減でき、斜
面で確実に掘削反力を受けることができ、安定した姿勢
で作業を行うことができる。
【0056】請求項7によれば、斜面上で作業を行う斜
面作業機をワイヤロープにより支持する支持機が下部走
行体を有するため、下部走行体の作動により支持機を移
動させさらに必要に応じて旋回装置を旋回させることに
より、ワイヤロープによる支持点を移動することがで
き、斜面掘削機等の斜面作業機の位置変えが容易に行え
る。また、ワイヤロープ支持体を介してワイヤロープを
繰出すため、ワイヤロープ支持体の上部旋回体に対する
取付け位置を低い位置とし、ワイヤロープにかかる張力
によって支持機の転倒が生じ難い構造が実現できる。
【0057】請求項8によれば、支持機に設けるワイヤ
ロープ支持体を伸縮ブームによって構成したので、伸縮
ブームを伸縮させることにより、ワイヤロープ支持体の
先端のワイヤロープ繰出し位置が走行路の縁近傍に位置
するように容易に調整することができ、ワイヤロープの
繰出し位置の調整が容易となる。
【0058】請求項9によれば、ワイヤロープ支持体の
先端に台を取付けたので、ワイヤロープ支持体を台によ
って地面に支持させることにより、ワイヤロープに生じ
る張力により、ワイヤロープ支持体に過大な力がかかる
ことを防止することができる。
【0059】請求項10によれば、支持機と斜面掘削機
とをワイヤロープによって接続した状態において作業を
行うことにより、斜面掘削機の斜面からの落下、転倒を
防止した状態で安定した斜面掘削作業が行えると共に、
支持機の移動により、作業場所を横方向に容易に変える
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による斜面掘削装置の一実施例を示す側
面図である。
【図2】図1の実施例の支持機を示す側面図である。
【図3】図2の支持機の平面図である。
【図4】図1の実施例の斜面掘削機を示す側面図であ
る。
【図5】図4の斜面掘削機の平面図である。
【図6】図4の斜面掘削機の一部を示す側面図である。
【図7】図4の斜面掘削機の一部を示す側面図である。
【図8】本実施例において、斜面掘削機の横移動を説明
する正面図である。
【図9】本発明の支持機により支持される斜面作業機の
他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:斜面、2:支持機、3:走行路、4:ワイヤロー
プ、5:斜面掘削機、7:下部走行体、8:旋回装置、
9:上部旋回体、10:ウインチ、11a、11b:シ
ーブ、12:ブーム、13:油圧シリンダ、15:エン
ジン発電機、16:油圧ポンプ、18:ケーブル、2
0:ケーブルリール、21:送信器、22:受信器、2
4:下部走行体、24a:下部車体、25:上部車体、
27:スイングシリンダ、28:旋回台、29、29
A:多関節アーム、34:バケット、42:ブラケッ
ト、43、44:シーブ、46:送信器、47:受信
器、48:枢着軸、49:油圧シリンダ、52、53:
油圧シリンダ、55、56:アウトリガー、59:ブレ
ーカ、60:台 63、64:ワイヤロープ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワイヤロープにより支持され、斜面に沿っ
    て昇降させて斜面を掘削する遠隔操作式の斜面掘削機で
    あって、 クローラ式下部走行体と、 該斜面掘削機の車体の前部に取付けられる多関節アーム
    と、 該多関節アームの先端に取付けられるバケットとを備え
    たことを特徴とする斜面掘削機。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記バケットがフェース型バケットからなることを特徴
    とする斜面掘削機。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、 前記クローラ式下部走行体が、その前後端が斜めに形成
    された船形をなすことを特徴とする斜面掘削機。
  4. 【請求項4】請求項1から3までのいずれかにおいて、 前記車体の前部に下部走行体よりも前方に突出するアウ
    トリガーを回動自在に取付けたことを特徴とする斜面掘
    削機。
  5. 【請求項5】請求項1から4までのいずれかにおいて、 斜面掘削機の下部車体に対して、多関節アームを取付け
    かつ油圧装置を搭載した上部車体を、後方を下げる方向
    に傾斜可能に取付けたことを特徴とする斜面掘削機。
  6. 【請求項6】請求項1から5までのいずれかにおいて、 前記多関節アームが車体に起伏自在に取付けられるブー
    ムと該ブームの先端に回動自在に取付けられるアームと
    からなり、 アームを回動させるアームシリンダと、バケットを回動
    させるバケットシリンダとを多関節アームの下面側に取
    付けたことを特徴とする斜面掘削機。
  7. 【請求項7】斜面作業機を斜面の上部からワイヤロープ
    を介して支持する支持機であって、 下部走行体上に旋回装置を介して上部旋回体を設置し、 該上部旋回体上にウインチを搭載すると共に、起伏自在
    にワイヤロープ支持体を取付け、 該ワイヤロープ支持体の先端に、前記ウインチに巻取り
    繰出しされるワイヤロープを掛けるシーブを取付けてな
    ることを特徴とする支持機。
  8. 【請求項8】請求項7において、 前記ワイヤロープ支持体が伸縮ブームからなることを特
    徴とする支持機。
  9. 【請求項9】請求項6または7において、 前記ワイヤロープ支持体の先端に、該ワイヤロープ支持
    体を地面に支持させる台を取付けたことを特徴とする支
    持機。
  10. 【請求項10】斜面掘削機と、掘削する斜面の上部から
    該斜面掘削機をワイヤロープにより支持する支持機とか
    らなり、 前記支持機は、下部走行体上に旋回装置を介して上部旋
    回体を設置し、該上部旋回体上にウインチを搭載すると
    共に、起伏自在にワイヤロープ支持体を取付け、該ワイ
    ヤロープ支持体の先端に、前記ウインチに巻取り繰出し
    される前記ワイヤロープを掛けるシーブを取付けてな
    り、 前記斜面掘削機は、クローラ式下部走行体と、該斜面掘
    削機の車体の前部に取付けられる多関節アームと、該多
    関節アームの先端に取付けられるバケットとを備えたこ
    とを特徴とする斜面掘削装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015031056A (ja) * 2013-08-02 2015-02-16 成幸利根株式会社 多軸掘削機
JP2017115296A (ja) * 2015-12-21 2017-06-29 岡本 俊仁 法面作業装置
CN107893661A (zh) * 2017-12-15 2018-04-10 成都格机械有限公司 隧道掘进台车
JP2019078137A (ja) * 2017-10-27 2019-05-23 鉱研工業株式会社 ボーリングロボット

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