JP3540806B2 - 運転室付き建設機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械として好適に用いられる運転室付き建設機械に関し、特に運転室を旋回フレーム上で上,下に昇降させる昇降シリンダ等を備えてなる運転室付き建設機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ショベル等の建設機械は、下部走行体と、下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体等とから構成され、前記上部旋回体は、骨組み構造をなすフレームを有し、このフレーム上には運転室等が設けられている。
【0003】
そして、この種の従来技術による油圧ショベルでは、上部旋回体の前部側に作業装置が俯仰動可能に設けられ、この作業装置を作動させることにより土砂等の掘削作業を行うようにしている。
【0004】
ところで、この油圧ショベルは、前述した掘削作業の他にトラックの荷台上に土砂、建設用廃材または鉄屑等のスクラップを積上げたり積降ろしたりするスクラップ作業用の建設機械等としても用いることが可能である。しかし、このようなスクラップ作業を行うときに、例えば運転室がトラックの荷台よりも低い位置または同程度の高さ位置にあると、運転室に搭乗したオペレータからは、トラックの荷台上に高く積載されるスクラップが見えずらくなる等の不都合が生じる。
【0005】
また、特開平3−72123号公報(以下、他の従来技術という)には、運転室をリンク機構を介して上部旋回体のフレーム側に連結すると共に、このリンク機構を油圧シリンダで前,後に回動させることにより、運転室をフレームの上方に位置する上昇位置と前方へと張出する下降位置との間で昇降させる構成とした油圧ショベルが開示されている。
【0006】
そして、この他の従来技術では、前述したスクラップ作業時に、油圧シリンダを縮小させ、運転室をリンク機構を介して上昇位置へと予め回動させておくことにより、オペレータは運転室から荷台を見下ろした状態で作業を行うことができ、これによって作業全体の効率化を図るようにしている。
【0007】
一方、油圧ショベルをトレーラ上に載置して搬送したりするときには、予め油圧シリンダを伸長させ、運転室をリンク機構を介して下降位置へと回動させることにより、この油圧ショベルを含めたトレーラの高さを規定の高さ制限内に収めるようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した他の従来技術による油圧ショベルでは、運転室を上,下に昇降させる油圧シリンダをリンク機構よりも後側の位置でリンク機構と上部旋回体のフレームとの間に取付ける構成としている。
【0009】
このため、従来技術では、油圧シリンダを取付けるための取付スペースを、運転室の後方に位置するフレーム上で、例えばエンジン等が収容される機械室側等に特別に確保する必要があり、これによって、上部旋回体全体のフレーム構造が複雑化し、全体が大型化するという問題がある。
【0010】
また、上記の他の従来技術にあっては、運転室を上,下に昇降させるための油圧シリンダを前記リンク機構とフレームとの間で実質的に横置き状態で取付ける構成としているため、油圧シリンダの伸縮時の駆動力を必ずしも有効に活用して、運転室を上,下に昇降させることが難しく、油圧シリンダ自体も大型化する必要があるという問題がある。
【0011】
さらに、他の従来技術にあっては、リンク機構を運転室とフレームとの間で前,後,左,右に離間して設けた4本の平行リンクから構成している。そして、運転室を上昇位置に移動させたときには、この運転室を4本の平行リンクを介してフレーム上で支持させ、フレームに対する運転室の取付姿勢を安定化させるようにしている。
【0012】
しかし、運転室を下降位置に移動させたときには、運転室はフレームから前方へと張出するように配置され、フレームに対しては実質的に片持ち支持状態となるため、この状態で掘削作業あるいは路上走行を行うと、運転室が上,下に振動し易くなり、乗り心地が悪くなるという問題がある。
【0013】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明は、上,下に昇降させる昇降シリンダ用の取付スペースをフレーム上に特別に設ける必要がなく、フレーム構造を簡略化して全体を小型化できると共に、昇降シリンダによる駆動力を有効に活用して、運転室を上,下に昇降でき、昇降シリンダの小型化等を図ることができるようにした運転室付き建設機械を提供することを目的としている。
【0014】
また、本発明の他の目的は、運転室を下降位置または上昇位置に回動させたときに運転室をフレームに対して安定させた状態で保持でき、例えば路上走行等を行うときに、運転室の振動を抑え、乗り心地を向上できるようにした運転室付き建設機械を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために請求項1の発明が採用する運転室付き建設機械は、車体を形成するフレームと、前記フレーム上に前,後方向に離間した状態で互いに平行に配設された平行リンクからなるリンク機構と、前記リンク機構の上部に位置して設けられた運転室と、前記リンク機構の前側の平行リンクと後側の平行リンクとの間に位置して配設され、伸縮動作に応じて前記リンク機構を前,後方向に回動することにより前記運転室を上方に位置する上昇位置とフレームの前方に張出した下降位置との間で昇降させる昇降シリンダとからなり、前記各平行リンクの下端側は前記フレームの前,後に離間した位置で前記フレームに対してピン結合し、前記各ピン結合部のうち前側のピン結合部は、後側のピン結合部よりも少なくとも下側の位置に配設する構成としている。
【0016】
このように構成したことにより、昇降シリンダはリンク機構の前側の平行リンクと後側の平行リンクとの間に配設されるから、例えば昇降シリンダを各平行リンク間で伸長させる向きに駆動したときに、運転室全体をフレームに対して上昇位置へと回動させることができる。また、昇降シリンダを縮小させる向きに駆動させたときには、運転室全体をフレームに対して前方へと張出する下降位置へと回動させることができる。
【0017】
そして、前記各平行リンクのうち前側の平行リンクの一端側は、後側の平行リンクよりも少なくとも下側の位置で前記フレーム側に取付ける構成としているので、運転室をフレームの前方に張出した下降位置へと回動させたときに、運転室をより低い位置まで下降させることができ、例えば路上走行時の車高を低くできると共に、車両の前方または地面下方での掘削作業等を行うときに、掘削作業位置に運転室を近付けることができる。
【0018】
また、請求項2の発明では、前記フレーム側と運転室側との間には、前記昇降シリンダにより下降位置まで前記リンク機構と共に回動された前記運転室をフレームの前方位置に保持する運転室保持手段を設ける構成としている。
【0019】
このように構成したことにより、運転室を昇降シリンダにより下降位置まで回動させたときには、運転室を運転室保持手段によりフレームの前方に張出した状態に安定させて保持することができる。
【0022】
また、請求項の発明では、前記リンク機構の前側の平行リンクと後側の平行リンクとの間には、前記リンク機構の回動を規制することにより、前記運転室を上昇位置と下降位置とに選択的に固定する固定手段を設ける構成としている。
【0023】
このように構成したことにより、運転室の下降位置ではリンク機構の回動を固定手段により規制できるから、フレームの前方に張出した状態の運転室をより安定させてフレームに固定でき、運転室の振動を小さく抑えることができる。また、運転室を上昇位置に回動させたときにも、固定手段を用いることによりリンク機構の回動を規制できるから、運転室をフレームの上方に固定でき、リンク機構の変形等を抑えることができる。
【0024】
そして、請求項5の発明では、前記固定手段は、前記リンク機構の前側の平行リンクと後側の平行リンクとの間に配設された伸縮可能な二重筒体からなり、前記二重筒体には、前記運転室を上昇位置で固定する上昇位置固定部と運転室を下降位置で固定する下降位置固定部とを設ける構成としている。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による運転室付き建設機械を油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図5に基づいて詳細に説明する。
【0030】
図中、1は下部走行体、2は下部走行体1上に旋回可能に設けられた上部旋回体を示し、この上部旋回体2は、旋回装置3を介して下部走行体1上に旋回可能に設けられた旋回フレーム4と、この旋回フレーム4上に設けられ、エンジン、油圧ポンプ(図示せず)等を収容した機械室5と、機械室5の後側に位置して旋回フレーム4の後部に設けられたカウンタウエイト6と、旋回フレーム4の前部側に設けられた後述の運転室13等とから構成されている。そして、旋回フレーム4の前部中央には、図2に示すようにブーム7A、アーム7Bおよびバケット7C等からなる作業装置7が俯仰動可能に設けられている。
【0031】
また、旋回フレーム4は、図3に示す如く旋回装置3との接続部を構成する中央部分がセンタフレーム8となり、センタフレーム8の前端側には作業装置7のブーム7A等がピン結合されるブラケット8Aが一体に設けられている。そして、センタフレーム8には、ブラケット8Aの左側位置に後述のリンク機構10が取付けられるリンク取付フレーム9が一体に設けられている。
【0032】
ここで、リンク取付フレーム9は、図3ないし図5に示すように上部旋回体2の前,後方向に沿って伸長した側梁部9Aと、側梁部9Aの前端側とセンタフレーム8との間を左,右方向に連結した前梁部9Bと、側梁部9Aの後端側とセンタフレーム8との間を左,右方向に連結した後梁部(図示せず)等とから構成されている。
【0033】
そして、リンク取付フレーム9の前端側には、前梁部9Bの左,右両端側に位置して一対の前側ブラケット9C,9Cが設けられ、各前側ブラケット9Cはリンク取付フレーム9から略水平に突出している。また、リンク取付フレーム9の側梁部9A、後梁部には、前側ブラケット9Cよりも後側に離れた位置に左,右一対の後側ブラケット9D(一方のみ図示)が設けられ、後側ブラケット9Dはリンク取付フレーム9から上向きに突出している。
【0034】
10は旋回フレーム4のリンク取付フレーム9上に設けられたリンク機構で、このリンク機構10は、図3および図4に示す如く、一端(下端)側がリンク取付フレーム9の前側ブラケット9Cにピン結合され、他端(上端)側が後述する運転室13の前側ブラケット13Bにピン結合された前側の平行リンク11,11と、一端側が後側ブラケット9Dにピン結合され、他端側が運転室13の後側ブラケット13Cにピン結合された後側の平行リンク12(一方のみ図示)とから構成されている。そして、平行リンク11,12は、リンク取付フレーム9上に前,後方向に離間した状態で互いに平行に配設されるものである。
【0035】
また、前側の各平行リンク11には、図3に示すように上,下方向に離間して配設され、これらの平行リンク11間を左,右方向で一体に連結した複数の補強梁11A,11A,…と、これらの補強梁11A間に位置して各平行リンク11間を斜め方向で一体に連結した他の補強梁11B,11Bとが設けられている。さらに、各平行リンク11には、その上端側に位置して後述する二重筒体18用のブラケット11Cが一体形成されている。
【0036】
また、後側の各平行リンク12間にも、前記補強梁11A,11Bと同様の補強梁(図示せず)が設けられると共に、平行リンク12にはその下端側に位置して二重筒体18用の他のブラケット12Aが一体形成されている。
【0037】
ここで、平行リンク11,12の一端(下端)側に位置する各ピン結合部11D,12Bのうち、前側ブラケット9Cによるピン結合部11Dは、図4に示すように後側ブラケット9Dによるピン結合部12Bよりも寸法h分だけ下側の位置に配設されている。
【0038】
13は旋回フレーム4のリンク取付フレーム9上に設けられた運転室で、この運転室13は、床板部13Aを有する箱型状のキャブボックスとして形成され、床板部13Aの前側には左,右に離間して一対の前側ブラケット13B,13Bが一体形成されている。また、床板部13Aの後側には左,右に離間して一対の後側ブラケット13C(1個のみ図示)が一体形成されている。
【0039】
そして、運転室13は、前側ブラケット13Bが平行リンク11の上端側に回動可能に連結され、後側ブラケット13Cが平行リンク12の上端側に回動可能に連結されることにより、リンク機構10の上部に載置されている。
【0040】
14は旋回フレーム4と運転室13との間で左,右に離間して設けられた昇降シリンダ(一方のみ図示)で、この昇降シリンダ14は、チューブ14Aと、チューブ14Aから伸縮するロッド14B等から構成されている。そして、昇降シリンダ14のチューブ14Aはボトム側が旋回フレーム4の側梁部9A側にブラケット(図示せず)等を介してピン結合され、ロッド14Bの先端側は運転室13の後側ブラケット13C側にリンク機構10の平行リンク12と共にピン結合されている。
【0041】
ここで、昇降シリンダ14は、図4に示すようにリンク機構10の平行リンク11,12間に斜めに傾いた状態で配置されている。そして、昇降シリンダ14は、外部から給排される圧油によってロッド14Bがチューブ14Aから伸長することにより、リンク機構10の平行リンク11,12を後方向に回動させ、運転室13を図2ないし図4に示すように旋回フレーム4の上方に位置する上昇位置に導く構成となっている。
【0042】
また、昇降シリンダ14は、ロッド14Bがチューブ14A内に縮小することにより、リンク機構10の平行リンク11,12を前方向に回動させ、運転室13を図1および図5に示すように旋回フレーム4から前方へと張出する下降位置に導く構成となっている。
【0043】
15は旋回フレーム4のリンク取付フレーム9と運転室13との間に左,右に離間して設けられた運転室保持手段としての係留装置(一方のみ図示)で、この係留装置15は、後述の固定枠16およびペンダントロープ17から構成され、運転室13が昇降シリンダ14によりリンク機構10と共に下降位置まで回動されたときに、この運転室13を下降位置に保持(係留)した状態で位置決めする構成となっている。
【0044】
16は旋回フレーム4のリンク取付フレーム9上に立設された固定枠で、この固定枠16は、図3および図4に示す如く、下端側が後側ブラケット9Dの近傍位置でリンク取付フレーム9の側梁部9A側に固定され、上端側が垂直に延びた支柱部16Aと、支柱部16Aの上端側に一体に設けられたペンダントロープ17用の取付板部16Bと、下端側が側梁部9Aの前端側に固定され、上端側が取付板部16Bに向けて斜め上向きに延びた傾斜梁部16Cとから構成され、傾斜梁部16Cの上端側は支柱部16Aの上端側に一体化された取付板部16Bに取付けられている。
【0045】
そして、前記固定枠16は、支柱部16A、取付板部16Bおよび傾斜梁部16Cとから3角形状をなす梁構造体として形成され、運転室13をペンダントロープ17を介して旋回フレーム4に対し下降位置で係留し、保持する構成となっている。
【0046】
17は運転室13と固定枠16との間に着脱可能に設けられた掛止め具としてのペンダントロープで、このペンダントロープ17は、一端側が固定枠16の取付板部16Bに掛止めされ、他端側が運転室13の後側ブラケット13Cに掛止めされている。そして、このペンダントロープ17は、運転室13が下降位置に回動されたときに固定枠16の取付板部16Bと運転室13との間で引張られることにより、運転室13に対して斜め上向きの引張力を付加し、旋回フレーム4から前方へと張出した運転室13を旋回フレーム4に対して掛止め状態に保持する構成となっている。
【0047】
18はリンク機構10の前側の各平行リンク11と後側の各平行リンク12との間にそれぞれ設けられた固定手段を構成する一対の二重筒体(一方のみ図示)で、この二重筒体18は、図4および図5に示す如く、一端側が平行リンク12のブラケット12Aにピン結合された内筒19と、一端側が内筒19の外周側に摺動可能に挿嵌され、他端側が平行リンク11のブラケット11Cにピン結合された外筒20とから構成されている。そして、これらの内筒19および外筒20は、昇降シリンダ14と交差するように前側の平行リンク11と後側の平行リンク12との間に斜めに配設されている。
【0048】
ここで、前記内筒19には、図4および図5に示すようにその一端側にピン穴19A,19Aが形成され、他端側には他のピン穴19B,19Bが形成されている。また、外筒20の一端側についてもピン穴20A,20Aが形成されている。
【0049】
そして、運転室13が上昇位置に導かれるときには、内筒19が外筒20内に縮小し、この状態で固定ピン21,21を前記ピン穴19A,20Aに装嵌することにより、内筒19と外筒20との互いの摺動が規制されると共に、平行リンク11,12の回動が規制される。即ち、前記ピン穴19A,20Aおよび固定ピン21は、運転室13を上昇位置で固定する上昇位置固定部を構成するものである。
【0050】
また、運転室13が下降位置に導かれるときには、内筒19が外筒20から伸長し、この状態で固定ピン21,21を前記ピン穴19B,20Aに装嵌することにより、内筒19と外筒20との互いの摺動が規制される共に平行リンク11,12の回動が規制される。即ち、前記ピン穴19B,20Aおよび固定ピン21は、運転室13を下降位置で固定する下降位置固定部を構成するものである。
【0051】
22は旋回フレーム4と運転室13との間に位置して前側の各平行リンク11間に設けられた梯子で、この梯子22は運転室13を上昇位置まで回動させたときに平行リンク11と共に上向きに起立され、作業時にはオペレータが運転室13へと上,下に登り降りする構成となっている。
【0052】
また、23は梯子22の下端側近傍に位置して旋回フレーム4の側梁部9A側に設けられたフレーム側ステップ、24は梯子22の上端側近傍に位置して運転室13の床板部13A側に設けられた運転室側ステップを示している。
【0053】
本実施の形態による油圧ショベルは上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0054】
まず、作業装置7によって土砂等の掘削作業を行うときには、図1および図5に示すように、予め係留装置15のペンダントロープ17を運転室13と固定枠16との間に掛止めすると共に、各固定ピン21を二重筒体18から脱着しておき、この状態でオペレータが例えば上部旋回体2側に設けたスイッチ(図示せず)等を遠隔操作することにより昇降シリンダ14を縮小させるようにする。
【0055】
この結果、旋回フレーム4と運転室13との間に設けたリンク機構10の各平行リンク11,12が旋回フレーム4の前側に向けて回動されると共に、二重筒体18が平行リンク11,12間で伸長するようになり、これに伴って、運転室13を旋回フレーム4から前方に張出した下降位置へと導くことができる。
【0056】
そして、例えば運転室13の前方で作業を行うときには、運転室13全体を作業装置7のバケット7C側へと前方に近付けることができ、バケット7Cによる作業部位に対する運転室13からの視界を良好に確保でき、掘削作業時の作業性を高めることができる。
【0057】
ここで、旋回フレーム4のリンク取付フレーム9には、リンク機構10のうち前側の各平行リンク11が前側ブラケット9Cに取付けられるピン結合部11Dを、後側の各平行リンク12が後側ブラケット9Dに取付けられるピン結合部12Bよりも一定寸法だけ下側の位置に配設する構成としたから、運転室13を前方に張出した下降位置へと回動させたときに、運転室13を前述した他の従来技術のものに比べてより低い位置まで下降させることができ、運転室13を含めた当該油圧ショベルの車高を低くすることができる。これによって、例えば地面下方での掘削作業を行うときにも、運転室13をバケット7C側に近付けることができ、作業性を高めることができる。
【0058】
一方、下部走行体1によって路上走行を行ったり、当該油圧ショベルをトレーラ(図示せず)に載置して搬送するときにも、掘削作業時と同様にして運転室13をリンク機構10等を介して下降位置まで回動させるようにする。そして、このときには、上述した理由により当該油圧ショベルの車高を規定の高さ制限内に低く収めることができる。
【0059】
また、このように運転室13を下降位置に回動させたときには、ペンダントロープ17が運転室13と固定枠16との間で強く引張られるようになり、これによって、運転室13にはペンダントロープ17からの斜め上向きの引張力を付加させることができ、昇降シリンダ14とペンダントロープ17との両方で運転室13を旋回フレーム4から前方に張出した下降位置に保持し、位置決めすることができる。
【0060】
そして、このときに二重筒体18の各ピン穴19B,20Aに固定ピン21を取付けることにより、運転室13の下降位置ではリンク機構10の回動を二重筒体18により規制することができる。
【0061】
かくして、本実施の形態では、掘削作業時または路上走行時には、旋回フレーム4の前方に張出した状態の運転室13を係留装置15および二重筒体18により安定させて旋回フレーム4に固定することができ、運転室13の振動を小さく抑えて乗り心地を高めることができる。そして、このような掘削作業時等には、運転室13側の重量等を昇降シリンダ14と係留装置15および二重筒体18にそれぞれ分配させて支持させることができ、運転室13の下降位置における昇降シリンダ14の負荷を軽減することができる。
【0062】
一方、図2に示すようにトラック25の荷台25A上に土砂、建設用廃材、または鉄屑等のスクラップを積上げたり、積降ろしたりする(以下、スクラップ作業という)ときには、予めペンダントロープ17を取外すと共に各固定ピン21を二重筒体18から脱着しておき、この状態で昇降シリンダ14を伸長させるようにする。
【0063】
この結果、リンク機構10の平行リンク11,12が後側に回動されると共に、二重筒体18が平行リンク11,12間で縮小するようになり、これに伴って、運転室13を下降位置から旋回フレーム4の上方に位置する上昇位置へと導くことができる。
【0064】
そして、このときに二重筒体18の各ピン穴19A,20Aに固定ピン21を取付けることにより、運転室13の上昇位置では下降位置と同様にリンク機構10の回動を規制することができ、旋回フレーム4の上方で運転室13がリンク機構10を介して振動するのを二重筒体18によって抑えることができる。
【0065】
しかも、昇降シリンダ14と二重筒体18とをリンク機構10の各平行リンク11,12間で互いに交差させた状態で配設する構成としたから、これらの昇降シリンダ14と二重筒体18とをリンク機構10に対する補強部材として用いることができ、リンク機構10の強度を高めることができる。
【0066】
従って、本実施の形態によれば、スクラップ作業等を行うときでも、上述した掘削作業等と同様にして運転室13の振動を小さく抑えることができ、オペレータは運転室13からトラック25の荷台25Aを上から見下ろした状態で安定して作業を行うことができ、全体の作業性を高めることができる。
【0067】
また、昇降シリンダ14のチューブ14Aを旋回フレーム4の側梁部9A側に取付け、ロッド14Bを運転室13の床板部13A側に取付けることにより、昇降シリンダ14を平行リンク11,12間に収める構成としたから、昇降シリンダ14の取付スペースを旋回フレーム4上に特別に設ける必要がなくなり、フレーム構造を簡略化して当該油圧ショベルの小型化を図ることができる。
【0068】
さらに、昇降シリンダ14を各平行リンク11,12間で斜めに傾斜させて配設する構成としたから、運転室13を下降位置から上昇位置に回動させるときには、昇降シリンダ14により運転室13を上向きに持ち上げるような駆動力を発生でき、昇降シリンダ14による駆動力を有効に活用して運転室13を上昇位置へと回動できると共に、昇降シリンダ14による駆動力を効率よく運転室13側に伝えることができ、昇降シリンダ14の小型化を図ることができる。
【0069】
さらにまた、昇降シリンダ14の伸長時に運転室13を上昇位置へと回動させる構成としたから、チューブ14A内を摺動するシリンダ(図示せず)の受圧面積等の関係から、昇降シリンダ14の伸長時における油圧駆動力を縮小時に比較して大きくでき、昇降シリンダ14による運転室13の持上げ動作を安定させることができる。
【0070】
なお、前記実施の形態では、旋回フレーム4と運転室13との間には、前,後に離間した位置に前側の平行リンク11と後側の平行リンク12とを設ける構成として述べたが、これに替えて、例えば平行リンク11,12間にさらに他の平行リンクを1個または複数個設ける構成としてもよい。
【0071】
また、前記実施の形態では、昇降シリンダ14を平行リンク11,12間に配設する構成として述べたが、本発明はこれに限らず、例えば昇降シリンダ14のチューブ14A側を前述した他の従来技術の如く上部旋回体2の機械室5側に設ける構成としてもよい。そして、この場合でも、運転室13を上昇位置と下降位置とに回動させたときには、係留装置15および二重筒体18により運転室13の振動等を十分に小さく抑えることができる。
【0072】
さらに、前記実施の形態では、内筒19を平行リンク12に取付けると共に、二重筒体18の外筒20を平行リンク11に取付ける構成として述べたが、これに替えて、例えば内筒19を旋回フレーム4のリンク取付フレーム9側に取付ける構成としてもよいし、外筒20を運転室13の床板部13A側に取付ける構成としてもよい。
【0073】
また、前記実施の形態では、二重筒体18の内筒19には、その一端側にピン穴19A,19Aを設け、他端側にピン穴19B,19Bを設けることにより運転室13を上昇位置と下降位置とに選択的に固定する構成として述べたが、これに替えて、内筒19には、一端側のピン穴19Aと他端側のピン穴19Bとの中間の位置に、これらのピン穴19A,19Bに加えてさらに中間のピン穴を設ける構成としてもよい。そして、この場合には、中間のピン穴と外筒20のピン穴20Aに固定ピン21を装嵌することにより、運転室13を中間の所定の位置に固定でき、作業内容に合わせて運転室13の高さを調整することができる。
【0074】
さらに、前記実施の形態では、バケット7Cを取付けた油圧ショベルを例に挙げて説明したが、バケット7Cに代えて、グラップル等の把持装置や解体用の破砕機、スクラップ運搬用のリフティングマグネット等の各種アタッチメントを取付けたものでもよく、また、例えば油圧クレーン、ホイールローダ等、他の建設機械にも広く適用できるものである。
【0075】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1に記載の発明によれば、フレーム上に前,後方向に離間して互いに平行に配設された平行リンクによりリンク機構を構成すると共に、リンク機構の各平行リンク間には昇降シリンダを配設し、この昇降シリンダによりリンク機構の上部に設けた運転室を上昇位置と下降位置との間で昇降させると共に、各平行リンクのうち前側の平行リンクの一端側を、後側の平行リンクよりも少なくとも下側の位置で前記フレーム側に取付ける構成としたから、リンク機構の各平行リンク間に昇降シリンダを収めることができ、昇降シリンダ用の取付スペースをフレーム上に特別に設ける必要がなくなり、フレーム構造を簡略化して建設機械全体の小型化を図ることができる。
【0076】
そして、前記各平行リンクのうち前側の平行リンクは、その一端側を後側の平行リンクよりも少なくとも下側の位置で前記フレーム側に取付けているので、運転室をフレームの前方に張出した下降位置へと回動させたときに、運転室をより低い位置まで下降させることができ、例えば路上走行時の車高を規定の高さ制限内に低く収めることができる。また、車両の前方または地面下方での掘削作業等を行うときに、掘削作業位置に運転室を近付けることができ、作業性を高めることができる。
【0077】
また、請求項2に記載の発明では、フレーム側と運転室側との間に運転室保持手段を設け、昇降シリンダにより下降位置までリンク機構と共に回動された運転室をフレームの前方に張出した位置に保持する構成としたから、下降位置においてリンク機構等により実質的に片持ち支持の状態となった運転室を、フレームに対して安定させた状態で保持でき、例えば走行時等に運転室が大きく振動するのを抑え、車両の乗り心地を向上させることができる。そして、車両の走行時等に運転室側の重量等が昇降シリンダに付加され続けるのを運転室保持手段により抑制でき、運転室の下降位置における昇降シリンダの負荷を確実に軽減することができる。
【0079】
さらに、請求項に記載の発明では、リンク機構の各平行リンク間に固定手段を設け、この固定手段でリンク機構の回動を規制することにより、運転室を上昇位置と下降位置とに選択的に固定する構成としたから、運転室を下降位置に回動させたときには、運転室保持手段と固定手段とによって運転室をフレームに対しより安定させた状態で保持でき、車両走行時等における運転室の振動を小さく抑えることができる。また、運転室を上昇位置に回動させたときにも、固定手段によりリンク機構の回動を規制でき、フレームの上方で運転室がリンク機構を介して振動するのを固定手段によって抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による油圧ショベルの運転室を下降位置に回動させた状態で示す全体図である。
【図2】本発明の実施の形態による油圧ショベルの運転室を上昇位置に回動させた状態で示す全体図である。
【図3】図2中の油圧ショベルを拡大して示す正面図である。
【図4】図2中のリンク機構、係留装置および二重筒体等を示す要部拡大図である。
【図5】図1中のリンク機構、係留装置および二重筒体等を示す要部拡大図である。
【符号の説明】
4 旋回フレーム
10 リンク機構
11,12 平行リンク
11D 前側のピン結合部
12B 後側のピン結合部
13 運転室
14 昇降シリンダ
15 係留装置(運転室保持手段)
16 固定枠
17 ペンダントロープ(掛止め具)
18 二重筒体(固定手段)
19A ピン穴(上昇位置固定部)
19B ピン穴(下降位置固定部)
20A ピン穴
21 固定ピン
22 梯子

Claims (3)

  1. 車体を形成するフレームと、前記フレーム上に前,後方向に離間した状態で互いに平行に配設された平行リンクからなるリンク機構と、前記リンク機構の上部に位置して設けられた運転室と、前記リンク機構の前側の平行リンクと後側の平行リンクとの間に位置して配設され、伸縮動作に応じて前記リンク機構を前,後方向に回動することにより前記運転室を上方に位置する上昇位置とフレームの前方に張出した下降位置との間で昇降させる昇降シリンダとからなり、
    前記各平行リンクの下端側は前記フレームの前,後に離間した位置で前記フレームに対してピン結合し、前記各ピン結合部のうち前側のピン結合部は、後側のピン結合部よりも少なくとも下側の位置に配設する構成としてなる運転室付き建設機械。
  2. 前記フレーム側と運転室側との間には、前記昇降シリンダにより下降位置まで前記リンク機構と共に回動された前記運転室をフレームの前方位置に保持する運転室保持手段を設ける構成としてなる請求項1に記載の運転室付き建設機械。
  3. 前記リンク機構の前側の平行リンクと後側の平行リンクとの間には、前記リンク機構の回動を規制することにより、前記運転室を上昇位置と下降位置とに選択的に固定する固定手段を設ける構成としてなる請求項1またはに記載の運転室付き建設機械。
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