JPH10251290A - 新規アンスラサイクリン系化合物0624 - Google Patents

新規アンスラサイクリン系化合物0624

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JPH10251290A
JPH10251290A JP9079205A JP7920597A JPH10251290A JP H10251290 A JPH10251290 A JP H10251290A JP 9079205 A JP9079205 A JP 9079205A JP 7920597 A JP7920597 A JP 7920597A JP H10251290 A JPH10251290 A JP H10251290A
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compound
culture
antitumor
based compound
anthracycline
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JP9079205A
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Taiji Tanaka
泰至 田中
Noboru Mikami
襄 三上
Katsukiyo Yazawa
勝清 矢沢
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Higeta Shoyu Co Ltd
Original Assignee
Higeta Shoyu Co Ltd
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H15/00Compounds containing hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H15/20Carbocyclic rings
    • C07H15/24Condensed ring systems having three or more rings
    • C07H15/252Naphthacene radicals, e.g. daunomycins, adriamycins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P19/00Preparation of compounds containing saccharide radicals
    • C12P19/44Preparation of O-glycosides, e.g. glucosides
    • C12P19/56Preparation of O-glycosides, e.g. glucosides having an oxygen atom of the saccharide radical directly bound to a condensed ring system having three or more carbocyclic rings, e.g. daunomycin, adriamycin

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 下記化1に示される一般式(1)を有す
る化合物0624又はその医薬的に許容される塩。 【化1】 (式中、RはH又はCOCH3を表わす。) 【効果】 すぐれた抗腫瘍作用、抗菌作用を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規化合物062
4、その製造法及び用途に関するものである。新規化合
物0624は、微生物、特に放線菌の培養物から分離採
取された従来未知の新規アンスラサイクリン系化合物で
あって、すぐれた生理活性、特にすぐれた抗腫瘍作用、
抗菌作用を有するものである。従って、本発明に係る新
規アンスラサイクリン系化合物は、抗腫瘍剤、抗菌剤と
してこれら疾病の予防及び/又は治療剤として有効に利
用することが出来る。
【0002】
【従来の技術】抗腫瘍剤として数多くの新規化合物が発
見され、または、新規化合物が合成され、その一部は実
用化されている。たしかに従来より知られている抗腫瘍
剤にはすぐれたものが各種知られているが、効果はもと
より、安全性、生産性の面からもう一段の改良が求めら
れている。抗菌剤についても同様である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
当業界における要望に応えるためになされたものであっ
て、抗腫瘍剤の技術開発の流れに沿いスクリーニングを
重ねた結果、今迄に知られていない新規な化合物に抗腫
瘍活性及び抗菌活性があることを見い出し、本発明を完
成させた。本発明は、従来既知の物質より更にすぐれた
抗腫瘍活性及び抗菌活性を有する新規な化合物を提供す
る目的でなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、新規な抗
腫瘍作用及び抗菌作用を有する物質を得ることを目的と
して、天然物、特に微生物の代謝産物について広く検索
を行い、より有効な抗腫瘍作用及び抗菌作用を有する物
質について検索を行った結果、Nocardia pseud obrasili
ensis ATCC51512株が菌体抽出物中及び培養液中に目的
とする性質を有する物質を蓄積することを発見した。そ
して、更に本物質についてその物理化学的性質を詳細に
調べ、化学構造を明らかにしたところ、従来知られてい
ない新規物質であることが確認された。本物質は請求項
1に記載した様に、一般式(1)で示されるアンスラサ
イクリン系の新規な化合物であった。発明者らは本化合
物を0624と命名した。
【0005】すなわち本発明は、下記化2に示される一
般式(1)を有する新規な化合物0624又は医薬的に
許容し得る塩に関するものである。
【0006】
【化2】
【0007】(但し式中、RはH又はCOCH3であ
る。)
【0008】また、本発明は、新規アンスラサイクリン
系化合物0624又はその医薬的に許容される塩を有効
成分とする新規抗腫瘍剤及び抗菌剤にも関するものであ
る。以下、本発明につい詳述する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る化合物0624は、
混合物であって、現時点においては、一般式(1)にお
いてRがHである化合物A、同じくRがCOCH3であ
る化合物Bの二種の化合物が分離されている。これら化
合物A、Bの物理化学的性質は、それぞれ、下記表1、
表2に示される。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】これら化合物A、Bの1H NMR及び13
C NMRスペクトルの内、有意なシグナルは、それぞ
れ、下記表3、表4に示される。
【0013】
【表3】
【0014】
【表4】
【0015】本発明に係る化合物0624は、例えばNo
cardia pseudobrasiliensis ATCC51512によって生産さ
れる。
【0016】Nocardia pseudobrasiliensis ATCC51512
株はNocardia pseudobrasiliensis種のタイプストレイ
ンであり、ATCCに前記番号で寄託されている。本菌
株は潰瘍性大腸炎患者の脚の腫瘍から単離された菌株で
あり、ルイミーらによって既知のNocardia属のどの種に
も属しない新種として分類された菌株である(Int. J.S
yst. Bacteriol., 46, 259-264(1996))。
【0017】本発明に係る化合物0624は、Nocardia
pseudobrasiliensis ATCC51512株によって生産される
ほか、Nocardia属に属する他の菌株によっても生産され
ることが確認されており、化合物0624の生産はこれ
らの微生物からX線照射、γ線照射、ナイトロジェンマ
スタード、N−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグ
アニジン、2−アミノプリン、エチルメタンスルホネー
ト等の変異処理により取得できる人工変異株ならびに自
然変異株を含めて化合物0624を生産しうるすべての
変異株の使用も広く包含するものである。
【0018】本発明に係る一般式(1)で示される新規
化合物0624は、化学合成法によって製造できるほ
か、上記のように微生物によっても製造することができ
る。
【0019】後者の場合、本発明に係る一般式(1)で
示される新規化合物0624はNocardia属に属する該化
合物生産菌、例えばNocardia pseudobrasiliensis ATCC
51512が資化しうる炭素源及び窒素源を含む培地で培養
して製造することが出来るが、好気的深部培養条件(例
えば振とう培養、通気攪拌培養等)で生産せしめること
が好ましい。
【0020】炭素源としては、グルコース、グリセロー
ル、シュークロース、澱粉、デキストリンその他の炭水
化物を使用することが好ましい。窒素源としては、オー
トミール、イースト抽出物、牛肉抽出物、ツナ肉抽出
物、ペプトン、グルテンミール、綿実粉、大豆ミール、
コーンスティープリカー、乾燥イースト、小麦胚芽、落
花生粉、チキン骨肉ミール等を使用するのが好ましい
が、アンモニウム塩(例えば、硝酸アンモニウム、硫酸
アンモニウム、リン酸アンモニウム等)、尿素、アミノ
酸等の無機及び有機の窒素化合物も有利に使用すること
が出来る。
【0021】これらの炭素源及び窒素源は併用すること
が有利であるが、必ずしも純枠なものを使用する必要は
ない。純粋でないものには、生長因子や微量要素が含ま
れているため、これを使用することが望ましい為であ
る。必要ならば、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウ
ム、マグネシウム塩、銅塩、コバルト塩等のような無機
塩類を培地に添加することが出来る。必要ならば、特に
培地が発泡するのであれば、流動パラフィン、動物油、
植物油、鉱物油、シリコン等の消泡剤を加えることが出
来る。
【0022】目的物質を大量に工業生産するには、他の
発酵生産物の場合と同様に、通気攪拌培養するのが好ま
しい。少量生産の場合は、フラスコを用いる振とう培養
が好適である。また、培養を大きなタンクで行う場合、
化合物0624の生産工程において菌の生育遅延を防止
するため、はじめに比較的少量の培地に生産菌を接種培
養した後、次に培養物を大きな生産タンクに移してそこ
で生産培養するのが好ましい。この場合、前培養に使用
する培地及び生産培養に使用する培地の組成は、両者と
もに同一であってもよいし必要があれば両者を変えても
よい。
【0023】培養は通気攪拌条件で行うのが好ましく、
例えばプロぺラやその他機械による攪拌、ファーメンタ
ーの回転または振とう、ポンプ処理、空気の吹込み等既
知の方法が適宜使用される。通気用の空気は滅菌してお
くのが良い。
【0024】培養温度は、化合物0624生産菌が本物
質を生産する範囲で適宜変更しうるが、通常は10〜4
0℃、好ましくは25〜35℃で培養するのがよい。培
養時間は、培養条件や培養量によっても異なるが、通常
は約1日〜1週間である。
【0025】発酵終了後、培養物から目的とする化合物
0624を回収する。すなわち、菌体は、直接水及び/
又は有機溶媒による抽出、あるいは、これを機械的に又
は超音波等既知の手段を用いて破壊した後、水及び/又
は有機溶媒で抽出した後、常法に従って回収、精製す
る。培養液の場合は、直接、溶媒で抽出してもよいし、
また、培養液の濾過又は遠心分離後、減圧濃縮、凍結乾
燥、pH調節、アニオン又はカチオン交換樹脂、活性
炭、粉末セルロース、シリカゲル、アルミナ、吸着性樹
脂等の担体に接触させて化合物0624を吸着させた
後、これを担体から溶出すればよい。
【0026】回収、精製方法としては、抗生物質採取の
際の常法が適宜利用され、例えば、水、有機溶媒これら
の混合溶媒による溶媒抽出;クロマトグラフィー;単一
溶媒又は混合溶媒からの再結晶等常法が適宜単独あるい
は組合わせて使用できる。
【0027】化合物0624の回収、精製は上記の様に
既知の方法を適宜利用して行うが、例えば次の様にして
もよい。培養物を遠心分離またはMF膜で処理すること
によって菌体および培養上清に分画後、両画分を酢酸エ
チル抽出し、減圧濃縮後、シリカゲルクロマトに供し、
吸着させ、クロロホルム−メタノールおよびアセトン−
メタノールの段階溶出操作を行い、分画し、更に分画画
分を高速液体クロマトグラフィーにより精製し、必要が
あれば凍結乾燥すればよい。
【0028】本発明化合物0624を医薬として投与す
る場合、本発明化合物をそのまま又は医薬的に許容され
る無毒性かつ不活性の担体中に、例えば、0.1%〜9
9.5%好ましくは0.5%〜90%含有する医薬組成
物として投与される。
【0029】担体としては、固形、半固形、又は液状の
希釈剤、充填剤、及びその他の処方用の助剤一種以上が
用いられる。医薬組成物は、投与単位形態で投与するこ
とが望ましい。本発明医薬組成物は、経口投与、組織内
投与、局所投与(経皮投与等)、又は経直腸的に投与す
る事ができるが、外用剤としても使用できる。これらの
投与方法に適した剤型で投与されるのはもちろんであ
る。
【0030】抗腫瘍剤または抗菌剤としての用量は、年
齢、体重等の患者の状態、投与経路、病気の性質と程度
等を考慮した上で調整することが望ましいが、通常は、
成人に対して本発明の有効成分量として、一日当たり、
10〜2000mg範囲が一般的である。場合によって
は、これ以下で足りるしまた逆にこれ以上の用量を必要
とする事もある。多量に投与するときは、一日数回に分
割して投与することが望ましい。
【0031】経口投与は、固形又は液状の用量単位、例
えば、末剤、散剤、錠剤、糖衣剤、カプセル剤、ドロッ
プ剤、舌下錠その他の剤型によって行う事ができる。
【0032】末剤は、活性物質を適当な細かさにする事
により製造される。散剤は活性物質を適当な細かさと成
し、次いで同様に細かくした医薬用担体、例えば、澱
粉、マンニトールの如き可食性炭水化物その他と混合す
ることにより製造される。必要に応じて風味剤、保存
剤、分散剤、着色剤、香料その他のものを混じても良
い。
【0033】カプセル剤は、まず粉末状となった末剤や
散剤あるいは顆粒化したものを、例えばゼラチンカプセ
ルのようなカプセル外皮の中へ充填することにより製造
される。滑沢剤や流動化剤、例えばコロイド状のシリ
カ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸
カルシウム、固形のポリエチレングリコールの如きもの
を粉末状態のものに混合し、然るのちに充填操作を行う
事もできる。崩壊剤や可溶化剤、例えばカルボキシメチ
ルセルロース、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムを添加
すれば、カプセル剤が摂取された時の医薬の有効性を改
善する事ができる。また、本品の微粉末を植物油、ポリ
エチレングリコール、グリセリン、界面活性剤中に懸濁
分散し、これをゼラチンシートで包んで軟カプセル剤と
することもできる。
【0034】錠剤は粉末混合物を作り、顆粒化若しくは
スラグ化し、次いで崩壊剤又は滑沢剤を加えたのち打錠
することにより製造される。
【0035】粉末混合物は、適当に粉末化された物質を
上述の希釈剤やベースと混合し、必要に応じ結合剤(例
えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン
酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルア
ルコールなど)、溶解遅延化剤(例えばパラフィンな
ど)、再吸収剤(例えば四級塩)及び/又は吸着剤(例
えばベントナイト、カオリン、リン酸ジカルシウムな
ど)を併用してもよい。粉末混合物は、まずシロップ、
でんぶん糊、アラビアゴム、セルロース溶液又は高分子
物質溶液などの結合剤で湿らせ、次いで篩を強制通過さ
せて顆粒とする事ができる。このように粉末を顆粒化す
るかわりに、まず打錠機にかけたのち、得られる不完全
な形態のスラグを破砕して顆粒にすることも可能であ
る。
【0036】このようにして作られる顆粒は、滑沢剤と
してステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、ミネラル
オイルその他を添加することにより、互いに付着する事
を防ぐ事ができる。このように滑沢化された混合物を、
次いで打錠する。また薬物は、上述のように顆粒化やス
ラグ化の工程を経ることなく、流動性の不活性担体と結
合したのちに直接打錠しても良い。シェラックの密閉被
膜からなる透明又は半透明の保護被膜、糖や高分子材料
の被覆、及びワックスよりなる磨上被覆の如きも用い得
る。
【0037】他の経口投与剤型、例えば溶液、シロッ
プ、エリキシルなどもまたその一定量が含有するように
用量単位形態にする事ができる。シロップは、化合物を
適当な香味化水溶液に溶解して製造され、またエリキシ
ルは非毒性のアルコール性担体中に分散させることによ
り処方される。可溶化剤や乳化剤(例えばエトキシ化さ
れたイソステアリルアルコール類、ポリオキシエチレン
ソルビトールエステル類)、保存剤、風味賦与剤(例え
ばペパーミント油、サッカリン)その他もまた必要に応
じ添加できる。必要とあれば、経口投与のための用量単
位処方はマイクロカプセル化してもよい。該処方はまた
被覆をしたり、高分子・ワックス等中にうめ込んだりす
ることにより作用時間の延長や持続放出をもたらす事も
できる。
【0038】非経口的投与は、皮下・筋肉内又は静脈内
注射用としたところの液状用量単位形態、例えば溶液や
懸濁剤の形態を用いることによって行い得る。これらの
ものは、化合物の一定量を、注射の目的に適合する非毒
性の液状担体、例えば、水性や油性の媒体に懸濁し又は
溶解し、次いで該懸濁液又は溶液を滅菌することにより
製造される。あるいは化合物の一定量をバイアルにと
り、然るのち該バイアルとその内容物を滅菌し密閉して
も良い。投与直前に溶解又は混合するために、粉末又は
凍結乾燥した有効成分に添えて、予備的なバイアルや担
体を準備しても良い。注射液を等張にするために非毒性
の塩や塩溶液を添加しても良い。さらに安定剤、保存
剤、乳化剤の如きものを併用する事もできる。
【0039】直腸投与は、化合物を低融点の固体、例え
ばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級エステル類
(例えばパルミチン酸ミリスチルエステル)及びそれら
の混合物を混じた座剤を用いることによって行いうる。
【0040】化合物0624(以下、単に0624とい
うこともある)は、すぐれた生理活性を有し、後記する
実施例からも明らかなように、抗腫瘍活性及び抗菌活性
を有する。
【0041】以下、本発明を実施例について更に詳しく
説明するが、本発明は実施例によって限定されるもので
はない。
【0042】
【実施例1】 (1)発酵生産Nocardia pseudobrasiliensis ATCC51512株をグリセロ
ール2%、ポリペプトン(日本製薬株式会社)1%、ツ
ナ肉エキス0.5%、pH7.0からなる基本培地5m
lを10mlの三角フラスコに分注したものに接種し、
30℃、72時間振とう培養した。これを更に、同培地
200mlを500mlのフラスコに分注した培地に1
%v/vで前記種培養物を接種し、同様前培養を行っ
た。この前培養液を同培地を15L入れた20L培養槽
に接種し、通気量毎分15L、攪拌数250rpmで3
0℃、120時間培養した。
【0043】(2)回収精製 得られた培養液15Lを濾布で濾過することにより菌体
と培養上清に分画し回収した。菌体にメタノール2Lを
加え抽出操作を行った。この抽出液を更に酢酸エチル2
Lで抽出した。一方、培養上清は減圧濃縮後、pHを
9.0に調整し、酢酸エチル2Lで抽出操作を行った。
双方の抽出画分を混合後、以下の精製工程に供した。
【0044】酢酸エチル抽出画分は、エバポレーターで
濃縮、乾固させ、クロロホルム30mlに溶解後、シリ
カゲルクロマトグラフィー(カラム3cm×30cm)
を行った。溶出溶媒は、クロロホルム:メタノールを使
用し10:0で1L、次に10:1で1L、さらに3:
1で1Lと段階的に溶出させた。化合物0624は抗菌
活性を有することから、溶出画分中の化合物の検出はMi
crococcus luteusを被検菌としたペーパーディスク法
(抗生物質大要 第4版 東京大学出版会1992)に
よる生育阻害活性を指標として行った。クロロホルム:
メタノール3:1で溶出した活性画分については、OD
Sカラム(SOKENパック:20×250mm)を用
いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で更に分
画精製を行った。溶出はアセトニトリル:0.2%トリ
フルオロ酢酸水溶液(22:78)を用いて流速10m
l/minで行った。229nmの吸光度及びM. luteu
sに対する生育阻害活性を指標とし活性画分を集めたと
ころ、リテンションタイム35分と91分の2画分を得
た。35分の画分である0624−Aの乾固後の重量は
23mgであった。91分の画分である0624−Bの
乾固後の重量は11mgであった。
【0045】
【実施例2:抗腫瘍活性】L1210細胞はRPMI1
640培地を、P388細胞及びアドリアマイシン耐性
P388細胞は20μM2−メルカプトエタノールを含
むRPMI1640培地(いずれも10%牛血清を含
む)、KBはイーグルMEM培地をCHOはアルファー
MEM培地を使用し、細胞浮遊液(5.6×106
ells/ml)を調製した。
【0046】被検体(0624−A、0624−B)
は、各々メタノールに溶解後各培地を用いて希釈し、
0.1mg/ml濃度から2倍希釈を順次くり返し調製
した。細胞浮遊液180μlと被検体液20μlを96
穴マイクロプレートに分注し、5%CO2−95%空気
の湿潤環境下、37℃で培養した。72時間後、3−
(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−
ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)を用い
た色素定量法により細胞の生育を測定した。すなわち、
2mg/ml MTT溶液を20μlずつ各ウェルに添
加し4時間、37℃で培養した。その後20%ドデシル
硫酸ナトリウムを含む50%ジメチルホルムアミド溶液
を50μl加えて放置し、形成された紫色のホルマザン
結晶を溶解させ、マイクロプレート吸光光度計(イムノ
リーダー)を用いて570nmにおける吸光度を測定
し、生育の指標とした。結果は生育を50%阻害する被
検体濃度(IC50値)で表示した。L1210株、P3
88株そして同様のアドリアマイシン耐性株、KB、C
HOに対し、0624−A、B各々生育阻害活性を有
し、抗腫瘍剤として有効であることが確認された(表
5)。
【0047】
【表5】
【0048】
【実施例3:抗菌活性】0624の抗菌活性を、最小発
育阻害濃度(MIC)の測定によって確認した。
【0049】各種細菌類に対する0624のMICを日
本化学療法学会の規定に基づき(抗生物質大要 第4版
東京大学出版会 1992)、0.2%グルコースを
含むミュラーヒントン培地で行った。被検菌を上記培地
で1×106 cfu/mlになるように調製し、被検
菌液とした。被検体(0624−A、B)はメタノール
に溶解後、上記培地を用いて希釈し、0.1mg/ml
濃度から2倍希釈を繰り返し、調製した。被検菌液18
0μlと被検体液20μlを96穴マイクロプレートに
分注し、37℃で培養した。24時間目のMICを目視
によって算出し、MIC値とした。0624−A、Bは
共にグラム陽性菌には広く抗菌活性を示した(表6)。
【0050】
【表6】
【0051】
【発明の効果】本発明は、化合物0624を提供するも
のであるが、本化合物は新規物質であって、すぐれた生
理活性を有し、抗腫瘍剤、抗菌剤等として各種の医薬品
に利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:365)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1に示される一般式(1)を有す
    る化合物0624又はその医薬的に許容される塩。 【化1】 (式中、Rは−H又は−COCH3である。)
  2. 【請求項2】 Rが−Hであることを特徴とする請求項
    1に記載の化合物0624−A。
  3. 【請求項3】 Rが−COCH3であることを特徴とす
    る請求項1に記載の化合物0624−B。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載され
    る少なくとも1つ以上の化合物又はその医薬的に許容さ
    れる塩を有効成分とする抗腫瘍剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載され
    る少なくとも1つ以上の化合物又はその医薬的に許容さ
    れる塩を有効成分とする抗菌剤。
  6. 【請求項6】 Nocardia属に属する請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の化合物生産菌を培養し、培養物より該
    化合物を採取することを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の化合物またはその塩の製造法。
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