JPH10251181A - エーテル化合物の製造方法 - Google Patents

エーテル化合物の製造方法

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JPH10251181A
JPH10251181A JP9055911A JP5591197A JPH10251181A JP H10251181 A JPH10251181 A JP H10251181A JP 9055911 A JP9055911 A JP 9055911A JP 5591197 A JP5591197 A JP 5591197A JP H10251181 A JPH10251181 A JP H10251181A
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alcohol
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤、化粧料、洗浄剤組成物、潤滑剤、乳化
剤等への利用として有用な高品質のエーテル化合物を簡
便かつ安価で、しかも精製を行うことなく供給できる製
造法の提供。 【解決手段】 ヒドロキシ化合物(I)の1種又は2種
以上の混合物を水素雰囲気下、触媒を用いて反応させて
エーテル化合物(II)を得る。 R-O-(AO)n-H (I) R-O-(AO)n-(A'O)n'-R' (II) (式中、R 及びR'はC1-40 のアルキル基あるいはアルケ
ニル基、もしくはC3-12のシクロアルキル基、A 及びA'
はC2-12 のアルキレン基、n 及びn'は0〜200 の数を示
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエーテル化合物の製
造方法に関する。さらに詳しくは、溶剤、化粧料、洗浄
剤組成物、潤滑剤、乳化剤等に広範囲に使用可能なエー
テル化合物を簡便かつ安価に供給できるエーテル化合物
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エーテル化合物はジエチルエーテ
ル、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチル
エーテル等が溶剤として利用されている。しかし、これ
らより分子量の大きいもの、あるいはエーテル基を複数
有するものは合成が困難なため、ほとんど利用されてい
ないのが現状である。特に化粧料等に配合できる油剤と
して、エーテル化合物は、現在汎用されているエステル
系の油剤に比べ、べとつかず、しかも加水分解もしない
ので、その有用性が高くなってきている。
【0003】また、エーテル化合物は、洗浄剤組成物と
しての油剤あるいは新しい非イオン活性剤としての利用
も考えられる。さらには、潤滑剤、乳化剤等への利用も
可能である。上記のような理由からもエーテル化合物の
利用に対する期待は高まっているが、本当に有用なエー
テル化合物を工業的レベルで、簡便かつ安価に製造でき
ないのが現状である。
【0004】従来から知られているエーテル化合物の合
成に用いられる方法としては、例えば、アルコラートと
ハロゲン化アルキルからの合成(ウィリアムソン合成
法)、アルコールとエステル系化合物からの合成、アル
コール間の酸による脱水反応からの合成、アルコールの
オレフィンへの付加による合成等が一般的である(特開
昭48−33037 号、特開昭48−5941号、米国特許第400925
4 号等参照)。
【0005】しかし、アルコラートとハロゲン化アルキ
ルからの合成では、アルコラートを生じさせるためのア
ルコールと当量の金属(Na、K等)、あるいはアルカ
リが必要であり、さらには反応後、それに伴う多量の塩
が生成し、工業的には好ましくない。
【0006】また、アルコールとエステル系化合物から
の合成については、エステル化合物がジメチル硫酸、ジ
エチル硫酸等に限定され、メチルエーテル、エチルエー
テルの合成には好ましいが、これらの化合物より炭素数
が多いエーテル化合物を合成するのは困難である。
【0007】また、アルコールのオレフィンへの付加に
よる合成では、オレフィン化合物が限定されたり、ま
た、使用する触媒とともにかなり高価なものが多く、さ
らには、オレフィン、触媒ともに回収再利用も困難なも
のが多く、工業的には適さない。
【0008】一方、アルコール間の酸による脱水反応で
も対称エーテルが製造可能であるが、オレフィンや重合
物の副生が避けられないばかりでなく、着色や酸化によ
る劣化が起こりやすいため、精製が不可欠であるという
点で好ましくない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記で述べたように、
エーテル化合物は、その用途が期待されながら、製造が
困難であるため汎用的に利用できず、精製工程を必要と
しない簡便かつ安価に供給できるエーテル化合物の製造
法が望まれていた。従って、本発明の目的は、溶剤、化
粧料、洗浄剤組成物、潤滑剤、乳化剤等への利用として
有用なエーテル化合物を簡便かつ安価に、すなわち、着
色や匂いの劣化を伴わないため蒸留等による精製を行う
ことなく供給できる製造法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、汎用的に使用できるエーテル化合物の簡
便かつ安価な製造方法について鋭意検討を行った結果、
ヒドロキシ化合物を、水素雰囲気下、触媒を用いて反応
させることにより、エーテル化合物が一段階で、高収率
でしかも着色や酸化による劣化も起こさずに得られるこ
とを見出し、本発明を完成するに到った。
【0011】即ち本発明は、一般式(I) R-O-(AO)n-H (I) (式中、R は炭素数1〜40の直鎖又は分岐のアルキル基
あるいはアルケニル基、もしくは炭素数3〜12のシクロ
アルキル基を示す。A は炭素数2〜12のアルキレン基を
示し、n 個のA は同一でも異なっていてもよい。n は0
〜200 の数を示す。)で表されるヒドロキシ化合物の1
種又は2種以上の混合物を水素雰囲気下、触媒を用いて
反応させることを特徴とする、一般式(II)で表わされ
るエーテル化合物の製造方法を提供するものである。
【0012】R-O-(AO)n-(A'O)n'-R' (II) (式中、R 、A 及びn は前記の意味を示す。R'は炭素数
1〜40の直鎖又は分岐のアルキル基あるいはアルケニル
基、もしくは炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す。
A'は炭素数2〜12のアルキレン基を示し、n'個のA'は同
一でも異なっていてもよい。n'は0〜200 の数を示す。
また、R とR'、A とA'、n とn'は同一でも異なっていて
もよい。)
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0014】本発明に用いられる一般式(I)で表され
るヒドロキシ化合物において、R は炭素数1〜40の直鎖
又は分岐のアルキル基あるいはアルケニル基、もしくは
炭素数3〜12のシクロアルキル基を示すが、炭素数1〜
40の直鎖又は分岐のアルキル基あるいはアルケニル基が
好ましく、炭素数1〜22のアルキル基が特に好ましい。
A は炭素数2〜12のアルキレン基を示すが、エチレン基
又はプロピレン基が好ましく、エチレン基が特に好まし
い。n は0〜200 の数を示すが、0〜100 の数が好まし
く、0〜30の数が特に好ましい。
【0015】一般式(I)で表される化合物の具体例と
しては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、n−ペンチルア
ルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアル
コール、n−オクチルアルコール、n−ノニルアルコー
ル、n−デシルアルコール、n−ウンデシルアルコー
ル、n−ドデシルアルコール、n−トリデシルアルコー
ル、n−テトラデシルアルコール、n−ペンタデシルア
ルコール、n−ヘキサデシルアルコール、n−オクタデ
シルアルコール、n−エイコシルアルコール等の直鎖飽
和アルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルア
ルコール、2−エチルヘキシルアルコール、2−ヘキシ
ルデシルアルコール、2−ヘプチルウンデシルアルコー
ル、2−オクチルドデシルアルコール、2−デシルテト
ラデシルアルコール、2−(1,3,3−トリメチルブ
チル)−5,7,7−トリメチルオクチルアルコール、
次式
【0016】
【化1】
【0017】(式中、a, bは、 a+b=14であり、 a=b
=7を頂点とする分布をもつ)で表されるメチル分岐イ
ソステアリルアルコール、2−テトラデシルオクタデシ
ルアルコール等の飽和分岐アルコール、9−オクタデセ
ニルアルコール、ファルネシルアルコール、アビエチル
アルコール、オレイルアルコール等のアルケニルアルコ
ール、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチル
セロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル
(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノイソプ
ロピルエーテル(イソプロピルセロソルブ)、エチレン
グリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、
エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレン
グリコールモノヘキシルエーテル等のエチレングリコー
ルのモノエーテル類、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル(メチルカルビトール)、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル(エチルカルビトール)、ジエチ
レングリコールモノイソプロピルエーテル(イソプロピ
ルカルビトール)、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル(ブチルカルビトール)等のジエチレングリコー
ルのモノエーテル類、トリエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ト
リエチレングリコールモノドデシルエーテル、トリエチ
レングリコールモノテトラデシルエーテル等のトリエチ
レングリコールのモノエーテル類、1,4−ブタンジオ
ールモノヘキシルエーテル、2−メチル−1,3−プロ
パンジオールモノオクチルエーテル、1,6−ペンタン
ジオールモノヘキシルエーテル、2,2'−ジメチルプロ
パンジオールモノオクチルエーテル、3−メチル−1,
5−ペンタンジオールモノヘキシルエーテル等のアルキ
レングリコールのモノエーテル類、上記アルコールのエ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイドあるいはブチ
レンオキサイド付加物、シクロペンタノール、シクロヘ
キサノール、シクロヘプタノールなどが挙げられるが、
必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0018】これらのヒドロキシ化合物の中では、炭素
数1〜40、特に6〜22の脂肪族アルコール、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、
ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビ
トール、イソプロピルカルビトール、ブチルカルビトー
ル、又は炭素数1〜40、特に6〜22の脂肪族アルコール
のエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数 0.1〜2
0)、炭素数5〜8のシクロアルカノールが好ましく、
更には炭素数1〜40、特に6〜22の脂肪族アルコールが
好ましい。これらのヒドロキシ化合物は1種又は2種以
上の混合物として用いることができるが、好ましくは1
種のものを用いるのが良い。
【0019】本発明において、上記のようなヒドロキシ
化合物を反応させる際に用いられる触媒としては、水素
化能を有するものであれば特に限定されないが、パラジ
ウム触媒;水酸化パラジウム、酸化パラジウム等のパラ
ジウム化合物;ルテニウム、ロジウムあるいは白金触
媒;酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化白金等が挙げ
られる。また、イリジウム、オスミウム、レニウム等の
触媒も用いることができる。これらの触媒は、カーボ
ン、アルミナ、シリカアルミナ、シリカ、ゼオライト等
の担体に適度に担持されていてもよい。これらの触媒の
中で、好ましくはパラジウム系触媒、更に好ましくはカ
ーボン、アルミナ、シリカアルミナもしくはシリカに担
持されたパラジウム触媒、水酸化パラジウム又は酸化パ
ラジウムであり、特にカーボンに担持されたパラジウム
触媒が好ましい。
【0020】本発明において触媒は、通常カーボン、ア
ルミナ等の担体に対して2〜10重量%の割合で担持して
使用するが、担体に担持せずにそのまま使用しても構わ
ない。また、20〜60重量%程度の含水品であっても構わ
ない。触媒は、例えば担体に対して5重量%担持された
ものであれば、使用するヒドロキシ化合物に対して0.1
〜10重量%使用するのが好ましい。0.1重量%より少な
くても反応は進行するが、反応は遅く好ましくない。ま
た、10重量%より多く用いても反応は速いが、逆に副反
応も進行し好ましくない。さらに好ましくは0.5〜5重
量%である。触媒はすべてのpH領域で使用できるが、
好ましくはpH8〜2、更に好ましくはpH 7.5〜3の
触媒がよい。ここでいう触媒のpHとは、イオン交換水
30gに触媒粉末2gを分散させた時の水溶液のpHをい
う。
【0021】本発明においては、反応により副生する水
を除去しながら反応を行うことが好ましい。反応により
副生する水を除去する方法としては、脱水剤の存在下に
反応を行うことにより水を除去する方法、共沸脱水等に
より水を留去する方法、水素等の気体を流通させながら
水を除去する方法等の方法が挙げられる。
【0022】脱水剤の存在下に反応を行うことにより水
を除去する方法において、用いられる脱水剤とは、液体
の乾燥等に用いられるいわゆる乾燥剤も含んだ意味のも
のである。一般に脱水剤の脱水能の発現は、水の物理吸
着や化学吸着もしくは化学反応に基づくが、本発明で用
いられる脱水剤はその脱水能の発現機構に特に制限を受
けず、脱水能あるいは吸水能を有し、反応により副生す
る水を実質的に除去し、目的とするエーテル化反応を速
やかに進行させるものであればいずれのものでもよい。
尚、脱水剤の中でも、実質的に脱水能以外の反応、例え
ば触媒を溶解したりする強酸や強アルカリ等をそのまま
用いるのは好ましくないが、強酸や強アルカリについて
も、反応系に直接接触しないように工夫すれば使用でき
ることは言うまでもない。
【0023】本発明で用いられる好ましい脱水剤として
は、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸銅、塩化カルシウム等の無機塩類、好ましくは
これらの無水物、水酸化カルシウム等の水酸化物、酸化
マグネシウム等の酸化物、モレキュラーシーブ等の結晶
性ゼオライト、シリカゲル等が挙げられるが、必ずしも
これらに限定されるものではない。これらの脱水剤の中
では、無機塩類の無水物、結晶性ゼオライトが好まし
く、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウム、無水
硫酸カルシウム、モレキュラーシーブが、更には無水硫
酸マグネシウムが特に好ましい。
【0024】本発明において脱水剤の使用量は特に限定
されないが、使用するヒドロキシ化合物に対して 0.1〜
50モル%が好ましく、1〜30モル%が更に好ましい。こ
のような脱水剤の存在下に反応を行うことにより水を除
去する方法は、特別な反応装置が不要で、脱水剤の添加
だけで簡便に水を除去することができるので非常に好ま
しい。
【0025】また、本発明においては、反応により副生
する水を留去することにより反応系外に除去することも
できる。水を留去する方法としては、特に限定されない
が、例えば、共沸脱水等の方法が挙げられる。また、こ
の際、未反応原料と共に水を留去する方法が好ましい。
尚、留去後、水と未反応原料は分離し、未反応原料は反
応系内に戻すのが好ましい。共沸脱水の方法としては、
例えば、共沸脱水装置を用い、反応と水の留去とを連続
的に行う方法はもちろん、例えば一旦反応を行った後、
共沸脱水を行い、再び反応を行うような、反応と水の留
去を段階的に行う方法でも良い。反応をスムーズに進行
させるためには連続的に行う方が好ましい。また、脱水
を効率良く行うために、水素を流通しながら共沸脱水を
行っても良い。
【0026】本発明の共沸脱水により水を除去して反応
を行う方法において、用いられる共沸溶媒としては、反
応原料のヒドロキシ化合物はもちろん、反応に全く悪影
響を及ぼさない溶媒を用いてもよい。反応に全く悪影響
を及ぼさない溶媒を用いて共沸脱水を行う場合、用いら
れる好ましい溶媒としては、トルエン、キシレン、ベン
ゼン等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるも
のではない。反応に全く悪影響を及ぼさない溶媒を用い
る場合の溶媒の使用量は特に限定されないが、反応液に
対して1〜2倍容量が好ましい。
【0027】また、本発明においては、水素等の気体を
流通させながら、反応により副生する水を反応系外に除
去することもできる。本発明に用いられる水素の流通量
は、反応のスケールに応じて適宜選べばよいが、例えば
0.5〜1リットルのスケールでは0.01〜30リットル/mi
n が好ましく、0.01〜10リットル/min が更に好まし
い。水素の流通量を0.01リットル/min 以上にすること
で水が系外へ除去されやすく、反応は速くなる。また水
素の流通量が30リットル/min 以下であると水とともに
除去される原料のヒドロキシ化合物等も少なくなるので
好ましい。但し、この場合でも、水とともに除去される
ヒドロキシ化合物等の未反応原料や生成物等の有用成分
を、例えば分留、分液や脱水剤により水を除去後、再び
反応系内へ戻すか、あるいは除去された量にみあった原
料を追加することで、反応は滞ることなく行うことがで
きる。また、水素の流通は反応中、連続的に行ってもよ
いし、断続的に行っても良いが、反応をスムースに進行
させるためには、連続的な流通が好ましい。
【0028】更に、反応系内に流通させた水素はそのま
ま大気中へ放出しても構わないが、水素を有効に使用す
るためには、系外に出た水素を循環ライン等で再度系内
に戻して流通させ、循環させながら反応に利用するのが
効率的で好ましい。このような水素を流通させながら水
を除去する方法は、更に添加される試薬もなく、水素と
水の分離も容易で、後処理も簡便であるという利点があ
り、特に好ましい。
【0029】本発明においては、ヒドロキシ化合物を水
素雰囲気中で反応させるが、水素圧は特に限定されず、
加圧下又は大気圧下のいずれでもよく、1(大気圧)〜3
00kg/cm2が好ましく、1(大気圧)〜200kg/cm2 が特に
好ましい。また、本発明において、ヒドロキシ化合物を
反応させる際の反応温度は特に限定されないが、10〜20
0 ℃が好ましく、50〜180 ℃が特に好ましい。反応時間
は、反応温度、水素圧、触媒量などによって適宜選べば
よいが、通常1〜24時間、好ましくは1〜12時間であ
る。
【0030】また、本発明においては、反応を促進させ
る目的で、ルイス酸存在下で反応を行ってもよい。ここ
で用いられるルイス酸としては、電子対受容体ならいず
れでもよいが、 BF3・OEt2(三フッ化ホウ素・ジエチル
エーテル錯体) 、 BF3・2CH3CO2H(三フッ化ホウ素・酢
酸錯体)、 BF3・(CH3)3COCH3 (三フッ化ホウ素・t−
ブチルメチルエーテル錯体)、 BF3・CH3OH (三フッ化
ホウ素・メタノール錯体)、 BF3・CH3(CH2)2OH (三フ
ッ化ホウ素・プロパノール錯体)、TiCl4 (四塩化チタ
ン)、SnCl4 (四塩化スズ)、AlCl3 (三塩化アルミニ
ウム)、TMSOTf(トリフルオロメタンスルホン酸トリメ
チルシリル)、Ti(Oi-Pro)4 (チタン酸テトライソプロ
ピル)、ZnCl2(二塩化亜鉛)、FeCl3(三塩化鉄)等が挙
げられ、特に好ましくは BF3・OEt2である。
【0031】本発明においてルイス酸を用いる場合、そ
の使用量は特に限定されないが、ヒドロキシ化合物に対
して、好ましくは0.01〜20倍モル、更に好ましくは 0.1
〜10倍モル、更に特に好ましくは 0.5〜5倍モルであ
る。
【0032】また、本発明の反応においては、場合によ
って溶媒を用いることもできる。溶媒は反応に関与しな
いものであればいずれも用いることができるが、ヘキサ
ン、ヘプタン、テトラヒドロフラン等が好ましい。
【0033】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0034】実施例1 ジデシルエーテルの合成 CH3(CH2)8CH2-O-CH2(CH2)8CH3 水素ガス導入管及び攪拌装置を備えた 500mlの4つ口フ
ラスコにn−デシルアルコール 268g(1.7 モル)、触
媒として5%Pd−C(pH 6.6) 5.3gを仕込み、常圧
で、水素を 180ml/min の速度で吹き込みながら、 170
℃で10時間攪拌を行った(転化率93%)。反応終了後、
濾過により触媒を除去し、目的のジデシルエーテル 240
g(0.80モル)を無色透明な液体として得た。単離収率
は95%(純度90%)であった。この際n−デカンの生成
率は5%以下であった。
【0035】実施例2 ジドデシルエーテルの合成 CH3(CH2)10CH2-O-CH2(CH2)10CH3 水素ガス導入管及び攪拌装置を備えた 500mlの4つ口フ
ラスコにn−ドデシルアルコール 279g(1.5 モル)、
触媒として5%Pd−C(pH 3.8) 5.5gを仕込み、常
圧で水素を 180ml/min の速度で吹き込みながら、170
℃で8時間攪拌を行った(転化率94%)。反応終了後、
濾過により触媒を除去し、目的のジドデシルエーテル 2
55g(0.72モル)を白色固体として得た。単離収率は96
%(純度91%)であった。この際n−ドデカンの生成率
は5%以下であった。
【0036】実施例3〜12 表1及び表2に示すヒドロキシ化合物及び触媒を用い、
表1及び表2に示す反応条件以外は実施例1と同様にし
て反応させた。得られた生成物およびその収率を表1及
び表2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】比較例1 攪拌装置及び窒素導入管を備えた 500ml4つ口フラスコ
に、n−デシルアルコール 268g(1.7 モル)、触媒と
して98%硫酸26.8gを仕込み、常圧で 130℃、10時間攪
拌を行った(転化率96%)。ただし反応液は黒く着色
し、強い刺激臭があった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) R-O-(AO)n-H (I) (式中、R は炭素数1〜40の直鎖又は分岐のアルキル基
    あるいはアルケニル基、もしくは炭素数3〜12のシクロ
    アルキル基を示す。A は炭素数2〜12のアルキレン基を
    示し、n 個のA は同一でも異なっていてもよい。n は0
    〜200 の数を示す。)で表されるヒドロキシ化合物の1
    種又は2種以上の混合物を水素雰囲気下、触媒を用いて
    反応させることを特徴とする、一般式(II)で表わされ
    るエーテル化合物の製造方法。 R-O-(AO)n-(A'O)n'-R' (II) (式中、R 、A 及びn は前記の意味を示す。R'は炭素数
    1〜40の直鎖又は分岐のアルキル基あるいはアルケニル
    基、もしくは炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す。
    A'は炭素数2〜12のアルキレン基を示し、n'個のA'は同
    一でも異なっていてもよい。n'は0〜200 の数を示す。
    また、R とR'、A とA'、n とn'は同一でも異なっていて
    もよい。)
  2. 【請求項2】 ヒドロキシ化合物が、炭素数1〜40の脂
    肪族アルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソル
    ブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチ
    ルカルビトール、エチルカルビトール、イソプロピルカ
    ルビトール、ブチルカルビトール、又は炭素数1〜40の
    脂肪族アルコールのエチレンオキサイド付加物(平均付
    加モル数 0.1〜20)、炭素数5〜8のシクロアルカノー
    ルである請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ヒドロキシ化合物が、炭素数1〜40の脂
    肪族アルコールである請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 触媒が、カーボン、アルミナ、シリカア
    ルミナもしくはシリカに担持されたパラジウム触媒、水
    酸化パラジウム又は酸化パラジウムである請求項1〜3
    のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 反応により副生する水を除去しながら反
    応を行う請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方
    法。
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