JPH10250565A - 自動車用ブレーキ装置 - Google Patents

自動車用ブレーキ装置

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Publication number
JPH10250565A
JPH10250565A JP9053537A JP5353797A JPH10250565A JP H10250565 A JPH10250565 A JP H10250565A JP 9053537 A JP9053537 A JP 9053537A JP 5353797 A JP5353797 A JP 5353797A JP H10250565 A JPH10250565 A JP H10250565A
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JP
Japan
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brake
brake pedal
step surface
pressure chamber
annular step
Prior art date
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Application number
JP9053537A
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English (en)
Inventor
Kaoru Tsubouchi
内 薫 坪
Akihiko Miwa
輪 昭 彦 三
Osamu Ogura
椋 修 小
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10250565A publication Critical patent/JPH10250565A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緊急ブレーキ時のブレーキペダル踏力不足に
よるブレーキ力不足を補うことができると共に常用ブレ
ーキ力レベルでのブレーキ力調節の容易性を損なうこと
なく常用ブレーキ力レベルより大きいブレーキ力をブレ
ーキペダル踏力の少ない増加により得ることができる自
動車用ブレーキ装置を提供する。 【解決手段】 ブレーキペダル踏力を入力されてマスタ
シリンダを作動する負圧式倍力装置1の定圧室4内に補
助可動壁17を設け、該補助可動壁17と可動壁3との
間の補助変圧室19を切換電磁弁23により低圧室4か
ら大気に切換連通することで補助可動壁17が出力ロッ
ド11を直接押すようにする。リアクションディスク1
0と当接させるバルブボデー6の段面を第1環状段面6
dと第2環状段面6eとに分け、第2環状面6eはブレ
ーキペダル踏力が所定値を越えた場合のみにリアクショ
ンディスク10と当接するようにし、ブレーキペダル踏
力の増加に伴い倍力比が小から大に変化するようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は自動車用ブ
レーキ装置に関するものであり、特に、緊急ブレーキ時
のブレーキペダル踏力不足によるブレーキ力不足を補う
ことができると共に常用ブレーキ力レベルでのブレーキ
力調節の容易性を損なうことなく常用ブレーキ力レベル
より大きいブレーキ力をブレーキペダル踏力の少ない増
加により得ることができる自動車用ブレーキ装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】最近、緊急ブレーキ時のブレーキペダル
踏力不足によるブレーキ力不足を補うため、ブレーキペ
ダルの踏込み過程における初期段階のブレーキペダル踏
込み速度が所定値を越えたことを検出する検出手段を備
え、ブレーキペダルの踏込み時に車輪ブレーキに付与す
るブレーキ圧を、ブレーキペダル踏込み速度が所定値を
越えた場合にはブレーキペダル踏込み速度が所定値以下
の場合よりも高圧に変更するようにした緊急ブレーキア
シスト手段付の自動車用ブレーキ装置が提案されている
(例えば、特開平7−165038号公報参照)。
【0003】ブレーキペダルの踏込み時に車輪ブレーキ
に付与するブレーキ圧を、ブレーキペダル踏込み速度が
所定値を越えた場合にはブレーキペダル踏込み速度が所
定値以下の場合よりも高圧に変更する構成としては、ブ
レーキペダル踏力を倍加してマスタシリンダに入力する
倍力装置が利用される。該倍力装置は、その倍力比が常
用ブレーキ力レベルでのブレーキ力調節が容易なような
小さな値に設定されており、ブレーキペダル踏力と倍力
比との積より大きい出力を外部信号の入力に応じて発生
させる付加出力発生機構を備える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】先行車がブレーキをか
けたことに応じて自車のブレーキをかけて先行車との車
間距離を調節している最中に先行車が急減速したために
慌ててブレーキ力を急に強める事態が往々にして経験さ
れる。しかしながら、上記の従来の緊急ブレーキアシス
ト手段付の車両用ブレーキ装置においては、倍力装置の
倍力比が小さいので、ブレーキ力を必要な大きい値に強
めるためには大きなブレーキペダル踏力が必要であり、
女性や高齢者のようにブレーキペダル踏力が弱いドライ
バーが上記の事態に遭遇した場合にはブレーキ力を必要
な値に強めることが困難であると言う問題がある。
【0005】この問題は倍力装置の倍力比を大きく設定
すれば解決できるが、倍力比を大きく設定すると常用ブ
レーキ力レベルでのブレーキ力調節の容易性が損なわれ
ることになる。
【0006】この出願の発明は、緊急ブレーキ時のブレ
ーキペダル踏力不足によるブレーキ力不足を補うことが
できると共に常用ブレーキ力レベルでのブレーキ力調節
の容易性を損なうことなく常用ブレーキ力レベルより大
きいブレーキ力をブレーキペダル踏力の少ない増加によ
り得ることができる自動車用ブレーキ装置を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この出願の請求項1記載
の発明は、ブレーキペダルの踏込み過程における初期段
階のブレーキペダル踏込み速度が所定値を越えたことを
検出する検出手段を備え、ブレーキペダルの踏込み時に
車輪ブレーキに付与するブレーキ圧を、ブレーキペダル
踏込み速度が所定値を越えた場合にはブレーキペダル踏
込み速度が所定値以下の場合よりも高圧に変更する第1
のブレーキ特性変更手段と、ブレーキペダル踏力の変化
量に対するブレーキ圧の変化量を、ブレーキペダル踏力
が所定値を越えた場合にはブレーキペダル踏力が所定値
以下の場合よりも大となるように変更する第2のブレー
キ特性変更手段を備えたことを特徴とする自動車用ブレ
ーキ装置である。
【0008】又、この出願の請求項2記載の発明は、請
求項1記載の自動車用ブレーキ装置であって、ブレーキ
圧を発生するマスタシリンダと、ブレーキペダル踏力を
倍加してマウタシリンダに入力する倍力装置を備え、該
倍力装置は、ブレーキペダル踏力が前記所定値を越えた
場合と前記所定値以下の場合とで倍力比を切換える倍力
比切換機構と、ブレーキペダル踏力と倍力比との積より
大きい出力を外部信号の入力に応じて発生させる付加出
力発生機構を備えたことを特徴とする自動車用ブレーキ
装置である。
【0009】更に、この出願の請求項3記載の発明は、
請求項2記載の自動車用ブレーキ装置であって、前記倍
力装置が負圧式倍力装置であり、該負圧式倍力装置は、
ハウジングと、該ハウジング中に移動可能に設置されて
いてハウジング内を常に負圧源に連通する定圧室及び該
定圧室に対して気密的に分離された変圧室とに分離する
可動壁と、該可動壁の中心部にその一端部を連結されて
いると共ににその他端を前記ハウジング外に位置された
可動バルブボデーと、該可動バルブボデー内に摺動可能
に設置されていてブレーキペダル踏力を入力される入力
部材と、該入力部材に形成されたエアバルブ弁座と係合
することによって前記変圧室を大気から遮断するエアバ
ルブ部と前記可動バルブボデーに形成されたバキューム
バルブ弁座と係合することによって前記定圧室と前記変
圧室との連通を遮断するバキュームバルブ部とを含んだ
コントロールバルブ部材と、その一端を前記可動バルブ
ボデーに摺動可能に嵌合されていると共にその他端を前
記ハウジング外に位置する出力部材と、該出力部材の一
端面と該一端面の中心部と対向する前記入力部材の端
面、該端面の外周側に位置すると共に前記出力部材の一
端面と対向するように前記バルブボデーに形成された第
1環状段面および該第1環状段面の外周側に位置するよ
うにと共に前記出力部材の一端面と対向するように前記
バルブボデーに形成された第2環状段面との間に介在さ
れた弾性体製のリアクションディスクと、前記定圧室内
に設置され前記出力部材と係合可能な補助可動壁と、該
補助可動壁と前記可動壁との間に補助変圧室を形成する
シール部材と、前記補助変圧室を前記定圧室或いは大気
とに選択的に連通させる電磁弁手段とを備え、前記第1
環状段面と前記第2環状段面とは、ブレーキペダル踏力
が前記所定値以下の場合には前記リアクションディスク
が前記第1環状段面に接触する一方で前記第2環状段面
から離間し、ブレーキペダル踏力が前記所定値を越えた
場合には前記リアクションディスクの弾性変形により前
記リアクションディスクが前記第1環状段面及び第2環
状段面に接触するように、軸方向にずらして形成されて
いることを特徴とする自動車用ブレーキ装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この出願の発明の実施の形
態を図面を参照して説明する。
【0011】図1は一実施形態の概略構成を示すもので
あり、同図に示すブレーキペダル111は枢軸121に
より図示しない車体に枢支されている。負圧式倍力装置
1の入力部材7はブレーキペダル111と作用的に連結
されている。負圧式倍力装置1はタンデム型のマスタシ
リンダ151を支持しており、マスタシリンダ151の
図示しないピストンは負圧式倍力装置1の出力部材11
(図2参照)と作用的に連結されている。
【0012】マスタシリンダ151の2つの出力ポート
161及び171は液圧管路によりアンチロック制御用
のブレーキ圧モジュレータ181を介して前後左右の車
輪ブレーキ191,201及び211,221と夫々接
続されている。ブレーキ圧モジュレータ181は車輪ブ
レーキ19〜22のブレーキ圧を個別に調整し得るもの
であり、またブレーキ圧系統はマスタシリンダ151の
出力ポート161と車輪ブレーキ191,201を含む
系統と、マスタシリンダ151の出力ポート171と車
輪ブレーキ211,221を含む系統との2系統に分け
られている。
【0013】4つの車輪の各々の回転速度を検出する車
輪速度センサ231〜261の検出出力は、電子制御ユ
ニット271に含まれたアンチロック制御用の電子制御
ユニット部281に入力される。電子制御ユニット部2
81は、公知のように、車輪速度センサ231〜261
の検出出力に基づき車体速度や走行路面の摩擦係数が大
きいか否か等を推定し、その推定結果に基づき制御基準
車輪速度を演算し、各車輪のブレーキ圧を、各車輪速度
の制御基準車輪速度からの偏差及び各車輪速度の変化率
等に基づき減圧、再増圧、或いは保圧させる電気信号を
ブレーキ圧モジュレータ181に入力してブレーキ圧モ
ジュレータ181を作動させ各車輪のロックを防止す
る。
【0014】負圧式倍力装置1にはその入力部材7に連
動する図示しない制御弁機構とは別に電気信号により作
動を制御する切換電磁弁23が設けられている。この切
換電磁弁23の非作動状態では、負圧式倍力装置1の出
力部材にはブレーキペダル111に加えられたブレーキ
ペダル踏力と倍力比との積にである値の出力が現れる。
しかし、切換電磁弁23の作動により、負圧式倍力装置
1の出力部材にはブレーキペダル踏力と倍力比との積に
である値より大きい値の出力が現れる。
【0015】制御弁23の作動は、電子制御ユニット2
71に含まれた緊急ブレーキアシスト用の電子制御ユニ
ット部301により制御される。電子制御ユニット部3
01は、ブレーキペダル111が踏込まれた場合にオフ
となりブレーキペダル111が非踏込み位置に復帰した
場合にオンとなるブレーキスイッチ311の出力信号及
びブレーキペダル11の踏込みストローク量を検出する
制動ペダル踏込みストローク量センサ321の検出出力
が入力され、また電子制御ユニット部281から適宜情
報が入力される。電子制御ユニット部301はブレーキ
ペダル踏込み過程の初期におけるブレーキペダル踏込み
速度を演算し、それが所定値(250〜350ミリ秒程
度が望まし)を越えた場合には切換電磁弁23を作動さ
せる。又、切換電磁弁23を作動させた後においてブレ
ーキペダル111が非踏込み位置に復帰した場合には切
換電磁弁23を非作動とする。
【0016】図1中の負圧式倍力装置1の詳細構成が図
2に示される。図2において、負圧式倍力装置1のハウ
ジング2内には、その外周部を気密的に固定され、軸方
向に移動可能な可動壁3を備えている。前記可動壁3に
よって、前記ハウジング2内は、定圧室4,変圧室5と
に互いに気密的に分離されている。前記定圧室4はイン
レット2aを介して、負圧源である図示しない車両のエ
ンジンのインテークマニホールドと連通して、常に負圧
を発生している。
【0017】ハウジング2には、その後方より樹脂材料
製のバルブボデー6が挿入され、バルブボデー6の左端
部は可動壁3の中心部に気密的に固定されている。バル
ブボデー6の右端部はハウジング2の外に位置する。
【0018】前記バルブボデー6の内部には、その右端
にてブレーキペダル111(図1参照)と連結された入
力ロッド7が挿入されている。入力ロッド7は後述する
第1入力部材8に一体的に移動可能なように連結されて
いる。
【0019】第1入力部材8および第1入力部材8に当
接した第2入力部材9はすべて入力ロッド7からのブレ
ーキペダル踏力をゴム製のリアクションディスク10の
中心部に伝達する役割を果たす。第1入力部材8は図2
における右端にエアバルブ弁座8aを有する。図2にお
ける右端面でリアクションディスク10と当接した出力
ロッド(出力部材)11はリアクションディスク10を
介してブレーキ操作力を受けて移動することによってマ
スタシリンダ151(図1参照)のピストンを作動させ
る。バルブボデー6には、第2入力部材9の外周側に位
置していてリアクションディスク10の図2における右
端面に当接する第1環状段面6dと第1環状段面6dの
外周側に位置していてリアクションディスク10の図2
における右端面と対向する第2環状段面6eとが形成さ
れている。第2環状段面6eは第1環状段面6dに対し
図2で右側にずらして形成されており、ブレーキペダル
踏力が所定値(図3の入力Aに相当する)以下の状態で
はリアクションディスク10が第1環状段面6dと当接
する一方で第2環状段面6eから離間し、又ブレーキペ
ダル踏力が上記所定値を越えた状態ではリアクションデ
ィスク10の弾性変形によりリアクションディスク10
が第1環状段面6d及び第2環状段面6eの両方に当接
するようにされている。又、出力ロッド11のバルブボ
デー6に対する図2における左側への相対移動を規制す
るツメ24aを備えたストッパ24がバルブボデー6に
設置されている。
【0020】入力ロッド7には戻しスプリング12を受
けるロッド用リテーナ13が固定されている。バルブボ
デー6にはバルブ部材14を構成する第1リテーナ14
aがロッド用リテーナ13,戻しスプリング12を介し
て入力ロッド7から弾撥力を受けながら固定されてい
る。シール部材14bはその図において右端部の内周に
おいて第1リテーナ14aに係合しており、外周におい
てはバルブボデー6との間でシール機能を発生してお
り、更に、その左端部において第2リテーナ14cに接
着されている。第1リテーナ14aと第2リテーナ14
cとの間にはバルブスプリング14dが介装されてい
る。第2リテーナ14cには更にバルブプレート14e
が固定され、第2リテーナ14cおよびバルブプレート
14eには各々エアバルブ部材14f,バキュームバル
ブ部材14gが一体成形されることによって固着されて
いる。
【0021】上記構成を採ることによって、エアバルブ
部材14fは入力ロッド7が非作動状態において、第1
入力部材8のエアバルブ弁座8aと係合している。又、
入力ロッド7が作動状態においては、バキュームバルブ
部材14gがバルブボデー6に設けたバキュームバルブ
弁座6aと係合可能となっている。バルブボデー6に設
置されたキー溝6bにはキー15が挿入され、ダンパ部
材16を介してハウジング2に当接している。更に、バ
ルブボデー6にはエア通路6cが備えられている。
【0022】定圧室4中にはその内周部において出力ロ
ッド11のフランジ部11aと係合可能な補助可動壁1
7が設置されており、該補助可動壁17はその内周部お
よび外周部に各々シール用のビード18a,18bを備
えたダイヤフラム18と気密的に係合して、特にビード
18aは補助可動壁17に摺動可能に嵌合しており、両
者の間に補助変圧室19を形成している。補助可動壁1
7はリターンスプリング25によって付勢力を受けてい
る。一端において補助可動壁17と気密的に連結した伸
縮自在の空気路20は、定圧室4を貫通してその他端に
おいてハウジング2の前面と気密的に係合している。空
気路20はエアチューブ21,エアホース22を介して
電磁弁23に連通している。
【0023】電磁弁23はバルブハウジング23a内に
定圧室4に連通した定圧ポート23bと、クリーナ部材
23caを含んだ大気導入用エアクリーナ23cに連通
した大気ポート23dと、前記エアホース22と接続し
た変圧ポート23eとを備えている。電磁ソレノイド2
3fへの通電は電子制御ユニット部301により制御さ
れる。
【0024】電磁ソレノイド23fの内方に配置された
プランジャー23gはスプリング23hによって図2に
おいて左方に付勢され、大気弁座23iに当接してい
る。この状態においては、プランジャー23gが定圧弁
座23jと非係合状態となっているため、補助変圧室1
9は空気路20の内部,エアチューブ21,エアホース
22,変圧ポート23eおよび定圧ポート23bを介し
て定圧室4に連通している。
【0025】一方、電子制御ユニット部301により電
磁ソレノイド23fに通電されると、電磁ソレノイド2
3fはプランジャー23gを吸引して定圧弁座23jに
当接させるとともに、大気弁座23iと非係合状態とす
るため、補助変圧室19には空気路20の内部,エアチ
ューブ21,エアホース22,変圧ポート23e,大気
ポート23dおよび前記エアクリーナ23cを介して大
気が導入される。
【0026】以下に、自動車用ブレーキ装置の作動につ
いて説明する。ドライバーがブレーキペダル111を踏
込まない時は、負圧式倍力装置1は図2の状態にあり、
エアバルブ部材14fは第1入力部材8のエアバルブ弁
座8aと係合状態、又、バキュームバルブ部材14gは
バルブボデー6のバキュームバルブ弁座6aとは非係合
状態にあるため、変圧室5は定圧室4を介して負圧源で
ある図示しない車両のエンジンのインテークマニホール
ドと連通している。
【0027】ドライバーによりブレーキペダル111が
所定値以下のブレーキペダル踏込み速度で踏込まれる
と、これと連結した入力ロッド7がブレーキ操作力を受
けて図2において左方に移動する。従って、入力ロッド
7に固定された第1入力部材8も入力ロッド7と一体と
なって図2において左方に移動する第1入力部材8の移
動によって、エアバルブ部材14fおよびバキュームバ
ルブ部材14gもバルブスプリング14dの付勢力によ
って第1入力部材8と共に図2において左方に移動し、
バキュームバルブ部材14gがバルブボデー6のバキュ
ームバルブ弁座6aに当接して、変圧室5は定圧室4と
遮断されるため車両の負圧源との連通も断たれる。
【0028】更に、第1入力部材8が図2において左方
に移動すると、エアバルブ部材14fと第1入力部材8
のエアバルブ弁座8aとの係合が解消されて、変圧室5
が大気と連通する。従って、変圧室5への大気の流入に
よって、定圧室4と変圧室5との間に気圧差が発生する
ため、気圧差による荷重を受けた可動壁3とこれに連結
されたバルブボデー6に図2で左方向の助勢力が発生
し、この助勢力がリアクションディスク10を介して出
力ロッド11に伝達され、出力ロッド11からマスタシ
リンダ151に入力される。マスタシリンダ151は倍
力装置1の出力ロッド11からの入力に応じたブレーキ
圧を発生して車輪ブレーキ191〜221に付与し、車
輪ブレーキ191〜221が付与されたブレーキ圧に応
じたブレーキ力を車輪に加え、自動車にブレーキがかか
る。
【0029】その際、リアクションディスク10から第
2入力部材9および第1入力部材8を介して入力ロッド
7が反力を受け、この反力とブレーキペダル111から
の入力との大小関係に応じて入力部材8,9がバルブボ
デー6内で摺動することによってエアバルブ部材14f
と第1入力部材8のエアバルブ弁座8aが、或いはバキ
ュームバルブ部材14gとバルブボデー6のバルブ座6
aとが選択的に係合して変圧室5の圧力が調整され、ブ
レーキペダル踏力と倍力比の積である出力が出力ロッド
11からマスタシリンダ151に入力される。倍力比
は、リアクションディスク10の図2における右端面と
バルブボデー6との当接面積をリアクションディスク1
0の図2における右端面と第2入力部材9との当接面積
で除した値であり、ブレーキペダル踏力が所定値以下の
状態ではバルブボデー6の第1環状段面6dの面積を第
2入力部材9の図2における左端面の面積で除した値で
あり、図3でB−C線で示される。ブレーキペダル踏力
が所定値を越えた状態ではリアクションディスク10の
弾性変形によりリアクションディスク10がバルブボデ
ー6の第2環状段面6eにも当接するので、この状態で
の倍力比はバルブボデー6の第1環状段面6dの面積と
第2環状段面の面積との和を第2入力部材9の図2にお
ける左端面の面積で除した値であり、図3でC−D線で
示される。
【0030】図3に示されるように、ブレーキペダル踏
力が所定値以下の状態、つまり常用ブレーキ力レベルで
の倍力比はブレーキ力の調節の容易性を得るために比較
的に小さく設定されるが(自動車の大きさにより異なる
が、一般的には3〜7程度の範囲内で設定されてい
る)、ブレーキペダル踏力が所定値以下の状態での倍力
比は大きく設定される(B−C線で示される倍力比の
1.5倍程度)。従って、所定値以下のブレーキペダル
踏力でブレーキをかけている最中に急に出力Eを得たい
場合が生じたとき、B−C線で示される倍力比であれば
ブレーキペダル踏力Fを出さなければならないのに対
し、Fより小さいブレーキペダル踏力Gを出せば出力E
が得られる。図3の入力Aは、0.25〜0.6G程度
の自動車減速度が発生する値に設定するのが望ましい。
【0031】尚、この状態においては、前記電磁ソレノ
イド23fが非作動状態であるため、前記補助変圧室1
9は前記定圧室4と連通しており、前記補助可動壁17
の前後において気圧差がなく、前記補助可動壁17は非
作動状態となっている。この時の倍力装置1の入力と出
力との関係は、図3においてO−H−B−C−D−I線
で示される。
【0032】次に、ブレーキペダル111が所定値以上
の踏込み速度で急激に踏込まれた場合、電子制御ユニッ
ト部301が切換電磁弁23の電磁ソレノイド23fに
通電する。電磁ソレノイド23fは電磁力を発生させ
て、プランジャー23gをスプリング23hの付勢力に
抗して図2において右方に移動させる。
【0033】前述したように、プランジャー23gの移
動によって補助変圧室19に大気が導入されるため、補
助可動壁17の前後において気圧差が発生し、補助可動
壁17がビード18aの内周を摺動しつつ図2において
左方に移動させられる。補助可動壁17は移動すること
によって出力ロッド11のフランジ部11aと係合し
て、出力ロッド11に図2において左方に荷重を加える
が、該荷重はリアクションディスク10には働かないた
め、第1入力部材8への反力とはならず、倍力装置1の
出力として純粋に増力される。
【0034】補助変圧室19への大気の導入によって補
助変圧室19内が負圧時に比べ、入力ロッド7に働く同
一のブレーキペダル踏力に対して出力ロッド11に働く
出力は一定量増大される。この時の倍力装置1の入力と
出力との関係は、図3においてO−H−B−J−K−I
線にて示される。
【0035】切換電磁弁23の作動後においてドライバ
ーがブレーキペダル111を戻すと、第2入力部材9は
入力ロッド7の後退によって第1入力部材8と一体とな
って右方に移動し、エアバルブ部材14fが第1入力部
材8のエアバルブ弁座8aに係合し、バキュームバルブ
部材14gがバルブボデー6のバキュームバルブ弁座6
aから離れることから変圧室5が大気と遮断され定圧室
4と連通して、再び変圧室5内の負圧度が増加するた
め、パワーピストン6への助勢力も低下し、マスタシリ
ンダ151からの反力と倍力装置1内のリターンスプリ
ング25により、バルブボデー6および入力ロッド7は
図示で右方に移動させられ、入力解除により戻り行程を
完了する。
【0036】然る時に、ブレーキスイッチ311がオフ
となり、電子制御ユニット部301が切換電磁弁23の
電磁ソレノイド23fへの通電を止めるため、電磁ソレ
ノイド23fは、もはやプランジャー23gへの電磁力
を発生せず、プランジャー23gは付勢スプリング23
hの付勢力によって、図2において左方に戻される。プ
ランジャー23gの図2における左方への移動によっ
て、補助変圧室19は再び定圧室4と連通して、補助可
動壁17はリターンスプリング25により押し戻され、
その内周端と出力ロッド11のフランジ部11aとの係
合が解除され完全に初期状態に復帰する。
【0037】以上、本発明を上記実施の態様に則して説
明したが、本発明は上記態様にのみ限定されるものでは
なく、本発明の原理に準ずる各種態様を含むものであ
る。
【0038】
【発明の効果】上記したようにこの出願の発明によれ
ば、緊急ブレーキ時のブレーキペダル踏力不足によるブ
レーキ力不足を補うことができると共に常用ブレーキ力
レベルでのブレーキ力調節の容易性を損なうことなく常
用ブレーキ力レベルより大きいブレーキ力をブレーキペ
ダル踏力の少ない増加により得ることができる自動車用
ブレーキ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の一実施形態の概略構成を示す
図である。
【図2】図1中の倍力装置1の詳細構成を示す断面図で
ある。
【図3】倍力装置1の入力と出力との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 負圧式倍力装置 2 ハウジング 3 可動壁 3a 円筒状部 3b 凸部 3c 穴 3d 係合部 4 定圧室 5 変圧室 6 バルブボデー 6a バキューム
バルブ弁座 6d 第1環状段面 6e第2環状段面 8 第1入力部材 8a エアバルブ
弁座 11 出力ロッド 14 バルブ部材 14f エアバルブ部材 14g バキュ
ームバルブ部材 17 補助可動壁 17a 円筒状
部 17b 穴 17c テーパ
部 17d 折り返し部 17g かしめ
部 18 ダイヤフラム 18a ビード 18c 突出部 18d 係合端
部 19 補助変圧室 20 空気路 23 切換電磁弁 30 リング 301 凸部 111 ブレーキペダル 121 ストロークセンサ 151 マスタシリンダ 181 ブレーキ圧モジュレータ 191,201,211,221 車輪ブレーキ 271 電子制御ユニット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルの踏込み過程における初
    期段階のブレーキペダル踏込み速度が所定値を越えたこ
    とを検出する検出手段を備え、ブレーキペダルの踏込み
    時に車輪ブレーキに付与するブレーキ圧を、ブレーキペ
    ダル踏込み速度が所定値を越えた場合にはブレーキペダ
    ル踏込み速度が所定値以下の場合よりも高圧に変更する
    第1のブレーキ特性変更手段と、ブレーキペダル踏力の
    変化量に対するブレーキ圧の変化量を、ブレーキペダル
    踏力が所定値を越えた場合にはブレーキペダル踏力が所
    定値以下の場合よりも大となるように変更する第2のブ
    レーキ特性変更手段を備えたことを特徴とする自動車用
    ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動車用ブレーキ装置で
    あって、ブレーキ圧を発生するマスタシリンダと、ブレ
    ーキペダル踏力を倍加してマウタシリンダに入力する倍
    力装置を備え、該倍力装置は、ブレーキペダル踏力が前
    記所定値を越えた場合と前記所定値以下の場合とで倍力
    比を切換える倍力比切換機構と、ブレーキペダル踏力と
    倍力比との積より大きい出力を外部信号の入力に応じて
    発生させる付加出力発生機構を備えたことを特徴とする
    自動車用ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の自動車用ブレーキ装置で
    あって、前記倍力装置が負圧式倍力装置であり、該負圧
    式倍力装置は、ハウジングと、該ハウジング中に移動可
    能に設置されていてハウジング内を常に負圧源に連通す
    る定圧室及び該定圧室に対して気密的に分離された変圧
    室とに分離する可動壁と、該可動壁の中心部にその一端
    部を連結されていると共ににその他端を前記ハウジング
    外に位置された可動バルブボデーと、該可動バルブボデ
    ー内に摺動可能に設置されていてブレーキペダル踏力を
    入力される入力部材と、該入力部材に形成されたエアバ
    ルブ弁座と係合することによって前記変圧室を大気から
    遮断するエアバルブ部と前記可動バルブボデーに形成さ
    れたバキュームバルブ弁座と係合することによって前記
    定圧室と前記変圧室との連通を遮断するバキュームバル
    ブ部とを含んだコントロールバルブ部材と、その一端を
    前記可動バルブボデーに摺動可能に嵌合されていると共
    にその他端を前記ハウジング外に位置する出力部材と、
    該出力部材の一端面と該一端面の中心部と対向する前記
    入力部材の端面、該端面の外周側に位置すると共に前記
    出力部材の一端面と対向するように前記バルブボデーに
    形成された第1環状段面および該第1環状段面の外周側
    に位置するようにと共に前記出力部材の一端面と対向す
    るように前記バルブボデーに形成された第2環状段面と
    の間に介在された弾性体製のリアクションディスクと、
    前記定圧室内に設置され前記出力部材と係合可能な補助
    可動壁と、該補助可動壁と前記可動壁との間に補助変圧
    室を形成するシール部材と、前記補助変圧室を前記定圧
    室或いは大気とに選択的に連通させる電磁弁手段とを備
    え、前記第1環状段面と前記第2環状段面とは、ブレー
    キペダル踏力が前記所定値以下の場合には前記リアクシ
    ョンディスクが前記第1環状段面に接触する一方で前記
    第2環状段面から離間し、ブレーキペダル踏力が前記所
    定値を越えた場合には前記リアクションディスクの弾性
    変形により前記リアクションディスクが前記第1環状段
    面及び第2環状段面に接触するように、軸方向にずらし
    て形成されていることを特徴とする自動車用ブレーキ装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102008001131A1 (de) 2007-04-16 2008-10-23 Advics Co., Ltd., Kariya Bremssteuervorrichtung für ein Fahrzeug
CN108860106A (zh) * 2018-07-27 2018-11-23 西安理工大学 一种汽车制动系统用助力传动装置

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