JPH10250564A - ブレーキ装置 - Google Patents

ブレーキ装置

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JPH10250564A
JPH10250564A JP9063271A JP6327197A JPH10250564A JP H10250564 A JPH10250564 A JP H10250564A JP 9063271 A JP9063271 A JP 9063271A JP 6327197 A JP6327197 A JP 6327197A JP H10250564 A JPH10250564 A JP H10250564A
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Yutaka Onuma
豊 大沼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】バキューム式のブースタを備えたブレーキ装置
において、ブースタ圧に基づいてブースタの助勢限界後
にも車両制動力を同じ勾配で増加させるとともに、車両
運転当初においてブレーキ装置の無駄な作動を回避する
ことによって車両の静粛性を向上させる。 【解決手段】ブレーキ装置に、(a) ブースタ圧センサ
と、(b) ブレーキ操作中において、ブースタ圧に基づく
作動開始条件が成立したときに作動を開始し、ブレーキ
作動力を増加させるブレーキ作動力増加装置と、(c) 車
両運転の開始を検出する手段と、(d) ブレーキ作動力増
加装置の作動開始を、車両運転の開始が検出されたとき
から設定時間Tが経過していない時期であるという第1
条件(S3)を含む少なくとも一つの条件が同時に成立
する場合において、同時に成立しない場合におけるよ
り、困難にする手段(S5)とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用のブレーキ
装置に関するものであり、特に、バキュームブースタを
備えたブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】ブレーキ装置は一般に、内燃機関,電動機
等、原動機を有する車両に設けられ、(a) ブレーキペダ
ル等、ブレーキ操作部材と、(b) 原動機の始動に応じて
負圧発生を開始する負圧源と、(c) その負圧源に接続さ
れた負圧室と、その負圧室と大気とに選択的に連通させ
られる変圧室との差圧に基づくパワーピストンの作動力
によって前記ブレーキ操作部材の操作力を助勢するバキ
ュームブースタと、(d) そのバキュームブースタの出力
に基づいて車輪の回転を抑制するブレーキとを含むよう
に構成される。負圧源としては一般に、原動機としての
内燃機関の吸気室や専用のバキュームポンプが使用され
る。専用のバキュームポンプは一般に、原動機または専
用のポンプモータにより駆動される。
【0003】バキュームブースタは常に正常に作動する
とは限らず、何らかの原因で異常となることがある。そ
して、バキュームブースタが異常である場合にその異常
に起因する助勢不足が補われるようにブレーキの作動力
をバキュームブースタとは別の装置によって増加させれ
ば、バキュームブースタの異常時における車輪制動力の
低下が抑制され、車両の安全性およびブレーキ装置の信
頼性が向上する。
【0004】ここに、バキュームブースタが異常である
か否かは、そのバキュームブースタの負圧室の圧力や変
圧室の圧力を監視することによって判定し得る。バキュ
ームブースタの異常は負圧室の負圧不足に起因すること
が多く、また、バキュームブースタの非作用状態におい
ては、負圧室と変圧室とが互いに連通させられていて、
変圧室の圧力を監視すれば負圧室の圧力が分かるからで
ある。
【0005】以上の知見に基づき、本出願人は、ブレー
キ装置に、(a) バキュームブースタの負圧室と変圧室と
の少なくとも一方の圧力を検出するブースタ圧力センサ
と、(b) ブレーキ操作部材の操作中において、ブースタ
圧力センサにより検出される圧力に基づく作動開始条件
が成立したときに作動を開始し、ブレーキの作動力を増
加させるブレーキ作動力増加装置とを設けることを案出
した。ここに、「作動開始条件」は例えば、ブースタ圧
力センサにより直接にまたは間接に検出される負圧室の
負圧が、バキュームブースタが正常である場合にとるこ
とが予想される正常値より低い場合においてそうでない
場合におけるより成立することが困難となるように変化
させられる。
【0006】ところで、バキュームブースタにおいて
は、各回の車両運転当初に必ず負圧室に十分な高さの負
圧が残っているとは限らない。今回の車両運転と前回の
車両運転との間の休止期間が短く、しかも、その休止期
間に、ブレーキ操作が一度も行われなかったために負圧
室が一度も変圧室を介して大気に連通させられなかった
場合には、今回の車両運転当初において、原動機の始動
前(すなわち、負圧源の負圧発生開始前)でも、負圧室
に十分に高い負圧が残っている。しかし、休止期間にお
いては、原動機の運転が停止させられ、よって、負圧源
の負圧発生も停止させられているため、休止期間が長い
場合や、休止期間が短い場合であっても、休止期間にブ
レーキ操作が行われた場合には、今回の車両運転当初に
おいて、負圧室も変圧室も圧力が大気圧に近くなり、負
圧室において負圧が不足する。
【0007】これに対して、負圧源は、原動機の始動に
伴って負圧室への負圧供給を開始する。しかし、車両運
転当初において、負圧室において負圧が不足している場
合には、負圧室に十分な高さの負圧が発生するまでに時
間がかかる。原動機の始動に伴って直ちに負圧室に十分
な高さの負圧が発生するわけではないのである。
【0008】一方、各回の車両運転当初には、車両が実
質的に停止状態にあるのが普通であって、ブレーキ操作
が行われても、そのブレーキ操作は大きな車両制動力を
発生させる意図の下には行われないのが普通である。各
回の車両運転当初においては、負圧室において負圧が不
足していてバキュームブースタが正常に操作力を助勢し
得ない状況であっても、その助勢不足を補償すべくブレ
ーキ作動力増加装置を作動させてブレーキ作動力を増加
させるには及ばないのである。むしろ、車両の静粛性を
向上させる観点から、車両の停止中にはブレーキ作動力
増加装置の無駄な作動を禁止して作動音の発生を防止す
ることが強く要望される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段,作用お
よび効果】以上の事情を背景として、本発明は、各回の
車両運転当初においてブレーキ作動力増加装置の無駄な
作動を極力回避することにより、車両の静粛性を向上さ
せることを課題としてなされたものである。
【0010】その課題は、本発明に従い、前述のブレー
キ操作部材,負圧源,バキュームブースタ,ブレーキ,
ブースタ圧力センサおよびブレーキ作動力増加装置を含
むブレーキ装置を、(a) 運転者による車両運転の開始を
検出する運転開始検出手段と、(b) 前記ブレーキ作動力
増加装置の作動開始を、前記運転開始検出手段による車
両運転開始の検出時期から基準時間が経過していない時
期であるという第1条件を含む少なくとも一つの条件が
同時に成立する場合において同時に成立しない場合にお
けるより困難にする作動開始制御手段とを含むものとす
ることによって解決される(請求項1)。したがって、
このブレーキ装置によれば、車両運転の開始時期から基
準時間が経過した後にブレーキ作動力増加装置の作動が
開始されるから、車両部品の作動音が気になり易い車両
運転当初においてブレーキ作動力増加装置の作動音の発
生が回避され、よって、車両の静粛性が向上するという
効果が得られる。このブレーキ装置において「基準時
間」は例えば、負圧室の負圧が0である状態で原動機を
始動させた場合に負圧が正常値まで上昇するのに必要な
時間である昇圧所要時間として設定することができる。
また、このブレーキ装置において「作動開始制御手段」
の一態様は、運転開始時期からの経過時間を計測すると
ともに、その計測された経過時間が、上記昇圧所要時間
として設定された設定時間以上となったときに、「基準
時間の経過」を検出する態様である。別の態様は、前記
ブースタ圧力センサにより負圧室の負圧が基準値以上と
なったことが検出されたときに、「基準時間の経過」を
検出する態様である。さらに別の態様は、原動機として
の内燃機関(エンジン)の吸気管であって前記負圧室に
接続されたものの負圧が基準値以上となったことが検出
されたときに、「基準時間の経過」を検出する態様であ
る。ここに、吸気管負圧は、専用のセンサにより直接に
検出したり、他の物理量を検出するセンサを流用して間
接に検出することができる。「作動開始制御手段」のさ
らに別の態様は、内燃機関がそれの始動開始時から回転
した回数が基準値以上となったことが検出されたとき
に、「基準時間の経過」を検出する態様である。要する
に、「基準時間の経過」を検出する方式には、実際に基
準時間の経過を検出する方式のみならず、基準時間が経
過したときに生じる、時間以外の物理現象を検出する方
式もあるのである。また、「作動開始制御手段」のさら
に別の態様は、吸気管負圧が基準値以上である状態が基
準時間以上継続したことが検出されたときに、「基準時
間の経過」を検出する態様である。さらに別の態様は、
吸気管負圧が基準値以上となったことが検出され、か
つ、内燃機関がそれの始動開始時から回転した回数が基
準値以上となったことが検出されたときに、「基準時間
の経過」を検出する態様である。また、このブレーキ装
置において「ブースタ圧力センサ」は、バキュームブー
スタの負圧室または変圧室の圧力を直接に検出する形式
としたり、負圧室または変圧室の圧力に関連する別の圧
力室の圧力(例えば、原動機としての内燃機関の吸気室
の圧力)を検出することによって負圧室または変圧室の
圧力を間接に検出する形式とすることができる。また、
「ブースタ圧力センサ」は、検出すべき圧力が連続的に
変化するのに応じて連続的に変化する信号を出力する形
式とすることができるのはもちろんであるが、検出すべ
き圧力がある値を超えたか否かによって2状態に変化す
る信号を出力する形式(スイッチ等)とすることもでき
る。後者の形式には前者の形式に比較して装置が安価に
なるという利点がある。また、このブレーキ装置におい
て「ブレーキ作動力増加装置」の一態様は例えば、(a)
前記ブースタ圧力センサにより検出された圧力に基づ
き、前記バキュームブースタの異常を検出するブースタ
異常検出手段と、(b) 前記作動開始条件を、前記ブース
タバキュームの異常が検出された場合において検出され
ない場合におけるより成立することが容易となるように
変更する作動開始条件変更手段とを含む態様である。と
ころで、バキュームブースタは、変圧室の圧力が負圧か
ら上昇して大気圧に達した後には、ブレーキ操作部材の
操作力を助勢することができない。いわゆるバキューム
ブースタの助勢限界である。しかし、その助勢限界後に
ブレーキの作動力を別の装置によって増加させれば、助
勢限界後にも車両制動力が適正な勾配で(例えば、ほぼ
同じ勾配で)増加し、助勢限界の前後を問わず車輪制動
力が安定した勾配で増加して、車両の安全性およびブレ
ーキ操作フィーリングが向上する。この知見に基づき、
「ブレーキ作動力増加装置」の別の態様は、(a) 前記ブ
ースタ圧力センサにより検出された圧力に基づき、前記
バキュームブースタの異常を検出するブースタ異常検出
手段と、(b) 前記バキュームブースタの助勢限界を検出
する助勢限界検出手段と、(c) 前記作動開始条件を、前
記バキュームブースタの異常が検出された場合において
異常が検出されず、かつ、前記バキュームブースタの助
勢限界が検出された場合におけるより成立することが容
易となるように変更する作動開始条件変更手段とを含む
態様である。ところで、バキュームブースタが助勢限界
に到達したか否かは、バキュームブースタの負圧室の圧
力や変圧室の圧力を監視することによって判定し得る。
例えば、負圧室の圧力の高さが分かれば、バキュームブ
ースタが助勢限界に到達したときに変圧室との間に発生
する差圧が分かるから、その差圧に基づく物理量(例え
ば、マスタシリンダ液圧や車体減速度)をも監視すれ
ば、バキュームブースタが助勢限界に到達したか否かを
判定し得る。また、変圧室の圧力の高さが分かれば、変
圧室の圧力が大気圧まで上昇したか否かが分かるから、
バキュームブースタが助勢限界に到達したか否かを判定
し得る。したがって、上記「助勢限界検出手段」は例え
ば、少なくとも前記ブースタ圧力センサにより検出され
た圧力に基づき、前記バキュームブースタの限界限界を
検出する手段を含むものとすることができる。また、上
記ブレーキ装置において「運転開始検出手段」は例え
ば、車両運転を開始する際に運転者により操作される車
両運転スイッチがOFFからONに操作されたときに車
両運転の開始を検出する形式としたり、原動機の実際の
始動を検出したときに車両運転の開始を検出する形式と
したり、負圧源の実際の負圧発生開始を検出したときに
車両運転の開始を検出する形式とすることができる。こ
こに「車両運転スイッチ」は、原動機が内燃機関である
場合には、少なくとも「OFF」位置と「ON」位置と
「START」位置とに操作可能なイグニションスイッ
チとされる。この場合、イグニションスイッチが「OF
F」位置から「ON」位置に操作されたときに車両運転
の開始を検出する態様としたり、「ON」位置から「S
TART」位置に操作されたときに車両運転の開始を検
出する態様とすることができる。また、上記ブレーキ装
置において「作動開始条件」は例えば、前記ブレーキ操
作部材の操作状態量に関連するブレーキ操作状態量関連
量の実際値が基準値を超えることを内容とするものとす
ることができる。ここに、ブレーキ操作状態量関連量は
例えば、ブレーキ操作部材の操作状態量(操作力または
操作ストローク)そのものとしたり、ブレーキ装置が後
述のマスタシリンダを有する場合にそのマスタシリンダ
の液圧としたり、車体減速度とすることができる。した
がって、前記作動開始制御手段および/または前記作動
開始条件変更手段は、上記基準値の変更によって各機能
を達成する態様とすることができる。上記ブレーキ装置
の一実施態様は、前記作動開始制御手段が、前記ブレー
キ作動力増加装置の前記作動開始条件を、前記少なくと
も一つの条件が同時に成立する場合において同時に成立
しない場合におけるより成立することが困難となるよう
に決定する作動開始条件決定手段を含む態様である(請
求項2)。本実施態様の一形態においては、前記作動開
始条件」が、前記ブレーキ操作部材の操作状態量に関連
するブレーキ操作状態量関連量の実際値が基準値を超え
ることを内容とするものであり、前記作動開始条件決定
手段が、その基準値を、前記少なくとも一つの条件が同
時に成立する場合において同時に成立しない場合におけ
るより大きくなるように決定する基準値決定手段を含む
ものとされる。上記ブレーキ装置の別の実施態様は、前
記作動開始制御手段が、前記少なくとも一つの条件が同
時に成立した場合に、前記ブレーキ作動力増加装置の作
動開始を禁止する作動開始禁止手段を含む態様である
(請求項3)。さらに別の実施態様においては、さら
に、車両の停止状態を検出する車両停止状態手段を含
み、前記少なくとも一つの条件が、前記車両停止状態検
出手段により車両の停止状態が検出されるという第2条
件を含むものとされる(請求項4)。車両運転当初にお
いても、ブレーキ操作が大きなブレーキ作動力を発生さ
せる意図の下に行われる場合がある。そのような場合の
一例が、車両が停止状態から走行状態に移行し、その走
行状態において車両を急に減速させるためにブレーキ操
作が行われる場合である。このような場合には、ブレー
キ作動力増加装置を作動させることにより、バキューム
ブースタの助勢不足を補償することが車両制動力を増加
させるために有効である。その結果、本実施態様によれ
ば、車両制動力の不足を回避しつつブレーキ作動力増加
装置の作動音の低減化が図られるという効果が得られ
る。本実施態様において「車両停止状態検出手段」は例
えば、車両の車速を検出する車速検出手段と、検出され
た車速が基準値より低いときに車両が実質的な停止状態
にあると判定する判定手段とを含む態様とすることがで
きる。ここに、「車速検出手段」は例えば、ドップラセ
ンサ等、車速を直接に検出する形式としたり、車両の複
数の車輪のそれぞれの周速度である車輪速を検出する車
輪速センサと、その車輪速センサにより検出された複数
の車輪の車輪速に基づいて車速を推定する推定車速演算
手段とを含む形式とすることができる。上記ブレーキ装
置において「ブレーキ作動力増加装置」は、バキューム
ブースタに設けたり、バキュームブースタの出力に基づ
いて液圧を発生させるマスタシリンダに設けたり、マス
タシリンダの液圧に基づいてブレーキを作動させるブレ
ーキシリンダに設けることができる。そして、上記ブレ
ーキ装置のさらに別の実施態様は、さらに、(a) 前記バ
キュームブースタの出力に基づいて液圧を発生させるマ
スタシリンダと、(b) そのマスタシリンダと液通路によ
り接続され、その液通路から供給される液圧に基づいて
前記ブレーキを作動させるブレーキシリンダとを含み、
前記ブレーキ作動力増加装置が、(a) 前記液通路の途中
に設けられ、前記マスタシリンダとブレーキシリンダと
の間の作動液の双方向の流れを許容する状態と、ブレー
キシリンダからマスタシリンダに向かう作動液の流れを
阻止する状態とを含む複数の状態に切り換わる制御弁
と、(b) 前記液通路のうちその制御弁と前記ブレーキシ
リンダとの間に吐出側が接続され、吸入側から作動液を
汲み上げて吐出側に吐出するポンプとを含み、それら制
御弁とポンプとの共同によって前記ブレーキシリンダの
増圧を行う増圧装置を含む態様である(請求項5)。本
実施態様において「制御弁」は、マスタシリンダとブレ
ーキシリンダとの差圧に基づいて複数の作動液流通状態
に切り換わる機械式としたり、制御手段により制御され
るソレノイドの磁気力に基づいて複数の作動液流通状態
に切り換わる電磁式とすることができる。機械式の場合
には、マスタシリンダとブレーキシリンダとの差圧を機
械的に制御する形式としたり、制御手段により制御され
るソレノイドの磁気力に基づいて電磁的に制御する形式
とすることができる。本実施態様の一形態は、前記ポン
プが、それの吸入側が前記液通路のうち前記マスタシリ
ンダと前記制御弁との間の部分に接続されたものである
形態である(請求項6)。本形態によれば、ポンプは大
気圧の作動液ではなく、マスタシリンダにより加圧され
た作動液を汲み上げて加圧すればよくなるため、ポンプ
の作動応答性が向上するとともにポンプの負担が軽減さ
れる。また、本形態においては、増圧装置が作動を開始
すると、作動液がマスタシリンダから吸入されるため、
マスタシリンダの容積減少に伴ってブレーキ操作部材が
変位してしまうが、増圧装置の無駄な作動が極力回避さ
れるため、ブレーキ操作部材の予定外の変位も極力回避
され、ブレーキ操作フィーリングの悪化も極力回避され
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な実
施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】図1には、本発明の一実施形態であるブレ
ーキ装置が示されている。このブレーキ装置は、概略的
に説明すれば、4輪車両に搭載されるものであって、ブ
レーキ操作力を助勢するバキュームブースタを備えてい
る。
【0013】このブレーキ装置は、さらに、アンチロッ
ク制御装置と効き特性制御装置とを備えている。アンチ
ロック制御装置は、車両制動時に各輪のロック傾向が過
大となることを防止する装置である。このアンチロック
制御装置は、ポンプを有し、そのポンプにより作動液を
ブレーキ回路内において還流させる。これに対して、効
き特性制御装置は、バキュームブースタに助勢限界があ
ることを考慮し、車両制動時に車体減速度がブレーキ操
作力に対して理想的な勾配で(例えば、バキュームブー
スタの助勢限界の前後を問わず、ほぼ同じ勾配で)増加
するようにそれらブレーキ操作力と車体減速度との関係
であるブレーキの効き特性を制御する装置である。この
効き特性制御装置は、上記ポンプを利用して作動する。
すなわち、ポンプがアンチロック制御装置と効き特性制
御装置とに共用されているのである。
【0014】図において符号10がブレーキ操作部材と
してのブレーキペダルである。ブレーキペダル10はブ
ースタとしてのバキュームブースタ12を介してマスタ
シリンダ14に連携させられている。
【0015】バキュームブースタ(以下、単に「ブース
タ」という)12は、よく知られているように、内部に
空間を有するハウジングにパワーピストンが気密かつ移
動可能に配設されることにより構成されている。ハウジ
ングの内部空間はパワーピストンにより、マスタシリン
ダ14側の負圧室12aとブレーキペダル10側の変圧
室12bとに仕切られている。負圧室12aは、図示し
ないガソリンエンジン(原動機の一例である内燃機関の
一例であり、以下、単に「エンジン」という)の吸気管
(吸気室の一例)にバキュームホースを介して接続され
ている。
【0016】マスタシリンダ14は、よく知られている
ように、ハウジングに2個のピストンが互いに直列に摺
動可能に嵌合されたタンデム式であり、ブースタ12の
出力に基づいてそれら2個のピストンが作動することに
より、各ピストンの前方に形成された各加圧室にそれぞ
れ等しい高さの液圧を発生させる。一方の加圧室に、左
前輪FLのブレーキを作動させるブレーキシリンダと右
後輪RRのブレーキを作動させるブレーキシリンダが接
続され、他方の加圧室に、右前輪FRのブレーキを作動
させるブレーキシリンダと左後輪RLのブレーキを作動
させるブレーキシリンダが接続されている。ブレーキ
は、液圧に基づく作動力によって摩擦材を車輪と共に回
転する回転体の摩擦面に押し付けることにより、車輪の
回転を抑制する形式(ディスク式,ドラム式等)とされ
ている。
【0017】すなわち、このブレーキ装置は互いに独立
した2つのブレーキ系統が互いにダイヤゴナルに構成さ
れたダイヤゴナル2系統式なのである。それら2つのブ
レーキ系統は構成が互いに共通するため、一方のブレー
キ系統のみを代表的に文章および図によって説明し、他
方のブレーキ系統の説明を省略する。
【0018】マスタシリンダ14は主通路18により左
前輪FLのブレーキシリンダ20と右後輪RRのブレー
キシリンダ20とにそれぞれ接続されている。主通路1
8は、マスタシリンダ14から延び出た後に二股状に分
岐させられており、1本の基幹通路24と2本の分岐通
路26とが互いに接続されて構成されている。各分岐通
路26の先端にブレーキシリンダ20が接続されてい
る。
【0019】基幹通路24の途中には制御弁としての圧
力制御弁30が設けられている。圧力制御弁30は、主
通路18におけるブレーキシリンダ20側の液圧をマス
タシリンダ14側の液圧に対して相対的に制御するもの
であり、具体的には、ポンプ40から作動液が吐出され
ている状態では、ブレーキシリンダ液圧がマスタシリン
ダ液圧より高いがその差圧が目標差圧以下であれば、ポ
ンプ40からマスタシリンダ14へ向かう作動液の流れ
を阻止し、ブレーキシリンダ液圧がマスタシリンダ液圧
より高くかつその差圧が目標差圧より大きくなろうとす
れば、ポンプ40からマスタシリンダ14へ向かう作動
液の流れを許容することにより、ブレーキシリンダ液圧
をマスタシリンダ液圧より高くかつその差圧が目標差圧
となるように制御するものである。
【0020】この圧力制御弁30は、本実施形態におい
ては、ブレーキシリンダ20とマスタシリンダ14との
差圧を電磁的に制御する形式とされている。この圧力制
御弁30は具体的には、図2に示すように、図示しない
ハウジングと、主通路18におけるマスタシリンダ側と
ブレーキシリンダ側との間の作動液の流通状態を制御す
る弁子70およびそれが着座すべき弁座72と、それら
弁子70および弁座72の相対移動を制御する磁気力を
発生させるソレノイド74とを有している。
【0021】この圧力制御弁30においては、ソレノイ
ド74が励磁されない非作用状態(OFF状態)では、
スプリング76の弾性力によって弁子70が弁座72か
ら離間させられ、それにより、主通路18においてマス
タシリンダ側とブレーキシリンダ側との間での双方向の
作動液の流れが許容され、その結果、ブレーキ操作が行
われれば、ブレーキシリンダ液圧がマスタシリンダ液圧
と等圧で変化させられる。このブレーキ操作中、弁子7
0には、弁座72から離間する向きに力が作用するた
め、ソレノイド74が励磁されない限り、マスタシリン
ダ液圧すなわちブレーキシリンダ液圧が高くなっても、
弁子70が弁座72に着座してしまうことはない。すな
わち、圧力制御弁30は常開弁なのである。
【0022】これに対し、ソレノイド74が励磁される
作用状態(ON状態)では、ソレノイド74の磁気力に
よりアーマチュア78が吸引され、そのアーマチュア7
8と一体的に移動する可動部材としての弁子70が固定
部材としての弁座72に着座させられる。このとき、弁
子70には、ソレノイド74の磁気力に基づく吸引力F
1 と、ブレーキシリンダ液圧とマスタシリンダ液圧との
差に基づく力F2 とスプリング76の弾性力F3 との和
とが互いに逆向きに作用する。力F2 の大きさは、ブレ
ーキシリンダ液圧とマスタシリンダ液圧との差と、弁子
70がブレーキシリンダ液圧を受ける実効受圧面積との
積で表される。
【0023】ソレノイド74が励磁される作用状態(O
N状態)であって、ポンプ40の吐出圧すなわちブレー
キシリンダ液圧がそれほど増加せず、 F2 ≦F1 −F3 なる式で表される関係が成立する領域では、弁子70が
弁座72に着座し、ポンプ40からの作動液がマスタシ
リンダ14に逃げることが阻止され、ポンプ40の吐出
圧が増加し、ブレーキシリンダ20にマスタシリンダ液
圧より高い液圧が発生させられる。これに対し、ポンプ
40の吐出圧すなわちブレーキシリンダ液圧がさらに増
加し、 F2 >F1 −F3 なる式で表される関係が成立しようとする領域では、弁
子70が弁座72から離間し、ポンプ40からの作動液
がマスタシリンダ14に逃がされ、その結果、ポンプ4
0の吐出圧すなわちブレーキシリンダ液圧がそれ以上増
加することが阻止される。このようにしてブレーキシリ
ンダ20には、スプリング76の弾性力F 3 を無視すれ
ば、マスタシリンダ液圧に対してソレノイド吸引力F1
に基づく差圧分高い液圧が発生させられることになる。
【0024】また、この圧力制御弁30は、図3にグラ
フで表されているように、ソレノイド吸引力F1 の大き
さがソレノイド74の励磁電流Iの大きさに応じてリニ
アに変化するように設計されている。
【0025】図1に示すように、圧力制御弁30にはバ
イパス通路82が設けられており、そのバイパス通路8
2の途中にチェック弁84が設けられている。万が一、
ブレーキペダル10の踏み込み時に圧力制御弁30内の
可動部材に生ずる流体力によって圧力制御弁30が閉じ
ることがあっても、マスタシリンダ14からブレーキシ
リンダ20へ向かう作動液の流れが確保されるようにす
るためである。圧力制御弁30にはさらに、それに並列
にリリーフ弁86も設けられている。ポンプ40による
吐出圧が過大となることを防止するためである。
【0026】前記各分岐通路26の途中には常開の電磁
開閉弁である増圧弁90が設けられ、開状態でマスタシ
リンダ14からブレーキシリンダ20へ向かう作動液の
流れを許容する増圧状態を実現する。各増圧弁90には
バイパス通路92が接続され、各バイパス通路92には
作動液戻り用のチェック弁94が設けられている。各分
岐通路26のうち増圧弁90とブレーキシリンダ20と
の間の部分からリザーバ通路96が延びてリザーバ98
に至っている。各リザーバ通路96の途中には常閉の電
磁開閉弁である減圧弁100が設けられ、開状態でブレ
ーキシリンダ20からリザーバ98へ向かう作動液の流
れを許容する減圧状態を実現する。リザーバ98は、ハ
ウジングにリザーバピストン104が実質的に気密かつ
摺動可能に嵌合されて構成されるとともに、その嵌合に
よって形成されたリザーバ室106において作動液を弾
性部材としてのスプリング108によって圧力下に収容
するものである。
【0027】リザーバ98は吸入通路110によって前
記ポンプ40の吸入側に接続され、ポンプ40の吐出側
は吐出通路114によって主通路18のうち圧力制御弁
30と増圧弁90との間の部分に接続されている。吸入
通路110にはチェック弁である吸入弁116、吐出通
路114にはチェック弁である吐出弁118がそれぞれ
設けられている。吐出通路114にはさらに、絞りとし
てのオリフィス120と固定ダンパ122とがそれぞれ
設けられており、それらにより、ポンプ40の脈動が軽
減される。
【0028】ところで、効き特性制御の実行中には、ポ
ンプ40がリザーバ98から作動液を汲み上げ、その作
動液を各ブレーキシリンダ20に吐出することによって
各ブレーキシリンダ20が増圧されるが、アンチロック
制御が実行されていない場合には、リザーバ98に汲み
上げるべき作動液が存在しないのが普通であり、効き特
性制御の実行を確保するためには、アンチロック制御の
実行の有無を問わず、リザーバ98に作動液を補給する
ことが必要となる。そのため、本実施形態においては、
基幹通路24のうちマスタシリンダ14と圧力制御弁3
0との間の部分から延びてリザーバ98に至る補給通路
130が設けられている。しかし、この補給通路130
により常時マスタシリンダ14とリザーバ98とを互い
に連通させたのでは、ブレーキペダル10が踏み込み操
作されても、リザーバ98においてリザーバピストン1
04がボトミングした後でないとマスタシリンダ14が
昇圧することができず、ブレーキの効き遅れが生じる。
また、アンチロック制御中、ポンプ40は作動液をリザ
ーバ98からではなくマスタシリンダ14から汲み上げ
てしまい、リザーバ98による減圧機能が阻害される。
【0029】そこで、本実施形態においては、補給通路
130の途中に流入制御弁140が設けられている。流
入制御弁140は、マスタシリンダ14からリザーバ9
8への作動液の補給が必要であるときには開状態とな
り、マスタシリンダ14からリザーバ98への作動液の
流れを許容し、一方、マスタシリンダ14からリザーバ
98への作動液の補給が必要ではないときには閉状態と
なり、マスタシリンダ14からリザーバ98への作動液
の流れを阻止し、マスタシリンダ14による昇圧を可能
とする。本実施形態においては、流入制御弁140が常
閉の電磁開閉弁とされている。また、本実施形態におい
ては、マスタシリンダ14から作動液を導入することが
必要である場合であるか否かの判定が、アンチロック制
御中、リザーバ98においてポンプ40により汲み上げ
るべき作動液が存在しないか否かの判定とされ、また、
その作動液の存否判定が、増圧弁90が増圧状態にある
時間の積算値と、減圧弁100が減圧状態にある時間の
積算値とがそれぞれ演算されるとともに、それら増圧時
間と減圧時間とに基づいてリザーバ98における作動液
の残量が推定されることにより、行われる。
【0030】ブレーキ操作中、主通路18のうち圧力制
御弁30より上流側の部分内の作動液を利用してポンプ
40による作動液の加圧を行う際、その上流側部分内の
高圧の作動液をリザーバ98により低圧にしてポンプ4
0により汲み上げるより、リザーバ98により低圧にし
ないで汲み上げる方が、ポンプ40の作動応答性が向上
するとともに、ポンプ40の負担軽減によってポンプ4
0の低能力化が容易となる。
【0031】そこで、本実施形態においては、吸入通路
110のうち補給通路130との接続点とリザーバ通路
96との接続点との間の部分に、補給通路130からリ
ザーバ98に向かう作動液の流れを阻止し、その逆向き
の流れを許容するチェック弁142が設けられている。
【0032】図4には、ブレーキ装置の電気的構成が示
されている。ブレーキ装置は、CPU,ROMおよびR
AMを含むコンピュータを主体とするECU(電子制御
ユニット)150を備えている。ROMに効き特性制御
ルーチン(図5にフローチャートで表されている),流
入制御弁制御ルーチン(図6にフローチャートで表され
ている),アンチロック制御ルーチン(図示しない)お
よび推定車速演算ルーチン(図示しない)を始めとする
各種ルーチンが記憶されており、それらルーチンがCP
UによりRAMを使用しつつ実行されることにより、効
き特性制御とアンチロック制御とがそれぞれ実行され
る。
【0033】ECU150の入力側には、イグニション
スイッチ162,ブースタ負圧スイッチ164,マスタ
シリンダ液圧センサ166および車輪速センサ168が
接続されている。
【0034】イグニションスイッチ162は、運転者に
より操作可能な位置として「OFF」,「ACC」,
「ON」および「START」を備えており、操作され
た各操作位置を規定するイグニション信号を出力する。
このイグニションスイッチ162は、運転者により「O
FF」位置,「ACC」位置,「ON」位置および「S
TART」位置の順に操作されるように構成されてい
る。そして、イグニションスイッチ162が「ON」位
置に操作されたことに応じてECU150のコンピュー
タの電源が投入され、コンピュータが上記各種ルーチン
の実行を開始する。また、イグニションスイッチ162
が続いて「START」位置に操作されれば、エンジン
のクランキングが行われてエンジンが始動させられる。
エンジン始動後に運転者がイグニションスイッチ162
から手を離せば、「ON」位置に自動的に戻り、その
後、運転者による操作が加えられない限り、イグニショ
ンスイッチ162は「ON」位置に保持される。
【0035】ブースタ負圧スイッチ164は、ブースタ
12の変圧室12aの負圧が基準値より低い状態(負圧
不足状態)ではOFF状態のブースタ負圧信号(第1信
号)を出力し、基準値以上である状態(負圧正常状態)
ではON状態のブースタ負圧信号(第2信号)を出力す
る。本実施形態においては、ブースタ負圧スイッチ16
4が「ブースタ圧力センサ」の一例を構成している。
【0036】マスタシリンダ液圧センサ166は、マス
タシリンダ液圧を検出し、マスタシリンダ液圧の高さを
規定するマスタシリンダ液圧信号であってマスタシリン
ダ液圧が連続的に変化するのに応じて連続的に変化する
ものを出力する。
【0037】車輪速センサ168は、各輪毎に設けら
れ、各輪の車輪速を規定する車輪速信号を出力する。
【0038】一方、ECU150の出力側には、前記ポ
ンプ40を駆動するポンプモータ170が接続され、そ
のポンプモータ170にモータ駆動信号が出力される。
ECU150の出力側にはさらに、前記圧力制御弁30
のソレノイド74,流入制御弁140,増圧弁90およ
び減圧弁100の各ソレノイド174も接続されてい
る。圧力制御弁30のソレノイド74には、ソレノイド
74の磁気力をリニアに制御するための電流制御信号が
出力され、一方、流入制御弁140,増圧弁90および
減圧弁100の各ソレノイド174にはそれぞれ、ソレ
ノイド174をON/OFF駆動するためのON/OF
F駆動信号が出力される。
【0039】また、コンピュータは、イグニションスイ
ッチ162が「ON」位置に操作されたときから経過し
た経過時間tを計測するタイマを備えている。
【0040】ここで、ECU150による効き特性制御
を詳細に説明するが、まず、概略的に説明する。
【0041】ブースタ12は、ブレーキペダル10の踏
力Fがある値まで増加すると、変圧室12bの圧力が大
気圧まで上昇し切ってしまい、助勢限界に達する。助勢
限界後は、ブースタ12は踏力Fを助勢することができ
ないから、何ら対策を講じないと、図7にグラフで表さ
れているように、ブレーキの効き、すなわち、同じ踏力
Fに対応するブレーキシリンダ液圧PB の高さが助勢限
界がないと仮定した場合におけるブレーキシリンダ液圧
B の高さより低下する。かかる事実に着目して効き特
性制御が行われるのであり、具体的には、図8にグラフ
で表されているように、ブースタ12が助勢限界に達し
た後には、ポンプ40を作動させてマスタシリンダ液圧
M より差圧ΔP(ブレーキシリンダ液圧PB のマスタ
シリンダ液圧PM に対する増圧量)だけ高い液圧をブレ
ーキシリンダ20に発生させ、それにより、ブースタ1
2の助勢限界の前後を問わず、ブレーキの効きを安定さ
せる。ここに、差圧ΔPとマスタシリンダ液圧PM との
関係は例えば、図9にグラフで表されるものとされる。
【0042】しかし、ブースタ12は常に正常に作動す
るとは限らない。ブースタ12におけるシールの損傷や
前記バキュームホースの損傷などを原因として、負圧室
12aの負圧が基準値に到達しないこと、すなわち、ブ
ースタ12が失陥状態に陥ることがあるからである。こ
のような場合には、ポンプ40の作動開始条件をブース
タ12が正常である場合におけるより緩くし、容易にポ
ンプ40の作動が開始されるようにすることが車両制動
力を増加させるために望ましい。そのようなポンプ40
の作動開始制御を実現するために、本実施形態において
は、ポンプ40の作動を開始させるために実マスタシリ
ンダ液圧PM が超えなければならない基準マスタシリン
ダ液圧PM0が、ブースタ12が正常である場合における
より低く決定される。例えば、図10にグラフで表され
ているように、基準マスタシリンダ液圧PM0がブースタ
12の失陥時において正常時におけるより低くされ、具
体的には、失陥時には0、正常時にはA(>0)とされ
ている。
【0043】ところで、前述のように、各回の車両運転
当初において、必ず負圧室12aに十分に高い負圧が残
っているとは限らず、負圧室12aの負圧が基準値に到
達しない場合がある。この場合には、特別な対策を講じ
ない限り、今回の車両運転当初に、ECU150のコン
ピュータによって基準マスタシリンダ液圧PM0が0に決
定される。一方、運転者は、車両運転当初において、ブ
レーキペダル10を踏み込んでマスタシリンダ14に液
圧を発生させた状態でイグニションスイッチ162を
「ON」位置に操作するのが普通であり、よって、マス
タシリンダ14に液圧が発生している状態でコンピュー
タが動作を開始することになるのが普通である。
【0044】そのため、今回の車両運転当初に、実マス
タシリンダ液圧PM が基準マスタシリンダ液圧PM0を超
えてしまい、ポンプ40が作動を開始させられる。しか
し、車両運転当初には、普通、それほど大きな車両制動
力が必要とされるわけではないため、ポンプ40が無駄
に作動させられることとなり、ポンプ40の作動音によ
って車両の静粛性が損なわれる。また、本実施形態にお
いては、ポンプ40は作動時、マスタシリンダ14から
作動液を吸入するため、運転者が踏力Fを増加させよう
としているわけではないにもかかわらずブレーキペダル
10の操作位置が深くなってしまい、ブレーキ操作フィ
ーリングが悪化する。
【0045】そこで、本実施形態においては、負圧室1
2aの負圧が0である状態(大気圧である状態)でエン
ジンを始動させた場合に負圧が正常値まで上昇するのに
必要な時間を予め実験的に取得し、その昇圧所要時間が
経過していないうちは、図10にグラフで表されている
ように、基準マスタシリンダ液圧PM0が0より高い高さ
Bに決定され、それにより、基準マスタシリンダ液圧P
M0が0に決定された場合におけるより容易にはポンプ4
0の作動が開始されないようになっている。
【0046】具体的には、昇圧所要時間が経過していな
いか否かの判定が、イグニションスイッチ162が「O
N」に操作されたときから設定時間Tが経過していない
か否かの判定とされている。ここに、設定時間Tは、昇
圧所要時間と等しく設定されている。イグニションスイ
ッチ162が「OFF」位置から「ON」位置に操作さ
れた時期とエンジンの始動時期とは厳密には一致せず、
また、多少の差を許容して比較しても、常に一致すると
は限らないが、一般的には、互いに接近していると考え
ることができるからである。
【0047】また、基準マスタシリンダ液圧PM0の高さ
Bが、ブースタ12が正常である場合における高さAよ
り高く設定されている。ただし、高さAと等しく設定し
たり、0より高く、かつ、高さAより低く設定すること
ができる。
【0048】しかし、設定時間Tの経過前において常に
運転者がブレーキペダル10を軽く踏み込むとは限ら
ず、かなり大きい車両制動力を得ようとしてかなり強く
踏み込む場合も考えられる。設定時間Tの経過前に車両
が実際に走行を開始し、その後に車両を急に減速した
り、完全に停止させたりするためにブレーキペダル10
を踏み込む場合もあるからである。
【0049】そこで、本実施形態においては、車両が停
止状態から走行状態に移行したと判定されたときには、
経過時間Tの経過前であっても、ブースタ負圧スイッチ
164の出力信号に基づく基準マスタシリンダ液圧PM0
の決定が許可され、ポンプ40の作動開始が容易に行わ
れるようになっている。
【0050】すなわち、本実施形態においては、設定時
間Tの経過前であるという第1条件(「車両運転の開始
が検出された時期から基準時間が経過していない時期で
あるという第1条件」の一例)と、車両が停止状態にあ
るという第2条件とが同時に成立した場合において同時
に成立しない場合におけるより、基準マスタシリンダ液
圧PM0が高くなるように決定され、それにより、ポンプ
40の作動開始が困難となるようにされているのであ
る。
【0051】以上概略的に説明した効き特性制御の内容
を図5および図6のルーチンに基づいて具体的に説明す
る。
【0052】図5の効き特性制御ルーチンは、運転者に
よりイグニションスイッチ162が「ON」位置に操作
された後、繰り返し実行される。各回の実行時にはま
ず、ステップS1(以下、単に「S1」で表す。他のス
テップについても同じとする。)において、マスタシリ
ンダ液圧センサ166からマスタシリンダ液圧信号が取
り込まれ、次に、S2において、ブースタ負圧スイッチ
164からブースタ負圧信号が取り込まれる。
【0053】その後、S3において、前記タイマにより
計時された経過時間tに基づき、イグニションスイッチ
162が「ON」に操作されたときから設定時間Tが経
過していない(t<T)か否かが判定される。今回は設
定時間Tが経過していないと仮定すれば、判定がYES
となり、S4において、車両が停止状態にあるか否かが
判定される。具体的には、車速Vが基準値V0 (例え
ば、5km/h)より低いか否かが繰り返し判定され、
車速Vが基準値V0 より低い状態が一定時間連続したと
きに、車両が停止状態にあると判定される。なお、車速
Vは、前記推定車速演算ルーチンにより、前記車輪速セ
ンサ168の出力信号に基づく4輪の車輪速に基づいて
演算された推定車速として取得される。今回は車両が停
止状態にあると仮定すれば、判定がYESとなり、S5
において、基準マスタシリンダ液圧PM0が高さBに決定
される。
【0054】これに対して、設定時間Tの経過後である
ためにS3の判定がNOとなるか、または、設定時間T
の経過前であるが、車両が走行状態に移行したためにS
3の判定はYES、S4の判定はNOとなれば、S16
において、ブースタ負圧スイッチ164がONであるか
否か、すなわち、負圧室12aにおいて負圧が正常な高
さで発生しているか否かが判定される。今回はブースタ
負圧スイッチ164がONであると仮定すれば、判定が
YESとなり、S17において、ブースタ12が正常で
あると判定され、S18において、基準マスタシリンダ
液圧PM0が高さAに決定される。これに対して、今回は
ブースタ負圧スイッチ164がOFFであると仮定すれ
ば、S16の判定がNOとなり、S19において、ブー
スタ12が失陥していると判定され、S20において、
基準マスタシリンダ液圧PM0が0に決定される。
【0055】いずれの場合にも、その後、S6におい
て、ブースタ12が助勢限界に到達したか否かが判定さ
れる。具体的には、マスタシリンダ液圧信号に基づく実
マスタシリンダ液圧PM が基準マスタシリンダ液圧PM0
を超えたか否かが判定される。今回は超えていないと仮
定すれば、判定がNOとなり、S7において、圧力制御
弁30のソレノイド74にそれをOFFする信号が出力
され、それにより、圧力制御弁30が開状態とされる。
続いて、S8において、流入制御弁140のソレノイド
174にそれをOFFする信号が出力され、それによ
り、流入制御弁140が閉状態とされる。その後、S9
において、ポンプモータ170にそれをOFFする信号
が出力される。以上で本ルーチンの一回の実行が終了す
る。
【0056】これに対して、今回は実マスタシリンダ液
圧PM が基準マスタシリンダ液圧P M0を超えたと仮定す
れば、S6の判定がYESとなり、S11において、マ
スタシリンダ液圧PM の現在値の、基準マスタシリンダ
液圧PM0からの増分IPM に応じて目標差圧ΔPが演算
される。増分IPM と目標差圧ΔPとの関係がROMに
記憶されており、その関係に従って現在のマスタシリン
ダ液圧PM に対応する目標差圧ΔPが決定されるのであ
る。その関係は例えば、図11にグラフで表されている
ように、増分IPM が増加するにつれて目標差圧ΔPが
0からリニアに増加する関係とされる。
【0057】続いて、S12において、圧力制御弁30
のソレノイド74につき、目標差圧ΔPに応じたソレノ
イド電流値Iが演算される。目標差圧ΔPとソレノイド
電流値Iとの関係がROMに記憶されており、その関係
に従って目標差圧ΔPに対応するソレノイド電流値Iが
演算されるのである。続いて、S13において、そのソ
レノイド電流値Iで励磁電流がソレノイド74に供給さ
れることにより、圧力制御弁30が制御される。その
後、S14において、流入制御弁140が制御される。
【0058】このS14の詳細が図6に流入制御弁制御
ルーチンとしてフローチャートにより表されている。
【0059】まず、S61において、現在アンチロック
制御の実行中であるか否かが判定される。実行中ではな
いと仮定すれば判定がNOとなり、S62において、流
入制御弁140のソレノイド174にそれをONする信
号、すなわち、流入制御弁140を開かせるための信号
が出力される。これにより、マスタシリンダ14から作
動液が補給通路130を経てポンプ40に導入可能とな
る。以上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0060】これに対し、現在アンチロック制御の実行
中であると仮定すればS61の判定がYESとなり、S
63において、リザーバ98においてポンプ40により
汲み上げるべき作動液として存在する作動液の量の推定
演算、すなわち,リザーバ残量の推定演算が行われる。
続いて、S64において、推定されたリザーバ残量が0
であるか否か、すなわち、リザーバ98においてポンプ
40により汲み上げるべき作動液が存在しないか否かが
判定される。今回はリザーバ残量が0ではないと仮定す
れば、判定がNOとなり、S65において、流入制御弁
140のソレノイド174にそれをOFFする信号、す
なわち、流入制御弁140を閉じさせるための信号が出
力される。一方、今回はリザーバ残量が0であると仮定
すれば、S64の判定がYESとなり、S62におい
て、流入制御弁140にそれを開かせるための信号が出
力される。いずれの場合も、以上で本ルーチンの一回の
実行が終了し、図5のS15に移行する。
【0061】このS15においては、ポンプモータ17
0にそれをONする信号が出力され、これにより、ポン
プ40によりリザーバ98から作動液が汲み上げられ、
作動液が各ブレーキシリンダ20に吐出される。これに
より、各ブレーキシリンダ20がマスタシリンダ液圧P
M より目標差圧ΔPだけ高い液圧が発生させられる。以
上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0062】前記アンチロック制御ルーチンは、車輪速
センサ168により各輪の車輪速および車速を監視しつ
つ、増圧弁90は開状態、減圧弁100は閉状態とする
増圧状態,増圧弁90も減圧弁100も閉状態とする保
持状態および増圧弁90は閉状態、減圧弁100は開状
態とする減圧状態を選択的に実現することにより、車両
制動時に各輪がロックすることを防止する。さらに、ア
ンチロック制御ルーチンは、アンチロック制御中ポンプ
モータ170を作動させ、ポンプ40によりリザーバ9
8から作動液を汲み上げて主通路18に戻す。
【0063】このアンチロック制御ルーチンは、効き特
性制御ルーチンの実行の有無を問わず実行される。した
がって、効き特性制御の実行中であって、各輪のロック
傾向が過大となれば、アンチロック制御ルーチンが実行
され、その結果、各輪のブレーキの作動力が過大になら
ずに済む。
【0064】したがって、本実施形態によれば、車両運
転当初においてポンプ40が必要でないにもかかわらず
作動させられることが防止されるため、ポンプ40の作
動音の増加やブレーキペダル10の操作ストロークの増
加が防止されるという効果が得られる。
【0065】さらに、本実施形態によれば、車両運転当
初であっても、大きな車両制動力が必要である場合に
は、負圧室12aにおける負圧上昇を待つことなくポン
プ40が作動させられてブレーキシリンダ20が増圧さ
れるため、車両の制動性能の低下を回避しつつ車両の静
粛性やペダル操作フィーリングの低下が回避されるとい
う効果が得られる。
【0066】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、イグニションスイッチ162が請求項1
における「運転開始検出手段」の一例を構成し、前記タ
イマと、ECU150のうち図5のS3〜S5を実行す
る部分が「作動開始制御手段」の一例を構成するととも
に、請求項2における「作動開始条件決定手段」の一例
を構成しているのである。また、車輪速センサ168
と、ECU150のうち図のS4および推定車速演算ル
ーチンを実行する部分とが互いに共同して請求項3にお
ける「車両停止状態検出手段」の一例を構成しているの
である。また、圧力制御弁30と、ポンプ40と、リザ
ーバ98と、補給通路130と、流入制御弁140と、
マスタシリンダ液圧センサ166と、ECU150のう
ち図5のS1,S2,S6〜S9およびS11〜S20
ならびに図6のルーチンを実行する部分とが互いに共同
して請求項5における「増圧装置」の一例を構成すると
ともに、請求項1における「ブレーキ作動力増加装置」
の一例を構成しているのである。
【0067】なお付言すれば、図6の流入制御弁制御ル
ーチンにつき、リザーバ98における作動液の残量を直
接センサにより検出する改良を加えることができる。残
量は例えば、リザーバ98におけるリザーバピストン1
04に永久磁石を一体的に移動可能に設け、それに近接
してセンサとしてのリードスイッチを設けることにより
検出することができる。
【0068】図12には、別の実施形態における効き特
性制御ルーチンが示されている。なお、本実施形態は、
先の実施形態と効き特性制御ルーチンのみが異なり、他
の部分は共通であるため、効き特性制御ルーチンのみを
詳細に説明し、他の部分については詳細な説明を省略す
る。また、その効き特性制御ルーチンについては、先の
実施形態におけるものと共通するステップがあるため、
共通するステップについては同一の符号を使用すること
によって詳細な説明を省略し、異なるステップについて
のみ詳細に説明する。
【0069】本実施形態においては、S2の実行後、S
30において、ブースタ負圧スイッチ164がON(負
圧正常)であるか否かが判定される。今回はONではな
いと仮定すれば、判定がNOとなり、S31において、
イグニションスイッチ162が「ON」位置に操作され
たときから設定時間Tが経過していないか否かが判定さ
れる。今回は経過していないと仮定すれば、判定がYE
Sとなり、S32において、車両が実質的に停止状態に
あるか否かが判定される。今回は停止状態にあると仮定
すれば、判定がYESとなり、S33において、基準マ
スタシリンダ液圧PM0が高さBに決定される。その後、
S6以下に移行する。
【0070】これに対して、ブースタ負圧スイッチ16
4がOFFであり、かつ、設定時間Tの経過後である場
合には、S30の判定はNO、S31の判定もNOとな
り、S34において、ブースタ12が失陥していると判
定される。その後、S35において、基準マスタシリン
ダ液圧PM0が0に決定される。その後、S6以下に移行
する。
【0071】また、ブースタ負圧スイッチ164がOF
Fであり、かつ、設定時間Tの経過前であり、かつ、車
両が走行状態に移行した場合には、S30の判定はN
O、S31の判定はYES、S32の判定はNOとな
り、この場合にも、S35において、基準マスタシリン
ダ液圧PM0が0に決定される。その後、S6以下に移行
する。
【0072】また、ブースタ負圧スイッチ164がON
である場合には、S30の判定がYESとなり、S36
において、ブースタ12が正常であると判定され、S3
7において、基準マスタシリンダ液圧PM0が高さAに決
定される。その後、S6以下に移行する。
【0073】したがって、本実施形態においては、設定
時間Tの経過前において、一律に基準マスタシリンダ液
圧PM が高さBとされるのではなく、負圧室12aに正
常な高さが負圧が発生している場合には、基準マスタシ
リンダ液圧PM0がブースタ12が正常である場合の高さ
Aとされ、発生していない場合に限って、基準マスタシ
リンダ液圧PM が高さBとされる。しかし、それら高さ
AおよびBはいずれも、0より高いため、設定時間Tの
経過前に、ポンプ40の作動が容易に開始されることは
ない。
【0074】すなわち、本実施形態においては、設定時
間Tの経過前であるという第1条件と、車両が停止状態
にあるという第2条件と、負圧室12aの負圧が不足し
ているという第3条件とが同時に成立した場合におい
て、同時に成立しない場合におけるより、基準マスタシ
リンダ液圧PM0が高く決定され、それにより、ポンプ4
0の作動開始が困難となるようにされているのである。
【0075】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、イグニションスイッチ162が請求項1
における「運転開始検出手段」の一例を構成し、前記タ
イマと、ECU150のうち図12のS31〜S33を
実行する部分とが互いに共同して「作動開始制御手段」
の一例を構成するとともに、請求項2における「作動開
始条件決定手段」の一例を構成しているのである。
【0076】図13には、さらに別の実施形態における
効き特性制御ルーチンが示されている。なお、本実施形
態も、最先の実施形態と異なる部分についてのみ詳細に
説明する。
【0077】本実施形態においては、S2の実行後、S
40において、ブースタ負圧スイッチ164がON(負
圧正常)であるか否かが判定される。今回はONではな
いと仮定すれば、判定がNOとなり、S41において、
イグニションスイッチ162が「ON」位置に操作され
たときから設定時間Tが経過していないか否かが判定さ
れる。今回は経過していないと仮定すれば、判定がYE
Sとなり、S42において、車両が停止状態にあるか否
かが判定される。今回は停止状態にあると仮定すれば、
判定がYESとなり、直ちに、S7以下に移行し、ポン
プ40の作動が禁止される。
【0078】これに対して、ブースタ負圧スイッチ16
4がOFFであり、かつ、設定時間Tの経過後である場
合には、S40の判定はNO、S41の判定もNOとな
り、S43において、ブースタ12が失陥していると判
定される。その後、S44において、基準マスタシリン
ダ液圧PM0が0に決定される。その後、S6以下に移行
する。
【0079】また、ブースタ負圧スイッチ164がOF
Fであり、かつ、設定時間Tの経過前であり、かつ、車
両が走行状態に移行した場合には、S40の判定はN
O、S41の判定はYES、S42の判定はNOとな
り、この場合にも、S44において、基準マスタシリン
ダ液圧PM0が0に決定される。その後、S6以下に移行
する。
【0080】また、ブースタ負圧スイッチ164がON
である場合には、S40の判定がYESとなり、S45
において、ブースタ12が正常であると判定され、S4
6において、基準マスタシリンダ液圧PM0が高さAに決
定される。その後、S6以下に移行する。
【0081】したがって、本実施形態においては、負圧
室12aの負圧が不足しており、かつ、設定時間Tの経
過前であり、かつ、車両が停止状態にある場合には、基
準マスタシリンダ液圧PM0の決定も、実マスタシリンダ
液圧PM と基準マスタシリンダ液圧PM0との比較も行わ
れることなく、直ちに、ポンプ40の作動が禁止され
る。
【0082】すなわち、本実施形態においては、設定時
間Tの経過前であるという第1条件と、車両が停止状態
にあるという第2条件と、負圧室12aの負圧が不足し
ているという第3条件とが同時に成立した場合におい
て、ポンプ40の作動開始が禁止されるようにされてい
るのである。
【0083】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、イグニションスイッチ162が請求項1
における「運転開始検出手段」の一例を構成し、前記タ
イマと、ECU150のうち図13のS41およびS4
2を実行する部分とが互いに共同して「作動開始制御手
段」の一例を構成するとともに、請求項3における「作
動開始禁止手段」の一例を構成しているのである。
【0084】さらに別の実施形態を説明する。以上説明
した実施形態においてはいずれも、イグニションスイッ
チ162が「ON」位置に操作されれば普通、直ちにエ
ンジンが始動されるという事実に基づき、設定時間Tと
比較される経過時間tが、イグニションスイッチ162
が「ON」位置に操作される時期から計測されている。
しかし、常にそのような事実が成立するとは限らない。
【0085】そこで、本実施形態においては、図14に
示すように、エンジンが始動したことを検出するエンジ
ン始動センサ200が追加され、また、図15にフロー
チャートで表すように、ROMに経過時間計測ルーチン
が追加されることにより、経過時間tがエンジンの始動
時期から計測されるようになっている。
【0086】エンジン始動センサ200は例えば、エン
ジンの回転数(回転速度)を検出するエンジン回転数セ
ンサを含み、そのエンジン回転数センサにより検出され
たエンジン回転数が基準値(例えば、500rpm)以
上となったため、エンジンが自立回転可能となったとき
に、エンジンの始動を検出する態様とすることができ
る。
【0087】図15の経過時間計測ルーチンは、イグニ
ションスイッチ162が「ON」に操作された後、一定
の周期Δtで繰り返し実行される。各回の実行時にはま
ず、S101において、エンジン始動センサ200か
ら、エンジンが始動したか否かを表すエンジン始動信号
が取り込まれる。次に、S102において、そのエンジ
ン始動信号に基づき、エンジンの始動後であるか否かが
判定される。始動前であると仮定すれば、判定がNOと
なり、S103において、経過時間tを0にするための
信号が出力される。これに対して、エンジンの始動後で
あると仮定すると、S102の判定がYESとなり、S
104において、経過時間tが実行周期Δtだけ増加さ
せられる。このようにして本ルーチンの実行が繰り返さ
れることにより、エンジンが始動したときからの経過時
間tが計測される。
【0088】そのようにして計測された経過時間tは設
定時間Tと比較され、その結果に基づいてポンプ40の
作動開始が制御される。
【0089】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、エンジン始動センサ200が請求項1に
おける「運転開始検出手段」の一例を構成し、ECU1
50のうち図5のS3〜S5および図15の経過時間計
測ルーチンを実行する部分が「作動開始制御手段」の一
例を構成するとともに、請求項2における「作動開始条
件決定手段」の一例を構成しているのである。
【0090】さらに別の実施形態を説明する。以上説明
した実施形態においてはいずれも、ブレーキ操作中(た
だし、アンチロック制御中を除く。)において、ポンプ
40を作動させる必要性の有無が、ブースタ12の負圧
室12aの圧力を検出する前記ブースタ負圧スイッチ1
64と前記マスタシリンダ液圧センサ166との双方に
よって判定されるようになっているが、本実施形態にお
いては、図16に示すように、ブースタ負圧スイッチ1
64に代えて、変圧室12bの圧力が基準値となったこ
とを検出するブースタ圧力スイッチ210が設けられて
いる。ブースタ圧力スイッチ210は、変圧室21bの
圧力が基準値より低い状態ではOFF状態のブースタ圧
力信号を出力し、基準値以上の状態では、ON状態のブ
ースタ圧力信号を出力する。
【0091】このブースタ圧力スイッチ210は、大気
圧を基準値として、変圧室12bの圧力がその基準値よ
り負圧であるかによって異なる信号を出力する形式とす
ることができ、このようにした場合には、ブースタ圧力
スイッチ210が変圧室12bの圧力がその基準値であ
ることを検出したときに、ポンプ作動必要性があると判
定することができる。したがって、この場合には、ブー
スタ圧力スイッチ210単独でポンプ作動必要性判定が
可能となる。また、ブースタ圧力スイッチ210は、大
気圧より低い負圧を基準値として、変圧室12bの圧力
がその基準値より負圧であるかによって異なる信号を出
力する形式とすることもでき、このようにした場合に
は、マスタシリンダ液圧センサ166により検出された
実マスタシリンダ液圧PM の、変圧室12bの圧力が基
準値に達したときからの実際の増加量が、変圧室12b
の圧力がその基準値から大気圧まで増加するまでに増加
すると予想される量と等しくなったときに、ポンプ作動
必要性があると判定することができる。したがって、こ
の場合には、ブースタ圧力スイッチ210とマスタシリ
ンダ液圧センサ166との双方によってポンプ作動必要
性判定が可能となる。
【0092】図17には、本実施形態における効き特性
制御ルーチンが示されている。なお、本ルーチンのう
ち、図5のルーチンと共通する要素については簡単に説
明する。
【0093】まず、S201において、マスタシリンダ
液圧センサ166からマスタシリンダ液圧信号が取り込
まれ、次に、S202において、ブースタ圧力スイッチ
210からブースタ圧力信号が取り込まれる。その後、
S203において、前記タイマにより計時された経過時
間tに基づき、イグニションスイッチ162が「ON」
に操作されたときから設定時間Tが経過していないか否
かが判定される。今回は経過していないと仮定すれば、
判定がYESとなり、S204において、車両が停止状
態にあるか否かが判定される。今回は停止状態にあると
仮定すれば、判定がYESとなり、S205以下に移行
する。
【0094】S205においては、圧力制御弁30のソ
レノイド74にそれをOFFする信号が出力され、それ
により、圧力制御弁30が開状態とされる。続いて、S
206において、流入制御弁140のソレノイド174
にそれをOFFする信号が出力され、それにより、流入
制御弁140が閉状態とされる。その後、S207にお
いて、ポンプモータ170にそれをOFFする信号が出
力される。以上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0095】これに対して、設定時間Tの経過後である
ためにS203の判定がNOとなるか、または、設定時
間Tの経過前であるが、車両が走行状態に移行しために
S203の判定はYES、S204の判定はNOとなれ
ば、S208において、前述のポンプ作動必要性判定の
原理に基づき、ブースタ圧力スイッチ210のブースタ
圧力信号とマスタシリンダ液圧センサ166のマスタシ
リンダ液圧信号とのうち少なくともブースタ圧力信号に
基づき、ポンプ作動必要性が判定される。今回はポンプ
作動必要性がないと仮定すれば、判定がNOとなり、S
205以下に移行するが、今回はポンプ作動必要性があ
ると仮定すれば、判定がYESとなり、S209以下に
移行する。
【0096】S209においては、マスタシリンダ液圧
M の現在値の、ポンプ作動必要性があると判定された
ときの値PM1からの増分IPM に応じて目標差圧ΔPが
演算される。続いて、S210において、圧力制御弁3
0のソレノイド74につき、目標差圧ΔPに応じたソレ
ノイド電流値Iが演算され、S211において、その演
算されたソレノイド電流値Iで励磁電流がソレノイド7
4に供給されることにより、圧力制御弁30が制御さ
れ、S212において、流入制御弁140が制御され
る。その後、S213において、ポンプモータ170に
それをONする信号が出力される。以上で本ルーチンの
一回の実行が終了する。
【0097】なお付言すれば、先の実施形態において
は、ポンプ作動必要性が基本的にはブースタ12が正常
である場合と失陥した場合との2つの場合に分けて判定
されるようになっているが、本実施形態においては、ポ
ンプ作動必要性が基本的には負圧室12aの圧力の実際
値の連続的変化を考慮して判定されるようになってい
る。このことは、先の実施形態においては、基準マスタ
シリンダ液圧PM0がAと0というように大きさが不連続
に変化するのに対して、本実施形態においては、その基
準マスタシリンダ液圧PM0に相当する値PM1が、負圧室
12aの圧力の実際値に応じて大きさが連続的に変化す
るという相違点として現れている。したがって、本実施
形態によれば、ブースタ12の実際の助勢特性を決める
一変数である負圧室12aの圧力の実際値に正確に追従
した効き特性制御が可能となるという効果が得られる。
【0098】さらに付言すれば、本実施形態において
は、ポンプ作動必要性を基本的には負圧室12aの圧力
の実際値の連続的変化を考慮して判定するために、ブー
スタ圧力スイッチ210が設けられているが、負圧室1
2aの圧力を検出し、かつ、その圧力が連続的に変化す
るのに応じて連続的に変化する信号を出力するブースタ
圧力センサをブースタ圧力センサ210に代えて用いる
ことはもちろん可能である。
【0099】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、ブースタ圧力スイッチ210が請求項1
における「ブースタ圧力センサ」の一例を構成し、イグ
ニションスイッチ162が「運転開始検出手段」の一例
を構成し、前記タイマと、ECU150のうち図17の
S203およびS204を実行する部分とが互いに共同
して「作動開始制御手段」の一例を構成するとともに、
請求項3における「作動開始禁止手段」の一例を構成し
ているのである。
【0100】以上、本発明のいくつかの実施形態を図面
に基づいて詳細に説明したが、それらの他にも、特許請
求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて
種々の変形,改良を施した形態で本発明を実施すること
ができるのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるブレーキ装置を示す
系統図である。
【図2】図1における圧力制御弁30の構造および作動
を説明するための正面断面図である。
【図3】図2の圧力制御弁におけるソレノイド励磁電流
Iとソレノイド吸引力F1 との関係を示すグラフであ
る。
【図4】上記ブレーキ装置の電気的構成を示すブロック
図である。
【図5】図4におけるROMに記憶されているブレーキ
効き特性制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】図5におけるS8の詳細を流入制御弁制御ルー
チンとして示すフローチャートである。
【図7】バキュームブースタを備えた一般的なブレーキ
装置におけるブレーキ操作力Fとブレーキシリンダ液圧
B との関係を示すグラフである。
【図8】上記実施形態であるブレーキ装置におけるブレ
ーキ効き特性制御を説明するためのグラフである。
【図9】そのブレーキ効き特性制御におけるマスタシリ
ンダ液圧PM とマスタシリンダとブレーキシリンダとの
差圧ΔPとの関係を示すグラフである。
【図10】そのブレーキ効き特性制御におけるマスタシ
リンダ液圧PM と上記差圧ΔPとの関係がブースタの失
陥時と正常時とエンジン始動当初とで互いに異なる様子
を示すグラフである。
【図11】図5のS11におけるマスタシリンダ液圧P
M の増分IPM と上記差圧ΔPとの関係を示すグラフで
ある。
【図12】本発明の別の実施形態であるブレーキ装置に
おけるブレーキ効き特性制御ルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図13】本発明のさらに別の実施形態であるブレーキ
装置におけるブレーキ効き特性制御ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図14】本発明のさらに別の実施形態であるブレーキ
装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図15】図14におけるECUのコンピュータにより
実行される経過時間計測ルーチンを示すフローチャート
である。
【図16】本発明のさらに別の実施形態であるブレーキ
装置を示す系統図である。
【図17】そのブレーキ装置におけるブレーキ効き特性
制御ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 ブレーキペダル 12 ブースタ 14 マスタシリンダ 20 ブレーキシリンダ 30 圧力制御弁 40 ポンプ 150 ECU 162 イグニションスイッチ 164 ブースタ負圧スイッチ 166 マスタシリンダ液圧センサ 168 車輪速センサ 200 エンジン始動センサ 210 ブースタ圧力スイッチ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原動機を有する車両に設けられたブレーキ
    装置であって、 ブレーキ操作部材と、 前記原動機の始動に応じて負圧発生を開始する負圧源
    と、 その負圧源に接続された負圧室と、その負圧室と大気と
    に選択的に連通させられる変圧室との差圧に基づくパワ
    ーピストンの作動力によって前記ブレーキ操作部材の操
    作力を助勢するバキュームブースタと、 そのバキュームブースタの出力に基づいて車輪の回転を
    抑制するブレーキと、 前記バキュームブースタの負圧室と変圧室との少なくと
    も一方の圧力を検出するブースタ圧力センサと、 前記ブレーキ操作部材の操作中において、前記ブースタ
    圧力センサにより検出される圧力に基づく作動開始条件
    が成立したときに作動を開始し、前記ブレーキの作動力
    を増加させるブレーキ作動力増加装置と、 運転者による車両運転の開始を検出する運転開始検出手
    段と、 前記ブレーキ作動力増加装置の作動開始を、前記運転開
    始検出手段による車両運転開始の検出時期から基準時間
    が経過していない時期であるという第1条件を含む少な
    くとも一つの条件が同時に成立する場合において同時に
    成立しない場合におけるより困難にする作動開始制御手
    段とを含むことを特徴とするブレーキ装置。
  2. 【請求項2】前記作動開始制御手段が、前記ブレーキ作
    動力増加装置の前記作動開始条件を、前記少なくとも一
    つの条件が同時に成立する場合において同時に成立しな
    い場合におけるより成立することが困難となるように決
    定する作動開始条件決定手段を含む請求項1に記載のブ
    レーキ装置。
  3. 【請求項3】前記作動開始制御手段が、前記少なくとも
    一つの条件が同時に成立する場合に、前記ブレーキ作動
    力増加装置の作動開始を禁止する作動開始禁止手段を含
    む請求項1または2に記載のブレーキ装置。
  4. 【請求項4】さらに、車両の停止状態を検出する車両停
    止状態検出手段を含み、前記少なくとも一つの条件が、
    前記車両停止状態検出手段により車両の停止状態が検出
    されるという第2条件を含む請求項1ないし3のいずれ
    かに記載のブレーキ装置。
  5. 【請求項5】さらに、(a) 前記バキュームブースタの出
    力に基づいて液圧を発生させるマスタシリンダと、(b)
    そのマスタシリンダと液通路により接続され、その液通
    路から供給される液圧に基づいて前記ブレーキを作動さ
    せるブレーキシリンダとを含み、前記ブレーキ作動力増
    加装置が、(a) 前記液通路の途中に設けられ、前記マス
    タシリンダとブレーキシリンダとの間の作動液の双方向
    の流れを許容する状態と、ブレーキシリンダからマスタ
    シリンダに向かう作動液の流れを阻止する状態とを含む
    複数の状態に切り換わる制御弁と、(b) 前記液通路のう
    ちその制御弁と前記ブレーキシリンダとの間に吐出側が
    接続され、吸入側から作動液を汲み上げて吐出側に吐出
    するポンプとを含み、それら制御弁とポンプとの共同に
    よって前記ブレーキシリンダの増圧を行う増圧装置を含
    む請求項1ないし4のいずれかに記載のブレーキ装置。
  6. 【請求項6】前記ポンプが、それの吸入側が前記液通路
    のうち前記マスタシリンダと前記制御弁との間の部分に
    接続されたものである請求項5に記載のブレーキ装置。
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