JPH10250550A - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置

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Publication number
JPH10250550A
JPH10250550A JP7900097A JP7900097A JPH10250550A JP H10250550 A JPH10250550 A JP H10250550A JP 7900097 A JP7900097 A JP 7900097A JP 7900097 A JP7900097 A JP 7900097A JP H10250550 A JPH10250550 A JP H10250550A
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JP
Japan
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hydraulic pressure
output port
diameter
spool
control valve
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Application number
JP7900097A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Oikawa
浩隆 及川
Youichi Kumemura
洋一 久米村
Kunihiro Matsunaga
邦洋 松永
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキ液圧制御装置において、液圧制御弁
の比例ソレノイドの推力に対する出力ポートの圧力を大
きくし、応答性の向上をはかる。 【解決手段】 液圧制御弁本体30の段付孔31に小径スプ
ール32および大径スプール33を嵌装し、比例ソレノイド
34を取付ける。比例ソレノイド34の推力によってスプー
ル32,33が移動すすると、比例ソレノイド34の推力と、
大径スプール33と小径スプール32との受圧面積差による
差圧力とがバランスするまで出力ポート4の液圧が上昇
することになる。その際、出力ポート4が開口した段付
孔31の小径孔部35に出力ポート4とは独立させて開口さ
せたフィードバック通路43を介して、大径スプール33に
ブレーキ液圧を作用させるようにしたのでブレーキ液圧
の伝播遅れの発生がなくなり、オーバーシュートや脈動
の発生を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両のブレ
ーキ液圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】自動車等の車両の液圧制動装置において
は、運転者のブレーキペダル操作に基づいて、ホイール
シリンダに供給されるブレーキ液圧を電気的に制御し
て、倍力制御、アンチロック制御およびトラクション制
御等を可能としたブレーキ液圧制御装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種のブレーキ液圧
制御装置では、液圧ポンプ、アキュムレータ、リザーバ
等を備えて倍力されたブレーキ液を供給する液圧供給源
と、車輪毎に設けられ、液圧供給源から供給されるブレ
ーキ液の液圧によって制動力を発生させるホイールシリ
ンダと、液圧供給源とホイールシリンダとの間のブレー
キ液の給排を制御する液圧制御弁と、所望の制動力を発
生させるために、ホイールシリンダに供給するブレーキ
液の目標液圧を演算し、この目標液圧に対応する駆動信
号を液圧制御弁に出力してその作動を制御する弁制御装
置とから概略構成されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】一般に、この種ブレーキ
液圧制御装置に用いられる液圧制御弁について、図3を
参照して説明する。図3に示すように、液圧制御弁10
0は、スプール弁であって、液圧制御弁本体101の案
内孔102内にスプール103が摺動可能に嵌装されて
いる。液圧制御弁本体101には、案内孔102に連通
する入力ポート104、出力ポート105および排出ポ
ート106が設けられており、これらは、それぞれ液圧
供給源のアキュムレータ(高圧側)、ホイールシリン
ダ、および液圧供給源のリザーバ(低圧側)に接続され
ている。そして、スプール103によって入力ポート1
04と出力ポート105との間に可変絞りsが形成さ
れ、出力ポート105と排出ポート106との間に可変
絞りtが形成される。これにより、スプール103が図
中左方へ移動すると可変絞りsが開くとともに可変絞り
tが閉じ、図中右方に移動すると可変絞りsが閉じると
ともに可変絞りtが開くようになっている。
【0005】液圧制御弁本体101の一端部には、比例
ソレノイド107が取付けられ、その作動ロッド108
がスプール103の一端部に当接されている。これによ
り、比例ソレノイド107は制御装置から供給される駆
動電流の大きさに比例した推力でスプール103を図中
左方へ押圧するようになっている。液圧制御弁本体10
1の他端部には、反力室109が設けられ、反力室10
9はフィードバック通路110によって出力ポート10
5に連通されている。また、反力室109は、ガイド穴
111によって案内孔102に連通され、ガイド穴11
1には反力ピン112が液密かつ摺動可能に挿通されて
おり、反力室109内の液圧を受けてスプール103を
図中右方へ押圧するようになっている。
【0006】スプール103は、戻しばね113のばね
力によって図中右方に位置決めされており、作動ロッド
108は補助ばね114によってスプール103に当接
されている。また、反力ピン112は、戻しばね115
によってスプール103に当接されている。
【0007】そして、通常は、戻しばね113のばね力
によって、スプール103は、図中右方にあり、可変絞
りsが閉じ、可変絞りtが開いているので、出力ポート
105に液圧は作用せず、ホイールシリンダには制動力
が発生しない。制御装置によって比例ソレノイド107
に駆動電流が流れると、その駆動電流の大きさによって
作動ロッド108がスプール103を図中左方に押圧し
て移動させ、可変絞りsが開き、可変ポートtが閉じる
ので、液圧供給源の液圧が入力ポート104から出力ポ
ート105へ供給され、ホイールシリンダに制動力を発
生させる。
【0008】このとき、出力ポート105の液圧がフィ
ードバック通路110を介して反力室109に伝達さ
れ、反力ピン112がスプール103を図中右方へ押圧
するので、比例ソレノイド107の推力と、反力室10
9(出力ポート105)の液圧および戻しばね113の
ばね力とがバランスして、スプール103が可変絞りs
およびtを閉鎖する位置で停止するまで、出力ポート1
05の液圧が上昇する。これにより、比例ソレノイド1
07へ制御装置から供給される駆動電流の大きさに応じ
て出力ポート105の液圧を制御することができ、ホイ
ールシリンダに所望の制動力を発生させることができ
る。
【0009】図3に示す液圧制御弁100では、反力室
109の圧力による反力ピン112の押圧力と、比例ソ
レノイド107の推力とのバランスによって出力ポート
105の液圧を制御しているので、反力ピン112の受
圧面積を小さくすることにより、比例ソレノイド107
の推力に対する出力ポート105の圧力を大きくするこ
とができ、比例ソレノイド107への負荷を軽減して省
電力化および比例ソレノイド107の小型軽量化を図る
ことができる。なお、実際の車両への搭載を考慮した場
合、反力ピン113は、約1〜2mm程度の細径のもの
が望まれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、受圧面
積を小さくするために反力ピン112の直径を小さくす
ると、強度上、反力ピン112の全長が制限され、シー
ル長を十分長く取れないので、反力ピン112の摺動部
からのブレーキ液のリークが多くなって液圧制御弁10
0の作動効率が低下するという問題を生じる。また、細
径の反力ピン112は、加工が困難であり製造コストが
高くなる。
【0011】本発明は、上記の点を鑑みてなされたもの
であり、細径の反力ピンを用いることなく、比例ソレノ
イドの推力に対する出力ポートの圧力を大きくできるよ
うにし、応答性のよい液圧制御弁を備えたブレーキ液圧
制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記課題を解決するた
めに、請求項1の発明のブレーキ液圧制御装置は、倍力
されたブレーキ液を供給する液圧供給源と、車輪毎に設
けられ、該液圧供給源から供給されるブレーキ液の液圧
によって制動力を発生させるホイールシリンダと、該液
圧供給源とホイールシリンダとの間に設けられ、該液圧
供給源からホイールシリンダに供給されるブレーキ液を
調整する液圧制御弁と、所望の制動力を発生させるため
に、ホイールシリンダに供給するブレーキ液の目標液圧
を演算し、この目標液圧に対応する駆動信号を前記液圧
制御弁に出力する弁制御手段とを備えたブレーキ液圧制
御装置において、前記液圧制御弁は、内部に段付案内孔
を備え、該段付案内孔の小径孔部には前記液圧供給源の
高圧側に連通される入力ポートおよび前記ホイールシリ
ンダに連通される出力ポートをそれぞれ開口し、該段付
案内孔の大径孔部には前記液圧供給源の低圧側に連通さ
れる排出ポートを開口させるとともに、一側が前記段付
案内孔の小径孔部に該入力ポートおよび出力ポートとは
独立して開口し、他側が該段付案内孔の大径孔部に該排
出ポートとは独立して開口するフィードバック通路を備
えた液圧制御弁本体と、該液圧制御弁本体の段付案内孔
に嵌装され、該段付案内孔の小径孔部を摺動して前記入
力ポートを開閉する小径ランド部、および前記段付案内
孔の大径孔部を該小径ランド部に連動して摺動し、前記
排出ポートを開閉する大径ランド部を備えたスプール
と、前記出力ポートの前記入力ポート側に対する連通を
遮断するとともに、前記出力ポートを前記排出ポート側
に連通させるべく、該スプールを前記段付案内孔の一側
に付勢する付勢手段と、前記出力ポートの前記排出ポー
ト側に対する連通を遮断するとともに、前記出力ポート
を前記入力ポート側に連通させるべく、前記弁制御手段
から出力される駆動信号の大きさに応じて前記スプール
を該付勢手段に抗して前記段付案内孔の他側へ付勢する
比例ソレノイドとを備えたことを特徴とする。
【0013】このように構成したことにより、比例ソレ
ノイドの推力によってスプールが段付案内孔を一側へ移
動して出力ポートが入力ポート側に連通され、液圧供給
源からの圧力によって出力ポート側の液圧が上昇する
と、前記出力ポートと入力ポートとの連通を遮断するよ
うに、大径ランド部と小径ランド部との受圧面積差によ
ってスプールは段付案内孔を他側へ付勢されるため、比
例ソレノイドの推力と出力ポート側の液圧がバランスす
るまで出力ポート側の液圧が上昇することになり、比例
ソレノイドの推力に応じてホイールシリンダに所望の制
動圧を発生させることができる。このとき、大径ランド
部と小径ランド部との受圧面積差を小さくすると、比例
ソレノイドの推力に対する出力ポート側の液圧が大きく
なる。
【0014】さらに、フィードバック通路は一側が前記
段付案内孔の小径孔部に入力ポートおよび出力ポートと
は独立して開口した、ホイールシリンダへの液圧通路と
は独立の通路になっているので、ホイールシリンダの無
効液量に起因する圧力損失も生じない。このため、液圧
の大径ランド部の受圧面側への伝播遅れが防止でき、ス
プールの行き過ぎや、ホイールシンダに供給されるブレ
ーキ液圧の目標液圧に対するオーバーシュートや振動が
防止でき、応答性の向上がはかれる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0016】図1は、車両のブレーキ液圧制御装置1の
全体構成を示したもので、液圧制御弁2は各車輪毎に設
けられているが、説明簡便のため、図1ではそのうちの
2系統の液圧制御弁2a,2bのみを図示して説明す
る。
【0017】図1に示すように、ブレーキ液圧制御装置
1の液圧制御弁2a,2bの入力ポート3a,3bに
は、第1の供給管路6の各分岐端6a,6bが接続さ
れ、第1の供給管路6は常閉の電磁式開閉弁7を介して
液圧供給源8の高圧側に接続されている。また、液圧制
御弁2a,2bの出力ポート4a,4bには、それぞれ
出力管路9a,9bを介してホイールシリンダ10a,
10bが接続されており、排出ポート5a,5bには、
排出管路11の各分岐端11a,11bが接続され、排
出管路11は液圧供給源8の低圧側に接続されている。
【0018】また、出力ポート4aとホイールシリンダ
10aとの間の出力管路9a、および,出力ポート4b
とホイールシリンダ10bとの間の出力管路9bは、常
開の電磁開閉弁12が途中に設けられた連絡管路13に
よって連通されている。そして、一方の出力管路9aに
は、前記連絡管路13に加え、タンデムマスタシリンダ
14の一の出力ポート14pに一端側が接続された第2
の供給管路15の他端側が接続されている。この第2の
供給管路15の途中には、アキュムレータ16が接続さ
れた電磁切換弁17が設けられ、タンデムマスタシリン
ダ14の出力ポート14p側を前記出力管路9a側また
はアキュムレータ16側の一方に選択接続するようにな
っている。
【0019】ブレーキ液圧制御装置1には、ホイールシ
リンダ10a,10b、タンデムマスタシリンダ14の
出力ポート14p、および液圧供給源8のアキュムレー
タ18の液圧をそれぞれ検出する液圧センサ21,2
2,23と、車輪の回転速度を検出する速度センサ24
とが設けられており、また、これらの出力信号に基づい
て、液圧制御弁2、電磁式開閉弁7、液圧供給源8、電
磁開閉弁12、および電磁切換弁17を制御する弁制御
装置25が設けられている。
【0020】液圧供給源8は、図示せぬモータによって
液圧ポンプ19を駆動して発生させた液圧をアキュムレ
ータ18に蓄圧して、所定の倍力された液圧を液圧制御
弁2の入力ポート3へ供給するようになっている。アキ
ュムレータ18の液圧は、弁制御装置25によって、液
圧センサ23の出力信号に基づいてポンプ19の駆動を
制御することによって調整されている。なお、図中の符
号27は、アキュムレータ18の所定圧以上の液圧をリ
ザーバ20へ逃がす調圧弁である。
【0021】次に、図1に符号2a,2bで示した液圧
制御弁2の詳細構成について、図2に基づき説明する。
【0022】図2に示すように、液圧制御弁2は、スプ
ール弁であって、液圧制御弁本体30に設けられた案内
孔31内に、小径スプール32および大径スプール33
が摺動可能に嵌装され、案内孔31の開口部には比例ソ
レノイド34が取付けられている。
【0023】液圧制御弁本体30の案内孔31は、小径
の貫通孔からなる小径孔部35が形成された一側本体部
36に対し、この小径孔部35よりも大径な有底の大径
孔部37が形成された他側本体部38を、各孔部が同軸
となるように液密に接合して構成してなる段付形状とな
っている。液圧制御弁本体30には、案内孔31の小径
孔部35に連通する入力ポート3と、小径孔部36の入
力ポート3よりも案内孔31の開口部側に連通する第1
出力ポート4および第2出力ポート39と、大径孔部3
7の底部付近に連通する制御ポート40と、大径孔部3
7の制御ポート40よりも開口部側に連通する排出ポー
ト5とが設けられている。
【0024】案内孔31の小径孔部35には小径ランド
部を形成する小径スプール32(受圧面積A)が嵌装さ
れ、大径孔部37には大径ランド部を形成する大径スプ
ール33(受圧面積B(>A))が嵌装されており、小
径スプール32と大径スプール33とは互いに他端側と
一端側とが当接されて一体となっている。小径スプール
32によって、案内孔31の一端側に形成された第1液
圧室41と入力ポート39との間の流路面積を調整する
可変絞りsが形成されている。また、大径スプール33
によって、案内孔31の他端側に形成された第2液圧室
42と排出ポート5との間の流路面積を調整する可変絞
りtが形成されている。
【0025】そして、小径スプール32および大径スプ
ール33が案内孔31を他端側へ(図中左方へ)移動す
ると、可変絞りsが開くとともに可変絞りtが閉じ、中
間位置では可変絞りs,tが共に閉じ、案内孔31を他
端側へ(図中右方へ)移動すると、可変絞りsが閉じる
とともに可変絞りtが開くなるようになっている。な
お、第1出力ポート4および第2出力ポート39と、制
御ポート40とは、それぞれ第1液圧室41と第2液圧
室42とに常時連通されており、第2出力ポート39と
制御ポート40とは液圧制御弁本体30内に形成された
フィードバック通路43によって連通されているため、
第1液圧室41と第2液圧室42とは常時連通が保たれ
ている。また、小径スプール32と大径スプール33と
の間に形成されたドレン室44には、ドレンポート45
が開口され、常時ドレン室44はドレンポート45を介
して排出ポート5に連通されている。小径スプール32
および大径スプール33は、第2液圧室42内に設けら
れた戻しばね46によって図中右方へ付勢されている。
【0026】比例ソレノイド34は、その作動ロッド4
7の先端部が小径スプール32の一側端面に当接されて
おり、作動ロッド47の変位にかかわらず、コイル48
への駆動電流の大きさに比例した推力で、小径スプール
32および大径スプール33を図中左方へ押圧するよう
になっている。作動ロッド47は、補助ばね49のばね
力によって、図中左方に付勢されており、小径スプール
32の一側端面に常時当接されている。
【0027】液圧制御弁2は、入力ポート3、第1出力
ポート4および排出ポート5に、それぞれ第1の供給管
路6、出力管路9および排出管路11が接続されてブレ
ーキ液圧制御装置1に装着される。
【0028】以上のように構成した、ブレーキ液圧制御
装置1の作用について次に説明する。
【0029】まず、ブレーキペダル60を操作してマス
タシリンダ14から液圧を発生させた場合、この液圧を
液圧センサ22が検知して液圧の大きさに応じた検知信
号を出力する。弁制御装置25は、液圧センサ22から
の検知信号を受けると、電磁切換弁17を前記出力管路
9a側からアキュムレータ16側へ切換え連通させ、電
磁開閉弁12を閉弁するともに、電磁開閉弁7を開い
て、液圧供給源8と液圧制御弁2の入力ポート3との間
の第1の供給管路6を連通させる。また、弁制御装置2
5は、液圧センサ22からの検知信号、すなわちブレー
キペダル60の操作量に基づいて、液圧供給源8からホ
イールシリンダ10に供給する目標液圧を演算し、この
目標液圧に対応する駆動信号(電流)を液圧制御弁2の
比例ソレノイド34に出力し、比例ソレノイド34のコ
イル48にブレーキペダル60の操作量に応じた駆動電
流を流す。
【0030】液圧制御弁2では、比例ソレノイド34の
コイル48の駆動によって、作動ロッド47が小径スプ
ール32および大径スプール33を戻しばね46のばね
力に抗して図中左方にへ移動させる。この移動によっ
て、まず可変絞りtが閉じて出力ポート4と排出ポート
5との連通が遮断される。さらに小径スプール32およ
び大径スプール33が左方に移動することにより、可変
絞りsが開いて、その開度に応じて、入力ポート3と出
力ポート4とが液圧室41を介して連通される。これに
より、入力ポート3に接続された液圧供給源8と出力ポ
ート4に連通されたホイールシリンダ10とが、可変絞
りsおよび第1の液圧室41を介して連通され、液圧供
給源8からの液圧がホイールシリンダ10に供給されて
制動力が発生させられる。
【0031】このとき、第1の液圧室41の液圧すなわ
ち出力ポート4の液圧が、小径スプール32の一側の受
圧面(受圧面積A)および大径スプール33の他側の受
圧面(受圧面積B(>A))に作用して、その受圧面積
差(B−A)によって、小径スプール32および大径ス
プール33が図中右方へ押圧される。そして、比例ソレ
ノイド34の推力Fiと、液圧室41(すなわち出力ポ
ート4)の液圧および戻しばね46のばね力Fs(補助
ばね49との合成ばね力)とがバランスして、小径スプ
ール32および大径スプール33が可変絞りsおよびt
を閉鎖する中間位置に停止するまで、出力ポート4の液
圧が上昇する。このときの出力ポート4の液圧Psは、
(1)式で表わされる。 Ps=(Fi−Fs)/(B−A) ・・・ 式(1)
【0032】これにより、比例ソレノイド34のコイル
48への駆動電流に応じて、出力ポート4の液圧を制御
することができ、ホイールシリンダ10に供給する液圧
を制御することができるので、ブレーキペダル60の操
作力に応じて制動力を制御することができる。この場
合、マスタシリンダ14が発生する液圧に対して、液圧
供給源8から液圧制御弁2に供給される液圧を大きくす
ることによって倍力制御を行うことができる。
【0033】そして、この場合、大径スプール33と小
径スプール32との受圧面積差(B−A)小さくするこ
とにより、比例ソレノイド34の推力に対する出力ポー
ト4の液圧Psを大きくすることができ((1)式)、
比例ソレノイド34への負荷を軽減して省電力化および
比例ソレノイド34の小型軽量化を図ることができる。
また、従来の細径の反力ピンを用いる必要がないので、
反力ピンの摺動部からの油液のリークによる作動効率の
低下を防止することができ、従来の細径の反力ピンやそ
のガイドも不要となるので、製造コストを低減すること
ができる。
【0034】さらに、フィードバック通路43の一側が
第2の出力ポート39によって第1の液圧室41に直接
開口せず、第1出力ポート4とホイールシリンダ10と
の間の途中に接続し、フィードバック通路43の一側を
出力管路9で兼用した液圧制御弁では、上記ブレーキペ
ダル60を操作した場合、出力管路9にはホイールシリ
ンダ10に供給される無効液量分(ホイールシリンダ1
0の摩擦パッドをディスクロータ等に当接させるための
液量)のブレーキ液が流れるので、第1出力ポート4と
フィードバック通路43の接続部との間でも圧力損失が
発生することになる。そのため、上記のようにフィード
バック通路43の一側を出力管路9で兼用した液圧制御
弁では、第1出力ポート4とフィードバック通路43の
接続部との間で圧力損失した液圧が当初第2の液圧室4
2へ伝播されることとなるので、第2の液圧室42の液
圧は当初第1の液圧室39の液圧よりも低くなり、第1
の液圧室39から第2の液圧室42へのブレーキ液の液
圧伝播に実質的な遅れが生じることとなる。この結果、
液圧制御弁は入力ポート3を閉じるのが遅れ、オーバー
シュートや脈動が発生してしまう可能性がある。
【0035】しかし、本実施形態における液圧制御弁2
の場合は、第1の液圧室39から第2の液圧室42への
ブレーキ液の伝播は、第1の液圧室39に対して第1出
力ポート4とは別個に第1の液圧室41に対して開口さ
せた第2出力ポート39からフィードバック通路43を
介して行われ、フィードバック通路43の一側を出力管
路9で兼用していないので、上記ブレーキペダル操作時
にホイールシリンダ10に供給される無効液量分のブレ
ーキ液の流れによる圧力損失の影響を受けない。 これ
により、液圧制御弁2においては、第2の液圧室42へ
のブレーキ液の液圧の伝播に遅れが生じるのを防止で
き、小径スプール32および大径スプール33の行き過
ぎや、第1出力ポート4からの出力液圧がオーバーシュ
ートや振動を起こすのを防止することができる。
【0036】一方、上記制動状態からブレーキペダル6
0の操作を解除してマスタシリンダ14の液圧を低下さ
せた場合は、この液圧の低下に応じて液圧センサ22が
液圧信号を出力する。弁制御装置25は、液圧センサ2
2からの液圧信号に基づいて比例ソレノイド34のコイ
ル48への駆動電流を低下させる。
【0037】液圧制御弁2では、コイル48への駆動電
流の低下によって小径スプール32および大径スプール
33が図中右方へ移動し、可変絞りtが開いて出力ポー
ト4と排出ポート5とが第1の液圧室47、フィードバ
ック通路43および第2の液圧室42を介して排出ポー
ト5と連通される。この結果、ブレーキ液がホイールシ
リンダ10側からリザーバ20へ戻されて制動が解除さ
れる。そして、マスタシリンダ14の液圧の解除(ブレ
ーキペダルの非操作状態)が液圧センサ22によって検
知されたときには、弁制御装置25が電磁開閉弁7を閉
じて、第1の供給管路6を遮断するとともに、電磁切換
弁17を前記アキュムレータ16側から出力管路9a側
へ切換え連通させ、電磁開閉弁12を開弁する。
【0038】また、上記ブレーキ液圧制御装置1によれ
ば、液圧制御弁2a,2bはそれぞれ各車輪10a,1
0b毎に設けられ、同じく各車輪10a,10b毎には
速度センサ24a,24bが設けられている。したがっ
て、速度センサ24a,24bの出力信号に基づいて、
弁制御装置25は、各車輪10a,10bのスリップ状
態を判定し、これに基づいて液圧制御弁2a,2bのそ
れぞれのコイル48への駆動電流を制御して、各車輪1
0a,10b毎への制動力を各車輪10a,10b毎独
立させて加減することによって、アンチロック制御およ
びトラクション制御も行うことができる。
【0039】なお、本実施形態に採用した液圧制御弁2
では、小径スプール32と大径スプール33とを別体と
して、それらの両端側の第1,第2の液圧室41,42
の液圧によって、互いに当接させるようにし、また液圧
制御弁本体30も小径部35が形成された一側本体部3
6と大径部37が形成された他側本体部38とに別体構
成としたので、小径スプール32、大径スプール33、
一側本体部36および他側本体部38を正確に同心状に
配置する必要がなく、また、案内孔31およびスプール
弁も段付加工が不要となるので、各部を容易に加工する
ことができ、製造コストを低減することができるという
メリットがあるが、小径スプール32と大径スプール3
3、または一側本体部36と本体部38とは、別体構成
ではなく、一のスプール、一のケーシングとして一体的
に形成してもよい。
【0040】加えて、本実施形態のブレーキ液圧制御装
置1では、マスタシリンダ14の出力ポート14pに一
端側が接続された第2の供給管路15は、電磁切換弁1
7を介して、一方の液圧制御弁2aの出力管路9aに接
続されている。また、一方の液圧制御弁2aの出力管路
9aは、途中に常開の電磁開閉弁12が設けられた連絡
管路13を介して、他方の液圧制御弁2bの出力管路9
bに接続されている。
【0041】このため、連絡管路13を介して互いに連
通された液圧制御弁2のうち、例えば一方の液圧制御弁
2a側が故障して、ブレーキペダル60を操作して弁制
御装置25が液圧制御弁2a,2bのそれぞれのソレノ
イド34に駆動電流を供給しても、液圧センサ21bの
出力は上昇するものの、液圧センサ21aの出力は上昇
せず、出力管路2a側のみ液圧が発生しなくなった異常
状態であっても、弁制御装置25が自ら液圧制御弁2a
に出力している駆動電流と液圧センサ21aからの検知
信号との関係で異常を検出し、電磁開閉弁12を開弁す
ることによって、液圧制御弁2b側からホイールシリン
ダ10aへの加圧が可能である。
【0042】また、仮にホイールシリンダ10aが後輪
に備えられたものであり、ホイールシリンダ10bが前
輪に備えられたものである場合であっても、弁制御装置
25が液圧センサ21a,21bの出力に基づき電磁開
閉弁12の開・閉弁動作を調整することで、所定液圧値
以上においては後輪側のホイールシリンダ10aの液圧
を前輪側のホイールシリンダ10bの液圧よりも低くす
る液圧制御機能も可能である。
【0043】これにより、一の液圧制御弁2aの故障時
には、従来の電磁切換弁17を前記アキュムレータ16
側から出力管路9a側へ切換え連通させ、マスタシリン
ダ14からの倍力されていないブレーキ液を液圧制御弁
2a側のホイールシリンダ10aに導入する方法では、
他の正常な液圧制御弁2bによるホイールシリンダ10
bの制動力に対し、ホイールシリンダ10aの制動力の
低下は免れず、これによって車両全体としての制動力の
低下だけではなく、ヨーモーメントの発生等による車両
挙動の不安定化が生じる可能性がでてくる。
【0044】しかし、本実施形態のブレーキ液圧制御装
置1の場合は、上記出力管路2a,2b相互を電磁開閉
弁12を介して連絡管路13で連通できるようにしたこ
とより、上記ブレーキ液圧制御装置1の液圧制御弁2の
部分故障による制動機能低下を最小限に止めることがで
きる。
【0045】なお、本実施形態のブレーキ液圧制御装置
1の場合、液圧制御弁2a,2bの両方が故障して出力
管路2a,2bどちら側も液圧が発生しなくなった異常
状態でも、弁制御手段25が、電磁切換弁17を前記ア
キュムレータ16側から出力管路9a側へ切換え連通さ
せ、さらに電磁開閉弁12を開弁することにより、マス
タシリンダ14からの倍力されていないブレーキ液をホ
イールシリンダ10a,10bに導入することができ
る。そして、この場合であっても、従来は、第2の出力
管路15に関し、電磁切換弁17下流側の他端側を分岐
し、それぞれ電磁開閉弁を介して液圧制御弁2a,2b
の出力管路9a,9bに接続しなければならないが、前
述の出力管路2a,2b相互を電磁開閉弁12を介して
連絡管路13で連通できる構成を採用することにより、
電磁開閉弁12の数を少なくすることができ、コストダ
ウンがはかれるばかりか、弁制御手段25の制御負担も
軽減することができる。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明の
液圧制御弁装置によれば、ソレノイドの推力によってス
プールが他側側に移動して出力ポートが入力ポート側に
連通され、液圧供給源からの液圧によって出力ポート側
の圧力が上昇すると、大径ランド部と小径ランド部との
受圧面積差によってスプールが一側へ移動するため、比
例ソレノイドの推力とこの大径ランド部と小径ランド部
との受圧面積差による差圧力とがバランスするまで出力
ポート側の液圧が上昇することになり、ホイールシリン
ダに所望の制動力を発生させることができる。この場
合、大径ランド部と小径ランド部との受圧面積差を小さ
くすると、比例ソレノイドの推力に対する出力ポート側
の液圧が大きくなるので、比例ソレノイドの負荷を軽減
して省電力化および比例ソレノイドの小型軽量化を図る
ことができる。また、従来の細径の反力ピンを用いる必
要がないので、反力ピンの摺動部からの油液のリークに
よる作動効率の低下を防止することができ、また反力ピ
ンや反力室等が不要となるので、製造コストを低減する
ことができる。
【0047】さらに、フィードバック通路は一側が前記
段付案内孔の小径孔部に入力ポートおよび出力ポートと
は独立して開口した、ホイールシリンダへの液圧通路と
は独立の通路になっているので、ホイールシリンダの無
効液量に起因する圧力損失も生じない。このため、液圧
の大径ランド部の受圧面側への伝播遅れが防止でき、ス
プールの行き過ぎや、ホイールシンダに供給されるブレ
ーキ液圧の目標液圧に対するオーバーシュートや振動が
防止でき、作動の応答性の向上がはかれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のブレーキ液圧制御装置の全
体図である。
【図2】本発明の実施形態のブレーキ液圧制御装置の液
圧制御弁の断面図である。
【図3】従来のブレーキ液圧制御装置の液圧制御弁の断
面図である。
【符号の説明】
1 ブレーキ液圧制御装置 2 液圧制御弁 3 入力ポート 4 出力ポート(第1出力ポート) 5 排出ポート 8 液圧供給源 10 ホイールシリンダ 12 電磁開閉弁 13 連絡管路 25 弁制御装置 31 液圧制御弁本体 32 小径スプール 33 大径スプール 34 比例ソレノイド 39 第2出力ポート 40 制御ポート 43 フィードバック通路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 倍力されたブレーキ液を供給する液圧供
    給源と、 車輪毎に設けられ、該液圧供給源から供給されるブレー
    キ液の液圧によって制動力を発生させるホイールシリン
    ダと、 該液圧供給源とホイールシリンダとの間に設けられ、該
    液圧供給源からホイールシリンダに供給されるブレーキ
    液を調整する液圧制御弁と、 所望の制動力を発生させるために、ホイールシリンダに
    供給するブレーキ液の目標液圧を演算し、この目標液圧
    に対応する駆動信号を前記液圧制御弁に出力する弁制御
    手段とを備えたブレーキ液圧制御装置において、 前記液圧制御弁は、 内部に段付案内孔を備え、該段付案内孔の小径孔部には
    前記液圧供給源の高圧側に連通される入力ポートおよび
    前記ホイールシリンダに連通される出力ポートをそれぞ
    れ開口し、該段付案内孔の大径孔部には前記液圧供給源
    の低圧側に連通される排出ポートを開口させるととも
    に、一側が前記段付案内孔の小径孔部に該入力ポートお
    よび出力ポートとは独立して開口し、他側が該段付案内
    孔の大径孔部に該排出ポートとは独立して開口するフィ
    ードバック通路を備えた液圧制御弁本体と、 該液圧制御弁本体の段付案内孔に嵌装され、該段付案内
    孔の小径孔部を摺動して前記入力ポートを開閉する小径
    ランド部、および前記段付案内孔の大径孔部を該小径ラ
    ンド部に連動して摺動し、前記排出ポートを開閉する大
    径ランド部を備えたスプールと、 前記出力ポートの前記入力ポート側に対する連通を遮断
    するとともに、前記出力ポートを前記排出ポート側に連
    通させるべく、該スプールを前記段付案内孔の一側に付
    勢する付勢手段と、 前記出力ポートの前記排出ポート側に対する連通を遮断
    するとともに、前記出力ポートを前記入力ポート側に連
    通させるべく、前記弁制御手段から出力される駆動信号
    の大きさに応じて前記スプールを該付勢手段に抗して前
    記段付案内孔の他側へ付勢する比例ソレノイドとを備え
    たことを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
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