JPH10250401A - 被牽引車両の車輪間トルク授受装置 - Google Patents

被牽引車両の車輪間トルク授受装置

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JPH10250401A
JPH10250401A JP6099297A JP6099297A JPH10250401A JP H10250401 A JPH10250401 A JP H10250401A JP 6099297 A JP6099297 A JP 6099297A JP 6099297 A JP6099297 A JP 6099297A JP H10250401 A JPH10250401 A JP H10250401A
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JP
Japan
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gear set
vehicle
wheels
gear
towed vehicle
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JP6099297A
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Masao Teraoka
正夫 寺岡
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GKN Driveline Japan Ltd
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Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被牽引車両の回頭性を制御可能な車輪間トル
ク授受装置を、構成簡単で、部品点数が少なく、軽量
で、コンパクトにする。 【解決手段】 駆動車両3に牽引される被牽引車両5に
おいて、路面との摩擦トルクによりフリ−回転する車輪
31、33をそれぞれ連結する増速ギヤ組35及び減速
ギヤ組37と、車両の走行条件に応じて増速ギヤ組35
と減速ギヤ組37の一方を作動させ他方を非作動状態に
する切り換え装置とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、駆動車両に牽引
される被牽引車両の車輪間に配置される車輪間トルク授
受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5、図6、図7はトラクタ201(駆
動車両)とこれに牽引されるセミトレ−ラ203(被牽
引車両)からなる連結車両205を示す。図5は連結車
両205の直進走行状態を示し、図6と図7は連結車両
205の旋回走行状態を示している。又、図5と図6の
△印は互いの間で路面が連続していることを示し、図6
と図7の※印は互いの間で路面が連続していることを示
している。
【0003】セミトレ−ラ203の前部は矢印で示す連
結部207でトラクタ201に連結されており、後部に
は左右に車輪209、211がある。セミトレ−ラ20
3の重量は連結部207と各車輪209、211とに掛
かる。
【0004】これらの車輪209、211はそれぞれが
独立して回転(フリ−回転)するように支持されてお
り、走行に伴って路面との摩擦トルクにより連れ廻り回
転する。
【0005】トラクタ201とセミトレ−ラ203は互
いの連結部207を中心にして自由に回動可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、連結車
両205は連結部207を中心にしてトラクタ201と
セミトレ−ラ203とが自由に回動可能であり、この連
結部207での連結角という自由度があるから、例え
ば、トラクタ201の舵角が一定でも、トラクタ201
とセミトレ−ラ203とが一体的な挙動から逸脱して、
この連結角が増加するという不安定要素がある。
【0007】その上、セミトレ−ラ203の車輪20
9、211は互いにフリ−回転し、車輪209、211
の間で相対回転を拘束する拘束力がないから、セミトレ
−ラ203は連結部207で容易に回動し、この不安定
さを更に促進する。
【0008】又、制動時も、車輪209、211間の相
対回転は拘束されないから、不安定要素は軽減されな
い。
【0009】連結車両205が直進走行するときは、図
5の矢印213、215のように、トラクタ201とセ
ミトレ−ラ203は同一の方向に進行する。
【0010】しかし、旋回走行の場合は、セミトレ−ラ
203が遠心力を受けて外側に振り出され、車輪20
9、211を中心に外側に回頭しようとするが、車輪2
09、211間にこの回頭を防止する回転拘束力がない
から、セミトレ−ラ203のヨ−角速度がトラクタ20
1のヨ−角速度より大きくなるトレ−ラスイング現象が
生じる。
【0011】このトレ−ラスイング現象によるセミトレ
−ラ203の外側向きの回頭動作を連結部207に受け
ると、図6と図7のように、トラクタ201が内側に大
きく回頭し、トラクタ201とセミトレ−ラ203の連
結角が大きくなり、矢印217が示すトラクタ201の
進行方向と矢印219が示す連結車両205の進行方向
とに大きな差が生じる。
【0012】そして終には、図7のように、トラクタ2
01とセミトレ−ラ203とが連結部207を中心にし
て大きく折れ曲がるジャックナイフ現象に至り、連結車
両205は全くコントロ−ルを失ってしまう。
【0013】又、車輪209、211の相対回転が拘束
されないから、直線走行時であってもセミトレ−ラ20
3は不安定に回頭し易く、安定性が悪い。
【0014】このような現象はトレ−ラの回頭性を制御
できないことに起因する。
【0015】従来は、このような現象を防止するため
に、例えば、車輪209、211間でトルクを転送し、
旋回走行時にセミトレ−ラ203をトラクタ201の旋
回方向に回頭させる装置があり、効果を上げているが、
このような装置は、構成が簡単で、部品点数が少なく、
軽量で、コンパクトであることが望ましい。
【0016】そこで、この発明は、駆動車両と被牽引車
両とからなる連結車両において、被牽引車両の回頭性を
制御することができると共に、構成が簡単で部品点数が
少なく、軽量でコンパクトな被牽引車両の車輪間トルク
授受装置の提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の被牽引車
両の車輪間トルク授受装置は、駆動車両に牽引される被
牽引車両において、走行に伴う路面との摩擦トルクによ
りそれぞれが独立して回転する一対の車輪間に配置さ
れ、これらの車輪をそれぞれ連結する増速ギヤ組及び減
速ギヤ組と、車両の走行条件に応じて増速ギヤ組と減速
ギヤ組の一方を作動させ他方を非作動状態にする切り換
え装置とを備えたことを特徴とする。
【0018】このように、請求項1の車輪間トルク授受
装置では、一対の車輪をそれぞれ連結する増速ギヤ組と
減速ギヤ組とを設けると共に、これらの一方を連結し、
他方を切り離すように構成したことにより、車輪の一方
から他方へ摩擦トルクが転送されると共に、増速ギヤ組
と減速ギヤ組とを切り換えることによって、トルクの転
送方向は反対向きになる。
【0019】一方の車輪から他方の車輪へトルクを転送
すると、トルクを送られた車輪の回転トルクが増加しト
ルクを送った車輪の回転トルクが減少することにより、
トルクを送られた車輪が旋回の外側になるようなヨ−モ
−メントが被牽引車両に生じる。
【0020】従って、旋回走行時に旋回の外側になる車
輪側へトルクを転送すれば、外側に振り出される慣性に
抗して被牽引車両を内向きに回頭させるヨ−モ−メント
が得られる。
【0021】こうして、被牽引車両の回頭性を制御する
ことが可能になり、回頭性を向上させることによって、
トレ−ラスイング現象やジャックナイフ現象が防止さ
れ、連結車両の旋回性と安定性とが大きく向上する。
【0022】これに加えて、増速ギヤ組と減速ギヤ組と
をそれぞれ1組用いるだけでトルクの転送が行えるか
ら、この発明の車輪間トルク授受装置は、構成が簡単
で、部品点数が少なく、軽量で、コンパクトである。
【0023】請求項2記載の発明は、請求項1記載の被
牽引車両の車輪間トルク授受装置であって、増速ギヤ組
が、各車輪の車軸にそれぞれ連結された歯数の等しい第
1及び第2の車軸側ギヤと、第1の車軸側ギヤと噛み合
った歯数の大きいギヤと、第2の車軸側ギヤと噛み合っ
た歯数の小さいギヤとからなり、減速ギヤ組が、第1の
車軸側ギヤと噛み合った歯数の小さいギヤと、第2の車
軸側ギヤと噛み合った歯数の大きいギヤとからなること
を特徴とし、請求項1の構成と同等の効果を得る。
【0024】これに加えて、増速ギヤ組と減速ギヤ組
が、第1及び第2の車軸側ギヤを共用するから、この構
成の車輪間トルク授受装置は、更に、構成が簡単で、部
品点数が少なく、軽量で、コンパクトである。
【0025】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2記載の被牽引車両の車輪間トルク授受装置であっ
て、切り換え装置が、増速ギヤ組と減速ギヤ組とをそれ
ぞれ断続する一対のクラッチと、これらのクラッチを開
閉する一対のアクチュエ−タと、車両の走行条件に応じ
てアクチュエ−タを介し各クラッチを各別に開閉する制
御装置とを有することを特徴とし、請求項1又は請求項
2の構成と同等の効果を得る。
【0026】請求項4記載の発明は、請求項3記載の被
牽引車両の車輪間トルク授受装置であって、クラッチ
が、摩擦クラッチであることを特徴とし、請求項3の構
成と同等の効果を得る。
【0027】これに加えて、クラッチに摩擦クラッチを
用いたことにより、トルクの転送及び転送方向の切り換
えが瞬時に行える。
【0028】又、摩擦クラッチを適度に滑らせれば、転
送トルクの大きさを無段階に調整することができ、被牽
引車両の回頭性を走行条件に応じて精密に制御できるか
ら、連結車両の旋回性と安定性とが更に大きく向上す
る。
【0029】請求項5記載の発明は、請求項3記載の被
牽引車両の車輪間トルク授受装置であって、アクチュエ
−タが、油圧アクチュエ−タであり、駆動車両のエンジ
ン駆動力又は駆動系の回転によって駆動されるオイルポ
ンプから作動油圧を供給されることを特徴とし、請求項
3の構成と同等の効果を得る。
【0030】これに加えて、油圧アクチュエ−タに作動
油圧を供給するオイルポンプが、駆動車両に搭載される
から、被牽引車両はそれだけ軽量で、低コストになる。
【0031】請求項6記載の発明は、請求項3記載の被
牽引車両の車輪間トルク授受装置であって、アクチュエ
−タが、油圧アクチュエ−タであり、被牽引車両に搭載
された電動モ−タによって駆動されるオイルポンプから
作動油圧を供給されることを特徴とし、請求項3の構成
と同等の効果を得る。
【0032】これに加えて、油圧アクチュエ−タに作動
油圧を供給するオイルポンプを電動モ−タで駆動するよ
うに構成したことにより、このオイルポンプを被牽引車
両に搭載することができる。
【0033】こうして、車輪間トルク授受装置の油圧系
を被牽引車両の内部で構成できるから、駆動車両と被牽
引車両とを連結し切り離す度に、駆動車両と被牽引車両
との間で油圧系の接続と切り離しとを行う必要がなくな
り、作業性が大きく向上する。
【0034】又、駆動車両と被牽引車両との間で油圧系
を長く引き回す必要がなくなり、管路抵抗による油圧損
失が軽減するから、それだけオイルポンプの小型化が可
能になると共に、接続箇所でのオイル洩れから解放され
る。
【0035】
【発明の実施の形態】図1乃至図4によって本発明の一
実施形態を説明する。この実施形態は請求項1、2、
3、4、5の特徴を備えている。図1はこの実施形態の
車輪間トルク授受装置1を示しており、図2乃至図4は
トラクタ3(駆動車両)とトレ−ラ5(被牽引車両:セ
ミトレ−ラ)とを示している。
【0036】又、左右の方向は図1とトラクタ3及びト
レ−ラ5の左右の方向であり、図2と図3の△印は互い
の間で路面が連続していることを示し、図3と図4の※
印は互いの間で路面が連続していることを示している。
なお、符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0037】図2乃至図4のように、トラクタ3におい
て、エンジン7の駆動力はトランスミッション9から動
力伝達系11を介してリヤデフ13、15に伝達され、
各リヤデフ13、15からそれぞれ左右の後輪17、1
9,21、23に分配される。又、前輪25、27は操
舵に供される。
【0038】トラクタ3の後部とトレ−ラ5の前部は矢
印で示す連結部29で互いに連結されており、これらは
連結部29を中心にして自由に回動可能である。
【0039】トレ−ラ5の左車輪31と右車輪33は後
部に配置されている。これらの車輪31、33はそれぞ
れがフリ−回転可能に支持されており、走行に伴い路面
との間に発生する摩擦トルクによって連れ廻り回転す
る。
【0040】図1のように、車輪間トルク授受装置1
は、増速ギヤ組35、減速ギヤ組37、増速ギヤ組35
用の多板クラッチ39(摩擦クラッチ)、多板クラッチ
39を開閉する油圧アクチュエ−タ41、減速ギヤ組3
7用の多板クラッチ43(摩擦クラッチ)、多板クラッ
チ43を開閉する油圧アクチュエ−タ45、コントロ−
ルバルブ47、オイルポンプ49、アキュムレ−タ5
1、オイルタンク53、車速センサ55、操舵輪の操舵
角センサ57、ブレ−キON−OFFセンサ59、車輪
速センサ61、アクセル踏み角センサ63、C.P.
U.65(制御装置)、コントロ−ラ67(制御装置)
などから構成されている。
【0041】車輪間トルク授受装置1の増速ギヤ組3
5、減速ギヤ組37、多板クラッチ39、43、油圧ア
クチュエ−タ41、45は、トレ−ラ5に搭載されてお
り、その他の構成要素はトラクタ3に搭載されている。
【0042】増速ギヤ組35は、左車輪31の車軸69
に固定された車軸側ギヤ71と、左車輪33の車軸73
に固定された車軸側ギヤ75と、車軸側ギヤ71、75
とそれぞれ噛み合ったギヤ77、79から構成されてい
る。各車軸側ギヤ71、75の歯数は等しい。
【0043】又、各ギヤ77、79はギヤ径が略同一な
転位ギヤであり、左側ギヤ77の歯数は右側ギヤ79の
歯数より数枚(1〜2枚)少なくしてある。又、ギヤ7
7は車軸69、73に平行配置された軸81に固定され
ており、ギヤ79は軸81の外周に配置された中空軸8
3に固定されている。
【0044】又、多板クラッチ39はこれらの軸81と
中空軸83との間に配置されており、油圧アクチュエ−
タ41によって開閉され、ギヤ77、79の間で増速ギ
ヤ組35を断続する。
【0045】減速ギヤ組37は、各車軸側ギヤ71、7
5と、これらとそれぞれ噛み合ったギヤ85、87から
構成されている。
【0046】これらのギヤ85、87はギヤ径が略同一
な転位ギヤであり、左側ギヤ85の歯数は右側ギヤ87
の歯数より数枚(1〜2枚)多くしてある。又、ギヤ8
5は車軸69、73に平行配置された軸89に固定され
ており、ギヤ87は軸89の外周に配置された中空軸9
1に固定されている。
【0047】又、多板クラッチ43はこれらの軸89と
中空軸91との間に配置されており、油圧アクチュエ−
タ45によって開閉され、ギヤ85、87の間で減速ギ
ヤ組37を断続する。
【0048】オイルポンプ49はエンジン7の駆動力、
又は、トラクタ3の動力系の回転によって駆動され、オ
イルタンク53のオイルを加圧してコントロ−ルバルブ
47に送り、アキュムレ−タ51はこの油圧を安定化す
る。
【0049】コントロ−ルバルブ47は油圧経路93を
介して各油圧アクチュエ−タ41、45に接続されてお
り、オイルポンプ49から送られたオイルを油圧アクチ
ュエ−タ41、45のいずれか一方に送り他方を休止さ
せるか、又は、油圧アクチュエ−タ41、45へ送らず
にオイルタンク53へ戻す。
【0050】又、オイルを油圧アクチュエ−タ41、4
5に送る場合、コントロ−ルバルブ47は開度調整によ
って各油圧アクチュエ−タ41、45の作動油圧を調整
する。各油圧アクチュエ−タ41、45の作動油圧が調
整されると、各多板クラッチ39、43の締結力と滑り
が調整される。
【0051】C.P.U.65は、各センサ55、5
7、59、61、63からの信号に基づいて、トラクタ
3とトレ−ラ5が直進走行中か、旋回走行中か、旋回走
行中であれば舵角はどれ程か、高速で走行しているか、
低速で走行しているか、制動中か、加速中か、などの走
行条件を検知して、コントロ−ラ67にコントロ−ルバ
ルブ47の制御信号を送る。コントロ−ラ67はこの制
御信号によってコントロ−ルバルブ47を上記のように
制御する。
【0052】油圧が油圧アクチュエ−タ41、45に送
られないと、多板クラッチ39、43によってそれぞれ
増速ギヤ組35と減速ギヤ組37の両方が切り離される
から、トレ−ラ5の左車輪31と右車輪33は互いにフ
リ−回転可能になる。
【0053】又、多板クラッチ39が締結され多板クラ
ッチ43が開放されると、増速ギヤ組35が連結されて
減速ギヤ組37が切り離され、多板クラッチ43が締結
され多板クラッチ39が開放されると、減速ギヤ組37
が連結されて増速ギヤ組35が切り離される。
【0054】増速ギヤ組35だけを連結すると左車輪3
1と右車輪33の一方から他方へ回転トルクが転送さ
れ、減速ギヤ組37だけを連結するとトルクの転送方向
が逆になる。
【0055】更に、この転送トルクの大きさは、多板ク
ラッチ39、43の滑りを調整することによって制御で
きる。
【0056】図2のように、トラクタ3とトレ−ラ5が
直進走行しているときは、トラクタ3の進行方向95と
トレ−ラ5の進行方向97は一致しており、この間はト
レ−ラ5の左車輪31と右車輪33はフリ−回転させて
おく。このときの左車輪31と右車輪33の各回転トル
ク99、101は等しくなる。
【0057】しかし、図3のように、トラクタ3とトレ
−ラ5が左旋回を始めたときは、増速ギヤ組35と減速
ギヤ組37との切り換えによって左車輪31から右車輪
33へ回転トルクを転送させると、右車輪33の回転ト
ルク103が大きくなると共に左車輪31の回転トルク
105が小さくなり、外側に振り出す慣性に抗してトレ
−ラ5を左旋回させる回頭モ−メントが生じ、トラクタ
3の進行方向107(全体の進行方向109と同方向)
に応じた進行方向111にトレ−ラ5を回頭させる。
【0058】更に、図4のように、多板クラッチ39又
は多板クラッチ43の滑り量を調整し右車輪33への転
送トルクを増加すれば、右車輪33の回転トルク113
が更に大きくなり左車輪31の回転トルク115が更に
小さくなる。こうして、トレ−ラ5の左回頭モ−メント
が大きくなり、トラクタ3の進行方向117(全体の進
行方向119と同方向)に応じた進行方向121にトレ
−ラ5を回頭させる。
【0059】こうして、車輪間トルク授受装置1が構成
されている。
【0060】上記のように、車輪間トルク授受装置1
は、車輪31、33の間で回転トルクを転送することに
よってトレ−ラ5の回頭性が向上し、トレ−ラスイング
現象やジャックナイフ現象が防止され、トラクタ3とト
レ−ラ5の旋回性と安定性とを大きく向上させる。
【0061】又、増速ギヤ組35と減速ギヤ組37とを
それぞれ1組用いるだけで双方向にトルクを転送できる
と共に、増速ギヤ組35と減速ギヤ組37が、各車軸側
ギヤ71、75を共用しているから、車輪間トルク授受
装置1は、構成が簡単で、部品点数が少なく、軽量で、
コンパクトである。
【0062】又、多板クラッチ39、43を用いたこと
により、トルクの転送及び転送方向の切り換えが瞬時に
行えると共に、多板クラッチ39、43を適度に滑らせ
ることによって、転送トルクの大きさを無段階に調整す
ることができる。
【0063】このように、トレ−ラ5の回頭性を精密に
制御できるから、トラクタ3とトレ−ラ5の旋回性と安
定性とを走行条件に応じて更に大きく向上させることが
できる。
【0064】又、オイルポンプ49とアキュムレ−タ5
1とオイルタンク53がトラクタ3に搭載されるから、
トレ−ラ5はそれだけ軽量で低コストになる。
【0065】なお、請求項6の発明のように、オイルポ
ンプ49を電動モ−タで駆動するように構成すれば、こ
れらをトレ−ラ5に搭載することによって車輪間トルク
授受装置1の油圧系をトレ−ラ5の内部で構成すること
が可能になる。
【0066】この構成によれば、トラクタ3とトレ−ラ
5とを連結し切り離す度に、これらの間で油圧系の接続
と切り離しとを行う必要がなくなり、作業性が大きく向
上する。
【0067】又、油圧系をトラクタ3とトレ−ラ5との
間で長く引き回す必要がなくなり、管路抵抗による油圧
損失が軽減するから、それだけオイルポンプ49の小型
化が可能になると共に、接続箇所でのオイル洩れから解
放される。
【0068】
【発明の効果】請求項1の被牽引車両の車輪間トルク授
受装置は、増速ギヤ組と減速ギヤ組とを切り換えて車輪
間で双方向に回転トルクを転送することにより、被牽引
車両の回頭性が向上し、トレ−ラスイング現象やジャッ
クナイフ現象が防止され、駆動車両と被牽引車両の旋回
性と安定性などが大きく向上する。
【0069】又、増速ギヤ組と減速ギヤ組とをそれぞれ
1組用いるだけでトルクの転送が行えるから、構成が簡
単で、部品点数が少なく、軽量で、コンパクトである。
【0070】請求項2記載の発明は、請求項1の構成と
同等の効果を得ると共に、増速ギヤ組と減速ギヤ組が各
車軸側ギヤを共用するから、この構成の車輪間トルク授
受装置は、更に、構成が簡単で、部品点数が少なく、軽
量で、コンパクトである。
【0071】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2の構成と同等の効果を得る。
【0072】請求項4記載の発明は、請求項3の構成と
同等の効果を得ると共に、クラッチに摩擦クラッチを用
いたことにより、トルクの転送及び転送方向の切り換え
が瞬時に行えると共に、摩擦クラッチを適度に滑らせれ
ば、転送トルクの大きさを無段階で調整することがで
き、被牽引車両の回頭性を走行条件に応じて精密に制御
できるから、連結車両の旋回性と安定性とが更に大きく
向上する。
【0073】請求項5記載の発明は、請求項3の構成と
同等の効果を得ると共に、油圧アクチュエ−タに作動油
圧を供給するオイルポンプが駆動車両に搭載されるか
ら、被牽引車両はそれだけ軽量で、低コストになる。
【0074】請求項6記載の発明は、請求項3の構成と
同等の効果を得ると共に、オイルポンプを電動モ−タで
駆動することにより、車輪間トルク授受装置の油圧系を
被牽引車両の内部で構成できるから、駆動車両と被牽引
車両とを連結し切り離す都度、駆動車両と被牽引車両と
の間で油圧系の接続と切り離しとを行う必要がなくな
り、作業性が大きく向上する。
【0075】又、駆動車両と被牽引車両との間で油圧系
を長く引き回す必要がないから、管路抵抗による油圧損
失が軽減し、それだけオイルポンプの小型化が可能にな
ると共に、接続箇所でのオイル洩れから解放される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示す図面である。
【図2】図1の実施形態が用いられたトレ−ラとトラク
タとが直進走行する状態を示すスケルトン機構図であ
る。
【図3】図2の車両が旋回走行する状態を示すスケルト
ン機構図である。
【図4】図3と同様に、図2の車両が旋回走行する状態
を示すスケルトン機構図である。
【図5】従来のトレ−ラとトラクタとが直進走行する状
態を示すスケルトン機構図である。
【図6】従来のトレ−ラとトラクタとが旋回走行する状
態を示すスケルトン機構図である。
【図7】図6と同様に、従来のトレ−ラとトラクタとが
旋回走行する状態を示すスケルトン機構図である。
【符号の説明】
1 車輪間トルク授受装置 3 トラクタ(駆動車両) 5 トレ−ラ(被牽引車両) 31、33 トレ−ラの車輪 35 増速ギヤ組 37 減速ギヤ組 39、43 多板クラッチ(摩擦クラッチ) 41、45 油圧アクチュエ−タ(アクチュエ−タ) 49 オイルポンプ 65 C.P.U.(制御装置) 67 コントロ−ラ(制御装置) 69、73 車軸 71、75 車軸側ギヤ 77 歯数の小さいギヤ(増速ギヤ組) 79 歯数の大きいギヤ(増速ギヤ組) 85 歯数の大きいギヤ(減速ギヤ組) 87 歯数の小さいギヤ(減速ギヤ組)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動車両に牽引される被牽引車両におい
    て、走行に伴う路面との摩擦トルクによりそれぞれが独
    立して回転する一対の車輪間に配置され、これらの車輪
    をそれぞれ連結する増速ギヤ組及び減速ギヤ組と、車両
    の走行条件に応じて増速ギヤ組と減速ギヤ組の一方を作
    動させ他方を非作動状態にする切り換え装置とを備えた
    ことを特徴とする被牽引車両の車輪間トルク授受装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、増速ギヤ
    組が、各車輪の車軸にそれぞれ連結された歯数の等しい
    第1及び第2の車軸側ギヤと、第1の車軸側ギヤと噛み
    合った歯数の大きいギヤと、第2の車軸側ギヤと噛み合
    った歯数の小さいギヤとからなり、減速ギヤ組が、第1
    の車軸側ギヤと噛み合った歯数の小さいギヤと、第2の
    車軸側ギヤと噛み合った歯数の大きいギヤとからなるこ
    とを特徴とする被牽引車両の車輪間トルク授受装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の発明であっ
    て、切り換え装置が、増速ギヤ組と減速ギヤ組とをそれ
    ぞれ断続する一対のクラッチと、これらのクラッチを開
    閉する一対のアクチュエ−タと、車両の走行条件に応じ
    てアクチュエ−タを介しクラッチを各別に開閉する制御
    装置とを有することを特徴とする被牽引車両の車輪間ト
    ルク授受装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の発明であって、クラッチ
    が、摩擦クラッチであることを特徴とする被牽引車両の
    車輪間トルク授受装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の発明であって、アクチュ
    エ−タが、油圧アクチュエ−タであり、駆動車両のエン
    ジン駆動力又は駆動系の回転によって駆動されるオイル
    ポンプから作動油圧を供給されることを特徴とする被牽
    引車両の車輪間トルク授受装置。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の発明であって、アクチュ
    エ−タが、油圧アクチュエ−タであり、被牽引車両に搭
    載された電動モ−タによって駆動されるオイルポンプか
    ら作動油圧を供給されることを特徴とする被牽引車両の
    車輪間トルク授受装置。
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