JP3599847B2 - 車両の左右輪間の連結装置 - Google Patents

車両の左右輪間の連結装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の左右の車輪、特に、エンジンで駆動されない左右の従動輪間に設けられる連結装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の連結装置として、特開平5−131855号公報により、左右の車輪間に、左右一方の車輪の回転を増速して他方の車輪に伝達する第1の連結経路と、一方の車輪の回転を減速して他方の車輪に伝達する第2の連結経路とを設け、両連結経路に夫々クラッチを介設して、一方の車輪が内輪となる旋回時には第1の連結経路用のクラッチを係合し、また、一方の車輪が外輪となる旋回時には第2の連結経路用のクラッチを係合し、外輪を内輪に比し積極的に増速させて、内輪側での制動力と外輪側での駆動力を発生させ、旋回性能を向上させるようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、雪道等の滑り易い路面での発進時、従動輪を電動モータ等の駆動源により駆動して発進アシストを行うことが考えられており、左右の車輪間の差回転を発生させて旋回性能を向上させる、という上記した旋回制御機能に加えて発進アシスト機能を得られるようにすることが望まれている。
本発明は、発進アシスト用の駆動源を利用して左右の車輪間の差回転を発生し得るようにした、上記要望に適合するコンパクトで安価な連結装置を提供することを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明の第1の特徴によれば、車両の左右の車輪間に設けられる連結装置であって、第1回転要素と第1回転要素に対し一方が正転するときに他方が逆転する第2と第3の回転要素とを有する差動装置と、差動装置の第1回転要素に連結される駆動源と、差動装置の第2回転要素を左右の車輪のうちの一方に連結する第1伝動系と、差動装置の第3回転要素を左右の車輪のうちの他方に連結する、切換手段を介して選択的に確立される第2と第3の1対の伝動系とを備え、第1伝動系と第2伝動系とのギア比を互に同一の第1のギア比に設定し、第3伝動系のギア比を第1のギア比とは異なる第2のギア比に設定するものとした。
【0005】
車両の発進時は、第2伝動系を確立した状態で駆動源を正転又は逆転するもので、これによれば差動装置から左右の車輪に夫々ギア比の等しい第1と第2の伝動系を介して等分に駆動力が伝達され、左右の車輪が共に正転又は逆転されて、前進又は後進の発進アシストが行なわれる。
【0006】
発進後は、第3伝動系を確立すると共に駆動源を停止するもので、この場合、第3伝動系のギア比たる第2のギア比を第1伝動系のギア比とは方向が反対で絶対値が等しくなるように設定しておけば、左右の車輪が等速度で回転している限り差動装置の第1回転要素は回転しなくなる。従って、駆動源を制動して第1回転要素の回転を規制すれば、左右の車輪間の差動制限が行なわれ、直進安定性が向上する。
【0007】
また、第3伝動系を確立した状態で駆動源を正転すると、左右の車輪の一方が他方に対し増速され、駆動源を逆転すると、左右の車輪の他方が一方に対し増速される。従って、旋回時に外輪となる車輪が増速されるように駆動源を正逆転すれば、外輪に駆動力、内輪に制動力が加わって旋回方向へのヨーモーメントが発生し、旋回性能が向上する。
【0008】
上記のものでは、差動装置を1個として第2と第3の伝動系を選択的に確立しているが、差動装置を2個用いて同様の作用を得ることもできる。そこで、本発明の第2の特徴によれば、車両の左右の車輪間に設けられる連結装置であって、第1回転要素と第1回転要素に対し一方が正転するときに他方が逆転する第2と第3の回転要素とを有する第1と第2の1対の差動装置と、第1差動装置の第1回転要素と第2差動装置の第1回転要素とに切換手段を介して選択的に連結される駆動源とを備え、第1差動装置の第2回転要素と第3回転要素とを左右の車輪のうちの一方と他方とに互に同一の第1のギア比で連結すると共に、第2差動装置の第2回転要素を左右の車輪のうちの一方に第2のギア比で連結し、第2差動装置の第3回転要素を左右の車輪のうちの他方に第2のギア比とは異なる第3のギア比で連結するものとした。
【0009】
このものにおいて駆動源を第1差動装置の第1回転要素に連結すれば、上記第1の特徴において第2伝動系を確立したときと同様の状態になり、発進時にこの状態で駆動源を正転又は逆転すれば、左右の車輪に等分に駆動力が伝達され、前進又は後進の発進アシストが行われる。
【0010】
また、駆動源を第2差動装置の第1回転要素に連結すれば、上記第1の特徴において第3伝動系を確立したときと同様の状態になる。そして、第3のギア比を第2のギア比とは方向が反対で絶対値が等しくなるように設定しておけば、左右の車輪が等速度で回転している限り第2差動装置の第1回転要素は回転しないから、駆動源を制動して第2差動装置の第1回転要素の回転を規制することにより、左右の車輪間の差動制限を行なって直進安定性を向上でき、また、旋回時に駆動源の正逆転で外輪を増速させて旋回性能を向上できる。
【0011】
このように、本発明によれば、第1の特徴と第2の特徴の何れにおいても、差動装置と駆動源との有機的な組合わせにより、発進アシスト制御と旋回制御と更には差動制限制御とを行い得る、コンパクトで安価な連結装置を得られる。
【0012】
ところで、第1の特徴における第3伝動系を確立した状態、第2の特徴における駆動源を第2差動装置の第1回転要素に連結した状態では、左右の車輪間の差回転を生ずると、差動装置(第2の特徴では第2差動装置)の第1回転要素が差回転に応じた速度で回転して駆動源が逆駆動されるから、ブレーキング時に片輪がロックする等して左右の車輪間に過大な差回転が発生すると、駆動源が過回転して駆動源の耐久性が悪化する。
【0013】
この場合、左右の車輪間の差回転が所定値以上になったときに左右の車輪間の連結又は差動装置(第2の特徴では第1と第2の両差動装置)と駆動源との間の連結を解除するクラッチ手段を設けておけば、過大な差回転による駆動源の過回転を防止でき、駆動源の耐久性を向上する上で有利である。
【0014】
尚、第1の特徴における切換手段を、第2と第3の両伝動系の何れをも確立しない中立状態に切換自在とし、第2の特徴における切換手段を、一方の差動装置の第1回転要素と他方の差動装置の第1回転要素との何れにも駆動源を連結しない中立状態に切換自在とし、左右の車輪間の差回転が所定値以上になったときに切換手段を中立状態に切換えるようにすれば、クラッチ手段を別途設けなくても駆動源の過回転を防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、エンジン1により変速機2を介して左右の前輪3L,3Rを駆動する前輪駆動車両を示しており、各前輪3L,3Rは両端に等速ジョイント4aを有する各ドライブシャフト4L,4Rを介して変速機2に連結されている。
【0016】
従動輪たる左右の後輪5L,5Rには夫々両端に等速ジョイント6aを有する連結軸6L,6Rが連結され、両連結軸6L,6R間に連結装置7が介設されている。
【0017】
連結装置7は、図2に示す如く、差動装置8と、駆動源9とを備えている。差動装置8は、デフケース8aに傘歯車から成る左右1対のサイドギア8b,8cと両サイドギア8b,8cに噛合するピニオン8dとを軸支して成る傘歯車式差動装置で構成されている。そして、デフケース8aに固定のリングギア8eに駆動源9の出力軸9a上のギア9bを噛合して、駆動源9をデフケース8aに連結すると共に、左右一方のサイドギア、例えば、右側のサイドギア8cを第1伝動系10を介して右後輪5R用の連結軸6Rの等速ジョイント6aに連結し、また、左側のサイドギア8bを切換手段13を介して選択的に確立される第2と第3の伝動系11,12を介して左後輪5L用の連結軸6Lの等速ジョイント6aに連結している。
【0018】
第1と第2の伝動系10,11は、ドライブギア10a,11aとドリブンギア10b,11bとから成るギア列で構成され、両伝動系10,11のギア比は互に同一の第1のギア比r1に設定されている。第3の伝動系12は、ドライブギア12aと中間のアイドルギア12bとドリブンギア12cとから成るギア列で構成され、そのギア比は第1のギア比r1とは方向が反対で絶対値が等しい第2のギア比r2(=−r1)に設定されている。
【0019】
尚、差動装置8を、サンギアとリングギアと該両ギアに噛合するピニオンギアを支持するキャリアとから成る遊星歯車式差動装置で構成し、キャリアに駆動源9を連結すると共に、サンギアとリングギアとのうちの一方、例えば、サンギアを第1伝動系10を介して左右の後輪5L,5Rのうちの一方、例えば、右後輪5Rに連結し、リングギアを第2と第3の伝動系11,12を介して左後輪5Lに連結しても良い。この場合、キャリアに対しサンギアが正逆転したとき、リングギアは、キャリアに対するサンギアの相対回転速度をv、リングギアとサンギアのギア比(リングギアの歯数/サンギアの歯数)をrpとして、キャリアに対しv/rpの相対回転速度でサンギアとは反対方向に回転するから、第2伝動系11のドリブンギア11bとドライブギア11aのギア比(ドリブンギアの歯数/ドライブギアの歯数)をr1/rpに設定し、リングギアを含む第2伝動系11全体のサンギアに対するギア比をr1に設定する。同様に第3伝動系12のドリブンギア11cとドライブギア11aのギア比もr1/rpに設定する。
【0020】
駆動源9は、2段の遊星歯車式減速機を内蔵する電動モータで構成されており、コントローラ14によりドライバー回路9cを介して制御される。ドライバー回路9cは、図示しないが、従来公知の正逆転切換回路と回生ブレーキ回路とを内蔵している。尚、駆動源9を電動モータ以外のもの、例えば、油圧モータで構成することも可能である。
【0021】
切換手段13は、サイドギア8bのギア軸上に、第2と第3の両伝動系11,12のドライブギア11a,12a間に位置させて設けた、軸方向に移動自在なドグ部材13aを有するドグクラッチで構成されており、コントローラ14で制御されるソレノイド13bによりドグ部材13aを移動して、両伝動系11,12のドライブギア11a,12aをサイドギア8bに選択的に連結するようにしている。尚、第2と第3の両伝動系11,12のドライブギア11a,12aをサイドギア8bに直結し、両伝動系11,12のドリブンギア11b,12cを切換手段13を介して等速ジョイント6aに選択的に連結するようにしても良い。また、第2伝動系11と第3伝動系12とにドグクラッチや電磁クラッチ等から成る各別のクラッチを介設し、両クラッチの一方を係合させることで対応する一方の伝動系を選択的に確立させるようにしても良いが、切換手段13の簡素化を図るには共通1個のドグクラッチを用いる図示例のものが好適である。
【0022】
コントローラ14には、左右の前輪3L,3Rの速度を検出する車輪速センサ15L,15Rと、左右の後輪5L,5Rの速度を検出する車輪速センサ16L,16Rと、ブレーキランプスイッチ17と、サイドブレーキスイッチ18と、バックライトスイッチ19と、舵角センサ20との信号が入力されている。
【0023】
そして、コントローラ14は、図3に示す如く、エンジン1や変速機2を制御するメインコントローラ(図示せず)からの信号を受けて、発進操作中か否かの判別を行い(S1)、発進時は発進アシスト制御を行ない(S2)、発進後は旋回制御及び差動制限制御を行なう(S3)。
【0024】
発進アシスト制御の詳細は図4に示すとおりであり、先ず、システムの異常の有無を判別し(Q1)、異常が無ければ前輪速度Vfと後輪速度Vrとの速度差△Vを演算し(Q2)、△Vが設定値△VSを上回っているか否かを判別する(Q3)。△V>△VSになるのは駆動輪たる前輪がスリップしているときであり、この場合、後輪速度Vr、即ち、車速が設定値VrS(例えば15km/h)以上になるまでは発進アシストが必要になり、一方、ブレーキがかかっているときは発進アシストを行なっても無駄である。そこで、△V>△VSのときは、次に、後輪速度VrがVrS未満、ブレーキランプがOFF、サイドブレーキスイッチがOFFの3条件が成立しているか否かを判別する(Q4,Q5,Q6)。そして、3条件が成立しているときは、バックライトがOFFか否かを判別し(Q7)、バックライトがOFFの時、即ち、前進時は、切換手段13で第2伝動系11を確立すると共に駆動源9を正転し(Q8)、バックライトがONのとき、即ち、後進時は、切換手段13で第2伝動系11を確立すると共に駆動源9を逆転する(Q9)。
【0025】
ここで、第2伝動系11を確立すると、差動装置8の左右のサイドギア8b,8cが互に同一の第1のギア比r1で左右の後輪5L,5Rに連結されることになり、駆動源9により差動装置8のデフケース8aが正転又は逆転されると、左右の後輪5L,5Rに左右のサイドギア8b,8cを介して等分に駆動力が伝達され、前進又は後進の発進アシストが行われる。
【0026】
システムに異常が有ったときや、発進アシストが不要なとき、即ち、△V≦△VSのときや、Vr≧VrSのときや、ブレーキランプがONのときや、サイドブレーキスイッチがONのときは、切換手段13で第3伝動系12を確立すると共に駆動源9を停止する(Q10)。
【0027】
発進後、切換手段13は、第3伝動系12を確立する状態に維持されるが、駆動源9は旋回制御に際して正逆転される。即ち、左旋回時に駆動源9を正転し、右旋回時に駆動源9を逆転する。ここで、第3伝動系12の確立状態では、左側のサイドギア8bが右側のサイドギア8aとは反対方向に回転することになり、前進走行時に左右の後輪5L,5Rが等速度で回転していると、左側のサイドギア8bが右側のサイドギア8cの正転速度に等しい速度で逆転し、ピニオン8dが定位置で自転するためデフケース8aは回転しない。この状態において駆動源9の正転でデフケース8aを正転させると、ピニオン8dを介して右側のサイドギア8cが左側のサイドギア8bよりも高速で正転されるようになり、また、駆動源9の逆転でデフケース8aを逆転させると、ピニオン8dを介して左側のサイドギア8bが右側のサイドギア8cよりも高速で逆転されるようになる。かくて、左旋回時に駆動源9を正転すれば、右後輪5Rが積極的に増速されて、左右の後輪5L,5R間の差回転を生じ、その結果、外輪たる右後輪5Rに駆動力、内輪たる左後輪5Lに制動力が加わって左旋回方向へのヨーモーメントが発生し、左旋回性能が向上する。右旋回時に駆動源9を逆転すれば、外輪たる左後輪5Lが積極的に増速されることになり、右旋回性能が向上する。
【0028】
尚、旋回制御に際しては、車速と舵角とから車両の目標旋回半径を演算し、左右の後輪5L,5R間の差回転の値がこの目標旋回半径に適合する値になるように駆動源9を制御する。
【0029】
差動制限制御は、直進走行時や高速旋回時に、駆動源9を回生ブレーキ回路の閉成で制動することにより行なう。これによれば、デフケース8aの回転が規制されて、左右のサイドギア8b,8cがピニオン8dを介して互に反対方向に等速度で回転されるようになり、かくて、左右の後輪5L,5R間の差回転が駆動源9の制動力によって制限される。その結果、外乱等により車両にヨーモーメントが加わったときに、これに抵抗するモーメントが発生し、直進安定性や高速旋回安定性が向上する。
【0030】
ところで、左右の後輪5L,5R間の差回転を生ずると、デフケース8aが差回転に応じた速度で回転して駆動源9が逆駆動される。そのため、ブレーキング時に片輪がロックする等して左右の後輪5L,5R間に過大な差回転が発生すると、駆動源9が過回転して耐久性に悪影響が及ぶ。
【0031】
そこで、図5に示すものでは、左右の後輪5L,5R間、例えば差動装置8と第1伝動系10との間にクラッチ手段21を介設し、左右の後輪5L,5R間の差回転が所定値以上になったとき、クラッチ手段21をOFFして差動装置8と第1伝動系10との間の連結を解除するようにした。これによれば、左右の後輪後輪5L,5R間の差回転による駆動源9の逆駆動を生じなくなり、過大な差回転による駆動源9の過回転が防止されて、駆動源9の耐久性が向上する。
【0032】
クラッチ手段21は、差動装置8のサイドギア8cに連結される固定ドグ部材21aと、第1伝動系10のドライブギア10aに回り止めして軸方向に進退自在に設けた可動ドグ部材21bとから成るドグクラッチで構成されており、可動ドグ部材21bをコントローラ14により制御されるソレノイド21cにより固定ドグ部材21aに係脱して、クラッチ手段21をON,OFFする。
【0033】
コントローラ14は、図6に示す如く、上記と同様に発進アシスト制御や旋回制御や差動制限制御を行う共に(S2,S3)、左右の後輪5L,5R間の差回転が所定値以上になったか否かを判別し(S4)、差回転が所定値未満のときはクラッチ手段21をONし(S5)、差回転が所定値以上になったときクラッチ手段21をOFFする(S6)。
【0034】
尚、クラッチ手段21として電磁クラッチや油圧クラッチを用いても良い。また、クラッチ手段21を、図7に示す如く、差動装置8と駆動源9との間、例えば、駆動源9の出力軸9a上に設けても良い。この場合、クラッチ手段21を上記のものと同様にコントローラ14によって、ON,OFFされるものとしても良いが、通常走行時、駆動源9は左右の後輪5L,5R間の差回転を生じないと逆駆動されないから、クラッチ手段21を常時はONする遠心クラッチで構成し、左右の後輪5L,5R間の過大な差回転で駆動源9が所定速度以上で逆駆動されたときにクラッチ手段21がOFFされるようにしても良い。
【0035】
また、切換手段13を第2と第3の両伝動系11,12の何れをも確立しない中立状態に切換自在とし、左右の後輪5L,5R間の差回転が所定値以上になったときに切換手段13を中立状態に切換えるようにしても、駆動源9の過回転を防止できる。これによれば、クラッチ手段21が不要となり、構造の簡素化を図れる。
【0036】
図8は更に別の実施形態を示し、このものでは第1と第2の1対の差動装置8,8を設けており、第1差動装置8の左右のサイドギア8b,8cを夫々左右の後輪5L,5Rに互に同一の第1のギア比で連結すると共に、第2差動装置8の一方のサイドギア、例えば、右側のサイドギア8cを第2のギア比で右後輪5Rに連結し、第2差動装置8の左側のサイドギア8bを第2のギア比とは方向が反対で絶対値が等しい第3のギア比で左後輪5Lに連結している。
【0037】
尚、図示例では、第1差動装置8の左右の各サイドギア8b,8cは、各後輪5L,5R用の連結軸6L,6Rの等速ジョイントに直結されており、上記第1のギア比は「1」になる。また、第2差動装置8の右側のサイドギア8cは、ドライブギア22aとドリブンギア22bとから成るギア列22を介して右後輪5R用の連結軸6Rの等速ジョイント6aに連結されており、上記第2のギア比はドライブギア22aとドリブンギア22bのギア比に等しい。第2差動装置8の左側のサイドギア8bは、ドライブギア23aと中間のアイドルギア23bとドリブンギア23cとから成るギア列23を介して左後輪5L用の連結軸6Lの等速ジョイント6aに連結されており、ドライブギア23aとドリブンギア23cのギア比をドライブギア22aとドリブンギア22bのギア比に等しくしている。
【0038】
駆動源9の出力側には切換手段24が設けられている。切換手段24は、駆動源9の出力軸9a上に設けた、第1差動装置8のデフケース8aに固定のリングギア8eに噛合するドグギア24aと、第2差動装置8のデフケース8aに固定のリングギア8eに噛合するドグギア24bと、両ドグギア24a,24bに選択的に係合する軸方向に移動自在なドグ部材24cとを有するドグクラッチで構成されており、コントローラ14で制御されるソレノイド24dによりドグ部材24cを移動して、駆動源9を第1と第2の各差動装置8,8のデフケース8aに選択的に連結し得るようにしている。
【0039】
そして、コントローラ14によりソレノイド24dを制御して、発進アシスト制御に際しては、駆動源9を第1差動装置8のデフケース8aに連結し、発進後は駆動源9を第2差動装置8のデフケース8aに連結する。駆動源9を第1差動装置8のデフケース8aに連結すると、上記実施形態における第2伝動系11の確立時と同様の状態になり、駆動源9を正転又は逆転することにより、第1差動装置8を介して左右の後輪5L,5Rに等分に駆動力が伝達され、前進又は後進での発進アシストが行われる。
【0040】
駆動源9を第2差動装置8のデフケース8aに連結すると、上記実施形態における第3伝動系12の確立時と同様の状態になり、左方旋回時に駆動源9を正転し、右方旋回時に駆動源9を逆転することにより、外輪となる後輪を増速して旋回性能を向上させることができ、また、直進走行時や高速旋回時に駆動源9を制動することにより、左右の後輪5L,5Rの差動を制限して、直進安定性や高速旋回安定性を向上させることができる。
【0041】
尚、左右の後輪5L,5R間に、図9に示す如く、上記と同様のクラッチ手段21を介設し、左右の後輪5L,5R間の差回転が所定値以上になったときにクラッチ手段21をOFFすれば、過大な差回転による駆動源9の過回転を防止できる。また、駆動源9の出力軸9a上に遠心クラッチ等のクラッチ手段を設け、差回転が所定値以上になったときにクラッチ手段をOFFして、両差動装置8,8と駆動源9間の連結を解除するようにしても、過大な差回転による駆動源9の過回転を防止できる。更に、切換手段24を、第2差動装置8のデフケース8aと第2差動装置8のデフケース8aとの何れにも駆動源9を連結しない中立状態に切換自在とすれば、クラッチ手段21を設けなくても、差回転が所定値以上になったときに切換手段24を中立状態に切換えることにより、過大な差回転による駆動源9の過回転を防止できる。
【0042】
以上、前輪駆動車両の後輪間の連結装置に本発明を適用した実施形態について説明したが、後輪駆動車両の前輪間の連結装置にも同様に本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の使用例を示す図
【図2】本発明装置の第1実施形態を示すスケルトン図
【図3】第1実施形態の制御プログラムを示すフローチャート
【図4】発進アシスト制御用のサブルーチンを示すフローチャート
【図5】本発明装置の第2実施形態を示すスケルトン図
【図6】第2実施形態の制御プログラムを示すフローチャート図
【図7】本発明装置の第3実施形態を示すスケルトン図
【図8】本発明装置の第4実施形態を示すスケルトン図
【図9】本発明装置の第5実施形態を示すスケルトン図
【符号の説明】
5L,5R 後輪(左右の車輪) 7 連結装置
8,8,8 差動装置 8a デフギア(第1回転要素)
8b,8c サイドギア(第2と第3の回転要素)
9 駆動源 10 第1伝動系
11 第2伝動系 12 第3伝動系
13,24 切換手段 21 クラッチ手段

Claims (7)

  1. 車両の左右の車輪間に設けられる連結装置であって、第1回転要素と第1回転要素に対し一方が正転するときに他方が逆転する第2と第3の回転要素とを有する差動装置と、差動装置の第1回転要素に連結される駆動源と、差動装置の第2回転要素を左右の車輪のうちの一方に連結する第1伝動系と、差動装置の第3回転要素を左右の車輪のうちの他方に連結する、切換手段を介して選択的に確立される第2と第3の1対の伝動系とを備え、第1伝動系と第2伝動系とのギア比を互に同一の第1のギア比に設定し、第3伝動系のギア比を第1のギア比とは異なる第2のギア比に設定し、その第2のギア比は第1のギア比とは方向が反対で絶対値が等しいことを特徴とする車両の左右輪間の連結装置。
  2. 左右の車輪間の差回転が所定値以上になったときに左右の車輪間の連結又は差動装置と駆動源との間の連結を解除するクラッチ手段を設けることを特徴とする請求項1に記載の車両の左右輪間の連結装置。
  3. 切換手段を、第2と第3の両伝動系の何れをも確立しない中立状態に切換自在とし、左右の車輪間の差回転が所定値以上になったときに切り換手段を中立状態に切換えることを特徴とする請求項1に記載の車両の左右輪間の連結装置。
  4. 車両の左右の車輪間に設けられる連結装置であって、第1回転要素と第1回転要素に対し一方が正転するときに他方が逆転する第2と第3の回転要素とを有する第1と第2の1対の差動装置と、第1差動装置の第1回転要素と第2差動装置の第1回転要素とに切換手段を介して選択的に連結される駆動源とを備え、第1差動装置の第2回転要素と第3回転要素とを左右の車輪のうちの一方と他方とに互に同一の第1のギア比で連結すると共に、第2差動装置の第2回転要素を左右の車輪のうちの一方に第2のギア比で連結し、第2差動装置の第3回転要素を左右の車輪のうちの他方に第2のギア比とは異なる第3のギア比で連結することを特徴とする車両の左右輪間の連結装置。
  5. 第3のギア比は第2のギア比とは方向が反対で絶対値が等しいことを特徴とする請求項4に記載の車両の左右輪間の連結装置。
  6. 左右の車輪間の差回転が所定値以上になったときに左右の車輪間の連結又は両差動装置と駆動源との間の連結装置を解除するクラッチ手段を設けることを特徴とする請求項4又は5に記載の車両の左右輪間の連結装置。
  7. 切換手段を、一方の差動装置の第1回転要素と他方の差動装置の第1回転要素との何れにも駆動源を連結しない中立状態に切換自在とし、左右の車輪間の差回転が所定値以上になったときに切換手段を中立状態に切換えることを特徴とする請求項4又は5に記載の車両の左右輪間の連結装置。
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