JPH10249869A - 加飾成形用シート及び加飾成形品の製造方法 - Google Patents

加飾成形用シート及び加飾成形品の製造方法

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JPH10249869A
JPH10249869A JP6456297A JP6456297A JPH10249869A JP H10249869 A JPH10249869 A JP H10249869A JP 6456297 A JP6456297 A JP 6456297A JP 6456297 A JP6456297 A JP 6456297A JP H10249869 A JPH10249869 A JP H10249869A
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JP
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weight
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silver
decorative
resin
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JP6456297A
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English (en)
Inventor
Natsuki Morishita
夏樹 森下
Masuhisa Ootani
益央 大谷
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】防黴性に優れ、かつ、変色の起こりにくい加飾
成形用シート、及びそれを用いた加飾成形品の製造方法
を提供する。 【解決手段】熱硬化性成形材料に積層し加熱加圧成形し
て加飾成形品を得るための加飾成形用シートであって、
加飾した紙に、銀系抗菌剤と銅害防止剤を含有する熱硬
化性樹脂組成物が含浸されている加飾成形用シートであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加飾成形用シート
及びそれを用いた加飾成形品の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維強化樹脂(以下、FRPとい
う)の分野、特にFRP製バスタブ、バスユニット等の
生産においては、ハンドレアップ成形法やスプレーアッ
プ成形法といわれる成形法が広く用いられてきたが、こ
れらの成形法においては、一個の製品を生産するのに時
間と工数を多く必要とするため、生産性を格段に改良す
るものとして、シート・モールディング・コンパウンド
(以下、SMCという)又はバルク・モールディング・
コンパウンド(以下、BMCという)等の熱硬化性成形
材料が開発され、これを用いたプレス成形法が広く採用
されている。
【0003】しかし、この様なSMCやBMCを用いて
プレス成形法により得られた成形品は、成形品全体の色
が単一色のものに限定され、例えば、赤色なら成形品全
体が赤色のものしか生産することができず、デザインの
自由度が非常に狭いという欠点を有する。
【0004】勿論、印刷、塗装等の後加工を行うことに
より、適宜意匠を付加することは可能であるが、この場
合には、煩雑な後加工の工程を要し、生産性が劣るもの
となる。
【0005】そこで、FRP製品に加飾を施す方法とし
て、加飾成形用シートをインサートする成形方法が提案
されている。例えば、ガラスクロス、ガラスマット、不
織布、織布等の基材に印刷を施した加飾成形用シートを
SMCに積層する方法が提案されている。しかしなが
ら、ガラスクロスやガラスマット等を基材として用いた
場合には、それら基材に空隙が多いために印刷適性が悪
く、印刷を施しても目的とする柄よりもぼやけた不鮮明
な柄付けしか印刷できないという問題点がある。
【0006】又、ガラスクロス、織り布等の織物を基材
として用いた場合には、得られる加飾成形品として、織
り目が見えてしまうために、高級感を有する外観を備え
たものを得ることができないという問題点がある。又、
ガラスマットや不織布を基材として用いた場合には、成
形時にこれらの材料が伸びてしまい、加飾成形用シート
の端部が歪んでしまうという問題点がある。
【0007】これらの問題点を改良する方法として、例
えば、特開平5─285973号公報に記載されている
ように、印刷したチタン紙に熱硬化性樹脂を含浸させた
ものをSMCに積層して成形し、加飾成形品を得る方法
が開示されている。
【0008】ここで、その加飾材料たる含浸紙として
は、従来の、建材において、壁紙、化粧板等に用いられ
ていた含浸紙の技術がそのまま導入された。即ち、ジア
リルフタレート又は不飽和ポリエステル等の樹脂をアセ
トン等の溶剤に溶かした後、印刷チタン紙等に含浸さ
せ、乾燥ゾーン等で溶剤を乾燥させて、含浸紙としたも
のが、化粧板等に好適に用いられていたという歴史的経
過からそのまま転用されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の方法においては、加飾成形用シートの基材に
紙が用いられているので、得られる加飾成形品に黴が発
生し易いという欠点を有する。又、黴を防ぐために抗菌
剤を添加すると、抗菌剤が、熱履歴を受けることによ
り、あるいは、薬品の接触により変色し易いという問題
点がある。
【0010】本発明は、上記の如き従来の問題点を解消
することを目的としてなされたものであって、防黴性に
優れ、かつ、変色の起こりにくい加飾成形用シート、及
びそれを用いた加飾成形品の製造方法を提供することを
目的としてなされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
(以下、本発明1という)は、熱硬化性成形材料に積層
し加熱加圧成形して加飾成形品を得るための加飾成形用
シートであって、加飾した紙に、銀系抗菌剤と銅害防止
剤を含有する熱硬化性樹脂組成物が含浸されている加飾
成形用シートである。
【0012】請求項2に記載の本発明(以下、本発明2
という)は、本発明1の加飾成形用シートを、金型と熱
硬化性形成材料との間に介在させた状態で、加熱加圧成
形することを特徴とする加飾成形品の製造方法である。
【0013】本発明において、紙とは、従来公知の各種
のものを用いることができ、具体的には、薄様紙、オー
バーレー紙、チタン紙、パターン紙、コア紙、バランス
紙、新聞巻き取り紙、上質紙、中質紙、更紙、グラビア
紙、筆記用紙、図画用紙等が使用可能である。
【0014】中でも、オーバーレー紙、チタン紙等がコ
スト、印刷性、強度等の点で好適に使用される。これら
の紙は、印刷又は着色等の方法により加飾される。
【0015】印刷方法としては、従来公知の各種方法が
可能であり、具体的には、グラビア印刷方式、グラビア
・オフセット印刷方式、シルクスクリーン印刷方式、凸
版印刷方式、オフセット印刷方式等が挙げられる。又、
着色方法としても従来公知の各種方法が可能であり、具
体的には抄造時に顔料等を混ぜ込む方法、抄造時にイン
ク等を染み込ませる方法、絵の具や塗料を塗布する方法
等が挙げられる。
【0016】ここで、着色又は印刷の態様としては、単
一色に彩色しても構わないし、複数色を用いて模様等図
柄を形成させても構わない。即ち、目的に応じて自在な
意匠を適用することが可能である。
【0017】本発明において、紙に含浸させる熱硬化性
樹脂組成物としては、メラミン樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレ
ート樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の各種の熱硬化性
樹脂をベース樹脂する組成物が使用可能である。
【0018】メラミン樹脂とは、メラミンとホルムアル
デヒドを縮合させることによって得られるもので、必要
に応じて、メタノール又はブタノールで変性させて用い
られる。中でも、メタノールで変性されたものが、紙へ
の含浸性が良好であるので好適に用いられる。
【0019】不飽和ポリエステル樹脂としては、公知の
方法により、通常、有機ポリオールと脂肪族不飽和ポリ
カルボン酸と、必要に応じて脂肪族飽和ポリカルボン酸
及び/又は芳香族ポリカルボン酸等から製造されるもの
が使用される。
【0020】エポキシアクリレート(ビニルエステル)
樹脂としては、公知の方法により、通常、エポキシ樹脂
及び(メタ)アクリル酸等の反応性二重結合をもつモノ
カルボン酸とから製造されるものが用いられる。
【0021】ウレタンアクリレート樹脂とは、通常、ア
ルキレンジオール、アルキレンジオールエステル、アル
キレンジオールエーテル、ポリエーテルポリオール又は
ポリエステルポリオール等の有機ポリオールに有機ポリ
イソシアネートを反応させ、更にヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートを反応させて製造されるものであ
る。
【0022】ジアリルフタレート樹脂とは、ジアリルフ
タレートモノマーを過酸化ベンゾイルの様な過酸化物触
媒存在下で加熱、重合させてプレポリマー化させること
によって得られるものである。
【0023】本発明で使用される熱硬化性樹脂組成物中
には、銀系抗菌剤と銅害防止剤を含有する。
【0024】抗菌剤としては、銀系のものが使用され
る。銀系の抗菌剤としては、各種担体に対して銀イオン
をイオン交換により吸着させたもの、或いは、活性炭等
に銀又はハロゲン化銀を物理吸着させたものが使用され
るが、イオン交換により吸着させたものが、銀の安定
性、抗菌力の持続性等の点で良好であり、具体的には、
銀リン酸ジルコニウム、銀トリポリリン酸アルミニウ
ム、銀ハイドロキシアパタイト、銀リン酸三カルシウ
ム、銀─ゼオライト系、銀─シリカゲル系等が挙げら
れ、銀─ゼオライト系、銀─シリカゲル系のものが好適
に使用され、特に繁殖力の強い黴に対しては銀─シリカ
ゲル系のものが好適に使用される。
【0025】銀系抗菌剤の比表面積は、50〜180m
2 /gであることが好ましく、より好ましくは70〜1
70m2 /gであり、更に好ましくは80〜160m2
/gである。比表面積が少なすぎると銀イオンの溶出量
が少なく、充分な抗菌性が得られず、逆に比表面積が多
すぎると銀イオンの溶出量が多すぎて、成形品が変色し
易くなる。
【0026】銀系抗菌剤の添加量としては、樹脂分10
0重量部に対して0.001〜10重量部であるのが好
ましく、より好適には0.005〜5重量部、更に好適
には0.01〜3重量部である。添加量が少なすぎる
と、銀イオンの溶出量が少なく、充分な抗菌性が得られ
ず、逆に多すぎると、銀イオンの溶出量が多すぎて、成
形品が変色し易くなる。ここで、樹脂分とは、熱硬化性
樹脂の他、共重合性単量体を含むものをいう。
【0027】銅害防止剤としては、金属不活性剤、銅又
は銅合金等の防錆剤として用いられているものが使用可
能であり、具体的には、1,2,3─ベンゾトリアゾー
ル、トリルトリアゾールカリウム塩、3─(N─サリチ
ロイル)アミノ─1,2,4─トリアゾール、トリアジ
ン系誘導体複合物等が挙げられる。この中で、1,2,
3─ベンゾトリアゾールが、コスト及び取扱い性が優れ
るため好適に用いられる。
【0028】銅害防止剤の添加量としては、銀系抗菌剤
100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、
より好ましくは0.5〜15重量部であり、更に好まし
くは1〜10重量部である。添加量が少なすぎると十分
な変色防止効果を得にくく、逆に多すぎると熱硬化性樹
脂組成物の粘度が高くなりすぎて、紙への含浸不良を起
こし易くなる。
【0029】熱硬化性樹脂組成物中には、更に変色性を
改良するために、紫外線吸収剤を適量添加できる。紫外
線吸収剤を添加した場合には、過剰に溶出された銀イオ
ンが紫外線に当たることが少なくなり、そのために成形
品の変色が防止される。用いられる紫外線吸収剤として
は、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ
ール系、シアノアクリレート系、ヒンダードアミン系等
が使用可能である。中でも、ベンゾトリアゾール系の紫
外線吸収剤が、変色防止効果に優れるため好適に使用さ
れる。
【0030】銅害防止剤を用いずに紫外線吸収剤を添加
した場合にも、ある程度の変色防止効果はあるが、充分
な変色防止効果は得にくく、銅害防止剤との併用により
良好な変色防止効果が得られる。熱硬化性樹脂組成物中
には、更に硬化剤として、有機過酸化物を適量添加でき
る。
【0031】熱硬化性樹脂組成物中には、反応性不飽和
結合を持つ熱硬化性樹脂が含有されている場合には、必
要に応じて、共重合性単量体を添加することができる。
共重合性単量体の具体例としては、例えば、スチレン、
α─メチルスチレン、ビニルベンゼン、ビニルトルエ
ン、ジアリルフタレート、各種アクリレートモノマー、
等の重合性単量体を適当量添加することができる。中で
も、スチレン及びメチルメタクリレートが価格及び各種
性能の点で優れるため好適に用いられる。
【0032】熱硬化性樹脂組成物中には、必要に応じ
て、溶剤が添加される。例えば、粘度の高い樹脂におい
ては紙への含浸性を改良するために溶剤等を添加して粘
度を低下させる。尚、粘度を低下させるために溶剤を添
加する場合には、これが残存すると成形時に気泡等の発
生の原因となり易いので、樹脂含浸後に、溶剤を揮発さ
せる工程が必要になる。
【0033】又、熱硬化性樹脂組成物中には、必要に応
じて、炭酸カルシウム等の充填材、有機過酸化物等の開
始剤、パラベンゾキノン等の禁止剤、ステアリン酸亜鉛
等の離型剤、防腐剤等を適量添加できる。
【0034】熱硬化性樹脂組成物の紙への含浸量は、含
浸したシートの乾燥後の重量として、紙100重量部に
対して50〜230重量部であるのが好ましく、より好
ましくは70〜170重量部であり、更に好ましくは8
0〜150重量部である。含浸量が少なすぎると成形品
の表面に紙が露出して耐摩耗性が低下し易く、逆に多す
ぎると成形品の耐水性が低下し易くなる。
【0035】熱硬化性樹脂組成物の紙への含浸方法とし
ては、従来公知の各種の方法を用いることができる。例
えば、熱硬化性樹脂組成物の入った槽に紙を浸漬して含
浸し、ロール等でしごいて余分な熱硬化性樹脂組成物を
落とし、必要に応じて乾燥炉にて乾燥する方法や、ベル
ト上に紙を流していく上に熱硬化性樹脂組成物を乗せ、
ロール又はブレート等でしごいていく方法等が挙げられ
る。
【0036】又、銀系抗菌剤と銅害防止剤を含有するメ
ラミン樹脂組成物を紙に含浸させ、その後更に、反応性
不飽和結合を持つ熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂
組成物を含浸させれば、防黴性、耐薬品性、成形性、取
扱い性等に優れた加飾成形用シートを得ることができ
る。
【0037】この場合の、メラミン樹脂に対する銀系抗
菌剤の添加量としては、メラミン樹脂100重量部に対
して0.001〜40重量部が好ましく、より好ましく
は0.005〜20重量部であり、更に好ましくは0.
01〜10重量部である。添加が少なすぎると充分な抗
菌性能が得にくく、逆に多すぎると成形品が黄色く変色
し易くなる。
【0038】上記メラミン樹脂組成物を紙に含浸させた
後に更に含浸させる熱硬化性樹脂組成物中の不飽和結合
を持つ熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹
脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート
樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられる。
【0039】この場合の、紙への各樹脂の添加量として
は、乾燥後の重量として、紙100重量部に対して、メ
ラミン樹脂1〜30重量部、反応性不飽和結合を持つ熱
硬化性樹脂50〜200重量部とするのが好ましく、よ
り好ましくはメラミン樹脂2〜25重量部、反応性不飽
和結合を持つ熱硬化性樹脂70〜150重量部、更に好
ましくはメラミン樹脂3〜20重量部、反応性不飽和結
合を持つ熱硬化性樹脂80〜130重量部である。
【0040】メラミン樹脂の添加量が少なすぎると十分
な強度が得られず加飾成形用シートが成形時に破れ易
く、逆に多すぎると固くなりすぎて取り扱い時に破れ易
くなる。又、反応性不飽和結合を持つ熱硬化性樹脂の添
加量が少なすぎると成形品の表面に紙が露出して耐磨耗
性が不良になり易く、逆に多すぎると成形品の耐温水性
が低下し易くなる。
【0041】本発明において、熱硬化性成形材料として
は、SMCやBMC等の材料が使用可能である。即ち、
熱硬化性成形材料としては、ベース樹脂である不飽和ポ
リエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタン
アクリレート樹脂中に、必要に応じて各種充填材、補強
材、添加剤等が添加されて、SMCやBMC等の形態と
されたものが使用可能である。
【0042】ここで、不飽和ポリエステル樹脂、エポキ
シアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂は、加
飾成形用シートに用いられるものと同様のものが使用可
能である。
【0043】熱硬化性成形材料中には、低収縮剤とし
て、ポリ酢酸ビニル、ポリメチル(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレン、エチレン─酢酸ビニル共重合体、酢
酸ビニル─スチレン共重合体、ポリブタジエン、飽和ポ
リエステル類、飽和ポリエーテル類のような熱可塑樹脂
を、必要に応じて、適当量添加することができる。
【0044】熱可塑性樹脂の添加量は、樹脂分のうち、
0.1〜30重量%であるのが好適であり、より好適に
は、0.3〜20重量%である。添加量が多すぎると、
熱硬化性成形材料の粘度が高くなるため、成形時に充分
な流動性が得られず、少なすぎると、充分な収縮効果が
得られない。
【0045】ここに、樹脂分とは、熱硬化性樹脂、熱可
塑性樹脂の他、共重合性単量体等のように化学反応して
樹脂となり得る成分の総量を意味する。
【0046】熱硬化性成形材料中には、スチレン、α─
メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、
ジアリルフタレート、各種アクリレートモノマー、各種
メタクリレートモノマー等の重合性単量体を、必要に応
じて、適量添加することができる。
【0047】共重合性単量体の添加量は、樹脂分の1〜
70重量%が好ましく、より好ましくは、3〜50重量
%である。添加量が少なすぎると、熱硬化性成形材料の
粘度が高くなるため、成形時に充分な流動性が得られ
ず、少なすぎると、充分な収縮改良効果が得られにく
い。
【0048】又、熱硬化性成形材料中には、必要に応じ
て、ラジカル反応開始剤としての有機過酸化物を加える
ことができる。有機過酸化物としては、例えば、メチル
エチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド
類、イソブチルパーオキサイド等のジアシルパーオキサ
イド、類、クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロ
パーオキサイド類、ジクミルパーオキサイド等のジアル
キルパーオキサイド類、t─ブチルパーオキシ─2─エ
チルヘキサノエート等のアルキルパーエステル類、1,
1─ジブチルパーオキシシクロヘキサン等のパーオキシ
ケタール類等があり、汎用的には、t─ブチルパーオキ
シベンゾエート、t─ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート等が使用可能である。
【0049】有機過酸化物の添加量としては、反応性不
飽和結合を持つ熱硬化性樹脂及び共重合性単量体の総量
100重量部に対して、0.3〜5重量部が好ましく、
より好ましくは0.5〜3重量部である。添加量が少な
すぎると、熱硬化性成形材料の硬化速度が遅くなり易
く、多すぎると、熱硬化性成形材料が硬化時に黄変し易
くなる。
【0050】熱硬化性成形材料中には、目的及び用途に
応じて、適当量の無機充填材を添加することができる。
使用可能な無機充填材としては、例えば、グラファイ
ト、ダイヤモンド等の元素鉱物、岩塩、カリ岩塩等のハ
ロゲン化鉱物、炭酸カルシウム等の炭酸塩鉱物、藍鉄鉱
等のリン酸塩鉱物、カルノー石等のバナジン酸塩鉱物、
重晶石(硫酸バリウム)、石膏(硫酸カルシウム)等の
硫酸塩鉱物、ほう砂等のほう酸塩鉱物、灰チタン石等の
チタン酸塩鉱物、雲母、タルク(滑石)、葉ろう石、カ
オリン、石英、長石等の珪酸塩鉱物、酸化チタン、鋼玉
(酸化アルミニウム)、水酸化アルミニウム等の金属
(水)酸化物、(中空)ガラス球等のガラス製品等を中
心とした天然又は人工の鉱物又はそれを処理、精製或い
は加工したもの、及びこれらの混合物が用いられる。
【0051】熱硬化性成形材料中には、必要に応じて、
着色顔料を適当量添加することができる。着色顔料とし
ては、従来公知のものが用いられ、例えば、酸化チタ
ン、ベンジンイエロー、アンスラキノンイエロー、チタ
ンイエロー、ハンザイエロー、モリブデンオレンジ、黄
鉛、ジスアゾイエロー、ベンジルオレンジ、キナクリド
ンレッド、キナクリドンマゼンタ、ナフトールバイオレ
ット、クロムグリーン、フタロシアニングリーン、アル
カリブルー、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、
酸化鉄(ベンガラ)、銅アゾブラウン、アニリンブラッ
ク、カーボンブラック、鉄黒、アルミフレーク、ニッケ
ル粉、金粉、銀粉等各種のものが用いられる。
【0052】中でも、酸化チタン、チタンイエロー、キ
ナクリドンレッド、キナクリドンレッド、キナクリドン
マゼンタ、フタロシアニンブルー、酸化鉄(ベンガ
ラ)、カーボンブラック、鉄黒、アルミスレーク等が、
成形材料の硬化性等への影響が少ないため、好適に用い
られる。
【0053】無機充填材の添加量としては、樹脂分10
0重量部に対して、0〜300重量部が好ましく、より
好ましくは0〜250重量部である。着色顔料の添加量
としては、樹脂分100重量部に対して、1〜100重
量部が好ましく、より好ましくは3〜50重量部であ
る。
【0054】又、無機充填材と着色顔料との総量として
は、樹脂分100重量部に対して、30〜320重量部
が好ましく、より好ましくは40〜200重量部であ
る。無機充填材、着色顔料の添加量が少なすぎると、充
分な隠蔽性が得られず、多すぎると、熱硬化性成形材料
の粘度が高くなるため、成形時に型内において充分な流
動性が得られない。
【0055】熱硬化性成形材料中には、補強材として、
ガラス繊維や炭素繊維等の各種補強繊維を適当量添加す
ることができる。補強材の添加量としては、樹脂分10
0重量部に対して、1〜100重量部が好ましく、より
好ましくは3〜90重量部である。添加量が少なすぎる
と、充分な補強硬化が得られず、多すぎると、熱硬化性
成形材料の粘度が高くなるため、成形時の型内における
充分な流動性が得られない。
【0056】熱硬化性成形材料中には、必要に応じて、
ジメチルアニリン、ナフテン酸コバルト等の公知の硬化
促進剤、パラベンゾキノン等の重合禁止剤、アゾ系染料
やアントラキノン系、インジゴイド系、スチルベン系等
の染料、カーボンブラック等の導電性付与剤、乳化剤、
ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、脂肪族燐酸塩、レシ
チン等の離型剤等を、用途、目的に応じて適当量加える
ことができる。
【0057】熱硬化性成形材料としては、より具体的に
は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂液、エポキシアク
リレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂のスチレン溶
液(スチレン濃度約40〜70%)60〜100重量部
に、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ酢
酸ビニル等のスチレン溶液(スチレン濃度約40〜70
%)0〜40重量部を加えたもの100重量部に対し
て、t─ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化
物0.7〜2.5重量部、酸化チタン、酸化鉄、カーボ
ンブラック、チタンイエロー等の着色顔料5〜20重量
部、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の充填材粉
末60〜160重量部からなる無機成分合計70〜18
0重量部を添加したものを混練してコンパウンドとし、
これをガラス繊維等の補強材5〜80重量部に含浸し
て、SMCやBMC等の形態とされたものが好適に用い
られる。
【0058】本発明の加飾成形品の製造方法に用いる成
形機としては、従来公知のプレス成形機が使用可能であ
り、型としては、従来公知の、金型、鋳物型等が使用可
能である。型の形式としては、一般的には上下型が好ま
しい。この場合、通常は、上型を可動型、下型を固定型
として用いる。
【0059】本発明の加飾成形品の製造方法のプロセス
は、例えば、以下のようになる。まず、成形機に、型を
取り付け、加熱した後、型内に、加飾成形用シートをそ
の目的の位置に載置する。
【0060】型温度は、120〜170℃が好ましく、
より好ましくは130〜155℃であり、より好ましく
は135〜150℃である。型温度が低すぎると、完全
硬化させるのに時間がかかりすぎ、逆に高すぎると製品
に表面性の不良が発生し易いくなる。
【0061】ここで、加飾成形用シートを載置する向き
としては、金型側即ち製品面側を印刷あるいは着色した
面とするのが普通であるが、必要に応じて、熱成形性成
形材料側を印刷或いは着色した面としても構わない。加
飾成形用シートの大きさとしては、図1に示すように成
形材料層2の表面の全面に加飾シート層1が設けられた
加飾成形品を得るように、成形品表面の全面を加飾する
大きさのものであってもよいし、図2又は図3に示すよ
うに成形材料層2の表面の一部に加飾シート層1が設け
られた加飾成形品を得るように、成形品表面の一部のみ
を加飾する大きさであっても構わない。即ち、求める意
匠に応じて、任意の大きさ形のものを用いることができ
る。
【0062】次に、その上に熱硬化性成形材料を積層す
る。成形材料の積層は、自動化された機械設備にて行う
のが所要時間が少なく良好であるが、人手によって行っ
ても構わない。積層作業は、通常のFRPプレス成形作
業と同様に行えばよく、あわてて行う必要はないが、ス
ムーズに行うことが好ましい。即ち、加飾成形用シート
を載置した後、2分以内に完了するのが好ましく、より
好ましくは1分30秒以内であり、更に好ましくは1分
以内である。遅すぎると製品に表面性不良が発生し易く
なる。
【0063】ここで、上述した方法は、下型側を製品面
(加飾面)とした場合であるが、何らかの事情で、上型
側を製品面(加飾面)としたい場合には、上述した順序
とは逆に、成形材料の載置後、加飾成形用シートを載置
すればよい。
【0064】そして、型を締め、10〜120kg/c
2 の圧力で加熱加圧成形する。加圧時間としては、4
0秒〜7分間が好適であり、より好ましくは1分30秒
〜6分であり、更に好ましくは2〜5分である。加圧時
間が短かすぎると硬化不足のため製品の強度不十分等の
不良を起こし易く、長すぎると形成効率が低下するため
コストがたかくなる。硬化させた後、型を開き、製品を
脱型して、積層された加飾成形品を得る。
【0065】
【作用】本発明1の加飾成形用シートは、熱硬化性成形
材料に積層し加熱加圧成形して加飾成形品を得るための
加飾成形用シートであって、加飾した紙に、銀系抗菌剤
と銅害防止剤を含有する熱硬化性樹脂組成物が含浸され
ていることにより、成形時に、銀系抗菌剤より過剰に溶
出される銀イオンは、銅害防止剤のキレートによりトラ
ップされるので、防黴性に優れ、かつ、熱や薬品に対し
て変色を起こしにくい。
【0066】本発明2の加飾成形品の製造方法は、本発
明1の加飾成形用シートを、金型と熱硬化性形成材料と
の間に介在させた状態で、加熱加圧成形することによ
り、耐黴性に優れ、耐変色性に優れた加飾成形品を生産
性よく製造することができる。
【0067】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 1.成形機及び金型の準備 成形機としては、川崎油工社製、800トンプレス成形
機を用いた。金型としては、100cm×100cmの
正方形板を成形する上下型であって、上型、下型共に電
気ヒーター及び冷却水配管が埋め込まれた金型を準備し
た。この金型をプレス成形機に取り付けた。上型を可動
型とし、下型を固定型とした。
【0068】2.加飾成形用シートの調製 加飾成形用シートとしては以下のものを用いた。 (1)基材シート 基材シートとしては、以下のものを用いた。 基材1:オーバーレー紙(厚さ0.12mm、坪量90
g/m2 、大福製紙社製)に白御影石調の石目柄を印刷
したもの。 基材2:チタン紙(厚さ0.1mm、坪量80g/
2 、酸化チタン量25重量%、興人社製)に白御影石
調の石目柄を印刷したもの。
【0069】(2)含浸用樹脂液(熱硬化性樹脂組成
物) 含浸用樹脂液としては以下のものを用いた。尚、「メラ
ミン樹脂液」とは、原料メラミン基の水素原子のうち平
均4個が置換され、メタノール変成された、数平均分子
量約1,200のメラミン樹脂を水・アセトンに溶解し
たもの(水濃度40重量%、アセトン濃度40重量%)
のもののことであり、「不飽和ポリエスル樹脂液」と
は、数平均分子量約2,000のイソフタル酸系の不飽
和ポリエステル樹脂をアセトンに溶解したもの(アセト
ン濃度50重量%)のことであり、「ジアリルフタレー
ト樹脂液」とは、数平均分子量700のジアリルフタレ
ート樹脂をアセトンに溶解したもの(アセトン濃度50
重量%)のことである。
【0070】樹脂液1:メラミン樹脂液500重量部
(固形分100重量部)と、抗菌剤(銀─シリカゲル
系、比表面積210m2 /g、日本電子材料社製)0.
5重量部と、銅害防止剤(1,2,3─ベンゾトリアゾ
ール、住友化学社製)0.03重量部とを混合し、攪拌
したもの。 樹脂液2:メラミン樹脂液500重量部(固形分100
重量部)と、抗菌剤(銀─シリカゲル系、比表面積21
0m2 /g、日本電子材料社製)0.5重量部と、銅害
防止剤(1,2,3─ベンゾトリアゾール、住友化学社
製)0.03重量部と、紫外線吸収剤〔2─(2’─ヒ
ドロキシ─5’メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
旭電化社製〕0.02重量部とを混合し、攪拌したも
の。
【0071】樹脂液3:メラミン樹脂液500重量部
(固形分100重量部)と、抗菌剤(銀─シリカゲル
系、比表面積210m2 /g、日本電子材料社製)0.
5重量部と、紫外線吸収剤〔2─(2’─ヒドロキシ─
5’メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、旭電化社
製〕0.02重量部とを混合し、攪拌したもの。 樹脂液4:メラミン樹脂液500重量部(固形分100
重量部)と、抗菌剤(銀─シリカゲル系、比表面積21
0m2 /g、日本電子材料社製)0.5重量部とを混合
し、攪拌したもの。 樹脂液5:メラミン樹脂液500重量部(固形分100
重量部)からなるもの。
【0072】樹脂液6:不飽和ポリエテスル樹脂液10
0重量部(固形分50重量部)と、ジアリルフタレート
100重量部(固形分50重量部)と、硬化剤(t─ブ
チルパーオキシベンゾエート)1重量部と、抗菌剤(銀
─ゼオライト系、比表面積250m2 /g、日本電子材
料社製)0.3重量部と、銅害防止剤(1,2,3─ベ
ンゾトリアゾール、住友化学社製)0.01重量部とを
混合し、攪拌したもの。
【0073】樹脂液7:不飽和ポリエテスル樹脂液10
0重量部(固形分50重量部)と、ジアリルフタレート
100重量部(固形分50重量部)と、硬化剤(t─ブ
チルパーオキシベンゾエート)1重量部と、抗菌剤(銀
─ゼオライト系、比表面積250m2 /g、日本電子材
料社製)0.3重量部と、銅害防止剤(1,2,3─ベ
ンゾトリアゾール、住友化学社製)0.01重量部と、
紫外線吸収剤〔2─(2’─ヒドロキシ─5’メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、旭電化社製〕0.005
重量部とを混合し、攪拌したもの。
【0074】樹脂液8:不飽和ポリエテスル樹脂液10
0重量部(固形分50重量部)と、ジアリルフタレート
100重量部(固形分50重量部)と、硬化剤(t─ブ
チルパーオキシベンゾエート)1重量部と、抗菌剤(銀
─ゼオライト系、比表面積250m2 /g、日本電子材
料社製)0.3重量部と、紫外線吸収剤〔2─(2’─
ヒドロキシ─5’メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、旭電化社製〕0.005重量部とを混合し、攪拌し
たもの。
【0075】樹脂液9:不飽和ポリエテスル樹脂液10
0重量部(固形分50重量部)と、ジアリルフタレート
100重量部(固形分50重量部)と、硬化剤(t─ブ
チルパーオキシベンゾエート)1重量部と、抗菌剤(銀
─ゼオライト系、比表面積250m2 /g、日本電子材
料社製)0.3重量部とを混合し、攪拌したもの。 樹脂液10:不飽和ポリエテスル樹脂液100重量部
(固形分50重量部)と、ジアリルフタレート100重
量部(固形分50重量部)と、硬化剤(t─ブチルパー
オキシベンゾエート)1重量部とを混合し、攪拌したも
の。
【0076】(3)含浸 加飾成形用シート1:上記基材1を70cm×100c
mの大きさに切り、上記樹脂液1中に浸漬して樹脂液を
含浸させ、一対のロールで余分な樹脂液をしごいて除去
した後、80℃のオーブンにて10分間乾燥した。その
後更に、2次含浸として、樹脂液10中に浸漬して樹脂
を含浸させた後、ロールで余分な樹脂をしごいて除去し
た後、80℃のオーブンにて10分間乾燥してシートを
得た。含浸量の調整は、ロールのクリアランスの調整に
より行った。得られたシートの内容を表1中に示す。
尚、1次含浸量、2次含浸量は、それぞれ固形分量であ
り、又、重量は紙100重量部に対する重量部として示
す。
【0077】加飾成形用シート2〜6:表1中に示す基
材及び樹脂液を用いたこと以外は加飾成形用シート1と
同様にして得たもの。得られたシートの内容を表1中に
示す。
【0078】加飾成形用シート7:基材1を70cm×
100cmの大きさに切り、上記樹脂液6中に浸漬して
樹脂液を含浸させ、一対のロールで余分な樹脂液をしご
いて除去した後、80℃のオーブンにて10分間乾燥し
て得たもの。得られたシートの内容を表2中に示す。
尚、含浸量の調整は、ロールのクリアランスの調整によ
り行った。 加飾成形用シート8〜12:表2中に示す基材及び樹脂
液を用いたこと以外は加飾成形用シート7と同様にして
得たもの。得られたシートの内容を表2中に示す。
【0079】熱硬化性成形材料(SMC)の調製 熱硬化性成形材料としては、以下のものを用いた。 不飽和ポリエステル樹脂液〔イソフタル酸系の不飽
和ポリエステル樹脂(数平均分子量約2,000)をス
チレンに溶解したもの(スチレン濃度40重量%)〕7
0重量部 ポリスチレン樹脂液〔重量平均分子量約95,00
0のポリスチレン樹脂を、スチレンに溶解したもの(ス
チレン濃度65重量%)〕30重量部 硬化剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾエー
ト)1重量部 炭酸カルシウム粉末〔日東粉化社製、商品名「NS
−100」〕120重量部
【0080】 着色顔料〔酸化チタン粉末(堺化学工
業社製、商品名「SR−1」)6重量部 増粘剤〔酸化マグネシウム粉末(協和化学工業社
製、商品名「キョーワマグ150」)1重量部 内部離型剤(ステアリン酸亜鉛:堺化学工業社製)
3重量部 ガラス繊維〔旭ファイバーグラス社製のロービング
(商品名「ER4630LBD166W)を長さ25m
mに切断したもの、以下、GFと略す〕70重量部
【0081】上記配合材料のうち、〜の配合材料を
混合し、充分に混合を行ったものを、SMC製造装置に
て、のガラス繊維に含浸させ、40℃にて24時間熟
成して、厚み約2mmの白色着色SMCを得た。
【0082】4.成形方法 上記加飾成形用シート及び熱硬化性成形材料を用いて、
下記のようにして加飾成形品の製造を行った。実施例1 上型を140℃、下型を150℃に加熱した後、下型上
に70cm×100cmの大きさに切った加飾成形用シ
ート1を乗せ、更にその上に上記SMCを60cm×9
0cmの大きさに切って2枚チャージし、2mm/sの
締め切り速度にて型を締めて70kg/cm2 の圧力で
240秒間加圧成形した。その後型を開いて脱型し、加
飾成形品を得た。この工程を10ショット繰り返し、1
0個の加飾成形品を得た。
【0083】実施例2〜6、比較例1〜6 加飾成形用シートを表1,2中に示すものに変更したこ
と以外は実施例1と同様にして加飾成形品を得た。
【0084】5.評価方法 (1)耐黴性の評価 このようにして得られた加飾成形品から、5cm×5c
mの試験片を切り出した。この試験片について、黴に対
する抵抗性試験をJIS−Z−2911を改良した方法
にて行った。即ち、無機塩培地上に試験片を載せ、その
上に、無機塩、ブドウ糖及び黒こうじ黴胞子からなる懸
濁液を塗り、14日間培養した。そして、7日ごとに黴
の生育状況を観察し、次の評価基準にし評価した。 ○:黴発生なし。△:一部に黴発生あり(1/3以
下)。×:一部に黴発生あり(1/3以上)。××:全
面に黴発生あり。 得られた結果を表1及び表2に示す。
【0085】(2)耐熱性、耐薬品性 上記加飾成形品から、10cm×10cmの試験片を切
り出し、80℃のオーブン中に200時間放置した後取
り出し、浸漬前との色の変化を色差計にて測定した。
又、得られた良品から、10cm×10cmの試験片を
切り出し、水酸化ナトリウム水溶液を1ミリリットル滴
下し、24時間放置した後、浸漬前と色の変化を色差計
にて測定した。これらの結果を表1及び表2に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】表1及び表2からも明らかなように、本発
明の実施例の場合には、いずれも、得られた加飾成形品
は耐黴性、耐熱性及び耐薬品性に優れているのに対し
て、比較例2,4の場合には、得られた加飾成形品は耐
黴性が悪く、比較例1,3の場合には、得られた加飾成
形品は耐熱性及び耐薬品性が劣っていた。
【0089】
【発明の効果】本発明1の加飾成形用シートは、上記の
ようにされているので、防黴性に優れ、かつ熱や薬品に
より変色を起こしにくい加飾成形用材料である。
【0090】本発明2の加飾成形品の製造方法は、上記
のようにされているので、耐黴性に優れ、耐変色性に優
れた加飾成形品を生産性よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られる加飾成形品の一例を示す
断面図である。
【図2】本発明により得られる加飾成形品の別の例を示
す断面図である。
【図3】本発明により得られる加飾成形品の更に別の例
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 加飾シート層 2 成形材料層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性成形材料に積層し加熱加圧成形
    して加飾成形品を得るための加飾成形用シートであっ
    て、加飾した紙に、銀系抗菌剤と銅害防止剤を含有する
    熱硬化性樹脂組成物が含浸されていることを特徴とする
    加飾成形用シート。
  2. 【請求項2】 請求項1の加飾成形用シートを、金型と
    熱硬化性形成材料との間に介在させた状態で、加熱加圧
    成形することを特徴とする加飾成形品の製造方法。
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