JPH10249862A - 加熱機構を備えた成形装置 - Google Patents

加熱機構を備えた成形装置

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JPH10249862A
JPH10249862A JP9055205A JP5520597A JPH10249862A JP H10249862 A JPH10249862 A JP H10249862A JP 9055205 A JP9055205 A JP 9055205A JP 5520597 A JP5520597 A JP 5520597A JP H10249862 A JPH10249862 A JP H10249862A
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JP
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molding
mold
block
magnetic low
resistance material
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JP9055205A
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English (en)
Inventor
Katsuhiro Yamaguchi
勝弘 山口
Yukio Ishihara
幸雄 石原
Toru Tonomura
徹 外村
Yukimasa Adachi
幸正 足立
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NAKAMURA KAGAKU KIKI KK
Araco Co Ltd
Tokuden Co Ltd Kyoto
Original Assignee
NAKAMURA KAGAKU KIKI KK
Araco Co Ltd
Tokuden Co Ltd Kyoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工の容易なアルミニウム等の非磁性低抵抗
体を成形型の素材として用い、しかも誘導コイルにより
加熱することを可能とする。 【解決手段】 互いに接近離隔して合成樹脂等の成形を
行う第1成形型10及び第2成形型20の少なくともい
ずれか一方の素材をアルミニウム鋳物等の非磁性低抵抗
体とする。この非磁性低抵抗体よりなる成形型の裏側か
らその成形面10aに接近させて鉄等の強磁性高抵抗体
を素材とするブロック15を密着固定し、このブロック
15を加熱する誘導加熱コイル16を設ける。誘導加熱
コイルを作動させれば強磁性高抵抗体のブロックが誘導
加熱され、成形型のこれに密着された付近もブロックか
らの熱伝導により加熱される。ブロックは板状としその
一方の面を成形面とほゞ平行に成形型の裏側に固定し、
このブロックの反対側の面に誘導加熱コイルを固定する
のがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂等の成形
加工の際に成形物を加熱するための加熱機構を備えた成
形型の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】スタンピング成形、射出成形、スラッシ
ュ成形、ブロー成形等の合成樹脂の成形装置において
は、所望の成形を行うために成形型に加熱機構を設けた
ものがある。例えば図4及び図5は、基材5を表皮層7
と発泡層8よりなる複合層6で覆った積層体をスタンピ
ング成形により製造する場合の成形装置の1例を示し、
下型1及び上型3には、加熱及び冷却のための熱媒体
(例えば熱水及び冷水)を通すための温調配管2,4が
設けられている。先ず図4に示すように、下型1の上面
1a上に基材5をセットし、供給ダイス9からシート状
に押し出した表側溶融樹脂層7mと発泡剤を混入した内
側溶融樹脂層8mからなる溶融樹脂積層体6mで基材5
の上面を覆い、表側溶融樹脂層7mとの間に多少の隙間
が空くように上型3を接近させて停止する。そして各温
調配管2,4に熱水等の加熱媒体を通して両型1,3を
加熱し、図5に示すように内側溶融樹脂層8mを発泡さ
せて溶融樹脂積層体6mを基材5と上型3の間に充填さ
せ、温調配管2,4に冷水等の冷却媒体を通し溶融樹脂
積層体6mを冷却硬化した複合層6としてから上型3を
上昇させて、基材5が複合層6で覆われた積層体を取り
出すようにしている。また例えば特開昭62−1220
86号公報には、成形型を誘導コイルにより誘起された
渦電流のジュール熱により加熱する技術が記載されてお
り、その場合には成形型の素材として鉄あるいはニッケ
ルのような強磁性高抵抗体を用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】複雑な形状の製品を成
形する成形型の素材としては、加工が容易なアルミニウ
ム、特にアルミニウム鋳物が適している。また前述した
ような発泡層を有する積層体の製造において部分的に発
泡倍率を高くするためには、成形型のその部分を他の部
分より速くかつ強く加熱し高温にして発泡を促進する必
要があり、その場合には誘導コイルによる加熱が適して
いる。しかしながら、成形型の素材としてアルミニウム
を使用した場合には、アルミニウムは非磁性(本明細書
では強磁性体以外のものを非磁性体という)低抵抗体で
あるので誘導コイルにより加熱することが困難であると
いう問題がある。
【0004】本発明は加工の容易なアルミニウム等の非
磁性低抵抗体を成形型の素材として用い、しかも誘導コ
イルにより加熱することを可能としてこのような問題を
解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による加熱機構を
備えた成形装置は、互いに対向する面に成形面が形成さ
れた1対の成形型を有し、この両成形型を互いに接近離
隔させて前記両成形面により合成樹脂等の成形を行う成
形装置に関するものであり、両成形型の少なくともいず
れか一方の素材を非磁性低抵抗体とし、この非磁性低抵
抗体よりなる成形型の裏側からその成形面に接近させて
強磁性高抵抗体を素材とするブロックを密着固定し、こ
のブロックを加熱する誘導加熱コイルを設けたことを特
徴とするものである。誘導加熱コイルを作動させれば強
磁性高抵抗体のブロックが誘導加熱され、成形型のこれ
に密着された付近もブロックからの熱伝導により加熱さ
れる。
【0006】強磁性高抵抗体からなるブロックは板状で
その一方の面が成形面とほゞ平行に非磁性低抵抗体から
なる成形型の裏側に固定され、このブロックの反対側の
面に誘導加熱コイルが固定されていることが好ましい。
このようにすれば、ブロックはほゞ均一に誘導加熱さ
れ、従って成形型のこれに密着された付近もブロックか
らの熱伝導によりほゞ均一に加熱される。
【0007】成形型の素材である非磁性低抵抗体はアル
ミニウム鋳物とし、またブロックの素材である強磁性高
抵抗体は鉄とするのが望ましい。
【0008】また非磁性低抵抗体よりなる成形型は、熱
水または冷水等の熱媒体を通す温調配管を更に備えたも
のとするのが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】図1〜図3により、本発明による
加熱機構を備えた成形装置を自動車のドアトリムの成形
装置に適用した場合の実施の形態の説明をする。本発明
により製造されるドアトリムは、成形完了状態を示す図
3に示されているように、予め成形された剛性のある基
材30の表面を表皮層32と発泡層33よりなる複合層
31により覆った積層体である。基材30は通気性のあ
る多孔性のもので、木材を細かく砕いた繊維に結着剤と
して7パーセント程度のフェノール樹脂を混入して凹凸
のあるほゞ一定厚の板状にホットプレス成形したもので
ある。複合層31は、表面側となる表皮層32と基材3
0側となる発泡層33を一体的に重ね合わせたものであ
り、ドアトリムの上半部(図において左半部)及びそれ
に続くアームレスト部は発泡層33の厚さを大にすると
共に発泡倍率を高めて、他の部分よりも柔軟な感触が得
られるようにしている。この実施の形態に使用する成形
装置は、下部の固定側型支持部材(図示省略)に取り付
けられる第1成形型(下型)10と、上部の可動側型支
持部材(図示省略)に取り付けられて第1成形型10に
対し接近離隔可能な第2成形型(上型)20とよりなる
もので、また複合層31の素材である溶融樹脂積層体3
1mを押し出し供給する供給ダイス35を備えている。
この両成形型10,20の互いに対向する面にはそれぞ
れ成形面10a,20aが形成されている。
【0010】図1〜図3に示すように、第1成形型10
の上面には、前述のように予め成形された基材30の裏
面を支持する第1成形面10aが形成され、その外周に
沿っては平面輪郭形状がドアトリムの輪郭形状と一致す
る外向き段部10bが形成されている。この第1成形型
10はアルミニウム鋳物等の非磁性低抵抗体(電気固有
抵抗値が10-5Ω・cm 以下)を素材とするもので、第1成
形面10aの反対側となる裏側は大きく肉抜きがなさ
れ、複数のリブ10cにより補強されている。第1成形
型10内には、ステンレス鋼管等よりなる複数の温調配
管13が第1成形面10aのすぐ内側に沿って鋳込まれ
ている。またドアトリムの上半部及びアームレスト部に
対応する一部の温調配管13の間となる第1成形型10
の部分は裏側からえぐられて、鉄、ニッケル、コバルト
等の強磁性高抵抗体(電気固有抵抗値が10-5Ω・cm2
上)を素材とする厚板状の複数のブロック15が密着し
て埋め込み固定されている。ブロック15の一方の面は
第1成形型10の第1成形面10aとほゞ平行に設けら
れ、各ブロック15の反対側の面には誘導加熱コイル1
6が固定されている。誘導加熱コイル16は渦巻状に巻
回した平板状のコイルを複数枚重ねて直列接続したもの
である。第1成形型10は定盤19を介して固定側型支
持部材に取り付けられている。
【0011】同じく図1〜図3に示すように、第2成形
型20は、ニッケル電鋳により成形されてドアトリムを
覆う複合層31の表面を形成する第2成形面20aが下
面に形成された表面層21と、これを上側から支持する
鉄板製のフレーム22よりなり、フレーム22を形成す
る外枠22aと複数の補強リブ22bは表面層21に溶
接固定されている。第2成形面20aの外周に沿って表
面層21に形成された外向き段部20bは、図2及び図
3に示すように両型10,20が最接近位置となった状
態では、僅かの隙間をおいて下型10の外向き段部10
bと嵌合可能である。ステンレス鋼管等よりなる複数の
温調配管23は、フレーム22を溶接する前に表面層2
1の裏面(上側)に沿って溶接固定され、またドアトリ
ムの上半部及びアームレスト部に対応する一部の温調配
管23の間には、鉄等の強磁性高抵抗体を素材とする複
数の板状のブロック25が表面層21の裏面に密着固定
されている。図示のように、一部のブロック25は表面
層21の裏面に密着させるために屈曲されている。フレ
ーム22と温調配管23とブロック25の間となる表面
層21の裏面は、アルミニウム粉末を混入したエポキシ
樹脂からなるバッキング24により裏打ち補強されてい
る。各ブロック25の上面に固定された誘導加熱コイル
26は、第1成形型10に設けたものと実質的に同一構
造であるが、一部のものはブロック25の形状に合わせ
て屈曲されている。第2成形型20は定盤29を介して
可動側型支持部材に取り付けられている。
【0012】主として図2及び図3に示すように、両成
形型10,20が最接近位置となった状態では、第1成
形型10の第1成形面10aに支持された基材30の表
面30aと第2成形型20の第2成形面20aの間の間
隔は、ドアトリムの上半部及びそれに続くアームレスト
部(特にその上部)では大きく、下半部では小さくなっ
ている。各成形型10,20に設けるブロック15,2
5及び誘導加熱コイル16,26は、この間隔が大きい
部分に対応して設けられている。なお、この下半部に相
当する部分のこの間隔は、後述する溶融樹脂積層体31
mよりもやや大である。
【0013】この実施の形態の成形装置は、図1に示す
ように第2成形型20が上方に離隔された状態におい
て、基材30を支持した第1成形型10の上方に張り出
して移動する供給ダイス35、並びにこれに表皮層32
及び発泡層33となる溶融状態の合成樹脂材料を供給す
る2本の供給管36(図1は1本のみを示す)を備えて
いる。複合層31となる表皮層32及び発泡層33の材
料は、何れもポリオレフィン系の合成樹脂(例えばポリ
プロピレン)であり、発泡層33の材料には発泡剤(例
えばアゾジカルボンアミド系のもの)が混練されてい
る。
【0014】次にこの実施の形態の成形装置方法の説明
をする。先ず第2成形型20を上方に離隔させた状態に
おいて、低温(例えば50℃)とした第1成形型10の
第1成形面10a上に、予め成形された基材30をセッ
トする。次いで、樹脂を計量して押し出す射出成形機用
の押出機から供給管36を介して供給ダイス35に供給
された溶融状態の表皮層32及び発泡層33の材料は、
互いに接合されて一体的に重ね合わされた表側溶融樹脂
層32m(温度は例えば160℃程度)及び未発泡の内
側溶融樹脂層33m(温度は例えば110℃程度)より
なる塑性に富んだ二層シート状の溶融樹脂積層体31m
となって、供給ダイス35の細長いスリット状の押出し
口35aから押し出される。これと同時に供給ダイス3
5は図において右向きに移動し、溶融樹脂積層体31m
は内側溶融樹脂層33m側を下にして、第1成形型10
及びその上にセットされた基材30の上側ほゞ全体を覆
うように供給される。
【0015】次いで第2成形型20を第1成形型10に
向けて下降させ、図2に示す最接近状態に達すれば第2
成形型20の下降を停止させる。この最接近状態におい
て、第1成形型10に支持された基材30の表面30a
と第2成形型20の第2成形面20aの間の間隔は、ド
アトリムの上半部及びアームレスト部となる部分の方が
下半部となる部分よりも大であり、後者となる部分の間
隔は未発泡状態の溶融樹脂積層体31mの厚さよりも大
である。この型締めの途中で、第1成形型10の外向き
段部10bから外側にはみ出した溶融樹脂積層体31m
の不要部分は、互いに嵌合する両段部10b,20bの
剪断作用により切除される。なお溶融樹脂積層体31m
の不要部分の切除に使用する外向き及び内向き段部10
b,20bは、第1成形型10側を内向き段部とし、第
2成形型20側を外向き段部としてもよい。あるいはこ
のような互いに嵌合する段部による剪断の代わりに、第
2成形型20の第2成形面20aの外側に沿って下向き
に設けた押切り刃を第1成形型10外周の平面部に押し
当てて行うようにしてもよい。
【0016】前述した溶融樹脂積層体31mの供給と前
後して第1及び第2成形型10,20の各温調配管1
3,23に高温水を送り込んで両成形型10,20の成
形面10a,20a付近を全体的に加熱し(温度は例え
ば160℃程度)、また各誘導加熱コイル16,26に
交番電流を印加することにより、両成形型10,20の
成形面10a,20aのドアトリムの上半部及びアーム
レスト部に対応する部分だけを加熱する(温度は例えば
160℃程度)。これにより溶融樹脂積層体31mは、
基材30の表面30aと第2成形型20の第2成形面2
0aの間の間隔が大きいドアトリムの上半部及びアーム
レスト部(特にその上半部)となる部分の方がドアトリ
ムの下半部となる部分よりも速くかつ強く加熱されて内
側溶融樹脂層33mの発泡が促進される。従って、この
間隔が大きい部分は、この間隔が小さいドアトリムの下
半部に相当する部分に比して遅れることなく速やかに、
大きい発泡倍率で発泡充填される。
【0017】誘導加熱コイル16,26による両成形型
10,20の部分的加熱を更に詳しく説明すれば次の通
りである。第1成形型10の誘導加熱コイル16に印加
された交番電流は電磁誘導によりブロック15に渦電流
を誘起し、この渦電流によるジュール熱により強磁性高
抵抗体のブロック15は発熱して温度が上昇し、第1成
形型10のこれに密着された付近はブロック15からの
熱伝導により加熱されて、第1成形型10の第1成形面
10aのドアトリムの上半部及びアームレスト部に対応
する部分はドアトリムの下半部に比して速くかつ強く加
熱される。また第2成形型20の誘導加熱コイル26に
印加された交番電流は電磁誘導によりブロック25及び
その付近の表面層21に渦電流を誘起し、この渦電流に
よるジュール熱により強磁性高抵抗体のブロック25及
び表面層21は発熱して温度が上昇し、これにより第2
成形型20の第2成形面20aのドアトリムの上半部及
びアームレスト部に対応する部分はドアトリムの下半部
に比して速くかつ強く加熱される。
【0018】なお、ブロック15は厚板状でその一方の
面が第1成形面10aとほゞ平行に第1成形型10の裏
側に固定され、反対側の面に誘導加熱コイル16が固定
されているので、ブロック15はほゞ均一に誘導加熱さ
れ、これにより第1成形型10のこれに密着された付近
もほゞ均一に加熱される。またブロック25も板状でそ
の一方の面が第2成形型20の表面層21の裏側に密着
固定され、反対側の面に誘導加熱コイル26が固定され
ているので、ブロック25及び第2成形型20のこれに
密着された付近もほゞ均一に加熱される。従って溶融樹
脂積層体31mのドアトリムの上半部及びアームレスト
部に対応する部分は、ドアトリムの下半部に比して速く
かつ強く加熱されると共にその部分内部における加熱の
不均一は少なくなるので、その内部における発泡はほゞ
均一に促進される。
【0019】内側溶融樹脂層33mの発泡が完了すれ
ば、各誘導加熱コイル16,26に対する交番電流を停
止して誘導加熱を停止し、各温調配管13,23に冷水
を送り込んで第1及び第2成形型10,20の成形面1
0a,20aを冷却し、熱伝達により溶融樹脂積層体3
1mの温度を低下させる。成形面10a,20aの温度
が50℃程度にまで低下し、各溶融樹脂層32m,33
mが硬化したところで、上型20を上昇させてドアトリ
ムを取り出す。これにより得られたドアトリムは、上半
部及びアームレスト部(特にその上半部)では発泡層3
3の発泡倍率が大きいので充分なソフト感が得られ、下
半部では発泡層33の発泡倍率が小さいので充分な耐久
性が得られる。
【0020】上記実施の形態では、ドアトリムを全体的
に加熱する温調配管13,23と、上半部及びアームレ
スト部を加熱する誘導加熱コイル16,26を設けたの
で、ドアトリム全体の温度と上半部及びアームレスト部
の温度とを別々に調節することができ、それぞれに最も
よく適した温度調節を行うことができる。
【0021】上記実施の形態では、非磁性低抵抗体より
なる成形型10にその裏側からその成形面10aに接近
させて強磁性高抵抗体を素材とするブロック15を密着
固定し、このブロック15を加熱する誘導加熱コイル1
6を設けたものを下型として使用し、電鋳による表面層
21により成形面20aを形成した成形型20を上型と
して使用しているが、本発明はこれと逆に、このような
非磁性低抵抗体よりなりブロックと誘導加熱コイルを設
けた成形型を上型として使用し、電鋳による表面層によ
り成形面を形成した成形型を下型として使用して実施し
てもよい。また上下両型とも、非磁性低抵抗体よりなり
ブロックと誘導加熱コイルを設けた成形型を使用して実
施してもよい。
【0022】また上記実施の形態では、予め成形された
基材30を使用したが、本発明は供給ダイス35より押
し出し供給される溶融樹脂積層体31mを基材30とな
る溶融樹脂層を加えた3層として、予め成形された基材
を省略することもできる。
【0023】本発明を射出成形やブロー成形に適用する
場合には、前述のように第1成形型10及び第2成形型
20を上下に配置する代わりに水平に配置して実施する
ことも可能である。
【0024】また非磁性低抵抗体としては上述のような
アルミニウムに限らず銅あるいはこれらの合金を使用し
てもよく、強磁性高抵抗体も鉄に限らずステンレス鋼あ
るいはこれらに相当する強磁性合金を使用してもよい。
【0025】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、成形型
の素材を非磁性低抵抗体とした場合でも誘導加熱コイル
による成形型の加熱が可能となり、これにより成形型の
ブロックと接する付近を他の部分より速くかつ強く加熱
して高温にすることができる。
【0026】ブロックを板状としてその一方の面を成形
型の裏側に固定し、このブロックの反対側に誘導加熱コ
イルを固定したものによれば、成形型のブロックに密着
された付近はほゞ均一に加熱されるので、温度が不均一
になることにより製品の成形に不都合が生じることがな
い。
【0027】成形型の素材である非磁性低抵抗体をアル
ミニウム鋳物とすれば成形型の加工が容易となり、また
ブロックの素材である強磁性高抵抗体を鉄とすればブロ
ックが安価となり、何れも成形装置の製造コストを低下
させることができる。
【0028】また非磁性低抵抗体よりなる成形型に熱水
または冷水等の熱媒体を通す温調配管を設ければ、誘導
加熱コイルにより加熱される部分の温度と、温調配管に
より加熱されるその他の部分の温度とを別々に調節する
ことができ、それぞれに最もよく適した温度調節を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による加熱機構を備えた成形装置の1
つの実施形態における、溶融樹脂供給途中の状態を示す
断面図である。
【図2】 図1に示す実施形態における、型締めを終了
した時の状態を示す断面図である。
【図3】 図1に示す実施形態における、発泡及び冷却
を終了し時の状態を示す断面図である。
【図4】 従来技術による加熱機構を備えた成形装置の
一例の図1に相当する断面図である。
【図5】 図4に示す従来技術の図3に相当する断面図
である。
【符号の説明】
10,20…成形型、10a,20a…成形面、13…
温調配管、15…ブロック、16…誘導加熱コイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石原 幸雄 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラコ 株式会社内 (72)発明者 外村 徹 京都市山科区西野離宮町40番地 トクデン 株式会社内 (72)発明者 足立 幸正 愛知県岡崎市北野町字高塚101 中村科学 機器株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する面に成形面が形成された
    1対の成形型を有し、この両成形型を互いに接近離隔さ
    せて前記両成形面により合成樹脂等の成形を行う成形装
    置において、前記両成形型の少なくともいずれか一方の
    素材を非磁性低抵抗体とし、この非磁性低抵抗体よりな
    る成形型の裏側からその成形面に接近させて強磁性高抵
    抗体を素材とするブロックを密着固定し、このブロック
    を加熱する誘導加熱コイルを設けたことを特徴とする加
    熱機構を備えた成形装置。
  2. 【請求項2】 前記ブロックは板状でその一方の面が前
    記成形面とほゞ平行に前記非磁性低抵抗体からなる成形
    型の裏側に固定され、このブロックの反対側の面に前記
    誘導加熱コイルが固定されている請求項1に記載の加熱
    機構を備えた成形装置。
  3. 【請求項3】 前記非磁性低抵抗体がアルミニウム鋳物
    である請求項1または請求項2に記載の加熱機構を備え
    た成形装置。
  4. 【請求項4】 前記強磁性高抵抗体が鉄である請求項1
    〜請求項3のいずれか1項に記載の加熱機構を備えた成
    形装置。
  5. 【請求項5】 前記非磁性低抵抗体よりなる成形型は、
    熱水または冷水等の熱媒体を通す温調配管を更に備えて
    なる請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の加熱機
    構を備えた成形装置。
JP9055205A 1997-03-10 1997-03-10 加熱機構を備えた成形装置 Pending JPH10249862A (ja)

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JP (1) JPH10249862A (ja)

Cited By (6)

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