JPH10249653A - ボルト挿入装置 - Google Patents

ボルト挿入装置

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JPH10249653A
JPH10249653A JP5769797A JP5769797A JPH10249653A JP H10249653 A JPH10249653 A JP H10249653A JP 5769797 A JP5769797 A JP 5769797A JP 5769797 A JP5769797 A JP 5769797A JP H10249653 A JPH10249653 A JP H10249653A
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Yasuyuki Fujii
靖幸 藤井
Takashi Ekusa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ワークから離れた地点よりボルトを
該ワークのボルト孔に対して確実に挿入させることがで
きるボルト挿入装置を提供する。 【解決手段】本発明は、予めワーク3のボルト挿通孔4
にガイドピン21bを挿通させて、ワーク3を位置決
め、その後ワーク上方に在る仮置き台32a,32b
で、ガイドピン21bの挿通端と、供給されるボルト5
とを、両者を径方向から挟んで軸心同士が合致するよう
直列に位置決め、このボルト3の頭部を押え具43で押
えて、ボルト両端を挟持したまま、開放する仮置き台3
2a,32bを通じて、ボルト5を挟持したまま、ガイ
ドピン21bを戻し、ガイドピン21bに位置決めされ
ているボルト5をそのまま、ワーク3のボルト孔4に差
し込ませるようにすることにより、ワークから離れた地
点からの挿入が余儀なくされる状況で、確実、かつスム
ースにボルト5をボルト孔3を挿入させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワーク、例えばエ
ンジンのシリンダヘッドに、ボルトを組み込むボルト挿
入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レシプロエンジンを組み立てる工場のラ
インでは、動弁機構が組み付いたシリンダヘッドを搬送
の途中で一旦、停止させ、この間においてシリンダヘッ
ドのヘッド固定用ボルト孔にヘッドボルトを挿入させ、
このボルトの挿入が終えると、シリンダブロックが供給
されるラインに合流させ、シリンダヘッド被せ装置で、
シリンダヘッドをシリンダブロックの頭部に被せて、ヘ
ッド固定工程に進ませている。
【0003】こうしたラインで行われるシリンダヘッド
(ワークに相当)に対するヘッドボルトの挿入には、図
13に示されるようにパーツフィーダaに整列したヘッ
ドボルトbの頭部をチャック機構c(ボルト供給機構)
でチャッキングして、このヘッドボルトb(以下、単に
ボルトという)をラインd上で位置決められているシリ
ンダヘッドeの上方に送り、この位置から下方に待機し
ているシリンダヘッドeのヘッド固定用ボルト孔f(ボ
ルト挿通孔に相当、以下、単にボルト孔という)へ、ヘ
ッドボルトbを導入させる方法が用いられている。な
お、図13中、gはシリンダブロック、hは同シリンダ
ブロックgを搬送するライン、iはシリンダヘッドeを
シリンダブロックgの頭部に被せるヘッド被せ装置を示
す。
【0004】ところで、図14に示されるようにシリン
ダヘッドeは、シリンダヘッドeの上面から退避した位
置にシリンダヘッド取付用のボルト孔fの入口があり、
またこの入口の周辺にはロッカーアーム、ロッカシャフ
トといった動弁機構kを構成する各種部品や点火プラグ
(図示しない)をガイドするためのガイドパイプ(図示
しない)が組み付けられているので、ボルトfの挿入に
は制約が課せられる。
【0005】すなわち、ボルトbの先端部がボルト孔f
へ到達する位置までチャック機構cを下降させて、ボル
トbを保持しているチャック部jを開動作すると、チャ
ック部jがボルト孔fの入口周辺に在る動弁部品や点火
プラグのガイドパイプと干渉して、ボルトbの挿入が容
易に行えない。
【0006】そこで、この制約を回避するため、従来、
図14(a)に示されるように動弁部品や点火プラグの
ガイドパイプと干渉しないようなシリンダヘッド上方の
位置で、チャック部jを開動作させることが行われてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このチャッ
ク部jが開閉できる位置は、ボルト先端がボルト孔fの
入口付近に達していないで、ボルトfは開くチャック部
jから落下してボルト孔dの入口へ到達することとな
る。
【0008】このため、ボルト孔dに対するボルトbの
入り方にばらつきが生じ、例えば図14(b)に示され
るようにボルト全体が傾いた状態でボルト孔fに組み付
いたり、図示はしないがボルトbがシリンダヘッドeに
組み付かなかったりするなどの挿入不良が生じることが
あった。
【0009】それ故、ボルト挿入工程の後、人手によ
り、挿入不良となったボルトdを挿入し直すことが余儀
なくされ、この作業工数がエンジンの組み立てラインの
生産効率を低減させたり、多くの人手を費やす結果とな
っている。
【0010】特にボルトに嵌まっているワッシャー(図
示しない)がボルトbから抜けたようなときには、それ
を組み付け直すために時間を費やすだけでなく、かなり
面倒な作業が強いられる。
【0011】そのため、チャック部jの開閉がワーク近
くで行えないような特異な位置,形状のワークに対し
て、良好にボルトbの挿入が行える装置が要望されてい
る。本発明は上記事情に着目してなされたもので、その
目的とするところは、ワークから離れた地点からでも確
実にボルトを該ワークのボルト孔に対して挿入させるこ
とができるボルト挿入装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載したボルト挿入装置は、ワークのボル
ト挿通孔へボルトを誘導するためのガイドピンを挿通さ
せるピン挿通機構と、ボルト挿通孔と組み合うボルト
を、ボルト挿通孔を挿通したガイドピンの挿通端に、軸
心が合致するよう当接位置決めする位置決め機構と、位
置決めされたボルトをガイドピンと共に軸心方向両端か
ら挟持する押え部材と、挿通したガイドピンをガイドと
して、押え部材でボルトの両端を挟持しながらボルトを
ボルト挿通孔へ差込ませる差込み機構とを有して構成し
たことにある。
【0013】この請求項1のボルト挿入装置によると、
ワークから離れた地点からボルトを搬送しワークのボル
ト挿通孔にボルトを挿入するときは、まず、例えばワー
クのボルト挿通孔にガイドピンを挿通し、つぎにこのガ
イドピンの挿通端に、仮置き台装置におかれたボルトを
位置決め機構で軸心同士が合致するように直列に並べ
る。
【0014】ついで、この位置決めされたボルトを押え
部材とガイドピンの挿通端とで両端から挟持する。この
後、差込み機構で、ガイドピンを戻す(図11で下方)
とともに押え部材を進ませ、下降するガイドピンをガイ
ドとして押え部材およびガイドピンとでボルトの両端を
挟持しながらワークに設けられたボルト挿通孔へボルト
を差し込む。
【0015】このとき、ボルトとボルト挿通孔との両者
は、ガイドピンを介して、互いに位置決めされているか
ら、ボルトは先端からワークのボルト挿通孔へスムーズ
に差し込まれることになり、ワークから離れた地点から
でも、確実にワークのボルト挿通孔へ挿入される。
【0016】この結果、ボルトを供給する機構とワーク
との制約で生じていたボルトの挿入不良の発生、さらに
は同挿入不良を是正するのに必要な作業を省くことがで
きるようになる。
【0017】請求項2に記載のボルト挿入装置は、上記
目的に加え、一度に多くのボルトをワークのボルト挿通
孔に挿入させることを実現させるために、ワークに所定
の配置で設けられた複数のボルト挿通孔へボルトを誘導
するための複数のガイドピンを一度に挿通させるピン挿
通機構と、ボルト挿通孔と組み合うボルトを、各ボルト
挿通孔を挿通した各ガイドピンの挿通端に、軸心が合致
するよう当接位置決めする位置決め機構と、位置決めさ
れた各ボルトを各ガイドピンと共に軸心方向両端から一
度に挟持する押え部材と、挿通した各ガイドピンをガイ
ドとして、各押え部材で各ボルトの両端を挟持しながら
各ボルトを一度にボルト挿通孔へ差込ませる差込み機構
とを有して構成したことにある。
【0018】請求項3に記載のボルト挿入装置は、上記
目的に加え、供給されるボルトの挿入ばらつきに関わら
ず同ボルトを最適にボルト挿通孔へ差し込ませるため
に、請求項1または請求項2に記載した位置決め機構
を、ガイドピンの導入される位置に設けられ一対のブロ
ックから構成される仮置き台と一対のブロックを互いに
接離可能にする接離機構とを有して構成され、一対のブ
ロックが、供給されるボルトを受ける凹面とこの凹面の
頂部に連通する位置決め用の通孔とを形成し、かつ凹面
および通孔が径方向に互いに接離するとともに、接離機
構が、一対のブロックを全閉位置、全開位置、さらには
その中間位置に可動させ、中間位置では、ボルトの軸部
が通孔の一方端から凹面をガイドとして通孔内に導入さ
れるとともに、通孔の他方端からガイドピンの挿通端が
通孔内に導入され、全閉位置では、ガイドピンの挿通端
とボルトの軸部とが、一対のブロックによる挟み付けに
より同軸となるように位置決められ、全開位置では、通
孔内を挟持されたボルトおよび押え部材が貫通するよう
にしたことにある。
【0019】この請求項3のボルト挿入装置によると、
仮置き台を中間位置にしておき、ボルト供給機構から受
け取ったボルトの軸部とボルト挿通孔を挿通したガイド
ピンの挿通端とを通路の両側から導入させる。
【0020】このとき、ボルト供給機構からボルトを受
け取る仮置き台の凹面は、略円錐状をなしているから、
たとえ通孔から位置ずれ(ばらつき)たままボルトを受
けても、ボルト先端は凹面でガイドされながら通孔へ導
かれるので、常に仮置き台の通孔内には所定の姿勢でボ
ルトが差し込まれる。
【0021】ついで、仮置き台を全閉させ、直列に並ぶ
ガイドピンの挿通端とボルトの軸部とを、ブロックの通
孔内面による径方向からの挟み付けにより位置決める。
これにより、ワークのボルト挿通孔に位置決めされてい
るガイドピンに対して、ボルトが互いに軸心同士が合致
するように位置決められる。
【0022】この後、押え部材が、ボルトのもう一方の
端部を押え、位置決められているボルトを両端から挟持
する。ついで、仮置き台が全開して、通孔内で挟持され
たボルトおよび押え部材が貫通するようになる。
【0023】これにより、供給されるボルトの挿入ばら
つきに関わらず、同ボルトを最適にボルト挿通孔へ差し
込める。請求項4に記載のボルト挿入装置は、上記目的
に加え、各ボルト長の異なるボルトが混在していても、
複数のボルトを一度にワークのボルト挿通孔に挿入させ
ることを実現するために、請求項2または請求項3に記
載のガイドピンに、各ボルト長の差を許容する差動機構
を設けたことにある。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1ないし図12
に示す第1の実施形態にもとづいて説明する。図1は、
レシプロエンジンの組立ラインの一部を示していて、図
中1は例えばコンベア装置から構成されたシリンダヘッ
ド用の搬送路である。
【0025】この搬送路1は、動弁機構2、点火プラグ
のガイドパイプ(図示しない)の組み付けを終えたシリ
ンダヘッド3(本願のワークに相当)を搬送させる。な
お、シリンダヘッド3は例えば気筒が並ぶ方向を搬送方
向とほぼ平行にして搬送されるものである。
【0026】この搬送路1の途中には、ヘッドボルト5
を挿入するための作業ステーションAが設けられてい
る。なお、6は作業ステーションAにシリンダヘッド3
を停止させるためのストッパー装置である。
【0027】この作業ステーションAの周囲には、本発
明の要部となるヘッドボルト挿入装置7(本願のボルト
挿入装置に相当)が設けられている。このヘッドボルト
挿入装置7は、ロボット装置8のアーム部先端に設けた
チャック機構8a(ボルト供給機構)によって搬送路1
から離れた地点に在るパーツフィーダ9からチャキング
され、作業ステーションAへ運ばれてきたヘッドボルト
5を受け取り、これを作業ステーションAに停止してい
るシリンダヘッド3に対向させ離れた地点から同シリン
ダヘッド3のヘッド固定用ボルト孔4に挿入させるもの
である。
【0028】具体的には、ヘッドボルト挿入装置7は、
作業ステーションAを挟んで下側に設置したピン挿通装
置10、上側に設置した仮置き台装置30(本願の位置
決め機構に相当)、さらに上側に設けた移動式のボルト
押え装置40とを組み合わせて構成される。
【0029】そして、これら各装置のうち、ピン挿通装
置10の構造が図2に示され、仮置き台装置30の構造
が図4に示され、ピン挿通機構40の構造が図5に示さ
れている。
【0030】詳しくは、ピン挿通装置10はつぎのよう
になっている。すなわち、図1中11は作業ステーショ
ンAの周囲に設置されたヘッドボルト挿入装置の架台で
ある。
【0031】この架台11は、例えば作業ステーション
Aを囲むように配置された複数の柱部材12と、これら
柱部材12に支持されて搬送路1の直下およびそれから
下側に離れた部位にそれぞれ設けられた2段の支持プレ
ート13a,13bとを有して構成されている。
【0032】このうち下段に配置された支持プレート1
3bの下面中央には、搬送方向に並ぶ2つのエアーシリ
ンダ14a,14bが上向きに設置されている。そし
て、これらエアーシリンダ14a,14bの進退杆15
b(片側しか図示せず)が、支持プレート13bを摺動
自在に貫通して上方へ延びている(図2に図示)。
【0033】これら進退杆15bの先端部には、後述す
るボルト長調整用の差動機構16を収容したフレーム1
7がそれぞれ設けてある。なお、2つの在る差動機構1
6、フレーム17は、区別するために搬送方向後側の機
構、フレームについては語尾に「a」を加えた番号を用
い、搬送方向前側の機構、フレームについては語尾に
「b」を加えた番号を用いる。
【0034】このうちフレーム17aは、例えば上下一
対の矩形のプレート19a,19bの相互間を複数本の
支柱19cで連結して構成される。また同様にフレーム
17bも上下一対の矩形のプレート20a,20bの相
互間を複数本の支柱20cで連結して構成されている。
そして、各下側のプレート19b,20bがそれぞれ先
の進退杆15a,15bに連結してある。
【0035】また各フレーム17a,17bの上側のプ
レート19a,20aからは、作業ステーションAにシ
リンダヘッド3を位置決めたときのボルト孔位置と対応
した地点から、それぞれ長尺なガイドピン21a,21
bが突き出ている。
【0036】具体的には、プレート20aからは3気筒
用のシリンダヘッド3に形成されているヘッド固定用ボ
ルト孔4の個数に応じた8本のガイドピン21bが上方
へ突出し、プレート19aからは3気筒用のシリンダヘ
ッド3と4気筒用のシリンダヘッド3の差分の本数、例
えば2本のガイドピン21aが上方へ突き出ている。な
お、ガイドピン21a,21bは、いずれもヘッド固定
用ボルト孔4に内径に対応した外径をもつピン部材を用
いてある。
【0037】そして、各ガイドピン21a、21bの先
端側は、上側の支持プレート13a,13bに設けたガ
イドブッシュ21cを摺動自在に貫通し、作業ステーシ
ョンAの直下で待機している。
【0038】これにより、作業ステーションAに3気筒
用のシリンダヘッド3が停止したときは、エアーシリン
ダ14bを伸長側に作動させて、各ガイドピン21bの
先端部をシリンダヘッド3の各ヘッド固定用ボルト孔4
を通し、上方に所定距離、突出させることにより、該3
気筒用のシリンダヘッド3を所定位置に位置決められる
ようにしてある。また作業ステーションAに4気筒用の
シリンダヘッド3が停止したときは、2つのエアーシリ
ンダ14a,14bを同様に伸長側に作動させて、各ガ
イドピン21a,21bの先端部を各ヘッド固定用ボル
ト孔4を通し、上方に所定距離、突出させることによ
り、該4気筒用のシリンダヘッド3を所定位置に位置決
められるようにしてある。
【0039】一方、図1に示されるように搬送路1を挟
む支持プレート13aの両側全体からは、搬送路上方に
向かって一対のフレーム板22が突き出ている(片側の
一部分しか図示せず)。なお、これらフレーム板22
は、例えば一対の略平行なプレートを用いてある。
【0040】そして、これらプレートのうち、作業ステ
ーションAを挟むプレート部分22a間には、上記仮置
き台装置30が設けてある。仮置き台装置30は、図4
に示されるようにプレート部分22a,22a間に所定
の間隔で架設された複数本、例えば4本のガイドバー3
1と、これらガイドバー31に摺動自在に嵌挿されて、
ヘッド固定用ボルト孔4が2列に並ぶ2つの地点に配置
された接離式の仮置き台32a,32bとを有してい
る。なお、ガイドバー31の両端は、プレート部分22
a,22aに固定された支持板31aで、支持プレート
13a,13bに支持させてある。
【0041】仮置き台32a,32bは、いずれも全体
が搬送路1とは直角な方向に接離可能な帯形ブロック3
3a,33bより構成されている。これら帯形ブロック
33a,33bの分離面のうち、各ヘッド固定用ボルト
孔4と対応する部位には、それぞれ上下方向に貫通する
ボルト位置決め孔34が形成されている。
【0042】各ボルト位置決め孔34は、帯形ブロック
相互が密接するに伴い上側に形成される略円錐形の凹面
34aと、同じく下側に形成される凹面34aの頂部と
連通する位置決め用の通孔34bとの組み合わせから構
成してある。なお、通孔34bはいずれもガイドピン2
1a,21bの外径と対応した内径を有している。
【0043】こうした各仮置き台32a,32bが、2
列に並ぶボルト位置決め孔34(シリンダヘッド3)の
列中心から同時に接離するよう、同じ向きの帯形ブロッ
ク同士を連結杆35で連結してある。
【0044】また外側に配置された帯形ブロック33
a,33bは、各支持板31aに設置した一対のエアー
シリンダ36(接離機構に相当)から延びている進退杆
36aに連結され、これらエアーシリンダ36の作動に
よって、対の帯形ブロック33a,33bを、全閉位
置、全開位置、さらにはその中間位置、具体的には全閉
位置から2mm程度開いた中間位置といった3モードで接
離させるようにしてある。
【0045】そして、中間位置のとき、帯形ブロック3
3a,33bに形成される円錐状の凹面34aにて、チ
ャック機構8aで運ばれてきたヘッドボルト5を受け取
り、該円錐状の凹面34aをガイドとして、ヘッドボル
ト5の軸部5bを通孔34b内へ導けるようにしてい
る。と共にこの通孔34bの下側からは、ヘッド固定用
ボルト孔4を挿通してきたガイドピン21a,21bの
挿通端を受け入れて、ヘッドボルト5とガイドピン21
a,21bとを直列に並ばせるようにしてある。
【0046】また全閉位置の帯形ブロック33a,33
bにて、通孔34b内で直列に並んでいるガイドピン2
1a,21bの挿通端とヘッドボルト5の軸部5bと
を、同時に帯形ブロック33a,33bの通孔内面で挟
み付けて、ガイドピン21a,21bとヘッドボルト5
との軸心を合致させるようにしてある。
【0047】こうした仮置き台32a,32bの接離動
作により、ヘッド固定用ボルト孔4を挿通した各ガイド
ピン21a,21bの先端に対して、ヘッドボルト5を
直列に位置決められるようにしている。
【0048】他方、図1に示されるようにフレーム板2
2の上端部には、同端部全体に渡り取着した一対のフラ
ンジ状の支持座23を用いて、搬送路1の搬送方向に延
びる一対のガイドレール24が据え付けてある。
【0049】このガイドレール24には、摺動ガイド2
5aを介して、一対の台プレート25が移動自在に設け
られている。そして、この台プレート25を用いて、上
記ボルト押え装置40が移動自在に据え付けてある。
【0050】このボルト押え装置40について説明すれ
ば、26は台プレート25,25間に架設された上方向
へ突き出る逆凹形のカバーである。このカバー26の上
部壁には、倒立状態でエアーシリンダ41が据え付けて
あり、そのエアーシリンダ41の進退杆41aがカバー
26内へ摺動自在に突き出ている。
【0051】この進退杆41aの先端部には、図5に示
されるようにカバー26内の天井側に収容されたプレー
ト状のホルダー42が取着されている。このホルダー4
2の各部、すなわち各ヘッド固定用ボルト孔4に対応す
る部位には、ボルト押え具43(押え部材に相当)が下
向きに取り付けられている。
【0052】このボルト押え具43は、例えばホルダー
42の下面から所定距離、突き出た細杆部43aと、こ
の細杆部43aの下端部に形成された、ヘッドボルト5
の頭部と嵌挿自在なボルト嵌挿部43bとを組み合わせ
て構成される。なお、図5中、43cはボルト嵌挿部4
3bをなすボルト頭部と挿脱自在な凹部を示す。
【0053】そして、エアーシリンダ41の作動によ
り、このボルト押え具43を、仮置き台32a,32b
より高い待機位置と、シリンダヘッド3の上面近くのボ
ルト差し込み位置との間の範囲内で所定に昇降させるよ
うにしてある。
【0054】またカバー26の搬送方向上流側の端部に
は、支持座23,23間に据え付けた横向きエアーシリ
ンダ45の進退杆45aが連結されていて、エアーシリ
ンダ45の伸長動作により、各ボルト押え具43を、図
1中に示す作業ステーションAから離れた待機位置か
ら、図7(c)に示す作業ステーションA上、シリンダ
ヘッド3のボルト孔位置と合致する地点(位置決め位
置)まで移動させるようにしてある。
【0055】これにより、仮置き台32a,32bでヘ
ッドボルト5とガイドピン21a,21bとの位置決め
を終えた後、仮置き台32a,32bの上方からボルト
押え具43を下降させることにより、ボルト嵌挿部43
bで仮置き台21a,21bから上方に突き出ているヘ
ッドボルト5の頭部を嵌挿させつつ下方へ押し付けるよ
うにしてある。
【0056】この押し付けにより、位置決めされたヘッ
ドボルト5の両端をガイドピン21a,21bとボルト
嵌挿部43bとにて挟持するようにしている。そして、
仮置き台32a,32bの全開動作と、エアーシリンダ
14a,14bとエアーシリンダ41との協同によるボ
ルト下降動作とを行うことにより、ヘッドボルト5が両
端から挟持されたまま、ボルト押え具43と一緒に、全
開している帯形ブロック33a,33b間を通過して、
ヘッドボルト5をヘッドボルト5の先端からヘッド固定
用ボルト孔4内へ導けるようにしてある。
【0057】こうした駆動装置の制御が、制御部46
(例えばマイクロコンピュータより構成されるもの)に
設定され、ヘッドボルト5を位置決め挟持後、下方に戻
るガイドピン21a,21bをガイドとしてヘッドボル
ト5をヘッド固定用ボルト孔4に差し込ませる差し込み
装置47を構成している。
【0058】またこの制御部46には、作業ステーショ
ンAで一旦、停止したシリンダヘッド3の種類(3気筒
あるいは4気筒)に応じて機器を使い分けて、順次、仮
置き台32a,32bを中間位置で開にする工程、ガイ
ドピン21a,21bを挿通させる工程、ヘッドボルト
5を仮置き台32a,32bに受け渡す工程、仮置き台
32a,32bを全閉にする工程、ボルト押え具43で
ヘッドボルト5を両端から挟持させる工程、仮置き台3
2a,32bを全開にする工程、ヘッドボルト5をヘッ
ド固定用ボルト孔4へ差し込む工程を行わせる機能が設
定してある。
【0059】他方、前述の差動機構16a,16bは、
ワーク機種の違いにより異なるボルト長が混在する複数
本のヘッドボルト5を取り扱うときに有効に機能する機
構である。
【0060】これら差動機構16a,16bの構造が図
2および図3に示されている。差動機構16a,16b
は、同様の構造が採用されているので、このうち3気筒
と4気筒との双方の位置決めをなすガイドピン21bに
付いている差動機構16bの構造についてだけを説明す
ることにする。
【0061】差動機構16bには、例えばシーソ式のリ
ンク機構でボルト長の差を許容する構造が用いられてい
る。具体的には、プレート20aの下面中央には、中央
部に支点部50aを有し、両端部に搬送方向に沿って均
等に延びるレバー部50bを有したシーソ形のリンク5
0が据え付けてある。またプレート20aを摺動自在に
貫通している各ガイドピン21bの端部は、搬送路1の
搬送方向と直角方向に並ぶ2つのガイドピン21bを1
組として、中央に支点部52aを有するシーソ形のリン
ク52の端部でそれぞれ支えてある。
【0062】そして、各レバー部50bの端部に形成さ
れているフォークエンド50cと、搬送方向と直角な向
きで隣合う2つのリンク52との3者が、シーソ形のリ
ンクを構成する略十字状のピン部材53で回動自在に連
結され、差動機構16bの全体を構成している。
【0063】こうした3段のシーソ機構の階層的な組み
合わせにより、例えばガイドピン21bのうちの1つの
ガイドピン21bの突出量が、他のヘッドボルト5とは
異なるヘッドボルト5の使用によって変わったとする
と、その変位を、まず、ガイドピン間に在るリンク52
の支点部52aを支点とした回動変位によって許容し、
これで許容しきれないと、つぎのリンク間に在るピン部
材53の中間の支点部53aを支点とした回動変位によ
って許容し、さらにこれで許容しきれないと、ピン部材
間に在る50の支点部50aを支点とした回動変位によ
って許容するようにしてある。
【0064】なお、詳細には説明しないが、差動機構1
6aにはガイドピン21a,21aの端部相互を1段の
シーソ形のリンクで支える構造が採用され、同様にボル
ト長の差を許容できるようにしてある。
【0065】但し、図1中、60は搬送路1と合流する
ように設けられたシリンダブロック搬送用の搬送路、6
1は搬送路1と搬送路60との合流部に設けられ、作業
ステーションAにおいてヘッドボルト5の組み付けを終
えたシリンダヘッド3をシリンダブロック62に被せる
ためのヘッド被せ装置を示す。
【0066】つぎに、このように構成されたヘッドボル
ト挿入装置7の作用を、図6〜図11に示されている各
工程に沿って説明する。例えば3気筒用のシリンダヘッ
ド3にヘッドボルト5を組み付けるとする。
【0067】このときには、図1に示されるように搬送
路1から3気筒用のシリンダヘッド3が搬送される。つ
いで、制御部46の指令により、ストッパー装置6が作
動し、図6(a)に示されるようにワークを停止させる
ためのストッパー部6aが搬送路1から上方へ突き出
て、搬送されてくるシリンダヘッド3を作業ステーショ
ンAの部位で停止させ、作業ステーションAの直下で待
機しているガイドピン端に合致させ、ヘッド固定用ボル
ト孔4を位置決める。
【0068】このとき、図6(b)および図9(a)に
示されるように作業ステーションAの上方に位置決めら
れている各仮置き台32a,32bは、若干、例えば隙
間δが2mm程度、開いている(中間開き)。
【0069】ついで、停止信号の出力に伴い、制御部4
6は、ピン挿通装置10のエアーシリンダ14bを伸長
動作させ、8本のガイドピン21bを一度に上昇させ
る。これにより、図6(c)および図9(b)に示され
るように各ガイドピン21bは、ヘッド固定用ボルト孔
4を挿通して、シリンダヘッド3の上方へ突き出てく
る。
【0070】ここで、動弁機構2や点火プラグのガイド
パイプなどと干渉しないシリンダヘッド3の上方の、各
ヘッド固定用ボルト孔4と対応する各地点には、中間開
きにしてある仮置き台32a,32bの各通孔34bが
位置決めされているから、ヘッド固定用ボルト孔4を挿
通したガイドピン21bの挿通端は、通孔34bの下側
から挿入される。
【0071】そして、この挿通端が、通孔34b内に若
干、挿通されると、エアーシリンダ14bの作動が停止
する。この挿入終了信号が出力されると、制御部46
は、ロボット装置8およびチャック機構8aのチャック
部8bを作動させて、パーツフィーダ9からヘッドボル
ト5を所定の配列でチャックキングして取り出し、図7
(a)および図9(c)に示されるように仮置き台32
a,32bの上面に形成された凹面直上に各ヘッドボル
ト5の軸端を位置決めた後、チャック機構8aを開放動
作させる。
【0072】そして、この動作を繰り返して、仮置き台
32a,32bの全ての凹面43aにヘッドボルト5を
受け渡す。なお、受け渡しを終えると、チャック機構8
aは戻る。
【0073】このとき、仮置き台32a,32bの上側
にはシリンダヘッド3の動弁部品など干渉する部分が無
いので、同仮置き台32a,32bに最も近い地点から
ヘッドボルト5の受け渡しを行える上、ヘッドボルト5
を受け取る凹面34aは略円錐形状をなしているから、
たとえ若干、通孔34bとの間で位置ずれ(ばらつき)
が生じていたとしても、チャック機構8aのチャック部
から落下したヘッドボルト5は、図9(c)中の二点鎖
線で示されるように所定の姿勢を保ちつつ凹面34aで
ガイドされて通孔34bへ導かれていく。
【0074】これにより、ヘッドボルト5の軸部5a
は、図7(b)および図10(a)に示されるようにガ
イドピン端と突き当たるまで通孔34b内に導入されて
いく。すると、各通孔34b内には、所定の姿勢、すな
わち仮置き台32a,32bから頭部が上方へ突き出た
直立の姿勢で、ヘッドボルト5が差し込まれる。
【0075】ヘッドボルト5の受け渡しを終えると、制
御部46は、エアーシリンダ36,36を伸長動作させ
て、仮置き台32a,32bの隙間δを0、すなわち図
7(c)および図10(b)に示されるように帯形ブロ
ック33a,33b同士を密接させる(全閉)。
【0076】ここで、ヘッドボルト5の外径はガイドピ
ン21bの外径と対応した径寸法であり、通孔34bの
内径はガイドピン21bの外径と対応した径寸法である
から、通孔34b内で直列に並んでいるガイドピン21
bの挿通端とヘッドボルト5の軸部5aとは、通孔34
bの内面による挟み付けにより、互い軸心同士が合致す
るように位置決められる。なお、図中Aはこのときの軸
心を示す。
【0077】これにより、ヘッド固定用ボルト孔4を位
置決めているガイドピン21bに対して、ヘッドボルト
5が同軸になるよう位置決められる。仮置き台32a,
32bの全閉動作を終えると、制御部46はエアーシリ
ンダ45を伸長動作させて、図7(c)および図10
(c)に示されるようにボルト押え具43を仮置き台3
2a,32bの直上へ移動させて、ボルト押え具43を
各ガイドピン21bの延長上に位置決める。
【0078】これにより、ボルト押え具43のボルト嵌
挿部43aは、仮置き台32a,32bの上側へ突き出
ているヘッドボルト5の頭部に位置決められていく。こ
の位置決めを終えると、制御部46はエアーシリンダ4
1を所定量、伸長動作させ、図8(a)に示されるよう
にボルト嵌挿部43aをボルト頭部に嵌挿させながら押
圧していく。
【0079】これにより、ヘッドボルト5は、通路34
b内でガイドピン21bと位置決められたまま、ガイド
ピン21bとボルト嵌挿部43aとによって両端(頭部
と軸端)が挟持される。
【0080】このとき、ボルト長が異なる種類のヘッド
ボルト5も、他のヘッドボルト5と共にシリンダヘッド
3に組み込むことが行われても、差動機構16により、
ボルト長の異なるヘッドボルトを含め、全てのヘッドボ
ルト5が適切に挟持される。
【0081】すなわち、例えば図10(c)中の二点鎖
線のようにねじ長が短いヘッドボルト5aを混在させ
て、他のヘッドボルト5と共に一度に組み込もうとする
ときを考える。
【0082】このときには、ねじ長の短いヘッドボルト
5aにボルト嵌挿部43aが突き当たる間、他のヘッド
ボルト5aはボルト嵌挿部43aで押圧されて、下側へ
ずれる。
【0083】すると、ねじ長の差がヘッド3段の階層的
なリンク50,52,53に入力され、リンク変位によ
り該差が各ガイドピン21bに均等に分散されていく。
これにより、ねじ長の短いヘッドボルト5aと組み合う
ガイドピン21bは通孔34b内で上昇側にずれ、他の
ヘッドボルト5と組み合うガイドピン21bは通孔34
b内で下降側にずれるという挙動が起きて、全て同一な
ボルト長のヘッドボルト5のときと同様、均等な挟持力
で挟持させることになる。
【0084】こうしたヘッドボルト5(5a)の挟持を
終えると、制御部46はエアーシリンダ36,36を収
縮側に作動させて、図8(b)および図11(a)に示
されるように仮置き台32a,32bを全開位置、すな
わち帯形ブロック33a,33b間を大きく離間させ
て、ヘッドボルト5およびボルト押え具43を通すのに
必要な通路を確保する。
【0085】ついで、制御部46は、エアーシリンダ1
4bを収縮動作させると同時にエアーシリンダ41を伸
長動作させて、図8(c)および図11(b)に示され
るようにガイドピン21bを下方に戻すとともにボルト
押え具43を進ませ、戻るガイドピン21bをガイドと
してヘッドボルト5(5a)の両端を挟持しながら、シ
リンダヘッド3のヘッド固定用ボルト孔4へヘッドボル
ト5(5a)を差し込む。
【0086】このとき、ヘッドボルト5(5a)とヘッ
ド固定用ボルト孔4との両者は、ガイドピン21bを介
して、互いに位置決めされているから、ヘッドボルト5
は先端からヘッド固定用ボルト孔4へスムースに差込ま
れる。なお、ヘッドボルト5(5a)を差し込んだ後、
図11(c)に示されるようにボルト押え具43および
ガイドピン21bは、元の位置に戻る。
【0087】これにより、シリンダヘッド3のボルト挿
入部が特異な位置,形状であっても、すなわちヘッド固
定用ボルト孔4の入口がシリンダヘッド3の上面から退
避した位置にあり、この入口の周辺にロッカーアーム、
ロッカシャフトといった動弁機構2を構成する各種部品
や点火プラグをガイドするガイドパイプが組み込まれる
ことが要因となって、シリンダヘッド3(ワーク)から
離れた地点からボルト挿入が余儀なくされても、確実に
同地点からシリンダ3のヘッド固定用ボルト孔4へヘッ
ドボルト5(5a)を挿入することができる。
【0088】この結果、ボルト供給装置とワークとの制
約が原因で生じていたヘッドボルト5(5a)の挿入不
良の発生、さらには同挿入不良を是正する作業をなくす
ことができる。特に複数本のガイドピン21bの挿通端
にヘッドボルト5(5a)を一度に位置決めるようにし
たので、一度で多くのヘッドボルト5(5a)をシリン
ダヘッド3のヘッド固定用ボルト孔4に挿入させる作業
が実現でき、効率的である。
【0089】しかも、円錐形の凹面43aと位置決め用
の通孔43bを有する接離形の仮置き台32a,32b
を採用して、チャック機構8aから位置ずれしたままの
ヘッドボルト5(5a)を受けても、凹面43aによる
傾斜面で位置ずれを補正して通孔43bへボルト先端に
導くようにしたので、チャック機構8aから供給される
ヘッドボルト5(5a)の挿入ばらつきに関わらず、常
に最適にヘッドボルト5(5a)をヘッド固定用ボルト
孔4へ差し込むことができる。
【0090】そのうえ、ガイドピン21bに差動機構1
6を設けて、ボルト長の差を許容できる構造にしたの
で、たとえエンジン機種の違いになどによりボルト長
(ねじ長)の異なるヘッドボルト5aが混在することが
あっても、同一のヘッドボルト5を採用したときと変わ
らず、一度の作業で複数本のヘッドボルト5(5a)を
シリンダヘッド3のヘッド固定用ボルト孔4に差し込む
ことができる。
【0091】むろん、4気筒用のシリンダヘッド3にヘ
ッドボルト5(5a)を挿入する場合でも、エアーシリ
ンダ14aの昇降動作(エアーシリンダ14bと同期)
によるガイドピン21aの昇降が加わるだけで他の工程
は同じであるので、同様な効果をもたらすことはいうま
でもない。
【0092】なお、ヘッドボルト5(5a)の組み込み
を終えたシリンダヘッド3は、図1に示される矢印のよ
うに再び搬送路1で搬送されてライン合流部に導かれ、
該合流部に在るヘッド被せ装置61で、シリンダブロッ
ク搬送用の搬送路60から送られてくるシリンダブロッ
ク62の頭部に被せられる(エンジン本体の組立)。
【0093】図12(a)〜(c)は、本発明の第2の
実施形態を示す。本実施形態は、第1の実施形態のよう
に始めに仮置き台32a,32bにヘッドボルト誘導用
のガイドピン21bを挿入させた後、ヘッドボルト5を
挿入させて、双方の位置決めを行うのではなく、図12
(a)に示すシリンダヘッド3の直上に在る中間開きの
仮置き台32a,32bに対し、図12(b),(c)
に示されるようにヘッドボルト5を通孔43b内に挿入
させた後で、ガイドピン21bを反対側から挿入させ
て、図10(a)に示されるように帯形ブロック33の
通孔34b内にヘッドボルト5とガイドピン21bとを
直列に並べるようにしたものである。
【0094】このようにすると、チャック機構8aから
仮置き台32a,32bに受け渡されるヘッドボルト5
は、そのほとんどが仮置き台32a,32bの通孔34
b内に収容され、上方に突き出る量が低減するから、た
とえ第1の実施形態においてボルト頭部がチャック機構
8aのボルト受け渡し位置と交錯するような長いボルト
長のヘッドボルト5を使用することがあっても、ヘッド
ボルト5がチャック機構8aのチャック部8bと干渉す
るおそれはなくなり、ボルト長に関わらず、同じ仮置き
台32a,32bを用いて、ヘッドボルト5とガイドピ
ン21bと直列に位置決めることができるという効果を
もたらす。
【0095】但し、図12(a)〜(c)において、上
述した第1の実施形態を同じ部分には同一符号を付して
その説明を省略した。なお、本発明を、シリンダヘッド
にヘッドボルトを挿入するボルト挿入装置に適用した
が、これに限らず、他のワークにボルトを挿入するボル
ト挿入装置に適用してもよく、要はワークから離れた地
点から、同ワークに形成されたボルト挿通孔にボルトを
挿入することが求められるボルト挿入装置であれば適用
してよい。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明によれば、ワークから離れた地点から、確実にボルト
を該ワークのボルト孔に対して挿入させることができ
る。この結果、ボルトを供給する供給装置とワークとの
制約で生じていたボルトの挿入不良の発生、さらには同
挿入不良によるライントラブルを是正するのに必要な作
業をなくすことができる。
【0097】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の発明の効果に加え、一度に多くのボルトをワークのボ
ルト挿通孔に挿入させることができ、作業効率を向上さ
せることができるといった効果を奏する。
【0098】請求項3に記載の発明によれば、請求項
1、請求項2の発明の効果に加え、供給されるボルトの
挿入ばらつきに関わらず同ボルトを最適にボルト挿通孔
へ差し込ませることができるといった効果を奏する。
【0099】請求項4に記載の発明によれば、請求項
2、請求項3の発明の効果に加え、ワークへの挿入ボル
トにボルト長の異なるボルトが混在していても、複数の
ボルトを一度の作業でワークのボルト挿通孔に挿入させ
ることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のボルト挿入装置を、
シリンダブロックにシリンダヘッドを被せるエンジンの
組立ラインの一部と共に示す斜視図。
【図2】同ボルト挿入装置を構成するピン挿入装置、長
さの異なるボルト長を調整する差動機構の構造を説明す
るための斜視図。
【図3】同差動装置の各部の構造を説明するための分解
斜視図。
【図4】ボルト挿入装置を構成する仮置き台装置の構造
を、開閉状態と共に説明するための斜視図。
【図5】ボルト挿入装置を構成するボルト押え装置の構
造を、全体がスライドした状態およびボルト押え具が下
降した状態と共に説明するための斜視図。
【図6】作業ステーションにシリンダヘッドを位置決
め、その後の、ボルト誘導用のガイドピンを同シリンダ
ヘッドのボルト孔を通じてそのヘッド上方に在る仮置き
台の通孔に差し込むまでの工程を説明するための図。
【図7】同仮置き台にボルトを受け渡して、該仮置き台
の内部でボルトをガイドピンとを直列に位置決めるまで
の工程を説明するための図。
【図8】同位置決めたボルトの両端をガイドピンとボル
ト押え具とで挟持して、同挟持状態を保ったまま、シリ
ンダヘッドのボルト孔へ差し込ませるまでの工程を説明
するための図。
【図9】ガイドピンを同シリンダヘッドのボルト孔を通
じてそのヘッド上方に在る仮置き台の通孔に差し込むま
での工程を部品内部から説明するための断面図。
【図10】同仮置き台の内部で、ボルトとガイドピンと
を直列に位置決めるまでの工程を部品内部から説明する
ための断面図。
【図11】同位置決めたボルトの両端をガイドピンとボ
ルト押え具とで挟持して、同挟持状態を保ったまま、シ
リンダヘッドのボルト孔へ差し込ませるまでの工程を部
品内部から説明するための断面図。
【図12】本発明の第2の実施形態の要部となる、異な
る手順でガイドピンとボルトとを位置決めるまでの工程
を説明するための図。
【図13】従来、シリンダヘッドのボルト孔にボルトを
挿入するボルト挿入装置を説明するための斜視図。
【図14】同ボルト挿入装置でボルトが挿入されるとき
に生じる挿入不良を説明するための断面図。
【符号の説明】
2…動弁機構 3…シリンダヘッド(ワーク) 4…ヘッド固定用ボルト孔(ボルト孔) 5…ヘッドボルト(ボルト) 6…ストッパー装置 7…ヘッドボルト挿入装置(ボルト挿入装置) 8a…チャック機構(ボルト供給機構) 9…パーツフィーダ 10…ピン挿通装置(ピン挿通機構) 16…差動機構 21a,21b…ガイドピン 30…仮置き台装置(位置決め機構) 32a,32b…接離式の仮置き台 33a,33b…帯形ブロック 34a…略円錐形の凹面 34b…位置決め用の通孔 36…エアーシリンダ(接離機構) 40…移動式のボルト押え装置(ボルト押え機構) 43…ボルト押え具(押え部材) 47…差し込み装置 50,51…リンク 53…十字状のピン部材 A…作業ステーション。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークに設けられたボルト挿通孔へボル
    トを誘導するためのガイドピンを挿通させるピン挿通機
    構と、 前記ボルト挿通孔と組み合うボルトを、前記ボルト挿通
    孔を挿通したガイドピンの挿通端に、軸心が合致するよ
    うに当接位置決めする位置決め機構と、 前記位置決めされたボルトを前記ガイドピンと共に軸心
    方向両端から挟持する押え部材と、 前記挿通したガイドピンをガイドとして、前記押え部材
    で前記ボルトの両端を挟持しながら前記ボルトを前記ボ
    ルト挿通孔へ差込ませる差込み機構と、 を具備したことを特徴とするボルト挿入装置。
  2. 【請求項2】 ワークに所定の配置で設けられた複数の
    ボルト挿通孔へボルトを誘導するための複数のガイドピ
    ンを一度に挿通させるピン挿通機構と、 前記ボルト挿通孔と組み合うボルトを、前記各ボルト挿
    通孔を挿通した各ガイドピンの挿通端に、軸心が合致す
    るように当接位置決めする位置決め機構と、 前記位置決めされた各ボルトを前記各ガイドピンと共に
    軸心方向両端から一度に挟持する押え部材と、 前記挿通した各ガイドピンをガイドとして、前記各押え
    部材で前記各ボルトの両端を挟持しながら前記各ボルト
    を一度に前記各ボルト挿通孔へ差込ませる差込み機構
    と、 を具備したことを特徴とするボルト挿入装置。
  3. 【請求項3】 前記位置決め機構は、 前記ガイドピンの挿通端が導入される位置に設けられ一
    対のブロックから構成される仮置き台と前記一対のブロ
    ックを互いに接離可能にする接離機構とを有して構成さ
    れ、 前記一対のブロックが、供給されるボルトを受ける凹面
    とこの凹面の頂部に連通する位置決め用の通孔とを形成
    し、かつ前記凹面および前記通孔が径方向に互いに接離
    するとともに、 前記接離機構が、前記一対のブロックを全閉位置、中間
    位置、さらに全開位置に可動させ、 前記中間位置では、前記ボルトの軸部が前記通孔の一端
    から前記凹面をガイドとして前記通孔内に導入されると
    ともに、前記通孔の他端から前記ガイドピンの挿通端が
    前記通孔内に導入され、 前記全閉位置では、前記ガイドピンの挿通端と前記ボル
    トの軸部とが、前記一対のブロックによる挟み付けによ
    り、同軸となるように位置決められ、 前記全開位置では、前記通孔内を前記挟持されたボルト
    および前記押え部材が貫通することを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載のボルト挿入装置。
  4. 【請求項4】 前記ガイドピンには、各ボルト長の差を
    許容する差動機構が設けられていることを特徴とする請
    求項2または請求項3に記載のボルト挿入装置。
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