JPH1024460A - 薄肉製品の射出成形方法 - Google Patents

薄肉製品の射出成形方法

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JPH1024460A
JPH1024460A JP18210296A JP18210296A JPH1024460A JP H1024460 A JPH1024460 A JP H1024460A JP 18210296 A JP18210296 A JP 18210296A JP 18210296 A JP18210296 A JP 18210296A JP H1024460 A JPH1024460 A JP H1024460A
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Yoshinobu Takeda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャビティの端縁部での成形材料の流動性を
向上させ、薄肉製品を良好に成形する。 【解決手段】 固定型1に設けた第1の凸部29を可動型
2の第1の凹部41に嵌合してオーバーフロー部43を形成
する。第1の凸部29に設けた第2の凸部30と可動型2の
第2の凹部42との間にキャビティ3を形成する。キャビ
ティ3に樹脂Rを充填するとき、このキャビティ3から
オーバーフロー部43に樹脂Rが流出する。この充填時に
も、ある程度の型締力をかけて、樹脂Rの圧力により可
動型2が開かないようにする。充填完了後、型締力を強
めて固定型1と可動型2とを最終的に閉じる。このと
き、キャビティ3内の樹脂Rは、ランナー46またはオー
バーフロー部43に流出する。第2の凸部30が第2の凹部
42に嵌合すると、ゲート47が閉じ、オーバーフロー部43
とキャビティ3とが遮断される。その後、キャビティ3
内の樹脂Rが圧縮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICカードなどの
薄肉製品の射出成形方法に係わり、特に、高圧射出成形
(型内計量圧縮成形)と呼ばれる射出成形方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂などの成形材料の射出成形
においては、例えば、型閉された型体である固定型と可
動型との間に形成されたキャビティ内に溶融した樹脂を
充填する。この樹脂は、ゲートからキャビティ内に流入
して広がっていくが、キャビティの端縁部では行き止ま
りになるため樹脂の流動性が悪くなる。この傾向は、I
Cカードなどの薄肉製品の場合、特に著しくなる。ま
た、樹脂の流れの先端部は冷却による硬化が速く進むこ
ともあって、充填不良までいかないにしても、残留応力
ひずみなどにより製品特性が悪化しやすい。例えば、製
品の周辺部の厚さが他の部分の厚さよりも若干厚くなる
などの不良が生じたりする。さらに、射出成形において
は、キャビティ内に樹脂を充填するのに伴い、このキャ
ビティ内のガス(空気および樹脂のガス)を抜かなけれ
ばならないため、例えば固定型と可動型との突き当て面
に、ガスベントとして微小な隙間を形成している。この
ガスベントは、隙間寸法を大きく設定し過ぎると製品に
バリが発生し、一方、隙間寸法を小さく設定し過ぎると
充填不良を招く問題を生じる。
【0003】これに対して、平押し型などの圧縮成形に
おいては、型閉に伴って、キャビティ内の樹脂をオーバ
ーフロー部であるフラッシュチャンバーへ溢れさせるこ
とが行われている。しかし、オーバーフロー部を用いる
従来の圧縮成形においては、キャビティの周囲で一対の
型体を突き当てるようにしていたため、製品の周囲に必
然的にバリが生じる。
【0004】ところで、特に最近採用されるようになっ
てきたいわゆる高圧射出成形では、まず弱い型締力によ
り型閉した状態でキャビティ内に樹脂を充填した後、型
締力を強めて固定型と可動型とを最終的に型閉し、この
最終的な型閉の間に、キャビティからゲートを通して加
熱シリンダー装置などの成形材料供給装置側に樹脂を戻
した後、ゲートを閉じてその後はキャビティ内の樹脂を
圧縮させるようにしている。これにより、型内で計量が
行われるようになっている。このように、高圧射出成形
では、型内計量のためにキャビティ内の樹脂を還流させ
なければならないが、ゲートが小さいものであると、キ
ャビティ内の樹脂が円滑に還流しない問題が生じる。
【0005】また、従来の高圧射出成形では、キャビテ
ィ内に樹脂を充填する際、この樹脂の圧力により固定型
から可動型を後退させて、成形材料供給装置から供給さ
れる樹脂の量の誤差を吸収するようにしている。その
際、金型装置の構造としては、例えば、固定型に、可動
型に突き当たる移動板を設け、この移動板を固定型に対
してスプリングにより可動型の方へ付勢している。そし
て、弱い型締力により型閉した状態で、移動板が可動型
に突き当たる一方、移動板と固定型との間には隙間が生
じるようにする。この状態で、キャビティ内に樹脂を充
填すると、この樹脂の圧力および型締力とスプリングの
力との均衡により、可動型が後退する。
【0006】しかし、このようにキャビティ内への樹脂
の充填に伴い可動型が後退する構成にした場合、スプリ
ングの力が負けて、移動板と可動型との間が開き、樹脂
が漏れてしまうおそれがある。また、このように可動型
の後退が続くと、キャビティ内全体に樹脂が充填されな
いおそれもある。これらは、ICカードなどの薄肉製品
の場合に、特に問題になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
射出成形では、キャビティの端縁部での成形材料の流動
性が悪いために、製品の周辺部において寸法特性の悪化
が生じるなどの問題があった。また、特に高圧射出成形
においては、キャビティから成形材料を還流させるため
に、小さいゲートのみを用いると、成形材料が円滑に還
流せず、型内計量が円滑にできないおそれがあった。こ
れとともに、従来の高圧射出成形では、キャビティ内に
成形材料を充填するのに伴い、型体が開くようにしてい
たため、特に薄肉製品の場合は、充填不良などの問題を
きたしていた。
【0008】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、キャビティの端縁部での成形材料の流動
性を向上させ、これにより、製品の周辺部での寸法特性
などを向上でき、また、型内計量も確実にできて、充填
不良などをきたすことなく、薄肉製品を良好に射出成形
できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、互いに開閉する型体間に形成されたキャ
ビティに、成形材料供給装置から材料通路およびキャビ
ティへのゲートを通して成形材料を充填する充填工程
と、この充填工程の完了後最終的に前記型体を互いに閉
じる最終型締工程とを備え、この最終型締工程の間に、
前記キャビティからゲートを通して材料通路側へ成形材
料を戻した後、前記ゲートを閉じてその後はキャビティ
内の成形材料を圧縮する薄肉製品の射出成形方法におい
て、前記充填工程時の型締力を成形材料の圧力により型
体が開かない大きさに設定し、前記充填工程時、前記型
体間に形成されキャビティの端縁部に通じるオーバーフ
ロー部にキャビティから成形材料を流入させ、前記最終
型締工程の間に前記キャビティとオーバーフロー部とを
互いに遮断するものである。
【0010】そして、充填工程において、薄肉製品を成
形するためのキャビティ内に成形材料が充填されると
き、キャビティの端縁部からオーバーフロー部にガスお
よび成形材料が流出することにより、キャビティの端縁
部における成形材料の流動性が向上し、キャビティの端
縁部まで円滑に良好に成形材料が充填される。また、充
填工程においては、型締力がある程度大きく設定してあ
るために、成形材料の圧力により型体は開かず、したが
って、成形材料の圧力によって型体が開くことにより、
キャビティ内全体に成形材料が充填されないということ
はない。その後の最終型締工程では、キャビティ内の成
形材料は、ゲートを通って材料通路側へ戻り、あるい
は、さらにオーバーフロー部に流出し、型内計量が行わ
れる。そして、ゲートが閉じ、かつ、オーバーフロー部
とキャビティとが互いに遮断された後は、キャビティ内
の成形材料が圧縮される。
【0011】
【発明の実施形態】以下、本発明の一実施例について、
図面を参照しながら説明する。まず、射出成形用金型装
置の構成を説明する。本金型装置により成形される製品
Pは、図5に示すような薄肉製品(シート状部材)であ
るICカードの本体部である。このICカードは、厚さ
が 1.2mm程度の平板状になっており、一方の面が平坦面
になっているとともに、他方の面には凹部からなるIC
チップ装着部P1が形成されている。このICチップ装着
部P1の中央部にはさらに凹部P2が形成されている。
【0012】図1から図4において、1は第1の型体で
ある固定型、2は第2の型体である可動型で、これら固
定型1および可動型2は、図示上下方向に移動して互い
に開閉し、型閉時に相互間に製品形状のキャビティ3を
形成するものである。なお、製品Pの厚さ方向が固定型
1および可動型2の型開閉方向に一致させてある。
【0013】前記固定型1は、射出成形機の固定側プラ
テン(図示していない)に取り付けられる固定側取り付
け板6と、この固定側取り付け板6の可動型2側の面に
固定された固定側受け板7とを有している。また、固定
側取り付け板6にはローケートリング8およびスプルー
ブッシュ9が固定されている。このスプルーブッシュ9
は、射出成形機に設けられた材料供給装置である加熱シ
リンダー装置のノズル10が接続されるもので、内部が材
料通路であるスプルー11になっており、固定側受け板7
を貫通して可動型2側へ突出している。
【0014】また、固定側受け板7の可動型2側には、
移動体である移動板16が前記型開閉方向に所定範囲移動
可能に支持されている。そして、固定側受け板7の可動
型2側にストッパー18とともにボルト19により固定され
たスリーブ20が移動板16を摺動自在に貫通している。な
お、ストッパー18は、可動型2側から移動板16に当たる
ことにより、この移動板16と固定型1の固定側受け板7
との間の最大隙間すなわち最大開き量を規制するもので
ある。また、固定側取り付け板6と移動板16との間に圧
縮状態で挟まれた付勢手段であるスプリング21により、
移動板16は、固定側取り付け板6に対して可動型2の方
へ付勢されている。そして、前記スプルーブッシュ9の
先端部が移動板16に形成された貫通孔22に摺動自在に嵌
合されている。
【0015】また、前記固定型1には、固定側取り付け
板6と固定側受け板7とにより挟まれて筒状の第1の入
子26が固定されているとともに、この第1の入子26と固
定側取り付け板6とにより挟まれて第2の入子27が固定
されている。第1の入子26は、固定側受け板7を貫通し
て可動型2側へ突出しているとともに、移動板16に形成
された貫通孔28を摺動自在に貫通している。そして、移
動板16よりも可動型2側へ突出した第1の入子26の先端
部が第1の凸部29を形成している。また、第2の入子27
は、第1の入子26の内部を貫通しており、先端部が第1
の凸部29よりもさらに可動型2側へ突出した第2の凸部
30をなしている。
【0016】前記可動型2は、射出成形機の可動側プラ
テンに取り付けられる可動側取り付け板(図示していな
い)と、この可動側取り付け板の固定型1側の面に固定
された可動側受け板(図示していない)と、この可動側
受け板の固定型1側の面に固定された可動側型板36とを
有している。この可動側型板36は、前記固定型1側の移
動板16に突き当たって閉じるものであるが、これら可動
側型板36および移動板16の相互の案内のために、移動板
16にはガイド入子37が固定されており、可動側型板36に
は、ガイド入子37が摺動自在に嵌合される貫通孔38が形
成されている。
【0017】そして、可動側型板36には、前記固定型1
の第1の凸部29が挿脱自在にかつ摺動自在に嵌合される
第1の凹部41が形成されている。また、この第1の凹部
41の中央部には、前記固定型1の第2の凸部30が挿脱自
在にかつ摺動自在に嵌合される第2の凹部42が形成され
ている。そして、第1の凸部29と第1の凹部41との嵌合
面および第2の凸部30と第2の凹部42との嵌合面は、前
記型開閉方向と平行な柱面をなしている。そのうち第1
の凸部29と第1の凹部41との嵌合面間は、ガスベントの
ためにある程度の隙間を設定してあるが、第2の凸部30
と第2の凹部42との嵌合面は、製品Pにバリが生じない
ように、相互間の隙間はほとんどない。そして、最終的
な製品形状のキャビティ3は、第2の凸部30と第2の凹
部42とにより形成されるようになっている。すなわち、
第2の凸部30の先端面が製品Pの一方の面を形成し、第
2の凹部42の底面が製品Pの他方の面を形成し、第2の
凹部42の内周面が製品Pの側面を形成するものである。
また、互いに嵌合した第1の凸部29と第1の凹部41との
間には、キャビティ3の端縁部に通じるオーバーフロー
部43が形成されるが、第2の凸部30と第2の凹部42とが
嵌合した状態では、オーバーフロー部43からキャビティ
3が遮断されるようになっている。なお、オーバーフロ
ー部43は、キャビティ3の全周に渡って形成される。ま
た、オーバーフロー部43の容積は、キャビティ3の容積
よりも大きい。
【0018】さらに、閉じた移動板16と可動型2の可動
側型板36との間には、前記スプルー11に通じる材料通路
であるランナー46が形成され、また、固定型1の第2の
凸部29の周辺部と可動型2の第2の凹部42の周辺部との
間には、ランナー46からキャビティ3へのゲート47が形
成されるようになっている。このゲート47は、オーバー
フロー部43にも連通するが、第2の凸部30と第2の凹部
42とが互いに嵌合することにより閉じられるものであ
る。すなわち、第2の凸部30および第2の凹部42は、ゲ
ート47を開閉するゲート開閉手段をなしている。なお、
スプリング21が移動板16を付勢する力は、ランナー46内
の樹脂Rの圧力に抗して移動板16と可動型2とが閉じた
状態が保たれる力に設定してある。
【0019】つぎに、前記金型装置を用いた射出成形方
法について説明する。射出成形機の型締装置は、まず比
較的弱い一定の型締力で固定型1と可動型2とを型閉す
る。このとき、図1に示すように、固定型1側の移動板
16と可動型2とが突き当たって閉じる。一方、固定型1
の固定側受け板7と移動板16とは所定の開き量A1をもっ
て開いている。すなわち、型締力とスプリング21の力と
が釣り合っている。また、固定型1の第1の凸部29は可
動型2の第1の凹部41に嵌合しているが、固定型1の第
2の凸部30は可動型2の第2の凹部42に嵌合しておら
ず、開いたゲート47によりランナー46とキャビティ3と
が互いに連通しているとともに、キャビティ3とオーバ
ーフロー部43とが互いに連通している。この状態で、加
熱シリンダー装置のノズル10からスプルー11へ成形材料
である溶融した熱可塑性樹脂Rを射出する。この樹脂R
は、スプルー11からランナー46およびゲート47あるいは
オーバーフロー部43を通ってキャビティ3内に充填され
る(充填工程)。この充填工程時、空気および樹脂Rの
ガスと樹脂Rとがキャビティ3からオーバーフロー部43
に流出する。このオーバーフロー部43は、いっぱいにな
らなくてもよい。
【0020】なお、この充填工程に際して、型締力が金
型装置内の樹脂Rの圧力に抗せる程度に大きなものにな
っていることにより、可動型2が後退することはなく、
固定側受け板7と移動板16との開き量A1は一定に保たれ
る。もし、金型装置内の樹脂Rの圧力により可動型2が
後退し、固定側受け板7と移動板16との開き量が大きく
なるとすると、スプリング21の力が負けて、移動板16と
可動側型板36との間が開き、樹脂Rが漏れてしまうおそ
れがある。また、このように可動型2の後退が続くと、
キャビティ3内全体に樹脂Rが充填されないおそれもあ
る。これらは、ICカードなどの薄肉製品の場合に、特
に問題になる。しかし、本実施例においては、ICカー
ドの成形であっても、前述のように固定側受け板7と移
動板16との開き量A1は一定に保たれ、移動板16と可動側
型板36との間が開いたり、充填不良を招くなどの問題を
生じることはない。一方、キャビティ3からオーバーフ
ロー部43に樹脂Rが流出することにより、射出成形機か
ら射出される樹脂Rの量の誤差は吸収されることにな
る。
【0021】前記充填工程の完了後、型締装置が型締力
を強め、固定型1と可動型2とが最終的に閉じる(最終
型締工程)。この最終型締工程に際して、固定型1と移
動板16および可動型2とが閉じていく。それに伴い、キ
ャビティ3内の余分な樹脂Rは、まだ開いているゲート
47からランナー46へ戻り、金型装置内の樹脂は、加熱シ
リンダー装置内に戻る。あるいは、キャビティ3内の余
分な樹脂Rは、さらにオーバーフロー部43に流出する。
そして、図2に示すように、固定型1の第2の凸部30が
可動型2の第2の凹部42に嵌合し始めるとゲート47が閉
じるとともに、キャビティ3とオーバーフロー部43とが
互いに遮断され、この時点で、キャビティ3内に一定量
の樹脂Rが残ることになる(計量工程)。
【0022】その後は、図3に示すように、固定側受け
板7と移動板16とが互いに突き当たるまで閉じ、それに
伴い、キャビティ3内の樹脂Rが加圧されて圧縮される
(圧縮工程)。その圧縮量は、計量工程の終了時点での
固定側受け板7と移動板16との開き量A2に等しい。この
圧縮工程により、製品の密度が高められる他、樹脂Rの
冷却による固化に伴う収縮が補償される。したがって、
この補償のために、加熱シリンダー装置側で保圧工程を
行う必要はない。
【0023】そして、キャビティ3内の樹脂Rが十分に
冷却して固化した後、型締装置により固定型1と可動型
2とが型開される。それに伴い、キャビティ3内の樹脂
すなわち製品Pとスプルー11、ランナー46およびオーバ
ーフロー部43内で固化した樹脂Rは、まず固定型1から
離れる。ついで、可動型2側に設けられた図示していな
いランナー突き出しピンがスプルー11、ランナー46およ
びオーバーフロー部43内で固化した樹脂Rを突き出して
可動型2から離型させるとともに、可動型2側に設けら
れた図示していない製品突き出しピンが製品Pを突き出
して可動型2から離型させる。さらに、スプルー11、ラ
ンナー46およびオーバーフロー部43内で固化した樹脂R
および製品Pが取り出された後、再び型閉が行われ、以
上の工程が繰り返される。
【0024】以上のように、前記実施例の構成によれ
ば、充填工程に際してキャビティ3からオーバーフロー
部43に樹脂Rを流出させることにより、射出成形機から
供給される樹脂Rの量の誤差を吸収し、かつ、その後の
計量工程において型内計量を行うようにしたので、キャ
ビティ3内に充填される樹脂の量を正確に制御でき、そ
の後の圧縮工程によりキャビティ3内の樹脂Rを圧縮す
ることとあいまって、品質の安定した高精度の製品Pを
成形できる。
【0025】また、オーバーフロー部43によりキャビテ
ィ3の端縁部における樹脂Rの流動性が向上するので、
薄肉製品であるICカードの成形であっても、キャビテ
ィ3の端縁部まで円滑に良好に樹脂Rが充填される。こ
れにより、製品Pの周辺部の残留応力ひずみを低減で
き、製品Pの周辺部での寸法特性を向上できるなど、良
好な成形ができる。また、計量工程に際して、キャビテ
ィ3から樹脂Rが円滑に流出するので、型内計量も確実
にできる。さらに、最終的にはキャビティ3から遮断さ
れるオーバーフロー部43を利用してガスベントができる
ので、確実なガスベントができる。
【0026】しかも、オーバーフロー部43はキャビティ
3の全周に渡って形成するので、キャビティ3の全周に
おいて、樹脂Rの流動性が高められ、いっそう効果的で
ある。さらに、オーバーフロー部43の容積がキャビティ
3の容積よりも大きいので、オーバーフロー部43が満充
填状態になることによりキャビティ3からオーバーフロ
ー部43への樹脂Rの流動性が損なわれることがなく、オ
ーバーフロー部43の効果を確実に発揮させられる。
【0027】さらに、固定型1に設けた第1の凸部29を
可動型2に設けた第1の凹部41に嵌合することによりオ
ーバーフロー部43を形成し、第1の凸部29に設けた第2
の凸部30を第1の凹部41に設けた第2の凹部42に嵌合す
ることによりオーバーフロー部43とキャビティ3とを遮
断するようにしたので、製品Pの端縁にバリが生じるの
を防止でき、後加工の必要もない。
【0028】また、オーバーフロー部43は、移動板16で
はなく、固定型1に固定した入子26により形成するよう
にしたので、オーバーフロー部43にかかる樹脂Rの圧力
は固定型1(固定側取り付け板6)によって受けられ、
したがって、樹脂Rの圧力により移動板16と可動型2と
が開くことを抑制できる。
【0029】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記実施例では、可動型2と移動板16との間にランナー
46を形成するようにしたが、例えばゲートをダイレクト
ゲートの形式のものにできるならば、移動板などの移動
体によって材料通路を形成する必要はない。特にその場
合、移動体は、固定型側ではなく、可動型側に設けるこ
とも可能である。また、前記実施例とは逆に、オーバー
フロー部を形成する第1の凸部を可動型に設け、同第1
の凹部を固定型に設けてもよい。さらに、オーバーフロ
ー部とキャビティとを遮断する第2の凸部を第1の凹部
に設け、同第2の凹部を第1の凸部に設けてもよい。
【0030】また、成形される製品もICカードに限ら
ず、各種形状の薄肉製品の成形に、本発明を適用でき
る。さらに、前記実施例では、熱可塑性樹脂の射出成形
を例に採って説明したが、本発明は、熱可塑性樹脂をバ
インダーとして用いるセラミックスの射出成形や射出成
形粉末冶金法、あるいは、熱硬化性樹脂の射出成形な
ど、各種成形材料の射出成形に適用可能である。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、キャビティに成形材料
を充填する充填工程の完了後、最終的に型体を閉じる最
終型締工程の途中に、キャビティから材料通路側へ成形
材料を戻した後、ゲートを閉じてその後はキャビティ内
の成形材料を圧縮する射出成形方法において、充填工程
時の型締力を成形材料の圧力により型体が開かない大き
さに設定し、充填工程時、型体間に形成されキャビティ
の端縁部に通じるオーバーフロー部にキャビティから成
形材料を流出させ、最終型締工程の途中に前記キャビテ
ィとオーバーフロー部とを互いに遮断するので、キャビ
ティの端縁部での成形材料の流動性が向上し、これによ
り、製品の周辺部での寸法特性などを向上でき、また、
型内計量も確実にできて、充填不良などをきたすことな
く、薄肉製品を良好に射出成形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出成形方法の一例に用いる金型装置
の断面図であり、充填工程時を示している。
【図2】同上最終型締工程の途中でゲートが閉じた時点
の断面図である。
【図3】同上最終型締工程の終了時点の断面図である。
【図4】同上可動型のキャビティ付近の平面図である。
【図5】成形されるICカードの斜視図である。
【符号の説明】
1 固定型(第1の型体) 2 可動型(第2の型体) 3 キャビティ 11 スプルー(材料通路) 43 オーバーフロー部 46 ランナー(材料通路) 47 ゲート R 樹脂(成形材料)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに開閉する型体間に形成されたキャ
    ビティに、成形材料供給装置から材料通路およびキャビ
    ティへのゲートを通して成形材料を充填する充填工程
    と、この充填工程の完了後最終的に前記型体を互いに閉
    じる最終型締工程とを備え、この最終型締工程の間に、
    前記キャビティからゲートを通して材料通路側へ成形材
    料を戻した後、前記ゲートを閉じてその後はキャビティ
    内の成形材料を圧縮する薄肉製品の射出成形方法におい
    て、前記充填工程時の型締力を成形材料の圧力により型
    体が開かない大きさに設定し、前記充填工程時、前記型
    体間に形成されキャビティの端縁部に通じるオーバーフ
    ロー部にキャビティから成形材料を流入させ、前記最終
    型締工程の間に前記キャビティとオーバーフロー部とを
    互いに遮断することを特徴とする薄肉製品の射出成形方
    法。
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