JP2003181870A - 射出成形による樹脂成形品の箔転写方法 - Google Patents

射出成形による樹脂成形品の箔転写方法

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JP2003181870A JP2001386432A JP2001386432A JP2003181870A JP 2003181870 A JP2003181870 A JP 2003181870A JP 2001386432 A JP2001386432 A JP 2001386432A JP 2001386432 A JP2001386432 A JP 2001386432A JP 2003181870 A JP2003181870 A JP 2003181870A
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molding
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Shoji Sakata
昇治 坂田
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SHINKO NEEMUPUREETO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂成形を簡易かつ精密に行うことができ、
また多面取りを可能として生産性を向上することがで
き、さらに優れた外観を呈することのできる射出成形に
よる樹脂成形品の箔転写方法を提供する。 【解決手段】 対向配置した雄金型と雌金型との間の空
間部に、溶融した樹脂を注入孔を介して注入し、該樹脂
を固化させて成形品を形成する、射出成形による樹脂成
形品の箔転写方法であって、空間部を、成形品の外形に
適合した成形空間部と、成形空間部及び前記注入孔に連
通するもので前記成形空間部の全周を囲む補助空間部と
から構成すると共に、前記成形空間部のうち注入口が形
成された金型と反対側の金型の側に転写すべき箔体を配
置する第1のステップと、溶融した樹脂を補助空間部に
注入孔を介して注入する第2のステップと、樹脂を成形
空間部に補助空間部を介して注入する第3のステップと
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形による樹
脂成形品の箔転写方法に係り、特に対向して配置した雄
金型と雌金型との間の空間部に溶解した樹脂を注入して
該空間部内で冷却固化させることにより樹脂成形品を形
成するに際して樹脂成形品に金属箔を転写する射出成形
における成形品の箔転写方法であって、ネームプレート
の如き金属箔を転写した成形品を生産するための樹脂成
形品の箔転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】主として樹脂を用いた成形品の成形方法
として、プレス加工や射出成形が知られている。射出成
形はプレス加工に比べて複雑な形状の成形品を得ること
ができ、低コストであり、また歩留率が高いという利点
があることから、広く用いられている。
【0003】前記射出成形は、対向して配置した2つの
金型、即ち雄金型と雌金型(これら雄金型と雌金型を必
要に応じて「金型」と総称する)の間に成形品の外形に
相当する形状の空間部(以下、この空間部を「成形空間
部」と称する)を形成し、該成形空間部内に溶融した樹
脂を注入し、該樹脂を金型内で冷却固化させることによ
り成形品を形成するものである。
【0004】転写に使用される箔体90は、図32及び
図33に示すように、筒体96,97に巻き取られた巻
紙状のシートであって、金、アルミニウム等の金属蒸着
層91と、該金属蒸着層91の一面側に形成され紫外線
を吸収するとともに金属蒸着層を保護するUVハードコー
ト層92と、該UVハードコート層に剥離層93を介して
積層されたベースフィルム94と、前記金属蒸着層の他
面側に設けられ成形品に前記蒸着層を接着する接着層9
5とを備えている。
【0005】そして、製品の成形時には、図33
(1),(2)に示すように金型1,2内の空間3内に
樹脂が注入されると、接着層95を介して蒸着層91、
UVハードコート層92、ベースフィルム93及び剥離層
94が成形品98の表面に密着形成される。そして、図3
3(3)に示すように成形品98が金型1、2から離型
されると接着層95により蒸着層91、UVハードコート
層92が成形品98の表面に転写されることとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、製品を軽量
化、薄型化、小型化する必要から、電子機器の筐体や各
種ネームプレートを極力薄厚化したいという要望があ
る。上述したようなネームプレートのように薄厚成形品
を射出成形方法で成形する場合、成形空間部が薄厚であ
るためにその内部における圧力損失が大きく、成形空間
部内での樹脂の流動性が悪い。特に多面取りを目的とす
るいわゆるランナシステムを用いた射出成形方法では、
成形空間部に対する樹脂の流入経路が少数かつ狭いゲー
トに限定されるために、成形空間部全体に樹脂が行き渡
らないことがある。したがって従来のランナシステムを
用いた成形方法においては、薄厚成形が困難であった。
【0007】また、従来の箔転写方法にあっては、箔体
から成形品を剥がす際、転写された転写箔がベースフィ
ルムから引きちぎられて剥がされ、製品の縁に箔体から
金属箔及びUVハードコート層の切断部に見栄えがよくな
い箔バリが発生するため、このような箔バリを除去する
工程を設けなければならないという問題があった。
【0008】さらに、従来の箔転写方法にあっては、箔
の樹脂製品に対する位置決めが正確に行いにくいという
問題があった。このような不具合は、箔体に文字、記号な
どが形成されており、ネームプレートの定められた個所
に箔体の文字等を配置しなければならない場合、ネーム
プレート作成上の大きな不具合となる。
【0009】また、従来の方法では、生産効率の観点か
らも種々の問題があった。すなわち、上述のようにラン
ナシステムを用いることができない場合、成形空間部に
樹脂注入孔を連係して樹脂を直接的に注入することも考
えられるが、この方法では多面取りを行うことができな
いために生産効率が悪い。また多面取りを行うことがで
きない結果、塗装等の後処理を複数の成形品に対してま
とめて行うことが困難であり、成形品毎に後処理を行う
必要が生じて、この点においても生産効率が悪い。さら
にこのように薄厚成形が困難であることから、ネームプ
レートの如き成形品も肉厚状に成形せざるをえない場合
があるが、このような肉厚のネームプレートは弾性力が
強いために貼付面に沿って湾曲させた状態で長時間保持
することが困難である。したがって貼付面の曲率に合わ
せた形状のネームプレートを個別的に成形する必要があ
り、この点においても生産効率が悪かった。
【0010】またランナシステムを用いて多面取りを行
うことができたとしても、特に成形品が薄厚である場合
にはランナが成形品よりも上方に突出することが多いた
め、ランナを付けた状態のままでは成形品に印刷を施す
ことができず、結局はランナを切り離して成形品毎に後
処理を行う必要が生じて、この点においても生産効率が
悪かった。
【0011】また従来の方法では、成形品の加工精度や
外観といった観点からも種々の問題があった。例えば上
記ランナシステムにおいては、雄金型と雌金型との接触
面が成形品の側方に位置することになり、樹脂固化後の
成形品の側面にはパーティングラインと呼ばれる線状の
凸部が残ってしまう。このパーティングラインは成形品
の外観を損ねることから、パーティングラインの残らな
い生産方法が要望されていた。また従来は、固化後の成
形品を突出しピンにて突き出すことによって雌金型から
排出しているが、着色ABS等の樹脂を用いた場合には
成形品に突出しピンを押し当てることによって成形品が
白化して跡が残り、成形品の外観を損ねる場合があっ
た。また透明材等の樹脂を用いた場合には裏面に突出し
ピン等の跡が残ってしまう為、裏面処理等の装飾が不可
能であった。
【0012】あるいは従来のランナシステムにおいて
は、印刷工程や切断工程の基台に対する成形品の位置決
めを行う工夫が施されていなかったので、印刷精度や切
断精度を向上させることが困難であった。このため、特
に高い位置決め精度を要求されるレーザ切断を行うこと
ができず、アクリル樹脂の如き高強度の樹脂にて成形し
た成形品に対してもプレス切断(回転のこ刃式等のゲー
ト切断機や、ニッパ等による切断を含む)する必要があ
る。しかし高強度の樹脂程、切断時にクラックが生じ易
いことから、成形品にクラックが生じて不良品となるこ
とがあった。さらに従来のランナシステムにおいては、
ゲートの如き狭径の注入路を介して樹脂を注入していた
ので、注入によって生ずる圧力(応力)がゲート周辺の
狭い範囲に集中し、このゲート周辺の樹脂の密度等のみ
が他の部分に比べて異なり、全体の密度等が不均一にな
る場合があった。例えば液晶画面の保護等のために該液
晶画面の外側に配置される透明樹脂を従来のランナシス
テムにて成形した場合、ゲートに近い部分の密度等が他
の部分の密度等に比べて異なるため、色々な角度から液
晶画面を見た場合にゲートに近い部分のみが黒くなって
画面が見えなくなるという問題があった。
【0013】本発明は従来のこのような射出成形による
樹脂成形品の箔転写方法の問題点に鑑みてなされたもの
で、金属箔を転写した樹脂成形品を簡易かつ精密に製造
することができ、また多面取りを可能として生産性を向
上することができ、優れた外観を呈することのできる射
出成形による樹脂成形品の箔転写方法を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような従来の射出成
形による樹脂成形品の箔転写方法の問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の本発明は、対向して配置した雄
金型と雌金型との間の空間部に溶融した樹脂を注入孔か
ら注入し、成形品を形成する射出成形による樹脂成形品
を生産する方法であって、前記雄金型と雌金型とには、
両金型を組み合わせたとき両金型の間に形成される成型
品の形状を確定する成形空間部を複数並設して設けると
共に、該複数の成形空間部及び前記注入孔に連通するも
ので前記複数の成形空間部の全周を囲む補助空間部を設
け、両金型を組合せ、両金型の間に成形空間部及び補助
空間部を形成すると共に、前記成形空間部のうち注入口
が形成された金型と反対側の金型の側に転写すべき箔体
を配置する第1のステップと、溶融した樹脂を前記補助
空間部に前記注入孔から注入する第2のステップと、前
記樹脂を前記複数の成形空間部各々に前記補助空間部を
介して注入する第3のステップとを備えることを特徴と
して構成されている。
【0015】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において、前記第1のステップにおいて、前
記成形空間部を複数並設すると共に、該複数の成形空間
部の全周を前記補助空間部にて囲み、前記第3のステッ
プにおいて、前記樹脂を前記複数の成形空間部各々に前
記補助空間部を介して注入することを特徴として構成さ
れている。
【0016】請求項3に記載の本発明は、請求項1又は
請求項2に記載の本発明において、第1のステップの補
助空間部には、該補助空間部の厚みを増すことにより該
補助空間部内における前記樹脂の流動を促進する流動促
進部を設けることを特徴として構成されている。
【0017】請求項4に記載の本発明は、請求項1乃至
請求項3に記載の本発明において、第1のステップの前
記補助空間部には、該補助空間部の厚みを減らすことに
より該補助空間部内における前記樹脂の流動を規制する
流動規制部を設けることを特徴としている。
【0018】請求項5に記載の本発明は、請求項1乃至
請求項4に記載の本発明において、第1のステップの前
記補助空間部には、該補助空間部及び前記成形空間部の
位置を確定するための位置決め孔を形成する位置決め部
を設けることを特徴としている。
【0019】請求項6に記載の本発明は、請求項1乃至
請求項5に記載の本発明において、第1のステップの前
記成形空間部内及び前記補助空間部内のガスを前記空間
部外に排出するためのエアベントを前記補助空間部に連
通して形成することを特徴としている。
【0020】請求項7に記載の本発明は、請求項1乃至
請求項6に記載の本発明において、第1のステップの前
記雄金型と前記雌金型との接触面を前記補助空間部の側
方にのみ位置させることを特徴としている。
【0021】請求項8に記載の本発明は、請求項1乃至
請求項7に記載の本発明において、第3のステップの
後、前記補助空間部内に突出しピンを挿入し、前記成形
空間部内及び前記補助空間部内において固化した樹脂を
離型する第4のステップを備えることを特徴としてい
る。
【0022】請求項9に記載の本発明は、請求項8に記
載の本発明において、第4のステップの後、前記成形空
間部及び補助空間部の外部へ排出した樹脂を基台上に配
置すると共に、該基台上に設けたガイド突起を前記位置
決め部にて形成した位置決め孔に挿入することにより前
記樹脂と前記基台との相対位置を固定する第5のステッ
プを備え、前記基台には前記成形空間部に対応した形状
のブロック部を上下動自在に設け、該ブロック部の上下
動にて前記成形空間部内に注入され固化した樹脂の前記
基台上における上下位置を調整自在としたことを特徴と
している。
【0023】請求項10に記載の本発明は、請求項9に
記載の本発明において、樹脂は多面付けにて形成され、
前記第5のステップの後、前記基台に配置された前記樹
脂に対して所定の表面処理及び又は裏面処理を多面的に
施す第6のステップ、及び又は前記基台に配置された前
記樹脂転写された箔とともに所定寸法に多面的に切断す
る第7のステップを備えたことを特徴としている。
【0024】請求項11に記載の本発明は、請求項10
に記載の本発明において、第7のステップの前記樹脂
は、前記成形空間部内に注入され固化した成形品と、前
記補助空間部内に注入され固化した補助樹脂とに分離さ
れることを特徴としている。
【0025】請求項12に記載の本発明は、請求項10
又は請求項11に記載の本発明において、第7のステッ
プの前記多面切断をレーザにて行うことを特徴としてい
る。
【0026】請求項13に記載の本発明は、請求項10
又は請求項11に記載の本発明において、第6のステッ
プの前後いずれかにおいて、接着層と剥離紙からなる剥
離シートを前記接着層を介して前記樹脂の裏面に接着
し、前記第7のステップにおいて、前記剥離紙を残した
状態で前記樹脂を切断することを特徴としている。
【0027】請求項14に記載の本発明は、請求項1乃
至請求項13に記載の本発明において、前記箔体は、金
属蒸着層と、該金属蒸着層の一面側に形成され紫外線を
吸収するUVハードコート層と、該UVハードコート層に剥
離層を介して積層されたベースフィルムと、前記金属蒸
着層の他面側に設けられ成形品に前記蒸着層を接着する
接着層とを備えたことを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明である射出成形によ
る樹脂成形品の箔転写方法の第1実施形態について図面
を参照して詳細に説明する。図1は射出成形機の構成を
概念的に示す縦断面図である。本実施形態においては、
射出成形方法により表面に金属箔が転写された電子機器
の薄厚状の筐体10が成形される。図16にはこの筐体
10の組立前の正面図を示す。この図16に示すよう
に、筐体10は一対の部品10a、10bから構成され
るもので、これら部品10a、10bは一対の金型によ
って同時に多面形成される。なお以下必要に応じて、射
出成形の結果物を単に「成形品」と総称する。
【0029】本実施形態の射出成形方法は概略的には、
図1に示すように、対向配置した一対の金型(雌金型1
と雄金型2との2つのプレート金型)の間の成形空間部
3に、一面に転写箔を蒸着した箔体90を張設セットさ
せた状態において、溶融した樹脂4を注入し、該樹脂4
を冷却固化させることにより成形品を形成すると共に、
該成形品の表面に箔を同時に転写するものである。
【0030】ここで箔体90は、筒体96,97に巻き
取られた巻紙状のシートであって、金、アルミニウム等
の金属蒸着層91と、該金属蒸着層91の一面側に形成
され紫外線を吸収するとともに金属蒸着層を保護するUV
ハードコート層92と、該UVハードコート層に剥離層9
3を介して積層されたベースフィルム94と、前記金属
蒸着層の他面側に設けられ成形品に前記蒸着層を接着す
る接着層95とを備えている。
【0031】そして、ホッパー5を介してシリンダー6
内に樹脂ペレット7を投入し、この樹脂ペレット7をシ
リンダー6内のスクリュー8にて剪断発熱させ及び又は
加熱することで溶融させる。そして溶融した樹脂4を雌
金型1と雄金型2の間の成形空間部3に高圧注入し、樹
脂の圧力と熱によって箔体90が接着層95を介して蒸
着層91、UVハードコート層92、ベースフィルム93
及び剥離層94が樹脂4の表面に密着形成される。そし
て、この樹脂4を冷却固化させた後、雌金型1と雄金型
2とを開いて成形品10をエジェクタ9にて押し出すこ
とにより離型すると、成形品10の表面に接着層95に
より蒸着層91、UVハードコート層92が転写される。
その後、概略的には、成形品に表面処理を施し、所定寸
法に切断し、組立てる。
【0032】なお樹脂4としては、ABS(Acrylonitr
ile Butadiene Styrene)、PC(Polycarbonate)、P
C/ABS、ASA、アクリル(硬質、軟質)、マグネ
シウム、ナイロン樹脂、ノリル樹脂(硬質、軟質)とい
った熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0033】次に、雌金型1、雄金型2、及びこれらの
間の成形空間部3について説明する。図2、図4はそれ
ぞれ雌金型1、雄金型2の正面図、図3(a)〜(d)
はそれぞれ図2のA−A〜D−Dまでの矢視断面図、図
5(a)〜(d)はそれぞれ図4のA−A〜D−Dまで
の矢視断面図、図6(a)〜(d)はそれぞれ図3
(a)〜(d)と図5(a)〜(d)の対応する各部を
重合した状態を示す断面図である。なお図2、4の符号
正視状態における上下左右方向を、雌金型1又は雄金型
2の上下左右方向とする。
【0034】雌金型1は、図2、3に示すように、従来
と同様に方形状に形成されるもので、その四周端部には
雄金型2と直接接触する基準面11を備える。この基準
面11により囲まれた内側部分には、筐体の部品10a
の外形に適合した形状の凹部12と、部品10bの外形
に適合した形状の凹部13とが形成されており、また凹
部12には図15に示すICチップの保持部10cの外
形に適合した第2の凹部12aが形成されている。また
図2、3に示すように、雌金型1の上下左右の中心位置
には注入孔14が貫通孔として形成され、図1のシリン
ダー6からの樹脂4がこの注入孔14を介して注入され
る。なお雌金型1にはさらに補助凹部15、16、規制
凸部17、促進凹部18、及びエアベント19が設けら
れているが、これらについては後述する。
【0035】一方、雄金型2は、図4、5に示すよう
に、雌金型1に対応した幅及び高さの方形状に形成され
るもので、雌金型1と直接接触する平面である基準面2
1を備える。また基準面21には、雌金型1側へ突出す
る凸部22、23が形成されている。凸部23にはさら
に雌金型1側へ突出するもので図15に示すICチップ
の保持部10cの外形に適合した第2の凸部23aと、
リブ10dの形状に適合した溝部24が設けられてい
る。このリブ10dは筐体10の内部に挟持される駆動
部と制御部とを相互に分離する電磁波遮断用の隔壁とし
て用いられる。さらにまた凸部22、23の周囲の複数
箇所には短尺円柱状の凸部25が設けられている。
【0036】そして図6に示すように、雌金型1と雄金
型2とを、これらの基準面11、21が相互に接するよ
うに重ね合わせた状態において、凹部12内には凸部2
3、凹部12a内には凸部23a、凹部13内には凸部
22がそれぞれ配置される。そして、これらの間に成形
空間部3が形成されている。この成形空間部3の高さ、
幅、及び厚みは、成形品(本実施形態においては筐体1
0の部品10a、10b)の所定の高さ、幅、及び厚み
に相当する。したがってこれらの雌金型1及び雄金型2
の間に箔体を挟みこみ(図7参照)、成形空間部3内に
樹脂4を注入して固化することにより、所定寸法の成形
品を得ることができる。
【0037】ここで図2に示すように、凹部12、13
の周囲には、これら凹部12、13よりも浅い凹部であ
る補助凹部15、16が形成されている。そしてこのよ
うに補助凹部15、16を形成することによって重合し
た雌金型1と雄金型2との間には、図6に示すように、
補助空間部31が形成されている。この補助空間部31
は、成形空間部3の上下左右の全周を囲むように連続配
置されるもので、該補助空間部31によって成形空間部
3の上下左右の全周が覆われている(なおこのように金
型の重合によって箔体90を挟みこんで成形空間部3及
び補助空間部31を形成するまでを本方法における第1
のステップとする)。
【0038】この補助空間部31はその成形空間部3と
接する全ての部分において該成形空間部3に連通してお
り、また補助空間部31には図6(c)に示すように、
注入孔14が連通している。したがって注入孔14から
注入された樹脂4はまず補助空間部31に注入され(第
2のステップ)、この補助空間部31を介して成形空間
部3に注入される(第3のステップ)。特に補助空間部
31が成形空間部3の全周に配置されているので、成形
空間部3の上下左右の側辺のうちいずれの箇所において
も、補助空間部31から成形空間部3内に樹脂4が注入
され得る。したがって成形空間部3のあらゆる方向から
該成形空間部3に対して樹脂4が流入可能となり、成形
空間部3が薄厚であっても該成形空間部3内に樹脂4を
容易に均一流入させることが容易に可能となるので、薄
厚成形品の射出成形が可能となる。またこのようにあら
ゆる方向から樹脂4を流入させることができるので、樹
脂4に加わる注入圧力(応力)が全体に均一となり、樹
脂4の密度等を均一にすることができる。したがって例
えば液晶画面を保護等するための透明樹脂を成形した場
合においても、透明樹脂の密度等を全体に均一にするこ
とができ、特に応力が加わる部分は透明樹脂の外周部で
あって中心部をほぼ完全に均一化できるので、液晶画面
の視認性を妨げることがない。なお図示は省略するが、
補助空間部31における注入孔14との連通部分にはい
わゆるスラッグウェルが形成されている。
【0039】図7は図6(d)に対応する縦断面図であ
り、雌金型1及び雄金型2の間に箔体90を配置した状
態を示す。図8は成形空間部3及び補助空間部31に樹
脂4を注入した状態を示す。この状態から所定時間経過
することにより、補助空間部31内に注入された樹脂4
も成形空間部3内に注入された樹脂4と一体に冷却固化
され、その表面には箔体90が張りついた状態となる。
この補助空間部31内に注入され固化された樹脂4は樹
脂4の表面に転写された箔体とともに後述するように切
断され取り除かれる。以下これらを区別するため必要に
応じて、補助空間部31及び成形空間部3に注入され一
体に固化された状態の樹脂全体を仕掛樹脂32、後処理
において仕掛樹脂32から分離された樹脂のうち、成形
空間部3に注入され固化された樹脂を成形品(本実施形
態においては筐体10の部品10a、10b)、補助空
間部31に注入され固化された樹脂を補助樹脂33と称
する。なお、図11は仕掛樹脂32の背面図(雌金型1
に接する面を仕掛樹脂の正面、雄金型2に接する面を仕
掛樹脂の背面とする、以下同じ)、図12(a)〜
(d)はそれぞれ図11のA−A〜D−Dまでの矢視断
面図を示す。
【0040】ここで本実施形態においては上述のよう
に、筐体10の一対の部品10a、10bを多面取りす
るため、雌金型1と雄金型2を重合した状態においては
部品10aを形成する成形空間部3と部品10bを形成
する成形空間部3を並設している。そして、この並設さ
れる成形空間部3の相互間にも補助空間部31が配置さ
れており、補助空間部31を介して双方の成形空間部3
に樹脂4が注入されることによって、図10に示すよう
に多面取りが可能とされている。
【0041】また補助空間部31には、図6に示すよう
に、該補助空間部31の厚みを増すことにより該補助空
間部31内における樹脂4の流動を促進する流動促進部
34が設けられている。この流動促進部34は、図2に
示すように、注入孔14に連続するものであって補助凹
部15、16よりも深い凹部である促進凹部18を雌金
型1に設けることによって形成される。
【0042】この流動促進部34は、補助空間部31内
における樹脂4の流動性を高めたい方向に沿って形成さ
れている。この流動性を高めたい方向とは通常、注入孔
14と、樹脂4が注入される箇所のなかで注入孔14か
ら最も離れた位置(最離位置)とを結ぶ方向である。こ
こで流動促進部34の厚み、幅、及び長さは、樹脂4の
流動性(樹脂の材質、温度にて決定される)や、注入孔
14から最離位置に至る距離、金型の凹凸による樹脂4
の流動抵抗の大小等に基づいて、少なくとも成形空間部
3の全ての部分に最も均一に樹脂4が流動するように決
定される。特に本実施形態においては、凹部13と凸部
22との間の成形空間部3よりも、凹部12と凸部23
との間の成形空間部3の方が凹凸が多くて樹脂4の流動
抵抗が高いため、凹部12と凸部23との間の成形空間
部3に向かう方向に流動促進部34を形成している。な
お流動促進部34の起点は注入孔14に限定されず、任
意位置を起点とすることも可能である。
【0043】このような流動促進部34を補助空間部3
1に適宜配置することにより、樹脂4の流動性を任意の
方向に関して高めることができるので、空間部全体に樹
脂4を均一に注入することができる。また流動促進部3
4に流れ込んだ樹脂4は、図10、11に示すように成
形品に比べて肉厚な樹脂33aとなるが、この樹脂33
aは補助樹脂33の一部として成形品から分離処理され
るので、成形品に影響を与えることがない。
【0044】なお本実施形態においては特に図3(b)
において明らかなように、補助凹部16に比べて補助凹
部15を若干深く形成している。これは上述のように凹
部12と凸部23との間の成形空間部3の方が凹凸が多
くて樹脂4の流動抵抗が高いことから、補助凹部15に
て形成される補助空間部31側により多くの樹脂4を流
入させるためである。この意味において、補助凹部15
にて形成される補助空間部31全体が上述の流動促進部
34として機能している。
【0045】さらに補助空間部31には、図6に示すよ
うに、該補助空間部31の厚みを減らすことにより該補
助空間部31内における樹脂4の流動を規制する流動規
制部35が設けられている。この流動規制部35は、図
2に示すように、補助凹部15、16よりも雄金型2側
に突出する薄肉の規制凸部17を雌金型1に設けること
によって形成される。
【0046】この流動規制部35は補助空間部31内に
おける樹脂4の流動性を低減したい位置に配置されてい
る。この流動性を低減したい位置とは例えば、注入孔1
4近傍や、注入孔14から凹凸の少ない成形空間部3に
至る経路である。このような位置においては、樹脂4の
流動性が高い一方、あまり流動性が高いと、凹凸の多い
成形空間部3に至る樹脂4の流動を妨げるおそれがある
ため、樹脂4の流動性を低減する必要が生じるのであ
る。ただしこのような位置に限定されず、樹脂4の流動
性を低減したい全ての位置に流動規制部35を配置する
ことができる。ここで流動規制部35の厚み、幅、及び
長さは、樹脂4の流動性(樹脂の材質、温度にて決定さ
れる)等に基づいて、少なくとも成形空間部3の全ての
部分に最も均一に樹脂4が流動するように決定される。
【0047】このような流動規制部35を補助空間部3
1に適宜配置することにより、樹脂4の流動性を任意の
方向に関して低減することができるので、空間部全体に
樹脂4を均一に注入することができる。また流動規制部
35に流れ込んだ樹脂4は成形品に比べて薄肉な樹脂3
3bとなるが、この樹脂33bは補助樹脂33の一部と
して成形品から分離処理されるので、成形品に影響を与
えることがない。
【0048】さらに補助空間部31には、図6に示すよ
うに、該補助空間部31及び成形空間部3の位置(仕掛
樹脂32全体の位置)を規制するための位置決め部36
が設けられている。この位置決め部36は、図4に示す
ように、基準面21よりも雌金型1側に突出する短尺円
柱状の凸部25を雄金型2に複数設けることによって形
成される。そして、この位置決め部36を箔転写におけ
る箔体の位置決めに利用することができるため、成形品
10と箔体90との位置を精密に設定でき、箔体に文字
記号などを記載しておき、これを成形品に高精度で位置
決めして転写することが可能となる。そしてまた、位置決
め部36によって樹脂4の流入・固化が妨げられること
によって、図10に示すように仕掛樹脂32には複数の
位置決め孔33cが形成される。この位置決め孔33c
は貫通孔であり、射出成形後の後処理において、基台7
0に対する補助空間部31及び成形空間部3の位置決め
(仕掛樹脂32の位置決め)を行うために用いられる。
この位置決め孔33cの具体的使用態様については後述
する。
【0049】このように位置決め部36を補助空間部3
1に適宜配置することにより、各処理工程における位置
決めを容易に行うことができ、処理精度及び処理効率が
向上する。特に本実施形態においては位置決め部36を
補助空間部31に配置したので、位置決め孔33cが補
助樹脂33の一部として成形品から分離処理されるの
で、成形品に影響を与えることがないという利点を有す
る。
【0050】ここで一般に、空間部に樹脂を注入する際
には該空間部内のガスを金型外に排出する必要がある。
このため本実施形態においては、図2に示すように、成
形空間部3内及び補助空間部31内のガスを排出するた
めのエアベント19が補助凹部15、16に連通して形
成され、すなわち補助空間部31に連通して形成されて
いる。このエアベント19は補助空間部31内において
最後に樹脂4が流入する箇所と雌金型1外部の任意箇所
とを結ぶ細径の空間部として形成されており、成形空間
部3内及び補助空間部31内に注入された樹脂4によっ
て押し出されるガスがエアベント19を通って雌金型1
外部に排出される。このエアベント19の径及び本数
は、成形空間部3及び補助空間部31の体積、及びガス
を排出すべき速度に応じて、ガスがスムーズに排出され
るように決定される。
【0051】ガスを金型外に排出するためのエアベント
自体は従来の射出成形方法においても形成されていた
が、従来はエアベントを成形空間部3に連通させてい
た。したがって何らかの原因でガスが完全に排出されな
かった場合、ガスが成形空間部3に残存して成形品に気
泡、焼け、あるいはバリなどを生じることがあった。
【0052】しかしながら本実施形態のようにエアベン
ト19を成形空間部3ではなく補助空間部31に連通さ
せた場合には、ガスが完全に排出されず気泡などが生じ
た場合でも、該気泡は成形品ではなく補助樹脂33に形
成され後処理において成形品から分離される。したがっ
て成形品にガス残存に起因する障害を生じさせることが
なくなる。特に本実施形態の如き薄厚成形品において気
泡等の与える悪影響は大きいので上記エアベント19は
有効であり、またこのように障害を除去できることか
ら、軟質アクリル樹脂の如きガス発生の多い樹脂を用い
ることが可能となる。なお図11、12には気泡によっ
て生じた焦げ33dを示す。
【0053】また一般に、雌金型1と雄金型2との接触
面に樹脂4が入り込んで固化する結果、成形品の側面に
はパーティングラインが生じる。しかし本実施形態にお
いては、図8に示すように、雌金型1と雄金型2との接
触面は補助空間部31の側方にのみ位置し、該補助空間
部31とのみ接触して、成形空間部3には接触していな
い。したがって注入された樹脂4が雌金型1と雄金型2
との接触面に入り込んで生じるパーティングライン33
eは、図11、12に示すように、補助樹脂33の周面
にのみ形成され、成形品の外観を損ねることがない。
【0054】これまで説明した第1〜第3のステップに
よって注入された樹脂4が固化した後、図9に示すよう
に雄金型2が雌金型1から離型され、さらに図10に示
すように固化後の仕掛樹脂32が雌金型1から離型され
る(第4のステップ)。この第4のステップの離型はエ
ジェクタ9の複数の突出しピン9aにて行われるもの
で、各突出しピン9aは、図2、3、6、10に示すよ
うに、雌金型1から雄金型2に向けて突出して仕掛樹脂
32を押圧する。ここで複数の突出しピン9a、9aは補
助空間部31側に対応する位置にのみ配置されているた
め、その先端は補助樹脂33のみを押圧し、成形品には
触れることがない。したがって図11、12に示すよう
に、突出しピン9aの押圧によって白化することにより
生じる突き出し跡33fは補助樹脂33のみに生じて、
成形品の外観を損ねることがない。
【0055】この第4のステップ完了後、図11、12
の仕掛樹脂32が出来上がる。なお本件出願人の成形し
た仕掛樹脂32の各部の厚みを参考値として挙げると、
補助樹脂33は1.0mm(補助凹部15により形成され
る側)と0.8mm(補助凹部16により形成される
側)、樹脂33aは1.6mm、樹脂33bは0.3mm、
部品10a、10bは0.3mmである。
【0056】離型された仕掛樹脂32は後処理のため基
台70に載置される。図13は基台70の平面図、図1
4は図13のA−A矢視断面図、図15は図14の基台
70に仕掛樹脂32を載置した状態の断面図を示す。こ
れら図13〜15に示すように、基台70は仕掛樹脂3
2よりやや広い幅に形成されており(図13には仕掛樹
脂32の外形線を想像線にて示す)、その載置面には複
数のガイド突起71、71が設けられている。そして基
台70に仕掛樹脂32を載置した状態において各位置決
め孔33c内に各ガイド突起71が挿通して、基台70
に対する仕掛樹脂32の水平面内における相対位置が固
定される(第5のステップ)。この状態において各ガイ
ド突起71は仕掛樹脂32の正面側には突出しておら
ず、仕掛樹脂32に対する表面処理の障害となることが
ない。
【0057】なお当然のことながら各位置決め孔33c
は各ガイド突起71に対応する位置及び径にて形成され
る。また複数の後処理において複数の基台を用いる場合
には、各基台に合わせて位置や径の異なる複数種類の位
置決め孔33cを形成してもよい。
【0058】そして仕掛樹脂32に対して後処理が行な
われる。この後処理は、表面処理(第6ステップ)、切
断(第7ステップ)、組立(第8ステップ)の順に行な
われる。このうち表面処理は仕掛樹脂32のうち部品1
0a、10bに施されるもので、塗装、メッキ、ディッ
プ、印刷(スクリーン、オフセット、パット)、シール
ド性のあるテープ貼付、蒸着、ホットスタンプ、ダイヤ
スタンプ、注入、苛性処理等により行なわれる。特に電
子機器の筐体10においては電磁遮蔽が重要となるの
で、電磁遮蔽塗料の塗布を行うことができる。なおこれ
ら表面処理各々の詳細は従来と同様であるため省略す
る。
【0059】また外形抜きは仕掛樹脂32から部品10
a、10bを分離するために行なわれるもので、レーザ
加工、トムソン加工、金型プレス加工、彫刻刃加工(熱
加工含む)、高周波加工、多軸NC彫刻加工等により行
なわれる。
【0060】この際、本例では、仕掛樹脂32の表面に
は、蒸着層91、UVハードコート層92が転写されてお
り、仕掛樹脂32からの部品10a、10bの分離時
に、箔バリなどが生じることなく、見栄えを良いものと
できるので、箔バリを除去する工程を設ける必要がない。
【0061】なお外形抜きは上述の表面処理の前に行っ
てもよいが、複数の部品10a、10bにまとめて表面
処理を行った後に外形抜きを行うことによって、一層効
率のよい表面処理を行うことができる。そして部品10
a、10bを相互に組立てることにより、筐体10を形
成する。このため、まず部品10a、10bの間に別工
程で形成された回路基板等を挟持し、これら一対の部品
10a、10bを、両面テープ、熱ボンド、のり印刷、
係止爪、ビス止め、熱かしめ、高周波シール、クリップ
止め、リテーナ止めにて一体に組み付ける。なお当然の
ことながら、係止爪やリテーナ止めによる組み付けを行
う場合には、これら係止爪等を一体に射出成形すればよ
い。
【0062】次に、本発明の第2実施形態について説明
する。図17は雌金型40の正面図、図18(a)〜
(d)はそれぞれ図16のA−A〜D−Dまでの矢視断
面図としての雌金型40と、雄金型50のうち雌金型4
0に対応する部分とを重合させた状態の断面図、図19
(a)は図18(c)の雌金型40と雄金型50との間
の成形空間部60及び補助空間部61に樹脂4を注入し
た状態の断面図、図19(b)は図19(a)の雌金型
40から雄金型50を離型した状態の断面図、図20は
図19(a)の雌金型40から仕掛樹脂41を離型した
状態の断面図、図21は仕掛樹脂41の背面図、図22
(a)〜(d)はそれぞれ図21のA−A〜D−Dまで
の矢視断面図を示す。なお特に説明なき構成については
第1実施形態と同じである。本実施形態は射出成形方法
により、図28に示す薄厚方形状のネームプレート42
を成形する場合について説明する。
【0063】雌金型40は、図17、18に示すよう
に、その四周端部に基準面43を備える。この基準面4
3により囲まれた内側部分には、ネームプレート42の
外形適合した形状の複数の凹部44が形成されている。
このように凹部44を複数形成することにより、多面取
りが可能である。また図16、17に示すように、雌金
型1の上下左右の中心位置には注入孔45が貫通孔とし
て形成されている。また雌金型1には、補助凹部47、
該補助凹部47よりも深い凹部である促進凹部46、及
び補助凹部47に連通する溝状のエアベント48が設け
られている。一方、図18に示すように、本実施形態に
おける雄金型50は、後述する凸部51を除いてほぼ平
面状に形成されている。すなわち雄金型50は雌金型4
0の基準面43に直接接触するもので全体に平坦な連続
面を備える。
【0064】このような雌金型40と雄金型50とを重
合させることにより、図18に示すように、これらの間
に成形空間部60が形成される。また雌金型1に図示の
ような補助凹部47を設けたので、成形空間部60の全
周を囲む補助空間部61が形成される。また、雌金型40
と雄金型50との間には箔体90が配置される(第1ス
テップ)。そして注入孔45に樹脂4を注入することに
より、該樹脂4はまず補助空間部61に流入し(第2ス
テップ)、さらに補助空間部61から成形空間部60に
流入する(第3ステップ)。
【0065】第1のステップにおいては図18に示すよ
うに、雌金型1の促進凹部46によって補助空間部61
の厚みが増やされることにより、流動促進部62が形成
されている。したがって注入孔45から注入された樹脂
4は流動促進部62において流動性を高められ、この流
動促進部62の方向にはより多くの樹脂4が流入する。
図21、22には流動促進部62に流入した樹脂4にて
形成された肉厚の樹脂48aを示す。なお本実施形態に
おいては雌金型40及び雄金型50が左右対称形状であ
り樹脂4の流動性も左右対称であるため、流動促進部6
2(流動促進部62を形成する促進凹部46)は、注入
孔45から四隅に向けた左右対称形状に形成されてい
る。
【0066】また第1のステップにおいては図18に示
すように、雄金型50に設けた複数の凸部51にて構成
される位置決め部52が設けられており、図21に示す
仕掛樹脂41の補助樹脂48には複数の位置決め孔48
b、48bが形成されている。さらに、この位置決め部
52を箔転写における箔体90の位置決めに利用するこ
とができるため、雌金型40及び雄金型50と箔体90
との位置を精密に設定でき、箔体に文字記号などを記載
しておき、これを成形品に高精度で位置決めして転写す
ることが可能となる。
【0067】そして、このような雌金型40及び雄金型
50を用いて成形された仕掛樹脂41は、図21、22
に示すように、複数のネームプレート42が補助樹脂4
8にて囲まれると共に、一体に固化している。
【0068】樹脂固化後、図19(b)及び図20に示
すように離型が行われる(第4のステップ)。本実施形
態においても、図17、18、20に示すように、雌金
型40から雄金型50に向けて突出する複数の突出しピ
ン9a、9aにて仕掛樹脂41を押圧することにより行
われる。ここでも突出しピン9aは補助空間部31側に
対応する位置にのみ配置されているため、図21、22
に示すように、突き出し跡48cは補助樹脂48のみに
生じて、成形品の外観を損ねることがない。
【0069】離型された仕掛樹脂41は後処理のため基
台80に載置される。図23は基台80の平面図、図2
4(a)(b)はそれぞれ図23のA−A矢視断面図、
B−B矢視断面図である。これら図23、24に示すよ
うに、基台80には複数のガイド突起81、81が設け
られており、図示は省略するが、基台80に仕掛樹脂4
1を載置した状態において各位置決め孔48b内に各ガ
イド突起81が挿通して、基台80に対する仕掛樹脂4
1の水平面内における相対位置が固定される(第5のス
テップ)。
【0070】ここで基台80には、多面取りされる複数
の成形品それぞれに対応する位置に、該成形品よりやや
広幅の複数のブロック部82、82が配置されている。
これらブロック部82、82は基台80に設けられた凹
部83内に出し入れ自在に納められるもので、この凹部
83の底面とブロック部82との間に金属や紙等の任意
の材料からなるスペーサ部材84を挟むことにより、基
台80からのブロック部82の突出高さが調整可能とな
っている。図24(b)には2つのブロック部82のう
ち紙面右側のブロック部82と凹部83との間にのみス
ペーサ部材84が挟まれており、該ブロック部82が基
台80から高さHだけ突出している状態を示す。このよ
うにブロック部82の突出高さを調整することにより、
基台80に載置された仕掛樹脂41と後処理における処
理装置例えば印刷装置との間隔を成形品毎に調整するこ
とができ、後処理を一層精密に行うことができる。
【0071】このように仕掛樹脂41が基台80に載置
された後、該仕掛樹脂41の背面にスクリーン印刷が施
される(第6のステップ)。図25はスクリーン印刷後
の仕掛樹脂41の背面図、図26は図25のA−A矢視
断面図である。この図25、26に示すように、仕掛樹
脂41の背面のネームプレート42に対応する部分には
「ABC」なる文字形の印刷63が施され、また仕掛樹
脂41の背面全体に印刷63とは異なる色の印刷64が
施される。
【0072】印刷終了後、成形品の切断が行われる(第
7のステップ)。この切断はレーザ200を用いて行わ
れる。図27はレーザ200による切断を概念的に示す
縦断面図である。この図27に示すように、基台80に
載置された仕掛樹脂41にレーザ200によるレーザ光
が照射され、補助樹脂48が複数のネームプレート42
から分離されると同時に、複数のネームプレート42が
相互に分離される。図28はネームプレート42の正面
図である。
【0073】本実施形態においてはこのようにレーザ2
00を用いて切断を行っているので、複雑な形状の成形
品をも容易に切断することができると共に、プレス切断
等に比べて切断面が良好となる。特にアクリル樹脂の如
き高強度の樹脂にて成形した成形品に対してもプレス切
断(ゲート切断機及びニッパ等による切断を含む)を行
う必要がないので、成形品にクラックが生じることを防
ぐことができる。
【0074】このレーザ200による切断においてはレ
ーザ200に対して被切断体である仕掛樹脂41の相対
位置を正確に維持することが重要となるが、本実施形態
においては上述のように位置決め孔48bとガイド突起
81との連係によってこの位置決めを達成している。す
なわち位置決めを正確に行うことができるので、レーザ
200による切断を行うことができる。
【0075】さらに、本例では、仕掛樹脂41の表面に
は、蒸着層91、UVハードコート層92が転写されてお
り、仕掛樹脂32からの部品10a、10bの分離時
に、箔バリなどが生じることなく、見栄えを良いものと
できるので、箔バリを除去する工程を設ける必要がない。
【0076】次に、本発明の第3実施形態について説明
する。図29は剥離シート100を貼付した状態の仕掛
樹脂41の縦断面図、図30は図29のプレス切断後の
正面図、図31(a)、(b)はそれぞれ図30のA―
A矢視断面図、B―B矢視断面図である。本実施形態に
おいて、特に説明なき構成については第2実施形態と同
じである。本実施形態は第2実施形態の第1〜第6のス
テップを経た後、第2実施形態とは異なる第7のステッ
プにて切断が行われる。
【0077】すなわち第6のステップ終了後、図29に
示すように、表面に接着層95により蒸着層91、UVハ
ードコート層92が転写された仕掛樹脂41の背面全域
に剥離シート100が貼付される。この剥離シート10
0は剥離紙101に接着層102をコーティングして構
成されている。
【0078】そしてこの状態でレーザ加工、トムソン加
工、金型プレス加工、彫刻刃加工(熱加工含む)、高周
波加工、多軸NC彫刻加工等による切断を行う。この切
断においてはいわゆるハーフ抜きが行われ、基本的に成
形品以外の部分が切断除去されるが、図31に示すよう
に剥離紙101は切断されることなく完全に残されてお
り、また成形品と剥離紙101との間の接着層102も
残されている。したがって図30、31に示すように、
剥離紙101の表面に複数の成形品が整列された状態と
なり、納入時の計数や、組立工程におけるハンドリング
が一層容易となる。
【0079】さてこれまで本発明の第1〜第3実施形態
について説明したが、本発明は上記に示した実施形態に
限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異な
る形態にて実施されてよいものであり、以下これら異な
る形態について説明する。まず本方法にて成形される成
形品は、上記実施形態に示したものに限られず、任意形
状の成形品であってよい。また当然のことながら雌金型
及び雄金型の形状も、成形品の形状に併せて任意に変更
される。さらに第1実施形態においては部品10aと部
品10bとの2つを一度に成形するものとして説明した
が、樹脂が成形空間部内に流動する限りにおいてより多
くの部品を多面取りすることが可能である。
【0080】また上記実施形態においては、補助空間部
を成形空間部の周囲に均等な形状で配置しているが、樹
脂の流動性に応じて不均等に配置することも可能であ
る。さらに上記実施形態においては、雌金型に規制凸部
を設けることによって流動規制部を設けたが、雄金型に
規制凸部を設けてもよい。また同様に、雌金型でなく雄
金型に促進凹部を設けて流動促進部を設けてもよい。あ
るいは雌金型と雄金型との双方に、規制凸部や促進凹部
を設けてもよい。その他、流動規制部、流動促進部、位
置決め部、エアベントの数、位置、及び形状は、上述の
条件の下、任意に定めてよい。
【0081】
【発明の効果】上記したように請求項1記載の本発明
は、空間部を、成形品の外形に適合した成形空間部と、
成形空間部の全周を囲む補助空間部とから構成し、箔体
を配置した状態で注入孔を介して前記補助空間部に溶融
した樹脂を注入し、該樹脂を補助空間部を介して成形空
間部に注入することとしたので、成形空間部のあらゆる
方向から該成形空間部に対して樹脂が流入可能となり、
成形空間部が薄厚であっても該成形空間部内に樹脂を均
一に流入させることが容易に可能となるので、薄厚成形
品の射出成形が可能となるほか、成形品への金属箔の転
写が1回の処理で行える。
【0082】また例えばネームプレートを薄厚にて形成
できるので、ネームプレートの弾性力を適度に調節で
き、貼付面に合わせた湾曲状態でネームプレートを保持
できる。したがって貼付面の曲率が変わる毎にネームプ
レートを成形する必要がなくなり、一つのネームプレー
トを各種の添付面に添付可能となるため生産効率が向上
する。またあらゆる方向から樹脂を流入させることがで
きるので、樹脂に加わる注入圧力(応力)が全体に均一
となり、樹脂の密度等を均一にすることができる。した
がって例えば液晶画面を保護等するための透明樹脂を成
形した場合においても、透明樹脂の密度等を全体に均一
にすることができ、特に応力が加わる部分は透明樹脂の
外周部であって中心部をほぼ完全に均一化できるので、
液晶画面の視認性を妨げることがない。
【0083】しかも請求項2記載の本発明は、成形空間
部を複数並設し、補助空間部を介して複数の成形空間部
各々に樹脂を注入することにより、薄厚成形においても
補助空間部を介して多面取りが可能となり、生産効率を
大幅に向上させることができる。
【0084】しかもまた請求項3記載の本発明は、補助
空間部には、該補助空間部の厚みを増すことにより該補
助空間部内における樹脂の流動を促進する流動促進部を
設けたこと等により、樹脂の流動性を任意の方向に関し
て高めることができるので、空間部全体に樹脂を均一に
注入することができる。特に補助空間部に流動促進部を
設けているので、流動促進部に流入して固化した樹脂は
補助樹脂の一部として成形品から分離処理されるので、
成形品に影響を与えることがなく、より精密な薄肉成形
を行うことができる。
【0085】さらに請求項4記載の本発明は、補助空間
部には、該補助空間部の厚みを減らすことにより該補助
空間部内における樹脂の流動を規制する流動規制部を設
けたこと等により、樹脂の流動性を任意の方向に関して
低減することができるので、空間部全体に樹脂を均一に
注入することができる。特に補助空間部に流動規制部を
設けているので、流動規制部に流入して固化した樹脂は
補助樹脂の一部として成形品から分離処理されるので、
成形品に影響を与えることがなく、より精密な薄肉成形
を行うことができる。
【0086】さらにまた請求項5記載の本発明は、補助
空間部には、該補助空間部及び成形空間部の位置を規制
するための位置決め孔を形成する位置決め部を設けたこ
とにより、仕掛樹脂の位置決めを容易に行うことができ
ると共に、位置決め孔が補助樹脂の一部として成形品か
ら分離処理されるので、成形品に影響を与えることがな
く、より精密な薄肉成形を行うことができる。また、位
置決め部を箔転写における箔体の位置決めに利用するこ
とができるため、金型と箔体との位置関係を精密に設定
でき、箔体に文字記号などを記載しておき、これを成形品
に高精度で位置決めして転写することが可能となる。
【0087】しかも請求項6記載の本発明は、成形空間
部内及び補助空間部内のガスを空間部外に排出するため
のエアベントを補助空間部に連通して形成したことによ
り、ガスが完全に排出されず気泡などが生じた場合で
も、該気泡は成形品ではなく補助樹脂に形成され後処理
において成形品から分離される。したがって成形品にガ
ス残存に起因する障害を生じさせることがなく、より精
密な薄肉成形を行うことができる。
【0088】しかもまた請求項7に記載の本発明は、第
1のステップにおいて、雄金型と雌金型との接触面を補
助空間部の側方にのみ位置させることにより、パーティ
ングラインが生じた場合でも、該パーティングラインは
成形品ではなく補助樹脂に形成され後処理において成形
品から分離されるので、成形品に影響を与えることがな
く、より精密で外観上良好な薄肉成形を行うことができ
る。
【0089】さらに請求項8に記載の本発明は、第3の
ステップの後、補助空間部内に突出しピンを挿入し、成
形空間部内及び補助空間部内において固化した樹脂を離
型する第4のステップを備えることにより、突出しピン
の押圧による白化によって突き出し跡が生じた場合で
も、該突き出し跡は成形品ではなく補助樹脂に形成され
後処理において成形品から分離されるので、成形品に影
響を与えることがなく、より精密で外観上良好な薄肉成
形を行うことができる。
【0090】さらにまた請求項9に記載の本発明は、第
4のステップの後、成形空間部及び補助空間部の外部へ
排出した樹脂を基台上に配置すると共に、該基台上に設
けたガイド突起を位置決め部にて形成した位置決め孔に
挿入することにより樹脂と基台との相対位置を固定する
第5のステップを備え、基台には成形空間部に対応した
形状のブロック部を上下動自在に設け、該ブロック部の
上下動にて成形空間部内に注入され固化した樹脂の基台
上における上下位置を調整自在としたことにより、成形
品と後処理装置との相対間隔を成形品毎に調節すること
ができ、後処理を一層精密に行うことができる。
【0091】しかも請求項10に記載の本発明は、樹脂
は多面付けにて形成され、第5のステップの後、基台に
配置された前記樹脂に対して所定の表面処理を多面的に
施す第6のステップ及び又は基台に配置された樹脂を所
定寸法に多面的に切断する第7のステップを備えたこと
により、複数の成形品に対して表面処理及び切断を一括
して行うことができ、生産効率を大幅に向上させること
ができる。
【0092】しかもまた請求項11に記載の本発明は、
第7のステップにおいて、樹脂は、成形空間部内に注入
され固化した成形品と、補助空間部内に注入され固化し
た補助樹脂とに分離されることにより、流動促進部や流
動規制部にて形成され固化した樹脂、位置決め孔、焦
げ、パーティングライン及び突き出し跡が補助樹脂と共
に成形品から分離されるので、成形品に影響を与えるこ
とがなく、より精密で外観上良好な薄肉成形を行うこと
ができる。さらに、分離される樹脂の表面には、箔体が転
写されており箔体は同時に切断されるので、箔バリなど
が生じることなく、見栄えを良いものとできるので、箔バ
リを除去する工程を設ける必要がない。
【0093】さらに請求項12に記載の本発明は、第7
のステップにおいて、多面切断をレーザにて行うことに
より、複雑な形状の成形品をも容易に切断することがで
きると共に、プレス切断等に比べて切断面が良好とな
る。特にアクリル樹脂の如き高強度の樹脂にて成形した
成形品に対してもプレス切断(ゲート切断機及びニッパ
等による切断を含む)を行う必要がないので、成形品に
クラックが生じることを防ぐことができる。
【0094】さらにまた請求項13に記載の本発明は、
第6のステップの前後いずれかにおいて、接着層と剥離
紙からなる剥離シートを接着層を介して樹脂の裏面に接
着し、第7のステップにおいて、剥離紙を残した状態で
樹脂を切断することにより、剥離紙の表面に複数の成形
品が整列された状態となり、納入時の計数や、組立工程
におけるハンドリングが一層容易となる。
【0095】せして請求項14に記載の本発明は、金属
蒸着層と、該金属蒸着層の一面側に形成され紫外線を吸
収するUVハードコート層と、該UVハードコート層に剥離
層を介して積層されたベースフィルムと、前記金属蒸着
層の他面側に設けられ成形品に前記蒸着層を接着する接
着層とを備えているので、金属光沢を備えた金属蒸着層
をUVハードコート層で保護できるとともに、接着層で
確実に成形品の表面に転写できるほか、金属蒸着層はベ
ースフィルムに剥離層を介して積層されているので、箔
体の取り扱いが容易である。。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に関連し、射出成形機の
構成を概念的に示す縦断面図である。
【図2】第1実施形態における雌金型の正面図である。
【図3】(a)〜(d)はそれぞれ図2のA−A〜D−
Dまでの矢視断面図である。
【図4】第1実施形態における雄金型の正面図である。
【図5】(a)〜(d)はそれぞれ図4のA−A〜D−
Dまでの矢視断面図である。
【図6】(a)〜(d)はそれぞれ図3(a)〜(d)
と図5(a)〜(d)の対応する各部を重合した状態を
示す断面図である。
【図7】図6(d)に対応する縦断面図であり、雄金型
及び雌金型の間に箔体を配置した状態を示す。
【図8】図6(d)に対応する縦断面図であり、成形空
間部及び補助空間部に樹脂を注入した状態を示す。
【図9】雄金型を雌金型から離型した状態の縦断面図で
ある。
【図10】固化後の仕掛樹脂を雌金型から離型した状態
の縦断面図である。
【図11】第1実施形態における仕掛樹脂の背面図であ
る。
【図12】(a)〜(d)はそれぞれ図10のA−A〜
D−Dまでの矢視断面図である。
【図13】第1実施形態における基台の平面図である。
【図14】図13のA−A矢視断面図である。
【図15】図14の基台に仕掛樹脂を載置した状態の断
面図である。
【図16】第1実施形態における成形品である筐体の組
立前の正面図である。
【図17】第2実施形態における雌金型の正面図であ
る。
【図18】(a)〜(d)はそれぞれ図17のA−A〜
D−Dまでの矢視断面図としての雌金型と、雄金型のう
ち雌金型に対応する部分とを重合させた状態の断面図で
ある。
【図19】図18(c)に対応する縦断面図であり、
(a)は成形空間部及び補助空間部に樹脂を注入した状
態、(b)は雄金型を雌金型から離型した状態を示す。
【図20】固化後の仕掛樹脂を雌金型から離型した状態
の縦断面図である。
【図21】第2実施形態における仕掛樹脂の背面図であ
る。
【図22】(a)〜(d)はそれぞれ図21のA−A〜
D−Dまでの矢視断面図である。
【図23】第2実施形態における基台の平面図である。
【図24】(a)、(b)はそれぞれ図23のA−A矢
視断面図、B−B矢視断面図である。
【図25】スクリーン印刷後の仕掛樹脂の背面図であ
る。
【図26】図25のA−A矢視断面図である。
【図27】レーザによる切断を概念的に示す縦断面図で
ある。
【図28】ネームプレートの正面図である。
【図29】第3実施形態において、剥離シートを貼付し
た状態の仕掛樹脂の縦断面図である。
【図30】プレス切断後の仕掛樹脂の正面図である。
【図31】(a)、(b)はそれぞれ図30のA―A矢
視断面図、B―B矢視断面図である。
【図32】樹脂成形品への箔転写の状態を示す模式図で
ある。
【図33】従来の射出成形による樹脂成形品の箔転写方
法の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1、40 雌金型 2、50 雄金型 3、60 成形空間部 4 樹脂 5 ホッパー 6 シリンダー 7 樹脂ペレット 8 スクリュー 9 エジェクタ 9a 突出しピン 10 筐体 11、21 基準面 12、13 凹部 14、45 注入孔 15、16 補助凹部 17 規制凸部 18、46 促進凹部 19 エアベント 22、23、25 凸部 24 溝部 31、61 補助空間部 32、41 仕掛樹脂 33、48 補助樹脂 34、62 流動促進部 35 流動規制部 36 位置決め部 42 ネームプレート 70、80 基台 90 箔体 91 金属蒸着層 92 UVハードコート層 93 剥離層 94 ベースフィルム 95 接着層 100 剥離シート 200 レーザ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して配置した雄金型と雌金型との間
    の空間部に溶融した樹脂を注入孔から注入し、成形品を
    形成する射出成形による樹脂成形品を生産する方法であ
    って、 前記雄金型と雌金型とには、両金型を組み合わせたとき
    両金型の間に形成される成型品の形状を確定する成形空
    間部を複数並設して設けると共に、該複数の成形空間部
    及び前記注入孔に連通するもので前記複数の成形空間部
    の全周を囲む補助空間部を設け、 両金型を組合せ、両金型の間に成形空間部及び補助空間
    部を形成すると共に、前記成形空間部のうち注入口が形
    成された金型と反対側の金型の側に転写すべき箔体を配
    置する第1のステップと、 溶融した樹脂を前記補助空間部に前記注入孔から注入す
    る第2のステップと、 前記樹脂を前記複数の成形空間部各々に前記補助空間部
    を介して注入する第3のステップとを備えることを特徴
    とする射出成形による樹脂成形品の箔転写方法。
  2. 【請求項2】 前記第1のステップにおいて、前記成形
    空間部を複数並設すると共に、該複数の成形空間部の全
    周を前記補助空間部にて囲み、 前記第3のステップにおいて、前記樹脂を前記複数の成
    形空間部各々に前記補助空間部を介して注入することを
    特徴とする請求項1に記載の射出成形による樹脂成形品
    の箔転写方法。
  3. 【請求項3】 前記第1のステップにおいて、前記補助
    空間部には、該補助空間部の厚みを増すことにより該補
    助空間部内における前記樹脂の流動を促進する流動促進
    部を設けることを特徴とする請求項1又は請求項2に記
    載の射出成形による樹脂成形品の箔転写方法。
  4. 【請求項4】 前記第1のステップにおいて、前記補助
    空間部には、該補助空間部の厚みを減らすことにより該
    補助空間部内における前記樹脂の流動を規制する流動規
    制部を設けることを特徴とする請求項1乃至請求項3に
    記載の射出成形による樹脂成形品の箔転写方法。
  5. 【請求項5】 前記第1のステップにおいて、前記補助
    空間部には、該補助空間部及び前記成形空間部の位置を
    確定するための位置決め孔を形成する位置決め部を設け
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の射出
    成形による樹脂成形品の箔転写方法。
  6. 【請求項6】 前記第1のステップにおいて、前記成形
    空間部内及び前記補助空間部内のガスを前記空間部外に
    排出するためのエアベントを前記補助空間部に連通して
    形成することを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載
    の射出成形による樹脂成形品の箔転写方法。
  7. 【請求項7】 前記第1のステップにおいて、前記雄金
    型と前記雌金型との接触面を前記補助空間部の側方にの
    み位置させることを特徴とする請求項1乃至請求項6に
    記載の射出成形による樹脂成形品の箔転写方法。
  8. 【請求項8】 前記第3のステップの後、前記補助空間
    部内に突出しピンを挿入し、前記成形空間部内及び前記
    補助空間部内において固化した樹脂を離型する第4のス
    テップを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7
    に記載の射出成形による樹脂成形品の箔転写方法。
  9. 【請求項9】 前記第4のステップの後、前記成形空間
    部及び補助空間部の外部へ排出した樹脂を基台上に配置
    すると共に、該基台上に設けたガイド突起を前記位置決
    め部にて形成した位置決め孔に挿入することにより前記
    樹脂と前記基台との相対位置を固定する第5のステップ
    を備え、 前記基台には前記成形空間部に対応した形状のブロック
    部を上下動自在に設け、該ブロック部の上下動にて前記
    成形空間部内に注入され固化した樹脂の前記基台上にお
    ける上下位置を調整自在としたことを特徴とする請求項
    8に記載の射出成形による樹脂成形品の箔転写方法。
  10. 【請求項10】 前記樹脂は多面付けにて形成され、 前記第5のステップの後、前記基台に配置された前記樹
    脂に対して所定の表面処理及び又は裏面処理を多面的に
    施す第6のステップ、及び又は前記基台に配置された前
    記樹脂転写された箔とともに所定寸法に多面的に切断す
    る第7のステップを備えたことを特徴とする請求項9に
    記載の射出成形による樹脂成形品の箔転写方法。
  11. 【請求項11】 前記第7のステップにおいて、前記樹
    脂は、前記成形空間部内に注入され固化した成形品と、
    前記補助空間部内に注入され固化した補助樹脂とに分離
    されることを特徴とする請求項10に記載の射出成形に
    よる樹脂成形品の箔転写方法。
  12. 【請求項12】 前記第7のステップにおいて、前記多
    面切断をレーザにて行うことを特徴とする請求項10又
    は請求項11に記載の射出成形による樹脂成形品の箔転
    写方法。
  13. 【請求項13】 前記第6のステップの前後いずれかに
    おいて、接着層と剥離紙からなる剥離シートを前記接着
    層を介して前記樹脂の裏面に接着し、 前記第7のステップにおいて、前記剥離紙を残した状態
    で前記樹脂を切断することを特徴とする請求項10又は
    請求項11に記載の射出成形による樹脂成形品の箔転写
    方法。
  14. 【請求項14】 前記箔体は、金属蒸着層と、該金属蒸
    着層の一面側に形成され紫外線を吸収するUVハードコー
    ト層と、該UVハードコート層に剥離層を介して積層され
    たベースフィルムと、前記金属蒸着層の他面側に設けら
    れ成形品に前記蒸着層を接着する接着層とを備えたこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項13に記載の樹脂成形
    品の箔転写方法。
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