JP3208755B2 - 射出成形方法 - Google Patents

射出成形方法

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JP3208755B2
JP3208755B2 JP18210196A JP18210196A JP3208755B2 JP 3208755 B2 JP3208755 B2 JP 3208755B2 JP 18210196 A JP18210196 A JP 18210196A JP 18210196 A JP18210196 A JP 18210196A JP 3208755 B2 JP3208755 B2 JP 3208755B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧射出成形(型
内計量圧縮成形)と呼ばれる射出成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂などの成形材料の射出成形
においては、例えば、型閉された型体である固定型と可
動型との間に形成されたキャビティ内に溶融した樹脂を
充填する。この樹脂は、ゲートからキャビティ内に流入
して広がっていくが、キャビティの端縁部では行き止ま
りになるため樹脂の流動性が悪くなる。この傾向は、カ
ードなどの薄肉製品の場合、特に著しくなる。また、樹
脂の流れの先端部は冷却による硬化が速く進むこともあ
って、充填不良までいかないにしても、残留応力ひずみ
などにより製品特性が悪化しやすい。例えば、製品の周
辺部の厚さが他の部分の厚さよりも若干厚くなるなどの
不良が生じたりする。さらに、射出成形においては、キ
ャビティ内に樹脂を充填するのに伴い、このキャビティ
内のガス(空気および樹脂のガス)を抜かなければなら
ないため、例えば固定型と可動型との突き当て面に、ガ
スベントとして微小な隙間を形成している。このガスベ
ントは、隙間寸法を大きく設定し過ぎると製品にバリが
発生し、一方、隙間寸法を小さく設定し過ぎると充填不
良を招く問題を生じる。
【0003】これに対して、平押し型などの圧縮成形に
おいては、型閉に伴って、キャビティ内の樹脂をオーバ
ーフロー部であるフラッシュチャンバーへ溢れさせるこ
とが行われている。しかし、オーバーフロー部を用いる
従来の圧縮成形においては、キャビティの周囲で一対の
型体を突き当てるようにしていたため、製品の周囲に必
然的にバリが生じる。
【0004】ところで、特に最近採用されるようになっ
てきたいわゆる高圧射出成形では、まず弱い型締力によ
り型閉した状態でキャビティ内に樹脂を充填した後、型
締力を強めて固定型と可動型とを最終的に型閉し、この
最終的な型閉の間に、キャビティからゲートを通して加
熱シリンダー装置などの成形材料供給装置側に樹脂を戻
した後、ゲートを閉じてその後はキャビティ内の樹脂を
圧縮させるようにしている。これにより、型内で計量が
行われるようになっている。このように、高圧射出成形
では、型内計量のためにキャビティ内の樹脂を還流させ
なければならないが、ゲートが小さいものであると、キ
ャビティ内の樹脂が円滑に還流しない問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
射出成形では、キャビティの端縁部での成形材料の流動
性が悪いために、製品の周辺部において寸法特性の悪化
が生じるなどの問題があった。また、特に高圧射出成形
においては、キャビティから成形材料を還流させるため
に、小さいゲートのみを用いると、成形材料が円滑に還
流せず、型内計量が円滑にできないおそれがあった。
【0006】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、キャビティの端縁部での成形材料の流動
性を向上させ、これにより、製品の周辺部での寸法特性
などを向上でき、また、型内計量も確実にできて、良好
な射出成形ができるようにすることを目的とする。さら
に、成形された製品にバリなどの不良が生じるのを防止
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、前記
目的を達成するために、互いに開閉する型体間に形成さ
れたキャビティに、成形材料供給装置から材料通路およ
びキャビティへのゲートを通して成形材料を充填する充
填工程と、この充填工程の完了後最終的に前記型体を互
いに閉じる最終型締工程とを備え、この最終型締工程の
間に、前記キャビティからゲートを通して材料通路側へ
成形材料を戻した後、前記ゲートを閉じてその後はキャ
ビティ内の成形材料を圧縮する射出成形方法において、
互いに開閉して相互間にキャビティを形成する第1の型
体および第2の型体と、前記第1の型体に両型体の移動
方向へ可動に支持され型閉時に前記第2の型体に突き当
たる移動体と、この移動体を前記第2の型体へ向けて付
勢する付勢手段と、前記両型体のいずれかまたは型体お
よび移動体間に形成された材料通路から前記キャビティ
へのゲートを開閉するゲート開閉手段とを備え、前記両
型体のうちの一方に、第1の凸部を形成するとともに、
前記両型体のうちの他方に、前記第1の凸部が摺動自在
に嵌合してこの第1の凸部との間に前記キャビティの端
縁部に通じるオーバーフロー部を形成する第1の凹部を
形成し、これら第1の凸部および第1の凹部のうちの一
方に、第2の凸部を形成するとともに、前記第1の凸部
および第1の凹部のうちの他方に、前記第2の凸部が摺
動自在に嵌合して前記オーバーフロー部をキャビティか
ら遮断する第2の凹部を形成した射出成形用金型装置を
用い、前記充填工程時、前記移動体が第2の型体に突き
当たるとともに、前記第1の型体と第2の型体とが開い
た状態とすることにより、一方の型体の第1の凸部が他
方の型体の第1の凹部に嵌合してこれら第1の凸部およ
び第1の凹部間にオーバーフロー部が形成されるととも
に、前記第1の凸部および第1の凹部のうちの一方の第
2の凸部が他方の第2の凹部に嵌合しておらず、前記キ
ャビティがオーバーフロー部に連通した状態として、キ
ャビティ内に成形材料を充填するとともに、前記オーバ
ーフロー部にキャビティから成形材料を流出させ、前記
第1の型体と第2の型体とを閉じる最終型締工程の途中
、前記第2の凸部を第2の凹部に嵌合させて前記キャ
ビティとオーバーフロー部とを互いに遮断するものであ
る。
【0008】そして、充填工程において、キャビティ内
に成形材料が充填されるとき、キャビティの端縁部から
オーバーフロー部にガスおよび成形材料が流出すること
により、キャビティの端縁部における成形材料の流動性
が向上し、キャビティの端縁部まで円滑に良好に成形材
料が充填される。その後の最終型締工程では、キャビテ
ィ内の成形材料は、ゲートを通って材料通路側へ戻り、
あるいは、さらにオーバーフロー部に流出し、型内計量
が行われる。そして、ゲートが閉じ、かつ、オーバーフ
ロー部とキャビティとが互いに遮断された後は、キャビ
ティ内の成形材料が圧縮される。
【0009】請求項の発明は、請求項の発明の射出
成形方法において、前記オーバーフロー部をキャビティ
の全周に渡って形成するものである。
【0010】したがって、キャビティの全周において、
このキャビティからオーバーフロー部にガスおよび成形
材料が流出し、成形材料の流動性が高められる。
【0011】請求項の発明は、請求項またはの発
明の射出成形方法において、前記オーバーフロー部の容
積をキャビティの容積よりも大きくするものである。
【0012】このようにオーバーフロー部が十分な容積
を有していると、オーバーフロー部が満充填状態になる
ことによりキャビティからオーバーフロー部への成形材
料の流動性が損なわれることがなく、オーバーフロー部
の効果を発揮させられる。なお、オーバーフロー部が満
充填状態になる必要はもちろんない。
【0013】
【発明の実施形態】以下、本発明の一実施例について、
図面を参照しながら説明する。まず、射出成形用金型装
置の構成を説明する。1は第1の型体である固定型、2
は第2の型体である可動型で、これら固定型1および可
動型2は、図示上下方向に移動して互いに開閉し、型閉
時に相互間に製品形状のキャビティ3を形成するもので
ある。なお、成形される製品Pはレンズであり、その軸
方向が固定型1および可動型2の型開閉方向に一致させ
てある。
【0014】前記固定型1は、射出成形機の固定側プラ
テン(図示していない)に取り付けられる固定側取り付
け板6と、この固定側取り付け板6の可動型2側の面に
固定された固定側受け板7とを有している。また、固定
側取り付け板6にはローケートリング8およびスプルー
ブッシュ9が固定されている。このスプルーブッシュ9
は、射出成形機に設けられた材料供給装置である加熱シ
リンダー装置のノズル10が接続されるもので、内部が材
料通路であるスプルー11になっており、固定側受け板7
を貫通して可動型2側へ突出している。
【0015】また、固定側受け板7の可動型2側には、
移動体である移動板16が前記型開閉方向に所定範囲移動
可能に支持されている。そして、固定側受け板7の可動
型2側にストッパー18とともにボルト19により固定され
たスリーブ20が移動板16を摺動自在に貫通している。な
お、ストッパー18は、可動型2側から移動板16に当たる
ことにより、この移動板16と固定型1の固定側受け板7
との間の最大隙間すなわち最大開き量を規制するもので
ある。また、固定側取り付け板6と移動板16との間に圧
縮状態で挟まれた付勢手段であるスプリング21により、
移動板16は、固定側取り付け板6に対して可動型2の方
へ付勢されている。そして、前記スプルーブッシュ9の
先端部が移動板16に形成された貫通孔22に摺動自在に嵌
合されている。
【0016】また、前記固定型1には、固定側取り付け
板6と固定側受け板7とにより挟まれて筒状の第1のピ
ン26が固定されているとともに、この第1のピン26と固
定側取り付け板6とにより挟まれて第2のピン27が固定
されている。第1のピン26は、固定側受け板7を貫通し
て可動型2側へ突出しているとともに、移動板16に形成
された貫通孔28を摺動自在に貫通している。そして、移
動板16よりも可動型2側へ突出した第1のピン26の先端
部が第1の凸部29を形成している。また、第2のピン27
は、第1のピン26の内部を貫通しており、先端部が第1
の凸部29よりもさらに可動型2側へ突出した第2の凸部
30をなしている。
【0017】前記可動型2は、射出成形機の可動側プラ
テンに取り付けられる可動側取り付け板(図示していな
い)と、この可動側取り付け板の固定型1側の面に固定
された可動側受け板(図示していない)と、この可動側
受け板の固定型1側の面に固定された可動側型板36とを
有している。この可動側型板36は、前記固定型1側の移
動板16に突き当たって閉じるものであるが、これら可動
側型板36および移動板16の相互の案内のために、移動板
16にはガイドピン37が固定されており、可動側型板36に
は、ガイドピン37が摺動自在に嵌合される貫通孔38が形
成されている。
【0018】そして、可動側型板36には、前記固定型1
の第1の凸部29が挿脱自在にかつ摺動自在に嵌合される
第1の凹部41が形成されている。また、この第1の凹部
41の中央部には、前記固定型1の第2の凸部30が挿脱自
在にかつ摺動自在に嵌合される第2の凹部42が形成され
ている。そして、第1の凸部29と第1の凹部41との嵌合
面および第2の凸部30と第2の凹部42との嵌合面は、前
記型開閉方向と平行な柱面をなしている。そのうち第1
の凸部29と第1の凹部41との嵌合面間は、ガスベントの
ためにある程度の隙間を設定してあるが、第2の凸部30
と第2の凹部42との嵌合面は、製品Pにバリが生じない
ように、相互間の隙間はほとんどない。そして、最終的
な製品形状のキャビティ3は、第2の凸部30と第2の凹
部42とにより形成されるようになっている。すなわち、
第2の凸部30の先端面が製品Pの一端面を形成し、第2
の凹部42の底面が製品Pの他端面を形成し、第2の凹部
42の内周面が製品Pの外周面を形成するものである。ま
た、互いに嵌合した第1の凸部29と第1の凹部41との間
には、キャビティ3の端縁部に通じるオーバーフロー部
43が形成されるが、第2の凸部30と第2の凹部42とが嵌
合した状態では、オーバーフロー部43からキャビティ3
が遮断されるようになっている。なお、オーバーフロー
部43は、キャビティ3の全周に渡って形成される。ま
た、オーバーフロー部43の容積は、キャビティ3の容積
よりも大きい。
【0019】さらに、閉じた移動板16と可動型2の可動
側型板36との間には、前記スプルー11に通じる材料通路
であるランナー46が形成され、また、固定型1の第2の
凸部29の周辺部と可動型2の第2の凹部42の周辺部との
間には、ランナー46からキャビティ3へのゲート47が形
成されるようになっている。このゲート47は、オーバー
フロー部43にも連通するが、第2の凸部30と第2の凹部
42とが互いに嵌合することにより閉じられるものであ
る。すなわち、第2の凸部30および第2の凹部42は、ゲ
ート47を開閉するゲート開閉手段をなしている。なお、
スプリング21が移動板16を付勢する力は、ランナー46内
の樹脂Rの圧力に抗して移動板16と可動型2とが閉じた
状態が保たれる力に設定してある。
【0020】つぎに、前記金型装置を用いた射出成形方
法について説明する。射出成形機の型締装置は、まず比
較的弱い一定の型締力で固定型1と可動型2とを型閉す
る。このとき、図1に示すように、固定型1側の移動板
16と可動型2とが突き当たって閉じる。一方、固定型1
の固定側受け板7と移動板16とは所定の開き量A1をもっ
て開いているが、ストッパー18は移動板16には当たって
いない。すなわち、型締力とスプリング21の力とが釣り
合っている。また、固定型1の第1の凸部29は可動型2
の第1の凹部41に嵌合しているが、固定型1の第2の凸
部30は可動型2の第2の凹部42に嵌合しておらず、開い
たゲート47によりランナー46とキャビティ3とが互いに
連通しているとともに、キャビティ3とオーバーフロー
部43とが互いに連通している。この状態で、加熱シリン
ダー装置のノズル10からスプルー11へ成形材料である溶
融した熱可塑性樹脂Rを射出する。この樹脂Rは、スプ
ルー11からランナー46およびゲート47あるいはオーバー
フロー部43を通ってキャビティ3内に充填される(充填
工程)。この充填工程時、空気および樹脂Rのガスと樹
脂Rとがキャビティ3からオーバーフロー部43に流出す
る。このオーバーフロー部43は、いっぱいにならなくて
もよい。
【0021】なお、この充填工程に際して、型締力が金
型装置内の樹脂Rの圧力に抗せるものになっていること
により、可動型2が後退することはなく、固定側受け板
7と移動板16との開き量A1は一定に保たれる。もし、金
型装置内の樹脂Rの圧力により可動型2が後退し、固定
側受け板7と移動板16との開き量が大きくなるとする
と、スプリング21の力が負けて、移動板16と可動側型板
36との間が開き、樹脂Rが漏れてしまうおそれがある。
また、このように可動型2の後退が続くと、キャビティ
3内全体に樹脂Rが充填されないおそれもある。これら
は、カードなどの薄肉製品の場合に、特に問題になる。
しかし、本実施例においては、前述のように固定側受け
板7と移動板16との開き量A1は一定に保たれ、移動板16
と可動側型板36との間が開いたり、充填不良を招くなど
の問題を生じることはない。一方、キャビティ3からオ
ーバーフロー部43に樹脂Rが流出することにより、射出
成形機から射出される樹脂Rの量の誤差は吸収されるこ
とになる。
【0022】しかし、製品形状などの条件から、移動板
16と可動側型板36との間が開いたり、充填不良を招くな
どの問題を生じないならば、充填工程に際して、樹脂R
の圧力により可動型が後退して、固定側受け板7と移
動板16との開き量が開くようにしてもよい。これによ
り、射出成形機から射出される樹脂Rの量の誤差が吸収
され、スプリング21の力および型締力との均衡により、
キャビティ3内の樹脂Rの圧力がほぼ一定に保たれる。
ただし、前述のようにオーバーフロー部43によっても誤
差は吸収されるので、可動型を後退させる必要性はもと
より乏しい。
【0023】前記充填工程の完了後、型締装置が型締力
を強め、固定型1と可動型2とが最終的に閉じる(最終
型締工程)。この最終型締工程に際して、固定型1と移
動板16および可動型2とが閉じていく。それに伴い、キ
ャビティ3内の余分な樹脂Rは、まだ開いているゲート
47からランナー46へ戻り、金型装置内の樹脂は、加熱シ
リンダー装置内に戻る。あるいは、キャビティ3内の余
分な樹脂Rは、さらにオーバーフロー部43に流出する。
そして、図2(a)に示すように、固定型1の第2の凸
部30が可動型2の第2の凹部42に嵌合し始めるとゲート
47が閉じるとともに、キャビティ3とオーバーフロー部
43とが互いに遮断され、この時点で、キャビティ3内に
一定量の樹脂Rが残ることになる(計量工程)。
【0024】その後は、図2(b)に示すように、固定
側受け板7と移動板16とが互いに突き当たるまで閉じ、
それに伴い、キャビティ3内の樹脂Rが加圧されて圧縮
される(圧縮工程)。その圧縮量は、計量工程の終了時
点での固定側受け板7と移動板16との開き量A2に等し
い。この圧縮工程により、製品の密度が高められる他、
樹脂Rの冷却による固化に伴う収縮が補償される。した
がって、この補償のために、加熱シリンダー装置側で保
圧工程を行う必要はない。
【0025】そして、キャビティ3内の樹脂Rが十分に
冷却して固化した後、型締装置により固定型1と可動型
2とが型開される。それに伴い、キャビティ3内の樹脂
すなわち製品Pとスプルー11、ランナー46およびオーバ
ーフロー部43内で固化した樹脂Rは、まず固定型1から
離れる。ついで、可動型2側に設けられた図示していな
いランナー突き出しピンがスプルー11、ランナー46およ
びオーバーフロー部43内で固化した樹脂Rを突き出して
可動型2から離型させるとともに、可動型2側に設けら
れた図示していない製品突き出しピンが製品Pを突き出
して可動型2から離型させる。さらに、スプルー11、ラ
ンナー46およびオーバーフロー部43内で固化した樹脂R
および製品Pが取り出された後、再び型閉が行われ、以
上の工程が繰り返される。
【0026】以上のように、前記実施例の構成によれ
ば、充填工程に際してキャビティ3からオーバーフロー
部43に樹脂Rを流出させることにより、射出成形機から
供給される樹脂Rの量の誤差を吸収し、かつ、その後の
計量工程において型内計量を行うようにしたので、キャ
ビティ3内に充填される樹脂の量を正確に制御でき、そ
の後の圧縮工程によりキャビティ3内の樹脂Rを圧縮す
ることとあいまって、品質の安定した高精度の製品Pを
成形できる。
【0027】また、オーバーフロー部43によりキャビテ
ィ3の端縁部における樹脂Rの流動性が向上するので、
キャビティ3の端縁部まで円滑に良好に樹脂Rが充填さ
れる。これにより、製品Pの周辺部の残留応力ひずみを
低減でき、製品Pの周辺部での寸法特性を向上できるな
ど、良好な成形ができる。また、計量工程に際して、キ
ャビティ3から樹脂Rが円滑に流出するので、型内計量
も確実にできる。さらに、最終的にはキャビティ3から
遮断されるオーバーフロー部43を利用してガスベントが
できるので、確実なガスベントができる。
【0028】しかも、オーバーフロー部43はキャビティ
3の全周に渡って形成するので、キャビティ3の全周に
おいて、樹脂Rの流動性が高められ、いっそう効果的で
ある。さらに、オーバーフロー部43の容積がキャビティ
3の容積よりも大きいので、オーバーフロー部43が満充
填状態になることによりキャビティ3からオーバーフロ
ー部43への樹脂Rの流動性が損なわれることがなく、オ
ーバーフロー部43の効果を確実に発揮させられる。
【0029】さらに、固定型1に設けた第1の凸部29を
可動型2に設けた第1の凹部41に嵌合することによりオ
ーバーフロー部43を形成し、第1の凸部29に設けた第2
の凸部30を第1の凹部41に設けた第2の凹部42に嵌合す
ることによりオーバーフロー部43とキャビティ3とを遮
断するようにしたので、製品Pの端縁にバリが生じるの
を防止でき、後加工の必要もない。
【0030】また、オーバーフロー部43は、移動板16で
はなく、固定型1に固定したピン26により形成するよう
にしたので、オーバーフロー部43にかかる樹脂Rの圧力
は固定型1(固定側取り付け板6)によって受けられ、
したがって、樹脂Rの圧力により移動板16と可動型2と
が開くことを抑制できる。
【0031】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記実施例では、可動型2と移動板16との間にランナー
46を形成するようにしたが、例えばゲートをダイレクト
ゲートの形式のものにできるならば、移動板などの移動
体によって材料通路を形成する必要はない。特にその場
合、移動体は、固定型側ではなく、可動型側に設けるこ
とも可能である。また、前記実施例とは逆に、オーバー
フロー部を形成する第1の凸部を可動型に設け、同第1
の凹部を固定型に設けてもよい。さらに、オーバーフロ
ー部とキャビティとを遮断する第2の凸部を第1の凹部
に設け、同第2の凹部を第1の凸部に設けてもよい。
【0032】また、成形される製品もレンズに限らず、
各種形状の製品の成形に、本発明を適用できる。さら
に、前記実施例では、熱可塑性樹脂の射出成形を例に採
って説明したが、本発明は、熱可塑性樹脂をバインダー
として用いるセラミックスの射出成形や射出成形粉末冶
金法、あるいは、熱硬化性樹脂の射出成形など、各種成
形材料の射出成形に適用可能である。
【0033】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、キャビティに
成形材料を充填する充填工程の完了後、最終的に型体を
閉じる最終型締工程の途中に、キャビティから材料通路
側へ成形材料を戻した後、ゲートを閉じてその後はキャ
ビティ内の成形材料を圧縮する射出成形方法において、
互いに開閉する第1の型体および第2の型体と、第1の
型体に両型体の移動方向へ可動に支持され型閉時に第2
の型体に突き当たる移動体と、この移動体を第2の型体
へ向けて付勢する付勢手段とを備え、前記両型体のうち
の一方に、第1の凸部を形成するとともに、他方に、第
1の凸部が摺動自在に嵌合する第1の凹部を形成し、こ
れら第1の凸部および第1の凹部のうちの一方に、第2
の凸部を形成するとともに、他方に、第2の凸部が摺動
自在に嵌合する第2の凹部を形成した射出成形用金型装
置を用い、充填工程時、移動体が第2の型体に突き当た
るとともに、第1の型体と第2の型体とが開いた状態と
することにより、第1の凸部が第1の凹部に嵌合してこ
れら第1の凸部および第1の凹部間にオーバーフロー部
が形成されるとともに、第1の凸部および第1の凹部の
うちの一方の第2の凸部が他方の第2の凹部に嵌合して
おらず、キャビティがオーバーフロー部に連通した状態
として、キャビティ内に成形材料を充填するとともに、
オーバーフロー部にキャビティから成形材料を流出さ
せ、最終型締工程の途中に、第2の凸部を第2の凹部に
嵌合させて前記キャビティとオーバーフロー部とを互い
に遮断するので、キャビティの端縁部での成形材料の流
動性が向上し、これにより、製品の周辺部での寸法特性
などを向上でき、また、型内計量も確実に行われ、良好
な射出成形ができる。これとともに、成形された製品の
端縁にバリが生じるようなことを確実に防止できる。
【0034】請求項の発明によれば、オーバーフロー
部をキャビティの全周に渡って形成するので、キャビテ
ィの全周において成形材料の流動性を高められ、いっそ
う効果的である。
【0035】請求項の発明によれば、オーバーフロー
部の容積をキャビティの容積よりも大きくするので、オ
ーバーフロー部の効果を確実に発揮させられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出成形用金型装置の一実施例を示す
断面図で、充填工程時を示している。
【図2】同上断面図で、(a)は最終型締工程の途中で
ゲートが閉じた時点、(b)は最終型締工程の終了時点
を示している。
【図3】同上図2(b)のキャビティ付近の拡大図であ
る。
【図4】同上可動型のキャビティ付近の平面図である。
【符号の説明】
1 固定型(第1の型体) 2 可動型(第2の型体) 3 キャビティ 11 スプルー(材料通路) 16 移動板(移動体) 21 スプリング(付勢手段) 29 第1の凸部 30 第2の凸部(ゲート開閉手段) 41 第1の凹部 42 第2の凹部(ゲート開閉手段) 43 オーバーフロー部 46 ランナー(材料通路) 47 ゲート R 樹脂(成形材料)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに開閉する型体間に形成されたキャ
    ビティに、成形材料供給装置から材料通路およびキャビ
    ティへのゲートを通して成形材料を充填する充填工程
    と、この充填工程の完了後最終的に前記型体を互いに閉
    じる最終型締工程とを備え、この最終型締工程の間に、
    前記キャビティからゲートを通して材料通路側へ成形材
    料を戻した後、前記ゲートを閉じてその後はキャビティ
    内の成形材料を圧縮する射出成形方法において、互いに
    開閉して相互間にキャビティを形成する第1の型体およ
    び第2の型体と、前記第1の型体に両型体の移動方向へ
    可動に支持され型閉時に前記第2の型体に突き当たる移
    動体と、この移動体を前記第2の型体へ向けて付勢する
    付勢手段と、前記両型体のいずれかまたは型体および移
    動体間に形成された材料通路から前記キャビティへのゲ
    ートを開閉するゲート開閉手段とを備え、前記両型体の
    うちの一方に、第1の凸部を形成するとともに、前記両
    型体のうちの他方に、前記第1の凸部が摺動自在に嵌合
    してこの第1の凸部との間に前記キャビティの端縁部に
    通じるオーバーフロー部を形成する第1の凹部を形成
    し、これら第1の凸部および第1の凹部のうちの一方
    に、第2の凸部を形成するとともに、前記第1の凸部お
    よび第1の凹部のうちの他方に、前記第2の凸部が摺動
    自在に嵌合して前記オーバーフロー部をキャビティから
    遮断する第2の凹部を形成した射出成形用金型装置を用
    い、前記充填工程時、前記移動体が第2の型体に突き当
    たるとともに、前記第1の型体と第2の型体とが開いた
    状態とすることにより、一方の型体の第1の凸部が他方
    の型体の第1の凹部に嵌合してこれら第1の凸部および
    第1の凹部間にオーバーフロー部が形成されるととも
    に、前記第1の凸部および第1の凹部のうちの一方の第
    2の凸部が他方の第2の凹部に嵌合しておらず、前記キ
    ャビティがオーバーフロー部に連通した状態として、キ
    ャビティ内に成形材料を充填するとともに、前記オーバ
    ーフロー部にキャビティから成形材料を流出させ、前記
    第1の型体と第2の型体とを閉じる最終型締工程の途中
    、前記第2の凸部を第2の凹部に嵌合させて前記キャ
    ビティとオーバーフロー部とを互いに遮断することを特
    徴とする射出成形方法。
  2. 【請求項2】 前記オーバーフロー部をキャビティの全
    周に渡って形成することを特徴とする請求項記載の射
    出成形方法
  3. 【請求項3】 前記オーバーフロー部の容積をキャビテ
    ィの容積よりも大きくすることを特徴とする請求項
    たは記載の射出成形方法
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