JPH10242772A - 電流電圧変換回路およびその調整方法 - Google Patents
電流電圧変換回路およびその調整方法Info
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- JPH10242772A JPH10242772A JP9041879A JP4187997A JPH10242772A JP H10242772 A JPH10242772 A JP H10242772A JP 9041879 A JP9041879 A JP 9041879A JP 4187997 A JP4187997 A JP 4187997A JP H10242772 A JPH10242772 A JP H10242772A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 低コストに製造できると共に、基準出力電圧
やゲインを容易に設定または変更できる電流電圧変換回
路を提供する。 【解決手段】 エミッタが接地された入力用NPNトラン
ジスタQ1を有するエミッタ接地型増幅回路を備える。
上記入力用NPNトランジスタQ1のベースとエミッタとの
間に、外付けされた第1の抵抗R1を接続する。また、
上記入力用NPNトランジスタのベースとエミッタ接地型
増幅回路の出力端子との間に、外付けされた第2の抵抗
R2を接続する。上記第1の抵抗R1の抵抗値を設定する
ことにより、フォトダイオードPD1の受光量がゼロの
ときのエミッタ接地型増幅回路の基準出力電圧を設定ま
たは変更する。上記第2の抵抗R2の抵抗値を設定する
ことにより、エミッタ接地型増幅回路のゲインを設定ま
たは変更する。
やゲインを容易に設定または変更できる電流電圧変換回
路を提供する。 【解決手段】 エミッタが接地された入力用NPNトラン
ジスタQ1を有するエミッタ接地型増幅回路を備える。
上記入力用NPNトランジスタQ1のベースとエミッタとの
間に、外付けされた第1の抵抗R1を接続する。また、
上記入力用NPNトランジスタのベースとエミッタ接地型
増幅回路の出力端子との間に、外付けされた第2の抵抗
R2を接続する。上記第1の抵抗R1の抵抗値を設定する
ことにより、フォトダイオードPD1の受光量がゼロの
ときのエミッタ接地型増幅回路の基準出力電圧を設定ま
たは変更する。上記第2の抵抗R2の抵抗値を設定する
ことにより、エミッタ接地型増幅回路のゲインを設定ま
たは変更する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光強度の検出に
よって物体の動き等を判断する例えばパソコン用の光学
式ポインティングデバイスとしてのジョイスティックや
マウス等に使用される電流電圧変換回路に関する。
よって物体の動き等を判断する例えばパソコン用の光学
式ポインティングデバイスとしてのジョイスティックや
マウス等に使用される電流電圧変換回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フォトダイオードからの受光電流
を電流電圧変換して増幅する電流電圧変換回路として
は、図7に示すようなものがある。この電流電圧変換回
路は、抵抗R21,R22、PNPトランジスタQ21,Q22、NPN
トランジスタQ23,Q24および定電流源I11で構成され
た1組の差動増幅回路と、PNPトランジスタQ25,定電流
源I12で構成されたバッファ回路と、NPNトランジスタ
Q26〜Q28と定電流源I13で構成されたエミッタフォロ
ワ型出力回路と、NPNトランジスタQ23のベースに一端
が接続され、他端が出力端子としてのNPNトランジスタ
Q26のエミッタに接続された帰還抵抗Rfとを備えてい
る。上記NPNトランジスタQ23のベースにフォトダイオ
ードPD2のアノードを接続する一方、フォトダイオー
ドPD2のカソードにカソードバイアス電圧源K(通常
は電源VCC)を接続している。また、上記NPNトランジス
タQ24のベースに基準電圧発生回路(図示せず)からの基
準電圧源VRを接続している。この基準電圧源VRからの
基準電圧によって、フォトダイオードPD2の受光量が
ゼロのときの基準出力電圧が定まる。
を電流電圧変換して増幅する電流電圧変換回路として
は、図7に示すようなものがある。この電流電圧変換回
路は、抵抗R21,R22、PNPトランジスタQ21,Q22、NPN
トランジスタQ23,Q24および定電流源I11で構成され
た1組の差動増幅回路と、PNPトランジスタQ25,定電流
源I12で構成されたバッファ回路と、NPNトランジスタ
Q26〜Q28と定電流源I13で構成されたエミッタフォロ
ワ型出力回路と、NPNトランジスタQ23のベースに一端
が接続され、他端が出力端子としてのNPNトランジスタ
Q26のエミッタに接続された帰還抵抗Rfとを備えてい
る。上記NPNトランジスタQ23のベースにフォトダイオ
ードPD2のアノードを接続する一方、フォトダイオー
ドPD2のカソードにカソードバイアス電圧源K(通常
は電源VCC)を接続している。また、上記NPNトランジス
タQ24のベースに基準電圧発生回路(図示せず)からの基
準電圧源VRを接続している。この基準電圧源VRからの
基準電圧によって、フォトダイオードPD2の受光量が
ゼロのときの基準出力電圧が定まる。
【0003】上記構成の電流電圧変換回路において、フ
ォトダイオードPD2がLED等からの光を受光する
と、フォトダイオードPD2に受光電流Ipが流れて、
その受光電流Ipは、帰還抵抗Rfを介して出力端子に流
れ込む。このとき、上記受光電流Ipは、帰還抵抗Rfに
流れた電流に比例して電圧に変換され、出力端子から出
力電圧VOとして出力される。すなわち、上記出力電圧
VOは次式で表される。
ォトダイオードPD2がLED等からの光を受光する
と、フォトダイオードPD2に受光電流Ipが流れて、
その受光電流Ipは、帰還抵抗Rfを介して出力端子に流
れ込む。このとき、上記受光電流Ipは、帰還抵抗Rfに
流れた電流に比例して電圧に変換され、出力端子から出
力電圧VOとして出力される。すなわち、上記出力電圧
VOは次式で表される。
【0004】VO=VR−Ip×Rf+IB×Rf (IB:NPNトランジスタQ23のベース電流)
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記電
流電圧変換回路では、上記差動増幅回路の入力端子に基
準電圧発生回路(基準電圧源VR)からの基準電圧を与え
る必要がある。したがって、1チップの半導体集積回路
でこの回路を実現するには、基準電圧発生回路を半導体
集積回路に組み込む必要があるため、回路規模が大きく
なって、半導体集積回路の製造コストの上昇を招くとい
う問題がある。また、上記基準電圧を半導体集積回路内
部で発生させるため、一度設定された基準電圧を簡単に
は変更することができないという欠点がある。上記基準
電圧を変更する場合は、基準電圧発生回路の設計変更お
よび半導体集積回路製造用マスクの新規製作を伴い、新
たに開発期間および開発コストが必要となり、簡単に変
更することはできない。
流電圧変換回路では、上記差動増幅回路の入力端子に基
準電圧発生回路(基準電圧源VR)からの基準電圧を与え
る必要がある。したがって、1チップの半導体集積回路
でこの回路を実現するには、基準電圧発生回路を半導体
集積回路に組み込む必要があるため、回路規模が大きく
なって、半導体集積回路の製造コストの上昇を招くとい
う問題がある。また、上記基準電圧を半導体集積回路内
部で発生させるため、一度設定された基準電圧を簡単に
は変更することができないという欠点がある。上記基準
電圧を変更する場合は、基準電圧発生回路の設計変更お
よび半導体集積回路製造用マスクの新規製作を伴い、新
たに開発期間および開発コストが必要となり、簡単に変
更することはできない。
【0005】そこで、この発明の目的は、低コストに製
造できると共に、基準出力電圧やゲインを容易に設定ま
たは変更できる電流電圧変換回路を提供することにあ
る。
造できると共に、基準出力電圧やゲインを容易に設定ま
たは変更できる電流電圧変換回路を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の電流電圧変換回路は、エミッタが接地さ
れた入力用NPNトランジスタを有し、フォトダイオード
からの受光電流を電流電圧変換して増幅する半導体集積
回路で構成されたエミッタ接地型増幅回路と、上記入力
用NPNトランジスタのベースとエミッタとの間に接続さ
れ、上記フォトダイオードの受光量がゼロのときの上記
エミッタ接地型増幅回路の基準出力電圧を定めるための
第1の抵抗と、上記入力用NPNトランジスタのベースと
上記エミッタ接地型増幅回路の出力端子との間に接続さ
れ、上記エミッタ接地型増幅回路のゲインを定めるため
の第2の抵抗とを備えて、上記第1の抵抗と上記第2の
抵抗のうちの少なくとも一方が上記半導体集積回路に対
して外付けされていることを特徴としている。
め、請求項1の電流電圧変換回路は、エミッタが接地さ
れた入力用NPNトランジスタを有し、フォトダイオード
からの受光電流を電流電圧変換して増幅する半導体集積
回路で構成されたエミッタ接地型増幅回路と、上記入力
用NPNトランジスタのベースとエミッタとの間に接続さ
れ、上記フォトダイオードの受光量がゼロのときの上記
エミッタ接地型増幅回路の基準出力電圧を定めるための
第1の抵抗と、上記入力用NPNトランジスタのベースと
上記エミッタ接地型増幅回路の出力端子との間に接続さ
れ、上記エミッタ接地型増幅回路のゲインを定めるため
の第2の抵抗とを備えて、上記第1の抵抗と上記第2の
抵抗のうちの少なくとも一方が上記半導体集積回路に対
して外付けされていることを特徴としている。
【0007】上記請求項1の電流電圧変換回路によれ
ば、IC(集積回路)チップに内蔵される抵抗に比べて、
抵抗値のばらつきが例えば±1%以下と小さいディスク
リート部品の高精度抵抗を第1の抵抗として外付けする
ことによって、上記フォトダイオードの受光量がゼロの
ときの上記エミッタ接地型増幅回路の基準出力電圧のば
らつきを低減する。また、上記高精度抵抗を第2の抵抗
として外付けすることによって、エミッタ接地型増幅回
路のゲインのばらつきを低減する。したがって、半導体
集積回路内に基準電圧発生回路を組み込まないので、こ
の電流電圧変換回路の回路素子数を削減でき、ICチッ
プの面積を小さくして低コストに製造できる。また、上
記第1の抵抗を外付けする場合、第1の抵抗の抵抗値を
設定することによって、エミッタ接地型増幅回路の基準
出力電圧を容易に設定または変更できる。さらに、上記
第2の抵抗を外付けにする場合、第2の抵抗の抵抗値を
設定することによって、エミッタ接地型増幅回路のゲイ
ンを調整でき、飽和入射光量や入射光量範囲を容易に設
定または変更できる。
ば、IC(集積回路)チップに内蔵される抵抗に比べて、
抵抗値のばらつきが例えば±1%以下と小さいディスク
リート部品の高精度抵抗を第1の抵抗として外付けする
ことによって、上記フォトダイオードの受光量がゼロの
ときの上記エミッタ接地型増幅回路の基準出力電圧のば
らつきを低減する。また、上記高精度抵抗を第2の抵抗
として外付けすることによって、エミッタ接地型増幅回
路のゲインのばらつきを低減する。したがって、半導体
集積回路内に基準電圧発生回路を組み込まないので、こ
の電流電圧変換回路の回路素子数を削減でき、ICチッ
プの面積を小さくして低コストに製造できる。また、上
記第1の抵抗を外付けする場合、第1の抵抗の抵抗値を
設定することによって、エミッタ接地型増幅回路の基準
出力電圧を容易に設定または変更できる。さらに、上記
第2の抵抗を外付けにする場合、第2の抵抗の抵抗値を
設定することによって、エミッタ接地型増幅回路のゲイ
ンを調整でき、飽和入射光量や入射光量範囲を容易に設
定または変更できる。
【0008】また、請求項2の電流電圧変換回路の調整
方法は、請求項1の電流電圧変換回路の調整方法であっ
て、上記エミッタ接地型増幅回路の出力電圧を目標とす
る上記基準出力電圧にすべき所定の抵抗値に上記第1の
抵抗と上記第2の抵抗とを設定した後、その状態で計測
された上記フォトダイオードの受光量がゼロのときの上
記エミッタ接地型増幅回路の出力電圧および上記入力用
NPNトランジスタのベース・エミッタ間電圧に基づい
て、上記エミッタ接地型増幅回路の出力電圧が目標とす
る上記基準出力電圧になるように、上記第1の抵抗と上
記第2の抵抗のうちの少なくとも一方の外付けされる抵
抗の抵抗値を調整することを特徴としている。
方法は、請求項1の電流電圧変換回路の調整方法であっ
て、上記エミッタ接地型増幅回路の出力電圧を目標とす
る上記基準出力電圧にすべき所定の抵抗値に上記第1の
抵抗と上記第2の抵抗とを設定した後、その状態で計測
された上記フォトダイオードの受光量がゼロのときの上
記エミッタ接地型増幅回路の出力電圧および上記入力用
NPNトランジスタのベース・エミッタ間電圧に基づい
て、上記エミッタ接地型増幅回路の出力電圧が目標とす
る上記基準出力電圧になるように、上記第1の抵抗と上
記第2の抵抗のうちの少なくとも一方の外付けされる抵
抗の抵抗値を調整することを特徴としている。
【0009】上記請求項2の電流電圧変換回路の調整方
法によれば、上記第1の抵抗と第2の抵抗を上記所定の
抵抗値に設定した状態で、上記フォトダイオードの受光
量がゼロのときのエミッタ接地型増幅回路の出力電圧と
入力用NPNトランジスタのベース・エミッタ間電圧とを
測定する。そして、その測定結果に基づいて、第1の抵
抗と第2の抵抗のうちの少なくとも一方の外付けされる
抵抗の最適抵抗値を求めて、その抵抗を最適抵抗値に調
整することにより、上記エミッタ接地型増幅回路の出力
電圧を目標とする基準出力電圧にする。こうして、この
電流電圧変換回路のICチップの製造工程において生じ
る製造上のばらつきを低減できる。
法によれば、上記第1の抵抗と第2の抵抗を上記所定の
抵抗値に設定した状態で、上記フォトダイオードの受光
量がゼロのときのエミッタ接地型増幅回路の出力電圧と
入力用NPNトランジスタのベース・エミッタ間電圧とを
測定する。そして、その測定結果に基づいて、第1の抵
抗と第2の抵抗のうちの少なくとも一方の外付けされる
抵抗の最適抵抗値を求めて、その抵抗を最適抵抗値に調
整することにより、上記エミッタ接地型増幅回路の出力
電圧を目標とする基準出力電圧にする。こうして、この
電流電圧変換回路のICチップの製造工程において生じ
る製造上のばらつきを低減できる。
【0010】また、請求項3の電流電圧変換回路の調整
方法は、請求項2の電流電圧変換回路の調整方法におい
て、予め抵抗値がランク分けされた複数の抵抗を用い
て、上記第1の抵抗と上記第2の抵抗のうちの少なくと
も一方の外付けされる抵抗の抵抗値を調整することを特
徴としている。
方法は、請求項2の電流電圧変換回路の調整方法におい
て、予め抵抗値がランク分けされた複数の抵抗を用い
て、上記第1の抵抗と上記第2の抵抗のうちの少なくと
も一方の外付けされる抵抗の抵抗値を調整することを特
徴としている。
【0011】上記請求項3の電流電圧変換回路の調整方
法によれば、要求される基準出力電圧の精度によって使
用する抵抗値を適宜ランク分けして種類を減らし、ラン
ク分けされた抵抗値の中から最適抵抗値に最も近い抵抗
値を選択する。こうすることによって、使用する抵抗値
の種類が多すぎるために量産時の組立工程等が複雑にな
ることがなく、製造コストの上昇が抑えられる。
法によれば、要求される基準出力電圧の精度によって使
用する抵抗値を適宜ランク分けして種類を減らし、ラン
ク分けされた抵抗値の中から最適抵抗値に最も近い抵抗
値を選択する。こうすることによって、使用する抵抗値
の種類が多すぎるために量産時の組立工程等が複雑にな
ることがなく、製造コストの上昇が抑えられる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の電流電圧変換回
路を図示の実施の形態により詳細に説明する。
路を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0013】図1はこの発明の実施の一形態の電流電圧
変換回路の等価回路図である。この電流電圧変換回路
は、入力用NPNトランジスタQ1のベースに受光用のフォ
トダイオードPD1のアノードを接続し、NPNトランジ
スタQ1のコレクタに定電流源I1を介して電源VCCを接
続している。上記フォトダイオードPD1のカソードを
フォトダイオードバイアス電圧源Kに接続している。そ
して、上記NPNトランジスタQ1のエミッタを接地VEEに
接続すると共に、NPNトランジスタQ1のベースとエミッ
タとの間に第1の抵抗としての抵抗R1を接続してい
る。また、上記NPNトランジスタQ1のコレクタにNPNト
ランジスタQ2のベースを接続し、NPNトランジスタQ2
のコレクタを電源VCCに接続すると共に、NPNトランジ
スタQ2のエミッタを定電流源I2を介して接地VEEに接
続している。上記NPNトランジスタQ1のベースにゲイン
決定用の第2の抵抗としての帰還抵抗R2の一端を接続
する一方、その帰還抵抗R2の他端を出力端子としてのN
PNトランジスタQ2のエミッタに接続している。そし
て、上記帰還抵抗R2に発振防止用コンデンサC1を並列
に接続している。上記NPNトランジスタQ1,Q2および定
電流源I1,I2でエミッタ接地型増幅回路を構成してい
る。
変換回路の等価回路図である。この電流電圧変換回路
は、入力用NPNトランジスタQ1のベースに受光用のフォ
トダイオードPD1のアノードを接続し、NPNトランジ
スタQ1のコレクタに定電流源I1を介して電源VCCを接
続している。上記フォトダイオードPD1のカソードを
フォトダイオードバイアス電圧源Kに接続している。そ
して、上記NPNトランジスタQ1のエミッタを接地VEEに
接続すると共に、NPNトランジスタQ1のベースとエミッ
タとの間に第1の抵抗としての抵抗R1を接続してい
る。また、上記NPNトランジスタQ1のコレクタにNPNト
ランジスタQ2のベースを接続し、NPNトランジスタQ2
のコレクタを電源VCCに接続すると共に、NPNトランジ
スタQ2のエミッタを定電流源I2を介して接地VEEに接
続している。上記NPNトランジスタQ1のベースにゲイン
決定用の第2の抵抗としての帰還抵抗R2の一端を接続
する一方、その帰還抵抗R2の他端を出力端子としてのN
PNトランジスタQ2のエミッタに接続している。そし
て、上記帰還抵抗R2に発振防止用コンデンサC1を並列
に接続している。上記NPNトランジスタQ1,Q2および定
電流源I1,I2でエミッタ接地型増幅回路を構成してい
る。
【0014】上記フォトダイオードPD1の受光電流I
pが全く流れていない状態において、出力電圧VOは次
式で表され、この状態の出力電圧VOを基準出力電圧V
OSとする。
pが全く流れていない状態において、出力電圧VOは次
式で表され、この状態の出力電圧VOを基準出力電圧V
OSとする。
【0015】 VO=VOS =IB×R2+VBE×(1+R2/R1)−Id×R2 ……… (式1) ここで、IBは入力用NPNトランジスタQ1のベース電
流、VBEは入力用NPNトランジスタQ1のコレクタ・エミ
ッタ間電圧、IdはフォトダイオードPD1の暗電流を
示す。式1において、暗電流Idがベース電流IBと比較
して十分に小さい場合は、式1の第3項の“−Id×R
2”を無視でき、基準出力電圧VOSは次式で表され
る。
流、VBEは入力用NPNトランジスタQ1のコレクタ・エミ
ッタ間電圧、IdはフォトダイオードPD1の暗電流を
示す。式1において、暗電流Idがベース電流IBと比較
して十分に小さい場合は、式1の第3項の“−Id×R
2”を無視でき、基準出力電圧VOSは次式で表され
る。
【0016】 VOS=IB×R2+VBE×(1+R2/R1) ……… (式2) そして、上記フォトダイオードPD1が発光ダイオード
等からの光を受けると、フォトダイオードPD1の入射
光量に比例して受光電流Ipが流れ、その受光電流Ipの
大きさに応じて出力電圧VOが下がる。上記フォトダイ
オードPD1の受光電流Ipに対する出力電圧VOの関
係は次式で表される。
等からの光を受けると、フォトダイオードPD1の入射
光量に比例して受光電流Ipが流れ、その受光電流Ipの
大きさに応じて出力電圧VOが下がる。上記フォトダイ
オードPD1の受光電流Ipに対する出力電圧VOの関
係は次式で表される。
【0017】VO=VOS一Ip×R2 ……… (式3) また、図2は図1の電流電圧変換回路の具体的な素子お
よび回路定数を示した回路図である。
よび回路定数を示した回路図である。
【0018】図2に示すように、バイアス源にベースが
接続されたNPNトランジスタQ11のエミッタを接地VEE
に接続し、NPNトランジスタQ11のコレクタをPNPトラン
ジスタQ12のコレクタに接続している。上記PNPトラン
ジスタQ12のエミッタを抵抗R11(2kΩ)を介して電源
VCC(5V)に接続し、PNPトランジスタQ12のベースを
抵抗R12(40kΩ)を介して電源VCCに接続している。ま
た、上記PNPトランジスタQ12のベースにPNPトランジス
タQ13のエミッタを接続し、PNPトランジスタQ13のベ
ースをNPNトランジスタQ11のコレクタに接続すると共
に、PNPトランジスタQ13のコレクタを接地VEEに接続
している。上記PNPトランジスタQ12のベースにPNPトラ
ンジスタQ14,Q15のベースを夫々接続している。上記P
NPトランジスタQ14のコネクタに抵抗R13(2kΩ)を介
して電源VCCを接続すると共に、PNPトランジスタQ15
のコネクタに抵抗R14(2kΩ)を介して電源VCCを接続
している。上記PNPトランジスタQ14のコレクタをNPNト
ランジスタQ1のコレクタに接続し、NPNトランジスタQ
1のベースとエミッタ間の抵抗R1を430kΩとしてい
る。上記NPNトランジスタQ11とPNPトランジスタQ12〜
Q14および抵抗R11〜R13で定電流源I1を構成してい
る。
接続されたNPNトランジスタQ11のエミッタを接地VEE
に接続し、NPNトランジスタQ11のコレクタをPNPトラン
ジスタQ12のコレクタに接続している。上記PNPトラン
ジスタQ12のエミッタを抵抗R11(2kΩ)を介して電源
VCC(5V)に接続し、PNPトランジスタQ12のベースを
抵抗R12(40kΩ)を介して電源VCCに接続している。ま
た、上記PNPトランジスタQ12のベースにPNPトランジス
タQ13のエミッタを接続し、PNPトランジスタQ13のベ
ースをNPNトランジスタQ11のコレクタに接続すると共
に、PNPトランジスタQ13のコレクタを接地VEEに接続
している。上記PNPトランジスタQ12のベースにPNPトラ
ンジスタQ14,Q15のベースを夫々接続している。上記P
NPトランジスタQ14のコネクタに抵抗R13(2kΩ)を介
して電源VCCを接続すると共に、PNPトランジスタQ15
のコネクタに抵抗R14(2kΩ)を介して電源VCCを接続
している。上記PNPトランジスタQ14のコレクタをNPNト
ランジスタQ1のコレクタに接続し、NPNトランジスタQ
1のベースとエミッタ間の抵抗R1を430kΩとしてい
る。上記NPNトランジスタQ11とPNPトランジスタQ12〜
Q14および抵抗R11〜R13で定電流源I1を構成してい
る。
【0019】また、上記PNPトランジスタQ15のコレク
タをNPNトランジスタQ16のコレクタに接続し、NPNトラ
ンジスタQ16のエミッタを接地VEEに接続している。そ
して、上記NPNトランジスタQ16のベースに抵抗R15(40
kΩ)を介して接地VEEを接続している。上記PNPトラン
ジスタQ15のコレクタにNPNトランジスタのベースを接
続し、NPNトランジスタのコレクタに電源VCCを接続す
ると共に、NPNトランジスタのエミッタにNPNトランジス
タQ16のベースを接続している。さらに、上記NPNトラ
ンジスタQ16のベースにNPNトランジスタQ18のベース
を接続し、NPNトランジスタQ18のコレクタをNPNトラン
ジスタQ2のエミッタに接続すると共に、NPNトランジス
タQ18のエミッタを接地VEEに接続している。そして、
上記NPNトランジスタQ1のベースとNPNトランジスタQ2
のエミッタとの間に接続された抵抗R2を1.3MΩにし、
抵抗R2に並列接続された発振防止用コンデンサC1を2
pFとしている。また、フォトダイオードバイアス電圧
源Kの電圧を5Vとしている。上記NPNトランジスタQ1
5〜Q14および抵抗R14,R15で定電流源I2を構成して
いる。
タをNPNトランジスタQ16のコレクタに接続し、NPNトラ
ンジスタQ16のエミッタを接地VEEに接続している。そ
して、上記NPNトランジスタQ16のベースに抵抗R15(40
kΩ)を介して接地VEEを接続している。上記PNPトラン
ジスタQ15のコレクタにNPNトランジスタのベースを接
続し、NPNトランジスタのコレクタに電源VCCを接続す
ると共に、NPNトランジスタのエミッタにNPNトランジス
タQ16のベースを接続している。さらに、上記NPNトラ
ンジスタQ16のベースにNPNトランジスタQ18のベース
を接続し、NPNトランジスタQ18のコレクタをNPNトラン
ジスタQ2のエミッタに接続すると共に、NPNトランジス
タQ18のエミッタを接地VEEに接続している。そして、
上記NPNトランジスタQ1のベースとNPNトランジスタQ2
のエミッタとの間に接続された抵抗R2を1.3MΩにし、
抵抗R2に並列接続された発振防止用コンデンサC1を2
pFとしている。また、フォトダイオードバイアス電圧
源Kの電圧を5Vとしている。上記NPNトランジスタQ1
5〜Q14および抵抗R14,R15で定電流源I2を構成して
いる。
【0020】図2に示す電流電圧変換回路の場合、ベー
ス・エミッタ間電圧VBE=0.665V、ベース電流IB=13
3nAとすると、式2より、基準出力電圧VOSは2.85
Vとなる。また、図3は図2に示す電流電圧変換回路に
おいてアンプ入力電流(受光電流Ip)と抵抗R1,R2と出
力電圧VOの関係を示したもので、抵抗R2を1.3MΩに
固定して、抵抗R1を390kΩ、430kΩ、470kΩにそれ
ぞれ変えた場合のシミュレーション結果を示す。また、
図4は図2に示す電流電圧変換回路において、アンプ入
力電流(受光電流Ip)と抵抗R1,R2と出力電圧VOの関
係を示したもので、抵抗R1を430kΩに固定して、抵抗
R2を1.0MΩ、1.3MΩ、1.6MΩにそれぞれ変えた場合
のシミュレーション結果を示す。なお、上記フォトダイ
オードPD1の感度は0.5μA/μWであるので、アン
プ入力電流1.0μAの場合のフォトダイオードPD1の
入射光量は2.0μWである。
ス・エミッタ間電圧VBE=0.665V、ベース電流IB=13
3nAとすると、式2より、基準出力電圧VOSは2.85
Vとなる。また、図3は図2に示す電流電圧変換回路に
おいてアンプ入力電流(受光電流Ip)と抵抗R1,R2と出
力電圧VOの関係を示したもので、抵抗R2を1.3MΩに
固定して、抵抗R1を390kΩ、430kΩ、470kΩにそれ
ぞれ変えた場合のシミュレーション結果を示す。また、
図4は図2に示す電流電圧変換回路において、アンプ入
力電流(受光電流Ip)と抵抗R1,R2と出力電圧VOの関
係を示したもので、抵抗R1を430kΩに固定して、抵抗
R2を1.0MΩ、1.3MΩ、1.6MΩにそれぞれ変えた場合
のシミュレーション結果を示す。なお、上記フォトダイ
オードPD1の感度は0.5μA/μWであるので、アン
プ入力電流1.0μAの場合のフォトダイオードPD1の
入射光量は2.0μWである。
【0021】図3において、抵抗R1の抵抗値を選択す
ることによって、入射光量に対する出力電圧VOの線形
性を変えることなく、基準出力電圧VOSを任意に設定
可能であることが分かる。また、図4において、抵抗R
2の抵抗値を選択することによって、飽和する入射光量
の値および基準出力電圧VOSを任意に設定可能である
ことが分かる。以上、図3および図4に示すように、抵
抗R1,R2の抵抗値を目的に応じて選択することによっ
て、基準出力電圧VOS、飽和入射光量、ダイナミック
レンジを適宜設定することが可能である。
ることによって、入射光量に対する出力電圧VOの線形
性を変えることなく、基準出力電圧VOSを任意に設定
可能であることが分かる。また、図4において、抵抗R
2の抵抗値を選択することによって、飽和する入射光量
の値および基準出力電圧VOSを任意に設定可能である
ことが分かる。以上、図3および図4に示すように、抵
抗R1,R2の抵抗値を目的に応じて選択することによっ
て、基準出力電圧VOS、飽和入射光量、ダイナミック
レンジを適宜設定することが可能である。
【0022】このように、上記電流電圧変換回路では、
上記抵抗R1,R2をIC(集積回路)チップに内蔵せず
に、ICチップに内蔵の抵抗に比べて抵抗値のばらつき
が小さいディスクリート部品の高精度抵抗を外付けにす
ることによって、基準出力電圧VOSとゲインのばらつ
きを低減する。すなわち、ICチップ内蔵の抵抗では、
抵抗値のばらつきが±10〜15%程度となるが、ディスク
リート部品の高精度抵抗を用いた場合では、その抵抗値
のばらつきを±1%以下にすることが可能である。上記
電流電圧変換回路の利得が大きく、抵抗R1,R2の抵抗
値が大きい場合は、抵抗R1,R2をディスクリート部品
にして外付けすることによって、ディスクリート部品の
余分なコストをICチップ面積の縮小により吸収するこ
とが十分可能である。
上記抵抗R1,R2をIC(集積回路)チップに内蔵せず
に、ICチップに内蔵の抵抗に比べて抵抗値のばらつき
が小さいディスクリート部品の高精度抵抗を外付けにす
ることによって、基準出力電圧VOSとゲインのばらつ
きを低減する。すなわち、ICチップ内蔵の抵抗では、
抵抗値のばらつきが±10〜15%程度となるが、ディスク
リート部品の高精度抵抗を用いた場合では、その抵抗値
のばらつきを±1%以下にすることが可能である。上記
電流電圧変換回路の利得が大きく、抵抗R1,R2の抵抗
値が大きい場合は、抵抗R1,R2をディスクリート部品
にして外付けすることによって、ディスクリート部品の
余分なコストをICチップ面積の縮小により吸収するこ
とが十分可能である。
【0023】したがって、上記電流電圧変換回路は、I
Cチップ内に基準電圧発生回路を組み込まないので、こ
の電流電圧変換回路のICチップの製造コストに低減す
ることができる。また、外付けされる第1の抵抗R1の
抵抗値を設定することによって、基準出力電圧VOSを
容易に設定または変更することができる。さらに、外付
けされる第2の抵抗R2の抵抗値を設定することによっ
て、ゲインを調整でき、飽和入射光量や入射光量範囲を
容易に設定または変更することができる。
Cチップ内に基準電圧発生回路を組み込まないので、こ
の電流電圧変換回路のICチップの製造コストに低減す
ることができる。また、外付けされる第1の抵抗R1の
抵抗値を設定することによって、基準出力電圧VOSを
容易に設定または変更することができる。さらに、外付
けされる第2の抵抗R2の抵抗値を設定することによっ
て、ゲインを調整でき、飽和入射光量や入射光量範囲を
容易に設定または変更することができる。
【0024】次に、上記電流電圧変換回路の製造工程に
おいて生じる製造上のばらつきについて説明すると共
に、そのばらつきを低減するための電流電圧変換回路の
調整方法について以下に説明する。
おいて生じる製造上のばらつきについて説明すると共
に、そのばらつきを低減するための電流電圧変換回路の
調整方法について以下に説明する。
【0025】上記電流電圧変換回路の半導体集積回路製
造プロセスにおいて、入力用NPNトランジスタQ1のベー
ス・エミッタ間電圧VBEは±20mVのばらつきを生じ
る。例えば、図2に示す入力用NPNトランジスタQ1のベ
ース・エミッタ間電圧VBEは、製造プロセスの目標値を
0.665Vとしたとき、最小0.645Vから最大0.685Vのば
らつきを生じる。また、同時に、上記入力用NPNトラン
ジスタQ1の電流増幅率hFEについても、目標値を150と
したとき、電流増幅率hFEは、100から200まで±33%の
ばらつきを生じ、これに従ってベース電流IBも変動す
る。上記電流電圧変換回路では、入力用NPNトランジス
タQ1のコレクタ電流が20μAなので、電流増幅率hFEが
150のときのベース電流IBの目標値は133nAとなる
が、上述の電流増幅率hFEのばらつきによって、入力用N
PNトランジスタQ1のベース電流IBは、100nA〜200n
Aのばらつきを生じる。そのため、基準出力電圧VOS
は、2.84Vを中心として2.73〜3.02Vの範囲でばらつ
く。このような基準出力電圧VOSのばらつきを低減す
るために、基準出力電圧VOSの測定により良品の選別
を行うと、要求される基準出力電圧VOSのばらつきの
精度によっては、チップの歩留まりが悪くなリ、結果的
に半導体集積回路の製造コストが高くなる。
造プロセスにおいて、入力用NPNトランジスタQ1のベー
ス・エミッタ間電圧VBEは±20mVのばらつきを生じ
る。例えば、図2に示す入力用NPNトランジスタQ1のベ
ース・エミッタ間電圧VBEは、製造プロセスの目標値を
0.665Vとしたとき、最小0.645Vから最大0.685Vのば
らつきを生じる。また、同時に、上記入力用NPNトラン
ジスタQ1の電流増幅率hFEについても、目標値を150と
したとき、電流増幅率hFEは、100から200まで±33%の
ばらつきを生じ、これに従ってベース電流IBも変動す
る。上記電流電圧変換回路では、入力用NPNトランジス
タQ1のコレクタ電流が20μAなので、電流増幅率hFEが
150のときのベース電流IBの目標値は133nAとなる
が、上述の電流増幅率hFEのばらつきによって、入力用N
PNトランジスタQ1のベース電流IBは、100nA〜200n
Aのばらつきを生じる。そのため、基準出力電圧VOS
は、2.84Vを中心として2.73〜3.02Vの範囲でばらつ
く。このような基準出力電圧VOSのばらつきを低減す
るために、基準出力電圧VOSの測定により良品の選別
を行うと、要求される基準出力電圧VOSのばらつきの
精度によっては、チップの歩留まりが悪くなリ、結果的
に半導体集積回路の製造コストが高くなる。
【0026】そこで、上記ベース・エミッタ間電圧VBE
のばらつきによる基準出力電圧VOSのばらつきを低減
するため、以下の手順に従って抵抗R1の最適値を調整
する。
のばらつきによる基準出力電圧VOSのばらつきを低減
するため、以下の手順に従って抵抗R1の最適値を調整
する。
【0027】まず、上記電流電圧変換回路において、外
付け抵抗R1,R2をプロセスの中心条件である目標とす
べき基準出力電圧VOSが発生する抵抗値に設定する
(抵抗R1=430kΩ、抵抗R2=1.3MΩ)。
付け抵抗R1,R2をプロセスの中心条件である目標とす
べき基準出力電圧VOSが発生する抵抗値に設定する
(抵抗R1=430kΩ、抵抗R2=1.3MΩ)。
【0028】次に、上記フォトダイオードPD1の受光
量がゼロのときの基準出力電圧VOSおよび入力用NPN
トランジスタQ1のベース・エミッタ間電圧VBEを測定
する。
量がゼロのときの基準出力電圧VOSおよび入力用NPN
トランジスタQ1のベース・エミッタ間電圧VBEを測定
する。
【0029】次に、上記測定結果を式2にフィードバッ
クすることによって、入力用NPNトランジスタQ1のベー
ス電流IBを求める。すなわち、測定された基準出力電
圧VOS,ベース・エミッタ間電圧VBEおよび抵抗R1,
R2を式2に代入して、ベース電流IBを算出するのであ
る。これより、測定されたベース・エミッタ間電圧VBE
と、上述の計算により求めたベース電流IBと、目標と
する基準出力電圧VOSおよび抵抗R2の抵抗値を式2
に再び代入することにより、目標とする基準出力電圧V
OSに最適な抵抗R1の抵抗値を求める。
クすることによって、入力用NPNトランジスタQ1のベー
ス電流IBを求める。すなわち、測定された基準出力電
圧VOS,ベース・エミッタ間電圧VBEおよび抵抗R1,
R2を式2に代入して、ベース電流IBを算出するのであ
る。これより、測定されたベース・エミッタ間電圧VBE
と、上述の計算により求めたベース電流IBと、目標と
する基準出力電圧VOSおよび抵抗R2の抵抗値を式2
に再び代入することにより、目標とする基準出力電圧V
OSに最適な抵抗R1の抵抗値を求める。
【0030】そして、求めた最適抵抗値に抵抗R1を設
定する。
定する。
【0031】このようにして、各ICチップ毎に電気的
特性を測定して、求めた最適抵抗値を抵抗R1に夫々設
定することによって、ばらつきを理想的にゼロにするこ
とができる。
特性を測定して、求めた最適抵抗値を抵抗R1に夫々設
定することによって、ばらつきを理想的にゼロにするこ
とができる。
【0032】しかしながら、使用する抵抗値の種類を多
くし過ぎると、量産時に本チップを使用した基板の組立
工程等において、組立を複雑にしてしまうため、要求さ
れる基準出力電圧VOSの精度によって使用する抵抗値
の種類を適宜ランク分けして選択する必要がある。
くし過ぎると、量産時に本チップを使用した基板の組立
工程等において、組立を複雑にしてしまうため、要求さ
れる基準出力電圧VOSの精度によって使用する抵抗値
の種類を適宜ランク分けして選択する必要がある。
【0033】以下、上記抵抗R1を2種類の抵抗値にラ
ンク分けした場合について説明する。
ンク分けした場合について説明する。
【0034】図5は入力用NPNトランジスタQ1のベース
・エミッタ間電圧VBEと電流増幅率hFEの相関関係を示
し、図6は基準出力電圧VOSのばらつき低減のための
抵抗R1のランク分けの例を示している。上記電流電圧
変換回路において、抵抗R1を430kΩ、470kΩの2種
類の抵抗を使用することによってばらつきの低減を計っ
た。具体的には、入力用NPNトランジスタQ1のベース・
エミッタ間電圧VBEが0.675V以下の場合に430kΩの抵
抗を使用し、ベース・エミッタ間電圧VBEが0.676V以
上の場合に470kΩの抵抗を使用した。
・エミッタ間電圧VBEと電流増幅率hFEの相関関係を示
し、図6は基準出力電圧VOSのばらつき低減のための
抵抗R1のランク分けの例を示している。上記電流電圧
変換回路において、抵抗R1を430kΩ、470kΩの2種
類の抵抗を使用することによってばらつきの低減を計っ
た。具体的には、入力用NPNトランジスタQ1のベース・
エミッタ間電圧VBEが0.675V以下の場合に430kΩの抵
抗を使用し、ベース・エミッタ間電圧VBEが0.676V以
上の場合に470kΩの抵抗を使用した。
【0035】図5に示すように、入力用NPNトランジス
タQ1のベース・エミッタ間電圧VBEは、電流増幅率hFE
と相関関係があるので、入力用NPNトランジスタQ1のコ
レクタ電流が一定の場合は、ベース・エミッタ間電圧V
BEが大きいとき、ベース電流IBは大きくなる一方、ベ
ース・エミッタ間電圧VBEが小さいとき、ベース電流I
Bは小さくなる。この場合の出力電圧VOは、最小2.73
V、最大2.92Vと抵抗R1の種類を1本にした場合より
も、基準出力電圧VOSのばらつきを100mV低減する
ことが可能となった。
タQ1のベース・エミッタ間電圧VBEは、電流増幅率hFE
と相関関係があるので、入力用NPNトランジスタQ1のコ
レクタ電流が一定の場合は、ベース・エミッタ間電圧V
BEが大きいとき、ベース電流IBは大きくなる一方、ベ
ース・エミッタ間電圧VBEが小さいとき、ベース電流I
Bは小さくなる。この場合の出力電圧VOは、最小2.73
V、最大2.92Vと抵抗R1の種類を1本にした場合より
も、基準出力電圧VOSのばらつきを100mV低減する
ことが可能となった。
【0036】このように、上記電流電圧変換回路では、
ICチップの電気的特性を測定した結果に基づいて、抵
抗値がランク分けされた第1の抵抗R1によって、出力
電圧VOを調整することによって、半導体集積回路の製
造工程において生じる製造上のばらつきを低減すること
ができる。
ICチップの電気的特性を測定した結果に基づいて、抵
抗値がランク分けされた第1の抵抗R1によって、出力
電圧VOを調整することによって、半導体集積回路の製
造工程において生じる製造上のばらつきを低減すること
ができる。
【0037】上記実施の形態では、第1の抵抗R1およ
び第2の抵抗R2を外付け抵抗としたが、要求される出
力電圧の精度等によって、第1の抵抗と第2の抵抗R2
のうちのどちらか一方をICチップに内蔵してもよい。
び第2の抵抗R2を外付け抵抗としたが、要求される出
力電圧の精度等によって、第1の抵抗と第2の抵抗R2
のうちのどちらか一方をICチップに内蔵してもよい。
【0038】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明の電流電圧変換回路は、エミッタが接地された入力用
NPNトランジスタを有し、フォトダイオードからの受光
電流を電流電圧変換して増幅する半導体集積回路で構成
されたエミッタ接地型増幅回路と、上記入力用NPNトラ
ンジスタのベースとエミッタとの間に接続され、上記フ
ォトダイオードの受光量がゼロのときのエミッタ接地型
増幅回路の基準出力電圧を定めるための第1の抵抗と、
上記入力用NPNトランジスタのベースとエミッタ接地型
増幅回路の出力端子との間に接続され、エミッタ接地型
増幅回路のゲインを定めるための第2の抵抗とを備え
て、上記第1の抵抗と第2の抵抗のうちの少なくとも一
方が上記半導体集積回路に対して外付けされているもの
である。
明の電流電圧変換回路は、エミッタが接地された入力用
NPNトランジスタを有し、フォトダイオードからの受光
電流を電流電圧変換して増幅する半導体集積回路で構成
されたエミッタ接地型増幅回路と、上記入力用NPNトラ
ンジスタのベースとエミッタとの間に接続され、上記フ
ォトダイオードの受光量がゼロのときのエミッタ接地型
増幅回路の基準出力電圧を定めるための第1の抵抗と、
上記入力用NPNトランジスタのベースとエミッタ接地型
増幅回路の出力端子との間に接続され、エミッタ接地型
増幅回路のゲインを定めるための第2の抵抗とを備え
て、上記第1の抵抗と第2の抵抗のうちの少なくとも一
方が上記半導体集積回路に対して外付けされているもの
である。
【0039】したがって、請求項1の発明の電流電圧変
換回路によれば、ICチップに内蔵の抵抗に比べて抵抗
値のばらつきが小さいディスクリート部品の高精度抵抗
を第1の抵抗として外付けにした場合は、基準出力電圧
のばらつきを低減する一方、上記高精度抵抗を第2の抵
抗として外付けにした場合は、ゲインのばらつきを低減
する。したがって、基準電圧発生回路を半導体集積回路
内に組み込まないので、この電流電圧変換回路の回路素
子を少なくして、ICチップの面積を小さくできるの
で、製造コストを低減することができる。また、外付け
する第1の抵抗の抵抗値を設定することによって、上記
エミッタ接地型増幅回路の基準出力電圧を容易に設定ま
たは変更することができる。さらに、外付けする第2の
抵抗の抵抗値を設定することによって、上記エミッタ接
地型増幅回路のゲインを調整でき、入射光量範囲を容易
に設定または変更することができる。したがって、基準
出力電圧やゲインの異なる多くの用途に対応可能な電流
電圧変換回路を実現することができる。
換回路によれば、ICチップに内蔵の抵抗に比べて抵抗
値のばらつきが小さいディスクリート部品の高精度抵抗
を第1の抵抗として外付けにした場合は、基準出力電圧
のばらつきを低減する一方、上記高精度抵抗を第2の抵
抗として外付けにした場合は、ゲインのばらつきを低減
する。したがって、基準電圧発生回路を半導体集積回路
内に組み込まないので、この電流電圧変換回路の回路素
子を少なくして、ICチップの面積を小さくできるの
で、製造コストを低減することができる。また、外付け
する第1の抵抗の抵抗値を設定することによって、上記
エミッタ接地型増幅回路の基準出力電圧を容易に設定ま
たは変更することができる。さらに、外付けする第2の
抵抗の抵抗値を設定することによって、上記エミッタ接
地型増幅回路のゲインを調整でき、入射光量範囲を容易
に設定または変更することができる。したがって、基準
出力電圧やゲインの異なる多くの用途に対応可能な電流
電圧変換回路を実現することができる。
【0040】また、請求項2の発明の電流電圧変換回路
の調整方法は、請求項1の電流電圧変換回路の調整方法
であって、上記エミッタ接地型増幅回路の出力電圧を目
標とする基準出力電圧にすべき所定の抵抗値に上記第1
の抵抗と第2の抵抗とを設定した後、その状態で計測さ
れた上記フォトダイオードの受光量がゼロのときのエミ
ッタ接地型増幅回路の出力電圧および入力用NPNトラン
ジスタのベース・エミッタ間電圧に基づいて、エミッタ
接地型増幅回路の出力電圧が目標とする基準出力電圧に
なるように、第1の抵抗と第2の抵抗のうちの少なくと
も一方の外付けされる抵抗の抵抗値を調整するものであ
る。
の調整方法は、請求項1の電流電圧変換回路の調整方法
であって、上記エミッタ接地型増幅回路の出力電圧を目
標とする基準出力電圧にすべき所定の抵抗値に上記第1
の抵抗と第2の抵抗とを設定した後、その状態で計測さ
れた上記フォトダイオードの受光量がゼロのときのエミ
ッタ接地型増幅回路の出力電圧および入力用NPNトラン
ジスタのベース・エミッタ間電圧に基づいて、エミッタ
接地型増幅回路の出力電圧が目標とする基準出力電圧に
なるように、第1の抵抗と第2の抵抗のうちの少なくと
も一方の外付けされる抵抗の抵抗値を調整するものであ
る。
【0041】したがって、請求項2の発明の電流電圧変
換回路の調整方法によれば、この電流電圧変換回路を内
蔵する半導体集積回路チップの電気的特性を測定した結
果に基づいて、外付けされる第1の抵抗と第2の抵抗の
うちの少なくとも一方の抵抗値を最適に調整することに
よって、半導体集積回路の製造工程において生じる製造
上のばらつきを低減することができる。
換回路の調整方法によれば、この電流電圧変換回路を内
蔵する半導体集積回路チップの電気的特性を測定した結
果に基づいて、外付けされる第1の抵抗と第2の抵抗の
うちの少なくとも一方の抵抗値を最適に調整することに
よって、半導体集積回路の製造工程において生じる製造
上のばらつきを低減することができる。
【0042】また、請求項3の発明の電流電圧変換回路
の調整方法は、請求項2の電流電圧変換回路の調整方法
において、予め抵抗値がランク分けされた複数の抵抗を
用いて、上記第1の抵抗と上記第2の抵抗のうちの少な
くとも一方の外付けされる抵抗の抵抗値を調整するの
で、要求される基準出力電圧の精度によって使用する抵
抗値を適宜ランク分けして種類を減らし、ランク分けさ
れた抵抗値の中から最適抵抗値に最も近い抵抗値を選択
して、使用する抵抗値の種類が多すぎるために量産時の
組立工程等が複雑になるのを防ぎ、製造コストの上昇を
抑えることができる。
の調整方法は、請求項2の電流電圧変換回路の調整方法
において、予め抵抗値がランク分けされた複数の抵抗を
用いて、上記第1の抵抗と上記第2の抵抗のうちの少な
くとも一方の外付けされる抵抗の抵抗値を調整するの
で、要求される基準出力電圧の精度によって使用する抵
抗値を適宜ランク分けして種類を減らし、ランク分けさ
れた抵抗値の中から最適抵抗値に最も近い抵抗値を選択
して、使用する抵抗値の種類が多すぎるために量産時の
組立工程等が複雑になるのを防ぎ、製造コストの上昇を
抑えることができる。
【図1】 図1はこの発明の実施の一形態の電流電圧変
換回路の等価回路図である。
換回路の等価回路図である。
【図2】 図2は上記電流電圧変換回路の具体的な素子
および回路定数を示した回路図である。
および回路定数を示した回路図である。
【図3】 図3は上記電流電圧変換回路において、抵抗
R2の抵抗値を固定して、抵抗R1の抵抗値を変えた場合
の出力電圧とアンプ入力電流との関係を示す図である。
R2の抵抗値を固定して、抵抗R1の抵抗値を変えた場合
の出力電圧とアンプ入力電流との関係を示す図である。
【図4】 図4は上記電流電圧変換回路において、抵抗
R1の抵抗値を固定して、抵抗R2の抵抗値を変えた場合
の出力電圧とアンプ入力電流との関係を示す図である。
R1の抵抗値を固定して、抵抗R2の抵抗値を変えた場合
の出力電圧とアンプ入力電流との関係を示す図である。
【図5】 図5は上記電流電圧変換回路の入力用NPNト
ランジスタのベース・エミッタ間電圧と電流増幅率との
関係を示す図である。
ランジスタのベース・エミッタ間電圧と電流増幅率との
関係を示す図である。
【図6】 図6は上記電流電圧変換回路の出力電圧のば
らつき低減のための抵抗R2のランク分けの例を示す図
である。
らつき低減のための抵抗R2のランク分けの例を示す図
である。
【図7】 図7は従来の電流電圧変換回路を示す等価回
路図である。
路図である。
PD1…フォトダイオード、 Q1,Q2…NPNトランジスタ、 R1,R2…抵抗、 C1…発振防止用コンデンサ、 I1,I2…定電流源。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04B 10/04 10/06
Claims (3)
- 【請求項1】 エミッタが接地された入力用NPNトラン
ジスタを有し、フォトダイオードからの受光電流を電流
電圧変換して増幅する半導体集積回路で構成されたエミ
ッタ接地型増幅回路と、 上記入力用NPNトランジスタのベースとエミッタとの間
に接続され、上記フォトダイオードの受光量がゼロのと
きの上記エミッタ接地型増幅回路の基準出力電圧を定め
るための第1の抵抗と、 上記入力用NPNトランジスタのベースと上記エミッタ接
地型増幅回路の出力端子との間に接続され、上記エミッ
タ接地型増幅回路のゲインを定めるための第2の抵抗と
を備えて、 上記第1の抵抗と上記第2の抵抗のうちの少なくとも一
方が上記半導体集積回路に対して外付けされていること
を特徴とする電流電圧変換回路。 - 【請求項2】 請求項1に記載の電流電圧変換回路の調
整方法であって、 上記エミッタ接地型増幅回路の出力電圧を目標とする上
記基準出力電圧にすべき所定の抵抗値に上記第1の抵抗
と上記第2の抵抗とを設定した後、その状態で計測され
た上記フォトダイオードの受光量がゼロのときの上記エ
ミッタ接地型増幅回路の出力電圧および上記入力用NPN
トランジスタのベース・エミッタ間電圧に基づいて、上
記エミッタ接地型増幅回路の出力電圧が目標とする上記
基準出力電圧になるように、上記第1の抵抗と上記第2
の抵抗のうちの少なくとも一方の外付けされる抵抗の抵
抗値を調整することを特徴とする電流電圧変換回路の調
整方法。 - 【請求項3】 請求項2に記載の電流電圧変換回路の調
整方法において、予め抵抗値がランク分けされた複数の
抵抗を用いて、上記第1の抵抗と上記第2の抵抗のうち
の少なくとも一方の外付けされる抵抗の抵抗値を調整す
ることを特徴とする電流電圧変換回路の調整方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04187997A JP3762510B2 (ja) | 1997-02-26 | 1997-02-26 | 電流電圧変換回路の調整方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04187997A JP3762510B2 (ja) | 1997-02-26 | 1997-02-26 | 電流電圧変換回路の調整方法 |
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---|---|---|---|---|
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61212907A (ja) * | 1985-03-18 | 1986-09-20 | Fujitsu Ltd | 半導体集積回路 |
JPH01152807A (ja) * | 1987-12-09 | 1989-06-15 | Nec Corp | 電流供給回路 |
JPH04367107A (ja) * | 1991-06-14 | 1992-12-18 | Ricoh Co Ltd | 光検出回路 |
JPH07212147A (ja) * | 1994-01-19 | 1995-08-11 | Fujitsu Ltd | 電流電圧変換回路 |
JPH07321565A (ja) * | 1994-05-19 | 1995-12-08 | Sony Corp | 受光信号増幅回路及び受光信号処理装置 |
-
1997
- 1997-02-26 JP JP04187997A patent/JP3762510B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
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US8153953B2 (en) | 2007-09-28 | 2012-04-10 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Light receiving circuit |
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