JPH10241135A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH10241135A JPH10241135A JP3805597A JP3805597A JPH10241135A JP H10241135 A JPH10241135 A JP H10241135A JP 3805597 A JP3805597 A JP 3805597A JP 3805597 A JP3805597 A JP 3805597A JP H10241135 A JPH10241135 A JP H10241135A
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- magnetic
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 更なる耐久性及び耐蝕性の向上を図った磁気
記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体2上に少なくとも磁性層3
が形成されてなる磁気記録媒体1において、非磁性支持
体2上の磁性層3側の一主面上に、第1の潤滑膜5a、
第2の潤滑膜5bが順位積層形成される。第1の潤滑膜
5aに用いられる第1の潤滑剤の吸着熱が、3.0mJ
/カーボン粉100mg以上であり、かつ第2の潤滑膜
に用いられる第2の潤滑剤の吸着熱よりも大きいことを
特徴とする。
記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体2上に少なくとも磁性層3
が形成されてなる磁気記録媒体1において、非磁性支持
体2上の磁性層3側の一主面上に、第1の潤滑膜5a、
第2の潤滑膜5bが順位積層形成される。第1の潤滑膜
5aに用いられる第1の潤滑剤の吸着熱が、3.0mJ
/カーボン粉100mg以上であり、かつ第2の潤滑膜
に用いられる第2の潤滑剤の吸着熱よりも大きいことを
特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体上の
磁性層側の一主面上に潤滑膜が形成される磁気記録媒体
に関するものである。詳しくは耐久性及び耐蝕性を向上
した磁気記録媒体に係るものである。
磁性層側の一主面上に潤滑膜が形成される磁気記録媒体
に関するものである。詳しくは耐久性及び耐蝕性を向上
した磁気記録媒体に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録媒体としては、酸化
物磁性粉末又は合金磁性粉末等の粉末磁性材料を、塩化
ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、ウ
レタン樹脂又はポリウレタン樹脂等の有機バインダー中
に分散した磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布し乾燥す
ることにより製造される塗布型の磁気記録媒体が広く使
用されている。
物磁性粉末又は合金磁性粉末等の粉末磁性材料を、塩化
ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、ウ
レタン樹脂又はポリウレタン樹脂等の有機バインダー中
に分散した磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布し乾燥す
ることにより製造される塗布型の磁気記録媒体が広く使
用されている。
【0003】これに対して、情報信号等の高密度磁気記
録への要求の高まりにともない、ポリエステルフィルム
やポリアミドポリイミドフィルム等の非磁性支持体上
に、Co−Ni合金、Co−Cr合金、Co−O等の金
属磁性材料を、メッキや真空薄膜形成方法(例えば、真
空蒸着法やスパッタリング法やイオンプレーティング法
等)によって直接被着させた、いわゆる金属磁性薄膜型
の磁気記録媒体が実用化されている。
録への要求の高まりにともない、ポリエステルフィルム
やポリアミドポリイミドフィルム等の非磁性支持体上
に、Co−Ni合金、Co−Cr合金、Co−O等の金
属磁性材料を、メッキや真空薄膜形成方法(例えば、真
空蒸着法やスパッタリング法やイオンプレーティング法
等)によって直接被着させた、いわゆる金属磁性薄膜型
の磁気記録媒体が実用化されている。
【0004】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、短
波長における抗磁力、角形比等の電磁変換特性に優れ
る。さらに、金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、金属磁
性層の厚みをきわめて薄くすることができるため、記録
減磁や再生時の厚み損失が著しく小さいなっている。し
かも、金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、金属磁性層中
に非磁性材であるバインダーを混入する必要が無いた
め、磁性材料の充填密度を高めることができる等の数々
の利点を有している。
波長における抗磁力、角形比等の電磁変換特性に優れ
る。さらに、金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、金属磁
性層の厚みをきわめて薄くすることができるため、記録
減磁や再生時の厚み損失が著しく小さいなっている。し
かも、金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、金属磁性層中
に非磁性材であるバインダーを混入する必要が無いた
め、磁性材料の充填密度を高めることができる等の数々
の利点を有している。
【0005】上述した金属磁性薄膜型の磁気記録媒体に
おいては、電磁変換特性を向上させ、より大きな出力を
得ることが出来るようにするために、金属磁性層を成膜
する場合、金属磁性材料を斜め方向から入射させて堆積
させる斜方蒸着法が提案され実用化されている。
おいては、電磁変換特性を向上させ、より大きな出力を
得ることが出来るようにするために、金属磁性層を成膜
する場合、金属磁性材料を斜め方向から入射させて堆積
させる斜方蒸着法が提案され実用化されている。
【0006】しかしながら、金属磁性薄膜型の磁気記録
媒体は、磁性層が極めて平滑なものとなるため、磁気信
号の記録再生過程における磁気ヘッドとの高速下での摩
擦、摩耗が著しく大きく、耐久性、走行性、耐蝕性にお
いて悪い影響を受ける。
媒体は、磁性層が極めて平滑なものとなるため、磁気信
号の記録再生過程における磁気ヘッドとの高速下での摩
擦、摩耗が著しく大きく、耐久性、走行性、耐蝕性にお
いて悪い影響を受ける。
【0007】そこで、金属磁性薄膜型の磁気記録媒体
は、耐久性を向上する目的で、その金属磁性層上にカー
ボン保護膜、例えばダイアモンド状カーボン保護膜(以
下、DLC膜と称する。)を形成することが有効な手段
とされている。
は、耐久性を向上する目的で、その金属磁性層上にカー
ボン保護膜、例えばダイアモンド状カーボン保護膜(以
下、DLC膜と称する。)を形成することが有効な手段
とされている。
【0008】ところが、カーボン保護膜の膜厚を厚くす
ると、磁気ヘッドと磁気記録面との間隔が大きくなり、
スペーシング損失が生じてしまう。また、DLC膜等の
カーボン保護膜だけでは、十分な耐久性が確保できな
い。
ると、磁気ヘッドと磁気記録面との間隔が大きくなり、
スペーシング損失が生じてしまう。また、DLC膜等の
カーボン保護膜だけでは、十分な耐久性が確保できな
い。
【0009】そこで、金属磁性薄膜型の磁気記録媒体に
おいては、通常カーボン保護膜等の表面にパーフルオロ
ポリエーテルなどのフッ素有機化合物やリン酸エステル
等のリン有機化合物等を塗布してトップコート層を形成
し、耐久性や耐蝕性の改善が試みられている。
おいては、通常カーボン保護膜等の表面にパーフルオロ
ポリエーテルなどのフッ素有機化合物やリン酸エステル
等のリン有機化合物等を塗布してトップコート層を形成
し、耐久性や耐蝕性の改善が試みられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、今後、
磁気記録媒体の更なる高密度記録化への要求から、磁性
層の薄膜化や表面の更なる平滑化に伴ってより優れた摩
擦、摩耗特性が要求されるため、金属磁性薄膜型の磁気
記録媒体では、スチル耐久性、走行耐久性、耐候性等の
耐久性及び耐蝕性における一層の向上が求められてい
る。
磁気記録媒体の更なる高密度記録化への要求から、磁性
層の薄膜化や表面の更なる平滑化に伴ってより優れた摩
擦、摩耗特性が要求されるため、金属磁性薄膜型の磁気
記録媒体では、スチル耐久性、走行耐久性、耐候性等の
耐久性及び耐蝕性における一層の向上が求められてい
る。
【0011】そこで、本発明は、このような従来の実状
に鑑みて提案されたものであり、耐久性及び耐蝕性の向
上を図った磁気記録媒体を提供することを目的とする。
に鑑みて提案されたものであり、耐久性及び耐蝕性の向
上を図った磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明は、非磁性支持体上に少なくとも磁性層
が形成されてなる磁気記録媒体において、非磁性支持体
上の磁性層側の一主面上に、第1の潤滑膜、第2の潤滑
膜が順次積層形成されてなり、第1の潤滑膜に用いられ
る第1の潤滑剤の吸着熱が、カーボン粉末100mgあ
たり3.0mJ以上であり、かつ第2の潤滑膜に用いら
れる第2の潤滑剤の吸着熱よりも大きいことを特徴とす
るものである。
ために、本発明は、非磁性支持体上に少なくとも磁性層
が形成されてなる磁気記録媒体において、非磁性支持体
上の磁性層側の一主面上に、第1の潤滑膜、第2の潤滑
膜が順次積層形成されてなり、第1の潤滑膜に用いられ
る第1の潤滑剤の吸着熱が、カーボン粉末100mgあ
たり3.0mJ以上であり、かつ第2の潤滑膜に用いら
れる第2の潤滑剤の吸着熱よりも大きいことを特徴とす
るものである。
【0013】以上のように構成された本発明に係る磁気
記録媒体によれば、非磁性支持体上の磁性層側の一主面
上に、第1の潤滑膜、第2の潤滑膜が順次積層形成され
てなり、第1の潤滑剤の吸着熱がカーボン粉末100m
gあたり3.0mJ以上であり、かつ第2の潤滑剤の吸
着熱よりも大きいことにより、更なる耐久性及び耐蝕性
の向上を図ることが可能となる。
記録媒体によれば、非磁性支持体上の磁性層側の一主面
上に、第1の潤滑膜、第2の潤滑膜が順次積層形成され
てなり、第1の潤滑剤の吸着熱がカーボン粉末100m
gあたり3.0mJ以上であり、かつ第2の潤滑剤の吸
着熱よりも大きいことにより、更なる耐久性及び耐蝕性
の向上を図ることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気記録媒体
について、その実施の形態を図面を参照して詳細に説明
する。
について、その実施の形態を図面を参照して詳細に説明
する。
【0015】本発明を適用した磁気記録媒体1は、図1
に示したように、非磁性支持体2の一主面上に磁性層
3、カーボン保護膜4、潤滑膜5がこの順で積層形成さ
れてなる。ここで、潤滑膜5は、第1の潤滑膜5a、及
び第2の潤滑膜5bがこの順で積層形成されてなる。ま
た、磁気記録媒体1は、磁性層3が形成された面とは反
対側の一主面上に、バックコート層6が形成される。
に示したように、非磁性支持体2の一主面上に磁性層
3、カーボン保護膜4、潤滑膜5がこの順で積層形成さ
れてなる。ここで、潤滑膜5は、第1の潤滑膜5a、及
び第2の潤滑膜5bがこの順で積層形成されてなる。ま
た、磁気記録媒体1は、磁性層3が形成された面とは反
対側の一主面上に、バックコート層6が形成される。
【0016】非磁性支持体2の材料としては、例えば、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナ
フタレート等のポリエステル系樹脂、セルローストリア
セテート、セルロースブチレート等のセルロース誘導
体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系
樹脂、ポリアミドフィルム等の高分子材料が挙げられ
る。また、アルミニウム合金、チタン合金等の軽金属、
アルミナガラス等のセラミック等も使用可能である。
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナ
フタレート等のポリエステル系樹脂、セルローストリア
セテート、セルロースブチレート等のセルロース誘導
体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系
樹脂、ポリアミドフィルム等の高分子材料が挙げられ
る。また、アルミニウム合金、チタン合金等の軽金属、
アルミナガラス等のセラミック等も使用可能である。
【0017】磁性層3を形成する磁性材料としては、例
えば、Fe、Co、Niなどの強磁性金属、あるいはF
e−Co、Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe−C
u、Co−Cu、Co−Au、Co−Pt、Fe−C
r、Co−Cr、Ni−Cr、Fe−Co−Cr、Co
−Ni−Cr、Fe−Co−Ni−Cr等の強磁性合金
が挙げられる。磁性層3としては、これらの単層膜であ
ってもよいし、多層膜であっても良い。
えば、Fe、Co、Niなどの強磁性金属、あるいはF
e−Co、Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe−C
u、Co−Cu、Co−Au、Co−Pt、Fe−C
r、Co−Cr、Ni−Cr、Fe−Co−Cr、Co
−Ni−Cr、Fe−Co−Ni−Cr等の強磁性合金
が挙げられる。磁性層3としては、これらの単層膜であ
ってもよいし、多層膜であっても良い。
【0018】磁性層3の形成手段としては、真空下で強
磁性材料を加熱蒸発させ非磁性支持体2上に蒸着させる
真空蒸着法や、強磁性金属材料の蒸発を放電中で行うイ
オンプレーティング法、アルゴンを主成分とする雰囲気
中でグロー放電を起こし、生じたアルゴンイオンでター
ゲット表面の原子をたたき出すスパッタ法等のいわゆる
PVD(Physical Vapor Deposition)技術が挙げられ
る。
磁性材料を加熱蒸発させ非磁性支持体2上に蒸着させる
真空蒸着法や、強磁性金属材料の蒸発を放電中で行うイ
オンプレーティング法、アルゴンを主成分とする雰囲気
中でグロー放電を起こし、生じたアルゴンイオンでター
ゲット表面の原子をたたき出すスパッタ法等のいわゆる
PVD(Physical Vapor Deposition)技術が挙げられ
る。
【0019】カーボン保護膜4としては、特に限定され
ないが、ダイヤモンド状カーボン膜(以下、DLC膜と
称する。)が好適である。なお、カーボンのラマン分光
スペクトルでは、ダイヤモンド構造に由来するピーク
と、グラファイト構造に由来するピークが観測される
が、後述するダイヤモンド状カーボンとは、このうちダ
イヤモンド構造に由来するピークを有するものである。
ないが、ダイヤモンド状カーボン膜(以下、DLC膜と
称する。)が好適である。なお、カーボンのラマン分光
スペクトルでは、ダイヤモンド構造に由来するピーク
と、グラファイト構造に由来するピークが観測される
が、後述するダイヤモンド状カーボンとは、このうちダ
イヤモンド構造に由来するピークを有するものである。
【0020】カーボン保護膜4は、材料の蒸発を放電中
で行うイオンプレーディング法、アルゴンを主成分とす
る雰囲気中でグロー放電を起こし生じたアルゴンイオン
でターゲット表面の原子をたたき出すスパッタ法等のP
VD技術や、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposit
ion)、アークジェットCVD等のCVD技術によって
成膜される。
で行うイオンプレーディング法、アルゴンを主成分とす
る雰囲気中でグロー放電を起こし生じたアルゴンイオン
でターゲット表面の原子をたたき出すスパッタ法等のP
VD技術や、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposit
ion)、アークジェットCVD等のCVD技術によって
成膜される。
【0021】潤滑膜5に用いられる潤滑剤としては、フ
ッ素系グリースが挙げられる。フッ素系グリースとして
は、例えばアウジモント社製の商品名フォンブリンZ−
03、Z−15、Z−25、Z−deal、Z−do
l、Z−dol ester、Z−diac、Z−di
ac ester、Z−disoc、AM2001やダ
イキン工業社製の商品名デムナムS−20、S−65、
S−100、S−200あるいはデュポン社製の商品名
クライトックス240AC、クライトックスGPL等に
代表される市販品が用いられる。
ッ素系グリースが挙げられる。フッ素系グリースとして
は、例えばアウジモント社製の商品名フォンブリンZ−
03、Z−15、Z−25、Z−deal、Z−do
l、Z−dol ester、Z−diac、Z−di
ac ester、Z−disoc、AM2001やダ
イキン工業社製の商品名デムナムS−20、S−65、
S−100、S−200あるいはデュポン社製の商品名
クライトックス240AC、クライトックスGPL等に
代表される市販品が用いられる。
【0022】潤滑膜5は、第1の潤滑膜5aと第2の潤
滑膜5bとの2層構造からなり、磁性層3上に形成され
たカーボン保護膜4の表面上に、上記の潤滑膜5a、5
bが順次積層形成されている。また、第1の潤滑膜5a
に用いられる第1の潤滑剤は、その吸着熱が、3.0m
J/カーボン粉100mg以上であり、かつ第2の潤滑
膜5bに用いられる第2の潤滑剤の吸着熱よりも大きい
ものが用いられる。
滑膜5bとの2層構造からなり、磁性層3上に形成され
たカーボン保護膜4の表面上に、上記の潤滑膜5a、5
bが順次積層形成されている。また、第1の潤滑膜5a
に用いられる第1の潤滑剤は、その吸着熱が、3.0m
J/カーボン粉100mg以上であり、かつ第2の潤滑
膜5bに用いられる第2の潤滑剤の吸着熱よりも大きい
ものが用いられる。
【0023】バックコート層6中に含まれる非磁性顔
料、樹脂結合剤及び潤滑剤に含まれる材料としては、従
来公知のものがいずれも使用できる。
料、樹脂結合剤及び潤滑剤に含まれる材料としては、従
来公知のものがいずれも使用できる。
【0024】このように構成された磁気記録媒体1は、
以下に示すように製造される。
以下に示すように製造される。
【0025】まず、非磁性支持体2の一主面上に、真空
蒸着法にて磁性層3を形成する。そして、この磁性層3
上にスパッタ法にてカーボン保護膜4を形成する。次
に、非磁性支持体2の磁性層形成面とは反対側の一主面
上にバックコート層用塗料を塗布し、バックコート層6
を形成する。
蒸着法にて磁性層3を形成する。そして、この磁性層3
上にスパッタ法にてカーボン保護膜4を形成する。次
に、非磁性支持体2の磁性層形成面とは反対側の一主面
上にバックコート層用塗料を塗布し、バックコート層6
を形成する。
【0026】そして、潤滑膜5は、第1の潤滑膜5a及
び第2の潤滑膜5bをこの順で積層形成する。この潤滑
膜5は、潤滑剤をトルエンあるいはヘキサン等の有機溶
媒に溶解して潤滑剤塗料を調整し、カーボン保護膜4上
に形成する。なお、カーボン保護膜4を有さないタイプ
の媒体の場合には、この潤滑剤塗料を磁性層3上に直接
形成する。
び第2の潤滑膜5bをこの順で積層形成する。この潤滑
膜5は、潤滑剤をトルエンあるいはヘキサン等の有機溶
媒に溶解して潤滑剤塗料を調整し、カーボン保護膜4上
に形成する。なお、カーボン保護膜4を有さないタイプ
の媒体の場合には、この潤滑剤塗料を磁性層3上に直接
形成する。
【0027】第1の潤滑膜5aと第2の潤滑膜5bは、
順次積層形成する。なお、この第1の潤滑膜5aと第2
の潤滑膜5bを同時重層塗布方式を用いて、同時に形成
してもよい。また、製造工程の効率化のために、第1の
潤滑膜5aをカーボン保護膜4上に、第2の潤滑膜5b
をバックコート層6上に形成し、その後に巻取りロール
にて巻き取ってもよい。これにより、バックコート層6
上に形成された第2の潤滑剤が、カーボン保護膜4上に
形成された第1の潤滑膜5a上に転写して、その結果、
2回繰り返して形成した潤滑膜5と同様な積層型の潤滑
膜5を形成することができる。
順次積層形成する。なお、この第1の潤滑膜5aと第2
の潤滑膜5bを同時重層塗布方式を用いて、同時に形成
してもよい。また、製造工程の効率化のために、第1の
潤滑膜5aをカーボン保護膜4上に、第2の潤滑膜5b
をバックコート層6上に形成し、その後に巻取りロール
にて巻き取ってもよい。これにより、バックコート層6
上に形成された第2の潤滑剤が、カーボン保護膜4上に
形成された第1の潤滑膜5a上に転写して、その結果、
2回繰り返して形成した潤滑膜5と同様な積層型の潤滑
膜5を形成することができる。
【0028】このとき、第1及び第2の潤滑剤の合計塗
布量は、0.5〜100mg/m2であることが望まし
く、1〜20mg/m2であることが好ましい。潤滑剤
の塗布量がこの範囲を下回る場合には、潤滑剤によって
テープ表面を十分に被覆することができず、テープ表面
が直接ヘッドやドラム等に接触してしまう。その結果、
これらヘッドやドラムに対する摩擦が上昇する。また、
潤滑剤の塗布量がこの範囲を越えると、潤滑剤がテープ
表面に厚く形成してしまい、テープとヘッドあるいはド
ラム等との接触面積が増大し、貼り付き等の現象が生じ
る。これにより、十分な潤滑効果が発揮できなくなる。
布量は、0.5〜100mg/m2であることが望まし
く、1〜20mg/m2であることが好ましい。潤滑剤
の塗布量がこの範囲を下回る場合には、潤滑剤によって
テープ表面を十分に被覆することができず、テープ表面
が直接ヘッドやドラム等に接触してしまう。その結果、
これらヘッドやドラムに対する摩擦が上昇する。また、
潤滑剤の塗布量がこの範囲を越えると、潤滑剤がテープ
表面に厚く形成してしまい、テープとヘッドあるいはド
ラム等との接触面積が増大し、貼り付き等の現象が生じ
る。これにより、十分な潤滑効果が発揮できなくなる。
【0029】上述した工程を経て、図1に示す磁気記録
媒体1が製造される。
媒体1が製造される。
【0030】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について実験結
果に基づいて説明する。
果に基づいて説明する。
【0031】実施例1 まず、非磁性支持体2として、膜厚10μm、幅150
mmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し
た。次に、この非磁性支持体2上に、アクリルエステル
を主成分とする水溶性ラテックスを密度1000万個/
mmとなるように塗布した。そして、その水溶性ラテッ
クスを塗布した面上に、磁性層3としてCo80−Ni
20重量%を膜厚0.2μmとなるように真空蒸着法に
より成膜した。蒸着条件は、以下の通りである。
mmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し
た。次に、この非磁性支持体2上に、アクリルエステル
を主成分とする水溶性ラテックスを密度1000万個/
mmとなるように塗布した。そして、その水溶性ラテッ
クスを塗布した面上に、磁性層3としてCo80−Ni
20重量%を膜厚0.2μmとなるように真空蒸着法に
より成膜した。蒸着条件は、以下の通りである。
【0032】 金属蒸気の入射角 45〜90度 テープ走行速度 0.17m/秒 酸素導入量 3.3×10-6〜4.0×10-6
m3/秒 蒸着時真空度 7×10Pa 次に、この磁性層3上に、スパッタ法により膜厚10n
mとなるように、カーボン保護膜4を成膜した。
m3/秒 蒸着時真空度 7×10Pa 次に、この磁性層3上に、スパッタ法により膜厚10n
mとなるように、カーボン保護膜4を成膜した。
【0033】そして、非磁性支持体2上の磁性層3が形
成された面とは反対側の一主面上に、カーボン及びウレ
タンバインダーを混合したものを、膜厚0.6μmとな
るように塗布し、バックコート層6を形成した。
成された面とは反対側の一主面上に、カーボン及びウレ
タンバインダーを混合したものを、膜厚0.6μmとな
るように塗布し、バックコート層6を形成した。
【0034】次に、第1の潤滑剤と第2の潤滑剤とをそ
れぞれガルデン(アウジモント社製、登録商標)に溶解
させ、第1の潤滑剤の濃度を0.3重量%、第2の潤滑
剤の濃度を2.4重量%に調整した。第1の潤滑剤及び
第2の潤滑剤としては、以下に示した組成の潤滑剤を用
いた。
れぞれガルデン(アウジモント社製、登録商標)に溶解
させ、第1の潤滑剤の濃度を0.3重量%、第2の潤滑
剤の濃度を2.4重量%に調整した。第1の潤滑剤及び
第2の潤滑剤としては、以下に示した組成の潤滑剤を用
いた。
【0035】第1の潤滑剤 Z−dol(吸着熱3.8
7mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 Z−diac ester(吸着熱2.
33mJ/カーボン粉末100mg) そして、上述したように調整した第1の潤滑剤をカーボ
ン保護膜4上に、第2の潤滑剤をバックコート層6上に
塗布し、その後巻取りロールにて巻き取った。巻取りロ
ールに巻き取った際に、カーボン保護膜4上の第1の潤
滑膜5aとバックコート層6上の第2の潤滑膜5bとが
接触することにより、バックコート層6上の第2の潤滑
剤一部が、カーボン保護膜4上の第1の潤滑膜5b上に
転写して、磁気記録媒体1が形成された。これを長さ方
向に沿って所定幅に裁断して磁気テープを作製した。
7mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 Z−diac ester(吸着熱2.
33mJ/カーボン粉末100mg) そして、上述したように調整した第1の潤滑剤をカーボ
ン保護膜4上に、第2の潤滑剤をバックコート層6上に
塗布し、その後巻取りロールにて巻き取った。巻取りロ
ールに巻き取った際に、カーボン保護膜4上の第1の潤
滑膜5aとバックコート層6上の第2の潤滑膜5bとが
接触することにより、バックコート層6上の第2の潤滑
剤一部が、カーボン保護膜4上の第1の潤滑膜5b上に
転写して、磁気記録媒体1が形成された。これを長さ方
向に沿って所定幅に裁断して磁気テープを作製した。
【0036】実施例2 以下の潤滑剤を用いた以外は、実施例1と同様にして磁
気テープを作製した。
気テープを作製した。
【0037】第1の潤滑剤 AM2001(吸着熱5.
08mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 Z−diac ester(吸着熱2.
33mJ/カーボン粉末100mg)実施例3 以下の潤滑剤を用いた以外は、実施例1と同様にして磁
気テープを作製した。
08mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 Z−diac ester(吸着熱2.
33mJ/カーボン粉末100mg)実施例3 以下の潤滑剤を用いた以外は、実施例1と同様にして磁
気テープを作製した。
【0038】第1の潤滑剤 AM2001(吸着熱5.
08mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 Z−dol ester(吸着熱2.5
5mJ/カーボン粉末100mg)実施例4 以下の潤滑剤を用いた以外は、実施例1と同様にして磁
気テープを作製した。
08mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 Z−dol ester(吸着熱2.5
5mJ/カーボン粉末100mg)実施例4 以下の潤滑剤を用いた以外は、実施例1と同様にして磁
気テープを作製した。
【0039】第1の潤滑剤 AM2001(吸着熱5.
08mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 Z−dol(吸着熱3.87mJ/カー
ボン粉末100mg)実施例5 以下の潤滑剤を用いた以外は、実施例1と同様にして磁
気テープを作製した。
08mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 Z−dol(吸着熱3.87mJ/カー
ボン粉末100mg)実施例5 以下の潤滑剤を用いた以外は、実施例1と同様にして磁
気テープを作製した。
【0040】第1の潤滑剤 Z−diac(吸着熱5.
56mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 Z−diac ester(吸着熱2.
33mJ/カーボン粉末100mg)実施例6 以下の潤滑剤を用いた以外は、実施例1と同様にして磁
気テープを作製した。
56mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 Z−diac ester(吸着熱2.
33mJ/カーボン粉末100mg)実施例6 以下の潤滑剤を用いた以外は、実施例1と同様にして磁
気テープを作製した。
【0041】第1の潤滑剤 Z−diac(吸着熱5.
56mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 Z−dol ester(吸着熱2.5
5mJ/カーボン粉末100mg)実施例7 以下の潤滑剤を用いた以外は、実施例1と同様にして磁
気テープを作製した。
56mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 Z−dol ester(吸着熱2.5
5mJ/カーボン粉末100mg)実施例7 以下の潤滑剤を用いた以外は、実施例1と同様にして磁
気テープを作製した。
【0042】第1の潤滑剤 Z−diac(吸着熱5.
56mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 Z−dol(吸着熱3.87mJ/カー
ボン粉末100mg)実施例8 以下の潤滑剤を用いた以外は、実施例1と同様にして磁
気テープを作製した。
56mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 Z−dol(吸着熱3.87mJ/カー
ボン粉末100mg)実施例8 以下の潤滑剤を用いた以外は、実施例1と同様にして磁
気テープを作製した。
【0043】第1の潤滑剤 Z−diac(吸着熱5.
56mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 AM2001(吸着熱5.08mJ/カ
ーボン粉末100mg)実施例9 以下の潤滑剤を用いた以外は、実施例1と同様にして磁
気テープを作製した。
56mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 AM2001(吸着熱5.08mJ/カ
ーボン粉末100mg)実施例9 以下の潤滑剤を用いた以外は、実施例1と同様にして磁
気テープを作製した。
【0044】第1の潤滑剤 Z−dol(吸着熱3.8
7mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 Z−dol ester(吸着熱2.5
5mJ/カーボン粉末100mg)比較例1 実施例1と同様にして、第1の潤滑剤と第2の潤滑剤と
をガルデンに溶解して、第1の潤滑剤の濃度を0.3重
量%、第2の潤滑剤の濃度を2.4重量%に調整した。
そして、これら第1の潤滑剤と第2の潤滑剤とを、下記
に示すように、1:5の重量比にて混合した潤滑剤を、
DLC膜及びバックコート層6上に塗布したこと以外
は、実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
7mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 Z−dol ester(吸着熱2.5
5mJ/カーボン粉末100mg)比較例1 実施例1と同様にして、第1の潤滑剤と第2の潤滑剤と
をガルデンに溶解して、第1の潤滑剤の濃度を0.3重
量%、第2の潤滑剤の濃度を2.4重量%に調整した。
そして、これら第1の潤滑剤と第2の潤滑剤とを、下記
に示すように、1:5の重量比にて混合した潤滑剤を、
DLC膜及びバックコート層6上に塗布したこと以外
は、実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0045】潤滑剤 第1の潤滑剤(Z−dol):
第2の潤滑剤(Z−diac ester)=1:5と
して混合した混合潤滑剤比較例2 実施例2の潤滑剤と同様な潤滑剤を、下記に示すよう
に、混合して調整した混合潤滑剤を用いた以外は、比較
例1と同様にして磁気テープを製作した。
第2の潤滑剤(Z−diac ester)=1:5と
して混合した混合潤滑剤比較例2 実施例2の潤滑剤と同様な潤滑剤を、下記に示すよう
に、混合して調整した混合潤滑剤を用いた以外は、比較
例1と同様にして磁気テープを製作した。
【0046】潤滑剤 第1の潤滑剤(AM200
1):第2の潤滑剤(Z−diac ester)=
1:5として混合した混合潤滑剤比較例3 実施例3の潤滑剤と同様な潤滑剤を、下記に示すよう
に、混合して調整した混合潤滑剤を用いた以外は、比較
例1と同様にして磁気テープを製作した。
1):第2の潤滑剤(Z−diac ester)=
1:5として混合した混合潤滑剤比較例3 実施例3の潤滑剤と同様な潤滑剤を、下記に示すよう
に、混合して調整した混合潤滑剤を用いた以外は、比較
例1と同様にして磁気テープを製作した。
【0047】潤滑剤 第1の潤滑剤(AM200
1):第2の潤滑剤(Z−dol ester)=1:
5として混合した混合潤滑剤比較例4 実施例4の潤滑剤と同様な潤滑剤を、下記に示すよう
に、混合して調整した混合潤滑剤を用いた以外は、比較
例1と同様にして磁気テープを製作した。
1):第2の潤滑剤(Z−dol ester)=1:
5として混合した混合潤滑剤比較例4 実施例4の潤滑剤と同様な潤滑剤を、下記に示すよう
に、混合して調整した混合潤滑剤を用いた以外は、比較
例1と同様にして磁気テープを製作した。
【0048】潤滑剤 第1の潤滑剤(AM200
1):第2の潤滑剤(Z−dol)=1:5として混合
した混合潤滑剤比較例5 実施例5の潤滑剤と同様な潤滑剤を、下記に示すよう
に、混合して調整した混合潤滑剤を用いた以外は、比較
例1と同様にして磁気テープを製作した。
1):第2の潤滑剤(Z−dol)=1:5として混合
した混合潤滑剤比較例5 実施例5の潤滑剤と同様な潤滑剤を、下記に示すよう
に、混合して調整した混合潤滑剤を用いた以外は、比較
例1と同様にして磁気テープを製作した。
【0049】潤滑剤 第1の潤滑剤(Z−dia
c):第2の潤滑剤(Z−diac ester)=
1:5として混合した混合潤滑剤比較例6 実施例6の潤滑剤と同様な潤滑剤を、下記に示すよう
に、混合して調整した混合潤滑剤を用いた以外は、比較
例1と同様にして磁気テープを製作した。
c):第2の潤滑剤(Z−diac ester)=
1:5として混合した混合潤滑剤比較例6 実施例6の潤滑剤と同様な潤滑剤を、下記に示すよう
に、混合して調整した混合潤滑剤を用いた以外は、比較
例1と同様にして磁気テープを製作した。
【0050】潤滑剤 第1の潤滑剤(Z−dia
c):第2の潤滑剤(Z−dol ester)=1:
5として混合した混合潤滑剤比較例7 実施例7の潤滑剤と同様な潤滑剤を、下記に示すよう
に、混合して調整した混合潤滑剤を用いた以外は、比較
例1と同様にして磁気テープを製作した。以下の潤滑剤
を用いた以外は、比較例1と同様にして磁気テープを製
作した。
c):第2の潤滑剤(Z−dol ester)=1:
5として混合した混合潤滑剤比較例7 実施例7の潤滑剤と同様な潤滑剤を、下記に示すよう
に、混合して調整した混合潤滑剤を用いた以外は、比較
例1と同様にして磁気テープを製作した。以下の潤滑剤
を用いた以外は、比較例1と同様にして磁気テープを製
作した。
【0051】潤滑剤 第1の潤滑剤(Z−dia
c):第2の潤滑剤(Z−dol)=1:5として混合
した混合潤滑剤比較例8 実施例8の潤滑剤と同様な潤滑剤を、下記に示すよう
に、混合して調整した混合潤滑剤を用いた以外は、比較
例1と同様にして磁気テープを製作した。
c):第2の潤滑剤(Z−dol)=1:5として混合
した混合潤滑剤比較例8 実施例8の潤滑剤と同様な潤滑剤を、下記に示すよう
に、混合して調整した混合潤滑剤を用いた以外は、比較
例1と同様にして磁気テープを製作した。
【0052】潤滑剤 第1の潤滑剤(Z−dia
c):第2の潤滑剤(AM2001)=1:5として混
合した混合潤滑剤比較例9 実施例9の潤滑剤と同様な潤滑剤を、下記に示すよう
に、混合して調整した混合潤滑剤を用いた以外は、比較
例1と同様にして磁気テープを製作した。
c):第2の潤滑剤(AM2001)=1:5として混
合した混合潤滑剤比較例9 実施例9の潤滑剤と同様な潤滑剤を、下記に示すよう
に、混合して調整した混合潤滑剤を用いた以外は、比較
例1と同様にして磁気テープを製作した。
【0053】潤滑剤 第1の潤滑剤(Z−dol):
第2の潤滑剤(Z−dol ester)=1:5とし
て混合した混合潤滑剤比較例10 以下に示すように、第1の潤滑剤として吸着熱が3.0
0mJ/カーボン粉末100mg以下の潤滑剤を用い、
第1の潤滑剤の吸着熱が、第2の潤滑剤の吸着熱よりも
高い潤滑剤を用いた。その他は、実施例1と同様にして
磁気テープを作製した。
第2の潤滑剤(Z−dol ester)=1:5とし
て混合した混合潤滑剤比較例10 以下に示すように、第1の潤滑剤として吸着熱が3.0
0mJ/カーボン粉末100mg以下の潤滑剤を用い、
第1の潤滑剤の吸着熱が、第2の潤滑剤の吸着熱よりも
高い潤滑剤を用いた。その他は、実施例1と同様にして
磁気テープを作製した。
【0054】第1の潤滑剤 Z−dol ester
(吸着熱2.55mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 Z−diac ester(吸着熱2.
33mJ/カーボン粉末100mg)比較例11 以下に示すように、第1の潤滑剤として吸着熱が3.0
0mJ/カーボン粉末100mg以下の潤滑剤を用い、
第1の潤滑剤の吸着熱が、第2の潤滑剤の吸着熱よりも
低い潤滑剤を用いた。その他は、実施例1と同様にして
磁気テープを作製した。
(吸着熱2.55mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 Z−diac ester(吸着熱2.
33mJ/カーボン粉末100mg)比較例11 以下に示すように、第1の潤滑剤として吸着熱が3.0
0mJ/カーボン粉末100mg以下の潤滑剤を用い、
第1の潤滑剤の吸着熱が、第2の潤滑剤の吸着熱よりも
低い潤滑剤を用いた。その他は、実施例1と同様にして
磁気テープを作製した。
【0055】第1の潤滑剤 Z−dol ester
(吸着熱2.55mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 AM2001(吸着熱2.33mJ/カ
ーボン粉末100mg) 以上のように作製された磁気テープについて、摩擦特
性、シャトル特性及びスチル特性の特性評価を行った。
(吸着熱2.55mJ/カーボン粉末100mg) 第2の潤滑剤 AM2001(吸着熱2.33mJ/カ
ーボン粉末100mg) 以上のように作製された磁気テープについて、摩擦特
性、シャトル特性及びスチル特性の特性評価を行った。
【0056】<摩擦特性の評価>摩擦特性の評価法とし
ては、40℃、80%とした恒温高湿槽内において、シ
ャトル走行の1回目と100回目の摩擦係数を測定し
た。
ては、40℃、80%とした恒温高湿槽内において、シ
ャトル走行の1回目と100回目の摩擦係数を測定し
た。
【0057】<シャトル特性の評価>シャトル特性の評
価法としては、常温環境下で走行100回目の再生出力
が、初期再生出力から低下した割合を測定した。
価法としては、常温環境下で走行100回目の再生出力
が、初期再生出力から低下した割合を測定した。
【0058】<スチル特性の評価>スチル特性の評価法
としては、−5℃の恒温槽内で行い、再生出力が3dB
まで低下するのに要する時間を測定した。
としては、−5℃の恒温槽内で行い、再生出力が3dB
まで低下するのに要する時間を測定した。
【0059】上記の特性評価の結果を、表1及び表2に
示す。
示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】表1及び表2に示すように、潤滑膜5が第
1の潤滑膜5aと第2の潤滑膜5bとの2層構造をな
し、かつ第1の潤滑剤の吸着熱が第2の潤滑剤の吸着熱
よりも大きい磁気テープを用いた実施例1〜実施例9
は、潤滑膜5が単層構造である比較例1〜比較例9とそ
れぞれ比べると、摩擦係数が小さく、スチル時間が長
く、シャトル走行による再生出力の低下も小さくなって
いる。したがって、潤滑膜5を第1の潤滑膜5aと第2
の潤滑膜5bとの2層構造とすることによって、耐久性
及び耐蝕性が著しく向上すると判明した。
1の潤滑膜5aと第2の潤滑膜5bとの2層構造をな
し、かつ第1の潤滑剤の吸着熱が第2の潤滑剤の吸着熱
よりも大きい磁気テープを用いた実施例1〜実施例9
は、潤滑膜5が単層構造である比較例1〜比較例9とそ
れぞれ比べると、摩擦係数が小さく、スチル時間が長
く、シャトル走行による再生出力の低下も小さくなって
いる。したがって、潤滑膜5を第1の潤滑膜5aと第2
の潤滑膜5bとの2層構造とすることによって、耐久性
及び耐蝕性が著しく向上すると判明した。
【0063】また、表1及び表2に示すように、第1の
潤滑剤の吸着熱が3.0mJ/カーボン粉末100mg
以下の比較例10は、第1の潤滑剤の吸着熱が3.0m
J/カーボン粉末100mg以上の実施例1〜実施例9
と比べると、摩擦係数が大きく、スチル時間が短く、シ
ャトル走行による再生出力の低下も大きくなっている。
したがって、上述の潤滑膜5の2層構造にくわえて、第
1の潤滑剤の吸着熱を3.0mJ/カーボン粉末100
mg以上とすることによって、耐久性及び耐蝕性が著し
く向上することがわかった。
潤滑剤の吸着熱が3.0mJ/カーボン粉末100mg
以下の比較例10は、第1の潤滑剤の吸着熱が3.0m
J/カーボン粉末100mg以上の実施例1〜実施例9
と比べると、摩擦係数が大きく、スチル時間が短く、シ
ャトル走行による再生出力の低下も大きくなっている。
したがって、上述の潤滑膜5の2層構造にくわえて、第
1の潤滑剤の吸着熱を3.0mJ/カーボン粉末100
mg以上とすることによって、耐久性及び耐蝕性が著し
く向上することがわかった。
【0064】さらに、表1及び表2に示すように、第1
の潤滑剤の吸着熱が第2の潤滑剤の吸着熱よりも小さい
比較例11は、第1の潤滑剤の吸着熱が第2の潤滑剤の
吸着熱よりも大きい実施例1〜実施例9と比べると、摩
擦係数が小さく、スチル時間が短く、シャトル走行によ
る再生出力の低下も大きくなっている。したがって、第
1の潤滑剤の吸着熱が第2の潤滑剤の吸着熱よりも大き
いことが、耐久性の向上には必要とわかった。
の潤滑剤の吸着熱が第2の潤滑剤の吸着熱よりも小さい
比較例11は、第1の潤滑剤の吸着熱が第2の潤滑剤の
吸着熱よりも大きい実施例1〜実施例9と比べると、摩
擦係数が小さく、スチル時間が短く、シャトル走行によ
る再生出力の低下も大きくなっている。したがって、第
1の潤滑剤の吸着熱が第2の潤滑剤の吸着熱よりも大き
いことが、耐久性の向上には必要とわかった。
【0065】以上の結果から、潤滑膜5が第1の潤滑膜
5a、第2の潤滑膜5bの2層構造をなし、第1の潤滑
剤の吸着熱が、3.0mJ/カーボン粉末100mg以
上であり、かつ第2の潤滑剤の吸着熱よりも大きいこと
により、耐久性及び耐蝕性が著しく向上することが判明
した。
5a、第2の潤滑膜5bの2層構造をなし、第1の潤滑
剤の吸着熱が、3.0mJ/カーボン粉末100mg以
上であり、かつ第2の潤滑剤の吸着熱よりも大きいこと
により、耐久性及び耐蝕性が著しく向上することが判明
した。
【0066】なお、実施例1〜実施例9における第1の
潤滑剤と第2の潤滑剤との組み合わせは、表1の結果か
ら好適な例といえる。そこで、実施例1〜実施例9で用
いた潤滑剤の構造を化1〜化5に示す。
潤滑剤と第2の潤滑剤との組み合わせは、表1の結果か
ら好適な例といえる。そこで、実施例1〜実施例9で用
いた潤滑剤の構造を化1〜化5に示す。
【0067】
【化1】
【0068】
【化2】
【0069】
【化3】
【0070】
【化4】
【0071】
【化5】
【0072】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明で
は、非磁性支持体上に少なくとも磁性層が形成されてな
る磁気記録媒体において、非磁性支持体上の磁性層側の
一主面上に、第1の潤滑膜、第2の潤滑膜が順次積層形
成され、第1の潤滑膜に用いられる第1の潤滑剤の吸着
熱が、カーボン粉末100mgあたり3.0mJ以上で
あり、かつ上記第1の潤滑剤の吸着熱が、第2の潤滑膜
に用いられる第2の潤滑剤の吸着熱よりも大きいことに
より、更なる耐久性及び耐蝕性の向上を図ることができ
る高品質な磁気記録媒体が得られる。
は、非磁性支持体上に少なくとも磁性層が形成されてな
る磁気記録媒体において、非磁性支持体上の磁性層側の
一主面上に、第1の潤滑膜、第2の潤滑膜が順次積層形
成され、第1の潤滑膜に用いられる第1の潤滑剤の吸着
熱が、カーボン粉末100mgあたり3.0mJ以上で
あり、かつ上記第1の潤滑剤の吸着熱が、第2の潤滑膜
に用いられる第2の潤滑剤の吸着熱よりも大きいことに
より、更なる耐久性及び耐蝕性の向上を図ることができ
る高品質な磁気記録媒体が得られる。
【図1】本発明を適用した磁気記録媒体の一例を示す断
面図である。
面図である。
1 磁気記録媒体、2 非磁性支持体、3 磁性層、4
カーボン保護膜、5潤滑膜、5a 第1の潤滑膜、5
b 第2の潤滑膜、6 バックコート層
カーボン保護膜、5潤滑膜、5a 第1の潤滑膜、5
b 第2の潤滑膜、6 バックコート層
Claims (1)
- 【請求項1】 非磁性支持体上に少なくとも磁性層が形
成されてなる磁気記録媒体において、 上記非磁性支持体上の磁性層側の一主面上に、第1の潤
滑膜、第2の潤滑膜が順次積層形成されてなり、 上記第1の潤滑膜に用いられる第1の潤滑剤の吸着熱
が、カーボン粉末100mgあたり3.0mJ以上であ
り、 上記第1の潤滑剤の吸着熱が、第2の潤滑膜に用いられ
る第2の潤滑剤の吸着熱よりも大きいことを特徴とする
磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3805597A JPH10241135A (ja) | 1997-02-21 | 1997-02-21 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3805597A JPH10241135A (ja) | 1997-02-21 | 1997-02-21 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10241135A true JPH10241135A (ja) | 1998-09-11 |
Family
ID=12514834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3805597A Withdrawn JPH10241135A (ja) | 1997-02-21 | 1997-02-21 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10241135A (ja) |
-
1997
- 1997-02-21 JP JP3805597A patent/JPH10241135A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040511 |