JPH10238536A - 動圧流体軸受装置及び電動機 - Google Patents

動圧流体軸受装置及び電動機

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JPH10238536A
JPH10238536A JP9058428A JP5842897A JPH10238536A JP H10238536 A JPH10238536 A JP H10238536A JP 9058428 A JP9058428 A JP 9058428A JP 5842897 A JP5842897 A JP 5842897A JP H10238536 A JPH10238536 A JP H10238536A
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gap
lubricating
thrust
bearing device
lubricating liquid
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Yoshikazu Ichiyama
義和 市山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定軸体の両端部を固定し得ると共に、潤滑
液がマイグレーションや混入気泡の熱膨張等により散逸
することが防がれ、固定軸体と回転スリーブ体の間の潤
滑液が減少した場合には潤滑液が補充される。 【解決手段】 固定軸部材12aと固定スラスト板12
bからなる固定軸体12に、回転スリーブ部材18aと
回転スラスト板18bからなる回転スリーブ体18を外
嵌する。固定スラスト板12bの下面内周側とスラスト
溝部20の下面との間に、潤滑油貯留間隙40を設け
る。潤滑油貯留間隙40の厚さは、上下ラジアル軸受部
34・36及びスラスト軸受部よりも大きく、間隙を形
成する両面に接する状態で毛細管現象により潤滑油32
が保持される厚さとする。固定スラスト板12bの内周
部と固定軸部材12aの外周面との間に呼吸孔46を貫
通させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸部から張り出し
たスラスト板部を有する固定軸体に対し回転スリーブ体
が潤滑液を介し回転自在に支持され、その潤滑液が軸心
方向の両側に界面を有する動圧流体軸受装置及びその動
圧流体軸受装置を備えた電動機に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】図12
は、軸部aから張り出したスラスト板部bを有する上下
方向の固定軸体cに対しロータとしての回転スリーブ体
dが潤滑油eを介し回転自在に支持され、その潤滑油e
が上下に界面e1・e2を有する動圧流体軸受装置を備
えたハードディスク駆動用の電動機の従来例についての
断面図である。
【0003】固定軸体cは、下端部が基盤fに固定され
ており、上端部は、ハードディスク駆動装置の蓋体等に
固定される。回転スリーブ体dのスリーブ部d1は、固
定軸体cの軸部aのうちスラスト板部bよりも基端側の
部分にスリーブ嵌合し、環状のスラスト溝部gは、径方
向内方に開口し、スラスト板部bに外嵌している。
【0004】このような従来の動圧流体軸受装置を備え
た電動機においては、固定軸体cをその両端部において
固定することができるので、ロータの安定的な回転を実
現することができる一方、両界面e1・e2、特に下界
面e2からの潤滑油eのマイグレーションにより潤滑油
eが徐々に失われたり、また、潤滑油e中に混入した気
泡が温度上昇や気圧低下等により膨張して潤滑油eを漏
出させることにより潤滑油eが散逸し、潤滑油e不足に
よりロータの回転が不安定になったり軸受部が損傷する
こと等の不都合が比較的生じ易いという問題を有してい
た。特に、長期にわたり使用される動圧流体軸受装置の
場合、固定軸体cと回転スリーブ体dとの間隙に充填さ
れた潤滑油eの総減少量が多くなるので、このような問
題の解決が強く望まれていた。
【0005】本発明は、従来技術に存した上記のような
問題点に鑑み行われたものであって、その目的とすると
ころは、固定軸体の両端部を固定し得ると共に、潤滑液
がマイグレーションや混入気泡の熱膨張等により散逸す
ることが防がれ、固定軸体と回転スリーブ体の間の潤滑
液が減少した場合には潤滑液が補充される動圧流体軸受
装置及びその動圧流体軸受装置を備えた電動機を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の軸受装置は、軸部とその軸部から径方向外方へ張り
出したスラスト板部とを有してなる固定軸体に対し、前
記軸部のうちスラスト板部よりも基端側の部分にスリー
ブ嵌合したスリーブ部と前記スラスト板部に外嵌した径
方向内方開口の環状のスラスト溝部とを有してなる回転
スリーブ体が、前記軸体と回転スリーブ体との間隙に充
填された潤滑液を介し、主に軸部とスリーブ部が相対す
るラジアル軸受部及びスラスト溝部とスラスト板部が相
対するスラスト軸受部において、回転自在に支持されて
なる動圧流体軸受装置であって、前記潤滑液は先端側及
び基端側に界面を有する状態で連続し、そのうち先端側
界面は前記スラスト板部の先端側の面とスラスト溝部の
間の径方向内方に向かって漸次間隙が拡大する先端側間
隙拡大部に位置して径方向内方を向き、基端側界面は軸
部とスリーブ部の間の基端側に向かって漸次間隙が拡大
する基端側間隙拡大部に位置し、前記ラジアル軸受部及
びスラスト軸受部よりも間隙の厚さが大きく、その間隙
を形成する両面に接する状態で毛細管現象により潤滑液
が保持される潤滑液貯留間隙に、前記潤滑液に連続する
潤滑液の一部が貯留され、前記軸体は、先端側開口が、
スラスト板部の先端側の面とスラスト溝部の先端側の面
との間隙のうち潤滑液の先端側界面よりも径方向内方の
部分又はその先端側界面の径方向外方の近傍部に開口
し、基端側開口が、直接又は気室を介して前記潤滑液貯
留部に通じた呼吸孔を有することを特徴とする。(請求
項1) 軸部とスラスト板部は、一体に形成されたものであって
もよく、別体の部品を結合してなるものであってもよ
い。
【0007】ラジアル軸受部は、標準的には軸心方向に
間隔を置いて2 箇所に有するが、1又は3以上であって
もよい。ラジアル軸受部には、動圧発生用の溝部を有す
るものとすることができる。
【0008】スラスト軸受部は、スラスト板部の先端側
の面とスラスト溝部の先端側の面が相対する部分と、ス
ラスト板部の基端側の面とスラスト溝部の基端側の面が
相対する部分に有する。スラスト軸受部には、動圧発生
用の溝部を有するものとすることができる。
【0009】回転スリーブ体は、主にラジアル軸受部及
びスラスト軸受部において、固定軸体に対し回転自在に
支持される。
【0010】軸体と回転スリーブ体との間隙に充填され
た潤滑液が、先端側及び基端側に界面を有する状態で連
続しているというのは、間隙の一部に気泡又は気体部分
があっても、他の部分で連続している場合を含む。潤滑
液としては、例えばスピンドル油等の各種潤滑油を用い
ることができる。
【0011】潤滑液貯留間隙の適切な厚さは、潤滑液の
種類及びその潤滑液貯留間隙を形成する両面の材質及び
面の状態等によって変化するが、小型スピンドルモータ
の場合の例としては、約50μm程度の厚さを挙げるこ
とができる。
【0012】呼吸孔は、1又は2以上であってもよい。
【0013】呼吸孔の先端側開口が潤滑液の先端側界面
の径方向外方の近傍部に開口するというのは、潤滑液の
先端側界面の径方向外方のうち、呼吸孔の先端側開口か
ら潤滑液の先端側界面の径方向内方へ気泡が解放し易い
程度の近傍部に呼吸孔の先端側開口が開口することを言
う。
【0014】気室というのは、空気又はその他の気体が
充満した空間を言い、潤滑液のミスト等を含んでいても
よい。
【0015】軸体と回転スリーブ体との間隙に充填され
た潤滑液の先端側界面は、スラスト板部の先端側の面と
スラスト溝部の先端側の面との間で径方向内方を向いて
いるので、先端側界面からの潤滑液のマイグレーション
(染み出し)が、回転スリーブ体の回転による遠心力に
よって防止される。
【0016】また、潤滑液貯留間隙に貯留された潤滑液
は、軸体と回転スリーブ体との間隙に充填された潤滑液
に連続しており、その軸体と回転スリーブ体との間隙に
充填された潤滑液の基端側界面のスパン(その部分の間
隙の厚さに対応する)は、基端側間隙拡大部と潤滑液貯
留間隙の表面状態がほぼ同一であれば潤滑液貯留間隙に
おいて潤滑液が気泡や気室等の気体に臨む部分のスパ
ン、すなわち潤滑液貯留間隙の厚さに等しい程度に小さ
く維持されるので、それによって基端側界面からの潤滑
液のマイグレーションが防止される。
【0017】軸体と回転スリーブ体との間隙に充填され
た潤滑液が、蒸発や衝撃による脱落等により減少する
と、潤滑液貯留間隙から潤滑液が補充される。
【0018】また、潤滑液に混入した気泡は、呼吸孔を
通じて外部に解放される。呼吸孔の先端側開口から気泡
が解放される場合、同時に若干の潤滑液が流出すること
も有り得ないではないが、流出した潤滑液は、回転スリ
ーブ体の回転による遠心力により潤滑液の先端側界面か
ら回収され得る。
【0019】なお、この動圧流体軸受装置は、電動機の
他、種々の機械器具に利用することができる。
【0020】この動圧流体軸受装置は、呼吸孔が、その
内部を閉塞した状態で潤滑液が毛細管現象により保持さ
れることが防がれる横断面サイズであるものとすること
ができる。(請求項2) 呼吸孔の内部を閉塞した状態というのは、呼吸孔内の少
なくとも一部を潤滑液により閉塞した状態を言う。呼吸
孔の横断面サイズが一定程度よりも小さくなると、呼吸
孔内の潤滑液は、呼吸孔を閉塞した状態で毛細管現象に
より保持されることとなる。
【0021】呼吸孔の内部を閉塞した状態で潤滑液が毛
細管現象により保持されることが防がれるので、潤滑液
に混入した気泡は、呼吸孔を通じて確実性高く外部に解
放される。
【0022】本発明の動圧流体軸受装置は、スラスト溝
部の基端側の面とスラスト板部の基端側の面との間隙の
うち内周側の部分に潤滑液貯留間隙を有するものとする
ことができる。(請求項3) この場合、スラスト溝部の基端側の面とスラスト板部の
基端側の面との間隙のうち潤滑液貯留間隙よりも外周側
にスラスト軸受部が位置する。
【0023】スラスト溝部の基端側の面とスラスト板部
の基端側の面との間隙の厚さは、内周側の潤滑液貯留間
隙において、外周側のスラスト軸受部よりも大きい。潤
滑液貯留間隙においては、潤滑液と気泡又は気体部分が
混在するが、潤滑液はスラスト溝部の基端側の面とスラ
スト板部の基端側の面の両面に接する状態で毛細管現象
により保持される。
【0024】軸体と回転スリーブ体との間隙に充填され
た潤滑液の基端側界面のスパンは、基端側間隙拡大部と
潤滑液貯留間隙の表面状態がほぼ同一であれば潤滑液貯
留間隙の厚さに等しい程度に小さく維持されるので、そ
れによって基端側界面からの潤滑液のマイグレーション
が防止される。
【0025】この動圧流体軸受装置は、呼吸孔の基端側
開口が潤滑液貯留間隙に直接通じ、その潤滑液貯留間隙
のうち、少なくとも前記基端側開口が臨む部分が気体で
占められているものとすることができる。(請求項4) 気体というのは、空気又はその他の気体であり、潤滑液
のミスト等を含むものであってもよい。
【0026】潤滑液に混入した気泡は、呼吸孔の基端側
開口が潤滑液貯留間隙に臨んだ気体部分を介して呼吸孔
内に達し、呼吸孔の先端側開口を通じて外部に解放され
る。
【0027】軸体と回転スリーブ体との間隙に充填され
た潤滑液の基端側界面のスパンは、基端側間隙拡大部と
潤滑液貯留間隙の表面状態がほぼ同一であれば呼吸孔の
基端側開口が直接通じる気体部分に臨む潤滑液貯留間隙
内の潤滑液のスパンにほぼ等しい程度に小さく維持され
るので、それによって基端側界面からの潤滑液のマイグ
レーションが防止される。
【0028】また、本発明の動圧流体軸受装置は、軸体
内に潤滑液貯留間隙及び気室を有し、その潤滑液貯留間
隙の端部が前記気室に臨んでおり、その気室は呼吸孔の
基端側開口に通じているものとすることができる。(請
求項5) 軸体内の潤滑液貯留間隙は、ラジアル軸受部及びスラス
ト軸受部よりも間隙の厚さが大きく、潤滑液貯留間隙に
は、気室側に端部(界面)を有し、その間隙を形成する
両面に接する状態で、毛細管現象により潤滑液が保持さ
れる。
【0029】潤滑液に混入した気泡の一部は、潤滑液貯
留間隙内の潤滑液から、呼吸孔の基端側開口に通じる気
室に解放され、他の混入気泡は気室を経ずに呼吸孔から
外部へ解放される。
【0030】軸体と回転スリーブ体との間隙に充填され
た潤滑液の基端側界面のスパンは、基端側間隙拡大部と
潤滑液貯留間隙の表面状態がほぼ同一であれば軸体内の
気室に臨む潤滑液貯留間隙内の潤滑液の端部のスパンに
ほぼ等しい程度に小さく維持されるので、それによって
基端側界面からの潤滑液のマイグレーションが防止され
る。
【0031】軸体と回転スリーブ体との間隙に充填され
た潤滑液が蒸発や衝撃による脱落等により減少すると、
軸体内の潤滑液貯留間隙から潤滑液が補充される。
【0032】この動圧流体軸受装置は、軸心方向の複数
個所にラジアル軸受部を有し、軸部とスリーブ部の間隙
のうち基端側のラジアル軸受部の先端側の部分と軸体内
の潤滑液貯留間隙が、連通孔により連通しているものと
することができる。(請求項6) 軸体と回転スリーブ体との間隙に充填された潤滑液が蒸
発や衝撃による脱落等により減少すると、軸体内の潤滑
液貯留間隙から連通孔を通じて基端側のラジアル軸受部
の先端側の部分に潤滑液が補充される。
【0033】潤滑液に混入した気泡は、先端側のラジア
ル軸受部を経て呼吸孔を通じ外部に解放されるほか、基
端側のラジアル軸受部の先端側の部分から連通孔を通じ
て軸体内の気室に解放される。
【0034】この動圧流体軸受装置は、基端側のラジア
ル軸受部に動圧発生溝部を有し、回転スリーブ体の回転
に伴いその動圧発生溝部により潤滑液に発生する動圧の
軸心方向における中心が、そのラジアル軸受部の軸心方
向における中心よりも先端側寄りであるものとすること
ができる。(請求項7) 回転スリーブ体が回転すると、1又は2以上のラジアル
軸受部のうち基端側のラジアル軸受部の動圧発生溝部に
より潤滑液に動圧が発生する。その動圧の軸心方向にお
ける中心は、そのラジアル軸受部の軸心方向における中
心よりも先端側寄りであるから、軸体と回転スリーブ体
との間隙に充填された潤滑液の基端側界面が、先端側へ
移動する。
【0035】また、回転スリーブ体が回転することによ
り軸体と回転スリーブ体との間隙に充填された潤滑液の
基端側界面が先端側へ移動するので、基端側界面から潤
滑液に気泡が混入し易くなる。潤滑液に混入した気泡
は、先端側のラジアル軸受部を経て呼吸孔を通じ外部に
解放されるほか、基端側のラジアル軸受部の先端側の部
分と軸体内の潤滑液貯留間隙を連通する連通孔を通じて
軸体内の気室に解放され易い。
【0036】また、この動圧流体軸受装置は、軸体内の
潤滑液貯留間隙、気室、及びその気室に臨む前記潤滑液
貯留間隙の端部が、それぞれ軸心方向に連続するものと
することができる。(請求項8) 軸体内の、気室、及びその気室に臨む前記潤滑液貯留間
隙の端部が、それぞれ軸心方向に連続するので、軸体と
回転スリーブ体との間隙に充填された潤滑液以外に、比
較的多量の潤滑液が潤滑液貯留間隙内に貯留される。
【0037】軸体と回転スリーブ体との間隙に充填され
た潤滑液が蒸発や衝撃による脱落等により減少すると、
軸体内の潤滑液貯留間隙から潤滑液が補充される。
【0038】この動圧流体軸受装置は、スラスト溝部の
基端側の面とスラスト板部の基端側の面との間隙のうち
内周側に、軸体内の気室に連通すると共に呼吸孔の基端
側が開口する空隙部と、軸部とスリーブ部との間隙に保
持された潤滑液に実質上連続する潤滑液が保持された部
分とを有するものとすることができる。(請求項9) 空隙部におけるスラスト溝部の基端側の面とスラスト板
部の基端側の面との間隙の厚さは、その両面に跨る状態
で毛細管現象により潤滑液が保持されることがない大き
さの間隙とすることが望ましい。
【0039】潤滑液貯留間隙から潤滑液が補充される場
合、呼吸孔及び空隙部を通じて気室に空気等の外気が導
入される。潤滑液貯留間隙から気室に気泡が解放される
と、それに応じ、気室内の気体が空隙部及び呼吸孔を通
じて外部へ放出される。
【0040】また、この動圧流体軸受装置は、軸体内の
潤滑液貯留間隙が、スラスト溝部の基端側の面とスラス
ト板部の基端側の面との間隙の内周側のうち、軸部とス
リーブ部との間隙に保持された潤滑液に実質上連続する
潤滑液が保持された部分と連通しているものとすること
ができる。
【0041】スラスト溝部の基端側の面とスラスト板部
の基端側の面との間隙の内周部は、軸体の軸部とスラス
ト板部の境界部であるから、軸体内の潤滑液貯留間隙か
らの潤滑液が何れの側へも潤滑液が補充される。
【0042】この動圧流体軸受装置は、スラスト溝部の
基端側の面とスラスト板部の基端側の面との間に、内周
部が、軸部のうちスラスト板部の基端側の部分の外周面
に沿い、外周部が、その外周面に外接すると共にその外
周面よりも径が大きい円周に沿う略三日月形状をなす間
隙部を有し、その間隙部の厚さは、その間隙部よりも径
方向外方に位置するスラスト軸受部における間隙の厚さ
よりも大きく、その間隙部のうち前記内周部と外周部が
接する位置を中心とした両側における内周部と外周部の
間に、毛細管現象により潤滑液が保持され、前記間隙部
のうち潤滑液が保持された部分以外の部分が空隙部を構
成するものとすることができる。(請求項11) 略三日月形状をなす間隙部におけるスラスト溝部の基端
側の面とスラスト板部の基端側の面との間隙の厚さは、
その両面に跨る状態で毛細管現象により潤滑液が保持さ
れることがない大きさの間隙とすることが望ましい。ま
た、略三日月形状をなす間隙部における内周部と外周部
の最大距離も、内周部と外周部に跨る状態で毛細管現象
により潤滑液が保持されることがない距離とすることが
望ましい。
【0043】本発明の電動機は、上記の動圧流体軸受装
置を備え、回転スリーブ体がロータとして回転するもの
である。(請求項12) この電動機は、ハードディスク等の磁気ディスク、光磁
気ディスク、CD、DVD等の光ディスクを始めとする
記録媒体駆動装置用のスピンドルモータの他、種々の電
動機として用いることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図1乃至
図11を参照しつつ説明する。
【0045】図1乃至図4は、本発明の実施の形態の一
例としての、動圧流体軸受装置を備えたハードディスク
駆動用の電動機についてのものであって、そのうち図1
は要部断面図、図2は、図1におけるII−II線要部断面
図、図3は、図1におけるIII −III 線要部断面図、図
4は、図3におけるIV−IV線要部拡大断面図である。
【0046】電動機の基盤10の嵌合孔に固定軸体12
の下端部(基端部)が嵌合固定されることにより、固定
軸体12が立設固定されている。基盤10の上側におけ
る固定軸体12の外周側には、ステータコイル14が巻
回されたステータコア16が固定されている。
【0047】固定軸体12は、上下方向の固定軸部材1
2a(軸部)と、その固定軸部材12aの上部に同軸状
に外嵌固定された環状板状の固定スラスト板12b(ス
ラスト板部)とを有してなる。固定軸体12には、回転
スリーブ部材18aと回転スラスト板18bからなる回
転スリーブ体18が外嵌されている。
【0048】回転スリーブ部材18aは、固定軸部材1
2aのうち固定スラスト板12bと基盤10との間の部
分にスリーブ嵌合したスリーブ部18a1と、スリーブ
部18a1の上端に下端が位置する大外径部18a2か
らなる。大外径部18a2の内径は、スリーブ部18a
1から上方に向かって、中内径部18a3及び大内径部
18a4へと順次拡径されている。この大内径部18a
4の下端部に回転スラスト板18bが内嵌固定されるこ
とにより、中内径部18a3の内周側に径方向内方開口
の環状のスラスト溝部20が形成され、このスラスト溝
部20が固定スラスト板12bに外嵌している。
【0049】固定軸部材12aにおける回転スラスト板
18bの上側には、環状板状のキャップ体22が外嵌固
定されている。固定軸体12は、下端部を基盤10に、
固定軸部材12aの上端部をハードディスク駆動装置の
蓋体(図示せず)等に固定することができるので、回転
スリーブ体18の安定的な回転を実現することができ
る。
【0050】回転スリーブ部材18aの大外径部18a
2には、下端外周部に径方向外方への張出部を有する強
磁性材料製の円筒状部材24が外嵌固定され、その円筒
状部材の下部には、円筒状のロータマグネット26が内
嵌固定され、ステータコア16と径方向空隙を隔てて相
対している。ロータは、回転スリーブ体18と円筒状部
材24とロータマグネット26からなる。
【0051】基盤10の上面における固定軸部材12a
の外周部は、環状凹部10aに形成されている。
【0052】固定軸部材12aの外径は、基盤10の上
側の下端部において下方に向かってテーパ状に縮径し、
スリーブ部18a1の内周面との間に、漸次間隙が拡大
する下端側間隙拡大部28が形成されている。回転スラ
スト板18bの下側内周部は、内方に向かって上向きに
傾斜し、固定スラスト板12bの上面との間に、漸次間
隙が拡大する上端側間隙拡大部30が形成されている。
固定軸体12と回転スリーブ体18との間隙には潤滑油
32が充填されており、この潤滑油32は、上端側界面
32a及び下端側界面32bがそれぞれ上端側間隙拡大
部30及び下端側間隙拡大部28に位置することによ
り、毛細管現象によって保持されている。回転スリーブ
部材18aの下端面及びそれと上下方向の比較的狭い空
隙を隔てて相対する基盤10の上面(環状凹部10aの
外周側の面)、並びに回転スラスト板18bの内周面及
びそれと径方向の比較的狭い空隙を隔てて相対する固定
軸部材12aの外周面には、潤滑油32のマイグレーシ
ョンを防ぐために撥油剤の塗布等の撥油手段が施されて
いる。
【0053】スリーブ部18a1の内周面の上部及び下
部に、それぞれ動圧発生用のへリングボーン溝部(へリ
ングボーン溝以外の動圧発生用溝を用いることもでき
る。)が設けられ、固定軸部材12aの外周面との間で
それぞれ上ラジアル軸受部34及び下ラジアル軸受部3
6が構成されている。スリーブ部18a1の内周面と固
定軸部材12aの外周面との間隙は、上下ラジアル軸受
部36において通常数μmであり、この上下ラジアル軸
受部34・36の間の部分の間隙は、固定軸部材12a
の外径がやや縮径されることにより、それよりも大きく
設定されている(通常約20μm)。
【0054】固定スラスト板12bの下面内周側に、潤
滑油貯留用環状溝部38を有し、この潤滑油貯留用環状
溝部38とスラスト溝部20の下面との間に、潤滑油貯
留間隙40(潤滑液貯留間隙)が形成されている。
【0055】固定スラスト板12bの上面外周側及び下
面外周側に、それぞれ動圧発生用のへリングボーン溝部
(へリングボーン溝以外の動圧発生用溝を用いることも
できる。)が設けられ、それぞれスラスト溝部20の上
面(回転スラスト板18bの下面)及びスラスト溝部2
0の下面との間に上スラスト軸受部42及び下スラスト
軸受部44が構成されている。
【0056】固定スラスト板12bとスラスト溝部20
との間隙は、上下スラスト軸受部42・44において通
常数μm程度である。潤滑油貯留間隙40における間隙
は、これよりも大きく、その間隙を形成する両面に接す
る状態で毛細管現象により潤滑油32が保持される厚さ
に設定されている。この厚さは、潤滑油の材質、粘度等
によって変るが、通常、約50μm程度とすることがで
きる。
【0057】固定スラスト板12bの内周部と固定軸部
材12aの外周面との間における180度中心角を隔て
た2個所に、呼吸孔46が上下に貫通している。呼吸孔
46の横断面は、底辺及び高さが約50μm程度の略三
角形状に形成されている。呼吸孔46の形状及びサイズ
は、呼吸孔46の内部を閉塞した状態で潤滑油32が毛
細管現象により保持されることが防がれるものであれば
これに限られるものではない。そのためには、呼吸孔4
6の横断面は、通常、この例の横断面サイズの程度以上
とすることが必要とされ、これよりも小さくすることは
できないことが多い。
【0058】潤滑油貯留間隙40には、例えば、図3及
び図4に示されるように潤滑油32中に気泡48又は気
体部分50が分散し、呼吸孔46の下端開口が臨む部分
が気体部分50となった状態で、潤滑油32と気泡48
又は気体部分50が混在し、潤滑油32はスラスト溝部
20の下面と固定スラスト板12bの下面の両面に接す
る状態で毛細管現象により保持される。
【0059】潤滑油貯留間隙40に貯留された潤滑油3
2は、固定軸体12と回転スリーブ体18との間隙に充
填された潤滑油32に連続している。また、上端側間隙
拡大部30、下端側間隙拡大部28及び潤滑油貯留間隙
40における相対する面の表面状態は実質的に同一であ
る。従って、下端側間隙拡大部28に位置する潤滑油3
2の下端側界面32bのスパンは、潤滑油貯留間隙40
の厚さに等しい程度に小さく維持され、下端側界面32
bからの潤滑油32のマイグレーションが防止される。
【0060】潤滑油32の上端側界面32aは、固定ス
ラスト板12bの上面とスラスト溝部20の上面との間
で径方向内方を向いているので、上端側界面32aから
の潤滑油32のマイグレーションは、回転スリーブ体1
8の回転による遠心力によって防止される。
【0061】潤滑油32中には、充填の際又はその後、
気泡48が混入し得る。しかしながら、潤滑油32に混
入した気泡48は、呼吸孔46を通じて、或いは上端側
界面32aから、外部に解放される。呼吸孔46の内部
を閉塞した状態で潤滑油32が毛細管現象により保持さ
れることが防がれるので、潤滑油32に混入した気泡4
8は、確実性高く外部に解放される。従って、温度上昇
や気圧低下等による混入気泡48の膨張により潤滑油3
2が漏出することが防がれる。また、気泡48の解放に
伴い呼吸孔46を通じて若干の潤滑油32が流出して
も、その潤滑油32は、回転スリーブ体18の回転によ
る遠心力により、潤滑油32の上端側界面32aから回
収され得る。
【0062】また、固定軸体12と回転スリーブ体18
との間隙に充填された潤滑油32は、蒸発や衝撃による
下端側界面32b又は上端側界面32aからの脱落等に
より減少することがある。その場合、潤滑油貯留間隙4
0から固定軸体12と回転スリーブ体18との間隙に潤
滑油32が補充され、潤滑油貯留間隙40には、その量
に見合った気体が、例えば呼吸孔46を通じて導入され
て気体部分50又は気泡48の量が大きくなる。
【0063】図5乃至図9は、本発明の別の実施の形態
の一例としての動圧流体軸受装置を備えた電動機につい
てのものであって、そのうち図5は要部断面図、図6
は、図5におけるVI−VI線要部断面図、図7は、図5に
おけるVII −VII 線要部断面図、図8は、図5における
VIII−VIII線要部断面図、図9は、図5におけるIX−IX
線要部拡大断面図である。
【0064】電動機の基盤10の嵌合孔に固定軸体62
の下端部(基端部)が嵌合固定されることにより、固定
軸体62が立設固定されている。
【0065】固定軸体62は、上下方向の固定軸部材6
2a(軸部)と、その固定軸部材62aの上部に同軸状
に外嵌固定された環状板状の固定スラスト板62b(ス
ラスト板部)とを有してなる。固定軸体62には、回転
スリーブ部材18aと回転スラスト板18bからなる回
転スリーブ体18が外嵌されている。
【0066】基盤10、ステータコイル14、ステータ
コア16、並びに回転スリーブ体18と円筒状部材24
とロータマグネット26からなるロータは、図1乃至図
4に記載された電動機と同様である。固定軸体62は、
下端部を基盤10に、固定軸部材62aの上端部をハー
ドディスク駆動装置の蓋体等に固定することができるの
で、回転スリーブ体18の安定的な回転を実現すること
ができる。
【0067】固定軸部材62aの外径は、基盤10の上
側の下端部において下方に向かってテーパ状に縮径し、
スリーブ部18a1の内周面との間に、漸次間隙が拡大
する下端側間隙拡大部28が形成されている。
【0068】固定軸部材62aの内部には、その固定軸
部材62aと同軸状に、上端から下部に至る一定半径の
円柱形状穴62cが設けられ、その円柱形状穴62cに
は、柱状部材62dが嵌合している。柱状部材62dの
下端部及び上部は、円柱形状穴62c内に密に嵌合し、
中間部の外周は、下端の全周が円柱形状穴62cよりも
やや小径の円周面に形成され、それよりも上方の部分
は、過半周が円柱形状穴62cよりもやや小径の円周面
に形成され、残部は切欠部に形成された、横断面弓形状
部62d1をなす。これにより、柱状部材62dの横断
面弓形状部62d1における円周面と円柱形状穴62c
の内周面との間に、潤滑油貯留間隙64(潤滑液貯留間
隙)が形成されており、横断面弓形状部62d1におけ
る切欠面と円柱形状穴62cの内周面との間に、気室6
6が形成されている。潤滑油貯留間隙64は、下端部を
除き、横断面略C字形状で軸心方向に連続し、その軸心
方向に連続した両端部は何れも、軸心方向に連続した気
室66に臨んでいる。潤滑油貯留間隙64の下端部は環
状をなし、その一部が、上方の気室66に臨んでいる。
潤滑油貯留間隙64における間隙は、その間隙を形成す
る両面に接する状態で毛細管現象により潤滑油32が保
持される厚さに設定されている。この厚さは、通常、約
50μm程度以下とすることができる。なお、潤滑油貯
留間隙及び気室は、これ以外の形状とすることもでき
る。
【0069】固定軸体62と回転スリーブ体18との間
隙には潤滑油32が充填されており、この潤滑油32
は、上端側界面32a及び下端側界面32bがそれぞれ
上端側間隙拡大部30及び下端側間隙拡大部28に位置
することにより、毛細管現象によって保持されている。
回転スリーブ部材18aの下端面及びそれと上下方向の
比較的狭い空隙を隔てて相対する基盤10の上面(環状
凹部10aの外周側の面)、並びに回転スラスト板18
bの内周面及びそれと径方向の比較的狭い空隙を隔てて
相対する固定軸部材62aの外周面には、潤滑油32の
マイグレーションを防ぐために撥油剤の塗布等の撥油手
段が施されている。
【0070】スリーブ部18a1の内周面の上部及び下
部に、それぞれ動圧発生用のへリングボーン溝部(へリ
ングボーン溝以外の動圧発生用溝を用いることもでき
る。)が設けられ、固定軸部材62aの外周面との間で
それぞれ上ラジアル軸受部68及び下ラジアル軸受部7
0が構成されている。下ラジアル軸受部70の動圧発生
用のへリングボーン溝部は、回転スリーブ体18の回転
に伴いそのへリングボーン溝部により潤滑油32に発生
する動圧の軸心方向における中心が、その下ラジアル軸
受部70の軸心方向における中心よりも上寄りになるよ
う設けられている。スリーブ部18a1の内周面と固定
軸部材62aの外周面との間隙は、上下ラジアル軸受部
68・70において通常数μmであり、この上下ラジア
ル軸受部68・70の間の部分の間隙は、固定軸部材6
2aの外径がやや縮径されることにより、それよりも大
きく設定されている(通常約20μm)。
【0071】固定スラスト板62bの下面内周側には、
略三日月形状をなす間隙形成溝部72を有し、この間隙
形成溝部72とスラスト溝部20の下面との間に、略三
日月形状をなす間隙部74が形成されている。この間隙
部74の内周部は、固定軸部材62aのうち固定スラス
ト板62bの下端側の部分の外周面に沿い、間隙部74
の外周部は、その外周面に外接すると共にその外周面よ
りも径が大きい円周に沿う。
【0072】固定スラスト板62bの上面外周側及び下
面外周側には、それぞれ動圧発生用のへリングボーン溝
部(へリングボーン溝以外の動圧発生用溝を用いること
もできる。)が設けられ、それぞれスラスト溝部20の
上面(回転スラスト板18bの下面)及びスラスト溝部
20の下面との間に上スラスト軸受部76及び下スラス
ト軸受部78が構成されている。
【0073】固定スラスト板62bとスラスト溝部20
との間隙は、上下スラスト軸受部76・78において通
常数μm程度である。略三日月形状の間隙部74におけ
る間隙の厚さは、これよりも大きく設定されている。そ
の厚さは、上下両面に跨る状態で毛細管現象により潤滑
油32が保持されることがない大きさであり、間隙部7
4における内周部と外周部の最大距離も、内周部と外周
部に跨る状態で毛細管現象により潤滑油32が保持され
ることがない距離に設定されている。例えば図7に示さ
れるような状態で、間隙部74のうち内周部と外周部が
接する位置を中心とした両側における内周部と外周部の
間に、毛細管現象により潤滑油32が保持され、略三日
月形状の間隙部74のうち潤滑油32が保持された部分
以外の部分が空隙部80を構成している。間隙部74に
保持された潤滑油32は、固定軸体62と回転スリーブ
体18との間隙に充填された潤滑油32に実質上連続し
ている。
【0074】固定スラスト板62bの内周部と固定軸部
材62aの外周面との間に、呼吸孔82が上下に貫通し
ている。呼吸孔82の上端開口は、潤滑油32の上端側
界面32aの径方向内方に開口し、呼吸孔82の下端開
口は、間隙部74における内周部と外周部の間が最大距
離を有する箇所の空隙部80に開口している。気室66
の上端部は、その空隙部80と通気孔84を介して通
じ、呼吸孔82の下端開口にも通じている。呼吸孔82
の横断面は、底辺及び高さが約50μm程度の略三角形
状に形成されている。呼吸孔82及び通気孔84の形状
及びサイズは、呼吸孔82及び通気孔84の内部を閉塞
した状態で潤滑油32が毛細管現象により保持されるこ
とが防がれるものされており、そのように設定すること
が好ましいが、これに限られるものではない。呼吸孔8
2の横断面は、通常、この例の横断面サイズの程度以上
とされることが多い。呼吸孔82及び通気孔84は、2
以上設けることもできる。
【0075】なお、固定スラスト板62bの下面とスラ
スト溝部20の下面との間隙のうち内周側には、略三日
月形状であると否とを問わず、固定軸部材62a内の気
室66に連通すると共に呼吸孔82の下端側が開口する
空隙部と、固定軸部材62aとスリーブ部18a1との
間隙に保持された潤滑油32に実質上連続する潤滑油3
2が保持された部分とを有することが望ましい。その空
隙部の厚さは、その両面に跨る状態で毛細管現象により
潤滑油32が保持されることがない大きさの間隙とする
ことが望ましい。
【0076】下ラジアル軸受部70の上側における18
0度中心角を隔てた2個所に、固定軸部材62aの外周
と潤滑油貯留間隙64の下端部とを連通する第1連通孔
86及び第2連通孔88が設けられている。この連通孔
は3以上とすることもできる。また、潤滑油貯留間隙6
4の上端部と略三日月形状の間隙部74のうち潤滑油3
2が保持された部分が、第3連通孔90により連通して
いる。この連通孔は2以上とすることもできる。
【0077】潤滑油貯留間隙64には、気室66側に端
部(界面)を有する状態で潤滑油32が毛細管現象によ
り保持されている。潤滑油貯留間隙64のうち下端部を
除く横断面略C字形状部分には、軸心方向に連続した両
端部が気室66に臨んだ状態で比較的多量の潤滑油32
が毛細管現象により保持されている。潤滑油貯留間隙6
4に保持された潤滑油32中には、例えば図9に示され
るように気泡48が分散した状態となることもある。な
お、図9(a)は、潤滑油貯留間隙64に保持された潤
滑油32の端部(界面)が潤滑油貯留間隙64が気室6
6に臨む位置にある状態を示し、図9(b)は、潤滑油
32の端部がそれよりも後退した状態を示す。
【0078】潤滑油貯留間隙64に貯留された潤滑油3
2は、固定軸体62と回転スリーブ体18との間隙に充
填された潤滑油32に連続している。また、上端側間隙
拡大部30、下端側間隙拡大部28及び潤滑油貯留間隙
64における相対する面の表面状態は実質的に同一であ
る。従って、下端側間隙拡大部28に位置する潤滑油3
2の下端側界面32bのスパンは、潤滑油貯留間隙64
の厚さに等しい程度に小さく維持され、下端側界面32
bからの潤滑油32のマイグレーションが防止される。
【0079】更に、回転スリーブ体18の回転に伴い下
ラジアル軸受部70のへリングボーン溝部により潤滑油
32に発生する動圧の軸心方向における中心が下ラジア
ル軸受部70の軸心方向における中心よりも上寄りにな
るので、図5(b)に示されるように潤滑油32の下端
側界面32bが引き上げられ、その分、潤滑油貯留間隙
64内の潤滑油32が増加する。
【0080】潤滑油32の上端側界面32aは、固定ス
ラスト板62bの上面とスラスト溝部20の上面との間
で径方向内方を向いているので、上端側界面32aから
の潤滑油32のマイグレーションは、回転スリーブ体1
8の回転による遠心力によって防止される。
【0081】潤滑油32中には、充填の際又はその後、
気泡48が混入し得る。しかしながら、潤滑油32に混
入した気泡48は、呼吸孔82を通じて、或いは上端側
界面32aから、外部に解放される。回転スリーブ体1
8の回転に伴い下端側界面32bが引き上げられるの
で、下端側界面32bから潤滑油32中に気泡48が混
入し易くなるが、混入した気泡48は、下ラジアル軸受
部70、上ラジアル軸受部68及び空隙部80を経、呼
吸孔82を通じて外部に解放されるほか、下ラジアル軸
受部70の上側の第1連通孔86及び第2連通孔88を
通じ、潤滑油貯留間隙64を経て気室66に解放される
こととなり易い。従って、温度上昇や気圧低下等による
混入気泡48の膨張により潤滑油32が漏出することが
防がれる。また、気泡48の解放に伴い呼吸孔82を通
じて若干の潤滑油32が流出しても、その潤滑油32
は、回転スリーブ体18の回転による遠心力により、潤
滑油32の上端側界面32aから回収され得る。
【0082】固定軸体62と回転スリーブ体18との間
隙に充填された潤滑油32は、蒸発や衝撃による下端側
界面32b又は上端側界面32aからの脱落等により減
少することがある。その場合、潤滑油貯留間隙64から
回転スリーブ部材18aのスリーブ部18a1と固定軸
部材62aとの間隙又はスラスト溝部20と固定スラス
ト板62bとの間隙に、第1連通孔86、第2連通孔8
8及び第3連通孔90を通じて潤滑油貯留間隙64から
潤滑油32が補充され、潤滑油貯留間隙64には、その
量に見合った気体が、例えば呼吸孔82、空隙部80、
通気孔84及び気室66を通じて導入され、気体の領域
又は気泡48の量が大きくなる。
【0083】図10は、本発明の更に別の実施の形態の
一例としての動圧流体軸受装置についての要部拡大横断
面図、図11は、本発明の更に別の実施の形態の一例と
しての動圧流体軸受装置についての要部拡大横断面図で
ある。
【0084】これらの例は、図5に示す例における円柱
形状穴62c(断面形状は円形に限らない)を第1連通
孔86及び第2連通孔88よりも下方までは設けず、そ
の円柱形状穴62c内に、潤滑油貯留間隙92(潤滑液
貯留間隙)を形成するための板状体94を横断面略C字
形状をなす状態で配装したものである。この板状体94
の軸心方向の長さは第1連通孔86及び第2連通孔88
と通気孔84の間の長さに一致し、周方向の長さは円柱
形状穴62cの周方向長さよりも短い。板状体94の外
周面には、潤滑油貯留間隙92の厚さに対応する高さの
突起94aが、潤滑油32(潤滑液)の流動を妨げない
程度に万遍なく設けられている。この突起94aは、エ
ンボス加工により形成することもできる。また、この突
起は、図11に示すような突条94bであってもよい。
これにより、板状体94の外周面と円柱形状穴62cの
内周面の間に横断面略C字形状の潤滑油貯留間隙92を
形成すると共に、板状体94の内周面と円柱形状穴62
cの内周面の間に気室66を形成することができる。円
柱形状穴62cのうち通気孔84よりも上方の部分は、
適宜の閉塞部材により閉塞することができる。なお、円
柱形状穴は、固定軸体62の下端から上向きに設けるこ
ともできる。
【0085】円柱形状穴62c内への板状体94の配装
は、平板状の板状体94又は円柱形状穴62cの内周よ
りも曲率の小さい板状体94を、円柱形状穴62cの内
周よりも小さくまるめて円柱形状穴62c内に挿入し、
その板状体94自体の弾性により拡開させて円柱形状穴
62cの内周面に沿った横断面略C字形状に形成させる
ことも可能である。
【0086】なお、以上の実施の形態についての記述に
おける上下位置関係は、単に図に基づいた説明の便宜の
ためのものであって、実際の使用状態等を限定するもの
ではない。
【0087】
【発明の効果】本発明の動圧流体軸受装置においては、
固定軸体をその両端部において固定することができるの
で、回転スリーブ体の安定的な回転を実現することがで
きる。
【0088】軸体と回転スリーブ体との間隙に充填され
た潤滑液の先端側界面は径方向内方を向いているので、
先端側界面からの潤滑液のマイグレーションが回転スリ
ーブ体の回転による遠心力によって防止され、基端側界
面からの潤滑液のマイグレーションは、基端側界面のス
パンが潤滑液貯留間隙の厚さに等しい程度に小さく維持
されることにより防止される。
【0089】また、潤滑液に混入した気泡は呼吸孔を通
じ外部に解放されるので、温度上昇や気圧低下等による
気泡の膨張による潤滑液の漏出が防がれ、気泡の解放に
伴い若干の潤滑液が流出しても、回転スリーブ体の回転
による遠心力により潤滑液の先端側界面から回収され得
る。
【0090】軸体と回転スリーブ体との間隙に充填され
た潤滑液が減少すると、潤滑液貯留間隙から潤滑液が補
充され、潤滑液不足により回転スリーブ体の回転が不安
定になったりラジアル軸受部及びスラスト軸受部が損傷
すること等の不都合が防がれる。
【0091】請求項2の動圧流体軸受装置においては、
呼吸孔の内部を閉塞した状態で潤滑液が毛細管現象によ
り保持されることが防がれるので、潤滑液に混入した気
泡は、呼吸孔を通じて確実性高く外部に解放され、温度
上昇や気圧低下等による気泡の膨張による潤滑液の漏出
がより効果的に防がれる。
【0092】請求項3の動圧流体軸受装置では、潤滑液
貯留間隙に潤滑液と気泡又は気体部分が混在し、スラス
ト溝部の基端側の面とスラスト板部の基端側の面の両面
に接する状態でその潤滑液貯留間隙に潤滑液が毛細管現
象により保持され、潤滑液の基端側界面のスパンが潤滑
液貯留間隙の厚さに等しい程度に小さく維持されること
により基端側界面からの潤滑液のマイグレーションが防
止される。
【0093】請求項4の動圧流体軸受装置では、潤滑液
に混入した気泡は、呼吸孔の基端側開口が潤滑液貯留間
隙に臨んだ気体部分を介して呼吸孔内に達し、呼吸孔の
先端側開口を通じて外部に解放されるので、温度上昇や
気圧低下等による気泡の膨張による潤滑液の漏出がより
効果的に防がれる。基端側界面からの潤滑液のマイグレ
ーションは、基端側界面のスパンが呼吸孔の基端側開口
が直接通じる気体部分に臨む潤滑液貯留間隙内の潤滑液
のスパンにほぼ等しい程度に小さく維持されることによ
って防止される。
【0094】請求項5の動圧流体軸受装置では、潤滑液
に混入した気泡の一部は、潤滑液貯留間隙内の潤滑液か
ら、呼吸孔の基端側開口に通じる気室に解放され、他の
混入気泡は気室を経ずに呼吸孔から外部へ解放されるの
で、温度上昇や気圧低下等による気泡の膨張による潤滑
液の漏出が効果的に防がれる。基端側界面からの潤滑液
のマイグレーションは、基端側界面のスパンが軸体内の
気室に臨む潤滑液貯留間隙内の潤滑液のスパンにほぼ等
しい程度に小さく維持されることによって防止される。
【0095】軸体と回転スリーブ体との間隙に充填され
た潤滑液が減少すると、軸体内の潤滑液貯留間隙から潤
滑液が補充され、潤滑液不足により回転スリーブ体の回
転が不安定になったりラジアル軸受部及びスラスト軸受
部が損傷すること等の不都合が防がれる。
【0096】請求項6の動圧流体軸受装置では、軸体と
回転スリーブ体との間隙に充填された潤滑液が減少する
と、軸体内の潤滑液貯留間隙から基端側のラジアル軸受
部の先端側の部分に潤滑液が補充される。潤滑液に混入
した気泡は、先端側のラジアル軸受部を経て呼吸孔を通
じ外部に解放されるほか、気泡導出孔を通じて軸体内の
気室に解放されるので、温度上昇や気圧低下等による気
泡の膨張による潤滑液の漏出が効果的に防がれる。
【0097】請求項7記載の動圧流体軸受装置の回転ス
リーブ体が回転すると、軸体と回転スリーブ体との間隙
に充填された潤滑液の基端側界面が先端側へ移動するの
で、基端側界面からの潤滑液のマイグレーションが極め
て効果的に防止される。
【0098】また、回転スリーブ体が回転すると、軸体
と回転スリーブ体との間隙に充填された潤滑液の基端側
界面が先端側へ移動するので、基端側界面からの潤滑液
のマイグレーションが極めて効果的に防止される。それ
により潤滑液に混入した気泡は、先端側のラジアル軸受
部を経て呼吸孔を通じ外部に解放されるほか、連通孔を
通じて軸体内の気室に解放され易いので、温度上昇や気
圧低下等による気泡の膨張による潤滑液の漏出が効果的
に防がれる。
【0099】請求項8の動圧流体軸受装置では、軸体と
回転スリーブ体との間隙に充填された潤滑液以外に、比
較的多量の潤滑液が潤滑液貯留間隙内に貯留されるの
で、長期にわたる使用により軸体と回転スリーブ体との
間隙に充填された潤滑液の総減少量が多くなっても、軸
体内の潤滑液貯留間隙から補充される潤滑液が尽きるこ
とが生じ難く、潤滑液不足により回転スリーブ体の回転
が不安定になったりラジアル軸受部及びスラスト軸受部
が損傷すること等の不都合が長期にわたり防がれる。
【0100】本発明の電動機においては、固定軸体をそ
の両端部において固定することができるので、ロータの
安定的な回転を実現することができる。
【0101】軸体とロータの回転スリーブ体との間隙に
充填された潤滑液の先端側界面は径方向内方を向いてい
るので、先端側界面からの潤滑液のマイグレーションが
ロータの回転による遠心力によって防止され、基端側界
面からの潤滑液のマイグレーションは、基端側界面のス
パンが潤滑液貯留間隙の厚さに等しい程度に小さく維持
されることにより防止される。
【0102】また、潤滑液に混入した気泡は呼吸孔を通
じ外部に解放されるので、温度上昇や気圧低下等による
気泡の膨張による潤滑液の漏出が防がれ、気泡の解放に
伴い若干の潤滑液が流出しても、ロータの回転による遠
心力により潤滑液の先端側界面から回収され得る。
【0103】軸体とロータの回転スリーブ体との間隙に
充填された潤滑液が減少すると、潤滑液貯留間隙から潤
滑液が補充され、潤滑液不足によりロータの回転が不安
定になったりラジアル軸受部及びスラスト軸受部が損傷
すること等の不都合が防がれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】動圧流体軸受装置を備えた電動機の要部断面図
である。
【図2】図1におけるII−II線要部断面図である。
【図3】図1におけるIII −III 線要部断面図である。
【図4】図3におけるIV−IV線要部拡大断面図である。
【図5】別の動圧流体軸受装置を備えた電動機の要部断
面図である。
【図6】図5におけるVI−VI線要部断面図である。
【図7】図5におけるVII −VII 線要部断面図である。
【図8】図5におけるVIII−VIII線要部断面図である。
【図9】図5におけるIX−IX線要部拡大断面図である。
【図10】更に別の動圧流体軸受装置の要部拡大横断面
図である。
【図11】更に別の動圧流体軸受装置の要部拡大横断面
図である。
【図12】従来の電動機の断面図である。
【符号の説明】 12 固定軸体 12a 固定軸部材 12b 固定スラスト板 18 回転スリーブ体 18a 回転スリーブ部材 18b 回転スラスト板 20 スラスト溝部 32 潤滑油 34 上ラジアル軸受部 36 下ラジアル軸受部 40 潤滑油貯留間隙 46 呼吸孔

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸部とその軸部から径方向外方へ張り出し
    たスラスト板部とを有してなる固定軸体に対し、前記軸
    部のうちスラスト板部よりも基端側の部分にスリーブ嵌
    合したスリーブ部と前記スラスト板部に外嵌した径方向
    内方開口の環状のスラスト溝部とを有してなる回転スリ
    ーブ体が、前記軸体と回転スリーブ体との間隙に充填さ
    れた潤滑液を介し、主に軸部とスリーブ部が相対するラ
    ジアル軸受部及びスラスト溝部とスラスト板部が相対す
    るスラスト軸受部において、回転自在に支持されてなる
    動圧流体軸受装置であって、前記潤滑液は先端側及び基
    端側に界面を有する状態で連続し、そのうち先端側界面
    は前記スラスト板部の先端側の面とスラスト溝部の間の
    径方向内方に向かって漸次間隙が拡大する先端側間隙拡
    大部に位置して径方向内方を向き、基端側界面は軸部と
    スリーブ部の間の基端側に向かって漸次間隙が拡大する
    基端側間隙拡大部に位置し、前記ラジアル軸受部及びス
    ラスト軸受部よりも間隙の厚さが大きく、その間隙を形
    成する両面に接する状態で毛細管現象により潤滑液が保
    持される潤滑液貯留間隙に、前記潤滑液に連続する潤滑
    液の一部が貯留され、前記軸体は、先端側開口が、スラ
    スト板部の先端側の面とスラスト溝部の先端側の面との
    間隙のうち潤滑液の先端側界面よりも径方向内方の部分
    又はその先端側界面の径方向外方の近傍部に開口し、基
    端側開口が、直接又は気室を介して前記潤滑液貯留部に
    通じた呼吸孔を有することを特徴とする動圧流体軸受装
    置。
  2. 【請求項2】呼吸孔が、その内部を閉塞した状態で潤滑
    液が毛細管現象により保持されることが防がれる横断面
    サイズである請求項1記載の動圧流体軸受装置。
  3. 【請求項3】スラスト溝部の基端側の面とスラスト板部
    の基端側の面との間隙のうち内周側の部分に潤滑液貯留
    間隙を有する請求項1又は2記載の動圧流体軸受装置。
  4. 【請求項4】呼吸孔の基端側開口が潤滑液貯留間隙に直
    接通じ、その潤滑液貯留間隙のうち、少なくとも前記基
    端側開口が臨む部分が気体で占められている請求項3記
    載の動圧流体軸受装置。
  5. 【請求項5】軸体内に潤滑液貯留間隙及び気室を有し、
    その潤滑液貯留間隙の端部が前記気室に臨んでおり、そ
    の気室は呼吸孔の基端側開口に通じている請求項1又は
    2記載の動圧流体軸受装置。
  6. 【請求項6】軸心方向の複数個所にラジアル軸受部を有
    し、軸部とスリーブ部の間隙のうち基端側のラジアル軸
    受部の先端側の部分と軸体内の潤滑液貯留間隙が、連通
    孔により連通している請求項5記載の動圧流体軸受装
    置。
  7. 【請求項7】基端側のラジアル軸受部に動圧発生溝部を
    有し、回転スリーブ体の回転に伴いその動圧発生溝部に
    より潤滑液に発生する動圧の軸心方向における中心が、
    そのラジアル軸受部の軸心方向における中心よりも先端
    側寄りである請求項6記載の動圧流体軸受装置。
  8. 【請求項8】軸体内の潤滑液貯留間隙、気室、及びその
    気室に臨む前記潤滑液貯留間隙の端部が、それぞれ軸心
    方向に連続する請求項5、6又は7記載の動圧流体軸受
    装置。
  9. 【請求項9】スラスト溝部の基端側の面とスラスト板部
    の基端側の面との間隙のうち内周側に、軸体内の気室に
    連通すると共に呼吸孔の基端側が開口する空隙部と、軸
    部とスリーブ部との間隙に保持された潤滑液に実質上連
    続する潤滑液が保持された部分とを有する請求項5、
    6、7又は8記載の動圧流体軸受装置。
  10. 【請求項10】軸体内の潤滑液貯留間隙が、スラスト溝
    部の基端側の面とスラスト板部の基端側の面との間隙の
    内周側のうち、軸部とスリーブ部との間隙に保持された
    潤滑液に実質上連続する潤滑液が保持された部分と連通
    している請求項9記載の動圧流体軸受装置。
  11. 【請求項11】スラスト溝部の基端側の面とスラスト板
    部の基端側の面との間に、内周部が、軸部のうちスラス
    ト板部の基端側の部分の外周面に沿い、外周部が、その
    外周面に外接すると共にその外周面よりも径が大きい円
    周に沿う略三日月形状をなす間隙部を有し、その間隙部
    の厚さは、その間隙部よりも径方向外方に位置するスラ
    スト軸受部における間隙の厚さよりも大きく、その間隙
    部のうち前記内周部と外周部が接する位置を中心とした
    両側における内周部と外周部の間に、毛細管現象により
    潤滑液が保持され、前記間隙部のうち潤滑液が保持され
    た部分以外の部分が空隙部を構成する請求項9又は10
    記載の動圧流体軸受装置。
  12. 【請求項12】請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10又は11記載の動圧流体軸受装置を備え、
    回転スリーブ体がロータとして回転する電動機。
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