JPH10237999A - 建築構造および建築用床パネル - Google Patents

建築構造および建築用床パネル

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JPH10237999A
JPH10237999A JP9317182A JP31718297A JPH10237999A JP H10237999 A JPH10237999 A JP H10237999A JP 9317182 A JP9317182 A JP 9317182A JP 31718297 A JP31718297 A JP 31718297A JP H10237999 A JPH10237999 A JP H10237999A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築構造あるいは建築用床パネルとして、断
熱性や防音性に優れ、調湿機能や脱臭機能をも有し、高
湿環境でも断熱性等の性能が低下しないようにする。 【解決手段】 繊維質材料と、繊維質材料間に分散して
配置され調湿性および/または防臭性を有する添加材と
を含む繊維質層14と、繊維質層14を支持する表面板
材10などの板材層とを備える床パネルなどで構成され
る建築構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築構造および建
築用床パネルに関し、詳しくは、一般住宅等の各種建築
物の床面や天井面、壁面などを構成する建築構造と、床
面を構成するのに用いられる建築用床パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の床面を構成する部材として、床
面の表面側を構成する表面板材と、その裏面に施工され
て断熱や防音を果たすロックウール等からなる繊維質層
とが積層一体化された床パネルがある。建築物の根太組
等の上に床パネルを敷き詰めて施工する。
【0003】このような建築用床パネルは、予め工場生
産しておくことができるので品質性能の安定したものが
得られ、建築現場で敷設するだけで施工が完了するので
施工能率が向上するなどの数多くの利点を有しており、
広く利用されるようになってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】建築用床パネルを構成
する繊維質層は、断熱性や防音性には非常に優れている
が、湿気を吸いやすく、この吸湿によって、断熱性や防
音性が低下してしまうという問題がある。近年、建築材
料や建築工法の変化により、建築物の密閉性が従来より
も高くなっている。前記した繊維質層を有する建築用床
パネルを密閉性の高い空間に施工した場合には、この空
間に侵入した水分や湿気が繊維質層に吸収されてなかな
か放出されないため、建築用床パネルの断熱性や防音性
が長期間低下してしまう。また、繊維質層に吸収された
湿気が、建築物内外の気温差により凝縮して結露を生
じ、カビの発生、建材の腐朽や虫食いの原因となる。特
に、建材に鋼材を用いていると、湿気による錆発生が生
じ易くなる。
【0005】また、密閉性の高い空間では、換気がなさ
れにくいため、各種臭いが混ざり合って異臭を生じる。
さらに別の問題として、前記したような繊維質層は、表
面板材との接合が十分でなく、輸送保管等の取り扱い中
あるいは施工後に経時とともに繊維質層が表面板材から
分離してしまい易いという問題がある。繊維質層が表面
板材から局部的にでも分離すると、前記した断熱性や防
音性も損なわれる。特に、通常、繊維質層は接着剤など
で表面板材に接合されているので、前記した繊維質層の
吸湿によって接着剤の機能が低下し、繊維質層が表面板
材から分離し易くなる。大量の吸湿をして重くなった繊
維質層は余計に表面板材から剥がれて垂れ下がってしま
い易い。
【0006】上記のような問題は、建築用床パネルに限
らず、床面や天井、壁に繊維質層を含む建築構造を構築
する場合にも起こることである。本発明の課題は、前記
建築用床パネルあるいは一般的な建築構造として、断熱
性や防音性に優れるとともに、調湿機能や脱臭機能をも
有し、高湿環境でも断熱性等の性能が低下しないように
することである。別の課題として、建築用床パネルの構
成部材である繊維質層が表面体材と分離することを阻止
して、床パネルとしての機能が低下するのを防ぐことに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】 〔建築構造〕本発明の建築構造は、繊維質層と板材層と
を備える。繊維質層は、繊維質材料と、繊維質材料間に
分散して配置され調湿性および/または防臭性を有する
添加材とを含む。板材層は、繊維質層を支持する。
【0008】各構成要件について具体的に説明する。繊
維質層は、ロックウールその他、通常の建築材料に利用
されている繊維質材料を主成分とする。ロックウールは
防火性に優れている。添加材は、調湿性や防臭性に優れ
ていれば、その形態は粉粒体のほか、繊維状物、液体そ
の他の形態でもよい。粉粒体は、繊維質材料に分散した
状態で含有させ易い。
【0009】添加材として炭化物を用いれば、調湿性や
防臭性などが良好である。炭化物として、木材のほか、
食品、パルプ、紙などの各種廃棄物、その他の木質系材
料を炭化処理したものが用いられる。炭化物として有害
性の少ないものが好ましく、食品廃棄物の炭化物は安全
性に優れている。食品廃棄物として、コーヒー、茶、お
から、食物等が使用できる。
【0010】添加材として無機物を用いれば、居住者に
対する安全性などに優れている。無機物として、セピオ
ライト、ゼオライト、珪藻土、多孔質珪石などの天然鉱
物、あるいは、人工的に製造された無機材料が使用でき
る。添加材が、平均粒径0.1〜7mmの範囲のものであ
れば、繊維質材料からの脱落が少なく繊維質層に確実に
保持され易い。
【0011】板材層は、通常の建築構造に利用されてい
る板材料が用いられ、木質系板材や無機質材料系板材、
樹脂材料系板材などが挙げられる。板材層が木質系ボー
ドであれば、加工性が良く、繊維質層への通気性も良好
になる。繊維質層が、添加材が分散された繊維質材料
を、合成樹脂や紙、編織布、不織布などからなる袋材に
収容してなるものであれば、繊維質材料や添加材が散逸
するのを防止でき、運搬保管などの取扱いが容易で、繊
維層を板材層などに固定する作業がステップルなどを用
いて容易に行える。袋材は、通気性に優れたものが好ま
しい。
【0012】繊維質層が、繊維質材料の片面に積層され
た通気性シートをさらに含んでいれば、繊維質材料がバ
ラバラにならず、運搬や保管および施工の取扱いが容易
である。建築構造としては、建築物を構成する床、天井
あるいは壁面の任意の構造部分に適用することができ
る。床あるいは天井の場合は、室内に露出する側に板材
層を配置して、床下空間あるいは屋根裏空間に繊維質層
が配置されるのが好ましい。壁面の場合には、繊維質層
の両面に板材層を配置しておいたり、繊維質層の片面に
備えた板材層を室内側に配置し繊維質層を壁内空間側に
配置したりすることができる。
【0013】本発明を床面構造に適用した場合、床下空
間の湿度を低くして、床下構造を構成する木材の腐れ
や、白蟻等の食害を防止することができる。一般に、木
材の含水率が20%以下であれば、やまと白蟻の食害は
ほとんどないとされている。建築構造に鉄や鋼などの金
属材料が含まれている場合にも、80%以下の湿度であ
れば促錆性が低くなり錆難いとされている。
【0014】さらに、近年、エアーサイクル住宅が開発
され、床下空気を居室内にファンで取り入れることがあ
る。この場合には、床下空気の清浄化が要求され、吸湿
と同時に脱臭やガスの吸着除去も必要になり、本発明の
建築構造が有用である。なお、床面材からなる板材層の
裏面に繊維質層が配置されていれば、繊維質層が床下の
土壌に接することがないため、土壌の水分を吸着あるい
は吸水することが防げ、調湿性あるいは防臭性を長期間
にわたって良好に発揮できる。
【0015】次に、上記したような床面の建築構造を構
成するための建築用床パネルについて説明する。 〔建築用床パネル〕本発明の建築用床パネルは、建築物
の床面を構成する建築用床パネルであって、表面に配置
される表面板材と、表面板材の背面外周に配置される外
周枠材と、表面板材の背面で外周枠材の内側に配置され
る厚板状の繊維質層とを備え、繊維質層が、繊維質材料
と、繊維質材料間に分散して配置された粉粒炭および/
または粉粒炭以外の無機多孔質粉粒体と、粉粒炭および
/または粉粒炭以外の無機多孔質粉粒体ならびに繊維質
材料を結合する結合材とを含む。
【0016】各構成要件について具体的に説明する。な
お、基本的な構成については、前記建築構造に関する説
明がそのまま適用できる。また、以下に説明する建築用
床パネルの構成は、建築用床パネルを含む一般的な建築
構造にも適用できる。表面板材は、木材その他の通常の
床パネルと同様の材料が用いられる。外周枠材は、木材
等の通常の建築パネルにおける枠材料が用いられるが、
鋼材を用いると強度等の点で好ましい。また、本発明で
は、繊維質層の調湿機能により、湿気が外周枠材に溜ま
ることが防げるので、鋼材を用いても錆の問題が生じ難
い。
【0017】外周枠材は、単なる角材状あるいは棒状の
ものであってもよいし、形鋼材のように、強度と軽量性
を考慮した断面形状を有するものであってもよい。外周
枠材が、その下部に内側に向けて延びる水平なフランジ
部を有していれば、このフランジ部の上に繊維質層の外
周部分を載置しておくことで、繊維質層を安定して配置
しておくことができる。繊維質層が吸湿して表面板材か
ら分離しようとしても、外周枠材のフランジ部に載置さ
れていれば、分離あるいは脱落を防ぐことができる。フ
ランジ部を有する外周枠材の具体例として、I形鋼やC
形鋼が挙げられる。
【0018】繊維質層は、ロックウールその他、通常の
建築材料に利用されている繊維質材料を主成分とする。
ロックウールは防火性に優れている。繊維質層の厚み
は、目的や要求性能によって適宜に設定される。通常
は、外周枠材の厚みと同じか少し薄い程度に設定され
る。粉粒炭および/または粉粒炭以外の無機多孔質粉粒
体(以下、「粉粒炭以外の無機多孔質粉粒体」を単に
「無機多孔質粉粒体」と言う。)は、繊維質層を製造時
に結合材とともに繊維質材料に混合しておけば、繊維質
層の成形製造とともに繊維質材料の中に分散して配置さ
れ、繊維質材料および粉粒炭、無機多孔質粉粒体が結合
材で一体結合された状態になる。
【0019】結合材は、通常の繊維質建築材料における
結合剤として用いられているものと同様の材料が用いら
れる。無機多孔質粉粒体としては、珪藻土等の吸放湿性
に優れた材料が好ましい。無機多孔質粉粒体として、平
均細孔半径が20〜100Å、比表面積が20〜200
m2/gのものが好ましい。
【0020】粉粒体としては、平均細孔半径が1.5〜
100Å、比表面積が50〜600m2/gのものが好ま
しい。粉粒炭と無機多孔質粉粒体とを併用する場合、粉
粒炭の割合が、この粉粒炭と無機多孔質粉粒体の合計量
に対して20〜80重量%が好ましい。粉粒体および無
機多孔質粉粒体が、それぞれ、日本工業規格Z8801
で規定する5mmの篩を通過するものが好ましい。
【0021】無機多孔質粉粒体として、平均細孔半径が
20〜50Åのものであれば、粉粒炭を用いず、無機多
孔質粉粒体だけでも、良好な吸放湿機能が発揮できる。
本発明の建築用床パネルは、表面板材の背面に配置され
た繊維質層は、軽量でありながら断熱性および防音性に
優れている。繊維質層に含まれる粉粒炭および/または
無機多孔質粉粒体は、吸放湿性に優れており、床下空間
の調湿を図ることができる。その結果、繊維質材料の吸
湿による断熱性や防音性の低下が生じ難い。床下空間に
おけるカビの発生や建材の腐朽等の問題が低減される。
また、臭いを吸着して防臭効果を発揮するので、悪臭の
発生が防止できる。繊維質層が外周枠材で囲まれている
ので、輸送保管あるいは施工等の取り扱い中に、壊れや
すい繊維質層が欠けたり削られたりするのを防ぐことが
できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
〔建築用床パネル〕図1および図2に示す建築用床パネ
ルPは、全体が矩形板状をなし、表面に配置された表面
板材10と、表面板材10の背面で外周に沿って配置さ
れたC形鋼材からなる外周枠材12と、表面板材10の
背面で外周枠材12の内側空間に配置された厚板状の繊
維質層14とで構成されている。
【0023】外周枠材12は、その下辺すなわちフラン
ジ部13が、水平に内側を向いて延びており、このフラ
ンジ部13の上に繊維質層14が載った状態になってい
る。なお、繊維質層14は表面板材10の裏面に接着剤
でも接合されている。このような構造の建築用床パネル
Pは、建築物の床構造を構成する根太組などの上に敷き
詰めて使用される。通常は、外周枠材12が根太組など
の上に載った状態で敷設される。表面板材10の上には
各種の床仕上げ施工が行われる。
【0024】つぎに、繊維質層14の構造について説明
する。繊維質層14は、ロックウール、粉粒炭、無機多
孔質粉粒体、必要に応じて使用されるその他の任意原料
を、たとえば、液体中または気体中で板状に抄造成形す
る方法など従来公知の方法により作ることができる。繊
維質層14は、図3に模式的に示すような構造を有して
いる。すなわち、ロックウール2がランダムに絡み合っ
た3次元網目構造を有し、ロックウール2同士は部分的
に結合材5で接合一体化されている。粉粒炭3および無
機多孔質粉粒体4は、ロックウール2の3次元網目構造
の空隙に嵌まり込んだ状態で分散して保持されている。
したがって、粉粒体3および無機多孔質粉粒体4は、特
にロックウール2と接合されていなくても、ロックウー
ル2の3次元網目構造から脱落することが防止されてい
る。また、一部の粉粒体3および無機多孔質粉粒体4
は、結合材5で相互にあるいはロックウール2と接合さ
れる場合もある。何れにしても、粉粒体3および無機多
孔質粉粒体4は、繊維質層14の外部環境との間で空気
あるいは湿気の出入りが可能な状態で保持されている。
【0025】ロックウール2は、玄武岩、安山岩のよう
な塩基性火成岩などの天然の岩石など、石灰、ケイ酸を
主成分とする耐熱性の高い鉱物を溶融したものを、吹付
け、遠心力、圧縮空気または高圧蒸気などで繊維化した
ものであり、製造方法に特に限定はない。粉粒炭3と
は、粉末状炭化物、粒状炭化物、粉末状炭化物と粒状炭
化物の混合物などであり、例えば、木材や椰子の実の殻
等の植物を炭化することにより、あるいは、有機質の汚
泥や産業廃棄物等を焼成することにより得られる。粉粒
炭の粒子の形状は、上記のように粉末状および/または
粒状であれば、不定形、球状、棒状、楕円球状などいず
れでも良い。
【0026】粉粒炭3としては、繊維質層14にバラン
スの採れた脱臭性能と調湿性能を付与するという点を考
慮すると、たとえばその平均細孔半径が1.5〜100
Åで比表面積が50〜600m2/gのもの、好ましくは
その平均細孔半径が10〜50Åで比表面積が100〜
300m2/gのものが使用される。無機多孔質粉粒体4
とは、粉粒炭以外の無機多孔質物質の、粉体、粒体、粉
体と粒体との混合物などであり、天然物でも合成物でも
いずれでもよい。無機多孔質粉粒体としては、各種のも
のが使用できるが、例えば、天然土壌および/または天
然岩石等の無機系多孔質物質を粉砕するなどして多孔質
の粉体と粒体とが混じり合ったものが挙げられ、代表的
には、珪藻土の天然土壌を粉砕したものを使用すること
が好ましい。珪藻土の天然土壌を粉砕したものは、特
に、吸湿、放湿性能に優れているからである。
【0027】無機多孔質粉粒体4としては、繊維質層1
4にバランスの採れた脱臭性能と調湿性能を付与すると
いう点を考慮すると、たとえばその平均細孔半径が20
〜100Åで比表面積が20〜200m2/gのもの、好
ましくは20〜60Åで比表面積が20〜200m2/g
のものが使用される。なお、無機多孔質粉粒体4とし
て、平均細孔半径20〜50Åのものを用いれば、粉粒
体3と組み合わせず無機多孔質粉粒体4を単独で繊維質
層14に配合しておいても、優れた脱臭、調湿性能を発
揮することができる。このような条件を満足する無機多
孔質粉粒体4の具体例としては、稚内層珪質頁岩から得
られる珪藻土が挙げられる。
【0028】粉粒炭3、および、無機多孔質粉粒体4の
いずれか一方または両方は、日本工業規格Z8801で
規定する5mmの篩を通過するものを用いる。5mm篩を非
通過のものでは、繊維質層14を成形したときに、強度
や均質性に問題が生じたり、表面平滑性に劣るものとな
る。通常の粉粒炭3は、吸着、脱臭効果は良いが、放湿
性能が劣り、吸湿した水分をなかなか放出しない欠点が
あるが、無機多孔質粉粒体4と併用することにより、吸
湿性能にも優れ、又放湿性能にも優れるようになる。し
かも、無機多孔質粉粒体4単独では、脱臭効果について
臭気の選択性があり、良く吸着する物質と吸着しにくい
物質があるが、粉粒炭3との併用により、吸着する臭気
の選択性が少なくなる。
【0029】繊維質層14にバランスの採れた脱臭性能
と調湿性能を付与するためには、粉粒炭3と無機多孔質
粉粒体4を適切な割合で併用することが重要となり、無
機多孔質粉粒体4に対し粉粒炭3が多過ぎると吸湿した
水分をなかなか放出せず、放湿性とのバランスがとれな
くなったり、粉粒炭3に対し無機多孔質粉粒体4が多過
ぎると、脱臭性能とのバランスがとれなくなったりす
る。
【0030】こうした観点から、無機多孔質粉粒体4と
粉粒炭3との合計量に対する粉粒炭3の割合は、20〜
80重量%であることが好ましい。粉粒炭3の割合が8
0重量%を越えるときには、吸湿した水分をなかなか放
出せず、吸放湿性能の欠如をきたし、建築用床パネルP
の設置空間が結露しやすい。粉粒炭3の割合が20重量
%未満では、粉粒炭3に顕著な効果である、脱臭効果や
地球に対するマイナスイオン効果、人間に対する健康的
な環境の維持効果などの改善が行い難い。但し、無機多
孔質粉粒体4として平均細孔半径が20〜50Åのもの
を用いた場合には、粉粒炭3を用いず無機多孔質粉粒体
4のみでも良好な性能が発揮できる。
【0031】ロックウールすなわち繊維質材料2に対す
る、粉粒炭3および無機多孔質粉粒体4の配合割合は、
それぞれ、用途に応じて適宜の配合割合が選択される。
ロックウール2、粉粒炭3および無機多孔質粉粒体4に
加えて、必要に応じて使用される任意原料としては、た
とえば、結合材(バインダー)または接着剤などが挙げ
られ、いずれか1種だけ使用したり2種以上を併用した
りすることができる。結合材または接着剤としては、た
とえば、澱粉、フェノール樹脂などの樹脂、セメントな
どの水硬性物質などが使用される。
【0032】以下に、本発明の具体的実施例を示すが、
本発明の実施形態は下記のものに限定されない。以下で
は、「%」は「重量%」を意味する。 (実施例1)ロックウール2としては、JIS−A95
04に規定される通常の材料を用いた。
【0033】粉粒炭3としては、粒径が5mm以下で平均
細孔半径が40Å、比表面積が200m2/gの活性炭を用
いた。粒径5mm以下とは、日本工業規格Z8801に規
定する5mmの篩を通過したものである。以降の記載にお
ける粒径も同様に規定する。無機多孔質粉粒体4として
は、粒径5mm以下で平均細孔半径が40Åで比表面積が
130m2/gの珪藻土(稚内層珪質頁岩)を用いた。
【0034】結合材5としては、デンプンのりを主体と
した一般的な結合材を用いた。繊維質層14は、ロック
ウール2と粉粒炭3と粉粒体4と結合材5とを、20:
6:24:50の重量比で用い、次のようにして作られ
る。各材料を計量した後、ミキサーにて混合し、混合物
を型枠に充填する。硬化後に脱型して、3470×16
70×30mmの厚板状の繊維質層14を得た。
【0035】次に、100×50×2mmのC形鋼を、互
いの開口が内側を向くように組み合わせ熔接して、35
00×1700mmの矩形状をなす外周枠材12を作製し
た。外周枠材12の内側には繊維質層14が嵌め込まれ
た。外周枠材12の上面にはタッピンネジを用いて、パ
ーティクルボードからなる表面板材10を貼設し、建築
用床パネルPが製造された。
【0036】このようにして得られた建築用床パネルP
の吸放湿特性および脱臭特性を常法により評価したとこ
ろ、優れた性能が発揮できた。また、繊維質層14の分
離や剥がれが生じることもなかった。 (実施例2)実施例1において、粉粒炭3および無機多
孔質粉粒体4として下記のものを使用し、ロックウール
2と粉粒炭3と粉粒体4と結合材5との重量比を20:
32:8:40としたこと以外は実施例1と同様にして
建築用床パネルPを製造した。粉粒炭3は、粒径1mm以
下、平均細孔半径20Å、比表面積130m2/gの炭を用
いた。無機多孔質粉粒体4は、粒径1mm以下、平均細孔
半径50Å、比表面積20m2/gの珪藻土を用いた。
【0037】得られた建築用床パネルPは、実施例1と
同様に優れた特性を有するものであった。 (実施例3)実施例1において、粉粒炭3および無機多
孔質粉粒体4として下記のものを使用し、ロックウール
2と粉粒炭3と粉粒体4と結合材5との重量比を30:
50:50:40としたこと以外は実施例1と同様にし
て建築用床パネルPを作製した。粉粒炭3は、粒径0.
5mm以下、平均細孔半径30Å、比表面積280m2/gの
賦活された炭を用いた。無機多孔質粉粒体4は、粒径
0.5mm以下、平均細孔半径20Å、比表面積200m2
/gの多孔質硅石を用いた。
【0038】得られた建築用床パネルPは、実施例1と
同様に優れた特性を有するものであった。 (実施例4)実施例1において、粉粒炭3および無機多
孔質粉粒体4として下記のものを使用し、ロックウール
2と粉粒炭3と粉粒体4と結合材5との重量比を80:
80:20:180としたこと以外は実施例1と同様に
して建築用床パネルPを作製した。
【0039】粉粒炭3は、粒径0.2mm以下、平均細孔
半径46Å、比表面積300m2/gの賦活された炭を用い
た。無機多孔質粉粒体4は、粒径0.2mm以下、平均細
孔半径35Å、比表面積100m2/gの珪藻土(声聞層珪
質頁岩)を用いた。得られた建築用床パネルPは、実施
例1と同様に優れた特性を有するものであった。
【0040】(実施例5)実施例1において、粉粒炭3
を使用せず、無機多孔質粉粒体4として下記のものを使
用し、粉粒体4と結合材5との重量比を50:50とし
たこと以外は実施例1と同様にして建築用床パネルPを
作製した。無機多孔質粉粒体4は、粒径5mm以下、平均
細孔半径40Å、比表面積130m2/gの珪藻土(稚内層
珪質頁岩)を用いた。
【0041】得られた建築用床パネルPは、粉粒炭3を
用いていないが、実施例1と同様に優れた特性を有する
ものであった。 〔建築構造〕図4に示す実施形態では、建築物の床構造
の骨組みとなる大引け材22の上に、根太材24を介し
て床面材26が敷設されている。床面材26の裏面側で
根太材24の間の空間に繊維質層14が配置されてい
る。繊維質層14が床下空間に露出した状態になってい
る。
【0042】繊維質層14は、予め床面材26と一体化
された建築板として構成しておいてもよいし、床面材2
6の施工時に繊維質層14を敷設し、接着剤などで接合
していくこともできる。上記実施形態では、床下空間の
空気を繊維質層14に含まれる粉粒体4で良好に調湿し
たり防臭したりして、床下空間の環境を改善することが
できる。
【0043】図5に示す実施形態では、建築物の外壁構
造に適用した場合である。建築物の外面に配置される外
壁材42と、室内側に配置される内壁材46との間の空
間に、繊維質層14が配置されている。繊維質層14の
施工は、予め板状あるいはシート状に成形された繊維質
層14を、外壁材42あるいは内壁材46に張りつけて
もよいし、両壁材42、46の隙間に繊維質層14を充
填していくこともできる。
【0044】内壁材46が通気性を有するものであれ
ば、繊維質層14による調湿、防臭機能が、内壁材46
を介して室内空間にも効果的に発揮されることになる。
図6に示す実施形態は、建築物の天井構造に適用した場
合である。縦横に張りめぐらされた野縁56の下面に天
井板52が貼設されている。天井板52の上面で野縁5
6の間の空間に、繊維質層14が敷き詰められている。
繊維質層14は、成形板状のものを用いてもよいし、繊
維質材料2や粉粒体3、4、結合剤5を吹き付けて堆積
させることもできる。
【0045】上記実施形態では、天井の上方の屋根裏空
間において、繊維質層14による調湿あるいは防臭機能
が良好に発揮される。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、建築構造あるいは建築
用床パネルの設置空間において、水分の除去効果が高
く、この空間が高湿度状態に陥ることを防止し、吸湿性
能が高いだけでなく、適宜湿気を放出して、湿度を適宜
の状態に調節でき、断熱性や防音性の低下、カビの発
生、建材の腐朽や虫食いを防ぎ、しかも、建築構造や建
築用床パネルの設置空間に発生する異臭の除去効果が高
い。また、同時に、有害昆虫等の侵入および繁殖を阻止
するための防腐または防虫処理を自然環境を破壊せずに
施すことができ、建築構造や建築用床パネルの設置空間
を好適に保全することができる。
【0047】さらに、本発明の建築用床パネルでは、繊
維質層が外周枠材で囲まれているので、繊維質の保護が
確実に果たせ、前記した繊維質層による吸放湿機能を長
期間にわたって良好に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を表し、建築用床パネルの断
面図
【図2】前図の平面図
【図3】繊維質層の模式的構造図
【図4】床面構造に適用した実施形態を表す断面図
【図5】壁面構造に適用した実施形態を表す断面図
【図6】天井構造に適用した実施形態を表す断面図
【符号の説明】
2 繊維質材料 3 粉粒炭 4 無機多孔質粉粒体 5 結合材 10 表面板材 12 外周枠材 13 フランジ部 14 繊維質層 P 建築用床パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04C 2/38 E04C 2/38 S

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維質材料と、繊維質材料間に分散して配
    置され調湿性および/または防臭性を有する添加材とを
    含む繊維質層と、 前記繊維質層を支持する板材層とを備える建築構造。
  2. 【請求項2】前記添加材が、炭化物である請求項1に記
    載の建築構造。
  3. 【請求項3】前記添加材が、無機物である請求項1また
    は2に記載の建築構造。
  4. 【請求項4】前記添加材が、粉粒体である請求項1〜3
    の何れかに記載の建築構造。
  5. 【請求項5】前記板材層が、木質系ボードである請求項
    1〜4の何れかに記載の建築構造。
  6. 【請求項6】前記繊維質層が、前記添加材が分散された
    前記繊維質材料を袋材に収容してなるものである請求項
    1〜5の何れかに記載の建築構造。
  7. 【請求項7】前記繊維質層が、前記繊維質材料の片面に
    積層された通気性シートをさらに含む請求項1〜6の何
    れかに記載の建築構造。
  8. 【請求項8】前記板材層が床面材であり、 前記繊維質層が、前記床面材からなる板材層の裏面側に
    配置され、床面となる請求項1〜7の何れかに記載の建
    築構造。
  9. 【請求項9】前記繊維質材料が、ロックウールであり、 前記添加材が、粉粒炭および粉粒炭以外の無機多孔質粉
    粒体である請求項1〜8の何れかに記載の建築構造。
  10. 【請求項10】建築物の床面を構成する建築用床パネル
    であって、 表面に配置される表面板材と、 前記表面板材の背面外周に配置される外周枠材と、 前記表面板材の背面で前記外周枠材の内側に配置される
    厚板状の繊維質層とを備え、 前記繊維質層が、繊維質材料と、繊維質材料間に分散し
    て配置された粉粒炭および/または粉粒炭以外の無機多
    孔質粉粒体と、前記粉粒炭および/または粉粒炭以外の
    無機多孔質粉粒体ならびに前記繊維質材料を結合する結
    合材とを含む建築用床パネル。
  11. 【請求項11】前記外周枠材が、鋼材からなる請求項1
    0に記載の建築用床パネル。
  12. 【請求項12】前記外周枠材が、その下部に内側に向け
    て延びる水平なフランジ部を有し、 前記繊維質層が、上記フランジ部の上に載置されている
    請求項10〜11の何れかに記載の建築用床パネル。
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