JPH10237873A - 法面、壁面等の緑化構造 - Google Patents

法面、壁面等の緑化構造

Info

Publication number
JPH10237873A
JPH10237873A JP5844497A JP5844497A JPH10237873A JP H10237873 A JPH10237873 A JP H10237873A JP 5844497 A JP5844497 A JP 5844497A JP 5844497 A JP5844497 A JP 5844497A JP H10237873 A JPH10237873 A JP H10237873A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slope
greening
reinforcing member
frame fence
bottom wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5844497A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuo Kimura
光男 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tenryu Industries Co Ltd
Original Assignee
Tenryu Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tenryu Industries Co Ltd filed Critical Tenryu Industries Co Ltd
Priority to JP5844497A priority Critical patent/JPH10237873A/ja
Publication of JPH10237873A publication Critical patent/JPH10237873A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Retaining Walls (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 格子枠柵を用いた法面、壁面等の緑化構造に
おいて、強化部材と盛土材との一体性を高めて、盛土材
を動かないように安定化させ、格子枠柵の押し出しを抑
制する。 【解決手段】 鉄筋格子製の傾斜した前壁部6と水平な
底壁部7とからなり岩盤法面1の前方に設置された格子
枠柵5と、格子枠柵5と岩盤法面1との間に充填された
盛土材9とにより一つの段が構成され、該段が下から上
へ積まれることにより多段に構築される。相対的に下段
の底壁部7の下から、岩盤法面1の直前を経て、相対的
に上段の底壁部7の下にまで、該下段の盛土材9を包む
ように断面略コ字状に強化部材3を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、格子枠柵を用いた
法面、壁面等の緑化構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】岩盤法面、コンクリート・モルタル吹付
法面、擁壁やダム等のコンクリート構造物の壁面等は、
景観保全上の問題が多いため、植生による保護・緑化の
導入が考えられている。特開平4−213625号公報
には、鉄筋格子製の傾斜した前壁部と水平な底壁部とか
らなる格子枠柵を法面の前方に設置するとともに、格子
枠柵の底壁部の下から法面の近くにまで略平らに強化シ
ートを敷き、格子枠柵の前壁部の後面と底壁部の上面と
に緑化用シートを敷き、格子枠柵と法面との間に盛土材
を充填し、これらの工程を下から上へ繰り返して多段に
構築した法面の保護構造が開示されている。この保護構
造は、急勾配でも施工でき、施工効率が良い等の優れた
点を持っている。特に強化シートは、底壁部を越えて盛
土材中に広がり、格子枠柵を盛土材に係留するととも
に、盛土材を安定化させる作用を奏する。このため、底
壁部を短くすることができ、格子枠柵の運搬が容易とな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の通り、
強化シートは底壁部の下から法面の近くにまで略平らに
敷かれ、盛土材は該強化シートの上に載っていただけな
ので、強化シートと盛土材との一体性が必ずしも完全で
はなかった。このため、施工後に土圧を受け続けると、
強化シートが動かない場合でも、盛土材の一部は正面側
にずれて動く可能性があり、この盛土材の動きにより多
数の格子枠柵のうちの一部が正面側に押し出され、斜面
の一部がいびつになることがあった。
【0004】そこで、本発明の目的は、急勾配でも施工
でき、施工効率が良い等の優れた点を持つ格子枠柵を用
いた法面、壁面等の緑化構造において、強化部材と盛土
材との一体性を高めて、盛土材を動かないように安定化
させ、格子枠柵の押し出しを抑制して、斜面の歪みを防
止することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の法面、壁面等の緑化構造は、鉄筋格子製の
傾斜した前壁部と水平な底壁部とからなり法面、壁面等
の緑化対象面の前方に設置された格子枠柵と、格子枠柵
と緑化対象面との間に充填された盛土材とにより一つの
段が構成され、該段が下から上へ積まれることにより多
段に構築された法面、壁面等の緑化構造において、相対
的に下段の底壁部の下から緑化対象面の直前を経て相対
的に上段の底壁部の下にまで、該下段の盛土材を包むよ
うに断面略コ字状に強化部材を配設したことを特徴とす
る。
【0006】ここで、緑化対象面の一つである「法面」
の種類は、特に限定されず、岩盤法面、コンクリート・
モルタル吹付法面、切土法面、盛土法面等を例示でき
る。同じく「壁面」の種類も、特に限定されず、擁壁や
ダム等のコンクリート構造物の壁面を例示できる。
【0007】「盛土材」は、岩石を含んだ土であるが、
さらにクリンカアッシュ、フライアッシュ、アスファル
ト廃材等を混合したものでもよい。盛土材は、施工現場
の土が好ましいが、他所から運んだ土でもよい。岩石の
寸法は、特に限定されず、大型の破砕岩石から2〜75
mm程度の礫まで含む。
【0008】「強化部材」としては、繊維材料よりなる
ジオテキスタイルや、非繊維材料よりなるジオテキスタ
イル関連製品を使用できる。繊維材料よりなるジオテキ
スタイルとしては、繊維材料よりなる編物、織布、不織
布、これらの組合せ等を例示でき、好ましくは、厚手で
高強度の不織布である。非繊維材料よりなるジオテキス
タイル関連製品としては、押出された樹脂ストランドを
網目状に融着させてなるジオネット、孔あき樹脂シート
を延伸成形してなるジオグリッド等を例示でき、好まし
くは、延伸成形により強度が増すジオグリッドである。
ジオグリッドには一軸延伸と二軸延伸とがある。なお、
強化部材は、格子枠柵を盛土材に係留する作用と、盛土
材を安定化させる作用とを果たし、特にジオテキスタイ
ルは排水作用も果たす。
【0009】強化部材は、各段に配設してしてもよい
が、後出の実施形態のように、一段おきに配設した方が
経済的に好ましい。
【0010】また、強化部材を底壁部に係止させること
が好ましい。その係止手段は、特に限定されないが、盛
土材に打ち込まれて強化部材及び底壁部の両方に係合す
る杭や、強化部材及び底壁部を接合するステープルや、
強化部材及び底壁部をくくり付けるワイヤ等を例示でき
る。
【0011】さらに、強化部材を緑化対象面に固定する
こともできる。その固定手段は、特に限定されないが、
緑化対象面に取り付けたアンカー等を例示できる。アン
カーの形状や長さは、緑化対象面に応じて適宜決定でき
る。
【0012】格子枠柵の前壁部の後面と底壁部の上面と
に緑化用シートを配設することが好ましい。この緑化用
シートは、充填材のこぼれ落ちやエロージョンを防止で
き、植物の成長の妨げにならず、透水性のあるものであ
れば特に限定されず、目のやや粗い布、水溶性紙等を例
示できる。好ましいものの一つは、土壌中の雑菌等の微
生物(土壌中の雑菌はバクテリアといわれるもので、細
菌、糸状菌、放線菌等がある。)により分解されて消滅
する生分解性材料からなる緑化用シートである。生分解
性材料としては、デンプン系化合物、蛋白質系化合物、
ビニールエマルジョン系化合物、ポリ乳酸系化合物、デ
ンプンと樹脂とのブレンド等を例示でき、これらから選
ばれる少なくとも1種を使用できる。生分解性材料から
なる緑化用シートは、種子が発芽・生育して施工面が安
定した後は、土壌中の微生物により分解され、やがて形
状を維持できなくなり消滅する。
【0013】また、格子枠柵の前壁部の前面側には、人
工土壌、種子等を含む吹付層を吹付形成することが好ま
しい。この吹付層としては、人工土壌、種子、肥料、養
生剤(吹付層の安定固着を図る凝結剤)、土壌活性剤
(微生物の活性化を図る)等の素材を水にといて吹付け
るいわゆる「客土吹付工法」による厚さ約10〜30m
mの吹付層や、同様の素材を乾式で吹付けるいわゆる
「厚層基材吹付工法」による厚さ約30〜100mm
(又はそれ以上におよぶ)吹付層を例示できる。種子は
施工現場の土、施工季節、気象条件等に応じて適宜選択
される。なお、吹付層は単層にしても複数層にしてもよ
い。
【0014】また、透水性の袋に土が入れられてなる土
嚢を、格子枠柵の前壁部の後側に添設することもでき
る。透水性の袋としては、編物、織布、不織布、生分解
性材料フィルム等よりなる袋を例示できる。土嚢には、
肥料、土壌改良剤、保水剤、人工土壌、種子又はこれら
の組合わせを土とともに入れることもできる。また、土
嚢には、緑化用植物の苗又は挿し木を植え付けることも
できる。
【0015】また、緑化対象面にアンカーを取り付け
(強化部材固定用のアンカーと共通でもよい。)、該ア
ンカーに格子枠柵を連結材により連結することで、前記
強化部材とともに、格子枠柵の移動をさらに強力に防止
することもできる。アンカーの形状や長さは、緑化対象
面に応じて適宜決定できる。連結材は、格子枠柵をアン
カーに連結保持するのに十分高強度のものであれば、特
に限定されず、金属ワイヤ、金属鎖、合成樹脂ロープ、
ガラス繊維ロープ等を例示できる。アンカーと連結材と
の接続の仕方は、アンカーに係止部を設け、連結材の一
端を該係止部に直接的に接続する態様でも、緑化対象面
に沿って延びる取付材をアンカーに固定し、連結材の一
端を該取付材に接続することによりアンカーに間接的に
接続する態様でもよい。取付材としては、棒材、管材、
アングル材、レール材等を例示できる。
【0016】また、格子枠柵の前壁部が底壁部となす傾
斜角は、全段で一定でもよいが、一段毎に又は複数段毎
に上段側ほど大きく設定することもできる。具体的に
は、次の態様(a)(b)(c)を例示できる。 (a)一段目(最下段)の前壁部の傾斜角を例えば60
度とし、二段目以上の前壁部の傾斜角を順に62度、6
4度、66度、68度…とする等、一段毎に0.5〜1
0度ずつ大きくなるよう設定した態様。傾斜角の増加分
は、各段間で一定でもよいし、途中で変化させてもよい
(例えば同例で、60度、64度、67度、69度、7
0度…とする)。 (b)一段目〜三段目の前壁部の傾斜角を例えば60度
とし、四段目〜六段目の前壁部の傾斜角を64度とする
等、複数段毎に1〜10度ずつ大きくなるよう設定した
態様。傾斜角の増加分は、各段間で一定でもよいし、途
中で変化させてもよい。 (c)上記態様(a)と態様(b)とを混在させた態
様。
【0017】また、格子枠柵を構成する一部(例えば特
に強度が必要な部分)の鉄筋に、他の鉄筋より太いもの
を使用することもできる。これにより、鉄筋の一部が充
填材の圧力等によって正面側に湾曲変形する現象を防止
することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
《第一実施形態》図1及び図2は本発明の第一実施形態
に係る岩盤法面の緑化構造を示し、同緑化構造は以下の
工程で構築されている。なお、岩盤法面1は例えば約6
0度の急斜面である。
【0019】[アンカーの取付工程] 岩盤法面1に多
数の取付孔31を縦横に間隔をおいてあけ、各取付孔3
1に金属棒よりなるアンカー32を挿入し、モルタル、
接着剤、樹脂等の充填材33で固定する。アンカー32
の手前端部には係止部の一例としてのフック部34が形
成されている。
【0020】[強化部材の配設工程前半] 岩盤法面1
の下端前方の用地2に強化部材3として例えば厚手の不
織布を敷く。強化部材3は、当初のロール状態から巻き
解かれることにより、次に設置する底壁部7の下位置か
ら岩盤法面1の直前にまで広げられるが、さらに充分な
長さが残るようにしてあり、この残り部分は岩盤法面1
の直前にまとめておく(図示略)。
【0021】[格子枠柵の設置工程] 強化部材3の前
端部分の上に必要数の格子枠柵5を横に並べて設置す
る。格子枠柵5は傾斜した前壁部6と水平な底壁部7と
を備え、製造方法の一例としては、鉄筋を縦横格子状に
溶接(具体的にはアーク溶接による溶着)してなる鉄筋
格子をその中央部で折曲して形成される。前壁部6の上
端と底壁部7の後端との間をフック付き連結棒等で連結
してもよい。図2に示すように、強化部材3及び底壁部
7の両方に係合する杭15や、強化部材3及び底壁部7
を接合するホチキス針形式のステープル14により、強
化部材3を底壁部7に係止させる。格子枠柵5の前壁部
6と岩盤法面1との間隔は、特に限定されず、本実施形
態では例えば約2000〜5000mmである。
【0022】本実施形態において使用した格子枠柵5の
寸法等は次の通りであるが、例示にすぎず、この寸法等
は施工現場に応じて適宜変更されるものである。 前壁部6が底壁部7となす傾斜角: 約60度 前壁部6の傾斜長: 約600mm 底壁部7の奥行: 約600mm 前壁部6及び底壁部7の左右長: 約2600mm 鉄筋の直径: 約10mm 鉄筋格子の格子ピッチ: 100〜300mm
【0023】[緑化用シート敷設工程] 格子枠柵5の
前壁部6の後面と底壁部7の上面とに、目のやや粗い緑
化用シート8を敷く。緑化用シート8の上端を少し余ら
せて、前壁部6の前面に一時的に垂らしておくとよい
(図示略)。緑化用シート8は、特定の素材に限定され
ず、織布、不織布等を例示できる。
【0024】[盛土材充填工程] 格子枠柵5と岩盤法
面1との間に現場の土等を利用して盛土材9を充填す
る。この充填時に、前記強化部材3の残り部分の一部を
断面L字状に立ち上げて岩盤法面1に添わせ、この添わ
せた部分をアンカー32のフック部34に係止させるこ
とにより岩盤法面1に固定する。充填した盛土材9を衝
撃ローラー等で転圧して締め固める。余らせておいた前
記緑化用シート8の上端を盛土材9の上面に被せる。最
上部の鉄筋の端部を後方に折り曲げ、この緑化用シート
8の上端を押さえ付けてもよい。
【0025】[強化部材の配設工程後半] 前記強化部
材3の残り部分を前方へ延ばして盛土材9及び緑化用シ
ート8の上面に被せれば、一段目が形成される。これに
より強化部材3は、底壁部7の下から岩盤法面1の直前
を経て次に形成する二段目の底壁部7の下にまで、一段
目の盛土材9を包むように断面略コ字状に配設されたこ
とになる。
【0026】[多段繰り返し工程] 盛土材9の上面に
対し、上記の格子枠柵の設置工程、緑化用シート敷設工
程及び盛土材充填工程を行なって、二段目を形成する。
二段目では強化部材の配設工程を省略できる。なぜな
ら、二段目の盛土材9は、一段目の盛土材9の上面に被
せた強化部材3と三段目の盛土材9の下に敷かれる強化
部材3とにより、充分に安定化を図れるからである。こ
の一段目の作業と二段目の作業とを交互に繰り返して、
格子枠柵5及び盛土材9を多段に構築する。最上段の格
子枠柵5では、前壁部6の縦鉄筋の上端を後側下方へ折
り曲げて仕上げる(図示略)。
【0027】[吹付層形成工程等] 前壁部6及び前壁
部6を通して現れる緑化用シート8の前面に、人工土壌
及び種子を含む吹付層16を吹付形成する。本実施形態
では、前記「厚層基材吹付工法」により厚さ約60mm
の吹付層16を形成した。
【0028】以上の工法で構築された岩盤法面1の緑化
構造によれば、格子枠柵5を使用したことにより、急
勾配でも施工できる、施工に重機を必要とせず、人力
作業が可能であり、施工が簡単で、多くの人手を要し
ない、施工効率が良く、工期を短縮できる、カーブ
した岩盤法面1にも容易に対応できる、現場の土を盛
土材9として利用できる等の多くの効果が得られる。
【0029】また、種子及び人工土壌を含む吹付層16
を吹付形成したことにより、単に緑化用シートに種子を
内蔵した場合と比べて、種子の発芽性及び成長性が良
く、洋芝等の種子の発芽による1次植生を短期間で達成
することができる。その後は、木本植物が成長する。
【0030】さらに本実施形態では、前記の通り盛土材
9を包むように断面略コ字状に強化部材3を配設したの
で、強化部材3と盛土材9との一体性が高まる。このた
め、施工後に土圧を受け続けても、盛土材9は安定化し
て強化部材3とともに動かないようになり、従来のよう
に格子枠柵が正面側に押し出されて斜面が歪むといった
ことは起きにくくなる。
【0031】加えて本実施形態では、杭15やステープ
ル14により強化部材3を底壁部7に係止させているの
で、格子枠柵5は強化部材3を介し盛土材9に係留され
て押し出しがさらに防止される。また、アンカー32に
より強化部材3を岩盤法面1に固定しているので、強化
部材3及び盛土材9の動きはさらに防止される。
【0032】《第二実施形態》次に、図3は、第二実施
形態に係る岩盤法面1の緑化構造を示しており、格子枠
柵5の前壁部6の後側に土嚢17を添設した点と、格子
枠柵5の前壁部6が底壁部7となす傾斜角を上段側ほど
大きく設定した(具体的には、一段目の傾斜角を例えば
約50度とし、二段目以上の傾斜角は一段毎に1〜5度
ずつ大きくする。)点とにおいてのみ、第一実施形態と
相違している。
【0033】本実施形態では、前記盛土材充填工程にお
いて、格子枠柵5の前壁部6の後面に寄せて横一列に一
段の土嚢17を配設する。土嚢17は、透水性の袋に主
体である土と肥料、土壌改良剤、保水剤、人工土壌、種
子等との混合物を入れてなるものである。そして、土嚢
17と岩盤法面1との間に、まず土嚢17の高さまで施
工現場の土による盛土材9を充填する。この盛土材9を
衝撃ローラー等で転圧して締め固める。図3の点線は、
締め固めた盛土材9の上面9aを示している。この作業
を二〜四段繰り返して、前壁部6の上端高さ位置まで盛
土材9を充填するのである。
【0034】本実施形態によれば、第一実施形態による
効果に加え、格子枠柵5の前壁部6の後側に土嚢17を
添設したので、前壁部6の後側に盛土材9中の岩石9b
が集まることを防止して、良質の土を確保することがで
き、もって確実な緑化を図ることができる。また、土嚢
17には、肥料、土壌改良剤、保水剤、人工土壌、種子
等を含ませているため、緑化を促進することができる。
また、土嚢17には緑化用植物18の苗又は挿し木を容
易に植え付けることもできる。
【0035】また、上記のように前壁部6の傾斜角を設
定することにより、土圧が大きい下段側において前壁部
6の傾斜角を小さくでき、盛土材9の土圧に耐える力を
確保できる。また、土圧が小さい上段側ほど前壁部6の
傾斜角を大きくでき、上端の法肩(図示略)が前進し
て、天端面の有効面積を広げることができる。
【0036】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変
更して具体化することもできる。
【0037】(1)緑化用シート8を省略すること。
【0038】(2)図2に二点鎖線で示すように、連結
材35により格子枠柵5をアンカー32に連結し、前記
強化部材3とともに、格子枠柵5の移動をさらに強力に
防止することもできる。
【0039】(3)各実施形態では、下段の格子枠柵5
の前壁部6に対して上段の格子枠柵5の前壁部6が後側
に重なるように配置されているが、図4に示すように、
下段の格子枠柵5の前壁部6に対して上段の格子枠柵5
の前壁部6が前側に重なるように配置することもでき
る。なお、図4では、便宜上、格子枠柵5以外の各部の
図示を省略している。
【0040】(4)図5に太線で示すように、格子枠柵
5を構成する一部(例えば特に強度が必要な部分)の鉄
筋に、他の鉄筋より太いものを使用すること。これによ
り、鉄筋の一部が充填材の圧力によって正面側に湾曲変
形する現象を防止することができる。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る法
面、壁面等の緑化構造によれば、急勾配でも施工でき、
施工効率が良い等の優れた点を持つ格子枠柵を用いた法
面、壁面等の緑化構造において、強化部材と盛土材との
一体性を高めて、盛土材を動かないように安定化させ、
格子枠柵の押し出しを抑制して、斜面の歪みを防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る岩盤法面の緑化構
造を示す斜視図である。
【図2】同緑化構造の断面図である。
【図3】第二実施形態に係る岩盤法面の緑化構造を示す
断面図である。
【図4】各実施形態における格子枠柵の配置の変更例の
斜視図である。
【図5】各実施形態における格子枠柵の変更例の斜視図
である。
【符号の説明】
1 岩盤法面 3 強化部材 5 格子枠柵 6 前壁部 7 底壁部 8 緑化用シート 9 盛土材 14 ステープル 15 杭 16 吹付層 17 土嚢 18 緑化用植物 31 取付孔 32 アンカー 33 充填材 34 フック部 35 連結材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄筋格子製の傾斜した前壁部と水平な底
    壁部とからなり法面、壁面等の緑化対象面の前方に設置
    された格子枠柵と、格子枠柵と緑化対象面との間に充填
    された盛土材とにより一つの段が構成され、該段が下か
    ら上へ積まれることにより多段に構築された法面、壁面
    等の緑化構造において、 相対的に下段の底壁部の下から緑化対象面の直前を経て
    相対的に上段の底壁部の下にまで、該下段の盛土材を包
    むように断面略コ字状に強化部材を配設したことを特徴
    とする法面、壁面等の緑化構造。
  2. 【請求項2】 前記強化部材を一段おきに配設した請求
    項1記載の法面、壁面等の緑化構造。
  3. 【請求項3】 前記強化部材を前記底壁部に係止させた
    請求項1又は2記載の法面、壁面等の緑化構造。
  4. 【請求項4】 前記強化部材を緑化対象面に固定した請
    求項1、2又は3記載の法面、壁面等の緑化構造。
  5. 【請求項5】 前記緑化対象面に取り付けたアンカーに
    より、前記強化部材を緑化対象面に固定した請求項1、
    2又は3記載の法面、壁面等の緑化構造。
  6. 【請求項6】 前記緑化対象面に取り付けたアンカー
    に、前記格子枠柵を連結材により連結した請求項1〜5
    のいずれか一項に記載の法面、壁面等の緑化構造。
JP5844497A 1997-02-25 1997-02-25 法面、壁面等の緑化構造 Pending JPH10237873A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5844497A JPH10237873A (ja) 1997-02-25 1997-02-25 法面、壁面等の緑化構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5844497A JPH10237873A (ja) 1997-02-25 1997-02-25 法面、壁面等の緑化構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10237873A true JPH10237873A (ja) 1998-09-08

Family

ID=13084584

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5844497A Pending JPH10237873A (ja) 1997-02-25 1997-02-25 法面、壁面等の緑化構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10237873A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100959828B1 (ko) * 2007-12-17 2010-06-01 (주)고려일렉트릭 이중 스틸케이지로 성토부와 식생부를 분리 시공한 식생 사면 조성 방법 및 그 방법에 의한 식생사면구조체
JP2018145673A (ja) * 2017-03-06 2018-09-20 ダウ化工株式会社 盛土構造及びその構築方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100959828B1 (ko) * 2007-12-17 2010-06-01 (주)고려일렉트릭 이중 스틸케이지로 성토부와 식생부를 분리 시공한 식생 사면 조성 방법 및 그 방법에 의한 식생사면구조체
JP2018145673A (ja) * 2017-03-06 2018-09-20 ダウ化工株式会社 盛土構造及びその構築方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9493923B1 (en) Internally braced geosynthetic wrapped system for constructing stabilized-earth walls and slopes
KR20100027693A (ko) 경사면 보강구조물을 이용한 경사면 보강방법
JP3083250B2 (ja) 法面の補強・緑化工法
JPH11323943A (ja) 法面、壁面、岸面等の保護緑化構造
JP3714885B2 (ja) 法面、壁面、岸面等の保護構造
SK50582008A3 (sk) Vegetačná strecha, najmä sklonitá a spôsob jej výroby
KR20090065039A (ko) 이중 스틸케이지로 성토부와 식생부를 분리 시공하여전체사면에 식물이 지속 성장할 수 있는 환경을 조성하는식생 사면 조성 방법 및 그 방법에 의한 식생사면구조체
JP3431783B2 (ja) 法面、壁面等の保護構造
KR100350423B1 (ko) 식생 흙벽돌 및 돌망태를 이용한 호안공법
JP2001311172A (ja) 間伐材とジオグリッドを相互補完的に組合せた補強土擁壁
JPH10237873A (ja) 法面、壁面等の緑化構造
JPH09250135A (ja) 法面、壁面等の保護構造
JP4220613B2 (ja) 法面、壁面、岸面等の保護緑化構造
JPH10102497A (ja) 法面、壁面等の緑化構造
JP3369879B2 (ja) 法面、壁面等の緑化構造
KR100597693B1 (ko) 경사면 보강구조물을 이용한 경사면 보강방법
JPH09137454A (ja) 法面、壁面等の緑化構造及び緑化工法
KR19990046526A (ko) 조경법면설치구조물및그것을이용한시공방법
JP3601947B2 (ja) 植生体
JPH10176332A (ja) 法面、壁面等の緑化構造
JP3720969B2 (ja) 法面、壁面等の緑化構造
KR100641583B1 (ko) 보강토 옹벽 축조 방법
JPH10204886A (ja) 植生ネット及び法面、壁面等の緑化構造
JPH1181328A (ja) 法面、壁面等の保護構造
JP2001182064A (ja) 法面、壁面、岸面等の保護緑化構造