JPH10204886A - 植生ネット及び法面、壁面等の緑化構造 - Google Patents

植生ネット及び法面、壁面等の緑化構造

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JPH10204886A
JPH10204886A JP2842397A JP2842397A JPH10204886A JP H10204886 A JPH10204886 A JP H10204886A JP 2842397 A JP2842397 A JP 2842397A JP 2842397 A JP2842397 A JP 2842397A JP H10204886 A JPH10204886 A JP H10204886A
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vegetation net
net
slope
greening
wall
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JP2842397A
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Miyamaru Niwa
宮丸 丹羽
Mitsuo Kimura
光男 木村
Akihiko Yasuda
晃彦 安田
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Tenryu Industries Co Ltd
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Tenryu Industries Co Ltd
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 植生ネットによる吹付層を保持する作用を増
大させて、吹付層の流失・落下を防止する。また、植生
ネットを軽くかつ柔軟に形成する。 【解決手段】 植生ネット21は、偏平帯状体22がそ
の帯幅方向をネット厚さ方向に起こした姿勢で四角形の
網目を形成してなるものである。偏平帯状体22は、ナ
イロン樹脂細線が帯幅の両縁部22aで鎖状にかつ中間
部22bで梯子状に編まれてなるものである。鉄筋格子
製の傾斜した前壁部と水平な底壁部とからなり、岩盤法
面の前方に設置された格子枠柵と、格子枠柵と緑化対象
面との間に充填された盛土材、岩石等の充填材とを備え
た法面、壁面等の緑化構造において、前壁部の前面側又
は背面側に、前記植生ネットを張設し、該植生ネットに
人工土壌、種子等を含む吹付層を吹付形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植生ネット及び該
植生ネットを用いた法面、壁面等の緑化構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】法面の緑化構造の一つとして、法面に植
生ネットを張設し、該植生ネット及びその網目を通して
現れる法面に人工土壌、種子等を含む吹付層を吹付形成
し、吹付層に植生ネットを埋設した構造が知られてい
る。植生ネットとしては、ナイロン糸、ポリエチレン糸
等の合成繊維糸を複数本撚ってなる紐により、15×1
5mm〜40×40mm程度の粗さの網目に形成したも
のが一般的である。植生ネットは、各網目が吹付層に包
み込まれて係合するため、その後に吹付層が流失・落下
しないように吹付層を保持する作用がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、吹付層の厚さ
が10〜100mm程度であるのに対し、従来の植生ネ
ットは、紐が直径2〜4mm程度と細かったため、吹付
層を保持する作用が必ずしも十分ではなく、吹付層が厚
い場合や脆い場合にはその流失・落下を防止できない場
合があった。だからといって、同作用を大きくするため
に、より太い紐で植生ネットを形成すると、植生ネット
が重くかつ硬くなって運搬性や取扱性が悪化するため、
実用的ではなくなってしまう。
【0004】本発明の目的は、上記課題を解決し、吹付
層を保持する作用を増大させて、吹付層の流失・落下を
防止することができるとともに、軽くかつ柔軟に形成で
き、優れた運搬性や取扱性を得ることもできる植生ネッ
トと、該植生ネットを用いた法面、壁面等の緑化構造と
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の植生ネットは、偏平帯状体がその帯幅方向
をネット厚さ方向に起こした姿勢で網目を形成してなる
構造とした。
【0006】ここで、植生ネットの「偏平帯状体」は、
特定の材料及び構造に限定されず、樹脂細線や金属細線
を編んでなる編物、樹脂細線を細かい網目に溶着してな
る網物、樹脂薄膜等を例示できる。偏平帯状体の帯幅
は、特に限定されないが、5〜50mmが好まく、さら
に6〜30mmが好ましい。5mm未満では吹付層を保
持する作用が小さくなり、50mmを越えると重くかつ
硬くなる。偏平帯状体の帯厚は、帯幅より薄ければ特に
限定されない。
【0007】植生ネットの網目形状は、特定の形状に限
定されず、四角形(格子状)、六角形(ハニカム状)、
三角形等を例示できる。網目の粗さは、特に限定されな
いが、例えば網目形状が四角形の場合は、15×15m
m〜150×150mmが好ましく、さらに15×15
mm〜60×60mmが好ましい。
【0008】また、本発明の法面、壁面等の緑化構造
は、前記植生ネット(偏平帯状体がその帯幅方向をネッ
ト厚さ方向に起こした姿勢で網目を形成してなる植生ネ
ット)を法面、壁面等の緑化対象面に張設し、植生ネッ
トに人工土壌、種子等を含む吹付層を吹付形成したこと
を特徴とする。この場合、植生ネットの網目を通して現
れる面(緑化対象面、あるいは、緑化対象面と植生ネッ
トとの間に介在した物があるときはその介在物表面)に
も、吹付層が付着する。
【0009】ここで、緑化対象面の一つである「法面」
の種類は、特に限定されず、岩盤法面、コンクリート・
モルタル吹付法面、切土法面、盛土法面等を例示でき
る。同じく「壁面」の種類も、特に限定されず、擁壁や
ダム等のコンクリート構造物の壁面を例示できる。ただ
し、表面に土が現われない法面、壁面等の場合は、その
法面、壁面等の表面に盛土材を設けることが好ましい。
この盛土材は、盛土材単独でもよいが、盛土材に岩石、
クリンカアッシュ、フライアッシュ、アスファルト廃材
等を混合したものでもよい。盛土材は、施工現場の土が
好ましいが、他所から運んだ土でもよい。岩石の寸法
は、特に限定されず、大型の破砕岩石から2〜75mm
程度の礫まで含む。
【0010】「吹付層」としては、人工土壌、種子、肥
料、養生剤(吹付層の安定固着を図る凝結剤)、土壌活
性剤(微生物の活性化を図る)等の素材を水にといて吹
付けるいわゆる「客土吹付工法」による厚さ約10〜3
0mmの吹付層や、同様の素材を乾式で吹付けるいわゆ
る「厚層基材吹付工法」による厚さ約30〜100mm
(又はそれ以上におよぶ)吹付層を例示できる。種子は
施工現場の土、施工季節、気象条件等に応じて適宜選択
される。なお、吹付層は単層にしても複数層にしてもよ
い。
【0011】また、本発明の別の法面、壁面等の緑化構
造は、鉄筋格子製の傾斜した前壁部と水平な底壁部とか
らなり、法面、壁面等の緑化対象面の前方に設置された
格子枠柵と、格子枠柵と緑化対象面との間に充填された
盛土材、岩石等の充填材とを備えた法面、壁面等の緑化
構造において、格子枠柵の前壁部の前面側又は背面側に
植生ネットを張設し、格子枠柵及び植生ネットに人工土
壌、種子等を含む吹付層を吹付形成したことを特徴とす
る。この場合、植生ネットの網目を通して現れる面(前
壁部や充填材の表面、あるいは、前壁部と充填材との間
に介在した物があるときはその介在物表面)にも、吹付
層が付着する。
【0012】この場合は、吹付層が格子枠柵及び植生ネ
ットの両方によって確実に保持されるので、植生ネット
は、特定のものに限定されず、従来通りの直径2〜4m
m程度紐による植生ネットでもよい。但し、最も好まし
いのは、偏平帯状体がその帯幅方向をネット厚さ方向に
起こした姿勢で網目を形成してなる植生ネットである。
【0013】ここで、格子枠柵の前壁部の後面と底壁部
の上面とに緑化用シートを配設することが好ましい。こ
の緑化用シートは、充填材のこぼれ落ちやエロージョン
を防止でき、植物の成長の妨げにならず、透水性のある
ものであれば特に限定されず、目のやや粗い布、水溶性
紙等を例示できる。好ましいものの一つは、土壌中の雑
菌等の微生物(土壌中の雑菌はバクテリアといわれるも
ので、細菌、糸状菌、放線菌等がある。)により分解さ
れて消滅する生分解性材料からなる緑化用シートであ
る。生分解性材料としては、デンプン系化合物、蛋白質
系化合物、ビニールエマルジョン系化合物、ポリ乳酸系
化合物、デンプンと樹脂とのブレンド等を例示でき、こ
れらから選ばれる少なくとも1種を使用できる。生分解
性材料からなる緑化用シートは、種子が発芽・生育して
施工面が安定した後は、土壌中の微生物により分解さ
れ、やがて形状を維持できなくなり消滅する。
【0014】また、必要に応じて、格子枠柵の底壁部の
下に強化シートを敷くこともできる。強化シートは充填
材の安定化機能と排水機能とを果たすものである。さら
に、強化シートの端部を緑化対象面に固定することもで
き、この場合の強化シートは、次のアンカーと同様の作
用を奏する。
【0015】また、緑化対象面にアンカーを固定し、該
アンカーに格子枠柵を連結材により連結することで、格
子枠柵の移動を強力に防止することもできる。アンカー
の形状や長さは、緑化対象面に応じて適宜決定できる。
連結材は、格子枠柵をアンカーに連結保持するのに十分
高強度のものであれば、特に限定されず、金属ワイヤ、
金属鎖、合成樹脂ロープ、ガラス繊維ロープ等を例示で
きる。アンカーと連結材との接続の仕方は、アンカーに
係止部を設け、連結材の一端を該係止部に直接的に接続
する態様でも、緑化対象面に沿って延びる取付材をアン
カーに固定し、連結材の一端を該取付材に接続すること
によりアンカーに間接的に接続する態様でもよい。取付
材としては、棒材、管材、アングル材、レール材等を例
示できる。
【0016】また、格子枠柵の前壁部が底壁部となす傾
斜角は、全段で一定でもよいが、一段毎に又は複数段毎
に上段側ほど大きく設定することもできる。具体的に
は、次の態様(a)(b)(c)を例示できる。 (a)一段目(最下段)の前壁部の傾斜角を例えば60
度とし、二段目以上の前壁部の傾斜角を順に62度、6
4度、66度、68度…とする等、一段毎に0.5〜1
0度ずつ大きくなるよう設定した態様。傾斜角の増加分
は、各段間で一定でもよいし、途中で変化させてもよい
(例えば同例で、60度、64度、67度、69度、7
0度…とする)。 (b)一段目〜三段目の前壁部の傾斜角を例えば60度
とし、四段目〜六段目の前壁部の傾斜角を64度とする
等、複数段毎に1〜10度ずつ大きくなるよう設定した
態様。傾斜角の増加分は、各段間で一定でもよいし、途
中で変化させてもよい。 (c)上記態様(a)と態様(b)とを混在させた態
様。
【0017】また、格子枠柵を構成する一部(例えば特
に強度が必要な部分)の鉄筋に、他の鉄筋より太いもの
を使用することもできる。これにより、鉄筋の一部が充
填材の圧力等によって正面側に湾曲変形する現象を防止
することができる。
【0018】さらに、上記緑化構造の各発明において、
透水性の収納体に肥料が入れられてなる養分補給部材
を、植生ネットより後側に横方向に延びるように添設す
ることが好ましい。
【0019】「養分補給部材」の「透水性の収納体」と
しては、編物、織布、不織布、生分解性材料フィルム
(生分解性材料については後述する。)等よりなる袋
や、金網、樹脂網等よりなるかごを例示できる。収納体
に、土壌改良剤、保水剤、人工土壌、種子又はこれらの
組合わせを、肥料とともに入れることもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】 《第一実施形態》図1及び図2は本発明の第一実施形態
に係る岩盤法面の緑化構造を、図3は同緑化構造に使用
する植生ネットをそれぞれ示し、同緑化構造は以下の工
程で構築されている。なお、岩盤法面1は例えば約60
度の急斜面である。
【0021】[格子枠柵の設置工程] 岩盤法面1の下
端前方の用地2に強化シート3を敷き、強化シート3の
上に必要数の格子枠柵5を横に並べて設置する。図1
(及び後述する図11)に示すように、格子枠柵5は傾
斜した前壁部6と水平な底壁部7とを備え、製造方法の
一例としては、鉄筋を縦横格子状に溶接(具体的にはア
ーク溶接による溶着)してなる鉄筋格子をその中央部で
折曲して形成される。前壁部6の上端と底壁部7の後端
との間をフック付き連結棒等で連結してもよい。強化シ
ート3は、特定の素材に限定されず、厚手の不織布、織
布、ネット等を例示できる。強化シート3は、底壁部7
の後端を越えて岩盤法面1側へ広げられる。15は格子
枠柵5の底壁部7を強化シート3に止めるための杭であ
る。格子枠柵5の前壁部6と岩盤法面1との間隔は、特
に限定されず、本実施形態では例えば約2000〜50
00mmである。
【0022】本実施形態において使用した格子枠柵5の
寸法等は次の通りであるが、例示にすぎず、この寸法等
は施工現場に応じて適宜変更されるものである。 前壁部6が底壁部7となす傾斜角: 約60度 前壁部6の傾斜長: 約600mm 底壁部7の奥行: 約600mm 前壁部6及び底壁部7の左右長: 約2600mm 鉄筋の直径: 約10mm 鉄筋格子の格子ピッチ: 100〜300mm
【0023】[緑化用シート敷設工程] 格子枠柵5の
前壁部6の後面と底壁部7の上面とに、目のやや粗い緑
化用シート8を敷く。緑化用シート8の上端を少し余ら
せて、前壁部6の前面に一時的に垂らしておくとよい
(図示略)。緑化用シート8は、特定の素材に限定され
ず、織布、不織布等を例示できる。
【0024】[盛土材充填工程] 格子枠柵5と岩盤法
面1との間に現場の土等を利用して盛土材9を充填す
る。盛土材9を衝撃ローラー等で転圧して締め固める。
余らせておいた前記緑化用シート8の上端を盛土材9の
上面に被せる。最上部の鉄筋の端部を後方に折り曲げ、
この緑化用シート8の上端を押さえ付けてもよい。これ
で一段目が形成される。
【0025】[多段繰り返し工程] 盛土材9の上面に
対し、上記の格子枠柵の設置工程、緑化用シート敷設工
程、盛土材充填工程を行なって、二段目を形成する。こ
の作業を下から上へ繰り返して、格子枠柵5及び盛土材
9を多段に構築する。最上段の格子枠柵5では、前壁部
6の縦鉄筋の上端を後側下方へ折り曲げて仕上げる(図
示略)。
【0026】[植生ネット張設工程] 格子枠柵5の前
壁部6の前側に植生ネット21を張設する。このとき、
植生ネット21の上から法面にアンカーピンを打ち込む
ことにより植生ネット21を法面に密着させておくと、
後述する植生ネット21の効果をより増すとともに、転
石、浮石等の崩落防止効果をも得ることができる。
【0027】本実施形態の植生ネット21は、図3に示
すように、偏平帯状体22がその帯幅方向をネット厚さ
方向に起こした姿勢で四角形の網目を形成してなるもの
である。偏平帯状体22は、ナイロン樹脂細線が帯幅の
両縁部22aで鎖状にかつ中間部22bで梯子状に編ま
れてなるもので、網目の結節点23も両縁部22aが交
差するように連続的に編まれることにより形成されてい
る。偏平帯状体22の帯幅(すなわち植生ネット21の
厚さ)は6〜10mm、帯厚は1〜3mm、網目の粗さ
は30×30mm〜50×50mmである。
【0028】[吹付層形成工程] 植生ネット21及び
植生ネット21の網目を通して現れる前壁部6や緑化用
シート8の前面に、人工土壌及び種子を含む吹付層16
を吹付形成する。本実施形態では、前記「厚層基材吹付
工法」により厚さ約60mmの吹付層16を形成した。
植生ネット21は、各網目が吹付層16に包み込まれて
係合するため、その後に吹付層16が流失・落下しない
ように吹付層16を保持する作用がある。
【0029】以上の工法で構築された岩盤法面1の緑化
構造によれば、格子枠柵5を使用したことにより、急
勾配でも施工できる、施工に重機を必要とせず、人力
作業が可能であり、施工が簡単で、多くの人手を要し
ない、施工効率が良く、工期を短縮できる、カーブ
した岩盤法面1にも容易に対応できる、現場の土を盛
土材9として利用できる等の多くの効果が得られる。
【0030】また、従来の直径2〜4mmの紐で形成さ
れていた植生ネットに対し、本実施形態の植生ネット2
1は、帯幅が6〜10mmと大きい偏平帯状体22で形
成されているため、吹付層16を保持する作用が大き
く、吹付層16が厚い場合や脆い場合でもその流失・落
下を防止することができる。また、植生ネット21は、
帯幅が大きくても帯厚が1〜3mmと小さい偏平帯状体
22で形成されているため、軽くかつ柔軟に形成でき、
優れた運搬性と取扱性とを得ることができる。
【0031】そして、人工土壌及び種子を含む吹付層1
6を吹付形成したことにより、単に緑化用シート8に種
子を内蔵した場合と比べて、種子の発芽性及び成長性が
良く、洋芝等の種子の発芽による1次植生を短期間で達
成することができる。その後は、木本植物が成長する。
【0032】強化部材としての強化シート3は、底壁部
7を越えて盛土材9中に広がり、格子枠柵5を盛土材9
に係留するとともに、盛土材9を安定化させる作用を奏
する。特に、厚い不織布よりなる強化シート3は、強度
が高いため土圧によっても切れにくく、強力な補強作用
を奏する。また、厚い不織布よりなる強化シート3は、
繊維材料による毛細管現象により、盛土材9に含まれた
水を正面に導いて排水する作用を奏するので、たとえ大
量の降雨があっても、盛土材9が軟弱化するおそれはな
い。
【0033】《第二実施形態》次に、図4は、第二実施
形態に係る岩盤法面1の緑化構造を示しており、養分補
給部材10を前壁部6の後側に横方向に延びるように添
設した点においてのみ、第一実施形態と相違している。
従って、第一実施形態と同様の部分については、図に同
一の符号を付して重複説明を避ける。
【0034】本実施形態では、盛土材充填工程におい
て、格子枠柵5と岩盤法面1との間に、前壁部6の中間
高さ位置まで現場の土等を利用して盛土材9を充填し、
該盛土材9を衝撃ローラー等で転圧して締め固める。図
4の点線は、締め固めた盛土材9の上面9aを示してい
る。
【0035】この盛土材9の上面9aであってかつ前壁
部6及び緑化用シート8の直ぐ後側に、養分補給部材1
0を横方向に延びるように添設する。養分補給部材10
は、盛土材9に養分を補給し得る肥料12が透水性の収
納体11に入れられてなるもので、肥料12に土壌改良
剤及び保水剤を加えてもよい。収納体11としては、不
織布、織布等よりなる長細い袋を例示できる。
【0036】続いて、前壁部6の上端高さ位置まで盛土
材9を充填し、該盛土材9を衝撃ローラー等で締め固め
る。余らせておいた前記緑化用シート8の上端を盛土材
9の上面に被せる。
【0037】本実施形態によれば、第一実施形態による
効果に加え、底壁部7の下に敷いた強化シート3の排水
作用やその他の要因による盛土材9の特に表面部の痩せ
を、養分補給部材10による養分の補給によって防止す
ることができる。
【0038】《第三実施形態》次に、図5は、第三実施
形態に係る岩盤法面1の緑化構造を示しており、岩盤法
面1にアンカー32を固定し、該アンカー32に格子枠
柵5を連結材34により連結した点と、格子枠柵5の前
壁部6が底壁部7となす傾斜角を上段側ほど大きく設定
した(具体的には、一段目(最下段)の傾斜角を例えば
約50度とし、二段目以上の傾斜角は一段毎に1〜5度
ずつ大きくする。)点と、養分補給部材10を前壁部6
の後側下部に横方向に延びるように添設した点において
のみ、第一実施形態と相違している。
【0039】本実施形態では、岩盤法面1に多数の取付
孔31を縦横に間隔をおいてあけ、各取付孔31に金属
棒よりなるアンカー32を挿入し、モルタル、接着剤、
樹脂等の充填材33で固定する。アンカー32の手前端
部にはリング形状の係止部が形成されている。
【0040】格子枠柵5を設置した後、該格子枠柵5を
アンカー32に連結材34により連結する。連結材34
はアセンブリ化されたもので、金属厚板製の二つのフッ
ク35と、両フック35を繋ぐ金属撚り線よりなるワイ
ヤ36とからなる。各フック35を格子枠柵5とアンカ
ー32の係止部に引っ掛ければ、容易に格子枠柵5をア
ンカー32に連結できる。格子枠柵5の連結箇所は、前
壁部6でも底壁部7でもよいが、前壁部6の下部の横鉄
筋や底壁部7の横鉄筋が適当であり、格子枠柵5毎に少
なくとも二箇所とすることが好ましい。
【0041】本実施形態によれば、第一実施形態及び第
二実施形態による効果に加え、盛土材9の奥行きを例え
ば約500mmと小さくしても、アンカー32に連結材
34で連結された格子枠柵5が盛土材9を抱持してその
崩れを防止する。従って、岩盤法面1の下端のすぐ前方
に側溝、道路、所有地境界等があって、用地2の幅が狭
い場合でも、簡単に施工することができる。
【0042】また、上記のように前壁部6の傾斜角を設
定することにより、土圧が大きい下段側において前壁部
6の傾斜角を小さくでき、盛土材9の土圧に耐える力を
確保できる。また、土圧が小さい上段側ほど前壁部6の
傾斜角を大きくでき、上端の法肩(図示略)が前進し
て、天端面の有効面積を広げることができる。
【0043】《第四実施形態》次に、図6は、第四実施
形態に係る岩盤法面1の緑化構造を示しており、植生ネ
ット21を各段の前壁部6の後側かつ緑化用シート8の
前側に張設した点においてのみ、第一実施形態と相違し
ている。
【0044】《第五実施形態》次に、図7は、第五実施
形態に係る岩盤法面1の緑化構造を示しており、前記緑
化用シートを省略し、それに代えて、各段の前壁部6の
後面と底壁部7の上面とに植生ネット21を張設した点
においてのみ、第一実施形態と相違している。
【0045】《第六実施形態》次に、図8は、第六実施
形態に係る切土法面40の緑化構造を示しており、前記
格子枠柵を用いずに、切土法面40に直接的に植生ネッ
ト21を張設し、植生ネット21及び植生ネット21の
網目を通して現れる切土法面40に吹付層16を吹付形
成した点において、第一実施形態と相違している。本実
施形態においても、植生ネット21による吹付層16の
保持作用が大きいため、吹付層16の流失・落下を防止
することができる。
【0046】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変
更して具体化することもできる。
【0047】(1)図9に示すように、植生ネット21
の網目を利用して細手の前記養分補給部材10を所定の
間隔で係着すること。
【0048】(2)植生ネット21を二重、三重等の多
重に張設すること。
【0049】(3)格子枠柵5の底壁部7を、強化シー
ト3に対し、ワイヤ等で結び付けて止めること。
【0050】(4)緑化用シート8を省略すること。
【0051】(5)各実施形態では、下段の格子枠柵5
の前壁部6に対して上段の格子枠柵5の前壁部6が後側
に重なるように配置されているが、図10に示すよう
に、下段の格子枠柵5の前壁部6に対して上段の格子枠
柵5の前壁部6が前側に重なるように配置することもで
きる。なお、図10では、便宜上、格子枠柵5以外の各
部の図示を省略している。
【0052】(6)図11に太線で示すように、格子枠
柵5を構成する一部(例えば特に強度が必要な部分)の
鉄筋に、他の鉄筋より太いものを使用すること。これに
より、鉄筋の一部が充填材の圧力によって正面側に湾曲
変形する現象を防止することができる。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
係る植生ネットによれば、吹付層を保持する作用を増大
させて、吹付層の流失・落下を防止することができると
ともに、軽くかつ柔軟に形成でき、運搬性や取扱性を高
めることもできるという優れた効果が得られる。
【0054】また、請求項2の発明に係る法面、壁面等
の緑化構造によっても、吹付層を保持する作用を増大さ
せて、吹付層の流失・落下を防止することができるとと
もに、植生ネットを軽くかつ柔軟に形成でき、その運搬
性や取扱性を高めることもできるという優れた効果が得
られる。
【0055】また、請求項3又は4の発明に係る法面、
壁面等の緑化構造によれば、急勾配でも施工でき、施工
効率が良い等の優れた点を持つ格子枠柵を用いた法面、
壁面等の緑化構造において、吹付層を保持する作用を増
大させて、吹付層の流失・落下を防止することができる
とともに、植生ネットを軽くかつ柔軟に形成でき、その
運搬性や取扱性を高めることもできるという優れた効果
が得られる。
【0056】上記効果に加え、請求項5又は6の発明に
係る法面、壁面等の緑化構造によれば、法面、充填材等
の特に表面部の痩せを養分の補給によって防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る岩盤法面の緑化構
造を一部破断して示す斜視図である。
【図2】同緑化構造の断面図である。
【図3】同緑化構造に使用した植生ネットの部分拡大斜
視図である。
【図4】本発明の第二実施形態に係る岩盤法面の緑化構
造を示す断面図である。
【図5】本発明の第三実施形態に係る岩盤法面の緑化構
造を示す断面図である。
【図6】本発明の第四実施形態に係る岩盤法面の緑化構
造を示す断面図である。
【図7】本発明の第五実施形態に係る岩盤法面の緑化構
造を示す断面図である。
【図8】本発明の第六実施形態に係る切土法面の緑化構
造を示す断面図である。
【図9】植生ネットの変更例を示す正面図である。
【図10】各実施形態における格子枠柵の配置の変更例
の斜視図である。
【図11】各実施形態における格子枠柵の変更例の斜視
図である。
【符号の説明】
1 岩盤法面 5 格子枠柵 6 前壁部 7 底壁部 8 緑化用シート 9 盛土材 16 吹付層 21 植生ネット 22 偏平帯状体 22a 両縁部 22b 中間部 23 結節点 40 切土法面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏平帯状体がその帯幅方向をネット厚さ
    方向に起こした姿勢で網目を形成してなる植生ネット。
  2. 【請求項2】 偏平帯状体がその帯幅方向をネット厚さ
    方向に起こした姿勢で網目を形成してなる植生ネットを
    法面、壁面等の緑化対象面に張設し、前記植生ネットに
    人工土壌、種子等を含む吹付層を吹付形成したことを特
    徴とする法面、壁面等の緑化構造。
  3. 【請求項3】 鉄筋格子製の傾斜した前壁部と水平な底
    壁部とからなり、法面、壁面等の緑化対象面の前方に設
    置された格子枠柵と、格子枠柵と緑化対象面との間に充
    填された盛土材、岩石等の充填材とを備えた法面、壁面
    等の緑化構造において、前記格子枠柵の前壁部の前面側
    又は背面側に植生ネットを張設し、前記格子枠柵及び植
    生ネットに人工土壌、種子等を含む吹付層を吹付形成し
    たことを特徴とする法面、壁面等の緑化構造。
  4. 【請求項4】 前記植生ネットは、偏平帯状体がその帯
    幅方向をネット厚さ方向に起こした姿勢で網目を形成し
    てなるものである請求項3記載の法面、壁面等の緑化構
    造。
  5. 【請求項5】 透水性の収納体に肥料が入れられてなる
    養分補給部材を、前記植生ネットより後側に横方向に延
    びるように添設したことを特徴とする請求項2、3又は
    4記載の法面、壁面等の緑化構造。
  6. 【請求項6】 前記収納体に、土壌改良剤、保水剤、人
    工土壌、種子又はこれらの組合わせを前記肥料とともに
    入れた請求項5記載の法面、壁面等の緑化構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008184857A (ja) * 2007-01-31 2008-08-14 Mochizuki Henshoku Kogyo Kk 起毛植生ネット、及び法面緑化保護方法
CN115024056A (zh) * 2022-02-18 2022-09-09 湖北三峡职业技术学院 一种边坡园林种子喷播落种架及安装设备

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