JPH09250135A - 法面、壁面等の保護構造 - Google Patents

法面、壁面等の保護構造

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JPH09250135A
JPH09250135A JP8722196A JP8722196A JPH09250135A JP H09250135 A JPH09250135 A JP H09250135A JP 8722196 A JP8722196 A JP 8722196A JP 8722196 A JP8722196 A JP 8722196A JP H09250135 A JPH09250135 A JP H09250135A
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JP
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frame fence
lattice frame
anchor
slope
front wall
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JP8722196A
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English (en)
Inventor
Akihiko Yasuda
晃彦 安田
Mitsuo Kimura
光男 木村
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Tenryu Industries Co Ltd
Original Assignee
Tenryu Industries Co Ltd
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 法面、壁面等に盛った盛土材の崩れを起こす
ことなく該盛土材の天端面の有効面積を広げることがで
きる法面、壁面等の保護構造を提供する。 【解決手段】 本発明の法面、壁面等の保護構造は、鉄
筋格子製の傾斜した前壁部1と水平な底壁部2とからな
り法面、壁面等の保護対象面21の前方に設置された格
子枠柵1と、格子枠柵1と保護対象面21との間に充填
された盛土材10とを備え、格子枠柵1及び盛土材10
は下から上へ二段以上に積み上げられ、格子枠柵1の前
壁部3が底壁部2となす傾斜角は、一段毎に又は複数段
毎に上段側ほど大きく設定されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、格子枠柵を用いた
法面、壁面等の保護構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】岩盤法面、コンクリート・モルタル吹付
法面、擁壁やダム等のコンクリート構造物の壁面等は、
景観保全上の問題が多いため、植生による緑化の導入が
考えられている。特開平4−213625号公報には、
鉄筋格子製の傾斜した前壁部と水平な底壁部とからなる
格子枠柵を法面の前方に設置し、格子枠柵の前壁部の後
面と底壁部の上面とに緑化シートを敷き、格子枠柵と法
面との間に盛土材を充填し、これらの工程を下から上へ
繰り返して多段に構築し、緑化シートに内蔵等した種子
を発芽させて緑化を図るという法面の保護構造が開示さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この保護構造は、急勾
配でも施工でき、施工効率が良い等の優れた点を持って
いる。しかし、前壁部の傾斜角が小さいほど、格子枠柵
が盛土材の土圧に耐える力は強くなるが、上端の法肩が
奥まり、天端面の有効面積が狭くなる。一方、前壁部の
傾斜角が大きいほど、上端の法肩が前進し、天端面の有
効面積は広くなるが、格子枠柵が盛土材の土圧に耐える
力は弱くなる。このように、従来の保護構造には、前壁
部の傾斜角の決定に二律背反した問題があった。
【0004】そこで、本発明の目的は、法面、壁面等に
盛った盛土材の崩れを起こすことなく該盛土材の天端面
の有効面積を広げることができる法面、壁面等の保護構
造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の法面、壁面等の保護構造は、鉄筋格子製の
傾斜した前壁部と水平な底壁部とからなり法面、壁面等
の保護対象面の前方に設置された格子枠柵と、該格子枠
柵と前記保護対象面との間に充填された盛土材とを備
え、前記格子枠柵及び盛土材は下から上へ二段以上に積
み上げられ、該格子枠柵の前壁部が底壁部となす傾斜角
は、一段毎に又は複数段毎に上段側ほど大きく設定され
るようにした。具体的には、次の態様(a)(b)
(c)を例示できる。
【0006】(a)一段目(最下段)の前壁部の傾斜角
を例えば60度とし、二段目以上の前壁部の傾斜角を順
に62度、64度、66度、68度…とする等、一段毎
に0.5〜10度ずつ大きくなるよう設定した態様。傾
斜角の増加分は、各段間で一定でもよいし、途中で変化
させてもよい(例えば同例で、60度、64度、67
度、69度、70度…とする)。 (b)一段目〜三段目の前壁部の傾斜角を例えば60度
とし、四段目〜六段目の前壁部の傾斜角を64度とする
等、複数段毎に1〜10度ずつ大きくなるよう設定した
態様。傾斜角の増加分は、各段間で一定でもよいし、途
中で変化させてもよい。 (c)上記態様(a)と態様(b)とを混在させた態
様。
【0007】ここで、保護対象面の一つである法面の種
類は、特に限定されず、岩盤法面、コンクリート・モル
タル吹付法面、切土法面、盛土法面等を例示できる。同
じく壁面の種類も、特に限定されず、擁壁やダム等のコ
ンクリート構造物の壁面を例示できる。
【0008】前記格子枠柵は、保護対象面に固定された
アンカーと、該アンカーと前記格子枠柵とを連結する連
結材とにより、保護対象面に連結されるようにしてもよ
い。
【0009】アンカーの形状や長さは、保護対象面に応
じて適宜決定できる。アンカーと連結材との接続の仕方
として、次の態様(イ)(ロ)を例示できる。 (イ)アンカーに係止部を設け、連結材の一端を該係止
部に直接的に接続する態様。係止部の形状としては、L
字形、V字形、U字形、リング形等を例示できる。 (ロ)保護対象面に沿って延びる取付材をアンカーに固
定し、連結材の一端を該取付材に接続することによりア
ンカーに間接的に接続する態様。取付材としては、棒
材、管材、アングル材、レール材等を例示できる。
【0010】連結材は、格子枠柵をアンカーに連結保持
するのに十分高強度のものであれば特に限定されず、次
の(1)〜(7)を例示できる。 (1)金属ワイヤ(金属の種類は、特に限定されない
が、ステンレス鋼等の不錆性金属が好ましい。以下同
じ。)、金属鎖、合成樹脂ロープ(ナイロンロープ、ア
ラミド繊維ロープ等を例示できる。以下同じ。)、ガラ
ス繊維ロープ等の線状体。この場合、線状体の端部を前
記格子枠柵、アンカーの係止部、取付材等に縛り付けて
接続する。あるいは、線状体を前記格子枠柵、アンカー
の係止部、取付材等に掛けて線状体の全体をループに
し、該線状体の両端部を結び合わせたり、寄り合わせた
り、圧着したりして接続することもできる。
【0011】(2)金属ワイヤ、合成樹脂ロープ、ガラ
ス繊維ロープ等の線状体と、該線状体の全体をループに
した状態で、該線状体の両端部同士を結束する結束手段
との組み合わせ。結束手段としては、線状体の両端部を
掴んでかしめるカシメ部材、線状体の両端部をネジで締
め付ける締付部材等を例示できる。この場合、線状体を
前記格子枠柵、アンカーの係止部、取付材等に掛けて線
状体の全体をループにし、該線状体の両端部を重ね合わ
せ、結束手段により結束して接続する。
【0012】(3)金属ワイヤ、合成樹脂ロープ、ガラ
ス繊維ロープ等の線状体と、該線状体の両方又は一方の
端部を小ループに湾曲した状態で、該端部を線状体の途
中部に結束する結束手段との組み合わせ。結束手段とし
ては、上記(3)と同様のものを例示できる。この場
合、線状体の端部を小ループに湾曲して前記格子枠柵、
アンカーの係止部、取付材等に掛けるとともに、折り返
した線状体の端部を線状体の途中部に重ね合わせ、結束
手段により結束して接続する。あるいは、予め線状体の
端部を小ループに湾曲した状態で結束手段により結束し
ておき、この線状体の途中部を前記格子枠柵、アンカー
の係止部、取付材等に掛け、折り返した前記小ループに
線状体の反対側の端部を通すことにより、接続すること
もできる。
【0013】(4)金属ワイヤ、金属鎖、合成樹脂ロー
プ、ガラス繊維ロープ等の線状体と、該線状体の両方又
は一方の端部に設けたフックとの組み合わせ。フックと
しては、U字状、C字状等に湾曲された金属棒や、U字
状、C字状等の切欠が形成された金属厚板等を例示でき
る。この場合、フックを前記格子枠柵、アンカーの係止
部、取付材等に引っ掛けて接続する。あるいは、線状体
の端部を前記格子枠柵、アンカーの係止部、取付材等に
回り込ませて小ループにし、折り返したフックを線状体
の途中部に引っ掛けて接続することもできる。
【0014】(5)金属棒、合成樹脂棒等の棒状体と、
該棒状体の両方又は一方の端部に設けたフックとの組み
合わせ。フックとしては、上記(2)と同様のものを例
示できる。この場合、フックを前記格子枠柵、アンカー
の係止部、取付材等に引っ掛けて接続する。
【0015】(6)上記(1)(2)(3)(4)
(5)を適宜組み合わせたもの。
【0016】(7)上記(1)(2)(3)(4)
(5)(6)の連結材の線状体又は棒状体の途中に長さ
調節可能なターンバックル等の締め具を設け、連結材の
長さ調節と連結時の締付力調節とを可能にしたもの。
【0017】なお、格子枠柵に対する連結材の連結箇所
は、特に限定されないが、前壁部の下部や底壁部が適当
である。また、この連結箇所の数も、特に限定されず、
一箇所でもよいが、二箇所以上とすることが好ましい。
【0018】格子枠柵の前壁部と保護対象面との間隔
は、盛土材が法面から崩れるのを防止するため200c
m以上とすることが好ましいが、前記アンカーと前記連
結材とにより保護対象面と格子枠柵とを連結した場合に
は、20〜200cmと小さくでき、さらには20〜1
00cmと小さくできる。
【0019】また、格子枠柵の前壁部の後面と底壁部の
上面とに緑化シートを配設することが好ましい。緑化シ
ートは、盛土材のこぼれ落ちやエロージョンを防止で
き、植物の成長の妨げにならず、透水性のあるものであ
れば特に限定されず、目のやや粗い布、水溶性紙等を例
示できる。
【0020】盛土材は、施工現場の土が好ましいが、他
所から運んだ土でもよい。また、盛土材の代わりに、岩
石、石等を使用することもでき、現場の岩盤斜面の破砕
によってできた破砕岩石を使用してもよい。また、施工
条件により土のうを詰めてもよい。
【0021】緑化のための種子は、緑化シートに予め内
蔵されていてもよいが、緑化シートの前面に人工土壌と
ともに層状に吹付けられることが好ましい。この吹付層
としては、いわゆる「客土吹付工法」による厚さ約10
〜30mmの吹付層や、いわゆる「厚層基材吹付工法」
による厚さ約30〜70mmの吹付層を例示できる。種
子は、施工現場の土、施工季節、気象条件等に応じて適
宜選択される。また、緑化シートの上又は下に植生帯を
張り付けてもよい。
【0022】さらに、必要に応じて、格子枠柵の底壁部
の下に強化シートを敷くこともできる。強化シートは盛
土材の安定化機能と排水機能とを果たすものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
《第一実施形態》図1及び図2は、本発明を具体化した
第一実施形態の保護構造を示し、以下の工程順で行なう
保護工法により構築されている。なお、岩盤法面1は例
えば約60度の急斜面である。
【0024】[格子枠柵の設置工程] 岩盤法面1の下
端前方の用地14に強化シート6を敷き、強化シート6
の上に必要数の格子枠柵7を横に並べて設置する。強化
シート6は省略してもよい。格子枠柵7は、鉄筋を縦横
格子状に溶接(具体的にはアーク溶接による溶着)して
なる鉄筋格子をその中央部で折曲して形成されたもの
で、傾斜した前壁部8と水平な底壁部9とを備えてい
る。この鉄筋ピッチは適宜自由に変更できる。前壁部8
の上端と底壁部9の後端との間をフック付き連結棒等で
連結してもよい。格子枠柵7の前壁部8と岩盤法面1と
の間隔は、特に限定されず、本実施形態の一段目(最下
段)では、例えば約2000mmである。後述するよう
に、上段側ほどこれより大きくなる。
【0025】使用した格子枠柵7の寸法等は次の通りで
あるが、例示にすぎず、この寸法等は施工現場に応じて
適宜変更されるものである。 前壁部8が底壁部9となす傾斜角: 一段目(最下段)
では約50度(後述するように、上段側ほどこれより大
きくなる) 前壁部8の傾斜長: 約600mm 底壁部9の奥行: 約250mm 前壁部8及び底壁部9の左右長: 約2600mm 鉄筋の直径: 約10mm 鉄筋格子の格子ピッチ: 100〜300mm また、格子枠柵7の前壁部8と岩盤法面1との間隔は、
一段目(最下段)では約2000mmとしたので、用地
14の幅は2000mm以上あればよい。この間隔も適
宜変更できる。
【0026】[緑化シート敷設工程] 格子枠柵7の前
壁部8の後面と底壁部9の上面とに、目のやや粗い布よ
りなる緑化シート11を敷く。緑化シート11の上端を
少し余らせて、前壁部8の前面に垂らしておくとよい。
【0027】[盛土材充填工程] 格子枠柵7と岩盤法
面1との間に現場の土を利用して盛土材12を充填す
る。盛土材12を衝撃ローラー等で締め固める。余らせ
ておいた前記緑化シート11の上端を盛土材12の上面
に被せる。これで一段目が形成される。
【0028】[多段繰り返し工程] 盛土材12の上面
に対し、上記の格子枠柵の設置工程、緑化シート敷設工
程、盛土材充填工程を行なって、二段目を形成する。こ
の作業を下から上へ繰り返して、格子枠柵7及び盛土材
12を多段に構築する。図1は五段に構築された例を示
しているが、この段数は適宜変更できる。
【0029】本工程で使用する格子枠柵7は、前壁部8
が底壁部9となす傾斜角が上段側ほど大きく設定されて
いる。具体的には、一段目(最下段)の傾斜角は例えば
約50度とし、二段目以上の傾斜角は一段毎に1〜5度
ずつ大きくする。なお、この傾斜角の設定の仕方は、
[課題を解決するための手段]に記したように変更する
こともできる。従って、各段の格子枠柵7の前壁部8と
岩盤法面1との間隔は、一段目(最下段)では約200
0mmであるが、前記傾斜角が大きくなるに従って大き
くなる。
【0030】[吹付層形成工程] 格子枠柵7の前壁部
8の鉄筋格子を通して、緑化シート11の前面に種子及
び人工土壌を含む吹付層13を吹付形成する。詳しく
は、種子、人工土壌、肥料、吹付層の安定固着を図る養
生剤(凝結剤)、微生物の活性化を図る土壌活性剤、等
の素材を水にといて吹付ける「客土吹付工法」、又は同
様の素材を乾式で吹付ける「厚層基材吹付工法」による
ことが好ましい。また、吹付層13は単層にしても複数
層にしてもよい。
【0031】以上の工法で構築された法面、壁面等の保
護構造によれば、上記のように前壁部8の傾斜角を設定
することにより、土圧が大きい下段側において前壁部8
の傾斜角を小さくでき、盛土材12の土圧に耐える力を
確保できる。また、土圧が小さい上段側ほど前壁部8の
傾斜角を大きくでき、上端の法肩16が前進して、天端
面17の有効面積を広げることができる。図1の二点鎖
線は、一段目の前壁部8の傾斜角を延長した場合、即ち
二段目以上の格子枠柵の傾斜角を変化させなかった場合
の仮想線であり、該仮想線と比べて法肩16が前進して
おり、範囲Aだけ天端面17の有効面積が広がっている
ことが分かる。
【0032】また、格子枠柵7を使用したことにより、
急勾配でも施工できる、施工に重機を必要とせず、
人力作業が可能であり、施工が簡単で、多くの人手を
要しない、施工効率が良く、工期を短縮できる、カ
ーブした法面、壁面等にも容易に対応できる、現場の
土を盛土材12として利用できる等の多くの効果も得ら
れる。
【0033】さらに、緑化シート11の前面に種子及び
人工土壌を含む吹付層13を吹付形成したので、緑化シ
ートに種子を内蔵させる場合と比べて、種子の発芽性及
び成長性が良く、洋芝等の種子の発芽による一次植生を
短期間で達成することができる。その後は、木本植物が
成長する。
【0034】《第二実施形態》次に、図3及び図4は、
本発明を具体化した第二実施形態の保護構造を示し、、
第一実施例と同様の部材については、図1等と同一の符
号を付して重複説明を避ける。18は前壁部8の背面側
に盛土材の代わりに充填された破砕岩石であり、本実施
例によれば、格子枠柵7の前壁部8の背面側に、例えば
岩盤斜面の破砕によってできた破砕岩石を充填すること
ができる。
【0035】《第三実施形態》次に、図5〜図7は、岩
盤法面の保護構造に実施した第三実施形態を示し、次の
点(1)(2)(3)においてのみ、第一実施形態と相
違している。従って、第一実施形態と同様の部分につい
ては、図に同一の符号を付して重複説明を避ける。
【0036】(1)格子枠柵の設置工程の前に以下のア
ンカー固定工程を含むこと。 [アンカー固定工程] 岩盤法面1に多数の取付孔20
を縦横に間隔をおいてあけ、該取付孔20に金属棒より
なるアンカー37を挿入するとともに充填材22を充填
して、アンカー37を固定する。充填材22にはコンク
リート、モルタル、接着剤、樹脂等を使用できる。アン
カー37の奥端部には充填材22に係止して抜け止めを
果す係止凸部37aが一体的に設けられ、アンカー37
の手前端部にはリング形状の係止部38が一体的に形成
されている。
【0037】(2)格子枠柵の設置工程において、格子
枠柵7の前壁部8と岩盤法面1との間隔は、一段目(最
下段)では約500mmとしたこと。従って、用地14
の幅は500mm以上あれば足りる。この間隔も適宜変
更できる。
【0038】(3)格子枠柵の設置工程の次に以下の格
子柵の連結工程を含むこと。 [格子枠柵の連結工程] 連結材27によって格子枠柵
7をアンカー37に連結する。連結材27はアセンブリ
化されたもので、図7に示すように、U字状の切欠28
が形成された所望の板厚を有する金属板製の二つのフッ
ク29と、両フック29を繋ぐ金属撚り線よりなるワイ
ヤ30とからなる。各フック29の切欠28を格子枠柵
7とアンカー37の係止部38に直接引っ掛ければ、容
易に格子枠柵7をアンカー37に連結できる。切欠28
の開口は窄められており、格子枠柵7や係止部38から
の外れを防止している。
【0039】格子枠柵7の連結箇所は、前壁部8でも底
壁部9でもよいが、前壁部8の下部の横鉄筋や底壁部9
の横鉄筋が適当であり、格子枠柵7毎に少なくとも二箇
所とすることが好ましい。図5は、底壁部9の後側の横
鉄筋と、アンカー37の係止部38とを、略水平に連結
した例を示している。図6は、底壁部9の前側又は後側
の横鉄筋や前壁部8の上部又は下部の横鉄筋と、アンカ
ー37の係止部38とを、略水平に又は斜めに連結した
例を示している。
【0040】以上の工法で構築された法面、壁面等の保
護構造によれば、盛土材12の奥行きが例えば約500
mmと小さいにも拘らず、アンカー37に連結材27で
連結された格子枠柵7が盛土材12を抱持してその崩れ
を防止する。従って、本ケースのように岩盤法面1の下
端のすぐ前方に側溝15(その他、道路、所有地境界
等)があって、用地14の幅が狭い場合でも、簡単に施
工することができる。
【0041】また、連結材27は次のような別方法で使
用することもできる。図8に示すように、連結材27の
ワイヤ30を長くし、その中央部を係止部38に直接引
っ掛けてV字状に張り、両端のフック29の切欠28を
格子枠柵7に引っ掛ける方法。
【0042】図9に示すように、ワイヤ30をループ状
に湾曲して格子枠柵7(又は取付材26)に掛けるとと
もに、フック29の切欠28をワイヤ30の途中部に引
っ掛け、前記ループが小さくなるように絞って連結する
方法。この場合、前記ループがクッション作用を奏し、
格子枠柵7をアンカー37に緩衝性・融通性をもって連
結できる。これにより、例えば各段の盛土材12に多少
の沈下が発生して、格子枠柵7が下降した場合でも、連
結材27は前記ループにおいて若干延びることにより追
従し、格子枠柵7を以前と同様に連結し続ける。従っ
て、緑化面に亀裂が入るおそれは少ない。
【0043】さらに、連結材27のフック29の切欠2
8の形状は、特に限定されず、図10に示す変更例のよ
うに例えば四角状にすることもできる。
【0044】また、前記連結材27に代えて、例えば図
11〜図16に示すような連結材を使用することもでき
る。図11の連結材39は、金属ワイヤ、合成樹脂ロー
プ、ガラス繊維ロープ等の線状体であって、両端部をそ
れぞれ格子枠柵7とアンカー37の係止部38に縛り付
けて接続している。
【0045】図12の連結材40も、金属ワイヤ、合成
樹脂ロープ、ガラス繊維ロープ等の線状体である。連結
材40の途中部を格子枠柵7とアンカー37の係止部3
8に掛けて線状体全体をループにし、連結材40の両端
部を結び合わせたり、寄り合わせたり、圧着したりして
接続している。
【0046】図13の連結材41は、金属ワイヤ、合成
樹脂ロープ、ガラス繊維ロープ等の線状体42と、線状
体42の全体をループにした状態で、該線状体42の両
端部同士を結束する結束手段としての締付部材43との
組み合わせである。締付部材43は、図14に示すよう
に、基板部45とそれから立設した例えば4本の突起4
6とからなる抱持体44と、基板部45の2つの透孔4
7に通された倒立U字状の締付体49と、締付体49の
両下端部の雄ネジ50に螺合するナット51とで構成さ
れている。基板部45の上面には例えば3本の滑り止め
凸部48が設けられている。図13の例では、アンカー
の係止部も変更されており、アンカー37の手前端部に
形成された雄ネジ52にはナット53が螺合され、該ナ
ット53には半リング状の係止部54が固着されてい
る。そして、線状体42を格子枠柵7とアンカー37の
係止部54に掛けて線状体42の全体をループにし、線
状体42の両端部を重ね合わせて、締付部材43の抱持
体44の4本の突起46の間に抱持させ、締付体49を
上方から透孔47に通し、ナット51を螺合させて締め
ることにより、締付体49と基板部45との間に線状体
42の両端部を締め付けて接続する。
【0047】図15の連結材55は、図13と同様の線
状体42と、線状体42の一方の端部を小ループに湾曲
した状態で、該端部を線状体42の途中部に結束する図
14と同様の締付部材43との組み合わせである。線状
体42の他方の端部は、小ループ56に湾曲した状態
で、線状体42の途中部に寄り合わせられて結束されて
いる。そして、線状体42を格子枠柵7に掛け、折り返
した小ループ56に線状体42自身を一方の端部からく
ぐらせて通す。この通した一方の端部を小ループに湾曲
し、アンカー37の係止部54に掛けるとともに、折り
返した端部を線状体42の途中部に重ね合わせ、締付部
材43により図13と同様にして締め付けて接続する。
【0048】図16の連結材57は、図7の連結材のワ
イヤ30の途中に長さ調節可能なターンバックル58を
設け、連結材57の長さ調節と連結時の締付力調節とを
可能にしたものである。
【0049】《第四実施形態》次に、図17は、第三実
施形態と同じく岩盤法面の保護構造に実施した第四実施
形態を示し、次の点(1)(2)においてのみ、第三実
施形態と相違している。従って、第三実施形態と同様の
部分については、図に同一の符号を付して重複説明を避
ける。
【0050】(1)図17に示すように、アンカー2は
金属棒よりなり、岩盤法面1に多数の該アンカー2を縦
横に略等間隔をおいて打ち込んで固定する。アンカー2
の前端近くには規制片3が止着されており、該規制片3
が岩盤法面1に略当接するまでアンカー2を打ち込む。
アンカー2の前端には挿通リング4が止着されており、
該挿通リング4に、岩盤法面1に沿って上下方向に延び
る取付材5を挿通して固定する。図示した取付材5は管
材である。なお、規制片3は省略してもよい。また、ア
ンカー2と取付材5との固定手段は、挿通リング4以外
にも、ネジ、ワイヤーによる縛り付け、溶接等、適宜変
更できる。
【0051】(2)連結材10は金属ワイヤよりなり、
該連結材10の両端を格子枠柵7と取付材5に接続する
ことにより、格子枠柵7をアンカー2に連結する。格子
枠柵7の連結箇所としては前壁部8の下部や底壁部9が
適当であり、格子枠柵7毎に少なくとも二箇所とする。
また、取付材5に対しては、連結材10の端部を掛けて
ループ状又はU字状とすることにより、摺動可能に接続
する。これにより、例えば各段の盛土材12に多少の沈
下が発生して、格子枠柵7が下降した場合でも、連結材
10は取付材5に対して摺動することにより追従し、格
子枠柵7を以前と同様に連結し続ける。従って、緑化面
に亀裂が入るおそれは少ない。なお、この沈下のおそれ
が少ないときには、取付材5に対して連結材10の端部
を固定してもよい。
【0052】《第五実施形態》次に、図18は、第三実
施形態と同じく岩盤法面の保護構造に実施した第五実施
形態を示し、次の点(1)(2)においてのみ、第三実
施形態と相違している。従って、第三実施形態と同様の
部分については、図に同一の符号を付して重複説明を避
ける。
【0053】(1)図18に示すように、アンカー21
は有底金属筒よりなり、岩盤法面1に多数の取付孔20
をあけ、該取付孔20にアンカー21を刺し込むととも
に、充填材22を充填してアンカー21を固定する。充
填材22にはコンクリート、モルタル、接着剤、樹脂等
を使用できる。アンカー21の外周には充填材22に係
止して抜け止めを果す係止凸部21aが設けられてい
る。アンカー21のネジ孔23に金属棒よりなる係止部
材24を調節可能に螺合し、係止部材24の手前端部に
折曲形成された係止部25に、岩盤法面1に沿って左右
方向に延びる取付材26を係止し溶接固定する。図示し
た取付材26は丸棒材である。
【0054】(2)連結材27はアセンブリ化されたも
ので、U字状の切欠28が形成された金属厚板製の二つ
のフック29と、両フック29を繋ぐ金属撚り線よりな
るワイヤ30とからなる。各フック29の切欠28を格
子枠柵7と取付材26に引っ掛ければ、容易に格子枠柵
7をアンカー21に連結できる。切欠28の開口は窄め
られており、格子枠柵7や取付材26からの外れを防止
している。このように、本実施形態においては、左右方
向に延びる取付材26を用いているので、連結材27の
位置を左右方向に自在に調節でき、格子枠柵7に対する
連結箇所の自由度が高くなる。
【0055】《第六実施形態》次に、図19及び図20
は、コンクリート擁壁ブロックの壁面の保護構造(緑化
構造)に実施した第六実施形態を示し、次の点(1)
(2)(3)においてのみ、第三実施形態と相違してい
る。従って、第三実施形態と同様の部分については、図
に同一の符号を付して重複説明を避ける。
【0056】(1)コンクリート擁壁ブロック32の壁
面33は約90度の急斜面である。この壁面33に多数
の取付孔34をあけ、該取付孔34にアンカー35を刺
し込むとともに、第三実施形態と同様の充填材36を充
填してアンカー35を固定する。 (2)格子枠柵7の寸法は第一実施形態のものと略同じ
であるが、前壁部8の傾斜長は約500mmである。 (3)壁面33の高さは例えば1500mmであり、格
子枠柵7は三段に積み上げる。最下段の格子枠柵7の前
壁部8の下端と壁面33との間隔は約1000mmであ
るが、三段目の格子枠柵7の前壁部8の下端と壁面33
との間隔は約600mmである。
【0057】この保護構造によれば、従来は広い用地幅
を確保できないために緑化が難しかったコンクリート構
造物の壁面33を容易に緑化でき、景観の向上を図るこ
とができる。
【0058】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変
更して具体化することもできる。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の法面、壁
面等の保護構造によれば、法面、壁面等に盛った盛土材
の崩れを起こすことなく該盛土材の天端面の有効面積を
広げることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る保護構造を示す断
面図である。
【図2】同保護構造の斜視図である。
【図3】本発明の第二実施形態に係る保護構造を示す断
面図である。
【図4】同保護構造の斜視図である。
【図5】本発明の第三実施形態に係る岩盤法面の保護構
造を示す断面図である。
【図6】同保護構造の変更例の断面図である。
【図7】同保護構造の斜視図である。
【図8】同保護構造における連結材の別の使用法を示す
斜視図である。
【図9】同保護構造における連結材の別の使用法を示す
斜視図である。
【図10】同連結材の変更例の斜視図である。
【図11】連結材の別例の斜視図である。
【図12】連結材の別例の斜視図である。
【図13】連結材の別例の斜視図である。
【図14】図13の連結材における締付部材の分解斜視
図である。
【図15】連結材の別例の斜視図である。
【図16】連結材の別例の斜視図である。
【図17】本発明の第四実施形態に係る岩盤法面の保護
構造を示す斜視図である。
【図18】本発明の第五実施形態に係る岩盤法面の保護
構造を示す斜視図である。
【図19】本発明の第六実施形態に係るコンクリート擁
壁ブロックの壁面の保護構造を示す断面図である。
【図20】同保護構造の斜視図である。
【符号の説明】
1 岩盤法面 7 格子枠柵 8 前壁部 9 底壁部 12 盛土材 32 コンクリート擁壁ブロック 33 壁面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄筋格子製の傾斜した前壁部と水平な底
    壁部とからなり法面、壁面等の保護対象面の前方に設置
    された格子枠柵と、該格子枠柵と前記保護対象面との間
    に充填された盛土材とを備え、前記格子枠柵及び盛土材
    は下から上へ二段以上に積み上げられ、該格子枠柵の前
    壁部が底壁部となす傾斜角は、一段毎に又は複数段毎に
    上段側ほど大きく設定されたことを特徴とする法面、壁
    面等の保護構造。
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