JPH0953240A - 土留構造体 - Google Patents

土留構造体

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Publication number
JPH0953240A
JPH0953240A JP20617395A JP20617395A JPH0953240A JP H0953240 A JPH0953240 A JP H0953240A JP 20617395 A JP20617395 A JP 20617395A JP 20617395 A JP20617395 A JP 20617395A JP H0953240 A JPH0953240 A JP H0953240A
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JP
Japan
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soil
anchor body
retaining wall
earth retaining
anchor
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JP20617395A
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Inventor
Takeshi Koizumi
剛 小泉
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GEO SYST KK
Geosystem Co Ltd Japan
Original Assignee
GEO SYST KK
Geosystem Co Ltd Japan
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Publication date
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 土圧を受ける土留壁にアンカー体を任意の位
置で連結する。 【解決手段】 縦方向に延びる複数の縦部材27と横方
向に延びる複数の横部材28とが連結されて格子状の土
留壁21が構成される。この土留壁21は複数設けら
れ、土留壁21の背後には背後土22が収容されてい
る。アンカー体25は前記縦方向および横方向を含む仮
想一平面に交差する前後方向に延び、背後土22中に埋
設される埋設部23と、埋設部23の前方寄りの一端部
30に連なって後方に折返され、鉤状部24とを有す
る。鉤状部24は前記土留壁21の縦部材27寄りの前
方側へ部分的に突出し、縦部材27の前方側に配置さ
れ、横部材28とほぼ平行に延びる係止部材26によっ
て係止されている。この係止部材を鉤状部24に係止す
ることによってアンカー体25が土留壁21に係止され
て連結されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、盛土または切土に
よる斜面が崩れ落ちて、その斜面が崩壊することを防止
し、所望の勾配で安定した法面を形成するために好適に
実施することができる土留構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】図29は、典型的な従来技術の土留構造
体1を示す鉛直断面図である。土留構造体1は、格子状
であり、土留壁2およびアンカー体3を有する略L字状
の土留体4を用い、この土留体4の土留壁2の背後、す
なわち図29の左側に背後土5を収容して構成されてい
る。土留体4は、鉄筋などの鋼棒であって、略L字状に
屈曲した複数の主部材6と、鉄筋などの鋼棒である連結
部材7とがたとえば溶接によって連結されて格子状とさ
れる。この土留体4の土留壁2は、下方になるにつれて
前方、すなわち図29の右方に突出するように傾斜して
配置される。アンカー体3は、土留壁2の下端部に連な
って後方に屈曲している。このような土留体4は、上下
方向に複数配置されている。
【0003】背後土5は、盛土である場合、たとえば図
示しない現地盤上に砂礫土などを搬入することによって
基礎部を形成した後、各土留体4を前述のように下から
上へ配置しながら盛土・転圧して、土留壁2の背後に背
後土5を収容する。このような状態でアンカー体3は、
背後土5中に埋設された状態となる。このようにして、
背後土5の前面9を土留壁2によって係止し、この土留
壁2に作用する土圧力にアンカー体3の背後土5に対す
る摩擦力によって抗することができ、安定した法面8を
形成することができるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】背後土5によって土留
体4に作用する土圧力は、クーロンの土圧式あるいはラ
ンキンの土圧式などからも明らかなとおり、土留構造体
1の下部になるにつれて大きくなり、このため下部にな
るにつれて土留壁2の安定に対する安全率を確保するた
めに必要とされる力が大きくなる。この土留壁2を安定
させる力は、前述のようにアンカー体3の背後土5に対
する摩擦力によって得られるけれども、細い棒状のアン
カー体3だけによって得られる引抜きに対する抵抗力に
は限界がある。すなわち、土留壁2とアンカー体3とが
一体的に構成された土留体4を用いているため、アンカ
ー体3の配置間隔およびアンカー長が固定化されてい
る。このため、一般に土留構造体1の設計時において、
上部の土圧力を基準に設計すると、下部の土圧力を土留
体4によって受け切れなくなることから、下部の土圧力
を基準に設計される。そのため、壁高が大きいときに
は、下部よりも上方に配置される土留体3には強度的に
無駄が生じるという問題があった。
【0005】したがって本発明の目的は、土圧力に応じ
てアンカー体の配置間隔およびアンカー長を任意に設定
でき、土留体の強度上の無駄をなくし、施工性を向上す
ることができる土留構造体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、予め定める第
1方向に延び、この第1方向に略垂直な第2方向に間隔
をあけて設けられる長尺状の複数の第1部材と、前記第
2方向に延び、前記第1方向に間隔をあけて設けられ、
各第1部材に連結される長尺状の複数の第2部材とによ
って格子状に形成される土留壁と、前記土留壁の背後に
収容される背後土と、前記第1および第2方向を含む仮
想一平面に交差する第3方向に延び、前記背後土中に埋
設される埋設部と、埋設部の土留壁寄りの一端部に連な
って後方に折返され、前記第1部材から背後土とは反対
側の前方へ部分的に突出する鉤状部とを有するアンカー
体と、前記第1または第2部材の前方側で鉤状部に挿通
され、アンカー体を土留壁に係止する長尺状の係止部材
とを含むことを特徴とする土留構造体である。本発明に
従えば、第1方向に延びる複数の第1部材と、第2方向
に延びる複数の第2部材とが連結されて、格子状の土留
壁が構成される。この土留壁の背後には背後土が収容さ
れる。アンカー体は、埋設部と鉤状部とを有しており、
埋設部は、前記第1および第2方向を含む仮想一平面に
垂直な第3方向に延び、背後土中に埋設され、鉤状部
は、埋設部の土留壁寄りの一端部に連なって後方に折返
えされ、前記第1部材から前方へ部分的に突出してい
る。係止部材は第1または第2部材の前方側で、アンカ
ー体の鉤状部に挿通され、アンカー体が土留壁に係止さ
れる。このようにして背後土の土圧を受ける土留壁をア
ンカー体によって支持し、土留構造物として充分な安定
性を達成することができる。しかもアンカー体は、係止
部材を用いて土留壁に係止されるので、所定のアンカー
長を有する各アンカー体を土留壁の任意の位置に任意の
間隔で設けることができる。したがって各アンカー体の
配置上の自由度が大きくなり、強度上の無駄をなくすこ
とができる。
【0007】また本発明は、前記土留壁の前方側に配置
される板状の前壁体と、前記土留壁に、前記前壁体を連
結する連結部材とを備えることを特徴とする。本発明に
従えば、板状の前壁体が、前記土留壁の前方側に配置さ
れ、前記土留壁に、連結部材によって連結されている。
これによって、植生しない場合に、降雨や土中水によっ
て縦部材および横部材の間から土砂が流出してしまうこ
とを防止し、土砂流出による土留構造体の崩壊を防止す
ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の第1形態の
土留構造体20を示す鉛直断面図であり、図2は図1の
右方から見て示す正面図である。土留構造体20は、格
子状の土留壁21と、この土留壁21の背後、すなわち
図1の左方側に収容される背後土22と、埋設部23お
よび鉤状部24を有するアンカー体25と、アンカー体
25を土留壁21に係止するための係止部材26とを含
んで構成される。
【0009】土留壁21は、予め定める第1方向である
略鉛直な縦方向に延びる複数の第1部材である縦部材2
7と、縦方向に略垂直であり、略水平な第2方向である
横方向に延びる複数の第2部材である横部材28とを有
する。各縦部材27は、長尺状であり、たとえば直径が
5mm、長さが60cmの異形鋼棒であり、前記縦方向
に沿って下方になるにつれて前方、すなわち図1の右方
に傾斜して突出する方向に延びて設けられ、横方向であ
る図1の紙面に対して垂直方向に間隔をあけて、たとえ
ば間隔L1=12cm毎に配置される。各横部材28
は、前記縦部材27と同様の異形鋼棒であり、前記縦方
向に間隔をあけて、たとえば間隔L2=6cm毎に配置
され、前記縦部材27に、その縦部材27の背後で、た
とえばスポット溶接などによって連結される。このよう
にして、縦部材27と横部材28とによって格子状の土
留壁21が構成される。このような土留壁21は複数設
けられ、縦方向に隣接する2つの土留壁21は、ラップ
長L3だけ重なって配置される。このラップ長L3は、
たとえば10cmに選ばれる。
【0010】本発明の実施のこの形態は、盛土の場合を
示しており、背後土22は、たとえば図示しない現地盤
上に栗石などから成る基礎部を構成した後に砂礫土など
を搬入することによって構成される。このようにして構
成される背後土22は、前述のように土留壁21の背後
に収容されて設けられ、土留壁21に沿って法面29が
形成される。すなわち、この法面29は、前記縦部材2
7と同一の勾配を有している。このように背後土22
が、土留壁21の背後に収容されて、その前面22aは
土留壁21によって係止され、法面29は土留壁21に
よって形成されている。ここで土留壁21は、前述のよ
うに格子状であり、これによって法面29の縦部材27
および横部材28間には、背後土22の土砂すなわち砂
礫土を露出させることができる。したがって、この法面
29にたとえば芝などの植物を植生することができ、緑
化を行って環境保全することができる。しかも縦部材2
7および横部材28は前述のように異形鋼棒であって、
外周部に複数のリブを有しており、表面が凹凸状である
ので、土留壁21が格子状であっても法面29に土砂を
露出させた状態であっても、背後土22の前面22aが
より効率よく係止される。
【0011】前記アンカー体25は網状であり、帯状で
あって、前記縦方向および横方向を含む仮想一平面に交
差する第3方向である前後方向、すなわち図1の左右方
向に延び、前記背後土22中に埋設される埋設部23
と、この埋設部23の土留壁4寄りである前方寄りの一
端部30に連なって後方に折返され、前記縦部材27か
ら背後土22と反対側の前方へ部分的に突出する鉤状部
24とを有する。埋設部23は、前記前後方向に真っす
ぐに延びて設けられ、その長さは背後土22の土砂の種
類などによって、アンカー体25の埋設部23の背後土
22に対する所定の摩擦力が得られる長さに選択され
る。鉤状部24は、埋設部23の前記一端部30に連な
って、相互に隣接する縦部材27間および横部材28間
から各縦部材27よりも前方へ突出して上方へ湾曲し、
さらに後方へ湾曲する湾曲部31と、湾曲部31に連な
って後方、すなわち図1の左方に向けて背後土22中へ
延びる折返し部32とを有する。折返し部32は後方に
向かうにつれて上方に傾斜している。このようなアンカ
ー体25は、たとえばエキスパンドメタルによって実現
され、帯状のエキスパンドメタルから成る部材を、その
一端部を前述のように鉤状に折返すことによって構成す
ることができる。このアンカー体25の幅L4は、たと
えばL4=10cmに選ばれ、これによって鉤状部24
を部分的に隣接する縦部材27から前方へ突出させるこ
とができる。
【0012】このようなアンカー体25は、1つの土留
壁21に関して複数設けられ、たとえば本発明の実施の
この形態では、縦方向に関して4つ、横方向に関して5
つ並設され、計20個のアンカー体25が設けられてい
る。ここで、最も上方で横方向に並設されている5つの
アンカー体25は、上方に隣接する土留壁21との重合
部分に設けられ、その上方に隣接する土留壁21のアン
カー体25を兼ねている。また最も下方で横方向に並設
されている5つのアンカー体25は、下方に隣接する土
留壁21との重合部分に設けられ、その下方に隣接する
土留壁21のアンカー体25を兼ねている。
【0013】前記係止部材26は、たとえば直径が19
〜25mmの異形鋼棒であり、土留壁21の各縦部材2
7の前方側に設けられ、前記横部材28とほぼ平行に、
すなわち前記横方向に沿って配置される。この係止部材
26は、アンカー体25の鉤状部24の縦部材27から
前方へ突出した部分である湾曲部31の内側に挿通され
る状態で、すなわち前記湾曲部31が係止部材26に巻
掛けられる状態で設けられ、鉤状部24が係止され、ア
ンカー体25によって土留壁21が前方へ変位しないよ
うに係止されている。この係止部材26には、前記横方
向に延びる複数のアンカー体25の鉤状部24が共通に
係止され、腹起しとして用いられている。また係止部材
26は、異形鋼棒であって、リブを有して表面が凹凸状
であり、またアンカー体25が網状であるので、係止部
材26とアンカー体25の鉤状部24とが相互に滑動し
にくく、しっかりと係止される。
【0014】このようにしてアンカー体25を土留壁2
1に係止し、土留壁21がアンカー体25に対して前方
へ変位することを阻止し、アンカー体25の埋設部23
の背後土22に対する摩擦力によって、アンカー体25
が背後土22に対して前方へ変位することを阻止して、
背後土22の土圧力に抗して、土留壁21が安定して設
けられる。これによって、背後土22の土圧力によって
法面29が崩壊することを防止して、法面29を安定さ
せることができる。しかもアンカー体25の土留壁21
への係止は、前述のように係止部材26を用いて行われ
るので、アンカー体25を土留壁21に任意の位置に係
止することができる上、アンカー体25の縦方向および
横方向の配置間隔L10,L11を選択することができ
る。これによって背後土22の土圧力に抗して土留壁2
1の転倒および滑動に対する安全率を確保するために必
要な力を、アンカー体25の埋設部23の背後土22に
対する摩擦力によって得ることができる上、アンカー体
25の数、すなわち配置間隔を調節することによって調
節することができる。
【0015】一般に背後土22による土圧力は、前述の
ようにクーロンの土圧式およびランキンの土圧式などか
らも明らかなとおり、土留構造体20の上部から下部に
なるにつれて大きくなる。したがって土留壁21の前記
転倒および滑動に対する安全率を確保するために必要な
力は土留構造体20の上部から下部になるにつれて大き
くなる。しかしながら、前述のようにアンカー体25を
任意に設けることができるので、土留壁21の前記転倒
および滑動に対する安全率を確保するために必要な全体
的な抵抗力を得ることができる数だけ、たとえば縦方向
の配置間隔L10を調節するなどして、設けることがで
き、アンカー体25を強度的な無駄を可及的に少なくし
て配置して、法面29を安定させて、土留めすることが
できる。
【0016】さらに詳しく述べると、クーロンの土圧式
による場合の図1における紙面に対して垂直な方向に関
して単位長さ(=1m)あたりの主働土圧力PA(tf
/m)は、次式(1)によって与えられる。
【0017】 PA = (1/2)・γ・H2 ・KA +q・H・KA …(1) ここで、(1/2)・γ・H2・KAは、背後土22によ
る主働土圧力であり、q・H・KA は、載荷重による主
働土圧力であって、γは、背後土22の単位体積重量
(tf/m3)であり、Hは、法面29の高さ(m)で
あり、KAは、主働土圧係数であり、qは載置物による
単位面積あたりの荷重(tf/m2)である。
【0018】前記法面29を安定させるためには、土留
壁21を安定させる必要がある。この土留壁21の安定
のためには、前記式(1)によって与えられる主働土圧
力PAを、土留壁21に係止したアンカー体25によっ
て抗する必要がある。すなわち、1本のアンカー体25
が支え得る力、すなわち1本のアンカー体25が引抜き
に対して安定しているための許容引張力をPRとしたと
き、前記主働土圧力PAを、図1における紙面に対して
垂直な方向に関する単位長さ(=1m)あたりの設置本
数nで除した値Pa(=PA/n)が前記許容引張力PR
未満である必要があり、次式(2)を満たす必要があ
る。
【0019】 Pa < PR …(2) そこで本形態によれば、アンカー体25は任意の位置に
任意の配置間隔で、土留壁21に係止することができる
ので、前記式(2)を満たすように、前記図1における
紙面に対して垂直な方向に関する単位長さ(=1m)あ
たりの配置本数を設定し、アンカー体を安定させ、土留
壁21を安定させることができる。さらに安全率を考慮
して、PR/Paがたとえば1.5以上となるように、前
記アンカー体の数を設定することによって、土留壁21
の安定に対して50%以上の安全率を確保することがで
きる。しかも、前記主働土圧力PAの土圧分布に対応し
て、各アンカー体25間の配置間隔を適宜変化させて、
アンカー体25の配置上の無駄を可及的に少なくするこ
とができる。したがってアンカー体25の設置上の自由
度が大きくなり、強度上の無駄がなく経済的である。し
かもアンカー体25の土留壁21への係止は前述のよう
に容易であり、作業性にも優れている。
【0020】図3は本発明の実施の第2形態の土留構造
体40を示す鉛直断面図であり、図4は図3の右方から
見て示す正面図である。土留構造体40は、図1および
図2に示す土留構造体20に備えられたアンカー体25
に代えて、アンカー体41を備える。その他の図1およ
び図2に示す本発明の実施の第1形態と同様の構成を有
する部分については、同一の参照符号を付し、説明を省
略する。
【0021】アンカー体41は網状であり、帯状であっ
て、前後方向に延び、前記背後土22中に埋設される埋
設部42と、この埋設部42の前方寄りの一端部43に
連なって後方に折返され、前記縦部材27から前方へ部
分的に突出する鉤状部44とを有する。埋設部42は、
前記前後方向に真っすぐに延びて設けられ、その長さ
は、本発明の実施の第1形態のアンカー体25と同様に
選択される。鉤状部44は、埋設部42の前記一端部4
3に連なって、隣接する縦部材27間および横部材28
間から各縦部材27よりも前方へ突出して上方へ湾曲
し、さらに後方へ湾曲する第1湾曲部45と、第1湾曲
部45に連なって後方に向けて背後土22中へ、後方に
向かうにつれて下方に傾斜して延びる折返し部46と、
折返し部46に連なり埋設部42よりも下方へ突出し
て、下方に凸部となるように湾曲する第2湾曲部47
と、第2湾曲部47に連なり、埋設部42の上方で後方
に屈曲して延びる延出部48とを有する。このアンカー
体41は、その幅はたとえばL5=10cmに選ばれて
おり、縦部材27よりも前方に突出させることができ
る。
【0022】このようなアンカー体41の鉤状部44
が、その第1湾曲部45の内側に係止部材26を挿通し
て、第1湾曲部45を係止部材26に巻掛けるようにし
て係止部材26に係止される。さらに第2湾曲部47と
埋設部42との間に異形鋼棒から成る緊結部材49が設
けられる。このようなアンカー体41は、たとえば高強
度繊維を格子状に成形し、樹脂を被覆させることによっ
て強度を持たせたテキスタイルによって実現され、図5
に示すように埋設部42の前記一端部43付近から第2
湾曲部47にかけて、前記横方向に延びる横線部50を
切断し、第1湾曲部45において湾曲され、第2湾曲部
47の縦方向に延びる縦線部61を埋設部42の一端部
43の縦線部51間において埋設部42よりも下方に突
出させて、前述のように構成する。その後に、係止部材
26および緊結部材49を前述のように配置するために
矢符A,Bで示すように挿入する。
【0023】このようにして係止部材26によってアン
カー体41は土留壁21に係止され、本発明の実施の第
1形態の土留構造体20と同様の効果を得ることができ
る。また第2湾曲部47と埋設部42との間に緊結部材
49を設けることによって、土圧が作用し、アンカー体
41に対して土留壁21が前方へ変位しようとしたとき
にアンカー体41の鉤状部44が真っすぐに延びてしま
い、土留壁21の係止が解除されることを防止し、係止
状態を維持して緊結することができるので、土留構造体
40の安定に対する安全率を確実に確保することができ
る。このようなアンカー体41は、本発明の実施の第1
形態の土留構造体20に備えられるアンカー体25と同
様の効果を得ることができ、土留構造体40は土留構造
体20と同様の効果を得ることができる。
【0024】図6は本発明の実施の第3形態の土留構造
体60を示す鉛直断面図であり、図7は図6の右方から
見て示す正面図である。土留構造体60は、図1および
図2に示す土留構造体20に備えられたアンカー体25
に代えて、アンカー体61を備える。その他の図1およ
び図2に示す本発明の実施の第1形態と同様の構成を有
する部分については、同一の参照符号を付し、説明を省
略する。
【0025】アンカー体61は格子状であって、前後方
向に延び前記背後土22中に埋設する埋設部62と、こ
の埋設部62の前方寄りの一端部63に連なって後方に
折返され、前記縦部材27から前方へ部分的に突出する
鉤状部64とを有する。アンカー体61は、たとえば直
径が13〜16mmの異形鋼棒であり、前後方向に延
び、横方向に間隔をあけて設けられる複数の主部材65
と、主部材65と同様の異形鋼棒から成り、横方向に延
び前後方向に間隔をあけて配置される複数の連結部材6
5とが、たとえばスポット溶接によって連結され、格子
状とされている。埋設部62は、前記前後方向に真っす
ぐに延びて設けられ、その長さは、本発明の実施の第1
形態のアンカー体25と同様に選択される。鉤状部64
は、埋設部62の前記一端部63に連なって、隣接する
縦部材27間および横部材28間から各縦部材27より
も前方へ突出して上方へ湾曲し、さらに後方へ湾曲する
湾曲部67と、この湾曲部67に連なって後方に向けて
背後土22中へ後方に向かうにつれて上方に傾斜して延
びる折返し部68とを有する。
【0026】アンカー体61は、土留壁21の幅、すな
わち横方向の長さとほぼ同一の幅を有しており、湾曲部
67は、主部材65によって構成され、これによってこ
の湾曲部67が前記縦部材27よりも前方へ突出する。
すなわち連結部材66は湾曲部67には設けられておら
ず、これによって連結部材66が邪魔になって湾曲部6
7の突出が阻止されることがなく、湾曲部67は縦部材
27よりも前方へ突出する。このようなアンカー体61
の鉤状部64が、その湾曲部67の内側に係止部材26
が挿通され、すなわち湾曲部67を係止部材26に巻掛
けるようにして、係止部材26に係止され、アンカー体
61が土留壁21に係止される。このようなアンカー体
61は、図1および図2に示す本発明の実施の第1形態
の土留構造体20が備えるアンカー体25と同様に任意
の位置に設けることができ、これによってアンカー体2
5と同様の効果を得ることができ、このアンカー体61
を備える土留構造体60は、土留構造体20と同様の効
果を得ることができる。
【0027】また本発明の実施の他の形態として異形鋼
棒の代わりにワイヤを用いて格子状に形成されたアンカ
ー体を用いて同様に構成するようにしてもよい。これに
よって同様の効果を得ることができる。
【0028】図8は本発明の実施の第4形態の土留構造
体70を示す鉛直断面図であり、図9は図8の右方から
見て示す正面図である。土留構造体70は、図1および
図2に示す土留構造体20に備えられたアンカー体25
に代えて、アンカー体71を備える。その他の図1およ
び図2に示す本発明の実施の第1形態と同様の構成を有
する部分については、同一の参照符号を付し、説明を省
略する。
【0029】アンカー体71は、鋼鉄から成る長尺の板
状であって前後方向に延び、前記背後土22中に埋設さ
れる埋設部72と、この埋設部72の前方寄りの一端部
73に連なって後方に折返され、前記縦部材27から前
方に部分的に突出する鉤状部74とを有する。埋設部7
2は、前記前後方向に真っすぐに延びて設けられ、その
長さは、本発明の実施の第1形態のアンカー体25と同
様に選択される。鉤状部74は、埋設部72の前記一端
部73に連なって、隣接する縦部材27間および横部材
28間から各縦部材27よりも前方に突出して上方へ湾
曲し、さらに後方へ湾曲する湾曲部75と、湾曲部75
に連なって後方に向けて背後土22中へ、前記埋設部7
2と重なって埋設部72に沿って延びる折返し部76と
を有する。折返し部76と、この折返し部76と重なり
合っている埋設部72とは、ボルト77およびナット7
8によって緊結されている。このようなアンカー体71
は、リブ付の鋼帯によって実現され、リブ付とすること
によって、表面を凹凸状とし、アンカー体71と背後土
22との間で大きな摩擦抵抗力を得ることができる。ま
た、アンカー体71の幅は、たとえばL6=5cmに選
ばれており、縦部材よりも前方へ突出させることができ
る。
【0030】このようなアンカー体71の鉤状部74
が、その湾曲部75の内側に係止部材26を挿入し、す
なわち湾曲部75を係止部材26に巻掛けるようにして
係止部材26に鉤状部74が係止され、アンカー体71
が土留壁21に係止される。これによって、アンカー体
71は、図1および図2に示すアンカー体25と同様の
効果を得ることができ、したがって土留構造体70は、
図1および図2に示す土留構造体20と同様の効果を得
ることができる。また、鉤状部74の折返し部76と、
この折返し部76と重なり合う埋設部72とは、ボルト
77およびナット78によって緊結されているので、ア
ンカー体71の土留壁21に対する係止を確実に維持す
ることができる。背後土22の土圧による土留壁21の
変位を確実に阻止し、法面29の崩壊を確実に防止する
ことができる。
【0031】このようなアンカー体71は、その幅L5
がたとえば5cmに選ばれており、これによって鉤状部
74の一部すなわち湾曲部75を縦部材27間および横
部材28間から各縦部材27よりも前方へ突出させるこ
とができる。
【0032】図8および図9に示す本発明の実施のこの
形態においてアンカー体71は鋼帯から成ったけれど
も、本発明の実施の他の形態として鋼板を用いて構成さ
れるようにしてもよい。鋼帯に代えて鋼板を用いるよう
にしても鋼帯の場合と同様の効果を得ることができる。
【0033】図10は本発明の実施の第5形態の土留構
造体80を示す鉛直断面図であり、図11は図10の右
方から見て示す正面図である。土留構造体80は、図1
および図2に示す本発明の実施の第1形態の土留構造体
20に備えられたアンカー体25に代えて、アンカー体
81を備える。その他の図1および図2に示す本発明の
実施の第1形態と同様の構成を有する部分については、
同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0034】アンカー体81は、棒状であって、前後方
向に延び、前記背後土22中に埋設される埋設部82
と、この埋設部82の前方寄りの一端部83に連なって
後方に折返され、前記縦部材27から前方へ部分的に突
出する鉤状部84とを有する。埋設部82は、前記前後
方向に真っすぐに延びて設けられ、その後方寄りの他端
部85には、前後方向にほぼ垂直に設けられる硬質材料
から成る板状のアンカー部材86が設けられている。埋
設部82の長さおよびアンカー部材86の形状ならびに
寸法は、背後土22の土砂の種類などによって、アンカ
ー体81が背後土22に対して所定の摩擦力を得ること
ができるように適宜に選ばれる。鉤状部84は、埋設部
82の前記一端部83に連なって隣接する縦部材27間
および横部材28間から各縦部材27よりも前方に突出
して上方へ湾曲し、さらに後方へ湾曲する湾曲部87
と、湾曲部87に連なって後方に向けて背後土22中へ
延びる折返し部88とを有する。折返し部88は、埋設
部82の前記一端部83付近に上下に重なった状態で後
方に向けて延びている。鉤状部84の折返し部88と、
折返し部88に重なる埋設部82とは、略U字状に屈曲
されたワイヤ89の両端部を締付け部材90およびナッ
ト91を用いて締付けることによって、緊結するワイヤ
クリップと呼ばれる緊結手段92によって緊結されてい
る。
【0035】このようなアンカー体81の鉤状部84
が、その湾曲部87の内側に係止部材26が挿通され、
すなわち湾曲部87によって係止部材26を巻掛けるよ
うにして係止部材26に鉤状部84が係止され、アンカ
ー体81が土留壁21に係止される。これによって、図
1および図2に示すアンカー体25と同様の効果を得
て、土留構造体70は、図1および図2に示す土留構造
体20と同様の効果を得ることができる。鉤状部84の
折返し部88と、この折返し部88と重なる埋設部82
とは、緊結手段92によって緊結されているので、背後
土22によって土圧が土留壁21に作用しても、アンカ
ー体81の土留壁21に対する係止状態を確実に維持す
ることができ、背後土22による土圧に抗し、法面29
が崩壊することを確実に防止することができる。このよ
うなアンカー体81は、たとえば直径19〜20mmの
タイロッドによって実現される。
【0036】本発明の実施の他の形態として、タイロッ
ドに代えて丸鋼、アンカーボルトおよびワイヤなどを用
いて構成してもよい。これによってタイロッドを用いた
アンカー体81と同様の効果を得ることができる。
【0037】図12は本発明の実施の第6形態の土留構
造体100を示す鉛直断面図であり、図13は図12の
右方から見て示す正面図である。土留構造体100は、
図1および図2に示す土留構造体20に備えられたアン
カー体25に代えて、アンカー体101を備える。その
他の図1および図2に示す本発明の実施の第1形態と同
様の構成を有する部分については、同一の参照符号を付
し、説明を省略する。
【0038】アンカー体101は網状であり、帯状であ
って、前後方向に延び、前記背後土22中に埋設される
埋設部102と、この埋設部102の前方寄りの一端部
103に連なって後方に折返され、前記縦部材27から
前方へ部分的に突出する鉤状部104と、この鉤状部1
04に連なってさらに後方に延びる連結部105とを有
する。埋設部102は、後方に向かうにつれて図12に
おいて紙面に対して垂直手前側に傾斜するように延びて
設けられ、その長さは、図1および図2に示す本発明の
実施の第1形態のアンカー体25と同様に、アンカー体
101と背後土22との間の摩擦力等によって選択され
る。鉤状部104は、埋設部102の前記一端部103
に連なって、隣接する縦部材27間および横部材28間
から各縦部材27よりも前方へ突出して上方へ湾曲し、
さらに後方へ湾曲する湾曲部106と、湾曲部106に
連なって後方に向けて背後土22中へ延びる折返し部1
07とを有する。連結部105は、鉤状部104の折返
し部107に連なって後方に向かうにつれて図12にお
いて紙面に対して奥行き側に傾斜して延び、その後方寄
りの端部108は、下方に向けて折返され、図12の紙
面に対して奥行き側に隣接する埋設部102の後方寄り
の他端部109に連なっている。すなわち、図14に示
すように蛇行して設けられる。このアンカー体101の
幅は、たとえばL7=5cmに選ばれ、横方向の寸法L
8は、幅L7よりもわずかに大きくなる程度、たとえば
6cmであり、縦部材27よりも前方へ突出させること
ができる。
【0039】このようなアンカー体101の鉤状部10
4が、その湾曲部106の内側に係止部材26を挿入
し、すなわち湾曲部106を係止部材26に巻掛けるよ
うにして係止部材26に係止される。このようにしてア
ンカー体101が土留壁21に係止され、図1および図
2に示すアンカー体25と同様の効果を得ることがで
き、土留構造体100は、図1および図2に示す本発明
の実施の第1形態の土留構造体20と同様の効果を得る
ことができる。このようなアンカー体101は、たとえ
ば前述と同様のテキスタイルによって実現され、図14
に示すように蛇行して設けられることによって埋設部1
02および連結部105によって、背後土22に対する
摩擦力を得ることができ、背後土22による土圧に抗
し、土留壁21の変位をより効率よく阻止し、法面29
の崩壊をより効率よく阻止することができる。
【0040】図15は本発明の実施の第7形態の土留構
造体110を示す鉛直断面図であり、図16は図15の
右方から見て示す正面図である。土留構造体110は、
図1および図2に示す土留構造体20に備えられたアン
カー体25に代えて、アンカー体111を備える。その
他の図1および図2に示す本発明の実施の第1形態と同
様の構成を有する部分については、同一の参照符号を付
し、説明を省略する。
【0041】アンカー体111は、図8および図9に示
す本発明の実施の第4形態のアンカー体71と同様の鋼
帯から成り、同様の形状に折返されており、同一の部分
については同一の参照符号を付し、説明を省略する。ア
ンカー体111は、その折返し部76と、この折返し部
76と重なる埋設部72とが、ボルト77およびナット
78に代えて、図7および図8に示すUクリップなどと
呼ばれる緊結手段112によって緊結されている。
【0042】緊結手段112は、緊結されるべき2つの
部材に挿通される挿通部113と、挿通部113の長手
方向一端部に連なり挿通部113にほぼ直角に屈曲する
屈曲部114とこの屈曲部114の挿通部113とは反
対側の端部に連なり、大略的にU字状に構成されるU字
状部115とを有する。U字状部115は、屈曲部11
4の挿通部113とは反対側の端部に連なり、挿通部1
13および屈曲部114にほぼ垂直に延びる第1直線部
116と、この第1直線部116に連なってほぼ直角に
屈曲し、挿通部113とほぼ平行に延びる第2直線部1
17と、この第2直線部117に連なってほぼ直角に屈
曲し、第1直線部116とほぼ平行に延びる第3直線部
118とを有する。このような緊結手段112は、図1
8に示すように挿通部113が緊結されるべき2つの部
材である鉤状部74の折返し部76と埋設部72に連な
って形成される挿通孔119a,119bに挿通され、
U字状部115の第1直線部116および第3直線部1
18によって前記折返し部76および埋設部72を挟持
する状態で設けられる。このように図6〜図18に示す
本発明の実施のこの形態において、緊結手段112によ
って折返し部76と埋設部72とが相互に緊結されてい
る。これによって、図8および図9に示す本発明の実施
の第4形態のアンカー体71と同様の効果を得ることが
できる。
【0043】本発明の実施のさらに他の形態として、ア
ンカー体111は、鋼帯に代えて鋼板や厚肉の帯状のテ
キスタイルなどによって構成してもよく、同様の効果を
得ることができる。
【0044】図19は本発明の実施の第8形態の土留構
造体120を示す鉛直断面図であり、図20は図19の
右方から見て示す正面図である。土留構造体120は、
図1および図2に示す土留構造体20に備えられたアン
カー体25に代えて、アンカー体121を備える。その
他の図1および図2に示す本発明の実施の第1形態と同
様の構成を有する部分については、同一の参照符号を付
し、説明を省略する。
【0045】アンカー体121は、断面形状が大略的に
U字状であり上方が開放される溝型鋼によって構成さ
れ、前後方向に延びて配置されている。このような溝型
鋼の長手方向一端部である前方寄りの一端部付近に溝型
鋼の側壁部分122に大略的にL字状であって、前後方
向に延びる部分と前後方向に延びる部分の後方寄りの端
部から上方に延び、溝型鋼の上方の端部を貫いて開放さ
れるL字状の切欠き溝123が形成されている。このよ
うな切欠き溝123によって、切欠き溝123よりも後
方寄りの部分である埋設部124と、この埋設部124
の前方寄りの一端部125に連なって後方に折返される
ように大略的にU字状に形成される鉤状部126とを有
する。このようなアンカー体121は、幅L9がたとえ
ば6cmに選ばれ、高さHが3cmに選ばれており、鉤
状部126が部分的に縦部材27よりも前方へ突出する
ように設けられ、鉤状部126の内側に係止部材26が
挿通された状態で、係止部材26に鉤状部126が係止
され、アンカー体121が土留壁21に係止される。こ
れによって、アンカー体121が土留壁21に係止され
る。
【0046】このようなアンカー体121は、図1およ
び図2に示すアンカー体25と同様の効果を得ることが
でき、土留構造体120は、図1および図2に示す土留
構造体20と同様の効果を得ることができる。
【0047】図21は、本発明の実施の他の形態のアン
カー体130の鉤状部131付近を示す斜視図である。
アンカー体130は、断面形状が大略的にC字状であっ
て、上方が開放される溝形鋼によって構成されている。
このようなアンカー体130の側壁部132に、図19
および図20に示す本発明の実施の第8形態のアンカー
体121と同様の切欠き溝123が形成されている。こ
のようなアンカー体130を前記アンカー体121に代
えて備えるようにしてもよい。これによって前記アンカ
ー体121を備えた土留構造体120と同様の効果を得
ることができる。
【0048】図22は、本発明の実施の他の形態のアン
カー体135の鉤状部136を示す斜視図である。アン
カー体135は、断面形状がL字状の山形鋼によって構
成され、上方に立上がって設けられる側壁部137に、
図19および図20に示すアンカー体121と同様の切
欠き溝123が形成されている。このようなアンカー体
135を前記アンカー体121に代えて備えるようにし
てもよい。これによって前記アンカー体120を備えた
土留構造体120と同様の効果を得ることができる。
【0049】図23は本発明の実施の第9形態の土留構
造体140を示す鉛直断面図であり、図24は図23の
右方から見て示す正面図である。土留構造体140は、
図1および図2に示す土留構造体20に備えられたアン
カー体25に代えて、アンカー体141を備える。その
他の図1および図2に示す本発明の実施の第1形態と同
様の構成を有する部分については、同一の参照符号を付
し、説明を省略する。
【0050】アンカー体141は、鎖によって構成さ
れ、前後方向に延び、前記背後土22中に埋設される埋
設部142と、この埋設部142の前方寄りの一端部1
43に連なって後方に折返され、前記縦部材27から前
方へ部分的に突出する鉤状部144とを有する。埋設部
142は前記前後方向に真っすぐに延びて設けられ、そ
の長さは、本発明の実施の第1形態と同様のアンカー体
25と同様に選択される。鉤状部144は、埋設部14
2に連なって上方へ向けて屈曲し、さらに後方に向けて
屈曲されている。このようなアンカー体141の鉤状部
144の後方寄りの環145は、この環145と隣接す
る埋設部142の前記一端部143付近の環146と、
たとえばU字状であってボルトによってこのU字状を閉
じた環状にすることができるシャックルクリップと呼ば
れる緊結手段147によって相互に緊結される。このよ
うなアンカー体141の鉤状部144に係止部材26を
挿通して、鉤状部144が係止部材26に巻掛けられる
ようにして係止部材26に係止される。したがってアン
カー体141が係止部材26によって土留壁21に係止
される。このようなアンカー体141を用いて前記図1
および図2に示すアンカー体25と同様の効果を得るこ
とができ、土留構造体140は図1および図2に示す土
留構造体20と同様の効果を得ることができる。
【0051】本発明の実施のさらに他の形態として、図
1および図2に示すアンカー体25および図6および図
7に示すアンカー体61を、図25に示すように図10
および図11に示す緊結手段92によって折返し部3
2,88と埋設部23,82とを相互に緊結するように
構成してもよい。これによって前述のようにアンカー体
25,81を土留壁21にしっかりと係止することがで
きる。図25には、図1および図2に示すアンカー体2
5の場合について示している。
【0052】本発明のさらに実施の他の形態として、図
1および図2に示すアンカー体25および図6および図
7に示すアンカー体61とを、図3〜図5に示す土留構
造体40のアンカー体41と同様の形状に折返し、緊結
部材49を用いて鉤状部24,64および埋設部23,
62とを相互に緊結するようにしてもよい。これによっ
て、アンカー体25,61を土留壁21にしっかりと係
止することができる。図26は、図6および図7に示す
アンカー体61の場合について示している。
【0053】図27は、本発明の実施の第10形態の土
留構造体150を示す鉛直断面図である。この土留構造
体150は、図1および図2に示す土留構造体100に
板状の前壁体151を備えた構成を有する。前壁体15
1は、たとえばコンクリートから成り、矩形の板状であ
って、厚み方向一方側に鉄筋などから成り、大略的にU
字状に曲成される連結部材152が設けられている。こ
のような前壁体151は、土留壁121の前方側に配置
され、連結部材152を後方に配置して、この連結15
2によって土留壁21に連結される。すなわち連結部材
152を土留壁21の各縦部材27に係止することによ
って土留壁21に連結される。このような前壁体151
は複数設けられ、相互間に隙間が生じないように設けら
れている。このような前壁体15を設けることによっ
て、法面29に植生しない場合に降雨や土中水によって
縦部材27間および横部材28間から土砂が流れ出して
しまうことを防止し、土砂流出による土留構造体の崩壊
を防止することができる。
【0054】このような前壁体151は、たとえば鋼板
や鋼矢板などによって構成されてもよい。また図27の
本形態では、前壁体151が、図1および図2に示す土
留構造体20に備えられる例を示したけれども、他の形
態の土留構造体40,60,70,80,100,11
0,120,140に設けられるようにしてもよい。こ
のような構成にしても、図27に示す土留構造体150
と同様の効果を得ることができる。
【0055】図28は、本発明の実施の第11形態の土
留構造体160を示す正面図である。土留構造体160
は、図10および図11に示す本発明の実施の第5形態
の土留構造体80において、土留壁21に代えて土留壁
161を備える。土留壁161は、図28において、下
方になるにつれて左方へ傾斜する第1方向に延び、この
第1方向に略垂直であって、図28において下方になる
につれて右方へ傾斜する第2方向に間隔をあけて設けら
れる複数の第1部材162と、前記第2方向に延び、前
記第1方向に間隔をあけて設けられる複数の第2部材1
63とを有する。各第1および第2部材162,163
は、たとえば直径5mm長さ100cmの異形鋼棒であ
る。各第1部材163は、各第1部材162に、その背
後側、すなわち図28において紙面に対して奥行き側
で、たとえばスポット溶接などによって連結される。こ
のようにして、土留壁161が格子状に形成される。そ
の他の図10および図11に示す土留構造体80と同様
の構成を有する部分には同一の参照符号を付し、説明を
省略する。このような土留壁161を備える土留構造体
160は、図10および図11に示す土留構造体80と
同様の効果を得ることができるとともに、第1および第
2部材162,163は相互に交差して連結されるの
で、第1および第2部材162,163の双方を有効断
面として用い、土圧力に抗することができる。
【0056】また、図28の本形態では、前述の土留壁
21に代えて土留壁161を土留構造体80に備える例
を示したけれども、他の形態の土留構造体20,40,
60,70,100,110,120,140に備える
ようにしてもよい。このような構成にしても、図28に
示す土留構造体160と同様の効果を得ることができ
る。
【0057】上述の本発明の実施の形態において、アン
カー体25,41,61,71,81,101,11
1,121,130,135,141の配置間隔を変え
ることによって土圧に応じて土留壁21の安定に対する
安全率を確保するように構成される説明をしたけれど
も、本発明の実施の他の形態として、背後土22による
土圧に応じて、アンカー長の異なるアンカー体を適宜に
選択して設けるようにしてもよく、構成の異なるアンカ
ー体を適宜に選択して設けるようにしてもよい。
【0058】また、上述の実施の形態において、盛土に
実施する例を示したけれども、本発明の実施のさらに他
の形態として、切土に実施するようにしてもよく、切土
の場合にも好適に実施することができる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、縦部材と横部材とによ
って格子状の土留壁が構成され、この土留壁の背後に背
後土が収容されている。アンカー体は埋設部と鉤状部と
を有し、埋設部は背後土中に埋設され、鉤状部は埋設部
の前方寄りの一端部に連なって後方に折返されて、土留
壁の縦部材から前方へ部分的に突出する。係止部材は、
土留壁の縦部材の前方側に設けられ、鉤状部に係止され
る。このようにしてアンカー体が土留壁に係止され、背
後土の土圧力を受ける土留壁をアンカー体によって支持
し、充分な安定性を達成する土留構造物を得ることがで
きる。しかもアンカー体は係止部材を用いて土留壁に係
止されているので、所定のアンカー長を有するアンカー
体を土留壁の任意の位置に任意の間隔で設けることがで
きる。したがってアンカー体の設置上の自由度が大きく
なり、隣接するアンカー体との配置間隔を選択して設け
ることができ、土留構造体の高さなどによって生じる土
圧の違いに応じて、アンカー体の配置間隔を選択して土
圧力を受ける土留壁が安定した状態を維持することがで
きる所定の安全率を確保することができるうえ、強度上
の無駄をなくすことができ、経済的である。
【0060】また本発明によれば、土留壁の前方側には
板状の前壁体が設けられ、この前壁体は連結部材によっ
て土留壁に連結されている。これによって、降雨や土中
水によって格子状の土留壁の縦部材間および横部材間か
ら土砂が流出してしまうことを防止し、土砂流出による
土留構造体の崩壊を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態の土留構造体20を示
す鉛直断面図である。
【図2】図1の右方から見て示す正面図である。
【図3】本発明の実施の第2形態の土留構造体40を示
す鉛直断面図である。
【図4】図3の右方から見て示す正面図である。
【図5】アンカー体41の前方寄りの端部付近を示す斜
視図である。
【図6】本発明の実施の第3形態の土留構造体60を示
す鉛直断面図である。
【図7】図6の右方から見て示す正面図である。
【図8】本発明の実施の第4形態の土留構造体70を示
す鉛直断面図である。
【図9】図8の右方から見て示す正面図である。
【図10】本発明の実施の第5形態の土留構造体80を
示す鉛直断面図である。
【図11】図10の右方から見て示す正面図である。
【図12】本発明の実施の第6形態の土留構造体100
を示す鉛直断面図である。
【図13】図12の右方から見て示す正面図である。
【図14】図12の切断面線XIV−XIVから見て示
す断面図である。
【図15】本発明の実施の第7形態の土留構造体110
を示す鉛直断面図である。
【図16】図15の右方から見て示す正面図である。
【図17】緊結手段112を示す斜視図である。
【図18】緊結手段112によって折返し部76と埋設
部72とを緊結した状態を示す断面図である。
【図19】本発明の実施の第8形態の土留構造体120
を示す鉛直断面図である。
【図20】図19の右方から見て示す正面図である。
【図21】本発明の実施のさらに他の形態のアンカー体
130を示す斜視図である。
【図22】本発明の実施のさらに他の形態のアンカー体
135を示す斜視図である。
【図23】本発明の実施の第9形態の土留構造体140
を示す鉛直断面図である。
【図24】図23の右方から見て示す正面図である。
【図25】本発明の実施のさらに他の形態のアンカー体
25の土留壁21への係止状態を示す断面図である。
【図26】本発明の実施のさらに他の形態のアンカー体
61の土留壁21への係止状態を示す断面図である。
【図27】本発明の実施の第10形態の土留構造体15
0を示す鉛直断面図である。
【図28】本発明の実施の第11形態の土留構造体16
0を示す正面図である。
【図29】典型的な従来技術の土留構造体1を示す断面
図である。
【符号の説明】
20,40,60,70,80,100,110,12
0,140,150土留構造体 21 土留壁 22 背後土 23,42,62,72,82,102,124,14
2 埋設部 24,44,64,74,84,104,126,13
1,136,144鉤状部 25,41,61,81,101,111,121,1
30,135,141アンカー体 26 係止部材 27 縦部材 28 横部材 29 法面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め定める第1方向に延び、この第1方
    向に略垂直な第2方向に間隔をあけて設けられる長尺状
    の複数の第1部材と、前記第2方向に延び、前記第1方
    向に間隔をあけて設けられ、各第1部材に連結される長
    尺状の複数の第2部材とによって格子状に形成される土
    留壁と、 前記土留壁の背後に収容される背後土と、 前記第1および第2方向を含む仮想一平面に交差する第
    3方向に延び、前記背後土中に埋設される埋設部と、埋
    設部の土留壁寄りの一端部に連なって後方に折返され、
    前記第1部材から背後土とは反対側の前方へ部分的に突
    出する鉤状部とを有するアンカー体と、前記第1または
    第2部材の前方側で鉤状部に挿通され、アンカー体を土
    留壁に係止する長尺状の係止部材とを含むことを特徴と
    する土留構造体。
  2. 【請求項2】 前記土留壁の前方側に配置される板状の
    前壁体と、 前記土留壁に、前記前壁体を連結する連結部材とを備え
    ることを特徴とする請求項1記載の土留構造体。
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