JPH10237253A - フッ素ゴム組成物 - Google Patents

フッ素ゴム組成物

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JPH10237253A
JPH10237253A JP3813297A JP3813297A JPH10237253A JP H10237253 A JPH10237253 A JP H10237253A JP 3813297 A JP3813297 A JP 3813297A JP 3813297 A JP3813297 A JP 3813297A JP H10237253 A JPH10237253 A JP H10237253A
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JP
Japan
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organic
copolymer
oxide
vulcanization
divalent metal
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JP3813297A
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Tetsuya Miwa
哲哉 三輪
Masayuki Saito
正幸 斉藤
Junichi Nakamura
純一 中村
Takeo Kaneko
武夫 金子
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】効率的な有機過酸化物加硫が可能であり、ま
た、加硫物の耐熱性および耐油性が優れたフッ素ゴム組
成物を得る。 【解決手段】フッ化ビニリデンに基づく重合単位を有す
る含フッ素弾性共重合体、有機過酸化物、2価金属の水
酸化物および/または酸化物、および特定の有機オニウ
ム塩からなるフッ素ゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、効率的な有機過酸
化物加硫が可能なフッ素ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素ゴムを有機過酸化物で加硫する方
法として、ヨウ素または臭素を含有する高価な有機過酸
化物加硫用のモノマーを共重合する方法や、ポリマーを
オニウム塩の存在下にアルカリ処理を行い有機過酸化物
加硫を可能とする方法などが知られている。
【0003】また、例えばトリアリルイソシアヌレート
等の不飽和多官能性化合物と、例えば水酸化カルシウム
等の2価金属の水酸化物、および有機塩基例えばジアザ
ビシクロウンデセンの塩を混合することにより、安価
に、しかも容易に有機過酸化物での加硫を可能とする方
法[特開平1−198654]が知られている。さら
に、有機アンモニウム硫酸水素塩を用いることにより、
通常の有機塩基の場合に比べ少ない使用量で有機過酸化
物加硫を可能とする方法[特開平6−122801]も
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の有機塩基を用い
る方法は、前者においては有機過酸化物加硫用の特別な
加硫部位を必要としない優れた発明であるが、有機過酸
化物加硫のため有機塩基の使用量が比較的多く、そのた
め加硫成形物の耐熱性、耐油性が低下するという問題が
あった。また後者の有機アンモニウム硫酸水素塩を用い
る場合、分散状態が加硫物性に影響し、安定した物性を
得るために含フッ素弾性共重合体への分散に充分な注意
を払う必要があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、有機ホスホニウムは
含フッ素弾性共重合体と良好に分散し、ばらつきのない
安定し、優れた加硫物物性が得られることを見い出し
た。
【0006】すなわち、本発明は、(A)フッ化ビニリ
デンおよびこれと共重合可能な少なくとも1種の他のエ
チレン性不飽和単量体との共重合体からなる含フッ素弾
性共重合体、(B)有機過酸化物、(C)2価金属の水
酸化物および2価金属の酸化物から選ばれる少なくとも
1種、および(D)式1で示される有機オニウム塩から
なることを特徴とするフッ素ゴム組成物を提供する。
【0007】
【化2】
【0008】(Xは窒素またはリン。R1 、R2 、R
3 、R4 は、それぞれ独立に、置換基を含んでもよい炭
素数1〜20の炭化水素残基、1〜3級アミノ基または
フルオロアルキル基。R5 、R6 、R7 、R8 は、それ
ぞれ独立に、水素または炭素数1〜20のアルキル
基。)
【0009】本発明において、(A)含フッ素弾性共重
合体は、フッ化ビニリデン(以下、VdFという)およ
びこれと共重合可能な少なくとも1種の他のエチレン性
不飽和単量体との共重合体からなる。ここで、VdFと
共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、六フッ
化プロピレン(以下、HFPという)、五フッ化プロピ
レン、プロピレン、三フッ化エチレン、四フッ化エチレ
ン(以下、TFEという)、三フッ化塩化エチレン、エ
チレン、フッ化ビニル等のオレフィンやフルオロオレフ
ィン、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフ
ルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ヘ
キシルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルキルビ
ニルエーテル)、エチルビニルエーテル、ブチルビニル
エーテル等のアルキルビニルエーテル単量体が例示され
る。
【0010】これらからなる含フッ素弾性共重合体とし
ては、VdF−TFE−プロピレン系共重合体、VdF
−TFE−HFP系共重合体、VdF−HFP系共重合
体、VdF−TFE−エチルビニルエーテル系共重合
体、VdF−TFE−プロピレン−エチルビニルエーテ
ル系共重合体、VdF−パーフルオロ(ヘキシルビニル
エーテル)系共重合体、VdF−TFE−パーフルオロ
(ヘキシルビニルエーテル)系共重合体、VdF−TF
E−パーフルオロ(メチルビニルエーテル)系共重合
体、VdF−TFE−パーフルオロ(プロピルビニルエ
ーテル)系共重合体が好ましい。
【0011】ここで、VdFの共重合割合は、所望の物
性、共重合するエチレン性不飽和単量体の種類などによ
り適宜採用される。通常は、VdFによる重合単位を
0.1モル%以上の割合で含むものが好ましい。
【0012】特に、VdF−TFE−プロピレン系共重
合体は、耐エンジンオイル性に優れた加硫フッ素ゴムが
得られる。特に、VdFよる重合単位を0.5〜70モ
ル%、TFEによる重合単位を20〜60モル%、プロ
ピレンによる重合単位を20〜50モル%の割合で含む
VdF−TFE−プロピレン系共重合体が加硫フッ素ゴ
ムの耐エンジンオイル性、加硫特性、加硫物性にバラン
スよく優れるため好ましい。
【0013】また、本発明の組成物における(A)含フ
ッ素弾性共重合体は、通常、有機過酸化物加硫用に行わ
れる易加硫部位が導入されていなくとも、良好な加硫特
性が得られ、良好な物性を有する加硫物が得られる。こ
こで、易加硫部位としては、ポリマー鎖中に導入した臭
素、ヨウ素および、二重結合などをいう。この易加硫部
位は、易加硫性部位を与える単量体(例えば、ヨウ素化
合物、臭素化合物など)を共重合する、あるいは、易加
硫性部位を与える後処理(加熱処理、オニウム塩存在下
にアルカリ処理など)を行うことにより導入されうる。
【0014】また、(A)含フッ素弾性共重合体は、所
定量の単量体を塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重
合など各種重合法により重合して製造され、その製造に
はフリーラジカル開始剤を使用する触媒重合法、電離性
放射重合法、レドックス系重合法などが適宜採用されう
る。
【0015】(B)有機過酸化物は加硫剤として用いら
れる。パーオキシケタール、ジアルキルパーオキシド、
ジアシルパーオキシド、パーオキシエステル、ヒドロパ
ーオキシドなどが採用される。具体的には、ベンゾイル
パーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチル
パーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、α,α’
−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピル
ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられ
る。これらのうち、α,α’−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチ
ル−2,5−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ま
しい。
【0016】これら有機過酸化物の使用量は、含フッ素
弾性共重合体100重量部当たり0.5〜10重量部、
好ましくは1〜5重量部を使用する。
【0017】(C)2価金属の水酸化物および2価金属
の酸化物は受酸剤として用いられ、マグネシウム、カル
シウム、鉛、亜鉛等の水酸化物および酸化物が挙げられ
る。これら2価金属の水酸化物および/または2価金属
の酸化物の使用量は、含フッ素弾性共重合体100重量
部当たり1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部を
使用する。
【0018】(D)有機オニウム塩は、加硫時に含フッ
素弾性共重合体からの脱フッ化水素反応を促進し、加硫
を円滑に行わしめるものであり、式1で示される有機オ
ニウム化合物とベンゾトリアゾレートとの塩である。
【0019】ここで、R1 、R2 、R3 、R4 は、置換
基を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素残基、1〜
3級アミノ基、またはフルオロアルキル基である。炭素
数1〜20の炭化水素残基としては、メチル、エチル、
ブチル、エチルヘキシル、ドデシル等のアルキル基、シ
クロヘキシル等のシクロアルキル基、ベンジル、メチル
ベンジル等のアラルキル基、フェニル、ナフチル、ブチ
ルフェニル等のアリール基または置換アリール基等が例
示される。1〜3級アミノ基としては、メチルアミノ、
エチルアミノ、アニリノ、ジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ等が挙げられる。フルオロアルキル基としては、ト
リフルオロメチル、トリフルオロエチル、テトラフルオ
ロプロピル、ペンタフルオロプロピル、オクタフルオロ
ペンチル等が例示される。R5 、R6 、R7 、R8 は水
素または炭素数1〜20のアルキル基であり、メチル、
エチル、ブチル、エチルヘキシル、ドデシルなどのアル
キル基が例示される。
【0020】有機オニウム塩としては、テトラブチルホ
スホニウムベンゾトリアゾレート、テトラオクチルホス
ホニウムベンゾトリアゾレート、メチルトリオクチルホ
スホニウムベンゾトリアゾレート、ブチルトリオクチル
ホスホニウムベンゾトリアゾレート、フェニルトリブチ
ルホスホニウムベンゾトリアゾレート、ベンジルトリブ
チルホスホニウムベンゾトリアゾレート、ベンジルトリ
シクロヘキシルホスホニウムベンゾトリアゾレート、ベ
ンジルトリオクチルホスホニウムベンゾトリアゾレー
ト、ブチルトリフェニルホスホニウムベンゾトリアゾレ
ート、オクチルトリフェニルホスホニウムベンゾトリア
ゾレート、ベンジルトリフェニルホスホニウムベンゾト
リアゾレート、テトラフェニルホスホニウムベンゾトリ
アゾレート、ジフェニルジ(ジエチルアミノ)ホスホニ
ウムベンゾトリアゾレート、フェニルベンジルジ(ジメ
チルアミノ)ホスホニウムベンゾトリアゾレート、フェ
ニルベンジルジ(ジエチルアミノ)ホスホニウムベンゾ
トリアゾレート、トリブチルトリフルオロエチルホスホ
ニウムベンゾトリアゾレート、テトラフルオロプロピル
トリオクチルホスホニウムベンゾトリアゾレート、ホス
ホニウムトリルトリアゾレート、テトラブチルアンモニ
ウムベンゾトリアゾレート、ベンジルトリメチルベンゾ
トリアゾレート等のベンゾトリアゾレート化合物が挙げ
られる。
【0021】これらの有機オニウム塩の使用量は、含フ
ッ素弾性共重合体100重量部当たり0.1〜10重量
部、好ましくは0.5〜3重量部を使用する。0.1重
量部未満では充分な加硫密度および加硫物性が得られ
ず、10重量部を超えるとスコーチ現象等の成形加工性
に悪影響を及ぼすとともに耐薬品性等の加硫物の特性を
低下させる。
【0022】なお、本発明によって得られる効果を損な
わない程度に、ハロゲン含有有機ホスホニウム塩、ハロ
ゲン含有有機アンモニウム塩、有機アンモニウム塩の水
酸化物、有機アンモニウム硫酸水素塩、1,8−ジアザ
ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、またはその有
機酸塩、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン
−5、またはその有機酸塩を併用することも可能であ
る。その量は、含フッ素弾性共重合体100重量部当た
り10重量部以下、特に3重量部以下が好ましい。
【0023】ハロゲン含有有機ホスホニウム塩として
は、テトラメチルホスホニウムクロライド、テトラエチ
ルホスホニウムクロライド、テトラプロピルホスホニウ
ムクロライド、テトラブチルホスホニウムクロライド、
トリブチルヘキサデシルホスホニウムクロライド、トリ
ブチルベンジルホスホニウムクロライド、トリオクチル
メチルホスホニウムクロライド、トリオクチルエチルホ
スホニウムクロライド、トリフェニルベンジルホスホニ
ウムクロライド、トリブチル(メトキシプロピル)ホス
ホニウムクロライド、ジエチルアミノベンジルジフェニ
ルホスホニウムクロライド、テトラメチルホスホニウム
ブロマイド、テトラエチルホスホニウムブロマイド、テ
トラプロピルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホ
スホニウムブロマイド、トリブチルヘキサデシルホスホ
ニウムブロマイド、トリブチルベンジルホスホニウムブ
ロマイド、トリオクチルエチルホスホニウムブロマイ
ド、トリフェニルベンジルホスホニウムブロマイド等が
挙げられる。
【0024】ハロゲン含有アンモニウム塩としては、テ
トラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアン
モニウムクロライド、テトラプロピルアンモニウムクロ
ライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、トリブ
チルヘキサデシルアンモニウムクロライド、トリブチル
ベンジルアンモニウムクロライド、トリオクチルエチル
アンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0025】有機4級アンモニウム塩の水酸化物として
は、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラメ
チルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、
水酸化トリオクチルメチルアンモニウム、水酸化トリド
デシルメチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジル
アンモニウム等が挙げられる。
【0026】有機アンモニウム硫酸水素塩としては、硫
酸水素テトラブチルアンモニウム、硫酸水素テトラメチ
ルアンモニウム、硫酸水素テトラエチルアンモニウム、
硫酸水素トリオクチルメチルアンモニウム、硫酸水素ト
リメチルベンジルアンモニウム等が挙げられる。
【0027】1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウ
ンデセン−7の有機酸塩としては、1,8−ジアザビシ
クロ[5.4.0]ウンデセン−7のp−トルエンスル
ホン酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウン
デセン−7のオクチル酸塩等、1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]ノネン−5の有機酸塩としては1,5−
ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5のp−トルエ
ンスルホン酸塩、1,5−ジアザビシクロ[4.3.
0]ノネン−5のオクチル酸塩等が挙げられる。
【0028】また、本発明の組成物には過酸化物加硫に
通常使用される加硫助剤を使用してもよい。加硫助剤と
しては、不飽和結合基を2個以上有する化合物、例え
ば、多アリル化合物、ジメタクリレート化合物、ジビニ
ル化合物、ポリブタジエン等が用いられる。なかでもト
リアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレートな
どの多アリル化合物が好ましい。これらの加硫助剤の使
用量は、含フッ素弾性共重合体100重量部当たり20
重量部以下、特に10重量部以下が好ましい。
【0029】本発明の組成物に、従来加硫ゴムの製造に
通常使用されるカーボンブラツク、ファインシリカ、ク
レイ、タルク等の補強剤、その他の充填剤、顔料、酸化
防止剤、安定剤、加工助剤、内部離型剤や加硫遅延剤と
して作用するポリエチレングリコール、エチレングリコ
ール、O−フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビ
スフェノールAF等のヒドロキシ基含有化合物を添加、
配合してもよい。
【0030】本発明の組成物の製造に際しては、含フッ
素弾性共重合体、有機過酸化物、2価金属の水酸化物お
よび2価金属の酸化物から選ばれる少なくとも1種、有
機オニウム塩、および必要に応じてその他の添加剤を充
分均一に混合することが望ましい。
【0031】かかる混合は、従来より通常使用されてい
るゴム混練用ロール、ニーダーまたはバンバリーミキサ
ー等によって行われうる。混合時の作業条件は特に限定
されないが、通常は30〜150℃程度の温度で約1〜
60分間混練することにり、上記配合物を含フッ素弾性
共重合体中に充分分散混合しうる。また、かかる配合物
を適当に溶媒中に溶解分散し、懸濁溶液とすることもで
きる。
【0032】さらに、混合を最初から媒体中で行う、い
わゆるウェット混合も可能である。この場合には、ロー
ル、ボールミル、ホモジナイザー等の混合機を用いるこ
とによって溶液状の配合物が得られる。また、有機オニ
ウム塩の混合に際しては、含フッ素弾性共重合体製造後
の水性分散液の状態で混合することにより、より効果的
に分散されうる。なお、混合時の作業条件や操作は、使
用原料および配合物の種類や目的に応じて最適条件を選
定して行うのが望ましい。
【0033】本発明の組成物は、通常の金型成形の他、
押し出し、トランスファー、ロールコート、はけ塗り、
含浸等の連続成形加工法により、シート、パイプ、ロッ
ド、チューブ、アングル、チャンネル、引布、塗布板の
ごとき成形物などに成形加工されうる。その他各種成形
加工法によって異形品、特殊成形品例えばスポンジ状ラ
バーなどにも成形加工されうる。このように成形加工さ
れた本発明の組成物は、後述のごとき加硫手段によって
加硫物にされ、加硫ゴム製品が得られる。
【0034】本発明において、加硫操作は従来より通常
使用されている操作を採用しうる。例えば、成形型中で
加圧しながら加熱する操作が採用され、また押し出し、
カレンダーロールなどで成形した後、加熱炉中または蒸
気釜中で加熱する操作が採用されうる。
【0035】加硫時の作業条件などは、使用原料や配合
に応じて最適条件を選定して行うのが望ましい。加硫時
の温度は、通常60〜250℃程度、好ましくは120
〜200℃程度が採用されうる。また、加熱時間は特に
限定されないが、有機過酸化物の種類に応じて1分〜3
時間の範囲であり、好ましくは5分〜2時間の範囲内で
選定される。加熱温度を高くすれば、加熱時間を短縮し
うる。
【0036】なお、得られる加硫物の再加熱処理も採用
でき、物理的性質の向上に役立つものである。例えば、
150〜250℃、好ましくは180〜230℃の温度
で、2〜25時間程度の再加熱処理が採用されうるなど
である。
【0037】
【作用】本発明において、特定の有機オニウム塩と2価
金属の水酸化物および2価金属の酸化物から選ばれる少
なくとも1種を組み合わせることにより易加硫性部位を
含まない含フッ素弾性共重合体の場合にも、加熱するこ
とにより、該弾性共重合体中に不飽和結合基が導入さ
れ、それと同時に過酸化物加硫が進行する。ここで、該
有機オニウム塩は、従来の方法において用いられている
有機塩基と比較して不飽和結合の導入反応への活性が高
いこと、また有機アンモニウム硫酸水素塩と比較してフ
ッ素ゴム組成物中への良好な分散性を示すために、ばら
つきのない安定した優れた加硫物物性が得られる。
【0038】
【実施例】例1〜7は実施例、例8〜11は比較例であ
る。表1、表3に示す組成(重量部)に従い、各種の配
合材料を2ロールで10分間均一に混合してゴム組成物
を得た。それらを170℃で10分間プレス加硫した
後、オーブン中で230℃で24時間2次加硫した。
【0039】JIS−K−6301に従い、得られた加
硫物の常態物性(硬さ(JIS−A)、100%モジュ
ラス(kg・f/cm2 )、引張強さ(kg・f/cm
2 )、伸び(%)、圧縮永久歪(%))、耐熱性(23
0℃、70時間)(硬さ変化(度)、引張強さ変化率
(%)、伸び変化率(%))および耐油性(オイル:ト
ヨタキャッスルクリーンSG、175℃、70時間)
(硬さ変化(度)、引張強さ変化率(%)、伸び変化率
(%)、体積変化率(%))を測定した。結果を表2、
表4に示す。また、表1、表3の略号等を表5に示す。
なお、各フッ素ゴムは乳化重合法により得たもので、そ
れらの各単量体による単位含有割合(モル比)を表5に
示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【発明の効果】本発明は、効率的な有機過酸化物加硫が
可能であり、また、加硫物の耐熱性および耐油性が優れ
たフッ素ゴム組成物が得られる。さらに、種々の優れた
加硫物性に基づき、自動車のラジエーター、エンジン回
りのO−リング、ガスケット、シール材、ダイヤフラ
ム、チューブ、ホース等、食品プラントや化学プラント
等の同様の部品等の広範囲の用途において極めて有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 武夫 神奈川県川崎市幸区塚越3丁目474番地2 旭硝子株式会社玉川分室内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)フッ化ビニリデンおよびこれと共重
    合可能な少なくとも1種の他のエチレン性不飽和単量体
    との共重合体からなる含フッ素弾性共重合体、(B)有
    機過酸化物、(C)2価金属の水酸化物および2価金属
    の酸化物から選ばれる少なくとも1種、および(D)式
    1で示される有機オニウム塩からなることを特徴とする
    フッ素ゴム組成物。 【化1】 (Xは窒素またはリン。R1 、R2 、R3 、R4 は、そ
    れぞれ独立に、置換基を含んでもよい炭素数1〜20の
    炭化水素残基、1〜3級アミノ基またはフルオロアルキ
    ル基。R5 、R6 、R7 、R8 は、それぞれ独立に、水
    素または炭素数1〜20のアルキル基。)
JP3813297A 1997-02-21 1997-02-21 フッ素ゴム組成物 Pending JPH10237253A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100376643C (zh) * 2004-06-11 2008-03-26 中国石油天然气集团公司 外墙装饰用氟碳涂料及制造方法
WO2021079849A1 (ja) * 2019-10-23 2021-04-29 Agc株式会社 含フッ素共重合体組成物および架橋ゴム物品
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