JPH10236942A - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

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JPH10236942A
JPH10236942A JP9054191A JP5419197A JPH10236942A JP H10236942 A JPH10236942 A JP H10236942A JP 9054191 A JP9054191 A JP 9054191A JP 5419197 A JP5419197 A JP 5419197A JP H10236942 A JPH10236942 A JP H10236942A
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lotion
wrinkles
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Hitoshi Masaki
仁 正木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真皮線維芽細胞の代謝活性を活性化し、加齢
や紫外線等の種々のストレスによるしわ,しみの発生、
皮膚弾性の低下といった皮膚老化症状の防止或いは改善
に有効で、抗炎症作用,創傷治癒促進作用をも有する、
安定且つ安全な皮膚外用剤を得る。 【解決手段】 アコヤガイ,クロチョウガイ,シロチョ
ウガイ,イケチョウガイ等の真珠貝より分泌される粘液
質を外用剤基剤に含有させる。皮膚外用剤には0.01
〜5.0重量%程度含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真皮線維芽細胞の
代謝活性を活性化し、加齢や紫外線等の種々のストレス
によるしわ,しみの発生、皮膚弾性の低下といった皮膚
老化症状の防止或いは改善に有効で、抗炎症作用,創傷
治癒促進作用をも有する皮膚外用剤に関する。さらに詳
しくは、真珠貝の分泌する粘液質を含有して成る皮膚外
用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】加齢や紫外線等外来ストレスにより生じ
るしわ,しみの発生、皮膚弾性の低下といった皮膚の老
化症状には、皮膚真皮の線維芽細胞の機能低下や、マト
リックス線維の減少又は分解が重要な要因となってい
る。また、真皮線維芽細胞におけるマトリックス線維の
生成は、炎症の進行,創傷の治癒過程において重要な役
割を担うことが報告されている。
【0003】従って、皮膚の老化の防止,改善や、抗炎
症,創傷治癒作用を有する皮膚外用剤を得るため、線維
芽細胞賦活作用或いは増殖促進作用を有する成分や、コ
ラゲナーゼ阻害剤、コラーゲン,ヒアルロン酸の産生促
進剤等の検索と配合が試みられてきた。たとえば、線維
芽細胞の賦活或いは増殖促進剤としては、ビワ抽出物
(特公平5−17206),α-ヒドロキシ酢酸(特開
平5−112422),α-ヒドロキシ酸のステロール
エステル(特開平8−104632),6-ベンジルアミ
ノプリン(特開平7−233037),特定のリボヌク
レアーゼ(特開平7−309778),L-リシル-L-グ
リシル-L-ヒスチジン(特開平7−316192),乳
汁由来線維芽細胞増殖因子(特開平8−11986
7),酸化型コエンザイムA(特開平8−17596
1)等が、コラーゲン代謝改善剤としてはケイ酸関連物
質(特開平7−188036)が、コラーゲン合成促進
剤としてはグリシン,プロリン,アラニン併用系(特開
平7−194375)が、ヒアルロン酸産生促進剤とし
ては、牛血清の分子量5,000以下の低分子量画分
(特開平8−239404),酵母エキス(特開平8−
163983)等が開示されている。
【0004】しかしながら、上記した真皮線維芽細胞賦
活効果を有する成分等の中には、作用効果が不十分であ
ったり、安定性が悪かったりして、皮膚外用剤基剤中に
含有させた場合、有効な効果を得るにはかなりの量を含
有させなければならないものも存在していた。また、好
ましくない副作用や刺激性等を有していたり、製剤安定
性に悪影響を及ぼすものや、臭いや色の点で外用剤に配
合しにくいもの、一定の作用,品質を維持することの困
難なものも多かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明において
は、真皮線維芽細胞の代謝活性を向上させてマトリック
ス線維を充実させ、さらに正常な状態を維持し得る新規
成分を探求し、それを含有させることにより、紫外線等
の外来ストレスにより生じる皮膚の傷害や老化を有効に
防止或いは改善し、抗炎症作用及び創傷治癒促進作用に
も優れる皮膚外用剤を得ることを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明者は真皮線維芽細胞の代謝活性促進効果を指
標として、有効な活性化作用を有する物質のスクリーニ
ングを行った。その結果、真珠貝より分泌される粘液質
に高い真皮線維芽細胞の代謝活性促進効果を見いだし、
これを皮膚外用剤に含有させることにより本発明を完成
するに至った。
【0007】すなわち本発明は、皮膚外用剤基剤に真珠
貝より分泌される粘液質を含有させて成る。
【0008】
【作用】本発明において有効成分として含有させる真珠
貝分泌粘液質について、真皮線維芽細胞代謝活性化作用
を以下に示す。
【0009】ヒト由来線維芽細胞を、1ウェル当たり
2.0×104個となるように96穴マイクロプレート
に播種し、24時間後にアコヤガイ分泌粘液質をそれぞ
れ0.002,0.004,0.008,0.016,
0.031,0.063重量%となるように含有する
1.0容量%牛胎脂血清添加DMEM培地にて、37℃
で2時間培養した。次いで2-(4,5-ジメチル-2-チアゾリ
ル)-3,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)
を20μg/ml含有する培地に交換して37℃で2時
間培養し、テトラゾリウム環の開環により生じるフォル
マザンを560nmにおける吸光度により測定した。な
お、1.0容量%牛胎脂血清添加DMEM培地のみで培
養した系を対照とし、5.0容量%牛胎脂血清添加DM
EM培地で培養した系を陽性対照とした。結果は対照に
おける吸光度を100.0として表した活性化指数によ
り、表1に示した。
【0010】
【表1】 表1において、アコヤガイ分泌粘液質を0.002〜
0.063重量%添加した場合、活性化指数の上昇が認
められ、0.008重量%及び0.016重量%添加時
に有意な線維芽細胞代謝活性化が認められていた。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において有効成分として皮
膚外用剤に含有させる真珠貝分泌粘液質は、天然真珠の
採取や養殖真珠の養成に用いられるアコヤガイ,クロチ
ョウガイ,シロチョウガイ,イケチョウガイ等より分泌
される粘液質を採取したものである。
【0012】さらに本発明に係る皮膚外用剤には、他の
活性酸素消去剤,抗炎症剤,美白剤,皮膚細胞賦活剤,
殺菌剤の他、油類,界面活性剤,保湿剤,紫外線吸収
剤,粉体,香料,防腐剤等、一般的な外用剤及び化粧料
原料をも含有させることができる。
【0013】本発明に係る皮膚外用剤は、ローション
剤,乳剤,ゲル剤,クリーム剤,軟膏等の剤型で提供す
ることができ、さらに化粧水,乳液,クリーム,パック
等の皮膚化粧料、メイクアップベースローション,メイ
クアップベースクリーム,液状又はクリーム状或いは軟
膏型のファンデーション,アイカラー,チークカラーと
いったメイクアップ化粧料、ハンドクリーム,レッグク
リーム,ボディローション等の身体用化粧料などとして
も提供することができる。皮膚外用剤中の真珠貝分泌粘
液質の含有量としては、外用剤基剤中でのバイオアベイ
ラビリティ等を考慮して、0.01〜5.0重量%程度
が適当である。
【0014】
【実施例】さらに本発明の特徴について、実施例により
詳細に説明する。
【0015】 [実施例1] 皮膚用ローション剤 (1)エタノール 10.0(重量%) (2)ヒドロキシエチルセルロース 1.0 (3)アコヤガイ分泌粘液質 0.5 (4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (5)精製水 88.4 製法:(1)〜(5)を混合し均一とする。
【0016】 [実施例2] 皮膚用乳剤 (1)ステアリン酸 0.2(重量%) (2)セタノール 1.5 (3)ワセリン 3.0 (4)流動パラフィン 7.0 (5)ポリオキシエチレン(10E.O.)モノオレイン酸 1.5 エステル (6)酢酸トコフェロール 5.0 (7)グリセリン 5.0 (8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (9)トリエタノールアミン 1.0 (10)精製水 74.7 (11)クロチョウガイ分泌粘液質 1.0 製法:(1)〜(6)の油相成分を混合,加熱して均一に溶解
し、70℃に保つ。一方、(7)〜(10)の水相成分を混
合,加熱して均一とし、70℃とする。この水相成分に
前記油相成分を攪拌しながら徐々に添加して乳化し、冷
却した後40℃にて(11)を添加,混合する。
【0017】 [実施例3] 皮膚用ゲル剤 (1)ジプロピレングリコール 10.0(重量%) (2)カルボキシビニルポリマー 0.5 (3)水酸化カリウム 0.1 (4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (5)精製水 87.8 (6)シロチョウガイ分泌粘液質 1.5 製法:(5)に(2)を均一に溶解した後、(1)に(4)を溶解し
て添加し、次いで(3)を加えて増粘させ、(6)を添加す
る。
【0018】 [実施例4] 皮膚用クリーム (1)ミツロウ 6.0(重量%) (2)セタノール 5.0 (3)還元ラノリン 8.0 (4)スクワラン 27.5 (5)グリセリル脂肪酸エステル 4.0 (6)親油型グリセリルモノステアリン酸エステル 2.0 (7)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 5.0 モノラウリン酸エステル (8)プロピレングリコール 5.0 (9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (10)精製水 35.4 (11)アコヤガイ分泌粘液質 1.0 (12)クロチョウガイ分泌粘液質 1.0 製法:(1)〜(7)の油相成分を混合,溶解して75℃に加
熱する。一方、(8)〜(10)の水相成分を混合,溶解して
75℃に加熱する。次いで、上記水相成分に油相成分を
添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳化
し、冷却後40℃にて(11),(12)を添加,混合する。
【0019】 [実施例5] 水中油型乳剤性軟膏 (1)白色ワセリン 25.0(重量%) (2)ステアリルアルコール 25.0 (3)グリセリン 12.0 (4)ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 (5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (6)精製水 35.4 (7)アコヤガイ分泌粘液質 0.5 (8)シロチョウガイ分泌粘液質 0.5 (9)イケチョウガイ分泌粘液質 0.5 製法:(1)〜(4)の油相成分を混合,溶解して均一とし、
75℃に加熱する。一方、(5)を(6)に溶解して75℃に
加熱し、これに前記油相成分を添加して乳化し、冷却後
40℃にて(7)〜(9)を添加,混合する。
【0020】 [実施例6] 化粧水 (1)エタノール 10.00(重量%) (2)1,3-ブチレングリコール 5.00 (3)クロチョウガイ分泌粘液質 0.01 (4)シロチョウガイ分泌粘液質 0.01 (5)香料 0.10 (6)精製水 84.88 製法:(1)〜(5)を順次(6)に添加して均一に混合,溶解
する。
【0021】 [実施例7] エモリエントクリーム(油中水型) (1)流動パラフィン 30.00(重量%) (2)マイクロクリスタリンワックス 2.00 (3)ワセリン 5.00 (4)ジグリセリルジオレイン酸エステル 5.00 (5)L-グルタミン酸ナトリウム 1.60 (6)L-セリン 0.40 (7)プロピレングリコール 3.00 (8)パラオキシ安息香酸メチル 0.10 (9)精製水 52.75 (10)香料 0.10 (11)アコヤガイ分泌粘液質 0.05 製法:(5),(6)を(9)の一部に溶解して50℃とし、5
0℃に加熱した(4)に攪拌しながら徐々に添加する。こ
れをあらかじめ混合し70℃に加熱溶解した(1)〜(3)に
均一に分散し、これに(7),(8)を(9)の残部に溶解して
70℃に加熱したものを攪拌しながら添加し、ホモミキ
サーにて乳化する。冷却後、40℃にて(10),(11)を添
加,混合する。
【0022】 [実施例8] メイクアップベースクリーム (1)ステアリン酸 12.00(重量%) (2)セタノール 2.00 (3)グリセリルトリ2-エチルヘキサン酸エステル 2.50 (4)自己乳化型グリセリルモノステアリン酸エステル 2.00 (5)プロピレングリコール 10.00 (6)水酸化カリウム 0.30 (7)精製水 69.56 (8)酸化チタン 1.00 (9)ベンガラ 0.10 (10)黄酸化鉄 0.40 (11)香料 0.10 (12)アコヤガイ分泌粘液質 0.02 (13)クロチョウガイ分泌粘液質 0.02 製法:(1)〜(4)の油相成分を混合し、75℃に加熱して
均一とする。一方(5)〜(7)の水相成分を混合し、75℃
に加熱,溶解して均一とし、これに(8)〜(10)の顔料を
添加し、ホモミキサーにて均一に分散させる。この水相
成分に前記油相成分を添加し、ホモミキサーにて乳化し
た後冷却し、40℃にて(11)〜(13)を添加,混合する。
【0023】 [実施例9] 乳液状ファンデーション (1)ステアリン酸 2.00(重量%) (2)スクワラン 5.00 (3)ミリスチン酸オクチルドデシル 5.00 (4)セタノール 1.00 (5)デカグリセリルモノイソパルミチン酸エステル 9.00 (6)1,3-ブチレングリコール 6.00 (7)水酸化カリウム 0.10 (8)パラオキシ安息香酸メチル 0.10 (9)精製水 53.52 (10)酸化チタン 9.00 (11)タルク 7.40 (12)ベンガラ 0.50 (13)黄酸化鉄 1.10 (14)黒酸化鉄 0.10 (15)香料 0.15 (16)イケチョウガイ分泌粘液質 0.03 製法:(1)〜(5)の油相成分を混合し、75℃に加熱して
均一とする。一方(6)〜(9)の水相成分を混合し、75℃
に加熱,溶解して均一とし、これに(10)〜(14)の顔料を
添加し、ホモミキサーにて均一に分散させる。この水相
成分に前記油相成分を添加し、ホモミキサーにて均一に
乳化した後冷却し、40℃にて(15),(16)を添加,混合
する。
【0024】 [実施例10] ハンドクリーム (1)セタノール 4.0(重量%) (2)ワセリン 2.0 (3)流動パラフィン 10.0 (4)グリセリルモノステアリン酸エステル 1.5 (5)ポリオキシエチレン(60E.O.)グリセリル 2.5 イソステアリン酸エステル (6)酢酸トコフェロール 0.5 (7)グリセリン 20.0 (8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (9)精製水 59.0 (10)アコヤガイ分泌粘液質 0.2 (11)シロチョウガイ分泌粘液質 0.2 製法:(1)〜(6)の油相成分を混合,溶解して75℃に加
熱する。一方、(7)〜(9)の水相成分を混合,溶解して7
5℃に加熱する。次いで、上記水相成分に油相成分を添
加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳化し
て冷却し、40℃にて(10),(11)を添加,混合する。
【0025】上記本発明の実施例のうち実施例1〜実施
例5について、紫外線によるしわの発生に対する防止効
果を評価した。なお、各実施例において真珠貝分泌粘液
質を精製水に代替したものを比較例とした。しわ発生防
止効果は、ヘアレスマウス5匹を1群とし、各群につい
て実施例及び比較例をそれぞれ1日1回背部に塗布し、
1J/cm2/週の長波長紫外線(UVA)を50週間
照射し、ヘアレスマウスにおけるしわの発生状況を観察
し、表2に示す判定基準に従って点数化して行った。こ
の際、精製水のみを塗布した群を対照とした。結果は各
群の平均値を算出し、UVA照射日数との関係により表
3に示した。
【表2】
【0026】
【表3】 表3に示されるように、対照群においては、UVA照射
日数が40週を超える頃には形成されたしわの深さは中
程度にまで達し、50週後には深いしわの発生が認めら
れていた。これに対し、本発明の実施例塗布群では、い
ずれにおいても50週後に微小〜軽微なしわが認められ
た程度で、しわの発生は顕著に抑制されていた。一方比
較例塗布群では、酢酸トコフェロールを含有する比較例
2塗布群でしわの発生の程度の軽減が若干認められた他
は、有意なしわの発生防止或いは軽減は認められなかっ
た。
【0027】続いて、本発明の実施例1〜実施例5につ
いて、抗炎症作用及び創傷治癒促進効果を評価した。人
工的に炎症又は創傷を形成した1群5匹のマウスを用
い、各群に実施例及び比較例をそれぞれ0.5gずつ1
日2回7日間塗布し、7日目に炎症部位及び創傷部位の
状態を観察した。抗炎症作用については「有効」,「や
や有効」,「無効」、創傷治癒促進効果については「完
全治癒」,「ほぼ治癒」,「治癒不完全」の3段階でそ
れぞれ評価し、各評価を得たマウスの数にて表4に示し
た。
【0028】
【表4】 表4より明らかなように、抗炎症作用については、本発
明の実施例塗布群ではいずれにおいても無効と評価され
たマウスは見られず、3例以上のマウスにおいて有効な
抗炎症作用が認められていた。また創傷治癒促進効果に
ついても、本発明の実施例塗布群では創傷治癒の不完全
なマウスはいずれにおいれも認められておらず、2例以
上のマウスで完全な治癒を認めていた。これに対し比較
例塗布群では、比較例2,比較例4及び比較例5塗布群
でやや有効な抗炎症作用の認められたマウスが2例又は
1例見られた他は、何らかの抗炎症作用の認められたマ
ウスは見られなかった。また、比較例2塗布群で創傷が
ほぼ治癒したマウスが1例見られた他は、いずれの塗布
群においてもマウスの創傷治癒は不完全であった。
【0029】次に、本発明の実施例1〜実施例10につ
いて、6カ月間の実使用試験を行った。パネラーとし
て、顕著なしわや皮膚弾性の低下といった皮膚症状を有
する40才〜60才代の女性を用い、1群20名とし
た。この使用試験においても、上記と同様各実施例にお
いて配合した真珠貝分泌粘液質を精製水に代替したもの
を比較例とした。使用試験は、各群に実施例及び比較例
のそれぞれをブラインドにて使用させて行った。使用試
験開始前及び使用試験終了後に皮膚の状態を観察し、し
わ及び皮膚弾性の各改善状況について「改善」,「やや
改善」,「変化なし」の3段階にて評価した。なお、し
わの程度については写真撮影及びレプリカにより、皮膚
弾性についてはキュートメーターにより測定して評価し
た。結果は、各評価を得たパネラー数にて表5に示し
た。
【0030】
【表5】 表5に示されるようにしわの改善状況については、本発
明の実施例使用群ではすべてにおいて改善傾向が認めら
れていた。特に、実施例1〜実施例5及び実施例10使
用群では、65%以上のパネラーにおいて明確な改善を
認めていた。皮膚弾性の改善状況については、実施例使
用群ではすべて改善傾向が認められており、実施例1〜
実施例5及び実施例10使用群では75%以上のパネラ
ーで明確な改善を認めていた。これに対し、比較例使用
群ではしわ及び皮膚弾性ともに明確な改善を認めたパネ
ラーは見られず、しわについては70%以上、皮膚弾性
については65%以上のパネラーで症状の改善を認めな
かった。
【0031】なお、本発明の実施例1〜実施例10につ
いては、上記の使用試験期間中に含有成分の析出,分
離,凝集、変色,変臭といった状態変化は全く見られな
かった。また、各実施例使用群において、皮膚刺激性反
応や皮膚感作性反応を示したパネラーも存在しなかっ
た。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、真
皮線維芽細胞の代謝活性を活性化し、加齢や紫外線等の
種々のストレスによるしわ,しみの発生、皮膚弾性の低
下といった皮膚老化症状の防止或いは改善に有効で、抗
炎症作用,創傷治癒促進作用をも有する、安定且つ安全
な皮膚外用剤を得ることができた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真珠貝の分泌する粘液質を含有して成
    る、皮膚外用剤。
  2. 【請求項2】 真珠貝の分泌する粘液質の含有量が、
    0.01〜5.0重量%であることを特徴とする、請求
    項1に記載の皮膚外用剤。
  3. 【請求項3】 皮膚外用剤が化粧料であることを特徴と
    する、請求項1又は請求項2に記載の皮膚外用剤。
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