JPH08511283A - 皮膚再生および治療用製造物、その製造方法およびその使用 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 双殻類軟体動物類のパール殻の母体から調製された粒状材料および双殻類軟体動物類の細胞切劣物を含む皮膚の再生および治療用製造物。酵素的および熱処理の後、両相がゲルまたはクリームとブレンドされ、次にメントール、樟脳、ベンゾイン、クエン酸、メチルオキシベンゾエート、セチルアルコール、ステアリルアルコール、常備のワセリン、グリセリン、精製水、ビタミンＡ、藻類抽出物、水酸化カルシウム、コプラ抽出物のような賦形剤と組み合わされる。本発明の製造物は、皮膚科学的および美容学的用途のためのものである。

Description

【発明の詳細な説明】 皮膚再生および治療用製造物、その製造方法およびその使用 本発明は、創傷の再生且つ治療プロセスを促進するために用いられる、Pincta da Maxima、Margaritifera、あるいは他の水性双殻類軟体動物類、腹足類動物ま たは頭足綱動物から生じる無機および／または有機相から製造された製造物に関 するものである。 創傷、手術、変性症、やけどまたはとこずれによる損傷部位の治療プロセスに は、次の２種類の方法が存在することが知られている： ａ） まず第１に、深層を保護するために、創傷の端部を互いに適所に維持さ せ、且つ縫合する。 ｂ） 第２に、深層部から肉芽化し連結し、損傷部位を治療し、その後、表面 層を治療する。この後者のプロセスは、前者よりも長い時間を必要とする。 これらのプロセスを促進するために、数多くのタイプの物質が用いられ、創傷 が保護され、汚染の防止または抑制が行われている。これらはほとんどの場合、 防腐剤、抗生物質、ビタミンＡおよび植物類を含むクリームまたは物質である。 これらを注意して処置するにもかかわらず、治療プロセスは、その固有または外 来的な理由から、しばしば失敗してしまう。 また、採用される治療または処置は、どんなタイプであっても、完全な組織再 生には、４５〜６０日間を必要とする。 本発明の製造物は、一方で、軟体動物類の外套膜（mantle）の凍結乾燥細胞か ら調製された粒状材料から直接得られるものであり、他方で、軟体動物類のパー ル殻の粒状材料から直接得られる（有機画分または無機画分あるいはこれらの両 方が使用される）。 本発明の製造物は、第１の好適な態様において、次の方法により得られるもの である：軟体動物類のパール殻を粗砕および粉砕した後、得られた残渣を超音波 照射により洗浄且つ清浄し、次に無水炭酸またはトリプシンまたは他の酵素によ る酵素液体処理に施し、続いて該酵素を不活性化するための酸処理を行う。 残渣は、脱イオン水で洗浄され、５０°、４８時間の蒸発処理に施され、次に 脱イオン水で希薄化され、遠心分離される。製造の第２の方法によれば、この軟 体動物類の外套膜の切裂は、減圧下、４時間の熱処理により行われる。このよう にして得られたゼリーは、ダイヤフラムにより濾過され、遠心分離により濃縮さ れ、凍結乾燥される。 本発明の製造物は、２相を混合して、ゲル、クリームまたは溶液にすることが できる。 本発明の製造物は、その効果および浸透を高めるために、所望の化学的性質を 有するビヒクルと混合される。次にそのビヒクルを例示する（下記に本発明は限 定されない）：メントール、樟脳、ベンゾイン、クエン酸、メチルオキシベンゾ エート、セチルアルコール、ステアリルアルコール、常備のワセリン、グリセリ ン、精製水、ビタミンＡ、藻類抽出物、水酸化カルシウムおよびコプラ抽出物。 本発明の製造物は、数時間において、線維芽細胞の増殖を含む該細胞の細胞質 活性の刺激により治癒を顕著に促進するものである。これは、その栄養良好性お よび治療特性によるものである。 幾つかの“in vivo”での実験は、本発明の製造物が、治癒のための肉芽量を 促進させ且つ増加させ、さらに創傷部の端部の迅速な癒合をもたらすことを示し た。 以下の実施例は、本発明の製造物の適用を示すものである。 表皮または皮膚に、１０mmの直径として２カ所の損傷部位を動物に形成させた 。その内の１カ所は、本発明の滅菌済み製造物でコーティングし、別の１カ所は 、密封包帯でカバーした。治癒のための肉芽の形成は、４８時間後に細胞増殖お よび出血表面部の２／３の減少として観察された。完全な治癒は６日間であった 。しかしながら、対照の損傷部位は、１７日後に治癒した。 １５年間かけて進行した足底の穿孔潰瘍（plantar perforating sore）に対し 、本発明の製造物を滅菌して適用した。足底の穿孔潰瘍は、かかとおよび中足の ような支持点での足底の円蓋の穿孔により特徴付けられ、糖尿病によりしばしば 生じる皮膚および筋肉の病気であることが知られている。この損傷は、さまざま な直径および深さの外傷として生じ、その端部は無緊張性であり、血管新生がほ とんど生じないために、その外傷部はしばしば感染し、自発的に治癒することは 決してなく、いかなる治療も受け付けない。上記の実施例において、１週間後に 外 傷部の直径および深さの劇的な減少が見られ、さらに外傷部の端部の網状の再血 管新生が見られた。１５日後には、治癒のための肉芽形成がその外傷部に生じ、 完全な回復は、角膜層の再生により３週間後に得られた。 第３の実施例は、美容学的な適用における本発明の製造物の使用に関するもの である：右側および左側の頬を皮膚発赤させた後、一方の頬に本発明の製造物を コーティングし、他の頬を対照物を適用した。本発明の製造物を適用した直後、 やけどによる痛みの鎮静が見られ、その４８時間後に、表皮の表層の部分的な再 生が生じ（hyperhemiaの完全な相違）、６日後、外皮の滑らか且つ通常の外観と なった。これは表面層の完全な組織再生としても認められる。 第４の実施例は、本発明の製造物をII度の熱傷に対しての利用に関するもので ある：本発明の製造物を、やけど領域の全表面に対し、クリームとして適用した 。本発明の製造物を適用するとすぐに、やけどの感覚がすべて消失し、４８時間 後には、出血表面の顕著な減少が臨床学的に認められ、さらに外皮の新しい色素 沈着の開始が見られた。 これらの実験のすべては、本発明の製造物による細胞増殖の調節されたプロセ スの刺激作用、栄養良好性、鎮痛性、治療性および消炎性を証明するものである 。 Pinctada Maximaその他のような双殻類軟体動物類のパール殻の有機無機複合 物、あるいはその有機または無機画分から生じる細胞の外套膜の凍結乾燥製造物 を、１種以上のビヒクルまたは物質と組み合わせあるいは組み合わせずに、これ を構成成分として用いるならば、所望の栄養良好性、再生、鎮痛性、治療性およ び消炎性作用を得るために、当業者ならば該構成成分をゲル、クリーム、溶液と して用いることができるであろう。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 双殻類軟体動物類のパール殻の粒状材料および外套膜由来の凍結乾燥細 胞に対し、超音波処理を施し、続いて無水炭酸またはトリプシンによる酵素処理 を施し、次に減圧下の熱処理を施すことより得られる皮膚の再生および治療用製 造物。 ２． Pinctada Maxima、Margaritiferaまたは他の双殻類軟体動物類、腹足類 動物あるいは頭足綱動物の外套膜細胞およびパール殻から得られる請求の範囲第 １項に記載の製造物。 ３． 機械的な粉砕処理および超音波処理が施される請求の範囲第１項または 第２項に記載の製造物。 ４． 酵素の不活性化のために化学酸の処理が施される請求の範囲第１項ない し第３項のいずれか１項に記載の製造物。 ５． ５０°、４８時間の蒸発処理が施される請求の範囲第１項ないし第４項 のいずれか１項に記載の製造物。 ６． ダイヤフラムにより濾過され、遠心分離により濃縮され、且つ凍結乾燥 される請求の範囲第１項ないし第５項のいずれか１項に記載の製造物。 ７． ゲル、クリームまたは溶液を得るために２相が混合される請求の範囲第 １項ないし第６項のいずれか１項に記載の製造物。 ８． メントール、樟脳、ベンゾイン、クエン酸、メチルオキシベンゾエート 、ステアリルアルコール、常備のワセリン、グリセリン、精製水、ビタミンＡ、 藻類抽出物、水酸化カルシウム、コプラ抽出物または効果を強調し、且つ浸透を 促進するのに適切な任意の他のビヒクルのようなビヒクルとブレンドされる請求 の範囲第１項ないし第７項のいずれか１項に記載の製造物。 ９．皮膚科学的組成物の製造における、請求の範囲第１項ないし第８項のいず れか１項に記載の製造物の使用。 １０．美容学的製造物の製造ための、請求の範囲第１項ないし第８項のいずれ か１項に記載の製造物の使用。