JPH1023563A - ハウジング構造 - Google Patents

ハウジング構造

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JPH1023563A
JPH1023563A JP8174779A JP17477996A JPH1023563A JP H1023563 A JPH1023563 A JP H1023563A JP 8174779 A JP8174779 A JP 8174779A JP 17477996 A JP17477996 A JP 17477996A JP H1023563 A JPH1023563 A JP H1023563A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 落下衝撃等により係合片が係合部から外れた
り破損したりしないようにする。また、ケースのがたつ
きを防止する。 【解決手段】 第1のケース2Aと第2のケース2Bを
弾性を有する係合片46と係合部40との係合によって
一体的に結合する。第1のケース2Aの表面に設けた抜
け止め片42を係合片46の背面に当接し、係合片46
が係合部40から抜けないようにする。一方のケースの
接合面に突起を一体に突設し、この突起により他方のケ
ースの突起に対応する部位を反らせると、突起に対応し
ない部位が一方のケースに押し付けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調制御装置、ワ
イヤレス送信装置などのハウジングに適用して好適なハ
ウジング構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ビルディング等においては、
空調用制御装置の運転、停止、温度設定等をワイヤレス
の送信装置と受信装置によって行なっている(例:特開
平3−6935号公報)。このため、赤外線センサを内
蔵したワイヤレス受信装置を室内の天井に埋め込み、こ
のワイヤレス受信装置にワイヤレス送信装置からの赤外
線による送信情報を送信すると、この送信情報と空調用
制御装置からの入力情報とを比較処理し、その処理結果
に基づく制御信号を空調用制御装置に出力して、運転、
停止、風量制御等を行うようにしている。
【0003】ワイヤレス送信装置は、空調用制御装置に
用いられるものとして構成されることにより、図16に
示すようにハウジング2を備えている。ハウジング2
は、表面に運転/停止キー3、室温設定キー4等が一体
に設けられ、内部に液晶表示装置5、図示しない電源、
温度センサ、この温度センサからの各種情報を処理する
マイクロプロセッサ(以下、MPUという)、駆動回路
等が設けられたプリント配線基板、赤外線発光部として
のLED等を収納している。ハウジング2の構造として
は、上下に分割して形成された第1,第2のケース2
A,2Bをねじ止めしたり、第1、第2のケース2A,
2Bを互いに嵌合し弾性を有する係合片によって係止し
ている。液晶表示装置5は、プリント配線基板に実装さ
れて第1のケース2A内に組み込まれ、表示部を第1の
ケース2Aに設けた表示用開口部6に臨ませている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような電気機器等
におけるハウジング構造としては、ハウジングが分解さ
れると内部の電気部品等が破損するおそれがある場合、
ハウジングを容易に分解できないようにするために両ケ
ースを止めねじで固定したり、接着剤によって接合した
りしている。しかしながら、止めねじで一体的に結合し
ても、ねじを取り外すと容易に分解でき、またねじを用
いるとその締付け作業が必要で、組立工数が増加すると
いう欠点がある。一方、接着剤を使用して固定するハウ
ジング構造においては、接着剤が必要であるばかりか、
接着剤が流れ出すと、ケース表面を汚すおそれがあると
ともに仕上がりにばらつきが大きく、取扱いに注意を要
する。また、接着工程を必要とするため、ねじを用いる
場合と同様に組立工数が増加するという欠点がある。一
方、係合片と係合部の係合によって両ケースを一体的に
結合するハウジング構造においては、係合片の強度が弱
いと容易に分解され、落下衝撃等により係合片が破損し
て係合部から外れて内蔵物が飛散、破損するおそれがあ
る。反対にケース自体や係合片の強度を大きくして結合
強度を大きくすると、両ケースを結合させる組付け力も
大きくなり組付けに時間がかかるという問題があった。
【0005】ハウジング2の電池収納部に係合片によっ
て着脱自在に取付けられるバッテリカバー7について
は、落下等により大きな衝撃を受けると係合片の先端部
に大きな力が加わり係合片が破損して係合部から外れ
る。すなわち、バッテイルカバーがハウジングから外れ
ると電池収納部内の電池が飛び出して散乱する。
【0006】また、第1,第2のケースを係合片と係合
部との係合によって一体的に結合したハウジング構造
は、寸法公差によって両ケースががたつくという問題も
あった。ケースががたつかないようにする方法として
は、止めねじによって両ケースを固定する、係合片
と係合部の寸法精度を高めるなどの方法が考えられる。
しかしながら、の方法は止めねじを締め付けるため組
立作業が面倒であり、また需要者に分解されることによ
り前述したような不具合もある。の方法は高い加工精
度が要求されるうえ、部品のばらつきが大きくなり好ま
しくない。
【0007】本発明は上記した従来の問題点を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、ねじ
を一切使用することなく組立てることができ、また落下
衝撃等により係合片が係合部から外れたり破損したりす
ることがないようにしたハウジング構造を提供すること
にある。また、本発明は、係合片と係合部の係合によっ
て結合される2つのケースのがたつきを確実に防止する
ことができるようにしたハウジング構造を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、第1のケースと第2のケースとでハウジン
グを構成したハウジング構造において、前記第1のケー
スの内側面に係合部を形成するとともに、この係合部に
対向してケース表面側に板厚方向に弾性変形自在な抜け
止め片をU字状の孔によって形成し、前記第2のケース
に前記係合部によって係止される弾性変形自在な係合片
を一体に突設し、この係合片が前記係合部に係合した状
態において前記抜け止め片が係合片の背面に当接するこ
とにより係合片の抜けを防止することを特徴とする。ま
た、本発明は、第1のケースと第2のケースとでハウジ
ングを構成したハウジング構造において、前記第1のケ
ースの内側面に係合部を形成し、この係合部を挟んで互
いに対向しかつ対向方向に弾性変形自在な2つの抜け止
め片を前記第1のケースの内面に一体に突設し、前記第
2のケースに前記2つの抜け止め片の間隔より大きな幅
を有し前記係合部によって係止される弾性変形自在な係
合片を一体に突設し、この係合片が前記係合部に係合し
た状態において前記2つの抜け止め片が係合片の背面に
当接することにより係合片の抜けを防止することを特徴
とする。
【0009】また、本発明は、互いに嵌合し係合片と係
合部の係合によって一体的に結合される第1のケースと
第2のケースによってハウジングを構成したハウジング
構造において、第1のケースと第2のケースのいずれか
一方の接合面に複数個の突起を一体に突設したことを特
徴とする。また、本発明は、ハウジングの開口部にカバ
ーを着脱自在に取り付けたハウジング構造において、前
記ハウジングの内面に係合部を設け、先端部に前記係合
部に係入する爪部を一体に有する係合片を前記カバーに
一体に突設し、この係合片の基端部に厚肉部を設けてな
り、この厚肉部はカバーがハウジングの開口部に取付け
られた状態においてハウジングの内面に当接することに
より前記爪部を前記係合部内に非接触状態で位置させる
ことを特徴とする。また、本発明は、ハウジングの開口
部にカバーを着脱自在に取り付けたハウジング構造にお
いて、前記ハウジングの内面に係合部を設け、先端部に
前記係合部に係入する爪部を一体に有する係合片を前記
カバーに一体に突設し、この係合片の基端部に対応して
前記ハウジング側に厚肉部を設けてなり、この厚肉部は
カバーがハウジングの開口部に取付けられた状態におい
て前記係合片の基端部に当接することにより前記爪部を
前記係合部内に非接触状態で位置させることを特徴とす
る。さらに、本発明は、厚肉部が突子によって構成され
ることを特徴とする。
【0010】本発明において、係合片と係合部は互いに
係合することで第1のケースと第2のケースを一体的に
結合する。係合片が係合部に係合するとき、抜け止め片
は係合片によって押圧され弾性変形することにより係合
片と係合部との係合を可能にする。係合片が係合部に係
合すると、抜け止め片は係合片から解放されて弾性復帰
することにより係合片の背面に当接し、係合片が係合部
から抜けないようにする。2つのケースを係合片と係合
部との係合によって結合すると、一方の接合面に突設し
た突起が他方のケースの接合面に当接する。このため、
他方のケースの前記突起に対応する部位が反って一方の
ケースから離間し、突起に対応しない部位を一方のケー
スに押し付ける。係合片は爪部が設けられている先端部
側に外力を受けると破損し易い。そこで、係合片の基端
部またはハウジング側に肉厚部を設け、この肉厚部によ
り係合片の先端部側を係合部から離間させると、外力が
直接基端部に加わるため、大きな外力であっても倍加さ
れないため係合片は破損し難い。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は第1の発明を空
調制御装置のワイヤレス送信装置に適用した実施の形態
を示す一部を破断した斜視図、図2はハウジングの分解
斜視図、図3は第1のケースを反転させて示すハウジン
グの分解斜視図、図4は同送信装置の断面図である。な
お、従来技術の欄で示した構成部材等と同一のものにつ
いては同一符号をもって示し、その説明を適宜省略す
る。これらの図に基づいてワイヤレス送信装置の概略構
成を説明すると、このワイヤレス送信装置10は、ハウ
ジング2を備え、その内部に液晶表示装置5、電源1
1、プリント配線基板12、赤外線発光部としてのLE
D13、室内温度を検出する温度センサ14等を収納し
ている。
【0012】前記ハウジング2は、合成樹脂によって形
成され後述する複数個の係合片と係合部との係合によっ
て両端部および中央部が一体的に結合される第1のケー
ス2Aと第2のケース2Bによって全体が細長い棒状に
形成されている。このハウジング2は、壁面に設置され
た状態において下端側となる基部が使用時に手で把持さ
れる把持部15を形成し、内部が3つの仕切壁16(1
6a,16b),17(17a,17b),18(18
a,18b)によって下から電源収納部19,基板収納
部20、表示装置収納部21およびセンサ収納部22に
仕切られている。電源収納部19をハウジング2の把持
部15側に設けて電源11を収納すると、ワイヤレス送
信装置10の重心位置を把持部15側とすることができ
るので、安定した状態で把持して使用することができ
る。電源11としては、1.5Vの乾電池が2つ使用さ
れる。
【0013】前記プリント配線基板12は基板収納部2
0内に収納され、第1のケース2Aの内部に突設した複
数個の位置決め片24によって位置決めされ、かつ複数
個の係止片25によって着脱可能に係止される。プリン
ト配線基板12の前端部は、液晶表示装置5を収納する
表示装置収納部21にまで延在している。また、プリン
ト配線基板12の前端には前記LED13と温度センサ
14が取付けられている。
【0014】前記表示装置収納部21内に収納される液
晶表示装置5は、第1のケース2Aの内面に位置決めさ
れラバーコネクタ26を介して固定され、このラバーコ
ネクタ26によって前記プリント配線基板12に電気的
に接続されている。このラバーコネクタ26とプリント
配線基板12の接続は、第2のケース2B内に突設した
仕切壁17bの押圧部27によってプリント配線基板1
2をラバーコネクタ26に押し付けることにより容易に
かつ確実に得ることができる。
【0015】前記LED13および温度センサ14を収
納する前記センサ収納部22は、ハウジング2の前端面
に形成した赤外線放射孔28と、第1のケース2Aの表
面に形成したスリット状の通気口29(図6参照)およ
びこの通気口29に対応して第2のケース2Bの背面に
形成した図示しない通気口を有し、これらの通気口並び
に後述するフック用凹部によって室内の空気を温度セン
サ14に導くようにしている。LED13の先端部は、
赤外線放射孔28からハウジング2の外部に露呈してい
る。
【0016】前記第1のケース2Aの表面で前記基板収
納部20に対応する部位は、運転/停止キー3、室温設
定キー4および風量設定キー31が孔32(図6参照)
の形成により一体に設けられることにより操作部を形成
している。また、第1のケース2Aの表面で前記表示装
置収納部21に対応する部位は、表示用開口部6が形成
されることにより表示部を形成している。この表示用開
口部6は、液晶表示装置5の表示部を外部に露呈させて
いる。そして、第1のケース2Aの表面で前記操作部と
表示部は、前記表示用開口部6およびキー3,4,31
を除き不透明なシート33によって覆われている。な
お、このシート33には、前記各キー3、4,31が挿
通されるキー孔が形成されるとともに、表面側に「室
温」、「設定」、「停止/運転」、「温度設定」、「風
量」等の文字が印刷されている。
【0017】前記第2のケース2Bの背面で把持部15
側には、電源11の着脱を可能にする開口部34が形成
されており、この開口部34を通常は後述する係合片と
係合部との係合によって着脱自在に取付けられるバッテ
リカバー7によって覆っている。また、第2のケース2
Bの背面上端部には、ワイヤレス送信装置10を壁面に
設けたフックに引っ掛けるときに使用されるフック用凹
部36が形成されている。このフック用凹部36は、前
記センサ収納部22の直下に位置して設けられ、上側に
は外部に対して開口する連通孔37が穿設され、この開
口によってセンサ収納部22の下部に連通している。
【0018】次に、第1、第2のケース2A,2Bの結
合構造を主として図3、図5〜図7図に基づいて詳述す
る。図5は図4のA−A線断面図、図6は第1のケース
の要部の拡大平面図、図7は係合片が係合部に係合する
直前の状態を示す断面図である。これらの図において、
第1のケース2Aを構成する長辺側の側板41の内側面
には、係合部40が形成されている。係合部40として
は、本実施の形態においては凹部を示したが、これに限
らず側板41を貫通する孔であってもよい。また、第1
のケース2Aの表面側には、前記係合部40に対向して
抜け止め片42をU字状の孔43によって形成してい
る。このため抜け止め片42は第1のケース2Aの長手
方向と直交する方向に細長い棒状に形成されて自由端が
前記係合部40と対向し、板厚方向(図5において矢印
方向)に弾性変形自在とされる。抜け止め片42の先端
面と前記側板41の内側面との間には適宜な間隔が設け
られている。前記U字状の孔43と前記係合部40とは
互いに連通している。
【0019】一方、前記第2のケース2Bを構成する長
辺側の側板45の内側面には、係合片46が前記係合部
40に対応して一体に突設されている。この係合片46
は前後方向(第2のケース2Bの幅方向)に弾性変形自
在で、第2のケース2Bの上方に突出しており、その外
側面上端部に前記係合部40に係合する断面形状が三角
形の爪部47が一体に突設されている。係合片46は、
基部の板厚が前記抜け止め片42の先端面と前記側板4
1の内側面との間隔より若干小さく、長さが第1のケー
ス2Aと第2のケース2Bを結合した状態において抜け
止め片42の先端面が係合片46の背面上端部に当接し
得る長さに設定されている。ただし、前記U字状の孔4
3から第1のケース2Aの表面側に突出しない長さとさ
れる。
【0020】このような構造からなる係合部40と係合
片46は、第1のケース2Aと第2のケース2Bを嵌合
すると互いに係合し、これら両ケースを一体的に結合す
る。第1のケース2Aと第2のケース2Bを嵌合すると
き、係合片46は爪部47が第1のケース2Aの内側面
に当接することにより図7に示すように内側に弾性変形
する。また、係合片46は第1のケース2A内に一定寸
法挿入されると、上面が抜け止め片42の自由端部下面
に当接して抜け止め片42を上方に弾性変形させる。そ
して、第1のケース2Aと第2のケース2Bが完全に嵌
合すると、爪部47が係合部40と一致するため、係合
片46は元の状態に弾性復帰して爪部47を係合部40
に係入させる。係合片46が弾性復帰すると、抜け止め
片42は係合片46による押圧状態から解放されるため
元の状態に弾性復帰し、図5に示すように係合片46の
背面上端部に当接することにより爪部47が係合部40
から抜け出ないようにする。したがって、落下衝撃等が
生じる際には2方向同時の応力印加は起こり得ないので
係合部40と係合片46の係合が外れず、係合片46が
破損したりすることがない。また、ねじや接着剤を用い
ないで両ケースを一体的に結合でき、組付け力も小さく
てよいので組立作業も容易である。
【0021】第1のケース2Aと第2のケース2Bを結
合した後、第1のケース2Aの表面に前述したシート3
3を接着して前記抜け止め片42、U字状の孔43等を
覆う。このようにシート33を接着すると、抜け止め片
42、U字状の孔43等が見えなくなりハウジング2の
外観を損なうことがない。なお、図6において、50は
前述した液晶表示装置5を第1のケース2Aの内面に固
定するためにU字状の孔51によって形成された弾性を
有する挾持片である。
【0022】図8は第2の発明の実施の形態を示す第1
のケースと第2のケースの後端部の側面図、図9は図8
のB−B線断面図、図10(a)、(b)は第1のケー
スと第2のケースを結合するときの様子を示す側面図お
よび断面図、図11(a)、(b)は第1のケースと第
2のケースを結合したときの様子を示す側面図および断
面図である。上記した通り抜け止め片42は、第1のケ
ース2Aの表面にU字状の孔43を形成しても何等問題
ない箇所に設けられるものあるが、このような抜け止め
片を第1のケース2Aの表面に設けることができない箇
所には、図8〜図11に示すように弾性を有する2つの
抜け止め片53を第1のケース2Aの内面に突設すれば
よい。この場合、抜け止め片53は、第1のケース2A
の側板41の内側面に形成された係合部55の両側に位
置するように対向して設けられ、板厚方向に弾性変形自
在とされる。また、前記側板41の内側面と抜け止め片
53の間隔は、第2のケース2Bに一体に突設されてい
る係合片56の基部の板厚より若干大きい。前記係合片
56は、ハウジング2の長手方向に長い板状に形成され
ることにより前記2つの抜け止め片53,53の間隔よ
り大きな幅を有し、前後方向(板厚方向)に弾性変形自
在とされる。また、係合片56の外側面には、前記係合
部55に係入する断面形状が三角形の爪部57が一体に
突設されている。さらに、係合片56の上端側角部に
は、第1、第2のケース2A,2Bを結合するとき2つ
の抜け止め片53,53間に係合片56が容易に挿入さ
れ得るように略45°の角度で傾斜する案内面58が設
けられている。
【0023】第1のケース2Aと第2のケース2Bを図
10に示すように徐々に嵌合していくと、係合片56が
第1のケース2A内に挿入される。このとき、係合片5
6は爪部57が第1のケース2Aの側板41の内側面に
当接することにより図10(b)に示すように内側に弾
性変形する。また、係合片56は第1のケース2A内に
一定寸法挿入されると、案内面58が抜け止め片53,
53の下端に当接してこれら抜け止め片を外側に弾性変
形させる。そして、第1のケース2Aと第2のケース2
Bが完全に嵌合して爪部57が係合部55と一致する
と、係合片56は元の状態に弾性復帰して爪部57を係
合部55に係入させる。係合片56が弾性復帰すると、
抜け止め片53,53は係合片56による押圧状態から
解放されるため元の状態に弾性復帰して図11に示すよ
うに係合片56の背面上端部に当接することにより係合
片56の背面側への弾性変形を阻止する。したがって、
このような構造においても落下衝撃等によって係合部5
5と係合片56の係合が外れたり、係合片56が破損し
たりすることがなく、また組付け力が小さいため組立作
業が容易である。
【0024】図12は第3の発明の実施の形態を示すハ
ウジングの分解斜視図、図13は同ハウジングの一部を
破断して示す側面図である。上記したような係合部4
0,55と係合片46,56との係合によって一体的に
結合される第1のケース2Aと第2のケース2Bは、ね
じ止めされていないので寸法公差によってがたつき易
い。そこで、第2のケース2Bの長辺側の各接合面に2
つの突子60を適宜な間隔を置いて一体に突設し、第1
のケース2Aの接合面に当接させると、第1のケース2
Aの前記突子60に対応する部位が僅かに浮き上がって
反り、この反りによる弾性によって両端部が第1のケー
ス2Bに押し付けられる。この結果、第1、第2のケー
ス2A,2Bのがたつきを確実に防止することができ
る。この場合、突子60の形成位置としては、隣合う係
合片46と46の間および46と56の間が好ましい。
突子60の数としては、2つに限らず2つ以上であって
もよい。また、第2のケース2Bに限らず第1のケース
2A側に突設してもよい。
【0025】次に、第4の発明を図4、図14、図15
に基づいて説明する。前記バッテリカバー7は、第1、
第2のケース2A,2Bと同様に係合部70,71と係
合片72,73との係合によって第2のケース2Bの開
口部34に着脱自在に取付けられる。係合部70は、第
2のケース2Bの後端面に設けた孔からなり、前記係合
片72が後方から挿入されるようになっている。この係
合部70は、係合片72が単に挿入されるだけで、係合
片72の抜け止め機能を有していない。係合片72は、
バッテリケース7の後端に一体に設けた折り返し部7a
の内面に一体に突設されている。
【0026】係合部71は、前記開口部34の前端縁に
近接して第2のケース2Bの内底面に形成された凹部
(または孔)からなり、前記係合片73の抜け止め機能
を有している。また、開口部34の前端縁には電池収納
部19と基板収納部20とを仕切る前記仕切壁16bが
一体に突設されており、この仕切壁16bの下部に前記
係合片73が挿通される挿通孔75が前記係合部71に
対応して形成されている。
【0027】前記係合片73は、バッテリケース7の前
端縁中央に前方に向かって一体に突設されており、バッ
テリケース7自体が上下方向に弾性変形自在で、先端部
下面に側面視形状が三角形の爪部76が一体に突設され
ており、この爪部76が前記係合部71に係止されるよ
うになっている。また、係合片73の基端部は、下面側
に突子77が一体に突設されることにより厚肉部を形成
している。この突子77は、バッテリケース7を第2の
ケース2Bの開口部34に取り付けた状態において図1
4に示すように第2のケース2Bの内底面に当接して先
端側に位置する前記爪部76と前記係合部71を非接触
状態にする。
【0028】このように、突子77を第2のケース2B
に当接させて爪部76を係合部71から浮かせておく
と、係合片73に外力が加わったとき爪部76を係合部
71に当接させている従来構造に比べて爪部76の基部
付近に力が加わるため、大きな外力に対しても十分に耐
え、係合片73が破損して係合部71から外れることが
ない。したがって、ワイヤレス送信装置10を誤って落
としたとしても、係合片73が破損してバッテリケース
7が第2のケース2Bから外れて内部の電池が飛び出す
おそれがない。
【0029】なお、上記した実施の形態においては、ワ
イヤレス送信装置10のハウジングに適用した例を示し
たが、本発明はこれに何等特定されるものではなく、各
種電気機器等のハウジングに適用することができる。ま
た、本実施の形態においては、カバーとしてバッテリカ
バー7に適用したが、ハウジングの開口部に係合部と係
合片との係合によって着脱自在に取付けられるカバーで
あれば何でもよい。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、第1のケ
ースと第2のケースとでハウジングを構成したハウジン
グ構造において、前記第1のケースの内側面に係合部を
形成するとともに、この係合部に対向してケース表面側
に板厚方向に弾性変形自在な抜け止め片をU字状の孔に
よって形成し、前記第2のケースに前記係合部によって
係止される弾性変形自在な係合片を一体に突設し、この
係合片が前記係合部に係合した状態において前記抜け止
め片が係合片の背面に当接することにより係合片の抜け
を防止するようにしたので、落下衝撃等により係合片が
係合部から外れたり破損して第1、第2のケースが分離
するのを確実に防止することができる。また、ねじや接
着剤を必要とせず、しかも係合片自体の強度を大きくす
る必要がないので、組付け力が弱く組立作業も容易であ
る。
【0031】また、本発明は、第1のケースと第2のケ
ースとでハウジングを構成したハウジング構造におい
て、前記第1のケースの内側面に係合部を形成し、この
係合部を挟んで互いに対向しかつ対向方向に弾性変形自
在な2つの抜け止め片を前記第1のケースの内面に一体
に突設し、前記第2のケースに前記2つの抜け止め片の
間隔より大きな幅を有し前記係合部によって係止される
弾性変形自在な係合片を一体に突設し、この係合片が前
記係合部に係合した状態において前記2つの抜け止め片
が係合片の背面に当接することにより係合片の抜けを防
止するようにしたので、上記発明と同様に落下衝撃等に
よる係合片が係合部から外れたり破損したりすることが
がなく、第1、第2のケースの分離を防止することがで
きる。また、ねじや接着剤を必要とせず、しかも係合片
自体の強度を大きくする必要がないので、組付け力が弱
く組立作業も容易である。
【0032】また、本発明は、互いに嵌合し係合片と係
合部の係合によって一体的に結合された第1のケースと
第2のケースによってハウジングを構成したハウジング
構造において、第1のケースと第2のケースのいずれか
一方の接合面に複数個の突起を一体に突設したので、両
ケースのがたつきを確実に防止することができる。
【0033】また、本発明は、ハウジングの開口部にカ
バーを着脱自在に取り付けたハウジング構造において、
前記ハウジングの内面に係合部を設け、先端部に前記係
合部に係入する爪部を一体に有する係合片を前記カバー
に一体に突設し、この係合片の基端部またはハウジング
側に厚肉部を設け、この厚肉部によって係合片の爪部を
前記係合部内に非接触状態で位置させるようにしたの
で、係合片の先端側ではなく爪部の基端部付近に外力を
作用させることができる。したがって、大きな外力が加
わっても係合片が破損して係合部から外れることがな
く、カバーの脱落を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を空調制御装置のワイヤレス送信装置
に適用した実施の形態を示す一部を破断した斜視図であ
る。
【図2】 ハウジングの分解斜視図である。
【図3】 第1のケースを反転させて示すハウジングの
分解斜視図である。
【図4】 同送信装置の断面図である。
【図5】 図4のA−A線断面図である。
【図6】 第1のケースの要部の拡大平面図である。
【図7】 第1のケースと第2のケースを結合するとき
の様子を示す断面図である。
【図8】 第1のケースと第2のケースの後端部の側面
図である。
【図9】 図8のB−B線断面図である。
【図10】 (a)、(b)は第1のケースと第2のケ
ースを結合するときの様子を示す側面図および断面図で
ある。
【図11】 (a)、(b)は第1のケースと第2のケ
ースを結合したときの様子を示す側面図および断面図で
ある。
【図12】 本発明の他の実施の形態を示すハウジング
の分解斜視図である。
【図13】 ハウジングの一部を破断して示す側面図で
ある。
【図14】 係合片の断面図である。
【図15】 同係合片の底面図である。
【図16】 ワイヤレス送信装置の従来例を示す外観斜
視図である。
【符号の説明】
2…ハウジング、2A…第1のケース、2B…第2のケ
ース、5…液晶表示装置、6…表示用開口部、7…バッ
テリカバー、10…ワイヤレス送信装置、12…プリン
ト配線基板、34…開口部、40…係合部、42…抜け
止め片、46…係合片、51…U字状の孔、53…抜け
止め片、55…係合部、56…係合片、60…突起、7
1…係合部、73…係合片、76…爪部、77…突子。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のケースと第2のケースとでハウジ
    ングを構成したハウジング構造において、前記第1のケ
    ースの内側面に係合部を形成するとともに、この係合部
    に対向してケース表面側に板厚方向に弾性変形自在な抜
    け止め片をU字状の孔によって形成し、前記第2のケー
    スに前記係合部によって係止される弾性変形自在な係合
    片を一体に突設し、この係合片が前記係合部に係合した
    状態において前記抜け止め片が係合片の背面に当接する
    ことにより係合片の抜けを防止することを特徴とするハ
    ウジング構造。
  2. 【請求項2】 第1のケースと第2のケースとでハウジ
    ングを構成しハウジング構造において、前記第1のケー
    スの内側面に係合部を形成し、この係合部を挟んで互い
    に対向しかつ対向方向に弾性変形自在な2つの抜け止め
    片を前記第1のケースの内面に一体に突設し、前記第2
    のケースに前記2つの抜け止め片の間隔より大きな幅を
    有し前記係合部によって係止される弾性変形自在な係合
    片を一体に突設し、この係合片が前記係合部に係合した
    状態において前記2つの抜け止め片が係合片の背面に当
    接することにより係合片の抜けを防止することを特徴と
    するハウジング構造。
  3. 【請求項3】 互いに嵌合し係合片と係合部の係合によ
    って一体的に結合される第1のケースと第2のケースに
    よってハウジングを構成したハウジング構造において、
    第1のケースと第2のケースのいずれか一方の接合面に
    複数個の突起を一体に突設したことを特徴とするハウジ
    ング構造。
  4. 【請求項4】 ハウジングの開口部にカバーを着脱自在
    に取り付けたハウジング構造において、前記ハウジング
    の内面に係合部を設け、先端部に前記係合部に係入する
    爪部を一体に有する係合片を前記カバーに一体に突設
    し、この係合片の基端部に厚肉部を設けてなり、この厚
    肉部はカバーがハウジングの開口部に取付けられた状態
    においてハウジングの内面に当接することにより前記爪
    部を前記係合部内に非接触状態で位置させることを特徴
    とするハウジング構造。
  5. 【請求項5】 ハウジングの開口部にカバーを着脱自在
    に取り付けたハウジング構造において、前記ハウジング
    の内面に係合部を設け、先端部に前記係合部に係入する
    爪部を一体に有する係合片を前記カバーに一体に突設
    し、この係合片の基端部に対応して前記ハウジング側に
    厚肉部を設けてなり、この厚肉部はカバーがハウジング
    の開口部に取付けられた状態において前記係合片の基端
    部に当接することにより前記爪部を前記係合部内に非接
    触状態で位置させることを特徴とするハウジング構造。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載のハウジング構造
    において、厚肉部が突子によって構成されていることを
    特徴とするハウジング構造。
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