JPH10233038A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH10233038A
JPH10233038A JP33311897A JP33311897A JPH10233038A JP H10233038 A JPH10233038 A JP H10233038A JP 33311897 A JP33311897 A JP 33311897A JP 33311897 A JP33311897 A JP 33311897A JP H10233038 A JPH10233038 A JP H10233038A
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optical recording
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JP33311897A
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English (en)
Inventor
Tetsuhiro Koide
哲裕 小出
Satoru Suda
覚 須田
Hideo Usui
英夫 臼井
Kenichi Arai
研一 荒井
Yuichi Ito
祐一 伊東
Taisaku Kano
泰作 加納
Masayuki Kawamoto
誠之 川本
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱転写型プリンターで良好な印字性能を得る
ことのできる光記録媒体の提供。 【解決手段】 透明基板上に記録層、金属反射層、保護
層、印刷層を少なくとも積層してなり、印刷層がUV硬
化インク組成物を硬化させたものである光記録媒体にお
いて、該インク組成物中に、溶解度パラメーターが7〜
10の範囲にあり、UV硬化に関与せず、かつインク内
の他の成分と反応しない化合物を含有させることを特徴
とする光記録媒体。 【効果】 印刷層に用いるUV硬化インク組成物中に、
溶解度パラメーターが7〜10の範囲にあり、UV硬化
に関与せず、かつインク内の他の成分と反応しない化合
物を含有することにより、熱転写プリンターで常に安定
して十分な印刷ができ、かつ十分な解像度が得られる光
記録媒体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体、特に
表面に筆記用具や熱転写型プリンターで書き込みができ
る光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在広く一般に普及しているコンパクト
ディスク(以下、CDと略す)やレーザーディスク(以
下、LDと略す)、デジタルビデオディスク(以下、D
VDと略す)のような再生専用型の光記録媒体は、通常
スタンパと呼ばれる原盤を基にして射出成形法によって
情報をもつ基板を製造する。この方法では、同じ情報を
もつ媒体を安価にかつ大量に製造することは可能である
が、スタンパが非常に高価なため少量の媒体を作製する
には適していない。また、近年の情報化社会の進展に伴
い、磁気記録媒体よりも高密度記録が切望されてきた。
そこで少量の情報記録媒体を作製するため、あるいは利
用者が自由にデータを記録、保存を行うための光記録媒
体が開発されてきている。
【0003】光記録媒体は、情報の記録および再生が可
能な追記型と、記録後データの消去が可能な書換型の二
種類に分けられる。その中で、単板構造の追記型コンパ
クトディスクはCD−Rと呼ばれ、通常の再生専用CD
と互換性をもつことから徐々に利用者が増えてきてい
る。このCD−Rはデータの入っていない媒体を購入し
た後、利用者がデータを書き込むために、媒体にどんな
情報が記録されているか何らかの方法でわかるようにし
なければならない。
【0004】また最近は、DVDと互換性のあるDVD
−Rと呼ばれる追記型光記録媒体も登場してきている
が、これに関してもCD−Rと同様に、媒体にどんな情
報が記録されているか何らかの方法でわかるようにしな
ければならない。
【0005】一般にタイトル等を表示する方法には、油
性フェルトペンで表面に手で書く方法がとられている
が、CD−Rなどにデータを入れた後に末端ユーザーに
媒体を販売する場合には手書きは好まれない。一方、プ
ロッピーディスクのような紙やフィルムのラベルを貼る
方法はプリンターできれいにデザインされた文字や絵を
プリントできる利点がある。しかし、ディスク全面に文
字を入れたい場合、大きな面積のドーナツ型のラベルを
用いる必要があり、位置を合わせて貼るのは非常に難し
い。また、ラベルが剥がれかかった場合、装置内で剥離
しトラブルの原因となる恐れがあるため、他の方法が望
まれてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上の要望を背景に、
媒体の光入射面と反対側の印刷面に、熱転写型プリンタ
ー等を用いて記録内容等を表示する方法が実用化されて
いる。これらを用いると、パーソナルコンピューターベ
ースでユーザーがディスク上に自由に情報表示を行うこ
とができるが、印刷面の状態により熱転写印刷が全くで
きず、あるいは熱転写印刷ができても解像度が非常に悪
いという問題があった。
【0007】光記録媒体上に熱転写印刷を行うことにつ
いては、特開平8−153341号公報,特開平8−1
80642号公報に記述がある。しかし、特開平8−1
53341号公報は耐熱性の良好なフタロシアニン色素
等を記録層に使用することにより、サーマルヘッドの熱
によっても記録特性が悪化しない光記録媒体の特許であ
り、熱転写印刷の印字品質や印刷層に関する工夫に対す
る記述はなされていない。
【0008】他方、特開平8−180642号公報は、
光記録媒体のレーベル面の熱転写印刷の印字品質に言及
した特許であり、レーベル面に溶融型熱転写用受像層を
設けたものであり、該受像層に無機多孔質層を使用し、
さらに無機多孔質層の下層に軟質樹脂層を設けることで
印字品質を高めることを提案している。しかし、ポリカ
ーボネートのようなガラス転移温度の低い樹脂を基板と
する光記録媒体に使用する場合、無機多孔質層の形成の
ための高温乾燥により基板が変形する恐れがあり、また
製造工程も複雑になるなどの問題がある。
【0009】本発明は、こうした欠点を改良し、熱転写
型プリンターに対応した表面をもつ記録媒体において、
常に安定して十分な熱転写印刷ができ、かつ十分な解像
度が得られる光記録媒体を提供することを目的とするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点に鑑み、鋭意検討を行った結果、紫外線硬化樹脂(以
下、UV硬化樹脂と略す)を主成分とするUV硬化イン
ク組成物からなる印刷層において、該UV硬化インク組
成物中に溶解度パラメーターが7〜10の範囲にありか
つ紫外線硬化(以下、UV硬化と略す)に関与せず、か
つインク組成物中の他の成分と反応しない化合物を含有
させること、望ましくは溶解度パラメーターが7〜10
の範囲にあるパラフィン,アクリレートオリゴマー,油
脂の少なくとも1種類の物質を含有させることにより、
上記問題点が解決できることを見いだし、本発明を完成
するに至った。 すなわち、本発明は、
【0011】(1) 透明基板上に記録層、金属反射
層、保護層、印刷層を少なくとも積層してなり、印刷層
がUV硬化樹脂を主成分とするインク組成物を硬化させ
たものである光記録媒体において、該インク組成物中
に、溶解度パラメーターが7〜10の範囲にあり、かつ
UV硬化に関与せず、かつインク組成物中の他の成分と
反応しない化合物を含有することを特徴とする光記録媒
体であり、また、
【0012】(2) インク組成物中に溶解度パラメー
ターが7〜10の範囲にあり、かつUV硬化に関与せ
ず、かつインク組成物中の他の成分と反応しない化合物
が、パラフィン,アクリレートオリゴマー,油脂の少な
くとも1種類の物質であることを特徴とする(1)に記
載の光記録媒体であり、また、
【0013】(3) 印刷層が保護層の全面または一部
分を被覆してなることを特徴とする(1)または(2)
に記載の光記録媒体であり、また、 (4) 印刷層に含まれる溶解度パラメーター7〜10
の範囲にあり、かつUV硬化に関与せず、かつインク組
成物中の他の成分と反応しない化合物が、UV硬化イン
ク組成物中に0.01〜5重量%含有されていることを
特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の光記録媒
体であり、また、
【0014】(5) 印刷層表面に熱転写プリンターで
印刷を施したことを特徴とする(1)〜(4)のいずれ
かに記載の光記録媒体であり、また、
【0015】(6) UVにより硬化可能なモノマー、
オリゴマー、重合開始剤および着色および/または艶消
し用のフィラーを含有するUV硬化インク組成物中に、
溶解度パラメーターが7〜10の範囲にあり、かつUV
硬化に関与せず、かつインク組成物中の他の成分と反応
しない化合物を含有してなることを特徴とするUV硬化
インク組成物である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明における溶解度パラメータ
ーとは、一般的にSPと略称されており、樹脂,高分
子,溶剤などの溶解性を特徴づけるための数値であり、
その物質の凝集エネルギー密度の平方根で与えられる。
物質の化学構造が分かっていれば分子結合定数から簡単
に計算できる。また溶解度パラメーターが分かっている
物質と溶解,膨潤の程度を比較することにより実験的に
も測定できる。樹脂,高分子などを数種類混合させる場
合、溶解度パラメーターの値が近い物質どうしは、相溶
性,混和性が高いことが知られている。溶解度パラメー
ターは、Solubility Parameterを和訳したものであり、
溶解パラメーター,溶解性パラメーターとも呼ばれてい
る。なお、溶解度パラメーターに関しては「塗料の流動
と顔料分散」(TEMPLE. C. PATTON著、共立出版
(株))13章などに詳しい記述がある。
【0017】本発明において用いられる光記録媒体は、
下から透明基板、記録層、金属反射層、保護層および印
刷層を積層して構成されるが、特性を向上させるため
に、この他に下地層や中間層を積層させてもよい。ま
た、保護槽は複数層積層させてもかまわない。
【0018】本発明において用いられる基板は光によっ
て再生・記録を行うため、透明性が高いものであればい
かなる材質でも使用できる。例えばポリカーボネート樹
脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン
等の高分子材料、およびガラスなどの無機材料等が例示
できるが、これらに限定されるものではない。これらの
中で基板の機械的強度、グルーブや再生専用信号などの
付与のしやすさ、経済性の点からポリカーボネート樹
脂、アクリル樹脂およびポリオレフィン樹脂が望まし
く、特にポリカーボネート樹脂がより望ましい。
【0019】これらの基板の形状は板状でもフィルム状
でもよく、また、円形やカード状でもよい。また、これ
らの基板表面には記録位置を表す案内溝やピット、一部
再生専用の情報等のためのピットを有していてもよい。
これらの溝やピット等は、通常スタンパを用い、公知の
方法によって形成される。
【0020】本発明に用いられる記録層は、銀合金,テ
ルル合金などの無機材料を用いてもシアニン系、フタロ
シアニン系、アゾ系、ポルフィリン系、ピロメテン系な
どの有機色素やポリマーを用いてもよいが、有機色素を
用いたものが一般的である。これらの色素は溶剤に対す
る溶解性のためや記録特性等のために各種の置換基で置
換されていてもよい。また、これらの色素は1種類また
は数種類を混合して用いることもできる。これらの色素
の中で特にフタロシアニン色素が耐熱性,耐久性が良好
であり、記録層にフタロシアニン色素を用いた場合には
熱転写プリンターのサーマルヘッドの熱による記録特性
の劣化のない良好な光記録媒体が得られる。
【0021】前記した色素を含有する記録層は通常スピ
ンコート、スプレーコート、ディップコート等の塗布方
法によって成膜することができる。上記色素を塗布法に
より成膜する際は、樹脂基板にダメージを与えない溶
剤、すなわち基板用樹脂を実質的に溶解しない溶剤に色
素を溶解して塗布すればよい。
【0022】本発明において記録層の膜厚は通常50〜20
0nmが好ましい。色素を含有する記録層を成膜する際に
は前記した色素の他に、本発明の効果を損なわない範囲
においてニトロセルロース、エチルセルロース、アクリ
ル樹脂、ポリスチレン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂やレ
ベリング剤、消泡剤等を併用することもできる。
【0023】記録層としては、主に有機色素を含有する
ものについて記述しているが、本発明は無機物やポリマ
ーあるいは金属を記録層として用いた媒体についても適
用できることは明らかである。
【0024】本発明における記録層の上に設けられた反
射層としては、金、銀、アルミニウム、あるいはこれら
の合金のような高反射率の金属膜が用いられる。これら
の金属の反射層は蒸着、スパッタ等の方法で成膜するこ
とができる。また、これらの反射層の膜厚は通常500〜
2,000オングストローム程度が好ましい。反射層は多層
に積層することも可能である。
【0025】上記の反射層上に保護層を設けるが、これ
については例えばアクリレート系やメタクリレート系の
一般的なラジカル反応で重合するもの、エポキシ系のよ
うに光でカチオン重合を行うもの等がある。これらの樹
脂は単独で重合させてもよいし、モノマー、オリゴマー
を混合させて重合させてもよい。また、溶剤で希釈して
塗布することも可能である。その中でも作業性の点から
UV硬化する樹脂を使用することが望ましい。保護層を
形成する際、スピンコート、ディップコート、バーコー
ト、スクリーン印刷等の方法で行われるが、作業性の良
さからスピンコート法がとられる場合が多い。これらは
1〜100μmの膜厚で使われるが、1〜20μmが望まし
い。保護層は、1層だけでなく、例えばその耐スクラッ
チ性を向上させる等の目的のために保護層を積層しても
よい。
【0026】印刷層は、その下の保護層を全面覆って
も、また一部分のみを覆ってもよい。印刷はスクリーン
印刷等の公知の印刷方法で実施する。印刷に使用するU
V硬化インク組成物はUVにより硬化可能なモノマー、
オリゴマー、重合開始剤および着色剤および/または艶
消し用のフィラーを含有している。UV硬化インク組成
物の色は特に限定されることはなく、一般的に使用され
ているUV硬化インク組成物であれば何色でも使用可能
であり、印刷層の目的に応じて艶消しインクのようなも
のでもよい。UV硬化インク組成物としてはUV硬化樹
脂を主成分としているものであれば特に限定されるもの
ではなく、光記録媒体用に使用されている公知のUV硬
化インク組成物で適用可能である。
【0027】UV硬化インク組成物の成分の具体的な例
としては、エステルアクリレートモノマー、エポキシア
クリレートモノマーなどのアクリレート系モノマーと、
エチレングリコールアクリレートオリゴマー、ウレタン
アクリレートオリゴマーなどのアクリル系オリゴマーを
混合した樹脂に、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
プロパン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェノ
ンなどのアセトフェノン系や2,4−ジエチルチオキサ
ントンなどのチオキサントン系などの重合開始剤を加
え、さらに酸化チタンなどの着色剤や艶消し用のフィラ
ーを添加したものが挙げられる。UV硬化インク組成物
の溶解度パラメーターは、特に限定するものではない
が、好ましくは8〜12程度のものを使用するとよい。
【0028】上記UV硬化インク組成物には溶解度パラ
メーターが7〜10の範囲にあり、かつUV硬化に関与
せず、かつインク組成物中の他の成分と反応しない化合
物を添加する。上記化合物としては溶解度パラメーター
が7〜10の範囲にあり、かつUV硬化に関与せず、か
つインク組成物中の他の成分と反応しないパラフィン、
アクリレートオリゴマー、油脂の少なくとも1種類の物
質であることが望ましい。さらに望ましくは溶解度パラ
メーターが7〜9.5の範囲にあり、かつUV硬化に関
与せず、かつインク組成物中の他の成分と反応しないパ
ラフィン、アクリレートオリゴマー、油脂の少なくとも
1種類の物質であるとよい。この条件を満たした化合物
をインク組成物に含有することにより、十分な熱転写印
刷ができ、解像度が著しく向上した。その理由として
は、インク組成物をUV硬化して得られた印刷層の表面
に化合物が浮き上がり、印刷層の表面状態が変化すると
いう可能性が考えられる。
【0029】パラフィンの具体的例としては流動パラフ
ィンが、アクリレートオリゴマーの具体例としては2−
エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタ
アクリレートとブチルメタアクリレートから成るオリゴ
マー(モノマー比1:1)、Resimix RL-4(商品名、三
井東圧化学(株))などが、油脂の具体例としては椰子
油、ヒマシ油、アマニ油などがあげられる。
【0030】溶解度パラメーターが10を越える化合物
を添加すると、スクリーン印刷等の方法で作製した印刷
層の表面状態が熱転写プリンターでの印刷に適さなくな
り、解像度が悪化する。一方、溶解度パラメーターが7
未満の化合物を添加した場合にはUV硬化インク組成物
が白濁,相分離を起こしやすい。このため、インクの安
定性の悪化、印刷状態の悪化を招きやすい。
【0031】化合物は0.01〜5重量%の範囲で添加
することが望ましく、0.02〜3重量%の範囲がさら
に望ましい。添加量が0.01重量%未満であると、添
加する効果が少なく、また5重量%を越えて添加すると
粘度が低下し、印刷性の点で不利となる。
【0032】また、化合物の溶解度パラメーターが7〜
10の範囲にあっても、インク内の他の成分と反応して
しまうと、化合物が印刷層表面に浮き上がらなくなり、
印刷層の表面状態が変化しない。こうした化合物の具体
例としてはシリコーンオイル(メチルフェニルシロキサ
ン)があげられる。シリコーンオイルは溶解度パラメー
ターが7〜10の範囲にあるものが多いが、インク組成
物中のフィラーの水酸基と脱アルコール反応を起こし、
インク内に取り込まれてしまうため、印刷層の表状態の
変化に寄与しない。
【0033】塗布されたUV硬化インク組成物はUV光
照射により硬化させるが、UV光を照射して硬化する場
合、150〜2,000mJ/cm2のエネルギーを与える。好まし
くは250〜1,000mJ/cm2である。この照射により通常数
秒で塗膜が硬化する。
【0034】硬化に用いるUVランプとしては水銀灯、
高圧水銀灯、超高圧水銀灯またはメタルハライドランプ
が望ましい。このようにして表面に露出している印刷層
を構成することにより、熱転写型プリンターで常に安定
して十分な熱転写印刷が可能となる。
【0035】なお、本発明で記述している光記録媒体と
は、光を照射することにより情報を記録および/または
再生できる媒体を意味しており、既に情報が記録されて
いる媒体であってもよいし、これから情報を記録される
べき未記録状態の媒体であってもよい。
【0036】光記録媒体上に熱転写印刷することについ
ては、特開平8−153341号公報,特開平8−18
0642号公報に既に記述されている。しかし、特開平
8−153341号公報は耐熱性の良好なフタロシアニ
ン色素等を記録層に使用することにより、サーマルヘッ
ドの熱によっても記録特性が悪化しない光記録媒体の特
許である。本発明は印刷層を工夫することにより熱転写
型プリンターで印刷を行っても十分に解像度が得られる
ことが特徴であり、また、記録層に用いる材料の限定も
していないので、上記特許とは区別されるものである。
【0037】また、特開平8−180642号公報はレ
ーベル面に溶融型熱転写用受像層を設けたものであり、
該受像層に無機多孔質層を使用し、さらに無機多孔質層
の下層に軟質樹脂層を設けることで印字品質を高めたも
のである。
【0038】これに対し本発明は、印刷層に用いるUV
硬化インク組成物中に溶解度パラメーターが7〜10の
範囲にあり、かつUV硬化に関与せず、かつインク組成
物中の他の成分と反応しない化合物を添加することによ
り印刷層一層だけで熱転写型プリンター印刷の解像度を
高めることができる。従って上記技術とは区別されるも
のである。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれにより限定されるものではない。 [実施例1]厚さ1.2mm、直径120mmのスパイラル状のグ
ルーブ(深さ140nm、幅0.5μm、ピッチ1.6μm)を有す
る射出成形ポリカーボネート樹脂基板にフタロシアニン
色素からなる記録層をオクタン溶液を用いたスピンコー
ト法により成膜した。この記録層の上に反射層として厚
さ100nmのAu薄膜をスパッタリングにより成膜した。
この上にダイキュアクリアSD−17(商品名、大日本
インキ化学工業(株):紫外線硬化樹脂)をスピンコー
トした後、紫外線を照射し、6μmの保護層を成膜し
た。
【0040】CD用UV硬化型白インク(大日精化工業
(株))に溶解度パラメーターが8.6である流動パラ
フィン(キシダ化学(株))を1重量%添加し、攪拌混
合したところ、インクの濁り,分離もなく、印刷する上
で良好なインク状態となった。こうして作製したインク
組成物を、上記保護層の上にスクリーン印刷およびUV
硬化を実施して印刷層を形成し、CD−R媒体とした。
この印刷層は表面べたつきもなく、スジ,むらの発生も
なく、印刷状態も良好であった。この印刷表面に熱転写
プリンター(RIMAGE社)で熱転写印刷を実施した
ところ、表1[表1]に示したように非常に良好な解像
度の印刷ができた。
【0041】[実施例2]CD用UV硬化型白インクに
溶解度パラメーターが8.9であるアクリルオリゴマー
(Resimix RL-4、三井東圧化学(株))を1重量%添加
した以外は、実施例1と同様にしてCD−R媒体を作製
した。表1[表1]に示したように良好なインク状態,
印刷状態であった。この印刷表面に熱転写プリンター
(RIMAGE社)で熱転写印刷を実施したところ、非
常に良好な解像度の印刷ができた。
【0042】[実施例3]CD用UV硬化型白インクに
溶解度パラメーターが8である椰子油(山桂産業
(株))を1重量%添加した以外は、実施例1と同様に
してCD−R媒体を作製した。表1[表1]に示したよ
うに良好なインク状態,印刷状態であった。この印刷表
面に熱転写プリンター(RIMAGE社)で熱転写印刷
を実施したところ、非常に良好な解像度の印刷ができ
た。
【0043】[実施例4]CD用UV硬化型マットイン
ク(大日精化工業(株))に溶解度パラメーターが8.
6である流動パラフィン(キシダ化学(株))を1重量
%添加した以外は、実施例1と同様にしてCD−R媒体
を作製した。表1[表1]に示したように良好なインク
状態,印刷状態であった。この印刷表面に熱転写プリン
ター(RIMAGE社)で熱転写印刷を実施したとこ
ろ、非常に良好な解像度の印刷ができた。
【0044】[比較例1]CD用UV硬化型白インクに
添加物を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして
CD−R媒体を作製した。表1[表1]に示したように
インク状態,印刷状態は良好であったが、熱転写プリン
ターでの印刷にかすれが生じ、判読がしにくかった。
【0045】[比較例2]CD用UV硬化型白インクに
溶解度パラメーターが11.0であるブチルベンジルフ
タレートを1重量%添加した以外は、実施例1と同様に
してCD−R媒体を作製した。表1[表1]に示したよ
うにインク状態,印刷状態は良好であったが、熱転写の
印刷かすれが多く、判読がしにくかった。
【0046】[比較例3]CD用UV硬化型白インクに
溶解度パラメーター8であるシリコーンオイル(KF−
54 信越シリコーン(株))を1重量%添加した以外
は実施例1と同様にしてCD−R媒体を作製した。表1
[表1]に示したようにインク状態,印刷状態は良好で
あったが、熱転写の印刷かすれが多く、判読がしにくか
った。
【0047】[比較例4]CD用UV硬化型マットイン
クに添加物を添加しなかった以外は、実施例4と同様に
してCD−R媒体を作製した。表1[表1]に示したよ
うにインク状態,印刷状態は良好であったが、熱転写プ
リンターでの印刷にやや判読しにくいかすれが生じた。
【0048】
【表1】 *1 SP:溶解度パラメーター *2 BBP:フ゛チルヘ゛ンシ゛ルフタレート
【0049】表1において、インク状態とはインクを調
合し、保存したときの濁り,分離の発生状態を観察した
結果であり、良好な状態であれば○、濁り,分離が起き
て印刷が困難な場合は×とした。印刷状態とは印刷層の
スジ,むらの発生状況や表面のべたつき状態を観察した
結果であり、これらを全て満足した場合に○、印刷でき
ないものや状態のひどいものは×とした。熱転写解像度
は熱転写プリンターで印刷して、約1/9インチの高さの
文字がかすれずに容易に判読できれば○、かすれるが判
読できる程度であれば△、判読しにくいと×とした。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、印刷層に用いるUV硬
化インク組成物中に、溶解度パラメーターが7〜10の
範囲にあり、UV硬化に関与せず、かつインク組成物中
の他の成分と反応しない化合物を含有することにより、
熱転写プリンターで常に安定して十分な印刷ができ、か
つ十分な解像度が得られる光記録媒体を提供することが
できる。
フロントページの続き (72)発明者 荒井 研一 千葉県茂原市東郷1900番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 伊東 祐一 千葉県茂原市東郷1900番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 加納 泰作 千葉県茂原市東郷1900番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 川本 誠之 タイ王国,バンコク市10110,クロントエ イ,クロントン,スクムビット通り,スク ムビット街43,リッチモンドパレス コン ドミニアム26,26/104号室

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に記録層、金属反射層、保護
    層、印刷層を少なくとも積層してなり、印刷層がUV硬
    化樹脂を主成分とするインク組成物を硬化させたもので
    ある光記録媒体において、該インク組成物中に、溶解度
    パラメーターが7〜10の範囲にあり、かつUV硬化に
    関与せず、かつインク組成物中の他の成分と反応しない
    化合物を含有することを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 インク組成物中に溶解度パラメーターが
    7〜10の範囲にあり、かつUV硬化に関与せず、かつ
    インク組成物中の他の成分と反応しない化合物が、パラ
    フィン,アクリレートオリゴマー,油脂の少なくとも1
    種類の物質であることを特徴とする請求項1に記載の光
    記録媒体。
  3. 【請求項3】 印刷層が保護層の全面または一部分を被
    覆してなることを特徴とする請求項1または2に記載の
    光記録媒体。
  4. 【請求項4】 印刷層に含まれる溶解度パラメーターが
    7〜10の範囲にあり、かつUV硬化に関与せず、かつ
    インク組成物中の他の成分と反応しない化合物が、UV
    硬化インク組成物中に0.01〜5重量%含有されてい
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光
    記録媒体。
  5. 【請求項5】 印刷層表面に熱転写プリンターで印刷を
    施したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 記録層に有機色素を含有していることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 記録層にフタロシアニン色素を含有して
    いることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の
    光記録媒体。
  8. 【請求項8】 UVにより硬化可能なモノマー、オリゴ
    マー、重合開始剤および着色および/または艶消し用の
    フィラーを含有するUV硬化インク組成物中に、溶解度
    パラメーターが7〜10の範囲にあり、かつUV硬化に
    関与せず、かつインク組成物中の他の成分と反応しない
    化合物を含有してなることを特徴とするUV硬化インク
    組成物。
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