JPH11213445A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH11213445A
JPH11213445A JP10018376A JP1837698A JPH11213445A JP H11213445 A JPH11213445 A JP H11213445A JP 10018376 A JP10018376 A JP 10018376A JP 1837698 A JP1837698 A JP 1837698A JP H11213445 A JPH11213445 A JP H11213445A
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JP
Japan
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recording medium
optical recording
ink
particles
printing
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Application number
JP10018376A
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English (en)
Inventor
Shinji Konno
信次 今野
Fujio Matsuishi
藤夫 松石
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】印刷可能な光記録媒体であって、その印刷にお
ける画像再現性と高湿な雰囲気もしくは水滴が付着した
場合でもインクが滲まない画像耐水性性に優れ且つ、フ
ルカラー印刷した場合光沢感に優れた光記録媒体を提供
する。 【解決手段】保護層の最外層が、表面に多孔質構造を有
する微粒子を含有するバインダー樹脂からなる光記録媒
体。この光記録媒体は、インクが毛細管現象により、多
孔質の中に素速く吸収され、かつ吸収されたインクは、
水に触れても滲まなくなり耐水性に優れたものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体に関す
るものであり、詳しくは、印刷可能な光記録媒体に関す
るものである。なお、「印刷可能」とは、各種筆記用具
による筆記や各種プリンターでの印字が可能であること
をいう。特に本発明では、フルカラー液体インクジェッ
トプリンターの印字特性、保存性及び印字耐水性に優れ
た光記録媒体を提供できる。
【0002】
【従来の技術】レーザーによる情報を書き込み及び/又
は読み取りが可能な光記録媒体(光ディスク)は、従来
の記録媒体に比し、記録容量が大きく且つランダムアク
セスが可能であることから、オーディオソフト、コンピ
ュータソフト、ゲームソフト、電子出版などの分野にお
ける記録媒体として使用されている。光記録媒体には情
報の記録及び再生が可能な追記型と、記録後データの消
去が可能な書換型の二種類に分けられる。そのなかで、
単板構造の追記型コンパクトディスクは、CD−R(C
ompact Disk Recordable)と呼
ばれ、通常の再生専用CDと互換性を持つことから、近
年、利用者が急激に増えている。このCD−Rは、デー
タの入っていない媒体を購入した後、利用者がそれぞれ
利用者固有の種々の情報やデータを書き込んで使用する
ことが好まれており、利用者が急激に伸びてきた一因で
もある。そのため、利用者は、媒体にどんな情報が記録
されているかを一見してわかるようにしておくことが好
ましい。
【0003】一般的に、書き込んだ情報のタイトル等を
表示する方法には、油性フェルトペンで表面に手で書く
方法が取られてきた。しかしながら、CD−Rにデータ
を入れた後の末端ユーザーに媒体を販売する場合には、
商品の見栄えの観点から手書きはあまり好まれない。さ
らに、各ユーザーがオリジナルの情報を書き込み、情報
にあった画像等を該媒体表面に印字する必要性もあっ
た。また、フロッピーデスクのように、紙やフィルムの
ラベルを貼る方法は、プリンターできれいにデザインさ
れた文字や絵をプリントできる利点はあるが、下記の問
題がある。
【0004】1)CD−Rに部分的にラベルを貼ると、
ラベルの重さで回転ぶれが発生し、高速回転時に読みと
り信号のエラーが発生しやすい。 2)ディスク全面に貼る場合は、ドーナツ型のラベルを
用いることができるが該光記録媒体との位置あわせが非
常に難しく、0.5ミリ程度の位置ずれが生じる。その
ため、高速回転の読みとり信号にエラーが発生しやすく
なる。 3)ラベルは、粘着剤がついており、はがれかかった場
合、装置内で剥離し引っかかる恐れがある。 4)また、紙製のラベルを該光記録媒体に貼った場合、
粘着剤及び紙が環境による吸湿、脱湿によって、該媒体
が変形する問題が発生した。
【0005】さらに、上記理由により、近年、光記録媒
体の光入射面と反対面のレーベル面に直接印字が可能な
CD−R専用のプリンターが販売されるようになってき
た。これらのプリンターの印字記録方式として、殆どに
利用されている、液体インクジェット記録方式は、種々
の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙など
の記録シートに付着させ、画像・文字などの記録を行う
ものであるが、高速、低騒音、多色化が容易、安価、記
録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要などの
特徴があり、漢字を含め各種図形およびカラー画像など
の記録装置として種々の用途において急速に普及してい
る。そして、CD−R記録媒体のように、一つの情報が
少ない用途においては、他の印字方法に比して、安価
で、フルカラー画像が得られることから、広く利用され
るようになったきた。
【0006】上述のように、これらの用途から、光記録
媒体の光入射面の反対面の最外層表面の印刷性を向上さ
せる手段として、例えば、特開平7−169100号公
報には、親水性ポリマーと親水性モノマーと吸水性およ
び/吸油性の有機フィラー及び/又は有機フィラーとを
含有するUV硬化樹脂組成物で保護層(最外層)を形成
してなる印刷可能な光記録媒体が提案されている。
【0007】ところが、上記光記録媒体の保護層は、印
刷インクのハジキが防止され、しかも、親水性ポリマー
によって印刷インクの定着性に優れているとされてい
る。しかしながら、近年のインクジェットプリンター
は、著しく進歩しており、紙にフルカラー画像を印字し
た時、写真並になってきてはいるが、上記のような保護
層では、フルカラー印刷した場合、画像再現性(鮮明
さ)、画像耐水性等が十分とは言い難い。
【0008】即ち、近年のインクジェットプリンター
は、写真画質に近づくため、飛翔するインク粒径を自在
に変え、且つドット階調が実現できるようになってきた
ため、光記録媒体の最外層の印刷可能面は、インクジェ
ットの印字ドットの濃度が高く色調が明るく鮮やかであ
ること、数ミリsecで打ち込まれてくるインク液滴に
対して、光記録媒体のインクの吸収が早く、印字ドット
が重なった場合においてもインクが流れ出したり滲んだ
りしないこと、印字ドットの横方向への拡散必要以上に
大きくなく、且つ周辺が滑らかでぼやけないこと(フェ
ザリング)などの高い画像再現性を有すること、また、
保存性の面からは、湿度が高い条件や印字部位が何らか
の理由により水に曝された場合にも、インク染料が流れ
出さないこと(画像耐水性)および印字部位が光に曝さ
れた場合にも染料の変色や退色のないこと(耐光性)な
どが要求される。さらに、μmオーダーの有機フィラー
等を使用している場合は、表面に微小な凹凸が存在し、
フルカラー印刷した場合、所望される光沢感が不十分で
あった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、印刷可能な光記
録媒体であって、その印刷における画像再現性と高湿な
雰囲気もしくは水滴が付着した場合でもインクが滲まな
い画像耐水性性に優れ且つ、フルカラー印刷した場合光
沢感に優れた光記録媒体を提供することにある。前述の
特開平7−169100号公報に記述されているような
保護層におけるインクジェットプリンターのインクの保
護層への吸収メカニズムは、親水性ポリマー及びモノマ
ー等がインクを吸収するものの、殆どが、有機フィラー
とUV硬化樹脂の界面の隙間に吸収されていると想像さ
れる。すなわち、インクジェットインクが保護層へ吸収
される際に、紙などの多孔質材料が吸収される時に発生
する毛細管現象が殆ど見られないため、インクの吸収速
度が遅く、滲みやすく、耐水性に劣るのである。すなわ
ち、近年のインクジェットプリンターの進歩に対応しき
れなくなってきているのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、最外層を特定の構成とすることにより、
驚くべきことに、記録した画像の優れた画像再現性と良
好な画像耐水性を備えた光記録媒体を発明するに至っ
た。即ち、本発明の要旨は、保護層の最外層が、表面に
多孔質構造を有する微粒子を含有するバインダー樹脂か
らなる光記録媒体に存する。本発明の好ましい態様とし
て、微粒子が多孔性アルミナ水和物粒子であること、バ
インダー樹脂がUV樹脂であること、及び、最外層表面
に印刷可能であることが挙げられる。
【0011】従来の光記録媒体の保護層と根本的に異な
るのは、インクジェットプリンターのインク吸収メカニ
ズムである。本発明者らは、セルロース等で構成され、
多孔質な紙がインクの吸収が早いことに着目し、光記憶
媒体の保護層においても、紙よりももっと超微細な多孔
質形態を取り得るならば、より優れた印字特性を実現で
きることを見いだした。バインダー樹脂の中に、数10
nmオーダーの微粒子であって、かつ、その表面に多孔
質構造を存在させることにより、インクが毛細管現象に
より、多孔質の中に素速く吸収され、かつ吸収されたイ
ンクは、水に触れても滲まなくなり耐水性に優れたもの
となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の光記録媒体は、透明基板上に、少なくとも、記
録層、金属反射層および保護層を順次積層して構成され
る。
【0013】透明基板としては、例えば、ポリカーボネ
ート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アモルファ
スポリオレフィン等の高分子材料の他、ガラス等の無機
材料が使用される。特にポリカーボネート系樹脂は、光
の透過性が高く且つ光学的異方性が小さいために好まし
い。
【0014】透明基板は、通常、その表面には記録位置
を表す案内溝やピット等(グルーブ情報など)が形成さ
れる。グルーブ情報などは、通常、射出成形や注型によ
って基板を作る際に付与されるが、レーザーカッティン
グ法や2P法(Photo−Polymer法)より作
製してもよい。
【0015】記録層は、レーザー光の照射により記録可
能であれば特に制限されず、無機物質による記録層およ
び有機物質による記録層の何れであってもよい。
【0016】無機物質による記録層には、例えば、光熱
磁気効果により記録を行うTb・Fe・CoやDy・F
e・Co等の希土類遷移金属合金が使用される。また、
相変化するGe・Te、Ge・Sb・Teの様なカルコ
ゲン系合金も使用し得る。
【0017】有機物質による記録層には、主として、有
機色素が使用される。斯かる有機色素としては、大環状
アザアヌレン系色素(フタロシアニン色素、ナフタロシ
アニン色素、ポルフィリン色素など)、ポリメチン系色
素(シアニン色素、メロシアニン色素、スタワリリウム
色素など)、アントラキノン系色素、アズレニウム系色
素、含金属アゾ系色素、含金属インドアニリン系色素な
どが挙げられる。特に含金属アゾ系色素は、耐久性およ
び耐光性に優れているため好ましい。
【0018】色素含有記録層は、通常、スピンコート、
スプレーコート、ディップコート、ロールコート等の塗
布方法で成膜される。この際、溶剤としては、ジアセト
ンアルコール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタ
ノン等のケトンアルコール溶媒、メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ等のセロソルブ溶媒、テトロフルオロプ
ロパノール、オクタフルオロペンタノール等のパーフル
オロアルキルアルコール溶媒、乳酸メチル、イソ酪酸メ
チル等のヒドロキシエチル溶媒が好適に使用される。
【0019】金属反射層は、通常、金、銀、アルミニウ
ム等で構成されるが、特に銀によって構成するのが好ま
しい。金属反射層は、蒸着法、スパッタリング法、イオ
ンプレーティング法によって成膜される。なお、金属反
射層と記録層の間に層間の密着力を向上させるため、ま
たは、反射率を高める等の目的で中間層を設けてもよ
い。
【0020】保護層は、必要に応じて2層以上あっても
よい。そして、保護層が1層の場合は、当該保護層が最
外層となる。本発明において、本発明の効果を奏するた
め、保護層の最外層が、表面に多孔質構造を有する微粒
子を含有するバインダー樹脂であることが重要である。
好ましくは、上記の最外層(保護層)は、多孔性アルミ
ナ水和物粒子を含有するバインダー樹脂にて形成する。
特に、バインダー樹脂は、光記録媒体の生産性から、U
V硬化型樹脂組成物にするのが好ましい。
【0021】以下、多孔質アルミナ水和物粒子を使用す
る場合を例に説明する。本発明の多孔性アルミナ水和物
粒子は、下記の一般式により定義される。
【0022】
【化1】Al2 3-n (OH)2n・mH2
【0023】式中、nは、0〜3の整数のうちのいずれ
かを表し、mは、0〜10、好ましくは、0〜5の値を
表す。また、アルミナ水和物としては、二酸化チタンの
ような金属酸化物含有したものでもよい。アルミナ水和
物は、アルコキシドの加水分解などの公知の方法で製造
することができる。例えば、米国特許公報第42422
71号に記載された方法でアルミニウムアルコキサイド
を製造し、次ぎに米国特許公報第4202870号に記
載された方法で前記アルミニウムアルコキシサイドを加
水分解した後、50℃〜90℃で30時間〜100時
間、反応装置で保持することにより、多孔性アルミナ水
和物粒子のコロイダルゾルができる。このゾルを熱風乾
燥又はスプレー乾燥により多孔性アルミナ水和物粒子と
することもできる。
【0024】多孔性アルミナ水和物粒子のコロイダルゾ
ルの分散液は、一次粒子が凝集して二次粒子を形成して
いる。このアルミナゾルをHe−Neレーザー光による
光散乱法で測定した時の平均粒子径が50〜250nm
であることが必要である。平均粒子径が250nmを越
える場合は、分散液を光記録媒体に塗布した場合、表面
が微小に凹凸になり、ヘイズが大きくなり、フルカラー
印刷した時の光沢感が低下する。また、平均粒子径が5
0nm以下の場合は、保護層へのインクの吸収が不十分
となり、好ましくない。このアルミナゾルは、一次粒子
が凝集してできた二次粒子からなるコロイド溶液である
必要がある。一次粒子が単分散して、塗布して得られる
保護層は、比較的緻密なものとなり、インクジェットに
おける必要な吸収性能が得られない。
【0025】多孔性アルミナ水和物粒子の平均細孔半径
は、20Å〜200Åの範囲であることが好ましい。平
均細孔半径が上記範囲よりも大きくなった場合は、イン
ク中の染料の吸着・固定が低下し、画像の滲みが発生し
やすくなる。また、上記範囲より小さくなった場合に
は、インクの吸収が低下して、保護層の表面で付与され
たインク滴がビーズ状となり、隣接するインク滴が混色
して色ムラのある画質となりやすくなる。上述の平均細
孔半径をもった多孔性アルミナ水和物粒子の細孔容積
は、0.4〜0.6cc/g、BET比表面積は70〜
300m2 /gの範囲が望ましい。なお、多孔性アルミ
ナ粒子の平均細孔半径、細孔容積、BET比表面積は、
窒素吸着脱離方法によって求めることができ、カンタク
ローム社製、オートソープ等を用いることができる。細
孔径、細孔容積は、上記測定から計算で求めることがで
き、Barrettらの方法がある(J.Am.Che
m.Soc.,73巻、373、1951年)。また、
BET比表面積も同様に計算で求めることができ、Br
uanuerらの方法がある(J.Am.Chem.S
oc.,60巻、309、1938年)。本発明で上記
の多孔性アルミナ水和物粒子と混合して用いられるバイ
ンダー樹脂としては、UV硬化型樹脂が望ましい。この
樹脂層は、1種類以上の親水性ポリマーと1種類以上の
親水性モノマーと架橋モノマー及びラジカル開始剤を含
有するUV硬化型樹脂を用いる。
【0026】親水性ポリマーとしては、ポリビニルアル
コール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロ
リドン、ポリエチレンオキサイド等のホモポリマー及び
コポリマーがある。これを1種類加えても良いし、2種
類以上組み合わせてもよい。樹脂組成のうち、親水性ポ
リマーの総量が10〜70重量部にするのがよい。
【0027】親水性モノマーとしては、テトラヒドロフ
ルフリルアクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペ
ンチル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、クロロヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリ
レート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールトリ(メタ)アクリレート、フェニルグリ
シジルエーテル(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールペンタ(メタ)アクリレート、ジメチル(メ
タ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミ
ド、アクロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、2
−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシ
エチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールアクリレートの他、ビスフェ
ノールAエポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレートの様に
分子内に水酸基またはエーテル基を有するモノマー等が
挙げられる。これらのモノマーは、溶剤のように親水性
ポリマーを均一に溶解する。樹脂組成のうち親水性モノ
マーの総量は、50〜90重量部加える。
【0028】本発明におけるUV硬化樹脂組成物の保護
層の架橋密度(塗膜硬度)の向上のため、架橋性モノマ
ーを添加してもよい。架橋性モノマーとしては、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アクリル
化イソシアヌレート、1,4ブタジオールジ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレート、シクロデカントリアクリレート等が挙げられ
る。架橋性モノマーを加えることで、保護層表面の架橋
密度が上がり、硬度が増す。添加する架橋性モノマーの
望ましい総量は、インクの保護層への吸収性及び光記録
媒体の平面性を考慮して、適宜決めるが、大凡、樹脂組
成のうち、0.1〜20重量部加える。
【0029】UV硬化樹脂組成物に用いられるラジカル
開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
ピロパン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェノ
ン、4’−フェノキシ−2,2−ジクロロアセトフェノ
ン等のアセトフェノン系のラジカル開始剤、2−クロロ
アントラキノン等のアントラキノン系ラジカル開始剤、
2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系
のラジカル開始剤などが挙げられる。この際加える量
は、樹脂組成のうち、0.5〜10重量部加える。
【0030】上記で述べた、樹脂の使用量は、多孔性ア
ルミナ水和物粒子の5〜50重量%程度とするのが望ま
しい。樹脂の使用量が、5重量%未満の場合は、アルミ
ナ粒子の強度が不十分となるおそれがあり、逆に50重
量%を越える場合は、インクの吸着速度、インクの定着
が不十分になるおそれがあるので、それぞれ好ましくな
い。
【0031】本発明の光記録媒体は、透明基板上に、少
なくとも、記録層、金属反射層および保護層を順次積層
して成り、上記のUV硬化樹脂組成物にて最外層を形成
して成ることが好ましい。そして、保護層が1層の場合
は当該保護層が最外層となるが、保護層は、必要に応じ
て2層以上あってもよい。斯かる場合、下層の保護層の
樹脂の種類は、特に制限されないが、最外層の保護層の
場合と同様にUV硬化樹脂が好ましい。記録層の厚さ
は、通常10〜5000nm、金属反射層の厚さは、通
常50〜200nm、保護層の厚さは、通常1〜100
μmの範囲とされる。
【0032】なお、保護層が2層以上ある場合は、最外
層が印刷面となるが、アルミナ粒子を含有した層の厚さ
としては、5〜30μm程度の範囲が好ましい。厚さが
5μm以下であれば、多孔性粒子が少ないため、細孔容
積が少なくなり、十分なインクの吸収性能が得られず、
隣接するインクドットが干渉し、滲み現象が発生する。
逆に厚さが50μmを越えるような場合には、余分なア
ルミナ水和物を使用するばかりでなく、色濃度が低下す
るおそれもある。また、最外層にフルカラー印刷した印
画の印字特性を向上させるため、金属反射膜の上に積層
する下層の保護層は、上記のUV硬化樹脂の中に酸化チ
タン等の微粒子を含有させて、白色化させるのもよい。
さらに、インクジェット等の印字面となる最外層は、印
刷した後、ユーザーで手で触れるため、印字面が傷つく
可能性がある。それを防止するため、最外層に印刷する
組成分の中に0.5〜10μmの粒子を若干含有させる
のもよい。0.5μm以下の粒子だと手で触れた時のタ
ック感がなくなり、印刷面を保護する効果が発揮できな
くなる。逆に10μm以上の粒子だと、インクジェット
における印画の保護には十分であるが、インクジェット
方式以外の印字方法である感熱熱転写方式で印画しよう
とすると印画特性が著しく低下し、好ましくない。なぜ
なら、感熱転写方式は、感熱ヘッドと転写カラーテープ
を光記録媒体に接触させて印字するものであり、光記録
媒体の表面の凹凸が大きくなると、転写テープが完全に
接触しなくなり、印画特性が低下するためである。
【0033】上記の下層保護層の形成は、スピンコー
ト、ディップコート、バーコート、スクリーン印刷など
の方法でUV硬化樹脂を塗布した後にUV照射すること
によって行われる。上記の最外層の保護層の形式は、バ
ーコート法、ブレードコート法、エアナイフコート法、
ロールコート法、スクリーン印刷法などの方法で前記の
UV硬化樹脂組成物を塗布した後にUV照射することに
よって行われる。UVランプとしては、水銀灯、高圧水
銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が使用さ
れる。そして、照射エネルギー量は、通常150〜20
00mJ/cm2、好ましくは250〜1000mJ/
cm2 の範囲から選択される。この際数秒で塗膜が硬化
し、生産性に優れているが、形成方法として、スクリー
ン印刷法も用いた場合、スクリーンメッシュの跡が塗膜
表面に残ることがある。硬化後、光記録媒体表面にスク
リーンメッシュの跡が残ると、凹凸となり、フルーカラ
ー印刷印画の光沢感が損なわれる。その対策として、上
記、バインダー樹脂の中に微量のレベリング剤を添加し
て用いるのがよい。レベリング剤としては、シリコン等
が好ましい。
【0034】本発明の光記録媒体において、情報の書き
込み(記録)及び/又は読み取り(再生)は、1μm程
度に収束したレーザー光によって行われる。すなわち、
記録は、記録層のレーザー光照射部分(記録部分)に、
溶融、蒸発、昇華、変形、変性などが起こることにより
行われる。そして、再生は、レーザー光により、レーザ
ー光照射部分と非照射部分との反射率の差を読みとるこ
とにより行われる。上記のレーザー光としては、半導体
レーザー光が好適に使用される。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものでない。
【0036】実施例1 深さ1600Å、幅0.45μmの溝(グルーブ)付の
射出成型ポリカーボネート樹脂基体(直径5インチ)上
に含金属アゾ色素の溶液を滴下し、スピンコート法によ
り500rpmの回転数で塗布した後、100℃で30
分間乾燥して記録層を形成した
【0037】次いで、上記の記録層の上に、スパッタリ
ング法ににより、膜厚800Å(80nm)の銀膜を成
膜して反射層を形成した。そして、この反射層の上に全
面に紫外線硬化樹脂をスピンコート後、紫外線を照射し
て硬化させ5μmの保護層を形成した。上記の保護層の
全面に次の表に示す組成のUV硬化樹脂組成物を膜厚2
0μmで塗布した後、紫外線を照射して硬化させ、本発
明の光記録媒体を得た。
【0038】
【表1】 多孔性アルミナ水和物粒子 : 50 重量部 ポリビニルアルコール : 5 重量部 アクロイルモルホリン : 40 重量部 トリメチロールプロパントリアクリレート : 2.5重量部 2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニル −プロパン−1−オン(ラジカル開始剤) : 2.5重量部
【0039】上述の多孔性アルミナ水和物粒子の製造法
は、下記に示す方法で実施した。容量3000ccの反
応器に水810gとイソプロピルアルコール1000g
を仕込み、マントルヒーターにより液温を75℃に加熱
した。攪拌しながらアルミニウムアルコキシド450g
添加し、液温を75℃に保持しながら5時間加水分解を
行った。その後、50℃に48時間熟成して、アルミナ
のコロイダルゾルを得た。このコロイダルゾルをスプレ
ー乾燥して、多孔性アルミナ水和物粒子を得た。このア
ルミナ水和物の物性値は、平均粒子径80nm、平均細
孔半径85Å、BET比表面積100m2 /gであっ
た。
【0040】上記の光記録媒体の最外層にインクジェッ
トプリンター(FARGO社製、CDカラープリンター
Signature)でフルーカラー印刷した。黒、
赤、青、黄の単色印刷部は滲みが全くなく且つ、夫々の
インクが重なり合う部分の滲みも殆どなく、印画は、フ
ルカラー写真に近い鮮明性さであった。さらに、この印
画したディスクの表面にスポイトで水を滴下し、水が乾
燥した数時間後に、観察したところ、水による滲みの発
生は、殆ど認められなかった。
【0041】実施例2 実施例1において、表2に示す組成のUV硬化樹脂組成
物を使用し且つその塗布膜厚を30μmに変更した以外
は、実施例1と同様にして本発明の光記録媒体を得た。
上記の光記録媒体の最外層にインクジェットプリンター
(FARGO社製、CDカラープリンターSignat
ure)でフルーカラー印刷した。黒、赤、青、黄の単
色印刷部は滲みが全くなく且つ、夫々のインクが重なり
合う部分の滲みも殆どなく、印画は、フルカラー写真に
近い鮮明性さであった。さらに、この印画したディスク
の表面にスポイトで水を滴下し、水が乾燥した数時間後
に、観察したところ、水による滲みの発生は、殆ど認め
られなかった。さらに、印画した部分を手で擦っても、
印画した像が剥離するようなことは、全く認められなか
った。
【0042】
【表2】 多孔性アルミナ水和物粒子 : 60 重量部 ウレタンアクリレートオリゴマー : 4 重量部 ヒドロキシエチルアクリレート : 25 重量部 1、4ブタンジオールジアクリレート : 10 重量部 2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニル −プロパン−1−オン(ラジカル開始剤) : 1 重量部 上記の混合した樹脂とアルミナ粒子100重量部に対し
て、アクリルビーズ10重量部加えて、十分に混合攪拌
した。使用したアクリルビーズの平均粒子径は3μmで
変動係数は、約5%と粒径分布が小さいものを使用し
た。ここで言う変動係数とは、σ/x×100(σ:粒
子径の標準偏差、x:平均粒子径)である。
【0043】比較例 実施例1と同様に記録層、反射層、保護層を形成後、ウ
レタンアクリレートオリゴマー10重量部、ヒドロキシ
エチルアクリレート60重量部、1、4ブタンジオール
ジアクリレート25重量部、ラジカル開始剤2−ヒドロ
キシ−メチル−1−フェニル−プロパン1−1−オン5
重量部を混合した樹脂100重量部に対して、吸水性フ
ィラーである絹糸微粉末40重量部加えて、ディスパー
で攪拌した。この液をスクリーン印刷で塗布し、UV照
射装置で硬化した。上記の光記録媒体の最外層にインク
ジェットプリンター(FARGO社製、CDカラープリ
ンターSignature)でフルーカラー印刷した。
黒、赤、青、黄の単色印刷部は滲みが少なかったが、夫
々のインクが重なり合う部分の滲みが大きく、印画は、
鮮明性に欠けた。さらに、この印画したディスクの表面
にスポイトで水を滴下したところ、滲みがさらに大きく
なった。
【0044】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、印刷可能
な光記録媒体であって、フルカラー液体インクジェット
プリンターの印字特性、保存性及び印字耐水性に優れた
光記録媒体を提供できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保護層の最外層が、表面に多孔質構造を
    有する微粒子を含有するバインダー樹脂からなる光記録
    媒体。
  2. 【請求項2】 微粒子が多孔性アルミナ水和物粒子であ
    る請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 バインダー樹脂がUV硬化樹脂である請
    求項1又は2に記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 最外層表面に印刷可能である請求項1〜
    3のいずれかに記載の光記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006019079A1 (ja) 2004-08-19 2006-02-23 Q.P. Corporation インク受理層形成用組成物およびその製造方法、ならびに被印刷基材
JP2009151918A (ja) * 2007-11-30 2009-07-09 Mitsubishi Kagaku Media Co Ltd 情報記録媒体及び情報記録媒体の製造方法

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