JPH10231642A - 免震構造 - Google Patents

免震構造

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JPH10231642A
JPH10231642A JP5092397A JP5092397A JPH10231642A JP H10231642 A JPH10231642 A JP H10231642A JP 5092397 A JP5092397 A JP 5092397A JP 5092397 A JP5092397 A JP 5092397A JP H10231642 A JPH10231642 A JP H10231642A
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foundation
base
vibration
load
stainless
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JP5092397A
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English (en)
Inventor
Nobuyoshi Sugiyama
信義 杉山
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SUGIYAMA CONSTRUCTION
SUGIYAMA KENSETSU KK
Original Assignee
SUGIYAMA CONSTRUCTION
SUGIYAMA KENSETSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水平、垂直双方の揺れが連続或いは混在して
到来しても、これに十分に耐えることが出来、その一方
で基礎と土台とをきちんと緊結し、更には制振機能、自
己復帰機能を有し、しかも出来るだけ構造簡単な免震構
造を実現。 【解決手段】 荷重が増加するときと減少するときとで
荷重に対するたわみが異なる緩衝材19と、対向する夫
々が同じ傾斜の円錐面を有し両者の間に球体34が介挿
された相対移動部材21,24とを備え、これらが積層
されて基礎1と土台4との間に配置され、中間が首振り
自在のアンカーボルト2,3によりこれら基礎と土台と
が緊結されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は免震構造に関し、特
に、一戸建て住宅の免震に使用して好適な免震構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】建物を地震から守る手法の一つとして免
震手法がある。この手法は、一言で言うならだるま落と
しの如きもので、地震の際、建物が地盤の上で移動可能
であるようにしておいて、建物の損壊を免れようという
ものである。筋交いを使用したり、壁構造にするなどし
て建物自体の剛性を高めていく解決手法と異なり、建物
自体の剛性は殆んど意識する必要が無いから、在来の工
法で建物を建てられるという利点を有する。この種構造
は、既に多数提案されている。一例を図7〜図13に示
す。図7は実公昭55−36605号公報に開示されて
いるもので、基礎4と土台10との間に、ステンレス鋼
線を製織してなる防振リング7を介在させ、通過車両や
地震による地盤の揺れの伝達を防止している。
【0003】図8は実公昭54−38117号公報に開
示されているもので、基礎2と土台5との間に合成ゴム
等からなる弾性筒体3を介在させ、その中に挿通したフ
レキシブルアンカーボルト8で基礎2と土台5とを連結
している。図9は特開平4−119237号公報に開示
されているもので、上下の各緩衝器13,14で土台β
を水平移動可能に挟持している。ボールを使用して水平
移動を可能にしたものは、ほかに、実公平8−8363
号、実開昭3−62247号、実開平5−24823号
などの各公報に開示されたものがある。
【0004】図10は実公平7−58012号公報に開
示されているもので、スプリング部5を備えたアンカー
ボルト3によって基礎1と土台2とを連結している。こ
のようにスプリングを使用しているものは、ほかに、特
開昭61−176771号公報に記載のものなどがあ
る。図11は実公昭52−34166号公報に開示され
ているもので、円筒4内に配置されたスプリング3で基
礎コンクリート9と土台筋交い部12とを連結してい
る。
【0005】図12は実開昭62−173464号公報
に開示されているもので、基礎Bと土台Aとの間にゴム
などの弾性体1とベアリング2とを介在させ、基礎8と
土台Aとを回転自在のアンカーボルト3,4で連結して
いる。図13は登録第3019809号実用新案で、上
向き凹面のゴム板1と下向き凹面ゴム板2とを積層し、
これらを基礎7と土台5との間に配置して、脇のアンカ
ーボルト6でこれらを連結している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】地震の揺れの方角は、
言うまでもなく予測出来ない。また水平、垂直両方向の
成分があって、特に被害をもたらす近距離或いは直下型
地震の場合には、これら水平、垂直両方向の揺れが、連
続して或いは混在した形で到来する。この揺れに耐える
には、単純には、例えばアンカーボルトを無くし、基礎
と土台との間に適宜の緩衝材を介在させておき、単に基
礎の上に土台が載った、全くのフリーの状態にしておけ
ば良い。しかし、これでは、建築基準法でも規定されて
いるところの、建物の土台と基礎とをしっかり緊結して
おくべしという安全性の要求を満たすことが出来ない。
また、揺れを抑制する機能(制振機能)も必要で、しか
も、地震が収まったら、自力で元の位置に復帰するもの
が望ましい。
【0007】免震構造は、このような、一方では揺れを
逃がす余裕度が大きいことが求められる反面、基礎と土
台とがしっかり緊結されていること、制振機能があるこ
と、自己復帰機能があること、という、いわば相矛盾す
る要請を満たすことが要求される。それも出来れば簡単
且つ安価でである。しかし上記例示したものを始め、従
来の免震構造は、何れかの点で、これら要請に十分応え
ていない感があり、まだまだ改良すべき点があった。
【0008】本発明の目的は、これら従来の免震構造の
欠点を解消し、真にこのような要請に応え得る免震構
造、即ち、水平、垂直双方の揺れが連続或いは混在して
到来しても、これに十分に耐えることが出来、その一方
で基礎と土台とをきちんと緊結し、更には制振機能、自
己復帰機能を有し、しかも出来るだけ構造簡単な免震構
造を実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため本発
明では、荷重が増加するときと減少するときとで荷重に
対するたわみが異なる緩衝材と、対向する夫々が同じ傾
斜の円錐面を有し両者の間に球体が介挿された相対移動
部材とを備え、これらが積層されて基礎と土台との間に
配置され、中間が首振り自在のアンカーボルトにより前
記基礎と土台とが緊結されている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示各実施
の形態例に基いて説明する。図1〜図3に第1の実施の
形態例の免震構造100、図4に第2の実施の形態例の
免震構造200、図5,図6に第3の実施の形態例の免
震構造300を示す。図1は第1の実施の形態例の縦断
面である。図に於て1は基礎で、コンクリートで形成さ
れている。2はアンカーボルト下部で、従来のものと同
様、下端がL型に屈曲されており、基礎1に埋設されて
いる。
【0011】3はアンカーボルト上部で、建物の土台4
に穿設されたボルト孔6に挿通されている。アンカーボ
ルト下部2の上端及びアンカーボルト上部3の下端は、
下部球形部7,上部球形部8とされている(各アンカー
ボルト2,3、各球形部7,8は破断していない。図4
でも同じ。)。11,12は下部及び上部連結部材で、
円筒形のコップ状を成し、夫々の内径は各球形部7,8
の直径より僅かに大きくされている。夫々の底にはこれ
より小径のボルト挿通孔13,14が形成されている。
【0012】ボルト挿通孔13,14には、アンカーボ
ルト下部2及びアンカーボルト上部3が挿通される。こ
れらの直径は、各球形部7,8の直径より小さいから、
ここで、各球形部7,8が、連結部材11,12の内部
に夫々保持係止される。連結部材11,12の開口部
は、頭部の無い雄ねじ16と螺合される(雄ねじ16も
破断せず。)。これでアンカーボルト下部2とアンカー
ボルト上部3とが首振り自在に連結される。
【0013】下部連結部材11の周りには空間17が形
成されている。これは下部連結部材11及びこれに連結
された上部連結部材12の運動範囲を確保するためであ
る。18は下部台座、19は下部ステンレスマウント、
21は中間座金である。これらは各連結部材11,12
に外嵌するように基礎1上に載置されている。下部ステ
ンレスマウント19が請求項にいう緩衝材にあたる。下
部台座18は図5に示すものと同じで、外周が角型板状
を成し、上面には円形凹部31が形成されている(但
し、図1のものと図5のものは裏表が反対。基礎1、土
台4に対する位置も逆。詳しくは後述)。この円形凹部
31に下部ステンレスマウント19の下側が嵌め込まれ
る。
【0014】中間座金21も、図5に示すものと同じで
ある。外周が円形の板状で、下面に円形凹部32が形成
されている。この円形凹部32に下部ステンレスマウン
ト19の上側が嵌め込まれる。中間座金21の上面に
は、ドーナツ状凹部33が形成されている。この凹部3
3の中および周囲の中間座金21の上面は、同じ傾斜
の、中心が低い円錐面とされている。凹部33内には、
夫々の間に僅かの隙を残して鋼球34が多数充填されて
いる。鋼球を介して対向配置された中間座金21及び上
部台座24が、請求項にいう相対移動部材にあたる。
【0015】なお、図5では、符号21を付した図形が
二つある。これは、外形を判りやすく表わすため、一つ
の中間座金21を、二つの表示形態で示したもので、符
号aを付した方が、真ん中で水平に切目を入れ、恰も鰺
の如く上下に開いて、上面、下面を同時に表示したも
の、符号bを付した方が、真ん中で垂直に切断し、断面
を表示したものである。
【0016】土台4は、上部台座24の上に載置され
る。このときボルト孔6にアンカーボルト上部3が挿通
される。そして、土台4の上に突出したねじ部36に、
上部ステンレスマウント20が外嵌される。その上には
鍔付丸座金26が被せられる。下面の円形凹部37に、
ステンレスマウント19の上部が嵌入される。鍔付丸座
金26の上には平座金27が載置される。その上からナ
ット28で堅く締め付けられる。
【0017】ステンレスマウント19,20の構造例を
図2に示す。この種の緩衝材は、既に知られている。例
えばドイツのストップ・ショック社(STOP−CHO
C社)が種々の仕様のものを発売している(ここで引用
しているステンレスマウント19,20は同社の型番
「000 50308」とほぼ同じ仕様である)。先に
引用した実公昭55−36605号公報でも防振リング
7として、同種のものが使用されている。これらを参照
しろ、では、やや不親切なので、ここでは、図2に具体
的構造例を示した。
【0018】即ち、先ずステンレスマウント19,20
は、例えば太さ0.15mm程度のステンレス鋼線(例
えばSUS302鋼線)(符号38)を筒状に編み込ん
で成る。詳しくは、例えば、図2(B)に示すようなメ
リヤス編みにする。編み上げると同図(A)のような外
観を呈し、同図(C)に、このように筒状に編んだもの
(符号39)を一部取り出して示す。なお、ゴム編み
等、他の編み方でも良い。金網の如く織物型式にしても
良い。更にはニードルパンチによる不識布型式の形成方
法にしても良い。筒39の直径は、例えば15mm程度
とする。
【0019】筒状に長く編み上げたら(39)、これを
平らに潰す。すると、幅20mm余の厚みのあるテープ
状になる。これに斜めに走る山と谷とを付ける(同図
(D))。図(D)の2点鎖線が、山の峰を表わし、同
図e−e線に沿って断面を見ると同図(E)のようにな
る。山と谷は、例えば、はすば歯車と同じ形の金型を二
つ噛み合わせて回転させ、その隙間に、先のテープ状に
したものを通過させることなどで形成できる。
【0020】このようにしたテープ状のもの41を、包
帯を巻き取るようにきつく巻く(同図(F)。判りやす
くする為、この図では隙間を開けた。)。これでテープ
状のものの内側の面の山と谷が、もう一つ内側の巻き
の、外側の山及び谷と噛み合うことになる。きつく巻い
たら包帯の端を止めるのと同様にして、テープ状のもの
41の終端42を固定する。固定は、例えば、編み込み
や、同じステンレス鋼線38での縫い付け、蝋付けなど
による。これでステンレスマウント19,20が完成す
る。
【0021】ステンレスマウント19,20の荷重−た
わみ特性を図3に示す。この図から理解出来るように、
ステンレスマウント19,20は、荷重が増加するとき
と、減少するときとで、たわみの大きさが異なる。即
ち、ヒステリシス特性を有する。この特性が、制振に大
きく寄与する。このような特性が現れるのは、弾力のあ
るステンレス鋼線38が編組されていること、山と谷と
が斜めに形成され、これが巻回されたとき、中の巻きと
外の巻とで、山、谷が強く噛み合うことなどによると考
えられる。
【0022】具体的な施工方法を説明する。先ずアンカ
ーボルト下部2をねじ部分から下部連結部材11のボル
ト挿通孔13に挿通する。次いで、下部連結部材11の
開口部に雄ねじ16を螺合する。これを基礎1のコンク
リート打設の際、基礎1の中に埋設する。このとき、連
結部材11の周りに空間17が確保されるように、ま
た、内部にコンクリートが進入しないように、発泡スチ
ロール、ビニールテープ等で、下部連結部材11の全体
を厚めに巻く。量産するときは、金型で下部連結部材1
1を囲っておき、中でスチロールを発泡させると良い。
【0023】コンクリートが固化したら、発泡スチロー
ル、ビニールテープ等を取り除く。これで下部連結部材
11の周りに空間17が確保される。上部連結部材12
にアンカーボルト上部3を挿通し、その開口部を雄ねじ
16に螺合する。これで下部と上部のアンカーボルト
2,3が首振り自在に連結された。
【0024】これらに下部台座18、ステンレスマウン
ト19、中間座金21を外嵌する。転動を良くするた
め、鋼球の間に僅かの隙間が残るようにして、ドーナツ
状凹部33に鋼球34を充填する。上部台座24を被
せ、アンカーボルト上部3をボルト孔6に通しながら、
土台4を載せる。その上に突出したアンカーボルト上部
3に、上部ステンレスマウント20を外嵌する。鍔付丸
座金26、平座金27を被せ、ナット28できつく締め
付ける。
【0025】地震のときは、この防振構造100が以下
の如く動く。具体的に水平方向に揺れがあったとする。
この場合、鋼球34が転動して、上部台座24と中間座
金21とで相対移動が行なわれる。因みに、当初は地盤
が動くから、建物は動かず、下側(中間座金21から
下)が動くと言える。しかし実際には、これに応動して
建物の揺れも生ずるし、地盤の揺れには、当然垂直成分
もある(強い地震は特にこの成分が多い)。この為、動
きは一様でなく、上部台座24と中間座金21とが相対
的に移動すると見た方が判りやすい。
【0026】アンカーボルトの下部2と上部3とは、首
振り自在に連結されている。しかしナット28で締め付
けられているから、例えば上側の球形部8が固定である
として見ると、そこから下が振り子運動をする(実際は
上側の球形部8も位置変化するから両者は複雑な軌跡を
描く)。振り子の振れ角が増えればこれに応じて両者の
垂直距離が短くなる。従って、基礎1と土台4との間に
引張り力が働く。これは、ステンレスマウント19が圧
迫されたり、逆に圧迫から開放されたりすることであ
る。
【0027】ステンレスマウント19は、前述のとお
り、ヒステリシス特性を有していて、制振作用がある。
1サイクルの揺れの中で細かく見てみると、最初の、ま
だ静止時の位置からの移動量が少ない期間、即ち振り子
の振れ角がまだ小さい期間では、上部台座24と中間座
金21とが自由に相対移動する。このときは、地震の揺
れは全く建物へ伝わらない。従って建物の損傷は起こら
ない。揺れの振幅が小さいと、ここ迄の動きに留まる。
中間座金21の上面のドーナツ状凹部33と、これに対
向する上部台座24の下面29は、前述のとおり、共に
円錐形にされている。従って、揺れが収まれば、その自
重で上部台座24(建物)は、静止時の位置、即ち、図
1に示す位置まで復帰する。この位置は、上部台座24
の中心と中間座金21の中心とが一致するところであ
る。
【0028】地震の振幅が更に大きかった場合、静止時
の位置からの移動量は大きくなる。振り子の振れ角が大
きくなり、基礎1と土台4とが、振り子の振れ角に応じ
て引き寄せられる。この引き寄せに応じて下部ステンレ
スマウント19が圧迫される。ステンレスマウント19
は、図3に例示したような荷重−たわみ特性を有する。
ステンレスマウント19への圧迫は、逆に見れば、それ
に対する反発力が、上部台座24と中間座金21との間
の相対移動に対して抵抗として作用するということであ
る。この抵抗は、相対移動量が大きくなるのに対応して
強くなる。
【0029】移動に対し抵抗が働くとき、その分の力が
建物に伝わる。しかしこの力は、徐々に大きくなるも
の、即ち、相対移動する量の微分値的なものとなる。そ
れは緩やかな変化をするもので、揺れ幅が大きくても、
建物を加速する力は小さく、建物損傷には至らない。揺
れが収まれば、上部台座24と中間座金21とは、上述
と同様にして建物の自重で図1の静止位置に復帰する。
【0030】直下型の場合、多くは最初に垂直方向の揺
れが来る。このとき、地盤の上昇、下降に合わせてステ
ンレスマウント19,20の圧縮、伸長が行なわれる。
ここにいう「伸長」とは、荷重が掛からなくなって、ス
テンレスマウント19が自己の復元力で元の厚みに戻る
ことを指す。例示したステンレスマウント19,20
は、厚みほぼ20mm、直径100mm余の大きさであ
る。木造の3階建までなら、この寸法のものを複数個、
アンカーボルト2,3と共に配置することで、建物を十
分保護することが出来る。
【0031】なお実施の形態例100では、上下二つの
ステンレスマウント19,20で土台4を挟み付けた。
これにより、地盤からの垂直方向の加速力は、減殺され
土台4に伝えられる。従って、じかに伝えられるより遥
かに弱くなる。又、このときの動きには、水平方向の成
分も含まれる。この成分は、前述の水平方向の揺れのと
きと同じような動き、即ち、上部台座24と中間座金2
1との水平方向の相対移動と、下部、上部の球形部7,
8の振り子状運動とをもたらす。これにより、前述と同
様にして、上部台座24と中間座金21との間の相対移
動が抑制される。
【0032】図4に示した第2の実施の形態例の免震構
造200では、連結部材51が固定されている。即ち、
アンカーボルト下部2の上部に中継部材52が螺合さ
れ、これに連結部材51の下部が螺合されている。この
実施の形態例200の組立ては、始めにアンカーボルト
上部3を連結部材51のボルト挿通孔53に挿通し、こ
の連結部材51の開口部を中継部材52に螺合する。こ
れで、アンカーボルト下部2とアンカーボルト上部3と
が首振り自在に連結された。
【0033】次いで基礎1のコンクリート打設の際に、
これらを図4の位置まで埋め込む。そして固化を待つ。
固化したら第1の実施の形態例100と同じに各部材を
組み上げる。これら部材は、第1の実施の形態例100
のものと同じである。同じ符号を付し、説明を略す。但
し、地震の際、水平方向の動きが、第1の実施の形態例
100とは少し異なる。この動きに合うように、土台4
に穿設したボルト孔54は、下に向って開口が大きくな
る円錐形とされている。
【0034】上端のナット28が固定であるとして見る
と、水平方向の揺れのとき、アンカーボルト上部3が、
このナット28を中心にして振り子運動をする。ボルト
孔54が円錐形にしたのは、この振り子運動を妨げない
ためである。振り子運動により、その振れ角に応じて、
ナット28と球形部8の下端との間の垂直距離が短縮さ
れる。これが上下のステンレスマウント19,20を圧
迫する。第1の実施の形態例100と同様、これが大き
く動いたときの制振力となる。垂直方向の動きに関して
は、第1の実施の形態例と変らない。説明を略す。
【0035】図5,図6に示した第3の実施の形態例3
00では、鋼球34とステンレスマウント19の上下関
係を逆にしている。これに伴って、各部材の形状が第
1,第2の各実施の形態例のものと少し異なる。これは
上下関係を変えた為の変更に過ぎない。基本的形状は、
先の二つの実施の形態例のものと同じである。見て貰え
ば判るというところではあるが、念のため説明すると、
図5または図6に於て、下部台座61は、先の実施の形
態例の中間座金21と同じ機能を果たす。先の中間座金
21で形成されていた下面の円形凹部32が無いだけで
他はこれと同じである。
【0036】中間座金62は先の上部台座24と同じ機
能を果たす。ステンレスマウント19を受ける為の円形
凹部63が上面に追加されている以外は、先の上部台座
24と同じである。上部台座63は、先の下部台座18
と同じ機能を果たす。但し、先の下部台座18に形成さ
れていた上面の凹部31は無い。揺れが来たときは、第
2の実施の形態例200とほぼ同じ動きをする。なお施
工を簡単にするため、基礎の表面近くを球形部8と連結
部材51との連結位置としたが、この位置は、基礎の中
の方まで下げても良い。こうすると、鋼球34を挟持し
ている下部台座61と中間座金62の相対移動距離が大
きくなり、揺れに対する許容度が高まる。
【0037】他の変形例について述べる。緩衝材(1
9,20)の素材はステンレス鋼に限らない。例えば鋼
線にメッキをしたものでも構わない。構造も、編んだり
織ったりしたものに限らず、例えばニードルパンチで固
めたようなものであっても良い。線条材に限られるもの
でもなく、例えば、ゴムその他の樹脂を成型したような
ものであっても良い。上部ステンレスマウント20は無
くても良い。あった方が、緩衝効果は高いが、無くても
所期の目的は達せられる。下部ステンレスマウント19
の厚みをその分増すという手もある(厚さを変えなくて
も構わない)。各部材(下部台座18、ステンレスマウ
ント19、中間座金21、上部台座24等)と、アンカ
ーボルト2,3とは、必ずしも同軸の関係でなくても良
い。例えばアンカーボルト2,3を、これらの両側に二
組配置することにしても良い。鋼球34も、鋼以外の素
材でも構わない。例えば粉末冶金で形成するのも良い。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、荷重
が増加するときと減少するときとで荷重に対するたわみ
が異なる緩衝材と、対向する夫々が同じ傾斜の円錐面を
有し両者の間に球体が介挿された相対移動部材とを備
え、これを積層して基礎と土台との間に配置し、中間が
首振り自在のアンカーボルトにより基礎と土台とを緊結
するようにした。従って、従来の免震構造の欠点は解消
され、水平、垂直双方の揺れが連続或いは混在して到来
しても、これに十分に耐えることが出来、その一方で基
礎と土台をきちんと緊結し、更には制振機能、自己復帰
機能を有し、しかも簡単構造の免震構造が実現出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態例を示す縦断面図。
【図2】ステンレスマウントの詳細を示す分解図。
【図3】ステンレスマウントの荷重−たわみ特性を示す
グラフ。
【図4】第2の実施の形態例を示す縦断面図。
【図5】第3の実施の形態例を示す分解図。
【図6】第3の実施の形態例を示す縦断面図。
【図7】従来例の一つを示す縦断面図(A)並びに防振
リングの正面図(B)及び平面図(C)。
【図8】従来例の一つを示す斜視図(A)及び縦断面図
(B)。
【図9】従来例の一つを示す縦断面図。
【図10】従来例の一つを示す縦断面図。
【図11】従来例の一つを示す縦断面図(A)及び斜視
図(B)。
【図12】従来例の一つを示す縦断面図。
【図13】従来例の一つを示す斜視図。
【符号の説明】
100…第1の実施の形態例 200…第2の実
施の形態例 300…第3の実施の形態例 1…基礎 2…アンカーボル
ト下部 3…アンカーボルト上部 4…土台 6…ボルト孔 7…下側球形部 8…上側球形部 11…下部連結部材 12…上部連結部
材 13…ボルト挿通孔 14…ボルト挿通
孔 16…雄ねじ 17…空間 18…下部台座 19…下部ステン
レスマウント 20…上部ステンレスマウント 21a,21b…
中間座金 24…上部台座 26…鍔付丸座金 27…平座金 28…ナット 29…上部台座の下面 31…円形凹部 32…円形凹部 33…ドーナツ状
凹部 34…鋼球 36…ねじ部 37…円形凹部 38…鋼線 39…筒 41…テープ 42…テープ終端 51…連結部材 52…中継部材 53…ボルト挿通
孔 54…ボルト孔 61…下部台座 62…中間座金 63…凹部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷重が増加するときと減少するときとで
    荷重に対するたわみが異なる緩衝材と、対向する夫々が
    同じ傾斜の円錐面を有し両者の間に球体が介挿された相
    対移動部材とを備え、これらが積層されて基礎と土台と
    の間に配置され、中間が首振り自在のアンカーボルトに
    より前記基礎と土台とが緊結されていることを特徴とす
    る免震構造。
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