JP2000240722A - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JP2000240722A
JP2000240722A JP11045583A JP4558399A JP2000240722A JP 2000240722 A JP2000240722 A JP 2000240722A JP 11045583 A JP11045583 A JP 11045583A JP 4558399 A JP4558399 A JP 4558399A JP 2000240722 A JP2000240722 A JP 2000240722A
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Japan
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isolation device
seismic isolation
upper structure
support
bearing
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JP11045583A
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English (en)
Inventor
Toshio Fujioka
敏雄 藤岡
Yoji Hosokawa
洋治 細川
Ikuo Tatemichi
郁生 立道
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Maeda Corp
Original Assignee
Maeda Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】地震時の免震機能を確保できると共に、外観を
良好に保持することが可能な支承体を利用した免震装置
を提供する。 【解決手段】上部構造体2と下部構造体3との間に介装
される免震装置10において、上部構造体2を下部構造
体3に対して水平移動可能な状態で支持する支承体10
を備え、支承体11a〜11cの任意の平面位置に貫通
孔15を設け、上部構造体2に作用する浮き上がり力に
対する抵抗力を増すための浮き上がり抵抗部材16を貫
通孔15内に配置すると共に、浮き上がり抵抗部材16
の上下端をそれぞれ上下部構造体2、3に固定し、浮き
上がり抵抗部材16と貫通孔15の間の隙間を、全周に
亘って支承体11a〜11cの許容水平変位量の1/6
以上としたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上部構造体と下部
構造体との間に介装する免震装置に関し、更に詳しくは
中高層の構造物に適用するのに好適な免震装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、中高層構造物の積層ゴムや滑り支
承体を用いた免震装置の中には、上部構造体が脱落する
のを防止するため、上部構造体と下部構造体との間に引
き抜き抵抗用のアンカーを備えたものがある。このよう
な免震装置では、上部構造体の横方向への脱落を防止す
るために、滑り支承体の外周部にストッパが設けられて
いた。また、免震装置の耐火用として、滑り支承体の外
周端に耐火カバーが被せられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の免震装置においては、地震時に上部構造体が横
方向に変位するときに、滑り支承体が引き抜き抵抗用の
アンカーに接触して、上部構造体の変位が邪魔され、こ
れにより免震機能が阻害されるおそれがあった。また、
上部構造体の変位などによって外周部のストッパや、耐
火カバーなどに地震の後に残留変位が生じ、外観が悪く
なるという問題があった。
【0004】本発明の目的は、このような問題点を解決
することにあり、地震時の免震機能を確保できると共
に、外観を良好に保持することが可能な支承体を利用し
た免震装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、免震装置であ
り、前述の技術的課題を解決するために以下のように構
成されている。すなわち、本発明は、上部構造体と下部
構造体との間に介装される免震装置において、前記上部
構造体を前記下部構造体に対して水平移動可能な状態で
支持する支承体を備え、前記支承体の任意の平面位置に
貫通孔を設け、前記上部構造体に作用する浮き上がり力
に対する抵抗力を増すための浮き上がり抵抗部材を前記
貫通孔内に配置すると共に、前記浮き上がり抵抗部材の
上下端をそれぞれ前記上下部構造体に固定し、前記浮き
上がり抵抗部材と前記貫通孔の間の隙間を、全周に亘っ
て前記支承体の許容水平変位量の1/6以上としたこと
を特徴とする(請求項1)。ここで、支承体としては、
積層ゴム、滑り支承などの好適な水平変位が可能な鉛直
荷重支持手段又はこれらの組合せとすることができる。
また、滑り支承は、ステンレス鋼等の金属、テフロンな
どの摺動材、セラミック、ガラス、ガラス繊維等、任意
の材料又はこれらの組合せとすることができる。
【0006】また、本発明は、前記支承体の引っ張り降
伏面圧が20kgf/cm2以上の積層ゴムとすること
ができる(請求項2)。前記支承体はこれを貫通する
か、又は前記支承体の中空部の周壁に接合又は当接され
た減衰材としての高減衰ゴム、鉛、粘弾性体、粘性流体
又はこれらの複合体などによる弾性部材、又はダンパ
ー、或いは両者の複合体としての機能を有すること(請
求項3)、を特徴とする。
【0007】本発明は、上部構造体と下部構造体との間
に介装される免震装置において、前記上部構造体を前記
下部構造体に対して水平移動可能な状態で支持する支承
体と、前記支承体の外周端に被せられた耐火カバーと、
前記耐火カバーと前記支承体との間に配置された断熱材
と、前記耐火カバーの隙間に配置された耐火パッキンと
を備えたことを特徴とする(請求項4)。
【0008】本発明は、上部構造体と下部構造体との間
に介装される免震装置において、前記上部構造体を前記
下部構造体に対して水平移動可能な状態で支持する支承
体としての滑り支承を備え、上下の前記滑り支承の対向
面に凹部を設け、前記凹部内に連続的又は断続的に減衰
部材を挿入したことを特徴とする(請求項5)。
【0009】また、本発明は、前記上下の支承体の対向
面にフックを設け、前記支承体の水平変位量が所定量以
上となったときに前記フックが係止して、前記フックの
上下方向に所定の係止力が発生すること(請求項6)、
前記上下の支承体の間にコロを介装し、上下段の凹部に
前記コロを互いに直交配置したこと(請求項7)、前記
上下の支承体の両方の対向面に底面が傾斜した凹部を設
け、前記凹部内にコロ又はボールを配置したこと(請求
項8)、前記上下の支承体の片方又は両方の対向面に凹
部を設け、前記凹部の底面の中央に傾斜部分を設けると
共に、前記傾斜部分の外側に水平部分を設け、前記傾斜
部分にコロ又はボールを配置したこと(請求項9)、前
記凹部の水平部分は、上下に隣接する支承面において互
いに異なる位置に設けられたこと(請求項10)、を特
徴とする。
【0010】本発明は、上部構造体と下部構造体との間
に介装され前記上部構造体を前記下部構造体に対して浮
上可能に支持する免震装置において、前記浮き上がり可
能な面のいずれか一方に位置を復元するためのガイドを
有し、前記上部構造体を前記下部構造体に対して水平移
動可能な状態で支持する支承体と、前記上部構造体と前
記下部構造体とを連結するため前記支承体の貫通孔内に
設けられた連結部材とを備え、前記連結部材は前記上部
構造体と前記下部構造体との間の一定の相対変位に対し
て弾性的抵抗力を発生するか、又はたるみを持たせるこ
とにより一定の変形の後に弾性的抵抗力を発生するか、
或いは両者を組み合わせたことを特徴とする(請求項1
1)。
【0011】(作用)本発明に係る免震装置は、浮き上
がり抵抗部材とその周囲の部材との間に、全周に亘って
支承体の許容変位量の1/6以上の隙間を設けたので、
頻繁に発生する小地震時に支承体の貫通孔の内周部が浮
き上がり抵抗部材に接触するのを防止できる(請求項
1)。
【0012】また、上下構造部材の間に滑り支承を設
け、その内側に積層ゴムを取り付け、この積層ゴムの引
っ張り降伏面圧を20kg/cm2以上としたので、積
層ゴムが引き剥がされるのを防止できる(請求項2、
3)。
【0013】本発明に係る免震装置は、支承体の外周端
に耐火カバーを被せると共に、耐火カバーと支承体との
間に断熱材を配置したので、耐火性を強化できると共
に、耐火カバーの変形を抑制できる(請求項4)。
【0014】本発明は、上下の支承体の対向面に凹部を
設け、この凹部内に連続的又は断続的に減衰部材を挿入
したので、地震時の応答変位と衝撃を低減し、支承体の
残留変位を抑制することができる(請求項5)。
【0015】また、上下の支承体の対向面に所定の上下
係止力を有するフックを設けた場合は、支承体が脱落す
るのを防止でき(請求項6)、上下の支承体の間にコロ
を介装し、上下のコロを互いに直交配置した場合には、
上部構造体を長周期化でき(請求項7)、また上下の支
承体の両方の対向面に底面が傾斜した凹部を設け、この
凹部内にコロ又はボールを配置した場合には上部構造体
が全方向に変位可能となり(請求項8)、上下に対向す
る支承面の片方又は両方に凹部を設け、この凹部の中央
部分を傾斜させると共に、外周側を水平にした場合に
は、支承体の変位量が大きい場合でも転がり作用によっ
て変位が滑らかになる(請求項9、10)。
【0016】また、本発明に係る免震装置は、上部構造
体と前記下部構造体とを連結する連結部材が弾性又は粘
弾性を有するので、この連結部材によって上部構造体の
浮き上がり抵抗力を得ることができ、また、連結部材と
その周囲の部材との間に隙間を設ければ、一定の相対変
位の後に引っ張り力を生じさせることもできる(請求項
11)。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る免震装置の実
施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】(第1の実施の形態)図1は、本発明に係
る免震装置の第1の実施の形態を示す断面図である。こ
の免震装置10は、例えば中高層建造物1の上部構造体
2と下部構造体3との間に介装されるものであり、上部
構造体2を下部構造体3に対して水平移動可能な状態で
支持する積層ゴム13と支承体である滑り支承体11と
を備えている。滑り支承体11は、例えば鉄板で形成さ
れ、上下に複数段に亘って積層されている。上部構造体
2から作用する重量は、積層ゴム13と滑り支承体11
とで分担して受けるか、又はいずれか一方で負担しても
良い。
【0019】ここで、支承体としては、積層ゴム、上述
の滑り支承体11などの好適な水平変位が可能な鉛直荷
重支持手段又はこれらの組合せとすることができる。ま
た、滑り支承体11としては、ステンレス鋼等の金属、
テフロンなどの摺動材、セラミック、ガラス、ガラス繊
維等、任意の材料又はこれらの組合せとすることができ
る。
【0020】上下端の滑り支承体11a、11cを除く
滑り支承体11cの中央部には適宜な大きさの貫通孔1
2が設けられ、その内部には積層ゴム13が挿入されて
いる。また、これに代えて引っ張り降伏面圧が20kg
f/cm2以上の積層ゴムを挿入することもできる。こ
のような積層ゴム13としては、例えばブリジストン
(株)製の積層ゴム「HSR(High Streng
th Rubber Bearing)(商標名)など
を使用することができる。
【0021】この積層ゴム13の内部には、複数の中間
鋼板14が互いに縦方向に適宜な間隔を開けて水平に配
置されている。積層ゴム13の外周面と滑り支承体11
の内周面との間には、適宜な隙間が設けられている。ま
た、積層ゴム13の中央部には、適宜な直径で貫通孔1
5が設けられている。そして、建造物1の上部構造体2
及び下部構造体3の中央部にも、弾性部材13の貫通孔
15と連通する所定深さの穴4、5が設けられている。
【0022】上部構造体2の穴4、積層ゴム13の貫通
孔15、及び下部構造体3の穴5を通して、引き抜き抵
抗部材16が配置されている。この引き抜き抵抗部材1
6の上下端は、それぞれ上下部構造体2、3に固定され
ている。引き抜き抵抗部材16としては、PC緊張材、
PC鋼線、地盤アンカー、プレストレス鋼線、バネ等、
任意の緊張材を単独又は組合せて使用することができ
る。また、滑り支承体11a〜11cの外周部には、図
2にも示すように下面側にストッパ17、その外側の耐
火材18、及び耐火パッキン19が設けられ、上面側の
ストッパ17との当接面に緩衝材20が設けられてい
る。
【0023】更に、この免震装置10は、図3に示すよ
うに外端部寄りに例えば高減衰性のゴムなどで形成され
た減衰材21が配置されている。本実施の形態では、滑
り支承体11a〜11cの4隅に減衰材21が配置され
ている。この減衰材21は、図4に示すように滑り支承
体11a〜11cを貫通し、上下に設けられた鍔部22
が上下の滑り支承体11a、11cに係止されている。
減衰材21を挿通する孔の角部には、減衰材21の損傷
を防止するために面取り又はRが付けられている。
【0024】上述の引き抜き抵抗部材16と、その周囲
の免震装置10の構成部材、本実施の形態では、上下端
の滑り支承対11a、11cとの間には、次に説明する
理由から、全周に亘って滑り支承体11a〜11cの許
容水平変形量δの1/6以上の隙間d(d≧δ)が設け
られている。また、上下部構造体2、3の穴4、5の深
さH1、H2は、いずれか一方が免震装置10の高さH
以上(H1≧H、H2≧H)となるように設定されてい
る。
【0025】すなわち、生起回数が比較的多い小地震に
対しては、免震装置10の滑り支承体11a〜11cの
変位量が、その許容水平変位量δの1/6より小さくな
ることが多く、引き抜き抵抗部材16の周囲の隙間dを
d≧δ/6としておけば、引き抜き抵抗部材16と周囲
の部材との接触を防止でき、これにより引き抜き抵抗部
材16の摩耗を防止することができる。
【0026】また、大規模な地震の場合には、滑り支承
体11a〜11cの水平変位量がδ/6以上となり、引
き抜き抵抗部材16が滑り支承体11a〜11cによっ
て曲げられるが、穴4、5の深さH1,H2をある程度
深くしておくことによって、引き抜き抵抗部材16に発
生する付加的な剛性の増加を低減することができ、これ
により免震機能の低下を抑制することができる。
【0027】更に、上下端の滑り支承体11a、11c
の間に引っ張り降伏面圧が20kgf/cm2以上の積
層ゴム13を配置し、この積層ゴム13を上下端の滑り
支承体11a、11cに固定したので、上向きの力が作
用し積層ゴム13が引っ張られても、より高い浮き上が
り抵抗力を有する。なお、上部構造体3から作用する引
っ張り力より、積層ゴム13の引き抜き抵抗力が高い場
合には、引き抜き抵抗部材16を省略しても良い。
【0028】なお、上述の実施の形態では、滑り支承体
11a〜11cの外周端にストッパ17を設けたが、図
5に示すように減衰材21の周囲に全周に亘ってストッ
パ23を設けることもできる。本実施の形態では、スト
ッパ23が滑り支承体11bの上面側に設けられ、滑り
支承体11bの下面側の段部に緩衝材24が設けられて
いる。
【0029】また、図6に示すように減衰材21の周囲
にフック付きストッパ25を設けると共に、このフック
付きストッパ25の当接面に、フックを係止する係止部
26を設けることができる。これにより、滑り支承体1
1a〜11cが水平変位し当接したときにフック24と
係止部25とが係止され、上下方向の引き抜き抵抗力が
増加するので、滑り支承体11a〜11cが分離してし
まうのを防止することができる。なお、図6中の符号2
7は緩衝材である。
【0030】(第2の実施の形態)図7は、本発明に係
る第2の実施の形態の免震装置30を示す。この免震装
置30は、上部構造体2と下部構造体3との間に介装さ
れるものであり、上部構造体2を下部構造体3に対して
滑り移動可能な状態で支持する滑り支承体31a〜31
cと、滑り支承体31a〜31cのそれぞれの外周端部
に取り付けられた耐火カバー32と、この耐火カバー3
2と滑り支承体31a〜31cとの間に配置された断熱
材33と、耐火カバー32同士の間の隙間に詰められた
耐火パッキン34とを備えている。
【0031】滑り支承体31a〜31cは、図8に示す
ように例えば鉄板で矩形状に形成されており、その外周
部には全周に亘って適宜な間隔で凹部35が設けられて
いる。また、耐火カバー32は剛性の高い耐火断熱部材
で一体的に形成されており、各滑り支承体31ba〜3
1cの外周端部を覆うように内周面を開口させて箱状に
形成されている。
【0032】この耐火カバー32は、滑り支承体31b
の凹凸に合わせて形成されており、凹部35に挿入され
た部分が滑り支承体31bに断熱性を有するワッシャ3
6aを介して耐熱性を有するボルト36bで固定されて
いる。耐火カバー35としては、石膏ボード、珪酸カル
シウム板、セラミック、ガラス等を使用でき、これ以外
にも火災時の温度に対して一定の強度と耐熱性がある材
料ならば任意の材料を使用できる。
【0033】耐火カバー32と滑り支承体31bとの間
には、断熱材35が詰められている。この断熱材35と
しては、ロックウール、グラスウール、セラミックファ
イバー等の一般的な無機繊維性断熱材を使用することが
できる。また、耐火パッキン34も断熱材35と同様に
無機繊維性のもので一体的に成形され、上下の滑り支承
31bのいずれか一端に固定され、他端は動くことがで
きるものとなっている。
【0034】このように、第2の実施の形態の免震装置
30は、耐火カバー32が剛性の高い材料で形成されて
いるので、例えば通行人などが耐火カバー32を叩いた
り蹴飛ばしたりしたとしても、凹んだり穴が空いたりす
ることがなく、長期間に亘って外観を良好に保持するこ
とができる。また、耐火カバー32の内側に断熱材35
が詰められているので、高い断熱性を得ることができ
る。
【0035】(第3の実施の形態)図9は、第3の実施
の形態の免震装置40を示す。この免震装置40は、滑
り支承体41a〜41eと、上部構造体2と下部構造体
3とを連結する連結部材49とを備えている。この連結
部材49は、弾性、粘弾性を有するワイヤー状の部材を
使用でき、例えば鋼線、ゴム、バネなどを使用すること
ができる。ワイヤー部材は一定の隙間やたるみを設けて
取り付けることができ、また、両者を組み合わせて用い
ることもできる。また、上端の滑り支承体41a以外の
滑り支承体41b〜41eの中央部には貫通孔42が設
けられ、その内側に円筒状の減衰部材43が挿入されて
いる。この減衰部材43としては、高減衰ゴム等を使用
できる。
【0036】連結部材49の下端は下部構造体3の中央
に固定され、上端には係止部材44が取り付けられてい
る。上端の滑り支承体41aの下面側には、擂り鉢状の
ガイド部材45が取り付けられている。そして、このガ
イド部材45の中央に連結部材49の係止部材44が係
止されている。地震時に上部構造体2が滑り支承体41
aと41bとの間で離間して浮上すると、連結部材49
が伸びるようになっている。この連結部材49の最大伸
び量によって、上部構造体2の許容浮上量が決定され
る。また、一定のたるみをもった場合や、係止部材44
を、バネなどにより隙間を設けて配置し、連家部材49
に十分な強度をもたせれば、変形抑制効果を生じ、脱落
防止ができる。離間した後に当接した場合は、ガイド部
材により元の位置に復元する。
【0037】上端の滑り支承体41a以外の滑り支承体
41b〜41eの間には、図10に示すように長尺なコ
ロ46、47が配置されている。これらのコロ46、4
7は、滑り支承体41b〜41eの両側に平行に配置さ
れ、例えば図中において上段のコロ46と下段のコロ4
7は互いに直角になるように配置されている。更に、各
段には、その段のコロ46、47と直角方向に並べて複
数の鋼球48が両側に配置されているが、これは滑り支
承の回転変形やがたつきなどを防止するためのである。
また、鋼球48の左右の側壁に円弧状の窪みを設けて、
上下の滑り支承の一体性を高めることもできる。
【0038】この第3の実施の形態の免震装置40は、
上部構造体2と下部構造体3とがガイド部材45を介し
て連結部材49によって連結されており、この連結部材
49が弾性又は非線形性を有するので、地震時に上部構
造体2に引き抜き抵抗力が作用し、上部構造体2が脱落
するのを防止できる。また、連結部材49がガイド部材
45の中央に挿入されているので、上部構造体2が浮上
したときには連結部材49に下部構造体3の中心部分に
向かう引っ張り力が作用し、上部構造体2が元の位置に
復元される。また、滑り支承体41b〜41eを貫通し
て高減衰ゴム49aなどを挿入しても良い。これによ
り、復元力と減衰力を得ることができる。なお、高減衰
ゴム49aはその他の弾性材及び減衰材としても良い。
【0039】なお、上述の実施の形態ではコロ46、4
7に接触する面を水平にしたが、図11に示すように滑
り支承体51a〜51eのコロ46、47に接触する面
52、53に傾斜を付けることができる。また、コロ4
6は、その隙間を確保するスペーサを用いて複数個用い
ることができる。これにより、滑り支承体51a〜51
eの変位後の復元力を得ることができる。
【0040】また、図12に示すように、上端の滑り支
承体55aを除く滑り支承体55a〜55eの対向面に
円錐状又は擂り鉢状の傾斜面56、57を形成し、これ
らの傾斜面56、57の間に鋼球58を配置することに
より、滑り支承体51b〜51dの変位後の復元力を得
ることができる。滑り支承体51a〜51eの外周部に
は、緩衝材59及びストッパ60が設けられている。鋼
球58は、図13に示すように滑り支承体51a〜51
eの角部の他、任意の位置に配置することができる。鋼
球58の材質は、他の金属やセラミック等でも良い。
【0041】更に、図9においては減衰材43として高
減衰ゴムを使用する場合について説明したが、図13に
示すように滑り支承体55b〜55dの中央に直径の異
なるリング状のカバー61、62を同心に配置し、これ
らのカバー61、62の隙間に粘性材63を充填し、そ
の中に図14に示すように鉛棒64及びこれを被覆する
ゴム65とを有する棒状体66を挿入することもでき
る。この場合は、高減衰性を得ることができる。ここで
は、粘弾性、鉛とゴムとしたが任意の材料の組合せとす
ることができる。
【0042】また、図15に示すように上下に隣接する
滑り支承体55a〜55eの間に、コロ90、91を配
置することができる。上下段のコロ90、91は、互い
に直角になるように配置されている。また、上下段のコ
ロ90、91は、図16に示すように互いにずれた位置
に重ならないように配置されており、これによって、滑
り支承体55a〜55cの厚さを薄くできる。なお、凹
部の中央に鋼球を置いた場合も、同様である。
【0043】コロ90、91は、図17に示すように滑
り支承体55a〜55eに設けられた凹部92、93内
に配置することができる。この凹部92は、中央部分が
両側に凹となるように傾斜しており、その外側の部分が
水平になっている。これによって、滑り支承体55a〜
55eが自己復元力を得ることができる。なお、コロに
代えて鋼球を用いる場合は、中央が円錐状又は擂り鉢状
になる。(第4の実施の形態)図18は、本発明に係る
第4の実施の形態の免震装置を示す。上述の第1の実施
の形態の免震装置10では、図4に示すように滑り支承
体11a〜11cを貫通させて減衰材21が取り付けら
れているが、図18に示すように上下の滑り支承体17
1a〜171cの間に、減衰材172を閉じこめること
もできる。
【0044】この場合、上下の滑り支承体171a、1
71bの両方の対向面に円形の凹部173、174を設
け、これらの凹部173、174内に、中央両側に円形
の突起175を有する円盤状の中間部材176を挿入す
る。そして、突起175の周囲に直径が異なる複数の巻
部材177a、177b、・・・を配置する。そして、
図19に示すように巻部材177a、177b・・・の
間の隙間にチューブ状の減衰材172を挿入する。この
減衰材172としては、高減衰ゴム、鉛等を使用するこ
とができ、また、粘性材、鉛などとすることもできる。
また、球状の粘弾性材とすることもでき、形状も任意の
ものとすることができる。
【0045】なお、図18では、上下の滑り支承体17
1a、171bの両方に凹部173、174を設けた
が、図20に示すように上下の滑り支承体178a、1
78bのうち、下側の滑り支承体178bにのみ凹部1
79を設けると共に、上側の滑り支承体178aに円形
の突起180を設け、この突起180の周囲に巻部材1
81a、181b・・・を配置し、その隙間に減衰材1
72を挿入することもできる。
【0046】更に、上述の実施の形態ではチューブ又は
球状の減衰材172を使用したが、図21に示すように
粘性流体又は粘弾性体の減衰材182を使用することも
できる。この場合には残留変位をもたないダンパとな
る。また、巻部材177a、177b・・・、181
a、181b・・・に代えて螺旋状のバネ部材を使用す
れば、滑り支承体171a〜171c、178a〜17
8bの変位後に復元力を得ることができる。
【0047】また、巻部材177a、177b・・・、
181a、181b・・・の間にバネ材としての板バネ
などを入れることができ、これにより、形状保持と復元
力を得ることができる。また、巻部材177a、177
b・・・、181a、181b・・・の空間部分に球状
のチューブ粘性体を封入したものを挿入することができ
る。
【0048】なお、上述の実施の形態において、支承体
としては、積層ゴム、滑り支承、転がり支承など各種の
支承体、又はこれらの組合せを使用することができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る免震
装置によれば、引き抜き抵抗部材とその周囲の部材との
間に、全周に亘って滑り支承体の許容変位量の1/6以
上の隙間を設けたので、頻繁に発生する小地震時に滑り
支承体が引き抜き抵抗部材に接触するのを防止でき、こ
れにより滑り支承体が変形したり損傷したりするのを防
止することができる(請求項1)。
【0050】また、上下構造部材の間に積層ゴムを取り
付け、この積層ゴムの引っ張り降伏面圧20kg/cm
2以上としたので、弾性部材が引き剥がされるのを防止
でき、これにより、より高い引き抜き抵抗力を確保する
ことができる(請求項2)。
【0051】また、支承体を貫通するか、又は支承体の
中空部の周壁に接合された減衰材としての高減衰ゴム、
鉛、粘弾性体、粘性流体又はこれらの複合体などにより
残留変位をより少なくする弾性部材とダンパーを有する
ので、減衰性能を向上させることができる(請求項
3)。
【0052】更に、滑り支承体の外周端に耐火カバーを
被せると共に、耐火カバーと滑り支承体との間に断熱材
を配置したので、耐火性を強化できると共に、耐火カバ
ーの変形を抑制でき、これにより外観を良好に保持でき
る(請求項4)。
【0053】また、上下の滑り支承体の対向面に円形凹
部を設け、この円形凹部内に連続的又は断続的に減衰部
材を挿入したので、地震時の変位と加速度及び衝撃を低
減することができ、これにより建造物内部の物品を保護
することができる(請求項5)。
【0054】上下の滑り支承体の対向面に所定の上下係
止力を有するフックを設けた場合は、滑り支承体が脱落
するのを防止でき(請求項6)、上下の滑り支承体の間
にコロを介装し、上下のコロを互いに直交配置した場合
には、上部構造体の変位が容易となり、これにより免震
性能を確保でき(請求項7)、また上下の滑り支承体の
両方の対向面に底面が傾斜した凹部を設け、この凹部内
にコロ又はボールを配置した場合には上部構造体が全方
向に変位可能となるので、全方向の免震機能を確保でき
る(請求項8)。
【0055】また、上下に対向する支承面の片方又は両
方に凹部を設け、この凹部の中央部分を傾斜させると共
に、外周側を水平にしたので、支承体の変位量が大きい
場合でも転がり作用によって変位が滑らかになる(請求
項9、10)。
【0056】更に、本発明に係る免震装置は、上部構造
体と前記下部構造体とを連結する連結部材が弾性又はギ
ャップ特性を含む非線形生を有するので、上部構造体の
引き抜き抵抗力を得ることができ、これにより上部構造
体の脱落を防止すると共に、免震機能を確保することが
できる(請求項11)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態の免震装置を示
す図である。
【図2】本発明に係る第1の実施の形態の滑り支承体の
外周端部を示す図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図3のB−B断面図である。
【図5】本発明に係る第1の実施の形態の減衰材の別の
例を示す図である。
【図6】本発明に係る第1の実施の形態のストッパの別
の例を示す図である。
【図7】本発明に係る第2の実施の形態の免震装置を示
す図である。
【図8】図7のC−C断面図である。
【図9】本発明に係る第3の実施の形態の免震装置を示
す図である。
【図10】図9のD−D断面図である。
【図11】図10のE−E断面図である。
【図12】本発明に係る第3の実施の形態におけるコロ
の取付部分の別の例を示す図である。
【図13】図12のF−F断面図である。
【図14】本発明に係る第3の実施の形態の減衰部材を
示す図である。
【図15】本発明に係る第3の実施の形態の別の例を示
す図である。
【図16】図15のG−G断面図である。
【図17】図15のH−H断面図である。
【図18】図13のG−G断面図である。
【図19】図18の横断面図である。
【図20】本発明に係る第4の実施の形態の免震装置に
おける減衰部材の別の例を示す図である。
【図21】本発明に係る第4の実施の形態の免震装置に
おける減衰部材の別の例を示す図である。
【符号の説明】
2 上部構造体 3 下部構造体 10、30、40 免震装置 11a〜11c、31a〜31c、41a〜41e、5
5a〜55e 滑り支承体 13 積層ゴム 15 貫通孔 16 浮き上がり抵抗部材 32 耐火カバー 33 断熱材 35 耐火パッキン 46、47、90、91 コロ 49 連結部材 172、182 減衰部材 173、174、179 凹部
【手続補正書】
【提出日】平成12年2月28日(2000.2.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、免震装置であ
り、前述の技術的課題を解決するために以下のように構
成されている。すなわち、本発明は、上部構造体と下部
構造体との間に介装される免震装置において、前記上部
構造体を前記下部構造体に対して水平移動可能な状態で
支持する支承体を備え、前記支承体の任意の平面位置に
貫通孔を設け、前記上部構造体に作用する浮き上がり力
に対する抵抗力を増すための浮き上がり抵抗部材を前記
貫通孔内に配置すると共に、前記浮き上がり抵抗部材の
上下端をそれぞれ前記上下部構造体に固定し、前記浮き
上がり抵抗部材と前記貫通孔の間の隙間を所定寸法以上
にし、前記上下に隣接する支承体の対向面にフックを設
け、前記支承体の水平変形量が所定量以上となったとき
に前記フックが係止して、前記上下に隣接する支承体の
上下方向に所定の係止力が発生することを特徴とする免
震装置。ここで、滑り支承としては、ステンレス鋼等
の金属、テフロンなどの摺動材、セラミック、ガラス、
ガラス繊維等、任意の材料又はこれらの組合せとするこ
とができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】また、本発明は、前記支承体はこれを貫通
するか、又は前記支承体の中空部の周壁に接合又は当接
された減衰材としての高減衰ゴム、鉛、粘弾性体、粘性
流体又はこれらの複合体などによる弾性部材、又はダン
パー、或いは両者の複合体としての機能を有すること、
を特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】また、本発明は、上部構造体と下部構造体
との間に介装される免震装置において、前記上部構造体
を前記下部構造体に対して水平移動可能な状態で支持す
る支承体と、前記支承体の外周端に被せられた一定の強
度及び耐熱性を有すると共に、剛性の高い耐火カバー
と、前記耐火カバーと前記支承体との間に配置された断
熱材と、前記耐火カバーの隙間に配置された耐火パッキ
ンとを備えたことを特徴とする
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本発明は、上部構造体と下部構造体との間
に介装される免震装置において、前記上部構造体を前記
下部構造体に対して水平移動可能な状態で支持する支承
体を備え、上下の前記支承体の対向面に凹部を設け、前
記凹部内に連続的又は断続的に減衰部材を挿入すること
により、前記上部構造体に復元性及び減衰性を付与した
ことを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明は、前記支承体は多段の滑り支承で
あり、前記上下の支承体の間にコロを介装し、上下段の
前記コロを互いに直交配置したこと、前記支承体は多段
の滑り支承であり、前記上下の支承体の両方の対向面に
底面が傾斜した凹部を設け、前記凹部内にコロ又はボー
ルを配置したこと、前記支承体は多段の滑り支承であ
り、前記上下の支承体の片方又は両方の対向面に凹部を
設け、前記凹部の底面の中央に傾斜部分を設けると共
に、前記傾斜部分の外側に水平部分を設け、前記傾斜部
分にコロ又はボールを配置したこと、前記凹部の水平部
分を、上下に隣接する支承面において互いに異なる位置
に設けたこと、を特徴とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】本発明は、上部構造体と下部構造体との間
に介装され前記上部構造体を前記下部構造体に対して浮
上可能に支持する免震装置において、前記浮き上がり可
能な面のいずれか一方に設けられた位置を復元するため
のガイドと、前記上部構造体を前記下部構造体に対して
水平移動可能な状態で支持する多段の滑り支承体と、
下の前記滑り支承体の間に配置されたコロと、前記上部
構造体と前記下部構造体とを連結するため前記支承体の
貫通孔内に設けられた連結部材とを備え、前記連結部材
は前記上部構造体と前記下部構造体との間の一定の相対
変位に対して弾性的抵抗力を発生するか、又は一定の変
形の後に弾性的抵抗力を発生するか、或いは両者を組み
合わせて発生することを特徴とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】(作用)本発明に係る免震装置は、浮き上
がり抵抗部材とその周囲の部材との間に、全周に亘って
所定の寸法、例えば支承体の許容変位量の1/6以上の
隙間を設けたので、頻繁に発生する小地震時に支承体の
貫通孔の内周部が浮き上がり抵抗部材に接触するのを防
止できる。また、上下に隣接する支承体の対向面にフッ
クを設けたので、装置を大型化することなく係止力を大
きくでき、これによって支承体が分離するのを確実に防
止できる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】また、多段の滑り支承体を貫通させるか、
又は滑り支承体の中空部に設けた弾性体によって多段の
滑り支承体に一体性と復元力と減衰力を与えることがで
きるので、応答加速度の低減と応答変位の抑制が可能に
なる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】本発明に係る免震装置は、支承体の外周端
一定の強度及び耐火性を有すると共に、剛性の高い
火カバーを被せると共に、耐火カバーと支承体との間に
断熱材を配置したので、耐火性を強化できると共に、耐
火カバーに衝撃が加わった場合でも変形を抑制できる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】本発明は、上下の支承体の対向面に凹部を
設け、この凹部内に連続的又は断続的に減衰部材を挿入
したので、地震時の応答変位と衝撃を低減し、支承体の
残留変位を抑制することができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】また、上下の滑り支承体の間にコロを介装
し、上下のコロを互いに直交配置した場合には、上部構
造体を長周期化でき、また上下の滑り支承体の両方の対
向面に底面が傾斜した凹部を設け、この凹部内にコロ又
はボールを配置した場合には上部構造体が全方向に変位
可能となり、上下に対向する滑り支承面の片方又は両方
に凹部を設け、この凹部の中央部分を傾斜させると共
に、外周側を水平にした場合には、支承体の変位量が大
きい場合でも転がり作用によって変位が滑らかになる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】また、本発明に係る免震装置は、上部構造
体と前記下部構造体とを連結する連結部材が弾性又は粘
弾性を有するので、この連結部材によって上部構造体の
浮き上がり抵抗力を得ることができ、また、連結部材と
その周囲の部材との間に隙間を設ければ、一定の相対変
位の後に引っ張り力を生じさせることもできる
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】上下端の滑り支承体11a、11cを除く
滑り支承体11の中央部には適宜な大きさの貫通孔1
2が設けられ、その内部には積層ゴム13が挿入されて
いる。また、これに代えて引っ張り降伏面圧が20kg
f/cm2以上の積層ゴムを挿入することもできる。こ
のような積層ゴム13としては、例えばブリジストン
(株)製の積層ゴム「HSR(High Streng
th Rubber Bearing)(商標名)など
を使用することができる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】上述の引き抜き抵抗部材16と、その周囲
の免震装置10の構成部材、本実施の形態では、上下端
の滑り支承11a、11cとの間には、次に説明する
理由から、全周に亘って滑り支承体11a〜11cの許
容水平変形量δの1/6以上の隙間d(d≧δ)が設け
られている。また、上下部構造体2、3の穴4、5の深
さH1、H2は、いずれか一方が免震装置10の高さH
以上(H1≧H、H2≧H)となるように設定されてい
る。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】また、図6に示すように減衰材21の周囲
にフック付きストッパ25を設けると共に、このフック
付きストッパ25の当接面に、フックを係止する係止部
26を設けることができる。これにより、滑り支承体1
1a〜11cが水平変位し当接したときにフック付きス
トッパ25と係止部2とが係止され、上下方向の引き
抜き抵抗力が増加するので、滑り支承体11a〜11c
が分離してしまうのを防止することができる。なお、図
6中の符号27は緩衝材である。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】連結部材49の下端は下部構造体3の中央
に固定され、上端には係止部材44が取り付けられてい
る。上端の滑り支承体41aの下面側には、擂り鉢状の
ガイド部材45が取り付けられている。そして、このガ
イド部材45の中央に連結部材49の係止部材44が係
止されている。地震時に上部構造体2が滑り支承体41
aと41bとの間で離間して浮上すると、連結部材49
が伸びるようになっている。この連結部材49の最大伸
び量によって、上部構造体2の許容浮上量が決定され
る。また、一定のたるみをもった場合や、係止部材44
を、バネなどにより隙間を設けて配置し、連部材49
に十分な強度をもたせれば、変形抑制効果を生じ、脱落
防止ができる。離間した後に当接した場合は、ガイド部
材により元の位置に復元する。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】上端の滑り支承体41a以外の滑り支承体
41b〜41eの間には、図10に示すように長尺なコ
ロ46、47が配置されている。これらのコロ46、4
7は、滑り支承体41b〜41eの両側に平行に配置さ
れ、例えば図中において上段のコロ46と下段のコロ4
7は互いに直角になるように配置されている。更に、各
段には、その段のコロ46、47と直角方向に並べて複
数の鋼球48が両側に配置されているが、これは滑り支
承の回転変形やがたつきなどを防止するためである。ま
た、鋼球48の左右の側壁に円弧状の窪みを設けて、上
下の滑り支承の一体性を高めることもできる。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る免震
装置によれば、引き抜き抵抗部材とその周囲の部材との
間に、全周に亘って所定の寸法、例えば滑り支承体の許
容変位量の1/6以上の隙間を設けたので、頻繁に発生
する小地震時に滑り支承体が引き抜き抵抗部材に接触す
るのを防止でき、これにより滑り支承体が変形したり損
傷したりするのを防止することができる。また、上下に
隣接する支承体の対向面にフックを設けたので、装置を
大型化することなく係止力を大きくでき、これにより、
支承体が分離するのを確実に防止できる。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】削除
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】また、支承体を貫通するか、又は多段の滑
り支承体の中空部の周壁に接合された減衰材としての高
減衰ゴム、鉛、粘弾性体、粘性流体又はこれらの複合体
などにより残留変位をより少なくする弾性部材とダンパ
ーを有するので、減衰性能を向上させることができ
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】更に、滑り支承体の外周端に一定の強度及
び耐火性を有すると共に、剛性の高い耐火カバーを被せ
ると共に、耐火カバーと滑り支承体との間に断熱材を配
置したので、耐火性を強化できると共に、耐火カバー
衝撃が加わった場合でも変形を抑制でき、これにより外
観を良好に保持できる。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】また、上下の滑り支承体の対向面に円形凹
部を設け、この円形凹部内に連続的又は断続的に減衰部
材を挿入したので、地震時の変位と加速度及び衝撃を低
減することができ、これにより建造物内部の物品を保護
することができる。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】上下の滑り支承体の間にコロを介装し、上
下のコロを互いに直交配置した場合には、上部構造体の
変位が容易となり、これにより免震性能を確保でき、ま
た上下の滑り支承体の両方の対向面に底面が傾斜した凹
部を設け、この凹部内にコロ又はボールを配置した場合
には上部構造体が全方向に変位可能となるので、全方向
の免震機能を確保できる。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】また、上下に対向する支承面の片方又は両
方に凹部を設け、この凹部の中央部分を傾斜させると共
に、外周側を水平にしたので、支承体の変位量が大きい
場合でも転がり作用によって変位が滑らかになる。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】更に、本発明に係る免震装置は、上部構造
体と前記下部構造体とを連結する連結部材が弾性又はギ
ャップ特性を含む非線形生を有するので、上部構造体の
引き抜き抵抗力を得ることができ、これにより上部構造
体の脱落を防止すると共に、免震機能を確保することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立道 郁生 東京都千代田区富士見二丁目10番26号前田 建設工業株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DE01 DG02 GA01 GA02 GA10 GA62 GA77 HA03 HA11 HA14 HA21 HA32 HA33 HA34 HB02 HB03 HD11 HE01 HF11 HF12 LA03 LA18 3J048 AA02 AA03 BA08 BB10 BC09 BD08 BE04 BG02 BG04 DA01 EA38

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部構造体と下部構造体との間に介装さ
    れる免震装置において、 前記上部構造体を前記下部構造体に対して水平移動可能
    な状態で支持する支承体を備え、 前記支承体の任意の平面位置に貫通孔を設け、 前記上部構造体に作用する浮き上がり力に対する抵抗力
    を増すための浮き上がり抵抗部材を前記貫通孔内に配置
    すると共に、前記浮き上がり抵抗部材の上下端をそれぞ
    れ前記上下部構造体に固定し、 前記浮き上がり抵抗部材と前記貫通孔の間の隙間を、全
    周に亘って前記支承体の許容水平変位量の1/6以上と
    したことを特徴とする免震装置。
  2. 【請求項2】 前記支承体は、引っ張り降伏面圧が20
    kgf/cm2以上の積層ゴムであることを特徴とする
    請求項1に記載の免震装置。
  3. 【請求項3】 前記支承体は滑り支承であり、前記滑り
    支承を貫通するか、又は前記滑り支承の中空部の周壁に
    接合又は当接された減衰材としての高減衰ゴム、鉛、粘
    弾性体、粘性流体又はこれらの複合体などによる弾性部
    材、又はダンパー、或いは両者の複合体としての機能を
    有することを特徴とする請求項1または2に記載の免震
    装置。
  4. 【請求項4】 上部構造体と下部構造体との間に介装さ
    れる免震装置において、 前記上部構造体を前記下部構造体に対して水平移動可能
    な状態で支持する支承体と、 前記支承体の外周端に被せられた耐火カバーと、 前記耐火カバーと前記支承体との間に配置された断熱材
    と、 前記耐火カバーの隙間に配置された耐火パッキンとを備
    えたことを特徴とする免震装置。
  5. 【請求項5】 上部構造体と下部構造体との間に介装さ
    れる免震装置において、 前記上部構造体を前記下部構造体に対して水平移動可能
    な状態で支持する支承体を備え、 上下の前記支承体の対向面に凹部を設け、 前記凹部内に連続的又は断続的に減衰部材を挿入したこ
    とを特徴とする免震装置。
  6. 【請求項6】 前記上下の支承体の対向面にフックを設
    け、前記支承体の水平変位量が所定量以上となったとき
    に前記フックが係止して、前記フックの上下方向に所定
    の係止力が発生することを特徴とする請求項1から5の
    いずれかに記載の免震装置。
  7. 【請求項7】 前記上下の支承体の間にコロを介装し、 上下段の前記コロを互いに直交配置したことを特徴とす
    る請求項1から6のいずれかに記載の免震装置。
  8. 【請求項8】 前記上下の支承体の両方の対向面に底面
    が傾斜した凹部を設け、 前記凹部内にコロ又はボールを配置したことを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれかに記載の免震装置。
  9. 【請求項9】 前記上下の支承体の片方又は両方の対向
    面に凹部を設け、前記凹部の底面の中央に傾斜部分を設
    けると共に、前記傾斜部分の外側に水平部分を設け、前
    記傾斜部分にコロ又はボールを配置したことを特徴とす
    る請求項1〜8のいずれかに記載の免震装置。
  10. 【請求項10】 前記凹部の水平部分は、上下に隣接す
    る支承面において互いに異なる位置に設けたことを特徴
    とする請求項1〜9のいずれかに記載の免震装置。
  11. 【請求項11】 上部構造体と下部構造体との間に介装
    され前記上部構造体を前記下部構造体に対して浮上可能
    に支持する免震装置において、 前記浮き上がり可能な面のいずれか一方に位置を復元す
    るためのガイドを有し、 前記上部構造体を前記下部構造体に対して水平移動可能
    な状態で支持する支承体と、 前記上部構造体と前記下部構造体とを連結するため前記
    支承体の貫通孔内に設けられた連結部材とを備え、 前記連結部材は前記上部構造体と前記下部構造体との間
    の一定の相対変位に対して弾性的抵抗力を発生するか、
    又は一定の変形の後に弾性的抵抗力を発生するか、或い
    は両者を組み合わせたことを特徴とする免震装置。
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