JP2560992Y2 - 弾性支持免震構造物の転倒防止装置 - Google Patents

弾性支持免震構造物の転倒防止装置

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JP2560992Y2 JP1991054734U JP5473491U JP2560992Y2 JP 2560992 Y2 JP2560992 Y2 JP 2560992Y2 JP 1991054734 U JP1991054734 U JP 1991054734U JP 5473491 U JP5473491 U JP 5473491U JP 2560992 Y2 JP2560992 Y2 JP 2560992Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】イ.考案の目的 (1)産業上の利用分野 この考案は、ゴム弾性支承によって支持され、該ゴム弾
性支承の免震作用を利用するいわゆる弾性支持免震構造
物に関し、更に詳しくは、該弾性支持免震構造物の転倒
防止装置に関する。
【0002】(2)従来の技術 この種の免震構造物の転倒防止装置として、特開昭60
−261870号公報が公知である。すなわち、該公知
技術によれば、基礎上に複数のゴム弾性支承によって支
持される重心の高い高層建築物を対象とし、基礎と上部
構造との間にケーブルが設けてあり、これらのケーブル
が基礎及び上部構造の垂直方向空所内に配置してあり、
両端に前記空所の直径よりも幅の広いヘッドピースを備
えており、上方のヘッドピース内に弾性詰物または詰物
要素がすえ付けてある構成を採るものである。しかし
て、この構成により、地震の発生により基礎が前後・左
右動したとき、基礎と上部構造との間に相対的変位が生
じ、この変位をケーブルがその引張り抗力により抵抗
し、上部構造の転倒に至る過度な変位を阻止するという
ものである。
【0003】しかしながら、上部構造の変位は実際的に
は、回転を伴う上下動要素すなわちロッキング運動を含
み、圧縮側に配されたこの装置においてはケーブルが無
負荷状態となり、当該部では機能を果さず、全体として
の効果が半減し、更には、引張り側になった際に衝撃が
発生し、破損原因ともなる。また、上部のヘッドピース
部分においては、回転のみを許容するピン結合となって
いるので、上部構造の変位がそのまま伝わり、当該変位
の鉛直分は弾性詰物の圧縮によって吸収され、この結
果、該弾性詰物過度に圧縮される等、該弾性詰物部に
おいても破損が生ずる事態となる。
【0004】(3)考案が解決しようとする問題点 本考案は上記実情に鑑みなされたものであり、免震構造
物の下部に配されるこの種の複数の転倒防止装置におい
て、上部構造がどのように揺れても、上部構造の下部に
配されたどの転倒防止装置も有効に機能し、かつ、当該
部分における破損原因の解消を図ることを目的とする。
【0005】ロ.考案の構成 (1)問題点を解決するための手段 本考案の弾性支持免震構造物の転倒防止装置は上記目的
を達成するため、次の技術的手段 (構成)を採る。第1番目の弾性支持免震構造物の転倒
防止装置においては、上部構造と下部構造との間の空間
にゴム弾性支承が介装され、該ゴム弾性支承の鉛直剛性
により上部構造の荷重を支持し、その水平剛性により構
造物間の横振動を吸収する構造系において、前記ゴム弾
性支承の丈高よりも十分に長い長尺体よりなり、その下
端部を下部構造に固定され、その上部を上部構造の凹部
内に突入される引張り材と;上部構造に固設され、前記
引張り材をその中央に開設された孔部内に移動域を存し
て受け入れ、その上面がすべり面に形成されてなる定着
板と;前記定着板のすべり面に摺動自在に載置され、前
記引張り材の上端が固設される滑動子と;からなり、前
記引張り材には、前記ゴム弾性支承に載荷される支持荷
重の所要割合の引張り力が導入されてなることを特徴と
する。この構成において、引張り材における十分の長さ
とはゴム弾性支承の許容変形 状態で可及的影響を受けな
い長さをいう。 上記構成に付加して、次の態様を採る。 定着板のすべり面は凹曲面に形成され、滑動子の下面
はこの凹曲面に合致する凸曲面に形成されてなる。 引張り材はゴム弾性支承の中心に形成した該引張り材
の動きを許容する中心孔を貫通して配される。 引張り材はゴム弾性支承に独立して配される
【0006】第2番目の弾性支持免震構造物の転倒防止
装置においては、上部構造と下部構造との間の空間にゴ
ム弾性支承が介装され、該ゴム弾性支承の鉛直剛性によ
り上部構造の荷重を支持し、その水平剛性により構造物
間の横振動を吸収する構造系において、前記ゴム弾性支
承の丈高よりも十分に長い長尺体よりなり、その下端部
を下部構造に固定され、その上部を上部構造の凹部内に
突入される引張り材と;上部構造に固設され、前記引張
り材の上端が固設される定着板と;からなり、前記引張
り材には、前記ゴム弾性支承に載荷される支持荷重の所
要割合の引張り力が導入されてなる、ことを特徴とす
る。この構成においても、引張り材における十分の長さ
とはゴム弾性支承の許容変形状態で可及的影響を受けな
い長さをいう。
【0007】(2)作用 地震により下部構造が水平振動すると、該下部構造と上
部構造との間に相対的変位が生じ、ゴム弾性支承はこの
変位に追従し、ゴム弾性支承上に支持された上部構造は
長周期化された固有の振動周期をもって振動する。第1
及び第2の本転倒防止装置においては、ともに、上部構
造にロッキング運動が生じても、引張り材はその圧縮側
において引張り力を失わず、常時張力を保持し、引張り
側となったとき、円滑な応力の変換が行われる。また、
引張り材はゴム弾性支承の丈高を超えて十分な長さを保
持するので、曲げの変形に伴う伸び歪が小さく、ゴム弾
性支承の変形を何ら拘束することはない。第1の本転倒
防止装置においては、更に、引張り材の上部ではすべり
変位が許容され、上下部構造物間の変位に比べて可及的
小さな変位にとどまり、該引張り材の曲げ変形量も小さ
く、ゴム弾性支承への負担が軽減される。
【0008】(3)実施例 本考案の弾性支持免震構造物の転倒防止装置の実施例を
図面に基づいて説明する。 (第1実施例の構成) 図1及び図2はその一実施例の弾性支持免震構造物の転
倒防止装置(以下単に「転倒防止装置」という)を示
す。すなわち、本実施例においてはゴム支承一体型の転
倒防止装置を示し、図1はこの転倒防止装置の全体の断
面構造を示し、図2はその変位状態を示す。
【0009】図1において、Bは地盤に打設された杭基
礎等に連なる下部構造であり、Gは建築物等の上部構造
である。Rはゴム弾性支承であり、上部構造Gと下部構
造Bとの間の空間に所要数をもって介装され、上部構造
Gの荷重を下部構造Bに伝達する。しかして、本転倒防
止装置Sは、このゴム弾性支承Rに付置して形成され、
これらの下部構造Bと上部構造Gとの間に介装され、鋼
棒1と定着板2と滑動子3とを主要構成要素として構成
される。
【0010】もっと詳しくは、ゴム弾性支承Rは、中央
には上下に貫通する比較的大径の中央孔10が開設さ
れ、鋼板11とゴム体12とが交互に積層された積層ゴ
ム体13を主体とし、上部に上部取付け板14、下部に
下部取付け板15が固設されてなる。そして、上部取付
け板14は上部構造Gの下面に固設され、下部取付け板
15は下部構造Bに埋設定着された基台17上に固設さ
れる。基台17にもゴム弾性支承Rの中央孔10に連な
る中央孔18が開設される。なお、該基台17は適宜省
略されうる。該ゴム弾性支承Rは当然のことながら、少
なくとも上部構造Gを自立保持しうる個数をもって下部
構造B上に配されるものである。
【0011】転倒防止装置Sにおいては、鋼棒1はゴム
弾性支承Rの丈高よりも十分に長い弾性の長尺体よりな
り、ゴム弾性支承R及び基台17の中央孔10,18の
孔軸上に沿い、その中間部を下部構造B内に形成された
凹部20内に配され、その下端部は下部構造Bに埋設固
定され、その上端部はねじ部1aとされ、上部構造Gの
凹部21内に突設される。この鋼棒1は耐引張り材とし
て機能し、その長さとともに可撓性により曲げを容易に
許容する。このため、鋼棒12の長さはゴム弾性支承R
の丈高の少なくとも3倍以上とされる。下部構造Bに形
成される下部凹部20は、基台17の中央孔18に嵌装
して配される保護管23によって形成される。保護管2
3は鋼棒1の曲げ変形を許容すべく所定の長さと内径と
を有する。保護管23の底部には鋼棒1を接続する継ぎ
手管24が固設され、この接続管24より下部構造B内
にアンカー部材25が延設される。上部構造Gの上部凹
部21は、上部構造Gの下面に埋設された保護枠体27
によって形成される。
【0012】定着板2はこの保護枠体27に囲撓され、
上部凹部21の開口端に臨んで配される。定着板2は、
所定厚さを有する剛性体よりなり、上面28が所定の曲
率をもつ凹曲面に形成され、中央にはゴム弾性支承Rの
中央孔10に連なる中央孔29が形成される。定着板2
の固定は、ゴム弾性支承Rの上部取付け板14に定着さ
れるか、保護枠体27に定着される。
【0013】滑動子3は、所定厚さを保持した剛性の円
板体よりなり、その外径は、定着板2の中央孔29より
も十分に大きく、かつ、定着板2の最小差渡し距離より
も小さくされる。そして、その下面31は、定着板2の
上面28の凹曲面の曲率に合致する凸曲面とされ、ま
た、その中央には鋼棒1の上部が挿通される小孔の鋼棒
挿通孔32が開設されている。該滑動子3は定着板2に
載置され、定着板2の上面28の凹曲面に沿って滑動自
在となる。留意すべくは、滑動子3の移動によってもそ
の鋼棒挿通孔32は実質的に鋼棒1に拘束を加えないこ
とである。
【0014】鋼棒1の上部は、定着板2の中央孔29及
び滑動子3の鋼棒挿通孔32内に挿通され、滑動子3
上面より突出したねじ部1aにナット34が螺合され
る。このようにして、鋼棒1にはナット34の締込みに
より緊張力が導入される。なお、鋼棒1の長さは、上下
の固定点(34,24)間での曲げ変形の影響を小さく
するため、可及的長く採られることが好ましい。実構造
物に対しては、例えば5m程度とされる。
【0015】このゴム支承一体型の転倒防止装置Sは、
建物の下面のすべてに配される必要はなく、ロッキング
現象の現われる建物の周辺部へのみ配する態様を採るこ
とができる。この場合、建物の中心部付近は通常のゴム
支承Rが配される。
【0016】本実施例の転倒防止装置Sの設置におい
て、ゴム弾性支承Rは上部構造Gの荷重を受けてその積
層ゴム体13は所定量の圧縮を受けるが、本転倒防止装
置Sにおける鋼棒1のナット34による締込みにより鋼
棒1に更に緊張力が付加され、積層ゴム体13は緊張力
に見合う分の圧縮変形を受ける。因みに、付加緊張力
は、ゴム弾性支承Rの支持荷重が200トンに対し、5
0トン程度を目安とする。
【0017】(第1実施例の作用・効果) このように構成された実施例の転倒防止装置Sは、次の
ように作用する。構造物自体の剛性によって耐えうる程
度の外力、例えば風荷重程度のものが作用したとき、こ
の構造系においては、鋼棒1に付与された張力により、
上下構造G,Bは一体性を発揮し、上部構造Gは容易に
は振動しない。
【0018】構造系に過大な外力、換言すれば鋼棒の張
力による定着力を上回る力、例えば地震動による水平地
震力が作用したとき、下部構造Bの水平振動に伴い、該
下部構造Bと上部構造Gとの間に相対的変位が惹起され
る。上下構造G,B間に介装されたゴム弾性支承Rによ
り、上部構造Gは下部構造Bの変位から絶縁され、その
固有の長周期の振動周期をもって振動する。
【0019】図2はこの構造系の変位状態を示すもので
あって、上部構造Gがイ方向(下部構造Bがロ方向)に
最大に振れた状態を示す。このとき、ゴム弾性支承Rは
横方向へ最大の変形を受けている。
【0020】図2に示されるように、本転倒防止装置S
においては、上部構造Gの変位により、鋼棒1の上端1
aも同方向への変位を受けて鋼棒1は曲げ変形する。こ
の変形により、鋼棒1は引張り抵抗を発揮し、上部構造
Gの変位に抵抗し、かつまた、引き戻し力を与えて、従
って、上部構造Gの転倒防止機能を発揮する。このと
き、本実施例装置Sにおいては、定着板2と滑動子3と
が摺動を許容されているので、鋼棒1の上端1aの変位
は構造物G,B間の相対変位量よりも小さく、従って、
鋼棒1のたわみは小さく、鋼棒1に過大な応力が生じな
い。更に、定着板2と滑動子3との曲面接触は、定位置
すなわち中立位置に復帰しようとする特性が働くととも
に、定着板2と滑動子3とは面的に接したものであるの
で、その当接面に摩擦抵抗力が生じ、地震動エネルギー
を吸収して、振動の減衰作用を生ずる。
【0021】構造系の変位において、上部構造Gにロッ
キング現象が生じた際、引張り側に配された本装置Sに
おいては上述したとおりその鋼棒1が引張り抗力を発揮
する。一方、圧縮側に配された本装置Sにおいては、鋼
棒1に付与された張力により、鋼棒1は無負荷状態更に
は圧縮状態とならず、鋼棒1の引張り抵抗力が維持さ
れ、従って、転倒阻止機能が保持される。これにより、
全体的に転倒阻止機能を失うことがない。地震動による
水平振動はどの方向にも起こり、本装置Sにおいてはど
の方向にも変位を許容できるので、無方向の水平振動に
対応する。
【0022】このように、本実施例の転倒防止装置Sに
よれば、上部構造Gにロッキング運動が生じた際、圧縮
側に配された本装置Sにおいても浮き上がりが生ぜず、
有効に機能するので、全体の転倒防止作用が向上する。
また、浮き上がりに直接的に抵抗する鋼棒1の上部はす
べりが許容されるので、当該部では構造物B,G間の相
対的変位よりも小さくなり、鋼棒1の変位が小さくな
り、このため、過大な応力が生ぜず、破損の原因が減少
する。更には、ゴム弾性支承Rへの負担が軽減し、ゴム
弾性支承Rを破損させることはない。本転倒防止装置S
における定着板2と滑動子3との摺動作用により、その
摩擦効果により構造物間の振動の減衰をなすことがで
き、かつ、それらの曲面接触により、定位置への復帰作
用が生じ、構造物間の振動の減衰に寄与する。
【0023】(第2実施例) 図3は本考案の他の実施例(第2実施例)を示す。図に
おいて、先の第1実施例と同等の部材については同一の
符号が付されている。この実施例においては、ゴム弾性
支承Rと転倒防止装置Sとは別体として上部構造Gと下
部構造Bとの間に介装される。もっと詳しくは、このゴ
ム弾性支承Rはゴム積層体の中心に鉛プラグ36が封入
されたいわゆる鉛封入ゴム支承が使用され、振動の減衰
機能をもつ。転倒防止装置Sにおいては、保護管23が
単独で下部構造B中に埋設されていること、また、上部
凹部21の開口端部に介装板37が配され、該介装板3
7を介して定着板2が固設されること以外は、先の実施
例に準じる。本実施例においては、ゴム弾性支承Rと転
倒防止装置Sとが別体となっているので、転倒防止装置
Sの配設が自由となり、最小限の配設により経済的に施
工を行うことができ、また、必要に応じてゴム弾性支承
Rより多数配することができ、更には増設も可能であ
る。また、ゴム弾性支承Rには鉛プラグが封入され、そ
の減衰性が付加されることにより、構造系として大きな
減衰特性を得ることができる。
【0024】(第3実施例) 図4は本考案の更に他の実施例(第3実施例)を示す。
図において、先の2つの実施例と同等の部材については
同一の符号が付されている。この実施例では、上部構造
Gにおける凹部、及び鋼棒1の上部の固定態様の構成以
外は第1実施例と実質的に同一の構成を採る。すなわ
ち、上部構造Gの下面に所定厚さを有するスペーサ部材
40が固設され、該スペーサ部材40の中央には上部凹
部21が形成される。また、該スペーサ部材40の凹部
21を塞ぐようにして、定着平板41が該スペーサ部材
40に対して固定される。そして、鋼棒1はその上端の
ねじ部1aを該定着平板41の中央孔42に挿通され、
該ねじ部1aに締付けナット43が螺装され、鋼棒1に
緊張力が導入される。また、この実施例では鋼棒1の長
さは先の実施例のものよりも長目にされ、その全長に対
する曲げ角度の相対的減少を図る。本実施例の弾性支持
免震構造物の転倒防止装置によれば、先の実施例のよう
に定着部材すなわち定着平板にすべりが許容されていな
いので、該すべりの効果は期待できないが、ロッキング
運動における圧縮側の浮き上がり防止機能を発揮するこ
とにおいて先の実施例と変わるところはない。
【0025】本考案は上記実施例に限定されるものでは
なく、本考案の基本的技術思想の範囲内で種々設計変更
が可能である。すなわち、以下の態様は本考案の技術的
範囲内に包含されるものである。 叙上の各実施例では引張り材1として鋼棒が使用され
たが、鋼索、あるいはFRP製ロッドであってもよい。 第1・第2実施例において、定着板2と滑動子3との
すべり面を互いに平面接触とすること。この場合、引張
り材1の滑動子3への固定は回転変位を許容するピン固
定が好ましい。
【0026】ハ.考案の効果 本考案の弾性支持免震構造物の転倒防止装置は上記構成
よりなり作用を奏するものであるので、以下の効果を有
する。請求項1〜5の発明については、上部構造にロッ
キング運動が生じた際、圧縮側に配された本装置におい
ても浮き上がりが生ぜず、有効に機能するので、全体の
転倒防止作用が向上する。また、引張り材はゴム弾性支
承の丈高を超えて十分な長さを保持しているので、曲げ
の変形に伴う伸び歪が小さく、ゴム弾性支承のせん断変
形を何ら拘束することはなく、ゴム弾性支承の減衰機能
を保償する。 また、請求項1〜4の発明においては、
記効果に加え、浮き上がりに直接的に抵抗する引張り材
の上部はすべりが許容されるので、当該部では構造物間
の相対的変位よりも小さくなり、引張り材の変位が小さ
くなり、かつ、過大な応力が生ぜず、破損の原因が減少
する。更には、ゴム弾性支承への負担が軽減し、ゴム弾
性支承を破損させることはない。本転倒防止装置におけ
る定着板と滑動子との摺動作用により、その摩擦効果に
より構造物間の振動の減衰をなすことができ、かつ、そ
れらの曲面接触により、定位置への復帰作用が生じ、構
造物間の振動の減衰に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の更に弾性支持免震構造物の転倒防止装
置の一実施例(第3実施例)の縦断面図である。
【図2】その変位状態を示す縦断面図である。
【図3】本考案の他の実施例(第2実施例)の縦断面図
である。
【図4】本考案の更に他の実施例(第3実施例)の縦断
面図である。
【符号の説明】
B…下部構造、G…上部構造、R…ゴム弾性支承、S…
転倒防止装置、1…鋼棒、2…定着板、3…滑動子、2
9…中央孔、41…定着平板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 東野 雅彦 東京都江東区南砂2丁目5番14号 株式 会社竹中工務店技術研究所内 (72)考案者 下田 郁夫 神奈川県藤沢市桐原町8番地 オイレス 工業株式会社内 (72)考案者 池永 雅良 神奈川県藤沢市桐原町8番地 オイレス 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−257237(JP,A) 特開 昭64−66334(JP,A)

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部構造と下部構造との間の空間にゴム
    弾性支承が介装され、該ゴム弾性支承の鉛直剛性により
    上部構造の荷重を支持し、その水平剛性により構造物間
    の横振動を吸収する構造系において、前記ゴム弾性支承の丈高よりも十分に長い 長尺体よりな
    り、その下端部を下部構造に固定され、その上部を上部
    構造に形成した凹部内に突入される引張り材と;上部構
    造に固設され、前記引張り材をその中央に開設された孔
    部内に移動域を存して受け入れ、その上面がすべり面に
    形成されてなる定着板と;前記定着板のすべり面に摺動
    自在に載置され、前記引張り材の上端が固設される滑動
    子と;からなり、 前記引張り材には、前記ゴム弾性支承に載荷される支持
    荷重の所要割合の引張り力が導入されてなる、 ことを特徴とする弾性支持免震構造物の転倒防止装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、定着板のすべり面は凹
    曲面に形成され、滑動子の下面はこの凹曲面に合致する
    凸曲面に形成されてなる弾性支持免震構造物の転倒防止
    装置。
  3. 【請求項3】引張り材はゴム弾性支承の中心に形成した
    該引張り材の動きを許容する中心孔を貫通して配される
    請求項1又は2に記載の弾性支持免震構造物の転倒防止
    装置。
  4. 【請求項4】引張り材はゴム弾性支承に独立して配され
    る請求項1又は2に記載の弾性支持免震構造物の転倒防
    止装置。
  5. 【請求項5】上部構造と下部構造との間の空間にゴム弾
    性支承が介装され、該ゴム弾性支承の鉛直剛性により上
    部構造の荷重を支持し、その水平剛性により構造物間の
    横振動を吸収する構造系において、前記ゴム弾性支承の丈高よりも十分に長い 長尺体よりな
    り、その下端部を下部構造に固定され、その上部を上部
    構造に形成した凹部内に突入される引張り材と;上部構
    造に固設され、前記引張り材の上端が固設される定着板
    と;からなり、 前記引張り材には、前記ゴム弾性支承に載荷される支持
    荷重の所要割合の引張り力が導入されてなる、 ことを特徴とする弾性支持免震構造物の転倒防止装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0833082B2 (ja) * 1990-03-06 1996-03-29 鹿島建設株式会社 積層ゴム免震装置

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JPH04125359U (ja) 1992-11-16

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