JPH10230540A - 二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法 - Google Patents
二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法Info
- Publication number
- JPH10230540A JPH10230540A JP9037372A JP3737297A JPH10230540A JP H10230540 A JPH10230540 A JP H10230540A JP 9037372 A JP9037372 A JP 9037372A JP 3737297 A JP3737297 A JP 3737297A JP H10230540 A JPH10230540 A JP H10230540A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- polyamide film
- biaxially stretched
- die
- mxd6
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 包装材料として十分な強度を有し、かつ、長
手方向に引裂直進性を有する二軸延伸ポリアミドフィル
ムを安定して生産する方法を提供する。 【解決手段】 ナイロン6(N6)/ポリメタキシリレ
ンアジパミド(MXD6)=80/20〜95/5(重量比)
からなる組成物 100重量部に対して、脂肪酸アミド系滑
剤を 0.05 〜 0.5重量部配合した組成物を原料として用
い、ダイスよりシート状に溶融押出した後、縦及び横方
向に延伸して得られた二軸延伸ポリアミドフィルムにお
いて、ダイス先端(ダイリップ)における溶融樹脂のせ
ん断速度を102 〜103sec-1の範囲の条件で押し出すこと
を特徴とする二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
手方向に引裂直進性を有する二軸延伸ポリアミドフィル
ムを安定して生産する方法を提供する。 【解決手段】 ナイロン6(N6)/ポリメタキシリレ
ンアジパミド(MXD6)=80/20〜95/5(重量比)
からなる組成物 100重量部に対して、脂肪酸アミド系滑
剤を 0.05 〜 0.5重量部配合した組成物を原料として用
い、ダイスよりシート状に溶融押出した後、縦及び横方
向に延伸して得られた二軸延伸ポリアミドフィルムにお
いて、ダイス先端(ダイリップ)における溶融樹脂のせ
ん断速度を102 〜103sec-1の範囲の条件で押し出すこと
を特徴とする二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた透明性、実
用強度、寸法安定性を有し、長手方向に引裂いた際の直
進性に優れた食品、医薬品、雑貨等の包装材料として好
適な二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法に関するも
のである。
用強度、寸法安定性を有し、長手方向に引裂いた際の直
進性に優れた食品、医薬品、雑貨等の包装材料として好
適な二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】食品、医薬品、雑貨等の包装には、各種
のプラスチックフィルム製包装袋が多量に使用されてお
り、通常、二軸延伸されたプラスチックフィルムとヒー
トシール可能な無配向フィルムとをラミネートしたもの
が多く用いられている。
のプラスチックフィルム製包装袋が多量に使用されてお
り、通常、二軸延伸されたプラスチックフィルムとヒー
トシール可能な無配向フィルムとをラミネートしたもの
が多く用いられている。
【0003】特に、二軸延伸ポリアミドフィルムはガス
バリヤー性が優れるため、食品などを長期間保存する上
で好適な包装材料である。包装袋に要求される特性とし
ては、強度と、開封するときの易引裂性の一見相反する
と思われる2つの特性を兼備していることが要求され
る。従来、易引裂性を満たすためには、ミシン目、ティ
アテープ、あるいはノッチを付したりするという工夫が
なされている。しかし、このような従来の方法では、新
たに加工工程を追加することが必要であり、また、フィ
ルムの強度が低下するという問題がある。また、一軸延
伸ポリプロピレンフィルムをラミネートする方法がある
が、引き裂くために大きな力を要したり、あるいは、包
装袋を直線的に引き裂けないというトラブルがしばしば
発生する。このような場合、開封と同時に内容物が飛散
すると、内容物が無駄になったり、また、衣服や調度品
を汚したり、あるいは、内容物が熱い場合、火傷の原因
になったりするというトラブルが生じる。
バリヤー性が優れるため、食品などを長期間保存する上
で好適な包装材料である。包装袋に要求される特性とし
ては、強度と、開封するときの易引裂性の一見相反する
と思われる2つの特性を兼備していることが要求され
る。従来、易引裂性を満たすためには、ミシン目、ティ
アテープ、あるいはノッチを付したりするという工夫が
なされている。しかし、このような従来の方法では、新
たに加工工程を追加することが必要であり、また、フィ
ルムの強度が低下するという問題がある。また、一軸延
伸ポリプロピレンフィルムをラミネートする方法がある
が、引き裂くために大きな力を要したり、あるいは、包
装袋を直線的に引き裂けないというトラブルがしばしば
発生する。このような場合、開封と同時に内容物が飛散
すると、内容物が無駄になったり、また、衣服や調度品
を汚したり、あるいは、内容物が熱い場合、火傷の原因
になったりするというトラブルが生じる。
【0004】ポリアミド樹脂の改質により、易引裂性を
付与する方法として、N6/MXD6=85〜40/15〜60
(重量比)からなる混合ポリアミド組成物を溶融押出
し、インフレーション法を用いて、長手方向(MD)、
巾方向(TD)共に 2.8倍以上に延伸した易引裂性フィ
ルム、およびこの易引裂性フィルムが複数層の一層とし
て形成されたラミネートフィルムが提案されている(特
開平5−220837号公報、特開平5−200958公報)。
付与する方法として、N6/MXD6=85〜40/15〜60
(重量比)からなる混合ポリアミド組成物を溶融押出
し、インフレーション法を用いて、長手方向(MD)、
巾方向(TD)共に 2.8倍以上に延伸した易引裂性フィ
ルム、およびこの易引裂性フィルムが複数層の一層とし
て形成されたラミネートフィルムが提案されている(特
開平5−220837号公報、特開平5−200958公報)。
【0005】また、N6/MXD6=80〜95/20〜5
(重量比)の混合物からなり、MXD6の分散粒子の形
状を特定の形状に分散させた引裂直進性を有する二軸延
伸ポリアミドフィルムが提案されている(特開平7−11
3015号公報)。
(重量比)の混合物からなり、MXD6の分散粒子の形
状を特定の形状に分散させた引裂直進性を有する二軸延
伸ポリアミドフィルムが提案されている(特開平7−11
3015号公報)。
【0006】しかしながら、上記のような従来のフィル
ムにおいては、易引裂性を付与できたとしても、製膜安
定性に問題があったり、フィルムの厚み斑が大きくなり
商品価値が低下したり、あるいは引裂直進性が不十分な
場合があった。
ムにおいては、易引裂性を付与できたとしても、製膜安
定性に問題があったり、フィルムの厚み斑が大きくなり
商品価値が低下したり、あるいは引裂直進性が不十分な
場合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決しようとするものであり、ポリアミドフィルム
の強靭性と優れた透明性と厚み均一性を有し、かつ、フ
ィルムの長手方向に引き裂いた際の直進性に優れた二軸
延伸ポリアミドフィルムを安定して生産することができ
る方法を提供しようとするものである。
点を解決しようとするものであり、ポリアミドフィルム
の強靭性と優れた透明性と厚み均一性を有し、かつ、フ
ィルムの長手方向に引き裂いた際の直進性に優れた二軸
延伸ポリアミドフィルムを安定して生産することができ
る方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の製造方
法を用いることにより、引裂直進性を有し、かつ、厚み
斑の少ないポリアミドフィルムを安定して生産すること
ができることを見い出し、本発明に到達した。
課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の製造方
法を用いることにより、引裂直進性を有し、かつ、厚み
斑の少ないポリアミドフィルムを安定して生産すること
ができることを見い出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち本発明の要旨は、ナイロン6(N
6)/ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)=80
/20〜95/5(重量比)からなる組成物 100重量部に対
して、脂肪酸アミド系滑剤を 0.05 〜 0.5重量部配合し
た組成物を原料として用い、ダイスよりシート状に溶融
押出した後、縦及び横方向に延伸して得られた二軸延伸
ポリアミドフィルムにおいて、ダイス先端(ダイリッ
プ)における溶融樹脂のせん断速度を102 〜103sec-1の
範囲の条件で押し出すことを特徴とする二軸延伸ポリア
ミドフィルムの製造方法にある。
6)/ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)=80
/20〜95/5(重量比)からなる組成物 100重量部に対
して、脂肪酸アミド系滑剤を 0.05 〜 0.5重量部配合し
た組成物を原料として用い、ダイスよりシート状に溶融
押出した後、縦及び横方向に延伸して得られた二軸延伸
ポリアミドフィルムにおいて、ダイス先端(ダイリッ
プ)における溶融樹脂のせん断速度を102 〜103sec-1の
範囲の条件で押し出すことを特徴とする二軸延伸ポリア
ミドフィルムの製造方法にある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるポリア
ミドは、N6とMXD6の混合物であるが、本発明の効
果を損なわない範囲で、他のポリアミドや、ポリアミド
樹脂に通常用いられる各種の無機及び有機系の添加剤を
配合してもよい。無機系添加剤としてはタルク、シリ
カ、アルミナ、マグネシア、炭酸カルシウムなどの滑剤
やハロゲン化銅などの酸化防止剤が挙げられ、有機系添
加剤としてはε−カプラミド二量体、グラファイトなど
の結晶核剤、芳香族アミン、ヒンダードフェノールなど
の酸化防止剤、変性ポリオレフィンなどのフィルム改質
剤が例示される。
ミドは、N6とMXD6の混合物であるが、本発明の効
果を損なわない範囲で、他のポリアミドや、ポリアミド
樹脂に通常用いられる各種の無機及び有機系の添加剤を
配合してもよい。無機系添加剤としてはタルク、シリ
カ、アルミナ、マグネシア、炭酸カルシウムなどの滑剤
やハロゲン化銅などの酸化防止剤が挙げられ、有機系添
加剤としてはε−カプラミド二量体、グラファイトなど
の結晶核剤、芳香族アミン、ヒンダードフェノールなど
の酸化防止剤、変性ポリオレフィンなどのフィルム改質
剤が例示される。
【0011】また、N6の相対粘度は 2.5〜 4.0、好ま
しくは、2.9 〜3.3 である。相対粘度が 2.5未満の場合
にはMXD6の分散粒子径が大きくなり、フィルムの引
裂直進性が低下し、また、相対粘度が 4.0より大きいと
フィルムの押出製膜性が低下するため好ましくない。
しくは、2.9 〜3.3 である。相対粘度が 2.5未満の場合
にはMXD6の分散粒子径が大きくなり、フィルムの引
裂直進性が低下し、また、相対粘度が 4.0より大きいと
フィルムの押出製膜性が低下するため好ましくない。
【0012】本発明におけるMXD6としては、本発明
の効果を損ねない範囲であれば、パラキシリレンアジパ
ミド成分を5%以下(重量%)程度含有したものでもよ
い。
の効果を損ねない範囲であれば、パラキシリレンアジパ
ミド成分を5%以下(重量%)程度含有したものでもよ
い。
【0013】また、MXD6の相対粘度は 2.0〜3.0 、
好ましくは 2.3〜2.5 である。相対粘度が 2.0未満の場
合、N6中でのMXD6の分散粒子の生成が阻害され、
得られるフィルムの引裂直進性が低下する。また、相対
粘度が3.0 より大きいと、MXD6の分散粒子径が大き
くなり、引裂直進性が低下する。
好ましくは 2.3〜2.5 である。相対粘度が 2.0未満の場
合、N6中でのMXD6の分散粒子の生成が阻害され、
得られるフィルムの引裂直進性が低下する。また、相対
粘度が3.0 より大きいと、MXD6の分散粒子径が大き
くなり、引裂直進性が低下する。
【0014】本発明におけるN6とMXD6の重量比
は、N6/MXD6=80/20〜95/5(重量比)であ
る。MXD6が20重量%より多い場合、フィルムの厚み
変動等の操業的な問題が発生しやすく、また、MXD6
が5重量%より少ない場合は引裂直進性が得られないた
め好ましくない。
は、N6/MXD6=80/20〜95/5(重量比)であ
る。MXD6が20重量%より多い場合、フィルムの厚み
変動等の操業的な問題が発生しやすく、また、MXD6
が5重量%より少ない場合は引裂直進性が得られないた
め好ましくない。
【0015】本発明において用いられる脂肪酸アミド系
滑剤としては、飽和脂肪酸のアミド化合物が好適であ
り、特に、メチルステアリルアミド、エチルステアリル
アミド、メチレンビスステアリルアミド、エチレンビス
ステアリルアミドなどのステアリン酸化合物が好まし
い。
滑剤としては、飽和脂肪酸のアミド化合物が好適であ
り、特に、メチルステアリルアミド、エチルステアリル
アミド、メチレンビスステアリルアミド、エチレンビス
ステアリルアミドなどのステアリン酸化合物が好まし
い。
【0016】本発明において脂肪酸アミド系滑剤の添加
量は、N6とMXD6の混合物 100重量部に対して、
0.05 〜 0.5重量部である。脂肪酸アミドの添加量が 0.
05 重量部未満の場合、引裂直進性に対する改善効果が
小さく、また、 0.5重量部より多いと、得られるフィル
ムの強度が低下するため好ましくない。
量は、N6とMXD6の混合物 100重量部に対して、
0.05 〜 0.5重量部である。脂肪酸アミドの添加量が 0.
05 重量部未満の場合、引裂直進性に対する改善効果が
小さく、また、 0.5重量部より多いと、得られるフィル
ムの強度が低下するため好ましくない。
【0017】本発明においては、溶融樹脂のダイリップ
におけるせん断速度を102 〜103sec-1とすることが必要
である。本発明におけるフィルムにおいては、MXD6
がN6中に島状に微分散し、製膜中の剪断によりMXD
6が流れ方向に棒状に配列すること(分散粒子の異方
性)によってフィルムの長手方向の引裂直進性が発現す
る。ダイリップにおけるせん断速度が102sec-1未満の場
合には、上記の分散粒子の異方性が小さくなり、フィル
ムの長手方向の引裂直進性が低下する。また、せん断速
度が103sec-1より大きいと、MXD6の分散粒子径が小
さくなりすぎたり、N6との反応により相均一化が起こ
り引裂直進性が発現しなくなる。
におけるせん断速度を102 〜103sec-1とすることが必要
である。本発明におけるフィルムにおいては、MXD6
がN6中に島状に微分散し、製膜中の剪断によりMXD
6が流れ方向に棒状に配列すること(分散粒子の異方
性)によってフィルムの長手方向の引裂直進性が発現す
る。ダイリップにおけるせん断速度が102sec-1未満の場
合には、上記の分散粒子の異方性が小さくなり、フィル
ムの長手方向の引裂直進性が低下する。また、せん断速
度が103sec-1より大きいと、MXD6の分散粒子径が小
さくなりすぎたり、N6との反応により相均一化が起こ
り引裂直進性が発現しなくなる。
【0018】ダイリップ及びダイスの形状については特
に制限はなく、T型、コートハンガー型、リング型等を
用いることができる。
に制限はなく、T型、コートハンガー型、リング型等を
用いることができる。
【0019】次に、本発明のフィルムの製造方法の実施
態様としては、まず、N6/MXD6を、80/20〜95/
5(重量比)の割合で混合したものを押出機に供給し、
加熱溶融させた後、Tダイからシート状に押出吐出し、
回転するキャストロール上で急冷する。次に、得られた
未延伸シートを二軸延伸して二軸配向フィルムとする
が、二軸延伸の方法としては、テンター式同時二軸延伸
法、ロール・テンター式逐次二軸延伸法などが用いられ
る。
態様としては、まず、N6/MXD6を、80/20〜95/
5(重量比)の割合で混合したものを押出機に供給し、
加熱溶融させた後、Tダイからシート状に押出吐出し、
回転するキャストロール上で急冷する。次に、得られた
未延伸シートを二軸延伸して二軸配向フィルムとする
が、二軸延伸の方法としては、テンター式同時二軸延伸
法、ロール・テンター式逐次二軸延伸法などが用いられ
る。
【0020】たとえば、温度220 〜260 ℃で、N6、M
XD6及び脂肪酸アミド系滑剤の混合物を押出機より、
せん断速度102 〜103sec-1の条件下でT型ダイスより溶
融押出する。次に、テンター式同時二軸延伸法を用いる
場合には、まず、シートの水分率を1〜6重量%に調整
した後、同時二軸延伸機に送り込み、延伸温度 160〜19
0 ℃、縦及び横方向の延伸倍率をそれぞれ 2.8〜 3.8倍
程度として同時二軸延伸する。
XD6及び脂肪酸アミド系滑剤の混合物を押出機より、
せん断速度102 〜103sec-1の条件下でT型ダイスより溶
融押出する。次に、テンター式同時二軸延伸法を用いる
場合には、まず、シートの水分率を1〜6重量%に調整
した後、同時二軸延伸機に送り込み、延伸温度 160〜19
0 ℃、縦及び横方向の延伸倍率をそれぞれ 2.8〜 3.8倍
程度として同時二軸延伸する。
【0021】次に、二軸延伸されたフィルムを引き続き
熱処理して二軸配向を固定する。この熱処理条件として
は、温度 190〜220 ℃、時間3〜10秒、巾方向の弛緩率
0〜10%の範囲が望ましい。
熱処理して二軸配向を固定する。この熱処理条件として
は、温度 190〜220 ℃、時間3〜10秒、巾方向の弛緩率
0〜10%の範囲が望ましい。
【0022】延伸フィルムの厚みは、包装材料として求
められる強度を備えておればよく、特に限定されない
が、通常10〜50μm 程度である。
められる強度を備えておればよく、特に限定されない
が、通常10〜50μm 程度である。
【0023】本発明における二軸延伸ポリアミドフィル
ムは、他のフィルム、紙、布、金属等をラミネートして
用いることができ、また、アルミナ、シリカなどを蒸着
することもできる。
ムは、他のフィルム、紙、布、金属等をラミネートして
用いることができ、また、アルミナ、シリカなどを蒸着
することもできる。
【0024】
【作用】本発明の方法により得られる二軸延伸ポリアミ
ドフィルムが優れた引裂直進性を有する理由は、押出時
のダイスにおけるせん断速度をコントロールし、また、
第三成分として脂肪酸アミド系滑剤を添加することによ
って、MXD6の分散粒子のMD方向への規則正しい配
列状態と、N6とMXD6の適度な相溶性が得られるた
めと推察される。
ドフィルムが優れた引裂直進性を有する理由は、押出時
のダイスにおけるせん断速度をコントロールし、また、
第三成分として脂肪酸アミド系滑剤を添加することによ
って、MXD6の分散粒子のMD方向への規則正しい配
列状態と、N6とMXD6の適度な相溶性が得られるた
めと推察される。
【0025】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。フィルム特性の測定及び評価方法は、次
の通りである。
的に説明する。フィルム特性の測定及び評価方法は、次
の通りである。
【0026】(1)ポリアミドの相対粘度〔η〕;96%
硫酸 100ml中に試料1gを溶解し、キャノンフェンスケ
型粘度計を用い、25℃の条件下で測定した。 (2)ダイリップにおけるせん断速度 ダイリップにおけるせん断速度γ(sec -1)は、総押出
量Q(cm3/sec -1)、ダイリップのランド巾W(cm)、
ダイリップ間隔T(cm)より、次式より求めた。 γ=6Q/(W・T2 ) (3)引張強度 ASTM−D882の測定法に準じて、幅10mm、試料長
100mmの試料を用いて測定を行った。 (4)フィルムの厚み変動 放射線式フィルム厚み測定器をフィルム幅方向に走査す
ることにより、延伸フィルムの厚みをライン走行中にリ
アルオンタイムで測定した。100mの走行あたり、測定器
をフィルム幅方向に5往復させ、厚みの平均値Da 、最
大値Dmax 及び最小値Dmin から、次式により厚み変動
率P(%)を計算した。 P=〔(Dmax −Dmin )/Da〕×100 Pの値が7%未満のものを○(厚みはほとんど変動して
おらず、均一である)、7%以上のものを×(厚みが変
動しており、均一でない)として評価した。 (5)長手方向の引裂直進性 延伸フィルムのTD方向に所定間隔(Ws:20mm)で切
れ目を入れ、これらの切れ目に沿ってフィルムをMD方
向に 200mm引き裂いた時、切れ目を入れていない他端の
ズレ幅We(mm)を測定し、次式より引裂きにおけるズ
レ率α(%)を計算した。 α=(We/Ws)× 100 この測定を10回繰り返し、αの平均値が±10%未満のも
のを◎(引裂直進性が非常に良好)、±10%≦α≦±30
%のものを○(引裂直進性が良好)、αが±30%を超え
るものを×(引裂直進性が不良)として評価した。
硫酸 100ml中に試料1gを溶解し、キャノンフェンスケ
型粘度計を用い、25℃の条件下で測定した。 (2)ダイリップにおけるせん断速度 ダイリップにおけるせん断速度γ(sec -1)は、総押出
量Q(cm3/sec -1)、ダイリップのランド巾W(cm)、
ダイリップ間隔T(cm)より、次式より求めた。 γ=6Q/(W・T2 ) (3)引張強度 ASTM−D882の測定法に準じて、幅10mm、試料長
100mmの試料を用いて測定を行った。 (4)フィルムの厚み変動 放射線式フィルム厚み測定器をフィルム幅方向に走査す
ることにより、延伸フィルムの厚みをライン走行中にリ
アルオンタイムで測定した。100mの走行あたり、測定器
をフィルム幅方向に5往復させ、厚みの平均値Da 、最
大値Dmax 及び最小値Dmin から、次式により厚み変動
率P(%)を計算した。 P=〔(Dmax −Dmin )/Da〕×100 Pの値が7%未満のものを○(厚みはほとんど変動して
おらず、均一である)、7%以上のものを×(厚みが変
動しており、均一でない)として評価した。 (5)長手方向の引裂直進性 延伸フィルムのTD方向に所定間隔(Ws:20mm)で切
れ目を入れ、これらの切れ目に沿ってフィルムをMD方
向に 200mm引き裂いた時、切れ目を入れていない他端の
ズレ幅We(mm)を測定し、次式より引裂きにおけるズ
レ率α(%)を計算した。 α=(We/Ws)× 100 この測定を10回繰り返し、αの平均値が±10%未満のも
のを◎(引裂直進性が非常に良好)、±10%≦α≦±30
%のものを○(引裂直進性が良好)、αが±30%を超え
るものを×(引裂直進性が不良)として評価した。
【0027】実施例1 N6(ユニチカ社製、商品名:A1030BRF、相対粘度
3.10 )及びMXD6(三菱瓦斯化学社製、商品名:M
Xナイロン6007、相対粘度2.40)を80:20の重量比で混
合したポリアミド組成物 100重量部に、エチレンビスス
テアリルアミド(第一工業製薬社製)0.1 重量部を混合
した組成物を、コートハンガーTダイを備えた 200mmφ
の押出機を使用して、樹脂温度 260℃、ダイリップにお
ける溶融樹脂のせん断速度 250sec -1の条件で押し出
し、表面温度15℃に温調された回転するキャストロール
に密着急冷し、厚み約 150μm の未延伸フィルムを得
た。得られた未延伸フィルムに60℃で1分間の含水処理
を施し、テンター式同時二軸延伸機のクリップに把持さ
せ、延伸温度185 ℃の条件下で縦及び横方向に 3×3.3
倍に延伸した後、205 ℃で4秒間の熱処理を施して室温
まで徐冷し、厚み約15μm の延伸フィルムを得た。熱処
理の際、巾方向に5%の弛緩熱処理を施した。得られた
延伸フィルムの引張強度、厚み均一性及び長手方向の引
裂直進性を測定した結果は表1に示したとおりであり、
優れた厚み均一性と良好な長手方向の引裂直進性を有し
ていた。
3.10 )及びMXD6(三菱瓦斯化学社製、商品名:M
Xナイロン6007、相対粘度2.40)を80:20の重量比で混
合したポリアミド組成物 100重量部に、エチレンビスス
テアリルアミド(第一工業製薬社製)0.1 重量部を混合
した組成物を、コートハンガーTダイを備えた 200mmφ
の押出機を使用して、樹脂温度 260℃、ダイリップにお
ける溶融樹脂のせん断速度 250sec -1の条件で押し出
し、表面温度15℃に温調された回転するキャストロール
に密着急冷し、厚み約 150μm の未延伸フィルムを得
た。得られた未延伸フィルムに60℃で1分間の含水処理
を施し、テンター式同時二軸延伸機のクリップに把持さ
せ、延伸温度185 ℃の条件下で縦及び横方向に 3×3.3
倍に延伸した後、205 ℃で4秒間の熱処理を施して室温
まで徐冷し、厚み約15μm の延伸フィルムを得た。熱処
理の際、巾方向に5%の弛緩熱処理を施した。得られた
延伸フィルムの引張強度、厚み均一性及び長手方向の引
裂直進性を測定した結果は表1に示したとおりであり、
優れた厚み均一性と良好な長手方向の引裂直進性を有し
ていた。
【0028】実施例2〜4 原料として用いた各成分の配合割合を表1に示すように
変更した以外は、実施例1と同様の方法により延伸フィ
ルムを得た。得られた延伸フィルムの各物性の評価結果
を表1に示した。
変更した以外は、実施例1と同様の方法により延伸フィ
ルムを得た。得られた延伸フィルムの各物性の評価結果
を表1に示した。
【0029】実施例5〜6 原料として用いたN6及びMXD6の相対粘度を表1の
様に変化させた以外は、実施例1と同様の方法により延
伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの各物性の評
価結果を表1に示した。
様に変化させた以外は、実施例1と同様の方法により延
伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの各物性の評
価結果を表1に示した。
【0030】実施例7〜9 ダイリップの間隔を調整して、ダイリップにおけるせん
断速度を表1に示した値に変更した以外は、実施例1と
同様の方法により延伸フィルムを得た。得られた延伸フ
ィルムの各物性の評価結果を表1に示した。
断速度を表1に示した値に変更した以外は、実施例1と
同様の方法により延伸フィルムを得た。得られた延伸フ
ィルムの各物性の評価結果を表1に示した。
【0031】比較例1〜4 N6、MXD6、アミド化合物の各成分の配合比、及び
ダイリップにおけるせん断速度を表1の様に変化させた
以外は、実施例1と同様の方法により延伸フィルムを得
た。得られた延伸フィルムの各物性の評価結果を表1に
示した。
ダイリップにおけるせん断速度を表1の様に変化させた
以外は、実施例1と同様の方法により延伸フィルムを得
た。得られた延伸フィルムの各物性の評価結果を表1に
示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明の方法を用いることにより、包装
材料としての十分な強度を有し、かつフィルムの長手方
向の引裂直進性に優れた包装材料を、経済的な価格で製
造することができる。
材料としての十分な強度を有し、かつフィルムの長手方
向の引裂直進性に優れた包装材料を、経済的な価格で製
造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 77:00 B29L 7:00
Claims (2)
- 【請求項1】 ナイロン6(N6)/ポリメタキシリレ
ンアジパミド(MXD6)=80/20〜95/5(重量比)
からなる組成物 100重量部に対して、脂肪酸アミド系滑
剤を 0.05 〜 0.5重量部配合した組成物を原料として用
い、ダイスよりシート状に溶融押出した後、縦及び横方
向に延伸して二軸延伸ポリアミドフィルムを製造する方
法において、ダイス先端(ダイリップ)における溶融樹
脂のせん断速度を102 〜103sec-1の範囲の条件で押し出
すことを特徴とする二軸延伸ポリアミドフィルムの製造
方法。 - 【請求項2】 N6の相対粘度が 2.5〜 4.0、MXD6
の相対粘度が 2.0〜3.0 である請求項1記載の二軸延伸
ポリアミドフィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9037372A JPH10230540A (ja) | 1997-02-21 | 1997-02-21 | 二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9037372A JPH10230540A (ja) | 1997-02-21 | 1997-02-21 | 二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10230540A true JPH10230540A (ja) | 1998-09-02 |
Family
ID=12495695
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9037372A Pending JPH10230540A (ja) | 1997-02-21 | 1997-02-21 | 二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10230540A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0940444A3 (en) * | 1998-03-06 | 2000-09-13 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Polyamide resin composition |
JP2001354787A (ja) * | 2000-06-14 | 2001-12-25 | Unitika Ltd | 熱収縮性ポリアミドフィルム |
JP2008265011A (ja) * | 2007-04-16 | 2008-11-06 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 直線カット性ポリアミド系積層フィルム及びその製造方法 |
JP2008265012A (ja) * | 2007-04-16 | 2008-11-06 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルム及びその製造方法 |
JP2012041527A (ja) * | 2010-07-20 | 2012-03-01 | Ube Industries Ltd | ポリアミド樹脂組成物及びフィルム |
WO2015156086A1 (ja) * | 2014-04-10 | 2015-10-15 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 成形体及びその製造方法 |
JP2017193616A (ja) * | 2016-04-20 | 2017-10-26 | 興人フィルム&ケミカルズ株式会社 | ポリアミドフィルム |
JP2021115862A (ja) * | 2020-01-27 | 2021-08-10 | 東レ株式会社 | フィルムの再利用方法および再生フィルム |
JP2023057001A (ja) * | 2021-10-09 | 2023-04-20 | 厦門長塑実業有限公司 | 滑り性及び引裂平坦度を兼ね備えたポリアミドフィルム及びその製造方法 |
-
1997
- 1997-02-21 JP JP9037372A patent/JPH10230540A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0940444A3 (en) * | 1998-03-06 | 2000-09-13 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Polyamide resin composition |
JP2001354787A (ja) * | 2000-06-14 | 2001-12-25 | Unitika Ltd | 熱収縮性ポリアミドフィルム |
JP2008265011A (ja) * | 2007-04-16 | 2008-11-06 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 直線カット性ポリアミド系積層フィルム及びその製造方法 |
JP2008265012A (ja) * | 2007-04-16 | 2008-11-06 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 直線カット性ポリアミド系熱収縮積層フィルム及びその製造方法 |
JP2012041527A (ja) * | 2010-07-20 | 2012-03-01 | Ube Industries Ltd | ポリアミド樹脂組成物及びフィルム |
WO2015156086A1 (ja) * | 2014-04-10 | 2015-10-15 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 成形体及びその製造方法 |
KR20160143645A (ko) * | 2014-04-10 | 2016-12-14 | 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 | 성형체 및 그 제조방법 |
JPWO2015156086A1 (ja) * | 2014-04-10 | 2017-04-13 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 成形体及びその製造方法 |
US10605384B2 (en) | 2014-04-10 | 2020-03-31 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Molded body and manufacturing method thereof |
JP2017193616A (ja) * | 2016-04-20 | 2017-10-26 | 興人フィルム&ケミカルズ株式会社 | ポリアミドフィルム |
JP2021115862A (ja) * | 2020-01-27 | 2021-08-10 | 東レ株式会社 | フィルムの再利用方法および再生フィルム |
JP2023057001A (ja) * | 2021-10-09 | 2023-04-20 | 厦門長塑実業有限公司 | 滑り性及び引裂平坦度を兼ね備えたポリアミドフィルム及びその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3456667B2 (ja) | 一軸配向ポリプロピレンフイルム用の造核剤としての安息香酸ナトリウム | |
DE69123208T2 (de) | Polyamid-Harzmassen und daraus hergestellter Film | |
DE69501288T2 (de) | Biaxial orientierte Polyamidfolie und Verfahren zur Herstellung | |
JPH10230540A (ja) | 二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法 | |
DE69900824T2 (de) | Polyamid beschichtete Folie | |
WO2007004324A1 (ja) | ポリアミド系樹脂積層フィルムロールの製造方法 | |
JPH09157410A (ja) | 2軸配向ポリアミドフィルムおよびその製造方法 | |
JPH10296852A (ja) | 二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法 | |
JP2000211022A (ja) | 二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法 | |
JPH10287753A (ja) | 二軸延伸ポリアミドフィルム | |
JP2001316496A (ja) | 高透明性の熱成形できるポリアミドフィルム | |
EP0912339A1 (de) | Transparente, siegelbare mehrschichtenbarrierefolien | |
JP3602240B2 (ja) | 二軸配向ポリアミドフィルム | |
JPH07113015A (ja) | 2軸配向ポリアミドフイルム及びその製造法 | |
JPH0551525A (ja) | ポリアミド系樹脂組成物およびその延伸フイルム | |
EP0175908A2 (de) | Verfahren zur Herstellung von Polyamidformkörpern | |
JPH08208950A (ja) | 2軸配向ポリエステルフイルムおよびその製造方法 | |
JPH07125152A (ja) | 易裂性フィルム及びこの製造方法 | |
JP2014113789A (ja) | 多層延伸フィルムの製造方法および多層延伸フィルム | |
JP2833980B2 (ja) | 易裂性フィルム及びこの製造方法 | |
JP2665435B2 (ja) | 易裂性フィルムの製造方法 | |
JP5183022B2 (ja) | 直線カット性ポリアミド系フィルム及びその製造方法 | |
JP2000212344A (ja) | エチレン―酢酸ビニル共重合体ケン化物および積層体 | |
KR100200241B1 (ko) | 폴리아미드 필름용 첨가제 조성물 | |
WO2005042639A1 (de) | Verfahren zur herstellung von polyamid-polyvinylalkohol-formkörpern |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050714 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050719 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051213 |