JPH07125152A - 易裂性フィルム及びこの製造方法 - Google Patents

易裂性フィルム及びこの製造方法

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JPH07125152A
JPH07125152A JP5270640A JP27064093A JPH07125152A JP H07125152 A JPH07125152 A JP H07125152A JP 5270640 A JP5270640 A JP 5270640A JP 27064093 A JP27064093 A JP 27064093A JP H07125152 A JPH07125152 A JP H07125152A
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JP
Japan
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film
easily tearable
mxd6
weight
parts
Prior art date
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Pending
Application number
JP5270640A
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English (en)
Inventor
Masao Takashige
真男 高重
Takeo Hayashi
武夫 林
Takahiro Iwamoto
壮弘 岩本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた易裂性と直線カット性に加えて、高い
ガスバリヤー性も得られる易裂性フィルム及びこの製造
方法を提供する。 【構成】 ナイロン6(Ny6)を40〜85重量部及びメ
タキシリレンアジパミド(MXD6)を15〜60重量部含
有し(但し、Ny6+MXD6=100 重量部)、MD方
向(フィルムの移動方向)及びTD方向(フィルムの幅
方向)の延伸倍率を共に2.8 倍以上とされた易裂性のフ
ィルムと、このフィルムの片面にコーティングで形成さ
れた塩化ビニリデン系樹脂層とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、易裂性フィルム及びこ
の製造方法に関し、例えば食品、薬品、工業製品等の分
野で使用できる。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】近年、食
品、薬品等の包装材料として、直鎖状低密度ポリエチレ
ン(L−LDPE)等のシール基材フィルムと、塩化ビ
ニリデン樹脂を塗布した二軸延伸ナイロン(KONy)
等のバリアーフィルムとを貼り合わせたラミネートフィ
ルムが使用されている。このL−LDPEフィルムは、
シール強度が優れているため安全であるが、引裂き抵抗
が大きく、使用時に真っ直ぐに切れず開封性に問題があ
った。
【0003】従来、包装材料に開封時の直線カット性
(易開封性)を付与するための提案が種々なされてい
る。例えば、(a) 一軸延伸フィルムを中間層として有す
るラミネートフィルムとした構成、(b) 表基材フィルム
の表面に微細な傷を付けて開封し易くした構成、(c) フ
ィルムの開封部に開封用テープを装着するようにした構
成、等である。しかし、いずれの場合も易開封性や衝撃
強度が不十分であったり、経済性に乏しかったりしてい
た。
【0004】特に、食品、薬品分野において、開封を容
易にして開封個所の外観を良くする直線カット性及び長
期保存のためのガスバリヤー性は、重要な特性として要
求される。一方、本出願人は、特願平3−308427号、特
願平4−253116号等において、ナイロン6及びメタキシ
リレンアジパミド(MXD6)を含有する易裂性フィル
ムを提案した。
【0005】この易裂性フィルムにより、優れた易裂性
と直線カット性及び一応のガスバリヤー性が得られるよ
うになったが、より高いガスバリヤー性が要求される分
野への展開には制約があった。そこで、本発明は、優れ
た易裂性と直線カット性に加えて、高いガスバリヤー性
も得られる易裂性フィルム及びこの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明に係る易
裂性フィルムは、ナイロン6(Ny6)を40〜85重量部
及びメタキシリレンアジパミド(MXD6)を15〜60重
量部含有し(但し、Ny6+MXD6=100 重量部)、
MD方向(フィルムの移動方向)及びTD方向(フィル
ムの幅方向)の延伸倍率を共に2.8 倍以上とされた易裂
性のフィルムと、このフィルムの片面に形成された塩化
ビニリデン系樹脂層とを有することを特徴とする。
【0007】また、この易裂性フィルムの製造方法は、
ナイロン6(Ny6)を40〜85重量部及びメタキシリレ
ンアジパミド(MXD6)を15〜60重量部含有する原反
フィルム(但し、Ny6+MXD6=100 重量部)をM
D方向(フィルムの移動方向)及びTD方向(フィルム
の幅方向)共に2.8 倍以上の倍率で延伸して易裂性のフ
ィルムを作製した後、このフィルムの片面に塩化ビニリ
デン系樹脂層を形成することを特徴とする。前記MXD
6の化学式を下記の化1に示す。
【0008】
【化1】
【0009】前記Ny6は、40〜85重量部とするが、好
ましくは50〜80重量部とする。また、前記MXD6は15
〜60重量部とするが、好ましくは20〜50重量部とする。
MXD6が15重量部より少ない場合には、易裂性と直線
カット性が劣るようになる。また、MXD6が60重量部
より多い場合には、衝撃強度が大幅に低下して実用性に
乏しくなる。
【0010】前記易裂性を有するフィルムの延伸倍率
は、MD方向及びTD方向共に2.8 倍以上とするが、好
ましくは 3.0倍以上とする。延伸倍率が 2.8倍より小さ
い場合には、易裂性と直線カット性が劣るようになり、
また衝撃強度が低下して実用性に問題が生ずる。このよ
うな延伸フィルムは、例えばチューブラー法等により同
時二軸延伸を施すことにより得られる。
【0011】前記フィルムの片面への塩化ビニリデン系
樹脂層を形成は、コーティング等によって行うことがで
きる。なお、前記易裂性のフィルム中には、必要な添加
剤を適宜添加することができる。このような添加剤とし
て、例えばアンチブロッキング剤(無機フィラー等)、
はっ水剤(エチレンビスステアリン酸エステル等)、滑
剤(ステアリン酸カルシウム等)を挙げることができ
る。
【0012】
【実施例】実施例1 ナイロン6(Ny6)及びメタキシリレンアジパミド
(MXD6)をそれぞれ60重量部及び40重量部の割合で
混合したものを押出機中、 270℃で溶融混練した後、溶
融物を直径90mmのダイスから円筒状のフィルムとして押
出し、引き続き水で急冷して原反フィルムを作製した。
前記Ny6として使用したものは、宇部興産(株)製ナ
イロン6〔UBEナイロン 1023 FD(商品名)、相対粘
度ηr =3.6 〕であり、MXD6として使用したもの
は、三菱ガス化学(株)製メタキシリレンアジパミド
〔MXナイロン6007(商品名)、相対粘度ηr =2.7 〕
である。
【0013】次に、得られたチューブ状原反を一対のニ
ップロール間に挿通した後、中に気体を圧入しながらヒ
ータで加熱すると共に、延伸開始点にエアーリングより
エアーを吹き付けてバブルに膨張させ、下流側の一対の
ニップロールで引き取ることにより、チューブラー法に
よるMD方向及びTD方向の同時二軸延伸を行った。こ
の延伸の際の倍率は、MD方向及びTD方向共に 3.0倍
であった。次に、この延伸フィルムをテンター式熱処理
炉に入れ、 210℃で熱固定を施して易裂性を有するフィ
ルムを得た。
【0014】次に、この易裂性のフィルムの片面に、塩
化ビニリデン系樹脂をコーティングすることにより厚さ
約3μmの塩化ビニリデン系樹脂層を形成して本実施例
に係る易裂性フィルムを製造した。使用した塩化ビニリ
デン系樹脂は、旭化成工業(株)製サランL-511 (商品
名)である。
【0015】この易裂性フィルムについて、易裂性と直
線カット性を評価した。それらの結果を下記の表1に示
す。表中、Kコート層とは、塩化ビニリデン系樹脂層を
意味する。前記易裂性は、エレメンドルフ引裂き強度の
値Eについて、E≦7kg/cm を○、7kg/cm <E<9kg
/cm を△、E≧9kg/cm を×として評価した。Eが9kg
/cm以上になると、裂け易さが顕著に低下してゆき、特
に直線カット性が急激に落ちてゆく。
【0016】前記直線カット性は、次のようにして評価
した。20cm幅のフィルムに所定間隔Ws 、例えば2cm間
隔で切れ目を入れ、これらの切れ目に沿ってフィルムを
引き裂いた後、フィルム片の他端の幅We を測定し、元
の間隔Ws との偏差αを下記の通り求める。 α=〔(Ws −We )/Ws 〕×100 この測定を10枚のフィルム片に対して行い、その平均値
のα(%)が±10%未満のものを◎(直線カット性が非
常に良好)、±10%≦α≦±30%のものを○(直線カッ
ト性が良好)、α(%)が±30%を越えるものを×(直
線カット性が不良)として評価した。α(%)が±30%
を越えるとフィルムを真っ直ぐに切ることが困難にな
る。
【0017】また、包装資材のガスバリヤー性の指標と
して、酸素透過率を測定した。この測定は、ASTM-D-398
5 に準拠し、23℃、0%RHの条件下で実施した。その結
果を下記の表1に示す。表1の総合評価の欄で、◎は非
常に良好、○は良好、×は不良をそれぞれ示す。
【0018】実施例2〜6 上記実施例1において易裂性のフィルムの原料組成と延
伸倍率及び塩化ビニリデン系樹脂層(Kコート層)の厚
さを表1に示すように変えて、実施例1と同様の製造工
程により実施例2〜5に係る易裂性フィルムを得た。各
実施例に係る易裂性フィルムについても、実施例1と同
様に易裂性と直線カット性を評価し、また酸素透過率を
測定した。それらの結果を表1に示す。
【0019】比較例1〜5 上記実施例1において易裂性のフィルムの原料組成と延
伸倍率及びKコート層の厚さを表1に示すように変え
て、実施例1と同様の製造工程により比較例1〜5に係
るフィルムを得た。各比較例に係るフィルムについて
も、実施例1と同様に易裂性と直線カット性を評価し、
また酸素透過率を測定した。それらの結果を表1に示
す。
【0020】
【表1】
【0021】表1より、本実施例1〜6に係る易裂性フ
ィルムは、Ny6を40〜85重量部及びMXD6を15〜60
重量部含有し、MD方向及びTD方向の延伸倍率を共に
3.0〜 4.0倍とされた易裂性のフィルムと、このフィル
ムの片面に形成された塩化ビニリデン系樹脂層とを有す
るものであるため、易裂性に優れ、直線カット性も良好
又は非常に良好であることがわかる。また、酸素透過率
が非常に小さくガスバリヤー性にも優れている。
【0022】一方、比較例1,2に係るフィルムは、本
発明に係る塩化ビニリデン系樹脂層を有しているが、フ
ィルムがNy6のみよりなるものであるため、直線カッ
ト性が不良である。比較例3及び5に係るフィルムは、
本発明に係る塩化ビニリデン系樹脂層を有しているが、
Ny6とMXD6を含有するフィルムの延伸倍率がMD
方向及びTD方向共に2.8 倍より小さいため、易裂性と
直線カット性の少なくとも一つが不良である。比較例4
に係るフィルムは、Ny6単層よりなるものであるた
め、直線カット性が不良であり、またガスバリヤー性も
劣っている。
【0023】
【発明の効果】本発明に係る易裂性フィルム及びこの製
造方法によれば、優れた易裂性と直線カット性に加え
て、高いガスバリヤー性も得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 77/06 // B29K 77:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナイロン6(Ny6)を40〜85重量部及
    びメタキシリレンアジパミド(MXD6)を15〜60重量
    部含有し(但し、Ny6+MXD6=100 重量部)、M
    D方向(フィルムの移動方向)及びTD方向(フィルム
    の幅方向)の延伸倍率を共に2.8 倍以上とされた易裂性
    のフィルムと、このフィルムの片面に形成された塩化ビ
    ニリデン系樹脂層とを有することを特徴とする易裂性フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 ナイロン6(Ny6)を40〜85重量部及
    びメタキシリレンアジパミド(MXD6)を15〜60重量
    部含有する原反フィルム(但し、Ny6+MXD6=10
    0 重量部)をMD方向(フィルムの移動方向)及びTD
    方向(フィルムの幅方向)共に2.8 倍以上の倍率で延伸
    して易裂性のフィルムを作製した後、このフィルムの片
    面に塩化ビニリデン系樹脂層を形成することを特徴とす
    る易裂性フィルムの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009035003A (ja) * 1998-04-01 2009-02-19 Tetra Laval Holdings & Finance Sa 積層された包装材料、前記の積層された材料の製造の方法及びそれから得られた包装容器
JP2012135892A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Dainippon Printing Co Ltd 直線引き裂き性透明積層フィルム並びにこれを用いた積層体及び包装袋
CN104704045A (zh) * 2012-10-01 2015-06-10 株式会社吴羽 偏二氯乙烯共聚物树脂组合物及包装薄膜

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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19990713