JPH10227704A - トルクセンサ - Google Patents

トルクセンサ

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JPH10227704A
JPH10227704A JP3019097A JP3019097A JPH10227704A JP H10227704 A JPH10227704 A JP H10227704A JP 3019097 A JP3019097 A JP 3019097A JP 3019097 A JP3019097 A JP 3019097A JP H10227704 A JPH10227704 A JP H10227704A
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magnetic layer
torque
torque sensor
magnetic
circumferential direction
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Jun Sasahara
潤 笹原
Hideo Takahashi
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルクを受けたときでの弾性体の弾性変形に
正確に対応して磁性体が変形し、正確なトルク検出が可
能なトルクセンサを得る。 【解決手段】 トルク伝達可能でこのトルクを受けて弾
性変形するフレクスプライン部材(弾性体)10の表面
に、フレクスプライン部材10の弾性変形に応じてその
磁気歪特性が変化する第1磁性体層22を周方向に延び
て一体に形成し、第1磁性体層22上に磁気歪特性の変
化を検出する平板状コイル23,24を重ねて配設し、
この平板状コイルを覆って第2磁性体層25を配設して
トルクセンサが構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば産業ロボットの
減速機等として用いられるハーモニックドライブ機構等
において伝達されるトルクを検出するトルクセンサに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年産業ロボットは多用されているが、
このロボットの制御において、関節部等のトルクを計測
しこれを制御に利用することは、ロボットの制御性能を
向上させる上で非常に有用である。また、計測トルクを
用いて故障診断を行うようにすれば、安全性を向上させ
ることができる。このようなロボットに用いられるハー
モニックドライブ機構といった減速機等において生じる
非線形摩擦はサーボ系の高速化、高精度化を阻害する要
因の一つであり、この摩擦を検出トルクを用いて補償
し、サーボ系の作動速度、精度を向上させることも考え
られている。
【0003】このように伝達トルクを計測することはロ
ボットの制御等において非常に重要なことであり、従来
から、種々の検出装置が用いられている。一例を挙げれ
ば、歪ゲージを用いたトルク検出装置があり、この装置
の場合には、例えば、ハーモニックドライブ機構のフレ
クスプラインの弾性変形を、歪ゲージを用いて検出して
トルク検出が行われる。
【0004】しかしながら、歪ゲージは衝撃等に弱いた
め、移動ロボット等のような関節部に衝撃がかかり易い
ものに用いるのが難しいという問題がある。また、減速
機構とは別体に構成されたトルクセンサを組み込んで用
いることもあるが、このようなトルクセンサを用いると
きには、新たに弾性要素を導入したり、ロボットの関節
部の機構を変更しなければならない。ここで、弾性要素
の追加は機構全体の剛性を低下させてロボットの性能を
低下させるおそれがあるという問題があり、関節部の機
構の変更は全体重量増加を招き、移動ロボット等の場合
には駆動に必要なエネルギーが増加するという問題があ
る。
【0005】このようなことから、本出願人は、特開平
7−311102号に開示されているように、弾性体の
表面に周方向に延びて接着され、この弾性体の弾性変形
に応じてその磁気歪特性が変化する第1磁性体層と、こ
の第1磁性体層上に重ねて配設され、磁気歪特性の変化
を検出する平板状コイルと、この平板状コイルを覆って
配設された第2磁性体層とから構成されるトルクセンサ
を発明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようなトルクセン
サの場合には、新たに弾性要素を追加したり、機構を変
更したりする必要がなく、ひずみゲージを用いる必要も
ないのであるが、第1磁性体層が、接着剤を用いて弾性
体の表面に接着されるものである場合には、この接着層
により弾性体の弾性変形が第1磁性体層に伝わりにくく
なり、正確な弾性変形の検出が難しいという問題が生じ
うる。すなわち、弾性体自体は伝達トルクに応じて弾性
変形しても、接着剤層がこの変形の一部を吸収して第1
磁性体層に伝達され、第1磁性体層の変形が小さくな
り、トルク検出が不正確になるおそれがあるという問題
がある。
【0007】本発明はこのような問題に鑑みたもので、
弾性体の弾性変形に正確に対応して磁性体が変形し、正
確なトルク検出が可能なトルクセンサを提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的達成のた
め、本発明においては、トルク伝達可能でこのトルクを
受けて弾性変形する弾性体の表面に、弾性体の弾性変形
に応じてその磁気歪特性が変化する第1磁性体層を、周
方向に延びて一体に形成し、第1磁性体層上に磁気歪特
性の変化を検出する平板状コイルを重ねて配設し、この
平板状コイルを覆って第2磁性体層を配設してトルクセ
ンサが構成される。
【0009】このような構成のトルクセンサは、減速機
構等のトルク伝達部材の側面もしくは外周面に周方向に
延びて第1磁性体層が一体形成される。このように第1
磁性体層がトルク伝達部材(弾性体)の表面に一体形成
されるため、弾性体の弾性変形がそのまま第1磁性体層
に伝達され、第1磁性体層の磁気歪特性は伝達トルクに
正確に比例して変化する。このため、本発明のトルクセ
ンサでは非常に正確な伝達トルク検出が可能である。な
お、このような第1磁性体層は、弾性体の表面にスパッ
タリング、蒸着、溶射等によりアモルファス層を設けて
一体に形成可能である。
【0010】しかも、このトルクセンサは、2つの磁性
体層と、これらに挟まれたプリント配線板から構成され
ており、厚さの薄い構成であるため、減速機構のトルク
伝達部材(例えば、ハーモニックドライブ機構のフレク
スプライン部材)の表面に直接設けることができ、減速
機構を変更したり、新たな部品を追加することなく簡単
に取り付けることが可能である。さらに、歪ゲージに比
べて耐衝撃性能が高く、移動ロボットにのように衝撃が
加わりやすい関節部等にも用いることが可能である。
【0011】なお、第1磁性体層を、弾性体の表面に一
定厚さを有して形成されたアモルファス層から形成し、
この平面状アモルファス層に周方向に対し所定の傾斜角
度を有した複数のスリットを周方向に並んで形成するの
が好ましい。もしくは、第1磁性体層を、弾性体の表面
に直線状平面形状を有して形成された複数の線状アモル
ファス層から形成し、この線状アモルファス層を周方向
に対し所定の傾斜角度を有して周方向に並んで形成する
のが好ましい。
【0012】弾性体がトルクを受けて弾性変形するとき
に、この弾性体の表面における磁気歪は周方向に対して
45度の方向において最大となり、磁気透磁率変化もこ
の方向において最大となる。このため、周方向に対して
所定の傾斜角度、例えば、45度の角度を有した複数の
スリットもしくは線状アモルファス層を周方向に並べて
形成すれば、形状的な異方性効果が加わって弾性変形時
における磁気透磁率変化が増幅されて表れるため、トル
ク検出をより正確に行うことができる。
【0013】さらに、弾性体の弾性変化に伴って磁気歪
特性を変化させる第1磁性体層に設けられた一対のスリ
ット列の一方が周方向に対して右にほぼ45度の角度を
もって形成され、他方が周方向に対して左にほぼ45度
の角度をもって形成され、第一の磁性体層の同一円周上
に異なった角度を有するスリット列を交互に等間隔に並
べて配設し、検出コイルを、この一方の角度を有するス
リット列に対向する第一の検出コイル層と他方の角度を
有するスリット列に対向する第二の検出コイル層とに分
割して構成することが望ましい。
【0014】弾性体がトルクを受けて弾性変形すると
き、この弾性体の表面における磁気歪は周方向に対して
45度の方向において最大となり、透磁率変化もこの方
向において最大となるため、前述したように、周方向に
対して45度の角度を有した複数のスリット列を同一円
周上に並べて形成すれば、形状的な異方性効果が加わっ
て弾性変形時における透磁率変化が増幅して現れる。従
って、スリット列をこの方向に設けることにより、トル
ク検出をより正確に行うことができる。
【0015】また、弾性変形時に第1磁性体層の表面に
は圧縮応力および引張応力が相反する方向に生じるた
め、上記のように左右それぞれ45度の角度を有するス
リット列を交互に等間隔に配設すれば、第一の検出コイ
ル層によって検出される誘導起電力と、第二の検出コイ
ル層によって検出される誘導起電力とが絶対値として同
一の出力値となり、かつ、正負逆に出力されるため、両
起電力の差を検出することによりトルク検出をより正確
に行うことができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の好ましい実施
例について説明する。本発明に係るトルクセンサを備え
たハーモニックドライブ機構の一例を図1に示してい
る。この機構は、内歯サーキュラースプライン1aが形
成されたほぼ円筒状の支持ケース1とこの支持ケース1
に結合されたフランジカバー2とに囲まれた空間内に、
以下の部材をベアリング8a,8bにより回転自在に支
持して構成される。なお、これら支持ケース1およびフ
ランジカバー2は通常、固定保持される。ハーモニック
ドライブ機構は入力軸3の回転を非常に大きな減速比
(数十から百数十といった非常に大きな減速比)で減速
して出力軸13に伝達する機構であるが、この機構その
ものは従来から公知であるので、この機構自体の説明は
簡単に行う。
【0017】入力軸3はベアリング8aを介してフラン
ジカバー2により回転自在に支持されており、一端が外
方に突出し、他端に楕円盤カム5が結合されている。こ
の楕円盤カム5の外周に沿って複数の押圧ボール6aを
等間隔で配設してウェーブジェネレータ6が構成されて
いる。一方、出力軸13はベアリング8bを介して支持
ケース1により回転自在に支持されるとともに、一端が
支持ケース1の側面から外方に突出し、他端が支持ケー
ス2内に配設されたフレクスプライン部材10に結合さ
れている。
【0018】フレクスプライン部材10は、弾性材料か
ら形成された部材で、先端部に外歯フレクスプライン1
1を有するとともに、この外歯フレクスプライン11と
出力軸13とを結合する円盤状底壁12aを有した薄肉
円筒状のカップリング部12を有して構成される。外歯
フレクスプライン11の内周面に沿ってウェーブジェネ
レータ6が位置するとともに、この外歯フレクスプライ
ン11は内歯サーキュラースプライン1aと噛合する位
置にある。
【0019】ウェーブジェネレータ6において、楕円盤
カム5はその楕円形状に対応してボール6aを外周方向
に押し上げ、フレクスプライン11は楕円形に弾性変形
される。このとき、フレクスプライン11における楕円
の長軸に対応する部分が最も外周側に押し出されるよう
に変形し、フレクスプライン11は180度離れた2箇
所において内歯サーキュラースプライン1aと噛合す
る。
【0020】以上の構成のハーモニックドライブ機構に
おいて、入力軸3が回転駆動されるとこれに結合された
ウェーブジェネレータ6(楕円盤カム5)が一緒に回転
され、フレクスプライン11と内歯サーキュラースプラ
イン1aとの噛合位置がこの回転とともに回転移動す
る。ここで、内歯サーキュラースプライン1aの歯数に
対してフレクスプライン11の歯数が1〜数枚少なく形
成されており、上記のように入力軸3の回転に応じて噛
合位置が回転移動すると、入力軸3が1回転したときに
フレクスプライン部材10はこの相違歯数分だけ回転す
る。すなわち、入力軸3の一回転に対して出力軸13は
フレクスプライン11の1〜数枚の歯数分しか回転され
ず、非常に大きな減速比で回転が伝達される。
【0021】このハーモニックドライブ機構におけるフ
レクスプライン部材10の円盤状底壁12aの外側面
に、このフレクスプライン部材10を介して伝達される
トルクを検出するトルクセンサ20が配設されている。
このトルクセンサ20の上には保護カバー15が取り付
けられている。なお、フレクスプライン部材10を保護
カバー15を外した状態で図2に示している。
【0022】本例のトルクセンサ20は、図3に示すよ
うに、中央に開口を有するドーナッツ型円盤状に形成さ
れ、このトルクセンサ20を構成する励磁コイルを励磁
したり、検出コイルの誘導起電力を検出したりする処理
回路30がトルクセンサ20に接続されている。
【0023】このトルクセンサ20をフレクスプライン
部材10に取り付けた状態を図4に示している。トルク
センサ20は、これを構成するフレクスプライン部材1
0の円盤状底壁12aの外側面に一体形成された第1磁
性体層22を有する。この第1磁性体層22は、アモル
ファスになりやすい、すなわちアモルファス形成能の高
い材料(例えば、Fe−Si−B,Fe−Co−Si−
B等)を用いてスパッタリング、蒸着、溶射等の処理を
行って、円盤状底壁12aの表面にアモルファス層を形
成して作られる。
【0024】この第1磁性体層22の上には、励磁コイ
ルパターン23a,23bが形成された励磁用プリント
配線板23と、検出コイルパターン24a,24bが形
成された検出用プリント配線板24とが重ねて配設さ
れ、この上に、アモルファスシートもしくはアモルファ
ス合金シートからなる第2磁性体層25a,25bが配
設されている。
【0025】第1磁性体層22は、図5に示すように、
中央に円状開口22cを有した円盤状のアモルファス層
からなり、周方向に整列した複数のスリット22a,2
2bが2列にリング状に並んで形成されている。図示の
ように、内周側スリット22aおよび外周側スリット2
2bはそれぞれ、周方向に対して45度傾いて形成され
ており、しかも、内周側スリット22aは周方向に対し
て左側に45度傾き、外周側スリット22bは周方向に
対して右側に45度傾いて形成されている。なお、内周
側スリット22aを右側に45度傾け、外周側スリット
22bを左側に45度傾けてもよい。
【0026】なお、前述のように第1磁性体層22はス
パッタリング、蒸着、溶射などにより形成されるのであ
るが、このときにスリット部分にマスキングを施して上
記スリット22a,22bを形成することができる。ま
た、全体に一様なアモルファス層を形成したのち、スリ
ット部に当たる部分をエッチングにより除去してスリッ
ト22a,22bを形成しても良い。
【0027】励磁用プリント配線板23は、図6に示す
ように、絶縁材料性フレキシブルプリント基板23eの
表面に、内周側に位置するとともに時計回り方向に形成
された第1励磁コイルパターン23aと、外周側に位置
するとともに反時計回り方向に形成された第2励磁コイ
ルパターン23bとが形成されて作られている。図にお
いて、各コイルパターン23a,23bはそれぞれ約二
周するように形成されているが、もっと多くの巻数のコ
イルパターンをそれぞれ形成しても良い。
【0028】なお、図4においてはコイルパターン22
a,22bを模式的に断面円形に示しているが、実際は
プリント基板の上に形成された導電材料パターンであ
る。また、図6において、実線のコイルパターンはフレ
キシブルプリント基板23eの表面に形成され、破線の
コイルパターンは裏面に形成されている。なお、間に絶
縁層を介して両コイルパターンを表面もしくは裏面に多
層に形成してもよい。
【0029】第1励磁コイルパターン23aの外周端と
第2励磁コイルパターン23bの内周端が接続されると
ともに、第1励磁コイルパターン23aの内周端と第2
励磁コイルパターン23bの外周端がそれぞれ励磁用コ
ネクタ部23cに接続されており、励磁用コネクタ部2
3c以外のコイルパターンは絶縁コーティングされてい
る。励磁用コネクタ部23cは露出しており、これらコ
ネクタ部23c間に電流を流せば、第1および第2励磁
コイルパターン23a,23bを流れる電流により、図
4に矢印P,Qで示す磁界が発生する。このとき、両コ
イルパターン23a,23bの巻方向が反対なので、両
磁界P,Qも反対方向の磁界となる。
【0030】検出用プリント配線板24は、図7に示す
ように、絶縁材料性フレキシブルプリント基板24eの
表面に、内周側に位置して時計回り方向に形成された第
1検出コイルパターン24aと、外周側に位置して反時
計回り方向に形成された第2検出コイルパターン24b
とが形成されて作られている。この検出用プリント配線
板24においても、各コイルパターン24a,24bの
巻数をもっと多くしても良く、実線のコイルパターンが
フレキシブルプリント基板23eの表面に形成され、破
線のコイルパターンが裏面に形成される。なお、第1検
出コイルパターン24aは第1検出用コネクタ部23c
に繋がり、第2検出コイルパターン24bは第2検出用
コネクタ部23dに繋がる。
【0031】上記両プリント配線板23,24が第1磁
性体層22の上に重ねられた状態で、第1励磁コイルパ
ターン23aおよび第1検出パターン24aはともに内
周側スリット22aの上に重なり、第2励磁コイルパタ
ーン23bおよび第2検出パターン24bはともに外周
側スリット22bの上に重なる。
【0032】そして、内周側に位置する第2磁性体層2
5aは第1励磁コイルパターン23aおよび第1検出パ
ターン24aを覆うリング状に形成され、これらの上に
重ねて取り付けられる。同様に、外周側に位置する第2
磁性体層25bは第2励磁コイルパターン23bおよび
第2検出パターン24bを覆うリング状に形成され、こ
れらの上に重ねて取り付けられる。これら第2磁性体層
25a,25bは励磁用コネクタ部23c間に電流を流
して図4に示す磁界P,Qを発生されるとき誘磁体とし
ての役目を果たし、第1および第2励磁コイルパターン
23a,23bの周りに磁界P,Qを明瞭に発生させ
る。
【0033】第1磁性体層22はフレクスプライン部材
10の円盤状底壁12aの外側面に一体に形成されてい
るため、フレクスプライン部材10を介してトルク伝達
がなされるときにフレクスプライン部材10がこのトル
クを受けて弾性変形すると、第1磁性体層22もそのま
ま一緒に変形し、この変形により第1磁性体層22の磁
気歪特性が変化して透磁率が変化する。このように透磁
率が変化すると、磁界P,Qの強度が変化するので、第
1および第2検出コイルパターン24a,24bに生じ
る誘導起電力の変化を第1および第2コネクタ部24
c,24dから取り出して検出すれば、透磁率の変化を
検出することができる。
【0034】このようにして検出した透磁率の変化はフ
レクスプライン部材10の弾性変形に比例するため、こ
の透磁率の変化に基づいてフレクスプライン部材10を
介して伝達されるトルクを演算して求めることができ
る。なお、フレクスプライン部材10はウェーブジェネ
レータ6により楕円形状に弾性変形されるため、第1磁
性体層22の磁気歪特性はこの弾性変形の影響も受ける
のであるが、楕円形状の弾性変形は全周にわたって磁気
歪特性を平均すれば、零となるため、実際には伝達トル
クのみを検出することが可能である。
【0035】このように、本発明のトルクセンサは第1
磁性体層22の透磁率の変化を検出してトルクを検出す
るものであるが、第1磁性体層22の透磁率の変化が最
大となる方向、すなわち、周方向に対して45度傾いた
方向にスリット22a,22bを形成している。図5に
示すように、フレクスプライン部材10にトルクTが作
用すると内周側のスリット22aが形成された部分には
矢印Aで示すようにスリット22aの方向に圧縮力が作
用し、外周側のスリット22aが形成された部分には矢
印Bで示すようにスリット22bの方向に引っ張り力が
作用する。このとき、スリット22a,22bにより形
状的な異方性効果を得て第1磁性体層22における透磁
率変化を増幅させることができ、トルクの検出精度がよ
り高くなる。
【0036】なお、本例においては、図5に示すよう
に、第1磁性体層22はフレクスプライン部材10の底
壁12aの外側面に一体形成された円盤状のアモルファ
ス層からなり、この円盤状のアモルファス層に斜めにス
リット22a,22bを形成しているが、これと逆の関
係のアモルファス層により第1磁性体層を形成しても良
い。すなわち、スリット22a,22bの部分に線状の
アモルファス層を形成しても良い。
【0037】以上のようにして透磁率変化を検出する装
置、すなわち、図3に示した処理回路30について図8
を参照して説明する。この回路30は交流電源31を有
しており、この交流電源31からの交流電流が励磁用コ
ネクタ部23cを介して第1および第2励磁コイルパタ
ーン23a,23bに流されてこれらが励起される。こ
れにより、この電流に対応して互いに反対方向となる磁
界P,Qが図4に示すように、これらコイルパターン2
3a,23bの周りに発生する。
【0038】この磁界P,Qは、第1および第2検出コ
イルパターン24a,24bに相互誘導起電力を発生さ
せ、この相互誘導起電力が第1および第2コネクタ部2
4c,24dを介してブリッジ回路32a,32bに取
り出される。ここで、磁界P,Qの方向が逆なので、誘
導起電力は一方がプラスで他方がマイナスの値となり、
これがブリッジ回路32a,32bを介して両者の差に
該当する電圧として検出端子33から取り出される。
【0039】以上まとめると、ハーモニックドライブ機
構の入力軸3の回転が減速されて出力軸13に伝達され
るとき、フレクスプライン部材10を介してトルク伝達
がなされるので、この伝達トルクの大きさに応じてフレ
クスプライン部材10が弾性変形する。このため、第1
磁性体層22の透磁率が変化し、磁界P,Qの強さが変
化し、検出端子33において検出される電圧も変化す
る。この電圧変化から透磁率の変化を演算し、フレクス
プライン部材10を介して伝達されるトルクの大きさを
求めることができる。
【0040】次に、本発明に係るトルクセンサの第2実
施例を図9〜図11を参照しながら説明する。このトル
クセンサ50は、図9(A)に示すように、フレクスプ
ライン部材10のカップリング部12における円筒状外
周面に沿って設けられており、カバー16(図10参
照)により覆われて保護されている。このトルクセンサ
50は、図9(B)に示すように、カップリング部12
の外周面に対応する円筒状に形成され、処理回路30が
接続されている。
【0041】このトルクセンサ50をフレクスプライン
部材10に取り付けた状態を図10に示しており、アモ
ルファス層からなる第1磁性体層52はカップリング部
12の外周面に一体形成されている。第1磁性体層52
の上には、励磁コイルパターン53a,53bが形成さ
れた励磁用プリント配線板53と、検出コイルパターン
54a,54bが形成された検出用プリント配線板54
とが重ねて配設され、さらに、この上に、アモルファス
シート製の第2磁性体層55a,55bが配設されてい
る。
【0042】第1磁性体層52には、図11に示すよう
に、周方向に延びて整列した複数のスリット52a,5
2bがそれぞれ周方向に対して45度傾いて2列に形成
されている。図示のようにトルクTが作用したときに発
生する圧縮力Aの方向と平行になるように左側スリット
52aは周方向に対して左に45度傾いて形成され、引
っ張り力Bの方向と平行になるように右側スリット52
bは周方向に対して右に45度傾いて形成されている。
なお、左側スリット52aを右に45度傾け、右側スリ
ット52bを左に45度傾けてもよい。
【0043】励磁用プリント配線板53は、絶縁材料性
フレキシブルプリント基板の表面に2列に並んで第1お
よび第2励磁コイルパターン53a,53bが互いに反
対方向に巻くように形成されて作られている。このた
め、第1および第2励磁コイルパターン53a,53b
に電流を流せば、図11に矢印P,Qで示す磁界が発生
する。このとき、両コイルパターン53a,53bの巻
方向が反対なので、両磁界P,Qも反対方向の磁界であ
る。検出用プリント配線板54は、絶縁材料性フレキシ
ブルプリント基板の表面に2列に並んで第1および第2
検出コイルパターン54a,54bが互いに反対方向に
巻くように形成されて作られている。
【0044】上記両プリント配線板53,54が第1磁
性体層52の上に重ねられた状態で、第1励磁コイルパ
ターン53aおよび第1検出パターン54aはともに左
側スリット52aの上に重なり、第2励磁コイルパター
ン53bおよび第2検出パターン54bはともに右側ス
リット52bの上に重なる。そして、左側に位置する第
2磁性体層55aは第1励磁コイルパターン53aおよ
び第1検出パターン54aの上に重ねて取り付けられ、
同様に、右側に位置する第2磁性体層55bは第2励磁
コイルパターン53bおよび第2検出パターン54bの
上に重ねて取り付けられる。これら第2磁性体層55
a,55bは磁界P,Qを発生されるとき誘磁体として
の役目を果たす。
【0045】このトルクセンサ50を用いても、これに
繋がる処理回路30によりフレクスプライン10にトル
クが加わったときに生じる第1磁性体層52の透磁率変
化を検出することができ、このトルクを正確に検出する
ことができる。なお、処理回路30は図8に示すもので
あり、既に説明している。
【0046】以上においては励磁コイルと検出コイルと
を重ねて配設し、励磁コイルを通電励磁することにより
検出コイルに相互誘導作用により生じる相互誘導起電力
を検出して透磁率変化の検出ひいてはトルクの検出を行
う例を説明した。しかしながら、本発明はこのような相
互誘導作用を利用するものに限られず、自己誘導作用を
利用してトルク検出を行うことも可能である。
【0047】自己誘導作用を利用するトルクセンサは、
第1磁性体層と第2磁性体層との間に1枚のみのプリン
ト配線板が配設されて構成される。なお、第1磁性体層
および第2磁性体層は上記実施例のものと同じである。
第1磁性体層62には、上述の励磁用プリント配線板2
2,52と同様に、2列に並んで且つ周方向に対して4
5度傾いた複数のスリット62a,62bが形成されて
いる。そして、プリント配線板63にはそれぞれスリッ
ト62a,62bと対向するコイルパターン63a,6
3bが形成されている。
【0048】これらコイルパターン63a,63bは、
図12に示すように、処理回路70に接続される。この
処理回路70においては、交流電源71からの交流電流
がコイルパターン63a,63bに流されてこれらが励
起される。これにより、この電流に対応して互いに反対
方向となる磁界P,Qがこれらコイルパターンの周りに
発生する。このとき、電流変化に応じて自己誘導起電力
がこれらコイルパターン63a,63bに発生する。こ
の自己誘導起電力が加算器72を介して端子73から取
り出されるようになっている。
【0049】このような状態で、フレクスプライン部材
にトルクが加わって弾性変形し、第1磁性体層62の透
磁率が変化すると、このコイルパターン63a,63b
に発生する自己誘導起電力も変化する。このため、端子
73から取り出された自己誘導起電力に基づいてフレク
スプライン部材を介して伝達されるトルクを演算して求
めることができる。
【0050】次に、本発明の第3実施例に係るトルクセ
ンサ120について説明する。このトルクセンサ120
は、図13に示すように、中央に開口を有するドーナッ
ツ型円盤状に形成され、このトルクセンサ120を構成
する励磁コイルを励磁する発振回路140と、検出コイ
ルの誘導起電力を検出する信号処理回路130がトルク
センサ120に接続されている。
【0051】このトルクセンサ120をフレクスプライ
ン部材10に取り付けた状態を図14に示している。こ
のトルクセンサ120においては、カップリング部12
の円盤状底壁(ダイヤフラム部)12aの表面にアモル
ファス層からなる第1磁性体層122を一体形成してい
る。この第1磁性体層122の上には、励磁コイルパタ
ーンが形成された励磁用プリント配線板123と、検出
コイルパターンが形成された検出用プリント配線板12
4とが重ねて配設され、この上に、アモルファス合金シ
ートからなる第2磁性体層125が配設されている。
【0052】第1磁性体層122は、図15に示すよう
に、中央に円状の開口122cを有した円盤状に形成さ
れており、第一磁性体層122の同一円周上には、小円
形内に整列した複数のスリット列(SA,SB,SC…
…、SF)が周方向にそれぞれ等間隔に並んで形成され
ている。図示のように、このスリット列は第一磁性体層
122の回転中心軸を中心に点対称とした一対のスリッ
ト列(例えばSAとSD)を一組として、複数組をそれ
ぞれ等間隔に配設し、しかも、一方のスリット列SAは
周方向に対して右側に45度傾き、他方のスリット列S
Dは周方向に対して左側に45度傾いて形成されてい
る。なお、スリット列SAを左側に、スリット列SDを
右側に傾斜させてもよい。また、スリット対の数は図示
のように3個とは限られず、いくつであってもよい。実
際はもっと多くのスリット対を等間隔に配設して構成さ
れている。
【0053】励磁用プリント配線板123は、図16に
示すように、絶縁材料性フレキシブルプリント基板12
3dの表面であって、第一磁性体層122に重ねてフレ
クスプライン部材10のダイヤフラム部12aに配設さ
れたときに、前記スリット列SA、SB、……SFに重
なる位置に、時計方向回り(反時計方向でもかまわな
い)に渦巻き状に成形された複数の励磁コイルパターン
RA、RB、……RFが形成されて作られている。そし
て、これらの励磁コイルパターンRA,RB、……、R
Fはコイルに流れる電流方向が互いに同一となるよう
に、一のコイルパターンの終端と隣接した次のコイルパ
ターンの始端とが接続されて作られている。コイルの巻
き数は特に限定されるものではなく、発生させるべき磁
束数等によって決められるべきものである。
【0054】最初のコイルパターン(図16の例ではR
D)の始点と最終のコイルパターン(図16の例ではR
C)の終点は通電励磁用の発振回路140に接続されて
いる。これらのコイルパターンは発振回路140および
信号処理回路130との接続部分を除いては全て絶縁コ
ーティングされており、これらコイルパターンに電流を
流せばこの電流により電磁誘導された磁界が図14に示
す方向に交番磁界Pとして発生する。この磁界は円形電
流により発生するため、その円形部の中心を通過するよ
うに集束した磁界となる。
【0055】検出用プリント配線板124も励磁用プリ
ント配線板123と同様に、図17に示すように、絶縁
材料性フレキシブルプリント基板124dの表面であっ
て、第一磁性体層122に重ねてフレクスプライン部材
10のダイヤフラム部12aに配設されたときに、前記
複数のスリット列SA、SB、……、SFおよびそれぞ
れの励磁コイルパターンRA、RB……、RFに重なる
位置に、渦巻き状に成形されたコイルパターンが前記ス
リット列の数と同数だけ形成されて作られている。
【0056】そして、これらのコイルパターン(KA,
KB,KC……、KF)は、一のコイルパターンの終端
と一つおいて隣接する他のコイルパターンの始端とが接
続され、それぞれ第一の検出コイル層124aと第二の
検出コイル層124bとを形成して構成されている。こ
れらの検出用コイルパターンの巻き方向は時計方向(c
w)および反時計方向(ccw)の何れであってもよい
が、少なくとも、同一の検出コイル層に含まれるコイル
パターンの巻き方向は同一でなければならない。なお、
各コイルパターンの巻き数を各コイルパターンが同一で
ある限り、もっと多くしても良く、図17に示された巻
数に限定されるものではない。
【0057】第一の検出コイル層24aの最初のコイル
パターン(図17の例ではKE)の一端は基準電位に接
続され、最後のコイルパターン(図17の例ではKC)
の終端が差動増幅回路の一端に接続され(例えば、プラ
ス側入力)、第二の検出コイル層124bの最初のコイ
ルパターンの一端は前記と同じ基準電位に接続され、最
後のコイルパターンの終端は差動増幅器の他端(例え
ば、マイナス側入力)に接続されている(図19参
照)。これらの検出コイル層124a,124bも接続
部分を除いては全て絶縁コーティングされており、前記
磁界の変化に対して誘導電流が流れるようになってい
る。
【0058】上述した両プリント配線板123、124
が第一磁性体層122の上に重ねられた状態で第一磁性
体層122上に形成されたスリット列SA、励磁コイル
パターンRAおよび検出コイルパターンKAが重なり、
また、スリット列SB、励磁コイルパターンRBおよび
検出コイルパターンKBが重なる。これら全てのスリッ
ト列と各コイルパターンの対応関係を表す表を図18に
示す。
【0059】第2の磁性体層125は励磁用プリント配
線板123および検出用プリント配線板124を覆うリ
ング状に形成され、これらの上に重ねて取り付けられ
る。この第2の磁性体層125は本発明の必須の構成要
件ではないが、励磁コイル層123aに交流電流を流し
て図14に示す磁界Pを発生させるときの磁束路として
の役割を果たす。従って、第2磁性体層125が存在す
る場合には漏れ磁束が少なくなり、第一磁性体層122
を通過する磁束数の減少を抑えて、弾性変形に対する磁
界の強さの変化を大きくでき、透磁率変化の検出精度を
高めることができる。
【0060】ここで、フレクスプライン部材10を介し
てトルク伝達がなされるときにフレクスプライン部材1
0がこのトルクを受けて弾性変形すると、第一磁性体層
122も一緒に変形し、この変形により第一磁性体層1
22の磁気歪特性が変化して透磁率が変化する。このよ
うに透磁率が変化すると図14に示す磁界Pの強さが変
化するので検出コイル層124a,124bに生じる誘
導起電力を検出すれば透磁率の変化を検出することがで
きる。
【0061】本発明のトルクセンサ120では透磁率変
化の最大となる方向、すなわち第一磁性体層122の周
方向に対して45度傾いた方向にスリット列SA、S
B、SC……、SFを形成しており、このスリット列に
よって形状的な異方性効果を得て第一磁性体層122に
おける透磁率変化を増幅させている。そして、図15に
示すように、周方向に対し右に45度傾斜するスリット
列SA,SC,SEと左に45度傾斜するスリット列S
B,SD,SFとが交互に等間隔に配置しているため、
フレクスプライン部材10にトルクTが図示方向に作用
すると、スリット列SA,SC,SEが形成された第一
磁性体層122の部分には矢印U(図15の拡大図に示
す)で示す方向に引張力が作用し、スリット列SB,S
D,SFが形成された第一磁性体層22の部分には矢印
V(図15の拡大図に示す)で示す方向に圧縮力が作用
する。しかも、これらの引張力および圧縮力は第一磁性
体層122の中心からの距離が等しい部分に生じたもの
であり、等しい応力に応じて生じたものであることか
ら、全て絶対値の等しいものである。
【0062】このような応力によって第一磁性体層12
2の透磁率変化を検出する装置、すなわち、図13の信
号処理回路130について図19を参照して説明する。
この回路160は発振回路141を有しており、この発
振回路141からの交流電流が励磁コイル123aに供
給されて、励磁コイル層123a周辺に図14に示すよ
うなコイルパターンの中心に集束するような磁界Pを発
生させる。なおこのとき、各コイルパターンRA等は同
一方向の磁界を発生させるため、発生した磁界が第一磁
性体層122の内部で互いに干渉し合うことはない。
【0063】この磁界Pは第一磁性体層122および第
二磁性体層125の内部を磁束路とした交番磁界であ
り、検出コイルパターンKA、KB等とも鎖交して生じ
ている。従って、発生した磁界が変化する度に第一およ
び第二の検出コイル層124a、124bに相互誘導起
電力が発生する。さらに、第一磁性体層122の変形に
よる磁気歪特性の変化によって、第一磁性体層122の
透磁率が変化するため、この磁界は透磁率に変化に従っ
てその強さを変化させることになる。この磁界の変化は
検出コイル層124a、124bの相互誘導起電力の変
化として検出することが可能である。
【0064】ところで、第一磁性体層122の透磁率の
変化は、弾性変形が引張力による場合と圧縮力による場
合とで異なり、従って、応力が零の状態を基準とすると
両者において正負逆の信号として検出することが可能で
ある。このため、本発明では、検出コイル層を、スリッ
ト列SA,SC,SEが形成された第一磁性体層122
の部位に生じた応力に対応して生じる透磁率変化を磁界
の変化として検出する第一の検出コイル層124aと、
スリット列SB,SD,SFが形成された第一磁性体層
122の部位に生じる応力に対応して生じた透磁率変化
を磁界の変化として検出する第2の検出コイル群124
bとに分割して構成している。
【0065】このように検出コイルを分割して構成する
と、図20に示すように、第一の検出コイル層124a
から検出される誘導起電力の変化分が正の信号として検
出されるときには第二の検出コイル層124bから検出
される誘導起電力の変化分は負の信号となり、また、第
一の検出コイル層124aから検出される誘導起電力の
変化分が負の信号として検出されるときには第二の検出
コイル層124bから検出される誘導起電力は変化分は
正の信号となる。しかもその絶対値はトルクのかかる方
向に左右されず、同一である(図20の直線(a)、
(b))。従って、両検出コイル層124a、124b
の出力を差動増幅器131のそれぞれの入力に接続すれ
ば透磁率の変化を両者の差に該当する電圧として取り出
すことができる(図20の曲線(c))。
【0066】このようにして検出した透磁率変化に対応
する電圧はフレクスプライン部材10の弾性変形に比例
するため、この電圧に基づいてフレクスプライン部材1
0を介して伝達されるトルクを演算して求めることがで
きる。なお、フレクスプライン部材10はウェーブジェ
ネレータ6により楕円形状に弾性変形されるため、第1
磁性体層122の磁気歪特性はこの弾性変形の影響も受
けるのであるが、楕円形状の弾性変形は全周にわたって
磁気歪特性を平均すれば零となるものである。従って、
検出コイル層124aのコイルパターンの数を増やすか
若しくは第一磁性体層122に相互に傾斜方向の異なる
スリット列を左右対称に構成していけば同じく平均して
零となり、実際には伝達トルクのみを検出することがで
きる。
【0067】以上においては、励磁用プリント配線板1
23と検出用プリント配線板124を重ねて配設し、励
磁コイル層123aの通電により発生する磁界を検出コ
イル層124a,124bに生じる相互誘導起電力とし
て検出して透磁率変化の検出ひいてはトルクの検出を行
う実施例を説明した。しかしながら、本発明はこのよう
な相互誘導作用によるものに限られず、自己誘導作用を
利用してトルク検出を行うことも可能である。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のトルクセ
ンサによれば、トルク伝達可能でこのトルクを受けて弾
性変形する弾性体の表面に、弾性体の弾性変形に応じて
その磁気歪特性が変化する第1磁性体層を周方向に延び
て一体に形成しているので、弾性体の弾性変形がそのま
ま第1磁性体層に伝達され、第1磁性体層の磁気歪特性
は伝達トルクに正確に比例して変化する。このため、本
発明のトルクセンサでは非常に正確な伝達トルク検出が
可能である。
【0069】しかも、このトルクセンサは、2つの磁性
体層と、これらに挟まれたプリント配線板から構成され
ており、厚さの薄い構成であるため、減速機構のトルク
伝達部材(例えば、ハーモニックドライブ機構のフレク
スプライン部材)の表面に直接設けることができ、減速
機構を変更したり、新たな部品を追加することなく簡単
に取り付けることが可能である。さらに、歪ゲージに比
べて耐衝撃性能が高く、移動ロボットにのように衝撃が
加わりやすい関節部等にも用いることが可能である。
【0070】なお、第1磁性体層を、弾性体の表面に一
定厚さを有して形成されたアモルファス層から形成し、
この平面状アモルファス層に周方向に対し所定の傾斜角
度を有した複数のスリットを周方向に並んで形成するの
が好ましい。もしくは、第1磁性体層を、弾性体の表面
に直線状平面形状を有して形成された複数の線状アモル
ファス層から形成し、この線状アモルファス層を周方向
に対し所定の傾斜角度を有して周方向に並んで形成する
のが好ましい。
【0071】弾性体がトルクを受けて弾性変形するとき
に、この弾性体の表面における磁気歪は周方向に対して
45度の方向において最大となり、磁気透磁率変化もこ
の方向において最大となる。このため、周方向に対して
所定の傾斜角度、例えば、45度の角度を有した複数の
スリットもしくは線状アモルファス層を周方向に並べて
形成すれば、形状的な異方性効果が加わって弾性変形時
における磁気透磁率変化が増幅されて表れるため、トル
ク検出をより正確に行うことができる。
【0072】さらに、弾性体の弾性変化に伴って磁気歪
特性を変化させる第1磁性体層に設けられた一対のスリ
ット列の一方が周方向に対して右にほぼ45度の角度を
もって形成され、他方が周方向に対して左にほぼ45度
の角度をもって形成され、第一の磁性体層の同一円周上
に異なった角度を有するスリット列を交互に等間隔に並
べて配設し、検出コイルを、この一方の角度を有するス
リット列に対向する第一の検出コイル層と他方の角度を
有するスリット列に対向する第二の検出コイル層とに分
割して構成することが望ましい。
【0073】弾性体がトルクを受けて弾性変形すると
き、この弾性体の表面における磁気歪は周方向に対して
45度の方向において最大となり、透磁率変化もこの方
向において最大となるため、前述したように、周方向に
対して45度の角度を有した複数のスリット列を同一円
周上に並べて形成すれば、形状的な異方性効果が加わっ
て弾性変形時における透磁率変化が増幅して現れる。従
って、スリット列をこの方向に設けることにより、トル
ク検出をより正確に行うことができる。
【0074】また、弾性変形時に第1磁性体層の表面に
は圧縮応力および引張応力が相反する方向に生じるた
め、上記のように左右それぞれ45度の角度を有するス
リット列を交互に等間隔に配設すれば、第一の検出コイ
ル層によって検出される誘導起電力と、第二の検出コイ
ル層によって検出される誘導起電力とが絶対値として同
一の出力値となり、かつ、正負逆に出力されるため、両
起電力の差を検出することによりトルク検出をより正確
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトルクセンサが用いられるハーモ
ニックドライブ機構を示す断面斜視図である。
【図2】この機構を構成するフレクスプライン部材およ
びこれに取り付けられたトルクセンサを示す斜視図であ
る。
【図3】トルクセンサおよび処理回路を示す斜視図であ
る。
【図4】フレクスプライン部材に取り付けられたトルク
センサを示す断面図である。
【図5】トルクセンサを構成する第1磁性体層の平面図
である。
【図6】トルクセンサを構成する励磁用プリント配線板
の平面図である。
【図7】トルクセンサを構成する検出用プリント配線板
の平面図である。
【図8】処理回路を示す電気回路図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係るフレクスプライン
部材およびこれに取り付けられたトルクセンサを示す斜
視図(A)およびトルクセンサおよび処理回路を示す斜
視図(B)である。
【図10】このフレクスプライン部材に取り付けられた
トルクセンサを示す断面図である。
【図11】トルクセンサを構成する第1磁性体層の平面
図である。
【図12】処理回路の異なる例を示す電気回路図であ
る。
【図13】本発明の第3の実施例に係るトルクセンサ部
の構成を表す斜視図である。
【図14】フレクスプライン部材に取り付けられた第3
実施例に係るトルクセンサを示す断面図である。
【図15】このトルクセンサを構成する第一磁性体層の
平面図およびスリット部の拡大図である。
【図16】このトルクセンサを構成する励磁用プリント
配線板の平面図である。
【図17】このトルクセンサを構成する検出用プリント
配線板の平面図である。
【図18】フレクスプライン部材に取り付けらたトルク
センサのスリット列とコイルパターンとの重ね合わせ状
態を表す表である。
【図19】信号処理回路を示す電気回路図である。
【図20】本発明にかかるトルクセンサよって検出され
る誘導起電力対トルクの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 支持ケース 6 ウェーブジェネレータ 10 フレクスプライン部材 21,51 カーボンクロスシート 22,52 第1磁性体層 23,53 励磁用プリント配線板 24,54 検出用プリント配線板 30,50 処理回路
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年6月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 トルクセンサ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば産業ロボットの
減速機等として用いられる波動減速機構等において伝達
されるトルクを検出するトルクセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年産業ロボットは多用されているが、
このロボットの制御において、関節部等のトルクを計測
しこれを制御に利用することは、ロボットの制御性能を
向上させる上で非常に有用である。また、計測トルクを
用いて故障診断を行うようにすれば、安全性を向上させ
ることができる。このようなロボットに用いられる波動
減速機構といった減速機等において生じる非線形摩擦は
サーボ系の高速化、高精度化を阻害する要因の一つであ
り、この摩擦を検出トルクを用いて補償し、サーボ系の
作動速度、精度を向上させることも考えられている。
【0003】このように伝達トルクを計測することはロ
ボットの制御等において非常に重要なことであり、従来
から、種々の検出装置が用いられている。一例を挙げれ
ば、歪ゲージを用いたトルク検出装置があり、この装置
の場合には、例えば、波動減速機構のフレクスプライン
の弾性変形を、歪ゲージを用いて検出してトルク検出が
行われる。
【0004】しかしながら、歪ゲージは衝撃等に弱いた
め、移動ロボット等のような関節部に衝撃がかかり易い
ものに用いるのが難しいという問題がある。また、減速
機構とは別体に構成されたトルクセンサを組み込んで用
いることもあるが、このようなトルクセンサを用いると
きには、新たに弾性要素を導入したり、ロボットの関節
部の機構を変更しなければならない。ここで、弾性要素
の追加は機構全体の剛性を低下させてロボットの性能を
低下させるおそれがあるという問題があり、関節部の機
構の変更は全体重量増加を招き、移動ロボット等の場合
には駆動に必要なエネルギーが増加するという問題があ
る。
【0005】このようなことから、本出願人は、特開平
7−311102号に開示されているように、弾性体の
表面に周方向に延びて接着され、この弾性体の弾性変形
に応じてその磁気歪特性が変化する第1磁性体層と、こ
の第1磁性体層上に重ねて配設され、磁気歪特性の変化
を検出する平板状コイルと、この平板状コイルを覆って
配設された第2磁性体層とから構成されるトルクセンサ
を発明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようなトルクセン
サの場合には、新たに弾性要素を追加したり、機構を変
更したりする必要がなく、ひずみゲージを用いる必要も
ないのであるが、第1磁性体層が、接着剤を用いて弾性
体の表面に接着されるものである場合には、この接着層
により弾性体の弾性変形が第1磁性体層に伝わりにくく
なり、正確な弾性変形の検出が難しいという問題が生じ
うる。すなわち、弾性体自体は伝達トルクに応じて弾性
変形しても、接着剤層がこの変形の一部を吸収して第1
磁性体層に伝達され、第1磁性体層の変形が小さくな
り、トルク検出が不正確になるおそれがあるという問題
がある。
【0007】本発明はこのような問題に鑑みたもので、
弾性体の弾性変形に正確に対応して磁性体が変形し、正
確なトルク検出が可能なトルクセンサを提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的達成のた
め、本発明においては、トルク伝達可能でこのトルクを
受けて弾性変形する弾性体の表面に、弾性体の弾性変形
に応じてその磁気歪特性が変化する第1磁性体層を、周
方向に延びて一体に形成し、第1磁性体層上に磁気歪特
性の変化を検出する平板状コイルを重ねて配設し、この
平板状コイルを覆って第2磁性体層を配設してトルクセ
ンサが構成される。
【0009】このような構成のトルクセンサは、減速機
構等のトルク伝達部材の側面もしくは外周面に周方向に
延びて第1磁性体層が一体形成される。このように第1
磁性体層がトルク伝達部材(弾性体)の表面に一体形成
されるため、弾性体の弾性変形がそのまま第1磁性体層
に伝達され、第1磁性体層の磁気歪特性は伝達トルクに
正確に比例して変化する。このため、本発明のトルクセ
ンサでは非常に正確な伝達トルク検出が可能である。な
お、このような第1磁性体層は、弾性体の表面にスパッ
タリング、蒸着、溶射等によりアモルファス層を設けて
一体に形成可能である。
【0010】しかも、このトルクセンサは、2つの磁性
体層と、これらに挟まれたプリント配線板から構成され
ており、厚さの薄い構成であるため、減速機構のトルク
伝達部材(例えば、波動減速機構のフレクスプライン部
材)の表面に直接設けることができ、減速機構を変更し
たり、新たな部品を追加することなく簡単に取り付ける
ことが可能である。さらに、歪ゲージに比べて耐衝撃性
能が高く、移動ロボットにのように衝撃が加わりやすい
関節部等にも用いることが可能である。
【0011】なお、第1磁性体層を、弾性体の表面に一
定厚さを有して形成されたアモルファス層から形成し、
この平面状アモルファス層に周方向に対し所定の傾斜角
度を有した複数のスリットを周方向に並んで形成するの
が好ましい。もしくは、第1磁性体層を、弾性体の表面
に直線状平面形状を有して形成された複数の線状アモル
ファス層から形成し、この線状アモルファス層を周方向
に対し所定の傾斜角度を有して周方向に並んで形成する
のが好ましい。
【0012】弾性体がトルクを受けて弾性変形するとき
に、この弾性体の表面における磁気歪は周方向に対して
45度の方向において最大となり、磁気透磁率変化もこ
の方向において最大となる。このため、周方向に対して
所定の傾斜角度、例えば、45度の角度を有した複数の
スリットもしくは線状アモルファス層を周方向に並べて
形成すれば、形状的な異方性効果が加わって弾性変形時
における磁気透磁率変化が増幅されて表れるため、トル
ク検出をより正確に行うことができる。
【0013】さらに、弾性体の弾性変化に伴って磁気歪
特性を変化させる第1磁性体層に設けられた一対のスリ
ット列の一方が周方向に対して右にほぼ45度の角度を
もって形成され、他方が周方向に対して左にほぼ45度
の角度をもって形成され、第一の磁性体層の同一円周上
に異なった角度を有するスリット列を交互に等間隔に並
べて配設し、検出コイルを、この一方の角度を有するス
リット列に対向する第一の検出コイル層と他方の角度を
有するスリット列に対向する第二の検出コイル層とに分
割して構成することが望ましい。
【0014】弾性体がトルクを受けて弾性変形すると
き、この弾性体の表面における磁気歪は周方向に対して
45度の方向において最大となり、透磁率変化もこの方
向において最大となるため、前述したように、周方向に
対して45度の角度を有した複数のスリット列を同一円
周上に並べて形成すれば、形状的な異方性効果が加わっ
て弾性変形時における透磁率変化が増幅して現れる。従
って、スリット列をこの方向に設けることにより、トル
ク検出をより正確に行うことができる。
【0015】また、弾性変形時に第1磁性体層の表面に
は圧縮応力および引張応力が相反する方向に生じるた
め、上記のように左右それぞれ45度の角度を有するス
リット列を交互に等間隔に配設すれば、第一の検出コイ
ル層によって検出される誘導起電力と、第二の検出コイ
ル層によって検出される誘導起電力とが絶対値として同
一の出力値となり、かつ、正負逆に出力されるため、両
起電力の差を検出することによりトルク検出をより正確
に行うことができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の好ましい実施
例について説明する。本発明に係るトルクセンサを備え
た波動減速機構の一例を図1に示している。この機構
は、内歯サーキュラースプライン1aが形成されたほぼ
円筒状の支持ケース1とこの支持ケース1に結合された
フランジカバー2とに囲まれた空間内に、以下の部材を
ベアリング8a,8bにより回転自在に支持して構成さ
れる。なお、これら支持ケース1およびフランジカバー
2は通常、固定保持される。波動減速機構は入力軸3の
回転を非常に大きな減速比(数十から百数十といった非
常に大きな減速比)で減速して出力軸13に伝達する機
構であるが、この機構そのものは従来から公知であるの
で、この機構自体の説明は簡単に行う。
【0017】入力軸3はベアリング8aを介してフラン
ジカバー2により回転自在に支持されており、一端が外
方に突出し、他端に楕円盤カム5が結合されている。こ
の楕円盤カム5の外周に沿って複数の押圧ボール6aを
等間隔で配設してウェーブジェネレータ6が構成されて
いる。一方、出力軸13はベアリング8bを介して支持
ケース1により回転自在に支持されるとともに、一端が
支持ケース1の側面から外方に突出し、他端が支持ケー
ス2内に配設されたフレクスプライン部材10に結合さ
れている。
【0018】フレクスプライン部材10は、弾性材料か
ら形成された部材で、先端部に外歯フレクスプライン1
1を有するとともに、この外歯フレクスプライン11と
出力軸13とを結合する円盤状底壁12aを有した薄肉
円筒状のカップリング部12を有して構成される。外歯
フレクスプライン11の内周面に沿ってウェーブジェネ
レータ6が位置するとともに、この外歯フレクスプライ
ン11は内歯サーキュラースプライン1aと噛合する位
置にある。
【0019】ウェーブジェネレータ6において、楕円盤
カム5はその楕円形状に対応してボール6aを外周方向
に押し上げ、フレクスプライン11は楕円形に弾性変形
される。このとき、フレクスプライン11における楕円
の長軸に対応する部分が最も外周側に押し出されるよう
に変形し、フレクスプライン11は180度離れた2箇
所において内歯サーキュラースプライン1aと噛合す
る。
【0020】以上の構成の波動減速機構において、入力
軸3が回転駆動されるとこれに結合されたウェーブジェ
ネレータ6(楕円盤カム5)が一緒に回転され、フレク
スプライン11と内歯サーキュラースプライン1aとの
噛合位置がこの回転とともに回転移動する。ここで、内
歯サーキュラースプライン1aの歯数に対してフレクス
プライン11の歯数が1〜数枚少なく形成されており、
上記のように入力軸3の回転に応じて噛合位置が回転移
動すると、入力軸3が1回転したときにフレクスプライ
ン部材10はこの相違歯数分だけ回転する。すなわち、
入力軸3の一回転に対して出力軸13はフレクスプライ
ン11の1〜数枚の歯数分しか回転されず、非常に大き
な減速比で回転が伝達される。
【0021】この波動減速機構におけるフレクスプライ
ン部材10の円盤状底壁12aの外側面に、このフレク
スプライン部材10を介して伝達されるトルクを検出す
るトルクセンサ20が配設されている。このトルクセン
サ20の上には保護カバー15が取り付けられている。
なお、フレクスプライン部材10を保護カバー15を外
した状態で図2に示している。
【0022】本例のトルクセンサ20は、図3に示すよ
うに、中央に開口を有するドーナッツ型円盤状に形成さ
れ、このトルクセンサ20を構成する励磁コイルを励磁
したり、検出コイルの誘導起電力を検出したりする処理
回路30がトルクセンサ20に接続されている。
【0023】このトルクセンサ20をフレクスプライン
部材10に取り付けた状態を図4に示している。トルク
センサ20は、これを構成するフレクスプライン部材1
0の円盤状底壁12aの外側面に一体形成された第1磁
性体層22を有する。この第1磁性体層22は、アモル
ファスになりやすい、すなわちアモルファス形成能の高
い材料(例えば、Fe−Si−B,Fe−Co−Si−
B等)を用いてスパッタリング、蒸着、溶射等の処理を
行って、円盤状底壁12aの表面にアモルファス層を形
成して作られる。
【0024】この第1磁性体層22の上には、励磁コイ
ルパターン23a,23bが形成された励磁用プリント
配線板23と、検出コイルパターン24a,24bが形
成された検出用プリント配線板24とが重ねて配設さ
れ、この上に、アモルファスシートもしくはアモルファ
ス合金シートからなる第2磁性体層25a,25bが配
設されている。
【0025】第1磁性体層22は、図5に示すように、
中央に円状開口22cを有した円盤状のアモルファス層
からなり、周方向に整列した複数のスリット22a,2
2bが2列にリング状に並んで形成されている。図示の
ように、内周側スリット22aおよび外周側スリット2
2bはそれぞれ、周方向に対して45度傾いて形成され
ており、しかも、内周側スリット22aは周方向に対し
て左側に45度傾き、外周側スリット22bは周方向に
対して右側に45度傾いて形成されている。なお、内周
側スリット22aを右側に45度傾け、外周側スリット
22bを左側に45度傾けてもよい。
【0026】なお、前述のように第1磁性体層22はス
パッタリング、蒸着、溶射などにより形成されるのであ
るが、このときにスリット部分にマスキングを施して上
記スリット22a,22bを形成することができる。ま
た、全体に一様なアモルファス層を形成したのち、スリ
ット部に当たる部分をエッチングにより除去してスリッ
ト22a,22bを形成しても良い。
【0027】励磁用プリント配線板23は、図6に示す
ように、絶縁材料性フレキシブルプリント基板23eの
表面に、内周側に位置するとともに時計回り方向に形成
された第1励磁コイルパターン23aと、外周側に位置
するとともに反時計回り方向に形成された第2励磁コイ
ルパターン23bとが形成されて作られている。図にお
いて、各コイルパターン23a,23bはそれぞれ約二
周するように形成されているが、もっと多くの巻数のコ
イルパターンをそれぞれ形成しても良い。
【0028】なお、図4においてはコイルパターン22
a,22bを模式的に断面円形に示しているが、実際は
プリント基板の上に形成された導電材料パターンであ
る。また、図6において、実線のコイルパターンはフレ
キシブルプリント基板23eの表面に形成され、破線の
コイルパターンは裏面に形成されている。なお、間に絶
縁層を介して両コイルパターンを表面もしくは裏面に多
層に形成してもよい。
【0029】第1励磁コイルパターン23aの外周端と
第2励磁コイルパターン23bの内周端が接続されると
ともに、第1励磁コイルパターン23aの内周端と第2
励磁コイルパターン23bの外周端がそれぞれ励磁用コ
ネクタ部23cに接続されており、励磁用コネクタ部2
3c以外のコイルパターンは絶縁コーティングされてい
る。励磁用コネクタ部23cは露出しており、これらコ
ネクタ部23c間に電流を流せば、第1および第2励磁
コイルパターン23a,23bを流れる電流により、図
4に矢印P,Qで示す磁界が発生する。このとき、両コ
イルパターン23a,23bの巻方向が反対なので、両
磁界P,Qも反対方向の磁界となる。
【0030】検出用プリント配線板24は、図7に示す
ように、絶縁材料性フレキシブルプリント基板24eの
表面に、内周側に位置して時計回り方向に形成された第
1検出コイルパターン24aと、外周側に位置して反時
計回り方向に形成された第2検出コイルパターン24b
とが形成されて作られている。この検出用プリント配線
板24においても、各コイルパターン24a,24bの
巻数をもっと多くしても良く、実線のコイルパターンが
フレキシブルプリント基板23eの表面に形成され、破
線のコイルパターンが裏面に形成される。なお、第1検
出コイルパターン24aは第1検出用コネクタ部23c
に繋がり、第2検出コイルパターン24bは第2検出用
コネクタ部23dに繋がる。
【0031】上記両プリント配線板23,24が第1磁
性体層22の上に重ねられた状態で、第1励磁コイルパ
ターン23aおよび第1検出パターン24aはともに内
周側スリット22aの上に重なり、第2励磁コイルパタ
ーン23bおよび第2検出パターン24bはともに外周
側スリット22bの上に重なる。
【0032】そして、内周側に位置する第2磁性体層2
5aは第1励磁コイルパターン23aおよび第1検出パ
ターン24aを覆うリング状に形成され、これらの上に
重ねて取り付けられる。同様に、外周側に位置する第2
磁性体層25bは第2励磁コイルパターン23bおよび
第2検出パターン24bを覆うリング状に形成され、こ
れらの上に重ねて取り付けられる。これら第2磁性体層
25a,25bは励磁用コネクタ部23c間に電流を流
して図4に示す磁界P,Qを発生されるとき誘磁体とし
ての役目を果たし、第1および第2励磁コイルパターン
23a,23bの周りに磁界P,Qを明瞭に発生させ
る。
【0033】第1磁性体層22はフレクスプライン部材
10の円盤状底壁12aの外側面に一体に形成されてい
るため、フレクスプライン部材10を介してトルク伝達
がなされるときにフレクスプライン部材10がこのトル
クを受けて弾性変形すると、第1磁性体層22もそのま
ま一緒に変形し、この変形により第1磁性体層22の磁
気歪特性が変化して透磁率が変化する。このように透磁
率が変化すると、磁界P,Qの強度が変化するので、第
1および第2検出コイルパターン24a,24bに生じ
る誘導起電力の変化を第1および第2コネクタ部24
c,24dから取り出して検出すれば、透磁率の変化を
検出することができる。
【0034】このようにして検出した透磁率の変化はフ
レクスプライン部材10の弾性変形に比例するため、こ
の透磁率の変化に基づいてフレクスプライン部材10を
介して伝達されるトルクを演算して求めることができ
る。なお、フレクスプライン部材10はウェーブジェネ
レータ6により楕円形状に弾性変形されるため、第1磁
性体層22の磁気歪特性はこの弾性変形の影響も受ける
のであるが、楕円形状の弾性変形は全周にわたって磁気
歪特性を平均すれば、零となるため、実際には伝達トル
クのみを検出することが可能である。
【0035】このように、本発明のトルクセンサは第1
磁性体層22の透磁率の変化を検出してトルクを検出す
るものであるが、第1磁性体層22の透磁率の変化が最
大となる方向、すなわち、周方向に対して45度傾いた
方向にスリット22a,22bを形成している。図5に
示すように、フレクスプライン部材10にトルクTが作
用すると内周側のスリット22aが形成された部分には
矢印Aで示すようにスリット22aの方向に圧縮力が作
用し、外周側のスリット22aが形成された部分には矢
印Bで示すようにスリット22bの方向に引っ張り力が
作用する。このとき、スリット22a,22bにより形
状的な異方性効果を得て第1磁性体層22における透磁
率変化を増幅させることができ、トルクの検出精度がよ
り高くなる。
【0036】なお、本例においては、図5に示すよう
に、第1磁性体層22はフレクスプライン部材10の底
壁12aの外側面に一体形成された円盤状のアモルファ
ス層からなり、この円盤状のアモルファス層に斜めにス
リット22a,22bを形成しているが、これと逆の関
係のアモルファス層により第1磁性体層を形成しても良
い。すなわち、スリット22a,22bの部分に線状の
アモルファス層を形成しても良い。
【0037】以上のようにして透磁率変化を検出する装
置、すなわち、図3に示した処理回路30について図8
を参照して説明する。この回路30は交流電源31を有
しており、この交流電源31からの交流電流が励磁用コ
ネクタ部23cを介して第1および第2励磁コイルパタ
ーン23a,23bに流されてこれらが励起される。こ
れにより、この電流に対応して互いに反対方向となる磁
界P,Qが図4に示すように、これらコイルパターン2
3a,23bの周りに発生する。
【0038】この磁界P,Qは、第1および第2検出コ
イルパターン24a,24bに相互誘導起電力を発生さ
せ、この相互誘導起電力が第1および第2コネクタ部2
4c,24dを介してブリッジ回路32a,32bに取
り出される。ここで、磁界P,Qの方向が逆なので、誘
導起電力は一方がプラスで他方がマイナスの値となり、
これがブリッジ回路32a,32bを介して両者の差に
該当する電圧として検出端子33から取り出される。
【0039】以上まとめると、波動減速機構の入力軸3
の回転が減速されて出力軸13に伝達されるとき、フレ
クスプライン部材10を介してトルク伝達がなされるの
で、この伝達トルクの大きさに応じてフレクスプライン
部材10が弾性変形する。このため、第1磁性体層22
の透磁率が変化し、磁界P,Qの強さが変化し、検出端
子33において検出される電圧も変化する。この電圧変
化から透磁率の変化を演算し、フレクスプライン部材1
0を介して伝達されるトルクの大きさを求めることがで
きる。
【0040】次に、本発明に係るトルクセンサの第2実
施例を図9〜図11を参照しながら説明する。このトル
クセンサ50は、図9(A)に示すように、フレクスプ
ライン部材10のカップリング部12における円筒状外
周面に沿って設けられており、カバー16(図10参
照)により覆われて保護されている。このトルクセンサ
50は、図9(B)に示すように、カップリング部12
の外周面に対応する円筒状に形成され、処理回路30が
接続されている。
【0041】このトルクセンサ50をフレクスプライン
部材10に取り付けた状態を図10に示しており、アモ
ルファス層からなる第1磁性体層52はカップリング部
12の外周面に一体形成されている。第1磁性体層52
の上には、励磁コイルパターン53a,53bが形成さ
れた励磁用プリント配線板53と、検出コイルパターン
54a,54bが形成された検出用プリント配線板54
とが重ねて配設され、さらに、この上に、アモルファス
シート製の第2磁性体層55a,55bが配設されてい
る。
【0042】第1磁性体層52には、図11に示すよう
に、周方向に延びて整列した複数のスリット52a,5
2bがそれぞれ周方向に対して45度傾いて2列に形成
されている。図示のようにトルクTが作用したときに発
生する圧縮力Aの方向と平行になるように左側スリット
52aは周方向に対して左に45度傾いて形成され、引
っ張り力Bの方向と平行になるように右側スリット52
bは周方向に対して右に45度傾いて形成されている。
なお、左側スリット52aを右に45度傾け、右側スリ
ット52bを左に45度傾けてもよい。
【0043】励磁用プリント配線板53は、絶縁材料性
フレキシブルプリント基板の表面に2列に並んで第1お
よび第2励磁コイルパターン53a,53bが互いに反
対方向に巻くように形成されて作られている。このた
め、第1および第2励磁コイルパターン53a,53b
に電流を流せば、図11に矢印P,Qで示す磁界が発生
する。このとき、両コイルパターン53a,53bの巻
方向が反対なので、両磁界P,Qも反対方向の磁界であ
る。検出用プリント配線板54は、絶縁材料性フレキシ
ブルプリント基板の表面に2列に並んで第1および第2
検出コイルパターン54a,54bが互いに反対方向に
巻くように形成されて作られている。
【0044】上記両プリント配線板53,54が第1磁
性体層52の上に重ねられた状態で、第1励磁コイルパ
ターン53aおよび第1検出パターン54aはともに左
側スリット52aの上に重なり、第2励磁コイルパター
ン53bおよび第2検出パターン54bはともに右側ス
リット52bの上に重なる。そして、左側に位置する第
2磁性体層55aは第1励磁コイルパターン53aおよ
び第1検出パターン54aの上に重ねて取り付けられ、
同様に、右側に位置する第2磁性体層55bは第2励磁
コイルパターン53bおよび第2検出パターン54bの
上に重ねて取り付けられる。これら第2磁性体層55
a,55bは磁界P,Qを発生されるとき誘磁体として
の役目を果たす。
【0045】このトルクセンサ50を用いても、これに
繋がる処理回路30によりフレクスプライン10にトル
クが加わったときに生じる第1磁性体層52の透磁率変
化を検出することができ、このトルクを正確に検出する
ことができる。なお、処理回路30は図8に示すもので
あり、既に説明している。
【0046】以上においては励磁コイルと検出コイルと
を重ねて配設し、励磁コイルを通電励磁することにより
検出コイルに相互誘導作用により生じる相互誘導起電力
を検出して透磁率変化の検出ひいてはトルクの検出を行
う例を説明した。しかしながら、本発明はこのような相
互誘導作用を利用するものに限られず、自己誘導作用を
利用してトルク検出を行うことも可能である。
【0047】自己誘導作用を利用するトルクセンサは、
第1磁性体層と第2磁性体層との間に1枚のみのプリン
ト配線板が配設されて構成される。なお、第1磁性体層
および第2磁性体層は上記実施例のものと同じである。
第1磁性体層62には、上述の励磁用プリント配線板2
2,52と同様に、2列に並んで且つ周方向に対して4
5度傾いた複数のスリット62a,62bが形成されて
いる。そして、プリント配線板63にはそれぞれスリッ
ト62a,62bと対向するコイルパターン63a,6
3bが形成されている。
【0048】これらコイルパターン63a,63bは、
図12に示すように、処理回路70に接続される。この
処理回路70においては、交流電源71からの交流電流
がコイルパターン63a,63bに流されてこれらが励
起される。これにより、この電流に対応して互いに反対
方向となる磁界P,Qがこれらコイルパターンの周りに
発生する。このとき、電流変化に応じて自己誘導起電力
がこれらコイルパターン63a,63bに発生する。こ
の自己誘導起電力が加算器72を介して端子73から取
り出されるようになっている。
【0049】このような状態で、フレクスプライン部材
にトルクが加わって弾性変形し、第1磁性体層62の透
磁率が変化すると、このコイルパターン63a,63b
に発生する自己誘導起電力も変化する。このため、端子
73から取り出された自己誘導起電力に基づいてフレク
スプライン部材を介して伝達されるトルクを演算して求
めることができる。
【0050】次に、本発明の第3実施例に係るトルクセ
ンサ120について説明する。このトルクセンサ120
は、図13に示すように、中央に開口を有するドーナッ
ツ型円盤状に形成され、このトルクセンサ120を構成
する励磁コイルを励磁する発振回路140と、検出コイ
ルの誘導起電力を検出する信号処理回路130がトルク
センサ120に接続されている。
【0051】このトルクセンサ120をフレクスプライ
ン部材10に取り付けた状態を図14に示している。こ
のトルクセンサ120においては、カップリング部12
の円盤状底壁(ダイヤフラム部)12aの表面にアモル
ファス層からなる第1磁性体層122を一体形成してい
る。この第1磁性体層122の上には、励磁コイルパタ
ーンが形成された励磁用プリント配線板123と、検出
コイルパターンが形成された検出用プリント配線板12
4とが重ねて配設され、この上に、アモルファス合金シ
ートからなる第2磁性体層125が配設されている。
【0052】第1磁性体層122は、図15に示すよう
に、中央に円状の開口122cを有した円盤状に形成さ
れており、第一磁性体層122の同一円周上には、小円
形内に整列した複数のスリット列(SA,SB,SC…
…、SF)が周方向にそれぞれ等間隔に並んで形成され
ている。図示のように、このスリット列は第一磁性体層
122の回転中心軸を中心に点対称とした一対のスリッ
ト列(例えばSAとSD)を一組として、複数組をそれ
ぞれ等間隔に配設し、しかも、一方のスリット列SAは
周方向に対して右側に45度傾き、他方のスリット列S
Dは周方向に対して左側に45度傾いて形成されてい
る。なお、スリット列SAを左側に、スリット列SDを
右側に傾斜させてもよい。また、スリット対の数は図示
のように3個とは限られず、いくつであってもよい。実
際はもっと多くのスリット対を等間隔に配設して構成さ
れている。
【0053】励磁用プリント配線板123は、図16に
示すように、絶縁材料性フレキシブルプリント基板12
3dの表面であって、第一磁性体層122に重ねてフレ
クスプライン部材10のダイヤフラム部12aに配設さ
れたときに、前記スリット列SA、SB、……SFに重
なる位置に、時計方向回り(反時計方向でもかまわな
い)に渦巻き状に成形された複数の励磁コイルパターン
RA、RB、……RFが形成されて作られている。そし
て、これらの励磁コイルパターンRA,RB、……、R
Fはコイルに流れる電流方向が互いに同一となるよう
に、一のコイルパターンの終端と隣接した次のコイルパ
ターンの始端とが接続されて作られている。コイルの巻
き数は特に限定されるものではなく、発生させるべき磁
束数等によって決められるべきものである。
【0054】最初のコイルパターン(図16の例ではR
D)の始点と最終のコイルパターン(図16の例ではR
C)の終点は通電励磁用の発振回路140に接続されて
いる。これらのコイルパターンは発振回路140および
信号処理回路130との接続部分を除いては全て絶縁コ
ーティングされており、これらコイルパターンに電流を
流せばこの電流により電磁誘導された磁界が図14に示
す方向に交番磁界Pとして発生する。この磁界は円形電
流により発生するため、その円形部の中心を通過するよ
うに集束した磁界となる。
【0055】検出用プリント配線板124も励磁用プリ
ント配線板123と同様に、図17に示すように、絶縁
材料性フレキシブルプリント基板124dの表面であっ
て、第一磁性体層122に重ねてフレクスプライン部材
10のダイヤフラム部12aに配設されたときに、前記
複数のスリット列SA、SB、……、SFおよびそれぞ
れの励磁コイルパターンRA、RB……、RFに重なる
位置に、渦巻き状に成形されたコイルパターンが前記ス
リット列の数と同数だけ形成されて作られている。
【0056】そして、これらのコイルパターン(KA,
KB,KC……、KF)は、一のコイルパターンの終端
と一つおいて隣接する他のコイルパターンの始端とが接
続され、それぞれ第一の検出コイル層124aと第二の
検出コイル層124bとを形成して構成されている。こ
れらの検出用コイルパターンの巻き方向は時計方向(c
w)および反時計方向(ccw)の何れであってもよい
が、少なくとも、同一の検出コイル層に含まれるコイル
パターンの巻き方向は同一でなければならない。なお、
各コイルパターンの巻き数を各コイルパターンが同一で
ある限り、もっと多くしても良く、図17に示された巻
数に限定されるものではない。
【0057】第一の検出コイル層24aの最初のコイル
パターン(図17の例ではKE)の一端は基準電位に接
続され、最後のコイルパターン(図17の例ではKC)
の終端が差動増幅回路の一端に接続され(例えば、プラ
ス側入力)、第二の検出コイル層124bの最初のコイ
ルパターンの一端は前記と同じ基準電位に接続され、最
後のコイルパターンの終端は差動増幅器の他端(例え
ば、マイナス側入力)に接続されている(図19参
照)。これらの検出コイル層124a,124bも接続
部分を除いては全て絶縁コーティングされており、前記
磁界の変化に対して誘導電流が流れるようになってい
る。
【0058】上述した両プリント配線板123、124
が第一磁性体層122の上に重ねられた状態で第一磁性
体層122上に形成されたスリット列SA、励磁コイル
パターンRAおよび検出コイルパターンKAが重なり、
また、スリット列SB、励磁コイルパターンRBおよび
検出コイルパターンKBが重なる。これら全てのスリッ
ト列と各コイルパターンの対応関係を表す表を図18に
示す。
【0059】第2の磁性体層125は励磁用プリント配
線板123および検出用プリント配線板124を覆うリ
ング状に形成され、これらの上に重ねて取り付けられ
る。この第2の磁性体層125は本発明の必須の構成要
件ではないが、励磁コイル層123aに交流電流を流し
て図14に示す磁界Pを発生させるときの磁束路として
の役割を果たす。従って、第2磁性体層125が存在す
る場合には漏れ磁束が少なくなり、第一磁性体層122
を通過する磁束数の減少を抑えて、弾性変形に対する磁
界の強さの変化を大きくでき、透磁率変化の検出精度を
高めることができる。
【0060】ここで、フレクスプライン部材10を介し
てトルク伝達がなされるときにフレクスプライン部材1
0がこのトルクを受けて弾性変形すると、第一磁性体層
122も一緒に変形し、この変形により第一磁性体層1
22の磁気歪特性が変化して透磁率が変化する。このよ
うに透磁率が変化すると図14に示す磁界Pの強さが変
化するので検出コイル層124a,124bに生じる誘
導起電力を検出すれば透磁率の変化を検出することがで
きる。
【0061】本発明のトルクセンサ120では透磁率変
化の最大となる方向、すなわち第一磁性体層122の周
方向に対して45度傾いた方向にスリット列SA、S
B、SC……、SFを形成しており、このスリット列に
よって形状的な異方性効果を得て第一磁性体層122に
おける透磁率変化を増幅させている。そして、図15に
示すように、周方向に対し右に45度傾斜するスリット
列SA,SC,SEと左に45度傾斜するスリット列S
B,SD,SFとが交互に等間隔に配置しているため、
フレクスプライン部材10にトルクTが図示方向に作用
すると、スリット列SA,SC,SEが形成された第一
磁性体層122の部分には矢印U(図15の拡大図に示
す)で示す方向に引張力が作用し、スリット列SB,S
D,SFが形成された第一磁性体層22の部分には矢印
V(図15の拡大図に示す)で示す方向に圧縮力が作用
する。しかも、これらの引張力および圧縮力は第一磁性
体層122の中心からの距離が等しい部分に生じたもの
であり、等しい応力に応じて生じたものであることか
ら、全て絶対値の等しいものである。
【0062】このような応力によって第一磁性体層12
2の透磁率変化を検出する装置、すなわち、図13の信
号処理回路130について図19を参照して説明する。
この回路160は発振回路141を有しており、この発
振回路141からの交流電流が励磁コイル123aに供
給されて、励磁コイル層123a周辺に図14に示すよ
うなコイルパターンの中心に集束するような磁界Pを発
生させる。なおこのとき、各コイルパターンRA等は同
一方向の磁界を発生させるため、発生した磁界が第一磁
性体層122の内部で互いに干渉し合うことはない。
【0063】この磁界Pは第一磁性体層122および第
二磁性体層125の内部を磁束路とした交番磁界であ
り、検出コイルパターンKA、KB等とも鎖交して生じ
ている。従って、発生した磁界が変化する度に第一およ
び第二の検出コイル層124a、124bに相互誘導起
電力が発生する。さらに、第一磁性体層122の変形に
よる磁気歪特性の変化によって、第一磁性体層122の
透磁率が変化するため、この磁界は透磁率に変化に従っ
てその強さを変化させることになる。この磁界の変化は
検出コイル層124a、124bの相互誘導起電力の変
化として検出することが可能である。
【0064】ところで、第一磁性体層122の透磁率の
変化は、弾性変形が引張力による場合と圧縮力による場
合とで異なり、従って、応力が零の状態を基準とすると
両者において正負逆の信号として検出することが可能で
ある。このため、本発明では、検出コイル層を、スリッ
ト列SA,SC,SEが形成された第一磁性体層122
の部位に生じた応力に対応して生じる透磁率変化を磁界
の変化として検出する第一の検出コイル層124aと、
スリット列SB,SD,SFが形成された第一磁性体層
122の部位に生じる応力に対応して生じた透磁率変化
を磁界の変化として検出する第2の検出コイル群124
bとに分割して構成している。
【0065】このように検出コイルを分割して構成する
と、図20に示すように、第一の検出コイル層124a
から検出される誘導起電力の変化分が正の信号として検
出されるときには第二の検出コイル層124bから検出
される誘導起電力の変化分は負の信号となり、また、第
一の検出コイル層124aから検出される誘導起電力の
変化分が負の信号として検出されるときには第二の検出
コイル層124bから検出される誘導起電力は変化分は
正の信号となる。しかもその絶対値はトルクのかかる方
向に左右されず、同一である(図20の直線(a)、
(b))。従って、両検出コイル層124a、124b
の出力を差動増幅器131のそれぞれの入力に接続すれ
ば透磁率の変化を両者の差に該当する電圧として取り出
すことができる(図20の曲線(c))。
【0066】このようにして検出した透磁率変化に対応
する電圧はフレクスプライン部材10の弾性変形に比例
するため、この電圧に基づいてフレクスプライン部材1
0を介して伝達されるトルクを演算して求めることがで
きる。なお、フレクスプライン部材10はウェーブジェ
ネレータ6により楕円形状に弾性変形されるため、第1
磁性体層122の磁気歪特性はこの弾性変形の影響も受
けるのであるが、楕円形状の弾性変形は全周にわたって
磁気歪特性を平均すれば零となるものである。従って、
検出コイル層124aのコイルパターンの数を増やすか
若しくは第一磁性体層122に相互に傾斜方向の異なる
スリット列を左右対称に構成していけば同じく平均して
零となり、実際には伝達トルクのみを検出することがで
きる。
【0067】以上においては、励磁用プリント配線板1
23と検出用プリント配線板124を重ねて配設し、励
磁コイル層123aの通電により発生する磁界を検出コ
イル層124a,124bに生じる相互誘導起電力とし
て検出して透磁率変化の検出ひいてはトルクの検出を行
う実施例を説明した。しかしながら、本発明はこのよう
な相互誘導作用によるものに限られず、自己誘導作用を
利用してトルク検出を行うことも可能である。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のトルクセ
ンサによれば、トルク伝達可能でこのトルクを受けて弾
性変形する弾性体の表面に、弾性体の弾性変形に応じて
その磁気歪特性が変化する第1磁性体層を周方向に延び
て一体に形成しているので、弾性体の弾性変形がそのま
ま第1磁性体層に伝達され、第1磁性体層の磁気歪特性
は伝達トルクに正確に比例して変化する。このため、本
発明のトルクセンサでは非常に正確な伝達トルク検出が
可能である。
【0069】しかも、このトルクセンサは、2つの磁性
体層と、これらに挟まれたプリント配線板から構成され
ており、厚さの薄い構成であるため、減速機構のトルク
伝達部材(例えば、波動減速機構のフレクスプライン部
材)の表面に直接設けることができ、減速機構を変更し
たり、新たな部品を追加することなく簡単に取り付ける
ことが可能である。さらに、歪ゲージに比べて耐衝撃性
能が高く、移動ロボットにのように衝撃が加わりやすい
関節部等にも用いることが可能である。
【0070】なお、第1磁性体層を、弾性体の表面に一
定厚さを有して形成されたアモルファス層から形成し、
この平面状アモルファス層に周方向に対し所定の傾斜角
度を有した複数のスリットを周方向に並んで形成するの
が好ましい。もしくは、第1磁性体層を、弾性体の表面
に直線状平面形状を有して形成された複数の線状アモル
ファス層から形成し、この線状アモルファス層を周方向
に対し所定の傾斜角度を有して周方向に並んで形成する
のが好ましい。
【0071】弾性体がトルクを受けて弾性変形するとき
に、この弾性体の表面における磁気歪は周方向に対して
45度の方向において最大となり、磁気透磁率変化もこ
の方向において最大となる。このため、周方向に対して
所定の傾斜角度、例えば、45度の角度を有した複数の
スリットもしくは線状アモルファス層を周方向に並べて
形成すれば、形状的な異方性効果が加わって弾性変形時
における磁気透磁率変化が増幅されて表れるため、トル
ク検出をより正確に行うことができる。
【0072】さらに、弾性体の弾性変化に伴って磁気歪
特性を変化させる第1磁性体層に設けられた一対のスリ
ット列の一方が周方向に対して右にほぼ45度の角度を
もって形成され、他方が周方向に対して左にほぼ45度
の角度をもって形成され、第一の磁性体層の同一円周上
に異なった角度を有するスリット列を交互に等間隔に並
べて配設し、検出コイルを、この一方の角度を有するス
リット列に対向する第一の検出コイル層と他方の角度を
有するスリット列に対向する第二の検出コイル層とに分
割して構成することが望ましい。
【0073】弾性体がトルクを受けて弾性変形すると
き、この弾性体の表面における磁気歪は周方向に対して
45度の方向において最大となり、透磁率変化もこの方
向において最大となるため、前述したように、周方向に
対して45度の角度を有した複数のスリット列を同一円
周上に並べて形成すれば、形状的な異方性効果が加わっ
て弾性変形時における透磁率変化が増幅して現れる。従
って、スリット列をこの方向に設けることにより、トル
ク検出をより正確に行うことができる。
【0074】また、弾性変形時に第1磁性体層の表面に
は圧縮応力および引張応力が相反する方向に生じるた
め、上記のように左右それぞれ45度の角度を有するス
リット列を交互に等間隔に配設すれば、第一の検出コイ
ル層によって検出される誘導起電力と、第二の検出コイ
ル層によって検出される誘導起電力とが絶対値として同
一の出力値となり、かつ、正負逆に出力されるため、両
起電力の差を検出することによりトルク検出をより正確
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトルクセンサが用いられる波動減
速機構を示す断面斜視図である。
【図2】この機構を構成するフレクスプライン部材およ
びこれに取り付けられたトルクセンサを示す斜視図であ
る。
【図3】トルクセンサおよび処理回路を示す斜視図であ
る。
【図4】フレクスプライン部材に取り付けられたトルク
センサを示す断面図である。
【図5】トルクセンサを構成する第1磁性体層の平面図
である。
【図6】トルクセンサを構成する励磁用プリント配線板
の平面図である。
【図7】トルクセンサを構成する検出用プリント配線板
の平面図である。
【図8】処理回路を示す電気回路図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係るフレクスプライン
部材およびこれに取り付けられたトルクセンサを示す斜
視図(A)およびトルクセンサおよび処理回路を示す斜
視図(B)である。
【図10】このフレクスプライン部材に取り付けられた
トルクセンサを示す断面図である。
【図11】トルクセンサを構成する第1磁性体層の平面
図である。
【図12】処理回路の異なる例を示す電気回路図であ
る。
【図13】本発明の第3の実施例に係るトルクセンサ部
の構成を表す斜視図である。
【図14】フレクスプライン部材に取り付けられた第3
実施例に係るトルクセンサを示す断面図である。
【図15】このトルクセンサを構成する第一磁性体層の
平面図およびスリット部の拡大図である。
【図16】このトルクセンサを構成する励磁用プリント
配線板の平面図である。
【図17】このトルクセンサを構成する検出用プリント
配線板の平面図である。
【図18】フレクスプライン部材に取り付けらたトルク
センサのスリット列とコイルパターンとの重ね合わせ状
態を表す表である。
【図19】信号処理回路を示す電気回路図である。
【図20】本発明にかかるトルクセンサよって検出され
る誘導起電力対トルクの関係を示すグラフである。
【符号の説明】 1 支持ケース 6 ウェーブジェネレータ 10 フレクスプライン部材 21,51 カーボンクロスシート 22,52 第1磁性体層 23,53 励磁用プリント配線板 24,54 検出用プリント配線板 30,50 処理回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トルク伝達可能でこのトルクを受けて弾
    性変形する弾性体の表面に設けられ、前記トルクを検出
    するトルクセンサであって、 前記弾性体の表面に周方向に延びて一体に形成され前記
    弾性体の弾性変形に応じてその磁気歪特性が変化する第
    1磁性体層と、この第1磁性体層上に重ねて配設され前
    記磁気歪特性の変化を検出する平板状コイルと、この平
    板状コイルを覆って配設された第2磁性体層とから構成
    されることを特徴とするトルクセンサ。
  2. 【請求項2】 前記第1磁性体層が、前記弾性体の表面
    にスパッタリング、蒸着、溶射等によりアモルファス層
    を設けて形成されることを特徴とする請求項1に記載の
    トルクセンサ。
  3. 【請求項3】 前記第1磁性体層が前記弾性体の表面に
    一定厚さを有して形成されたアモルファス層からなり、
    この平面状アモルファス層に周方向に対し所定の傾斜角
    度を有した複数のスリットが周方向に並んで形成されて
    いることを特徴とする請求項1もしくは2に記載のトル
    クセンサ。
  4. 【請求項4】 前記第1磁性体層が前記弾性体の表面に
    直線状平面形状を有して形成された複数の線状アモルフ
    ァス層からなり、この線状アモルファス層が周方向に対
    し所定の傾斜角度を有して周方向に並んで形成されてい
    ることを特徴とする請求項1もしくは2に記載のトルク
    センサ。
  5. 【請求項5】 前記第1磁性体層にはその中心を挟んで
    対称の位置に、前記周方向に対して左右対称の傾斜をも
    った一対のスリット列が複数個、同一円周上にそれぞれ
    離間して形成されており、前記平板状コイルは前記第1
    磁性体層のスリット列上に重ねて配設されていることを
    特徴とする請求項1もしくは2に記載のトルクセンサ。
  6. 【請求項6】 前記一対のスリット列の一方が周方向に
    対し右にほぼ45度の角度を有し、他方が周方向に対し
    左にほぼ45度の角度を有して設けられ、前記第1磁性
    体層の同一円周上において各々異なった角度を有する前
    記スリット列を交互に等間隔に並んで配設したことを特
    徴とする請求項5に記載のトルクセンサ。
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