JP3844316B2 - 波動減速機における伝達トルク検出装置 - Google Patents
波動減速機における伝達トルク検出装置 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばロボットの減速機等として用いられる波動減速機において伝達されるトルクを検出する装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年ロボットは多用されているが、このロボットの制御において、関節部等のトルクを計測しこれを制御に利用することは、ロボットの制御性能を向上させる上で非常に有用である。また、計測トルクを用いて故障診断を行うようにすれば、安全性を向上させることができる。
【0003】
このようなことから、ロボット駆動に用いられる波動減速機における伝達トルクを検出する装置は従来から種々提案されている。一例を挙げれば、特開平7−103291号公報に開示された波動減速機があり、ここでは波動減速機を構成するフレクスプラインの周囲にコイルを配設し、フレクスプラインに作用するトルクをフレクスプラインの磁気特性の変化に基づくインピーダンスの変化から検出するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように波動減速機を介して伝達するトルクを、このトルクによるフレクスプラインの弾性変形に基づいて検出する装置等は従来から知られている。しかしながら、フレクスプラインはウエーブジェネレータにより変形されるものであるため、フレクスプラインには伝達トルクによる弾性変形に加えてウエーブジェネレータによる弾性変形が生じ、ウエーブジェネレータによる弾性変形が伝達トルクの検出精度を低下させるおそれがあるという問題がある。この問題は本出願人が先に出願した特願平8−47724号に記載のように、センサの配置により解決できるが、フレクスプラインの製造不均衡などに起因する検出誤差は修正できないという問題がある。
【0005】
このような問題に鑑み、本発明は波動減速機において、ウエーブジェネレータによるフレクスプラインの弾性変形の影響を受けることなく伝達トルクを正確に検出できるような伝達トルク検出装置および方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的達成のため、本発明に係る伝達トルク検出装置においては、フレクスプラインの弾性変形に基づいて波動減速機を介して伝達される実伝達トルクを検出するトルクセンサと、ウエーブジェネレータの回転速度を検出する回転速度センサと、トルクセンサにより検出された実伝達トルクからウェーブジェネレータの回転速度に対応する周波数成分を有するトルク成分を除去するフィルタ手段とを有し、このフィルタ手段により上記トルク成分が除去されて得られた修正伝達トルクに基づいて、波動減速機の伝達トルクを算出する。
【0007】
ウエーブジェネレータにより生じるフレクスプラインの弾性変形は、ウエーブジェネレータのカムにより引き起こされるものであり、ウエーブジェネレータの回転速度に比例する。このため、ウエーブジェネレータの回転速度に対応する周波数成分を有するトルク成分が、ウエーブジェネレータにより生じるフレクスプラインの弾性変形により検出されるトルク成分に対応し、トルクセンサにより検出された実伝達トルクからこのトルク成分を除去すれば、上記弾性変形の影響を除去した正確な伝達トルクを算出することができる。
【0008】
なお、ウエーブジェネレータのカムによりフレクスプラインの弾性変形が生じるものであるため、ウエーブジェネレータの回転数をN(=カム数)倍した周波数成分を有するトルク成分を除去するのが最も好ましい。このため、上記フィルタ手段はウエーブジェネレータの回転数(回転速度)のN倍(但し、Nはウエーブジェネレータのカム数)の周波数成分を有するトルク成分を除去するバンドパスフィルタにより構成される。また、この周波数成分の高周波分(整数倍の周波数成分)を有するトルク成分も除去するのが望ましい。これら周波数成分の除去はバンドパスフィルタにより行える。
【0009】
本発明ではさらに、ウエーブジェネレータの回転角度位置を検出する回転角度センサと、ウェーブジェネレータの回転角度位置に対応したトルク補正データを測定記憶した補正データ記憶手段と、トルクセンサにより検出された実伝達トルクを補正データ記憶手段に記憶されたトルク補正データに基づいて補正して補正伝達トルクを求めるトルク補正手段とを設けるのが好ましく、この場合には、フィルタ手段は、トルク補正手段により補正して求められた補正伝達トルクから、ウェーブジェネレータの回転速度に対応する周波数成分を有するトルク成分を除去して修正伝達トルクを求める。
【0010】
ウエーブジェネレータにより生じるフレクスプラインの弾性変形はその回転角度に対応して一定のものであるため、ウエーブジェネレータの回転角度位置に対応したトルク補正データも伝達トルクの如何に拘わらず一定である。このため、上記のように、ウエーブジェネレータの回転角度に対応してウエーブジェネレータによるフレクスプラインの弾性変形のみに基づいて検出されるトルクを、トルク補正データとしてウエーブジェネレータの回転角度に対応して記憶しておき、実際の検出トルクからこのトルク補正データを引き去れば、ウエーブジェネレータによるフレクスプラインの弾性変形の影響を除去した補正伝達トルクを得ることができる。その上で、このようにして求めた補正伝達トルクからウェーブジェネレータの回転速度に対応する周波数成分を有するトルク成分を、フィルタ手段により除去して修正伝達トルクを求めれば、一層正確な伝達トルクを求めることが可能である。
【0011】
但し、トルク補正データは、波動減速機の温度に応じて変動する。これは、例えば、低温のときには潤滑油の粘性が大きくなり駆動抵抗が大きくなるといったことによるものである。このようなことから、波動減速機の温度毎にトルク補正データを測定設定し、波動減速機の実際の温度に対応するトルク補正データを用いて補正伝達トルクを求めるのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る伝達トルク検出装置について説明する。本発明に係る波動減速機の一例を図1に示している。この減速機は、内歯サーキュラースプライン1aが形成されたほぼ円筒状の支持ケース1とこの支持ケース1に結合されたフランジカバー2とに囲まれた空間内に、以下の部材をベアリング8a,8bにより回転自在に支持して構成される。なお、これら支持ケース1およびフランジカバー2は通常、固定保持される。
【0013】
波動減速機は入力軸3の回転を非常に大きな減速比(数十から百数十といった非常に大きな減速比)で減速して出力軸13に伝達する減速機であるが、この減速機そのものは従来から公知であるので、この減速機自体の説明は簡単に行う。
【0014】
入力軸3はベアリング8aを介してフランジカバー2により回転自在に支持されており、一端が外方に突出し、他端に楕円盤カム5が結合されている。この楕円盤カム5の外周に沿って複数の押圧ボール6aを等間隔で配設してウェーブジェネレータ6が構成されている。一方、出力軸13はベアリング8bを介して支持ケース1により回転自在に支持されるとともに、一端が支持ケース1の側面から外方に突出し、他端が支持ケース2内に配設されたフレクスプライン部材10に結合されている。
【0015】
フレクスプライン部材10は、弾性材料から形成された部材で、先端部に外歯フレクスプライン11を有するとともに、この外歯フレクスプライン11と出力軸13とを結合する円盤状底壁12aを有した薄肉円筒状のカップリング部12を有して構成される。外歯フレクスプライン11の内周面に沿ってウェーブジェネレータ6が位置するとともに、この外歯フレクスプライン11は内歯サーキュラースプライン1aと噛合する位置にある。
【0016】
ウェーブジェネレータ6において、楕円盤カム5はその楕円形状に対応してボール6aを外周方向に押し上げ、フレクスプライン11は楕円形に弾性変形される。このとき、フレクスプライン11における楕円の長軸に対応する部分が最も外周側に押し出されるように変形し、フレクスプライン11は180度離れた2箇所において内歯サーキュラースプライン1aと噛合する。
【0017】
以上の構成の波動減速機において、入力軸3が回転駆動されるとこれに結合されたウェーブジェネレータ6(楕円盤カム5)が一緒に回転され、フレクスプライン11と内歯サーキュラースプライン1aとの噛合位置がこの回転とともに回転移動する。ここで、内歯サーキュラースプライン1aの歯数に対してフレクスプライン11の歯数が1〜数枚少なく形成されており、上記のように入力軸3の回転に応じて噛合位置が回転移動すると、入力軸3が1回転したときにフレクスプライン部材10はこの相違歯数分だけ回転する。すなわち、入力軸3の一回転に対して出力軸13はフレクスプライン11の1〜数枚の歯数分しか回転されず、非常に大きな減速比で回転が伝達される。
【0018】
この波動減速機におけるフレクスプライン部材10の円盤状底壁12aの外側面に、このフレクスプライン部材10を介して伝達されるトルクを検出するトルクセンサ20が接着されて配設されている。このトルクセンサ20の上には保護カバー15が取り付けられている。なお、フレクスプライン部材10を保護カバー15を外した状態で図2に示している。
【0019】
本例のトルクセンサ20は、図3に示すように、中央に開口を有するドーナッツ型円盤状に形成され、このトルクセンサ20を構成する励磁コイルを励磁したり、検出コイルの誘導起電力を検出したりする処理回路30がトルクセンサ20に接続されている。
【0020】
このトルクセンサ20をフレクスプライン部材10に取り付けた状態を図4に示している。トルクセンサ20は、アモルファスシートもしくはアモルファス合金シートから形成された第1磁性体層22を有し、この第1磁性体層22は接着剤を含浸させたカーボンクロスシート21によりフレクスプライン部材10の円盤状底壁12aの外側面にしっかりと接着されている。この第1磁性体層22の上には、励磁コイルパターン23a,23bが形成された励磁用プリント配線板23と、検出コイルパターン24a,24bが形成された検出用プリント配線板24とが重ねて配設され、この上に、アモルファスシートもしくはアモルファス合金シートからなる第2磁性体層25a,25bが配設されている。
【0021】
第1磁性体層22は、図5に示すように、アモルファスもしくはアモルファス合金からなるシートを中央に円状開口22cを有した円盤状に形成して作られており、周方向に整列した複数のスリット22a,22bが2列にリング状に並んで形成されている。図示のように、内周側スリット22aおよび外周側スリット22bはそれぞれ、周方向に対して45度傾いて形成されており、しかも、内周側スリット22aは周方向に対して左側に45度傾き、外周側スリット22bは周方向に対して右側に45度傾いて形成されている。なお、内周側スリット22aを右側に45度傾け、外周側スリット22bを左側に45度傾けてもよい。
【0022】
励磁用プリント配線板23は、図6に示すように、絶縁材料性フレキシブルプリント基板23eの表面に、内周側に位置するとともに時計回り方向に形成された第1励磁コイルパターン23aと、外周側に位置するとともに反時計回り方向に形成された第2励磁コイルパターン23bとが形成されて作られている。図において、各コイルパターン23a,23bはそれぞれ約二周するように形成されているが、もっと多くの巻数のコイルパターンをそれぞれ形成しても良い。
【0023】
なお、図4においてはコイルパターン22a,22bを模式的に断面円形に示しているが、実際はプリント基板の上に形成された導電材料パターンである。また、図6において、実線のコイルパターンはフレキシブルプリント基板23eの表面に形成され、破線のコイルパターンは裏面に形成されている。なお、間に絶縁層を介して両コイルパターンを表面もしくは裏面に多層に形成してもよい。
【0024】
第1励磁コイルパターン23aの外周端と第2励磁コイルパターン23bの内周端が接続されるとともに、第1励磁コイルパターン23aの内周端と第2励磁コイルパターン23bの外周端がそれぞれ励磁用コネクタ部23cに接続されており、励磁用コネクタ部23c以外のコイルパターンは絶縁コーティングされている。励磁用コネクタ部23cは露出しており、これらコネクタ部23c間に電流を流せば、第1および第2励磁コイルパターン23a,23bを流れる電流により、図4に矢印P,Qで示す磁界が発生する。このとき、両コイルパターン23a,23bの巻方向が反対なので、両磁界P,Qも反対方向の磁界となる。
【0025】
検出用プリント配線板24は、図7に示すように、絶縁材料性フレキシブルプリント基板24eの表面に、内周側に位置して時計回り方向に形成された第1検出コイルパターン24aと、外周側に位置して反時計回り方向に形成された第2検出コイルパターン24bとが形成されて作られている。この検出用プリント配線板24においても、各コイルパターン24a,24bの巻数をもっと多くしても良く、実線のコイルパターンがフレキシブルプリント基板23eの表面に形成され、破線のコイルパターンが裏面に形成される。なお、第1検出コイルパターン24aは第1検出用コネクタ部23cに繋がり、第2検出コイルパターン24bは第2検出用コネクタ部23dに繋がる。
【0026】
上記両プリント配線板23,24が第1磁性体層22の上に重ねられた状態で、第1励磁コイルパターン23aおよび第1検出パターン24aはともに内周側スリット22aの上に重なり、第2励磁コイルパターン23bおよび第2検出パターン24bはともに外周側スリット22bの上に重なる。
【0027】
そして、内周側に位置する第2磁性体層25aは第1励磁コイルパターン23aおよび第1検出パターン24aを覆うリング状に形成され、これらの上に重ねて取り付けられる。同様に、外周側に位置する第2磁性体層25bは第2励磁コイルパターン23bおよび第2検出パターン24bを覆うリング状に形成され、これらの上に重ねて取り付けられる。これら第2磁性体層25a,25bは励磁用コネクタ部23c間に電流を流して図4に示す磁界P,Qを発生されるとき誘磁体としての役目を果たし、第1および第2励磁コイルパターン23a,23bの周りに磁界P,Qを明瞭に発生させる。
【0028】
第1磁性体層22はフレクスプライン部材10の円盤状底壁12aの外側面に接着されているため、フレクスプライン部材10を介してトルク伝達がなされるときにフレクスプライン部材10がこのトルクを受けて弾性変形すると、第1磁性体層22も一緒に変形し、この変形により第1磁性体層22の磁気歪特性が変化して透磁率が変化する。このように透磁率が変化すると、磁界P,Qの強度が変化するので、第1および第2検出コイルパターン24a,24bに生じる誘導起電力の変化を第1および第2コネクタ部24c,24dから取り出して検出すれば、透磁率の変化を検出することができる。
【0029】
このようにして検出した透磁率の変化はフレクスプライン部材10の弾性変形に比例するため、この透磁率の変化に基づいてフレクスプライン部材10を介して伝達されるトルクを演算して求めることができる。なお、フレクスプライン部材10はウェーブジェネレータ6により楕円形状に弾性変形されるため、第1磁性体層22の磁気歪特性はこの弾性変形の影響も受ける。このため、この影響を補正する処理を行って正確な伝達トルク検出を行うようにしているが、この構成は後述する。
【0030】
このように、本発明のトルクセンサは第1磁性体層22の透磁率の変化を検出してトルクを検出するものであるが、第1磁性体層22の透磁率の変化が最大となる方向、すなわち、周方向に対して45度傾いた方向にスリット22a,22bを形成している。図5に示すように、フレクスプライン部材10にトルクTが作用すると内周側のスリット22aが形成された部分には矢印Aで示すようにスリット22aの方向に圧縮力が作用し、外周側のスリット22aが形成された部分には矢印Bで示すようにスリット22bの方向に引っ張り力が作用する。このとき、スリット22a,22bにより形状的な異方性効果を得て第1磁性体層22における透磁率変化を増幅させることができ、トルクの検出精度がより高くなる。
【0031】
以上のようにして透磁率変化を検出する装置、すなわち、図3に示した処理回路30について図8を参照して説明する。この回路30は交流電源31を有しており、この交流電源31からの交流電流が励磁用コネクタ部23cを介して第1および第2励磁コイルパターン23a,23bに流されてこれらが励起される。これにより、この電流に対応して互いに反対方向となる磁界P,Qが図4に示すように、これらコイルパターン23a,23bの周りに発生する。
【0032】
この磁界P,Qは、第1および第2検出コイルパターン24a,24bに相互誘導起電力を発生させ、この相互誘導起電力が第1および第2コネクタ部24c,24dを介してブリッジ回路32a,32bに取り出される。ここで、磁界P,Qの方向が逆なので、誘導起電力は一方がプラスで他方がマイナスの値となり、これがブリッジ回路32a,32bを介して両者の差に該当する電圧として検出端子33から取り出される。
【0033】
以上まとめると、波動減速機の入力軸3の回転が減速されて出力軸13に伝達されるとき、フレクスプライン部材10を介してトルク伝達がなされるので、この伝達トルクの大きさに応じてフレクスプライン部材10が弾性変形する。このため、第1磁性体層22の透磁率が変化し、磁界P,Qの強さが変化し、検出端子33において検出される電圧も変化する。この電圧変化から透磁率の変化を演算し、フレクスプライン部材10を介して伝達されるトルクの大きさを求めることができる。
【0034】
以上のように、波動減速機にトルクセンサが組み込まれるのであるが、このトルクセンサの検出値は、上述のようにウエーブジェネレータによるフレクスプラインの弾性変形分も検出するため、これを補正して正確な伝達トルク検出を行うトルクセンサシステム(伝達トルク検出装置)が構成されている。このトルクセンサシステムについて以下に説明する。
【0035】
このトルクセンサシステム構成を図9に示しており、このシステムは、上述のように構成されたトルクセンサ20を有した波動減速機HDおよびトルクセンサからの信号を処理する信号処理回路30を有し、この減速機HDの入力軸3が電動モータ60により回転駆動される。このシステムはさらに、モータ60の駆動軸の回転速度(ウエーブジェネレータの回転速度)を検出するエンコーダ51と、信号処理回路30から出力される検出トルク信号Toをエンコーダ51の検出値に基づいて補正するトルク補正演算器40と、トルク補正演算器(コンピュータ)40により求められた伝達トルクに基づいて電動モータ60の駆動を制御するサーボアンプ50を有する。
【0036】
トルク補正演算器40は、信号処理回路30から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器41と、エンコーダ51の出力をカウントするカウンタ42とトルク補正演算を行う演算処理器(CPU)44とを備える。なお、図9には、減速機HDの温度を検出する温度センサ52と、トルク補正データTcを記憶したRON(読み出し専用メモリ)43とが示されているが、これらは後述する第2実施例においてのみ使用され、本実施例では使用されないのでその部分の説明は後述する。
【0037】
ここで、トルクセンサ20の出力信号を信号処理回路30において処理して得られる検出トルク信号Toは、減速機HDを介して伝達するトルクにウエーブジェネレータ6によるフレクスプライン11の弾性変形の影響が加わったものであり、例えば、図10に示すように、ウエーブジェネレータ6の回転数に比例するサイクルで変化する。本減速機HDは楕円盤カム5を有してウエーブジェネレータ6が構成されるため、ウエーブジェネレータのカム数N=2であり、図10に示すように、半回転毎に変化する波形となる。このため、検出トルク信号は、回転数の2倍(N倍)の周波数で変動する信号となり、この周波数の変動トルクはウエーブジェネレータ6によるフレクスプライン11の弾性変形により発生するものである。
【0038】
なお、図10(A)はウエーブジェネレータ6の回転速度が1000rpmのときの波形で、図10(B)は回転速度が2000rpmのときの波形である。また、この図において、上側の線To(+10)は伝達トルクT=10(N-m)のときの検出信号であり、中央の線To(0)は伝達トルクT=0(N-m)のときの検出信号であり、下側の線To(−10)は伝達トルクT=−10(N-m)のときの検出信号である。
【0039】
このような検出トルク信号Toは、A/D変換器41においてデジタル化された後、演算処理機44において所定周波数成分を除去する修正が行われる。この修正について、図11を参照して説明する。まず、上述のように、トルクセンサ20の出力信号を信号処理回路30において処理するとともに、A/D変換器41においてデジタル化される(ステップS1)。同時に、エンコーダ51の出力信号からウエーブジェネレータ6の回転速度n(w)を検出する(ステップS2)。そして、この回転速度n(w)の2倍(N倍:但し、Nはウエーブジェネレータのカム数であり、本例では楕円盤カムのため、N=2)相当の周波数(f)を算出する(ステップS3)。
【0040】
そして、図12に示すような特性を有するバンドパスフィルターを用いて、このように算出した周波数(f)を中心として所定幅(例えば、±5%)の周波数を有するトルク成分を除去する(ステップS4)。そして、このトルク成分の除去がなされた後のトルク信号を用いて伝達トルクを算出(ステップS5)すると、この算出伝達トルクは、図10に示したトルク変動が除去されたトルク信号となり、ほぼフラットな伝達トルクが求まる。これにより、正確な伝達トルクの検出が可能となる。
【0041】
なお、バンドパスフィルタにより、上記周波数(f)の整数倍の高周波成分も除去するのが好ましく、これにより変動トルク成分の高周波成分も除去でき、一層正確な伝達トルク検出が可能である。また、ここではデジタル化したトルク信号を処理するデジタルフィルタを用いているが、アナログ信号をそのまま用いるフィルタ(例えば、スイッチドキャパシタ等)を用いても良い。
【0042】
次に、本発明の第2実施例を説明する。トルクセンサ20の出力信号を信号処理回路30において処理して得られる検出トルク信号Toは、上述のようにウエーブジェネレータ6の回転数に対応する周波数で変動する信号であるが、図13に示すように、ウエーブジェネレータ6の回転角度θwに対応して変化する値でもある。しかも、回転角度θwに対して見れば、回転数に影響されず一定の変動であり、且つ伝達トルクの大きさに拘わらず常に一定の変動である。このため、ウエーブジェネレータ6によるフレクスプライン11の弾性変形のみにより生じるトルク変動波形を回転角度θwとの関係でトルク補正データTcとして予め測定してROM43に記憶しておき、このトルク補正データTcを用いて補正を行ってもよい。
【0043】
ウエーブジェネレータ6によるフレクスプライン11の弾性変形のみにより生じるトルク変動は変速機HDを介しての伝達トルクが零のときに検出されるトルク(これを無負荷検出トルクTo(0)と称する)であり、図13に示す無負荷検出トルクTo(0)がトルク補正データTcとしてROM43に記憶される。
【0044】
上記トルク補正は、信号処理回路30から出力される検出トルク信号Toから、上記のようにしてROM43に記憶されたトルク補正データTcを、ウエーブジェネレータ6の回転角度位置θwを合わせた上で、減じて行われ、これにより伝達トルクTtが算出される。このようなトルク補正の例を図14に示しており、無負荷検出トルクTo(0)のプラスマイナス符号を逆転した値を補正トルクTc{=−To(0)}として設定する。そして、例えば、図において実線で示す伝達トルクT=10(N-m)のときの検出信号To(+10)に破線で示すトルク補正データTcを、回転位相を合わせた状態で加えると、図15に示すように、ほぼフラットな伝達トルクTt(+10)が求まる。
【0045】
ウエーブジェネレータ6によるフレクスプライン11の弾性変形のみにより検出される検出トルクは無負荷検出トルクTo(0)に等しく、伝達トルクの大きさによっても変化しないため、上記のような補正が可能である。しかしながら、この無負荷検出トルクTo(0)は、減速機HDの温度が変化すると変化する。これは、温度に応じて潤滑油の粘度が変化したりするためであるが、このため、各温度に対応する無負荷検出トルクTo(0)を検出するとともに、これらデータが全てROM43内に記憶されている。そして、トルク補正を行うときには、温度センサ52により検出された温度に対応するトルク補正データTcを読み出してトルク補正を行う。
【0046】
なお、このように温度毎のデータを記憶しておく代わりに、基準温度でのトルク補正データのみをROM43に記憶しておくとともに、温度変化に対するトルク補正データの修正係数を測定記憶しておき、トルク補正を行うときには、検出温度に対する修正係数を読み出して、これをROM43から読み出したトルク補正データに乗じて得られたデータを用いても良い。
【0047】
以上のようにトルク補正データTcを減じる補正を行えば、理論的には図15に示すようなフラットなデータが得られるのであるが、実際の検出トルク波形とトルク補正データTcとが正確に一致するのは難しく、このような補正を行っても若干のトルク変動は残される。但し、このように残されるトルク変動もウエーブジェネレータ6の回転に比例し、且つこの回転数をカム数倍(N倍)した周波数で変動する。このため、本例においては、上記のように補正して得られたトルク信号を図12に示す特性のバンドパスフィルタを通してウエーブジェネレータの回転数のN倍の周波数成分を除去し、一層平坦化されたトルク信号を求め、これにより伝達トルクを算出する。このようにすれば、さらに正確な伝達トルクの検出が可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、検出実伝達トルクからウェーブジェネレータの回転速度に対応する周波数成分を有するトルク成分をフィルタ手段により除去し、このようにして得られた修正伝達トルクに基づいて、波動減速機の伝達トルクを算出するので、ウエーブジェネレータにより生じるフレクスプラインの弾性変形に対応するトルク変動成分を効率良く除去して、正確な伝達トルクの検出が可能である。
【0049】
なお、ウエーブジェネレータのカムによりフレクスプラインの弾性変形が生じるものであるため、ウエーブジェネレータの回転数をN(=カム数)倍した周波数成分を有するトルク成分を除去するのが最も好ましい。なお、この周波数成分の高周波分(整数倍の周波数成分)を有するトルク成分も除去するのが望ましい。これら周波数成分の除去はバンドパスフィルタにより行える。
【0050】
本発明ではさらに、ウエーブジェネレータの回転角度位置を検出する回転角度センサと、ウェーブジェネレータの回転角度位置に対応したトルク補正データを測定記憶した補正データ記憶手段と、トルクセンサにより検出された実伝達トルクを補正データ記憶手段に記憶されたトルク補正データに基づいて補正して補正伝達トルクを求めるトルク補正手段とを設けるのが好ましく、この場合には、フィルタ手段は、トルク補正手段により補正して求められた補正伝達トルクから、ウェーブジェネレータの回転速度に対応する周波数成分を有するトルク成分を除去して修正伝達トルクを求める。
【0051】
ウエーブジェネレータにより生じるフレクスプラインの弾性変形はその回転角度に対応して一定のものであるため、ウエーブジェネレータの回転角度位置に対応したトルク補正データも伝達トルクの如何に拘わらず一定である。このため、上記のように、ウエーブジェネレータの回転角度に対応してウエーブジェネレータによるフレクスプラインの弾性変形のみに基づいて検出されるトルクを、トルク補正データとしてウエーブジェネレータの回転角度に対応して記憶しておき、実際の検出トルクからこのトルク補正データを引き去れば、ウエーブジェネレータによるフレクスプラインの弾性変形の影響を除去した補正伝達トルクを得ることができる。その上で、このようにして求めた補正伝達トルクからウェーブジェネレータの回転速度に対応する周波数成分を有するトルク成分を、フィルタ手段により除去して修正伝達トルクを求めれば、一層正確な伝達トルクを求めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る伝達トルク検出装置が用いられる波動減速機を示す断面斜視図である。
【図2】この減速機を構成するフレクスプライン部材およびこれに取り付けられたトルクセンサを示す斜視図である。
【図3】トルクセンサおよび処理回路を示す斜視図である。
【図4】フレクスプライン部材に取り付けられたトルクセンサを示す断面図である。
【図5】トルクセンサを構成する第1磁性体層の平面図である。
【図6】トルクセンサを構成する励磁用プリント配線板の平面図である。
【図7】トルクセンサを構成する検出用プリント配線板の平面図である。
【図8】処理回路を示す電気回路図である。
【図9】本発明に係る伝達トルク検出装置の構成を示すブロック図である。
【図10】トルクセンサにより検出された検出トルク信号を示すグラフであり、(A)はウエーブジェネレータの回転速度が1000rpmの時で、(B)は2000rpmの時を示す。
【図11】伝達トルクの修正方法を示すブロック図である。
【図12】バンドパスフィルタ特性を示すグラフである。
【図13】トルクセンサにより検出されたトルク信号をウエーブジェネレータの回転角度に対して示すグラフである。
【図14】検出トルク信号をトルク補正データにより補正する処理を説明するグラフである。
【図15】検出トルク信号をトルク補正データにより補正した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 支持ケース
6 ウェーブジェネレータ
10 フレクスプライン部材
20 トルクセンサ
30 信号処理回路
40 トルク補正演算器
50 サーボアンプ
51 エンコーダ
52 温度センサ
60 電動モータ
HD 波動減速機
Claims (4)
- ウエーブジェネレータおよびフレクスプラインを有する波動減速機の伝達トルクを検出する装置であって、
前記フレクスプラインの弾性変形に基づいて、前記波動減速機を介して伝達される実伝達トルクを検出するトルクセンサと、
前記ウエーブジェネレータの回転速度を検出する回転速度センサと、
前記トルクセンサにより検出された実伝達トルクから、前記ウェーブジェネレータの回転速度に対応する周波数成分を有するトルク成分を除去するフィルタ手段と、
このフィルタ手段により前記トルク成分が除去されて得られた修正伝達トルクに基づいて、前記波動減速機の伝達トルクを算出するトルク算出手段とからなることを特徴とする波動減速機における伝達トルク検出装置。 - 前記ウエーブジェネレータを構成するカムの数をN(整数)とすると、前記フィルタ手段は前記ウエーブジェネレータの回転速度のN倍の周波数成分を有するトルク成分を除去するバンドパスフィルタからなることを特徴とする請求項1に記載の伝達トルク検出装置。
- 前記ウエーブジェネレータの回転角度位置を検出する回転角度センサと、前記ウェーブジェネレータの回転角度位置に対応したトルク補正データを測定記憶した補正データ記憶手段と、前記トルクセンサにより検出された実伝達トルクを前記補正データ記憶手段に記憶されたトルク補正データに基づいて補正して補正伝達トルクを求めるトルク補正手段とを有し、
前記フィルタ手段は、前記補正伝達トルクから前記ウェーブジェネレータの回転速度に対応する周波数成分を有するトルク成分を除去して修正伝達トルクを求めることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の伝達トルク検出装置。 - 前記補正データ記憶手段は、前記波動減速機の温度に対応したトルク補正データを測定記憶しており、
前記波動減速機の温度を検出する温度センサを有し、
前記トルク補正手段は、前記温度センサにより検出された温度に対応するトルク補正データを前記補正データ記憶手段から読み出し、この読み出したトルク補正データに基づいて実伝達トルクを補正することを特徴とする請求項3に記載の伝達トルク検出装置。
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