JPH10227311A - 転がり案内装置の潤滑油供給システム - Google Patents

転がり案内装置の潤滑油供給システム

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JPH10227311A
JPH10227311A JP32302297A JP32302297A JPH10227311A JP H10227311 A JPH10227311 A JP H10227311A JP 32302297 A JP32302297 A JP 32302297A JP 32302297 A JP32302297 A JP 32302297A JP H10227311 A JPH10227311 A JP H10227311A
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rolling
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0497Screw mechanisms

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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡易且つ安価な構成で転がり案内装置の潤滑を
確実に行うことが可能であり、しかも潤滑油の消費量を
抑えて、転がり案内装置のランニングコストを低減化す
ることが可能な潤滑油供給システムを提供する。 【解決手段】転動体を介して軌道軸2とスライド部材3
が係合すると共に、かかるスライド部材3に固定された
可動体4を上記軌道軸2に沿って案内する転がり案内装
置1に付設され、上記転動体又は軌道軸2に形成された
転動体の転走面を潤滑する潤滑油供給システムであっ
て、潤滑油を含浸すると共に上記スライド部材3に固定
され、該スライド部材3の運動に伴って上記転動体又は
軌道軸2の転走面に対して潤滑油を塗布する供給部材5
と、かかる潤滑油を収容すると共に上記可動体4に搭載
されたリザーブタンク6と、内部に繊維交絡体が詰めら
れると共に、上記リザーブタンク6内の潤滑油を上記供
給部材5に導く供給チューブ7とから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボール又はローラ
等の転動体を介して軌道軸とスライド部材とが係合した
転がり案内装置に付設され、上記転動体又は軌道軸に形
成された転動体の転走面を潤滑する潤滑油供給システム
に係り、詳細には、簡易且つ安価の構成で転がり案内装
置の潤滑を確実に行うための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の転がり案内装置として
は、工作機械や搬送装置等の直線案内部に使用され、ベ
ッド又はサドル等の固定部上でテーブル等の可動体を案
内する直線摺動装置や、この直線摺動装置と共に使用さ
れ、モータの回転量に応じた直線運動のストロークを上
記可動体に対して与えるボールねじ装置等が知られてい
る。
【0003】前者の直線摺動装置は、上記固定部上に配
設されると共に長手方向に沿ってボールの転走溝が形成
された軌道レールと、多数のボールを介して上記軌道レ
ールの転走溝と対向する負荷転走溝を有すると共に、こ
の負荷転走溝を転走するボールの無限循環路が形成され
た摺動台とからなり、ボールの無限循環に伴い、上記可
動体を支持した摺動台が軌道レールに沿って連続的に直
線運動するように構成されている。
【0004】また、後者のボールねじ装置は、螺旋状の
ボール転走溝が所定のリードで形成されたねじ軸と、多
数のボールを介して上記ボール転走溝と対向する負荷転
走溝を有すると共に、この負荷転走溝を転走するボール
の無限循環路が形成されたナット部材とからなり、これ
らねじ軸とナット部材との相対的な回転運動に伴ってボ
ールが上記無限循環路内を循環し、ナット部材がねじ軸
の軸方向へ連続的に運動するように構成されている。
【0005】ところで、このような転がり案内装置を使
用するに当たっては、ボールそれ自体の摩耗やこれが転
走する軌道レール又はねじ軸(以下、軌道軸)の転走溝
あるいは摺動台又はナット部材(以下、スライド部材)
の負荷転走溝の摩耗を抑え、該スライド部材の高精度の
運動を長期にわたって維持する観点から、かかるボール
や上記負荷転走溝等を良好に潤滑してやる必要がある。
【0006】かかる潤滑方法としては、従来、グリース
ガンを用いて上記スライド部材内にグリースを給脂する
手動給脂方法や、予めスライド部材に対して給油用の配
管を接続しておくと共に、自動ポンプを用いて一定のイ
ンターバルで一定量の潤滑油を強制的に給油する強制給
油方法が知られている。また、近年では、スライド部材
に接続された給油用配管を通して、噴霧した潤滑油を高
圧空気と共に圧送する噴霧潤滑なる方法も知られてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記手動給脂
方法ではスライド部材の走行距離に応じた定期的な給脂
作業を欠くことができず、特に単位時間あたりのスライ
ド部材の走行距離が長い場合には頻繁な給脂作業が必要
となり、かかる作業が煩わしいといった問題点があっ
た。
【0008】一方、上記強制給油方法や噴霧潤滑方法で
は給油用配管が固定的にスライド部材に接続されてお
り、自動的に潤滑油の供給が行われることから、前述の
手動給脂方法のような煩わしさはないが、潤滑油を定期
的に給油するための自動ポンプや、高圧空気をつくり出
すためのポンプが必要となり、装置構成が複雑となると
共にコストが嵩むといった問題点があった。
【0009】また、上記手動給脂方法では軌道軸の転走
溝の潤滑状態等を参考にして給脂作業の時期を推測する
ことができ、グリースを無駄に消費する懸念は少ない
が、上記強制潤滑方法や噴霧潤滑方法では実際の潤滑油
の消費量に関係なく、予め定められている量を定量的に
スライド部材に対して供給するので、潤滑油の無駄な消
費を招き、転がり案内装置を維持する上でのランニング
コストが嵩むといった問題点もあった。
【0010】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであり、その目的とするところは、簡易且つ安価な
構成で転がり案内装置の潤滑を確実に行うことが可能で
あり、しかも潤滑油の消費量を抑えて、転がり案内装置
のランニングコストを低減化することが可能な潤滑油供
給システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、転
動体を介して軌道軸とスライド部材が係合すると共に、
かかるスライド部材に固定された可動体を上記軌道軸に
沿って案内する転がり案内装置に付設され、上記転動体
又は軌道軸に形成された転動体の転走面を潤滑する潤滑
油供給システムであって、潤滑油を含浸すると共に上記
スライド部材に固定され、該スライド部材の運動に伴っ
て上記転動体又は軌道軸の転走面に対して潤滑油を塗布
する供給部材と、かかる潤滑油を収容すると共に上記可
動体に搭載されたリザーブタンクと、内部に繊維交絡体
が詰められると共に、上記リザーブタンク内の潤滑油を
上記供給部材に導く供給チューブとから構成されること
を特徴とするものである。
【0012】このような技術的手段によれば、上記供給
部材に含浸された潤滑油がスライド部材の運動に伴って
軌道軸に塗布されると、かかる塗布によって消費された
分の潤滑油が可動体に搭載されたリザーブタンクから供
給チューブを通して上記供給部材に補給される。
【0013】このとき、上記供給チューブの内部には繊
維交絡体が詰められているので、仮に、上記リザーブタ
ンクがスライド部材に固定された供給部材より上方に位
置している場合であっても、かかるリザーブタンク内の
潤滑油は僅かずつ供給部材に送油されることとなり、供
給部材における潤滑油の含浸量を常に適度な値に保つこ
とができる。
【0014】また仮に、リザーブタンクが供給部材と同
じ程度の高さ又は僅かに下方に位置している場合であっ
ても、リザーブタンク内の潤滑油は上記繊維交絡体の毛
管現象によって僅かずつではあるが供給チューブ内を供
給部材へと吸い上げられるので、塗布によって消費され
る僅かな量の潤滑油であれば、ポンプ等の圧送手段を用
いることなくこれを上記供給部材に対して補給すること
ができる。
【0015】これにより、本発明の潤滑油供給システム
では上記リザーブタンク内に潤滑油が収容されてさえい
れば、ポンプ等の特別な機械装置を使用せずとも転がり
案内装置の転動体又は軌道軸の転走面を確実に潤滑する
ことができ、簡易且つ安価にこれを実施することができ
るものである。
【0016】このような本発明の潤滑油供給システムを
実施するに当たっては、上記リザーブタンクに対して供
給チューブを着脱自在に構成すると共に、可動体に対し
て上記リザーブタンクを着脱自在に構成するのが好まし
い。このようにリザーブタンク及び供給チューブを構成
すれば、潤滑油の消費によって該リザーブタンク内が空
になった場合、リザーブタンクを丸ごと交換して潤滑油
の補給を行うことができ、空になったリザーブタンクに
対して潤滑油を給油する手間を省略することができる。
【0017】また、本発明においては上記リザーブタン
クが転がり案内装置の軌道軸に沿って運動する可動体に
搭載されていることから、かかる可動体が運動すると、
リザーブタンク内の潤滑油が該タンク内で激しく攪拌さ
れて泡立ってしまい、供給チューブ内に円滑に流動しな
い懸念がある。従って、かかる攪拌を防止する観点から
すれば、上記リザーブタンク内にはフェルトあるいはポ
リウレタン等からなる潤滑油の吸蔵体を収容し、かかる
吸蔵体に潤滑油を含浸させるのが好ましい。
【0018】上記リザーブタンクから供給部材に対して
単位時間当たりに送られる潤滑油の量は、これら両部材
の取付高さの差や上記供給チューブの太さ、あるいは潤
滑油の粘度等の影響を受けるが、上記供給部材に対する
潤滑油の供給量よりも軌道軸の潤滑に必要とする潤滑油
の量の方が少ない場合には、結果的に必要以上の潤滑油
が軌道軸に塗布されることとなり、潤滑油を無駄に消費
してしまう懸念がある。従って、かかる観点からすれ
ば、リザーブタンクから供給部材へ送られる潤滑油の量
を制御する流量調整弁を設けて、かかる流量調整弁で上
記供給チューブ内の潤滑油の流量を調整することによ
り、軌道軸の転走面の潤滑に必要とされる量の潤滑油の
みを供給部材へ送るのが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の転がり案内装置の潤滑油供給システムを詳細に説明す
る。図1は本発明の潤滑油供給システムを直線摺動装置
に適用した第1実施例を示すものである。同図におい
て、符号1は直線摺動装置(転がり案内装置)であり、
ベッド又はサドル等の固定部(図示せず)に固定された
軌道レール(軌道軸)2と、多数のボールを介してこの
軌道レール2に係合すると共に該軌道レール2に沿って
運動する摺動台(スライド部材)3とから構成されてい
る。また、符号4は上記摺動台3にボルトで固定された
テーブルなどの可動体であり、本実施例では2条の軌道
レール2とこれに各2基ずつ係合する計4基の摺動台3
によって、上記固定部上における運動が支承されてい
る。
【0020】また、符号5は上記摺動台3の移動方向の
端部に固定されると共に該摺動台3の運動に伴って上記
軌道レール2に潤滑油を塗布する供給部材、符号6は上
記直線摺動装置1に供給すべき潤滑油を収容すると共に
上記可動体4に搭載されたリザーブタンク、符号7は上
記リザーブタンク6から供給部材5に対して潤滑油を送
油する供給チューブである。
【0021】図2に示すように、上記軌道台2にはボー
ル8が転走する転走溝9が形成される一方、摺動台3に
は軌道レール2のボール転走溝9と対向する負荷転走溝
10が形成されており、ボール8はこれら転走溝9と負
荷転走溝10との間で荷重を負荷しながら転走する。ま
た、摺動台3には上記負荷転走溝10の終端まで転走し
終えたボール8を該負荷転走溝10の始端にまで戻す無
限循環路11が形成されており、かかる無限循環路11
内をボール8が循環することによって摺動台3は軌道レ
ール2上を連続的に移動することが可能となっている。
【0022】一方、上記供給部材5は、内部に空間を有
する箱型に形成されると共に該空間が軌道レール2に面
して開放されたケーシング12と、このケーシング12
内に収容されて上記軌道レール2に当接すると共に潤滑
油を含浸した潤滑油保持体13とから構成され、上記ケ
ーシング12を貫通する固定ボルト14によって摺動台
3の移動方向端面に固定されている。上記潤滑油保持体
13としては、ある程度の量の潤滑油を吸収し且つこれ
を保持できるものであれば良く、ポリウレタンやフェル
ト材等を用いることができる。
【0023】これにより、摺動台3が軌道レール2に沿
って移動すると、軌道レール2に当接した潤滑油保持体
13が該軌道レール2を拭うこととなるので、上記潤滑
油保持体13に含浸された潤滑油が軌道レール2のボー
ル転走溝9に塗布され、該ボール転走溝9を転走するボ
ール8が潤滑される。
【0024】また、上記供給部材5は供給チューブ7を
介して可動体4に搭載されたリザーブタンク6と連結さ
れており、リザーブタンク6内に貯蔵された潤滑油が供
給チューブ7を通して上記供給部材5内の潤滑油保持体
13に吸収されるようになっている。上記供給チューブ
7内にはフェルト等の繊維交絡体が詰められており、リ
ザーブタンク6内の潤滑油は一気に供給部材5に流れ込
むのではなく、この繊維交絡体に吸い取られるようにし
て供給部材5へと送られる。
【0025】更に、この供給チューブ7は上記供給部材
5及びリザーブタンク6に対して着脱自在となってお
り、潤滑油保持体13に潤滑油が含浸されてさえいれ
ば、かかる供給チューブ7を取り外した状態において
も、供給部材5で軌道レール2のボール転走溝9の潤滑
を行うことができる。
【0026】一方、上記リザーブタンク6内にもやはり
フェルト等からなる潤滑油の吸蔵体15が詰め込まれて
おり、潤滑油はこの吸蔵体15に吸収保持された状態で
リザーブタンク6内に貯蔵されている。かかるリザーブ
タンク6は可動体4に搭載されていることから、潤滑油
を直接タンク6内に貯蔵したのでは、可動体4の高速往
復運動に伴ってリザーブタンク6内の潤滑油が攪拌さ
れ、泡立ってしまう恐れがある。しかし、このように吸
蔵体15に吸収させた潤滑油をリザーブタンク6内に貯
蔵すれば、かかる問題点の発生を避けることができる。
【0027】図3に示すように、上記リザーブタンク6
の背面には鉤状の取付部16が突出しており、可動体4
に固定されたホルダー17に対してこの取付部16を引
っ掛けることで、かかるリザーブタンク6を可動体4に
固定できるようになっている。従って、このリザーブタ
ンク6は可動体4に対して着脱自在であり、リザーブタ
ンク6内の潤滑油が尽きた場合には、潤滑油が貯蔵され
ている新たなリザーブタンク6をホルダー17に装着し
直すと共に、供給チューブ7を古いタンクから新しいタ
ンクへ接続し直すことで、容易に潤滑油の補給を行うこ
とができる。尚、この実施例では可動体4の側面にリザ
ーブタンク6を装着しているが、可動体4の周辺に配設
される機器の妨げとならないのであれば、可動体4の上
面又は下面にこれを装着するようにしても差し支えな
い。
【0028】そして、以上のように構成された本実施例
の潤滑油供給システムによれば、可動体4と共に直線摺
動装置1の摺動台3が運動すると、かかる運動に伴って
供給部材5が潤滑油保持体13で軌道レール2を拭うの
で、かかる潤滑油保持体13に含浸された潤滑油によっ
て軌道レール2のボール転走溝9とこれを転走するボー
ル8が潤滑される。このような動作が繰り返されること
により、潤滑油保持体13に含浸されている潤滑油の量
は次第に減少してくるが、上記供給部材5には供給チュ
ーブ7を介してリザーブタンク6が接続されていること
から、軌道レール2への塗布によって消費された分の潤
滑油は逐次リザーブタンク6から補給される。
【0029】このとき、上記供給チューブ7内には繊維
交絡体が詰められていることから、リザーブタンク6内
の潤滑油はこの繊維交絡体に吸い取られるようにして供
給部材5へと送られる一方、供給部材5では消費された
分の潤滑油が潤滑油保持体13によって供給チューブ7
の繊維交絡体から吸い取られる。ここで、上記リザーブ
タンク6は摺動台3によって支持された可動体4に搭載
されていることから、供給部材5が固定された摺動台3
とリザーブタンク6との高低差は殆どなく、たとえリザ
ーブタンク6が供給部材5より僅かに低い場合であって
も、リザーブタンク6内の潤滑油は供給チューブ7内の
繊維交絡体の毛管現象によって僅かずつではあるが供給
部材5へと吸い上げられる。
【0030】かかる場合に、潤滑油が毛管現象により供
給チューブ7内をどの程度まで上昇し得るかを確認する
ため、本願発明者は実際に実験を行った。実験に用いた
供給チューブ7は内径3mm程度のビニール製の透明チ
ューブに麻紐を通したものであり、垂直に垂らした供給
チューブ7の下端を潤滑油に浸して実験を行った。その
結果、潤滑油が透明チューブ内の麻紐に含浸され、供給
チューブ7内を50〜60cm程度上昇するのが確認さ
れた。従って、この実験結果によれば、供給部材5がリ
ザーブタンク6よりも50〜60cm程度上方に位置す
る場合であっても、かかるリザーブタンク6より供給部
材5に対して潤滑油を供給可能であることが確認され
た。
【0031】一方、リザーブタンク6が供給部材5より
高い場合であっても、供給チューブ7内に詰め込まれた
繊維交絡体が潤滑油の流動に対して流路抵抗となって作
用するので、リザーブタンク6内の潤滑油が重力の影響
によって一気に供給部材5に流れ込むことはなく、供給
部材5内の潤滑油保持体13は消費した分の潤滑油のみ
を供給チューブ7から受け取ることになる。
【0032】従って、本実施例によればポンプ等の特別
な機構を用いることなく、リザーブタンク6内の潤滑油
を消費量に見合った分だけ供給部材5へと送り込むこと
ができ、かかる供給部材5はリザーブタンク6内に貯蔵
された潤滑油が尽きるまで軌道レール2に対して潤滑油
を塗布し続けることができる。
【0033】一方、図4は本発明の潤滑油供給システム
を直線摺動装置に適用した第2実施例を示すものであ
る。この第2実施例の潤滑油供給システムでは上記リザ
ーブタンク6から供給部材5に送られる潤滑油の流量を
制御するため、これらリザーブタンク6と供給部材5と
を接続する供給チューブ7の途中に流量調整弁18を設
け、かかる流量調整弁18の操作によって必要以上の潤
滑油が供給部材5に補給されるのを防止している。
【0034】この流量調整弁18は、図5に示すよう
に、潤滑油の流路19が形成されたハウジング20と、
このハウジング20に対して螺合すると共に先端にニー
ドル状の弁体21が形成されたハンドル22とから構成
されており、かかるハンドル22の操作に伴い、流路1
9の途中に設けられた弁座23に対して上記弁体21が
抜き差しされ、流路19中を流動する潤滑油の流量が調
整されるようになっている。尚、図中の符号24は上記
供給チューブ7の接続口である。
【0035】そして、このように構成された本実施例の
潤滑油供給システムによれば、上記流量調整弁18を操
作することによってリザーブタンク6から供給部材5へ
補給される潤滑油の流量を任意に調整することができる
ので、直線摺動装置の使用用途に応じた最適量の潤滑油
を供給部材から軌道軸2のボール転走溝9に対して塗布
することができるものである。
【0036】尚、この第2実施例では流量調整弁18の
流路19の内部にまでフェルト等の繊維交絡体を挿入せ
ず、かかる流路19内には潤滑油のみを満たすように構
成したが、上記供給チューブ7と同様に流路19の内部
にも繊維交絡体を詰め込むようにしても差し支えない。
かかる場合、上記流路19内の繊維交絡体を弁体21に
よって弁座23に向けて押し潰すようにし、その押し潰
し量を変化させることで潤滑油の通過量、つまり供給量
を調整する。
【0037】図6及び図7は本発明をボールねじ装置に
適用した第3実施例を示すものである。同図において、
符号30は所定のリードで螺旋状のボール転走溝31が
形成されたねじ軸(軌道軸)、符号32はボール33が
循環する無限軌道を備えると共に該ボール33を介して
上記ねじ軸30に螺合したナット部材(スライド部
材)、符号34はこのナット部材32の前後両端面に装
着された供給部材である。
【0038】ここで、上記ナット部材32は、該ナット
部材32を固定するためのフランジ部35が突設された
鋼製のナット本体36と、このナット本体36の内周面
に固定された複数のデフレクタ37と、上記ナット本体
とねじ軸との隙間を密封する一対のシール部材38とか
ら構成されている。このデフレクタ37はねじ軸30の
ボール転走溝31を1巻分だけ飛び越えるようにナット
本体36に固定されており、ねじ軸30のボール転走溝
31を転走してきたボール33は該デフレクタ37によ
って進路を変えられると共に、ねじ軸30の外径を乗り
越えて1巻分前のボール転走溝31に戻され、これによ
ってボール33がナット部材32の内部を無限循環する
ように構成されている。また、この実施例におけるナッ
ト部材32には該ナット部材32の円周を4等分するよ
うにして4個のデフレクタ37が固定されており、ボー
ル33の無限軌道は全部で4軌道形成されている。
【0039】一方、上記供給部材39は、前述した第1
実施例と同様、ケーシング40の内部に潤滑油を含浸し
た潤滑油保持体41を収容すると共に、かかる潤滑油保
持体41を上記ねじ軸30のボール転走溝31に接触さ
せたものであり、図示外の固定ボルトによって上記ナッ
ト部材32に固定されている。
【0040】また、前述の第1及び第2実施例と同様、
上記供給部材39は供給チューブ7によってリザーブタ
ンク6と接続されており、潤滑油保持体41に含浸され
た潤滑油の減少に伴い、リザーブタンク6内の潤滑油が
供給部材39へ補給されるように構成されている。尚、
上記リザーブタンク6、供給チューブ7、流量調整弁1
8等の構成については、第1及び第2実施例と同一なの
で、ここでは図中に同一符号を付することとし、その詳
細な説明は省略する。
【0041】そして、以上のように構成された本実施例
の潤滑油供給システムにおいても、ボールねじ装置のね
じ軸30とナット部材32とが相対的に回転すると、か
かる運動に伴って供給部材39がねじ軸30のボール転
走溝31に対して潤滑油を連続的に塗布することから、
かかる供給部材39内の潤滑油保持体41に含浸されて
いる潤滑油の量は次第に減少してくる。しかし、上記供
給部材39には供給チューブ7を介してリザーブタンク
6が接続されており、しかも該供給チューブ7には繊維
交絡体を詰め込まれていることから、潤滑油は毛管現象
によって徐々にリザーブタンク6から供給部材39へと
送られ、ポンプ等の特別な機構を用いることなく、消費
量に見合った分の潤滑油を逐次リザーブタンク6から供
給部材39へ補給することができるものである。
【0042】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明におけ
る転がり案内装置の潤滑油供給システムによれば、ポン
プ等の圧送手段を何ら用いることなく、常に上記供給部
材から消費された量に略等しい量の潤滑油をリザーブタ
ンクから供給部材に対して補給することができ、簡易且
つ安価な構成で転がり案内装置の潤滑を行うことが可能
となる。
【0043】また、上記供給部材は転動体又は軌道軸に
対して潤滑油を塗布しているので、必要以上に多量の潤
滑油が消費されることもなく、潤滑油の消費量を低減化
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の潤滑油供給システムの第1実施例を
示す斜視図である。
【図2】 第1実施例に係る供給部材とリザーブタンク
の接続状態を示す断面図である。
【図3】 第1実施例に係るリザーブタンクの可動体へ
の取付け状態を示す分解斜視図である。
【図4】 本発明の潤滑油供給システムの第2実施例を
示す断面図である。
【図5】 第2実施例に係る流量調整弁を示す断面図で
ある。
【図6】 本発明の潤滑油供給システムの第3実施例を
示す一部断面を含む斜視図である。
【図7】 第3実施例に係る供給部材とリザーブタンク
の接続状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…直線摺動装置(転がり案内装置)、2…軌道レール
(軌道軸)、3…摺動台(スライド部材)、4…可動
体、5…供給部材、6…リザーブタンク、7…供給チュ
ーブ、8…ボール(転動体)、9…ボール転走面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転動体を介して軌道軸とスライド部材が
    係合すると共に、かかるスライド部材に固定された可動
    体を上記軌道軸に沿って案内する転がり案内装置に付設
    され、上記転動体又は軌道軸に形成された転動体の転走
    面を潤滑する潤滑油供給システムであって、 潤滑油を含浸すると共に上記スライド部材に固定され、
    該スライド部材の運動に伴って上記転動体又は軌道軸の
    転走面に対して潤滑油を塗布する供給部材と、かかる潤
    滑油を収容すると共に上記可動体に搭載されたリザーブ
    タンクと、内部に繊維交絡体が詰められると共に、上記
    リザーブタンク内の潤滑油を上記供給部材に導く供給チ
    ューブとから構成されることを特徴とする潤滑油供給シ
    ステム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の転がり案内装置の潤滑油
    供給システムにおいて、上記供給チューブはリザーブタ
    ンクに対して着脱自在であると共に、かかるリザーブタ
    ンクは可動体に対して着脱自在であることを特徴とする
    潤滑油供給システム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の転がり案内装置の
    潤滑油供給システムにおいて、上記リザーブタンク内に
    は潤滑油の吸蔵体が収容され、潤滑油はかかる吸蔵体に
    含浸されていることを特徴とする潤滑油供給システム。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の転が
    り案内装置の潤滑油供給システムにおいて、上記リザー
    ブタンクから供給部材に供給される潤滑油の量を制御す
    る流量調整弁が設けられていることを特徴とする潤滑油
    供給システム。
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