JP4131755B2 - 転がり案内装置の潤滑油供給システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボール又はローラ等の転動体を介して軌道軸とスライド部材とが係合した転がり案内装置に付設され、上記転動体又は軌道軸に形成された転動体の転走面を潤滑する潤滑油供給システムに係り、詳細には、簡易且つ安価の構成で転がり案内装置の潤滑を確実に行うための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の転がり案内装置としては、工作機械や搬送装置等の直線案内部に使用され、ベッド又はサドル等の固定部上でテーブル等の可動体を案内する直線摺動装置や、この直線摺動装置と共に使用され、モータの回転量に応じた直線運動のストロークを上記可動体に対して与えるボールねじ装置等が知られている。
【0003】
前者の直線摺動装置は、上記固定部上に配設されると共に長手方向に沿ってボールの転走溝が形成された軌道レールと、多数のボールを介して上記軌道レールの転走溝と対向する負荷転走溝を有すると共に、この負荷転走溝を転走するボールの無限循環路が形成された摺動台とからなり、ボールの無限循環に伴い、上記可動体を支持した摺動台が軌道レールに沿って連続的に直線運動するように構成されている。
【0004】
また、後者のボールねじ装置は、螺旋状のボール転走溝が所定のリードで形成されたねじ軸と、多数のボールを介して上記ボール転走溝と対向する負荷転走溝を有すると共に、この負荷転走溝を転走するボールの無限循環路が形成されたナット部材とからなり、これらねじ軸とナット部材との相対的な回転運動に伴ってボールが上記無限循環路内を循環し、ナット部材がねじ軸の軸方向へ連続的に運動するように構成されている。
【0005】
ところで、このような転がり案内装置を使用するに当たっては、ボールそれ自体の摩耗やこれが転走する軌道レール又はねじ軸(以下、軌道軸)の転走溝あるいは摺動台又はナット部材(以下、スライド部材)の負荷転走溝の摩耗を抑え、該スライド部材の高精度の運動を長期にわたって維持する観点から、かかるボールや上記負荷転走溝等を良好に潤滑してやる必要がある。
【0006】
かかる潤滑方法としては、従来、グリースガンを用いて上記スライド部材内にグリースを給脂する手動給脂方法や、予めスライド部材に対して給油用の配管を接続しておくと共に、自動ポンプを用いて一定のインターバルで一定量の潤滑油を強制的に給油する強制給油方法が知られている。また、近年では、スライド部材に接続された給油用配管を通して、噴霧した潤滑油を高圧空気と共に圧送する噴霧潤滑なる方法も知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記手動給脂方法ではスライド部材の走行距離に応じた定期的な給脂作業を欠くことができず、特に単位時間あたりのスライド部材の走行距離が長い場合には頻繁な給脂作業が必要となり、かかる作業が煩わしいといった問題点があった。
【0008】
一方、上記強制給油方法や噴霧潤滑方法では給油用配管が固定的にスライド部材に接続されており、自動的に潤滑油の供給が行われることから、前述の手動給脂方法のような煩わしさはないが、潤滑油を定期的に給油するための自動ポンプや、高圧空気をつくり出すためのポンプが必要となり、装置構成が複雑となると共にコストが嵩むといった問題点があった。
【0009】
また、上記手動給脂方法では軌道軸の転走溝の潤滑状態等を参考にして給脂作業の時期を推測することができ、グリースを無駄に消費する懸念は少ないが、上記強制潤滑方法や噴霧潤滑方法では実際の潤滑油の消費量に関係なく、予め定められている量を定量的にスライド部材に対して供給するので、潤滑油の無駄な消費を招き、転がり案内装置を維持する上でのランニングコストが嵩むといった問題点もあった。
【0010】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、簡易且つ安価な構成で転がり案内装置の潤滑を確実に行うことが可能であり、しかも潤滑油の消費量を抑えて、転がり案内装置のランニングコストを低減化することが可能な潤滑油供給システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、転動体を介して軌道軸とスライド部材が係合すると共に、かかるスライド部材に固定された可動体を上記軌道軸に沿って案内する転がり案内装置に付設され、上記転動体又は軌道軸に形成された転動体の転走面を潤滑する潤滑油供給システムであって、潤滑油を含浸すると共に上記スライド部材に固定され、該スライド部材の運動に伴って上記転動体又は軌道軸の転走面に対して潤滑油を塗布する供給部材と、かかる潤滑油を収容すると共に上記可動体に搭載されたリザーブタンクと、内部に繊維交絡体が詰められると共に、上記リザーブタンク内の潤滑油を上記供給部材に導く供給チューブとから構成されることを特徴とするものである。
【0012】
このような技術的手段によれば、上記供給部材に含浸された潤滑油がスライド部材の運動に伴って軌道軸に塗布されると、かかる塗布によって消費された分の潤滑油が可動体に搭載されたリザーブタンクから供給チューブを通して上記供給部材に補給される。
【0013】
このとき、上記供給チューブの内部には繊維交絡体が詰められているので、仮に、上記リザーブタンクがスライド部材に固定された供給部材より上方に位置している場合であっても、かかるリザーブタンク内の潤滑油は僅かずつ供給部材に送油されることとなり、供給部材における潤滑油の含浸量を常に適度な値に保つことができる。
【0014】
また仮に、リザーブタンクが供給部材と同じ程度の高さ又は僅かに下方に位置している場合であっても、リザーブタンク内の潤滑油は上記繊維交絡体の毛管現象によって僅かずつではあるが供給チューブ内を供給部材へと吸い上げられるので、塗布によって消費される僅かな量の潤滑油であれば、ポンプ等の圧送手段を用いることなくこれを上記供給部材に対して補給することができる。
【0015】
これにより、本発明の潤滑油供給システムでは上記リザーブタンク内に潤滑油が収容されてさえいれば、ポンプ等の特別な機械装置を使用せずとも転がり案内装置の転動体又は軌道軸の転走面を確実に潤滑することができ、簡易且つ安価にこれを実施することができるものである。
【0016】
このような本発明の潤滑油供給システムを実施するに当たっては、上記リザーブタンクに対して供給チューブを着脱自在に構成すると共に、可動体に対して上記リザーブタンクを着脱自在に構成するのが好ましい。このようにリザーブタンク及び供給チューブを構成すれば、潤滑油の消費によって該リザーブタンク内が空になった場合、リザーブタンクを丸ごと交換して潤滑油の補給を行うことができ、空になったリザーブタンクに対して潤滑油を給油する手間を省略することができる。
【0017】
また、本発明においては上記リザーブタンクが転がり案内装置の軌道軸に沿って運動する可動体に搭載されていることから、かかる可動体が運動すると、リザーブタンク内の潤滑油が該タンク内で激しく攪拌されて泡立ってしまい、供給チューブ内に円滑に流動しない懸念がある。従って、かかる攪拌を防止する観点からすれば、上記リザーブタンク内にはフェルトあるいはポリウレタン等からなる潤滑油の吸蔵体を収容し、かかる吸蔵体に潤滑油を含浸させるのが好ましい。
【0018】
上記リザーブタンクから供給部材に対して単位時間当たりに送られる潤滑油の量は、これら両部材の取付高さの差や上記供給チューブの太さ、あるいは潤滑油の粘度等の影響を受けるが、上記供給部材に対する潤滑油の供給量よりも軌道軸の潤滑に必要とする潤滑油の量の方が少ない場合には、結果的に必要以上の潤滑油が軌道軸に塗布されることとなり、潤滑油を無駄に消費してしまう懸念がある。従って、かかる観点からすれば、リザーブタンクから供給部材へ送られる潤滑油の量を制御する流量調整弁を設けて、かかる流量調整弁で上記供給チューブ内の潤滑油の流量を調整することにより、軌道軸の転走面の潤滑に必要とされる量の潤滑油のみを供給部材へ送るのが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の転がり案内装置の潤滑油供給システムを詳細に説明する。
図1は本発明の潤滑油供給システムを直線摺動装置に適用した第1実施例を示すものである。同図において、符号1は直線摺動装置(転がり案内装置)であり、ベッド又はサドル等の固定部(図示せず)に固定された軌道レール(軌道軸)2と、多数のボールを介してこの軌道レール2に係合すると共に該軌道レール2に沿って運動する摺動台(スライド部材)3とから構成されている。また、符号4は上記摺動台3にボルトで固定されたテーブルなどの可動体であり、本実施例では2条の軌道レール2とこれに各2基ずつ係合する計4基の摺動台3によって、上記固定部上における運動が支承されている。
【0020】
また、符号5は上記摺動台3の移動方向の端部に固定されると共に該摺動台3の運動に伴って上記軌道レール2に潤滑油を塗布する供給部材、符号6は上記直線摺動装置1に供給すべき潤滑油を収容すると共に上記可動体4に搭載されたリザーブタンク、符号7は上記リザーブタンク6から供給部材5に対して潤滑油を送油する供給チューブである。
【0021】
図2に示すように、上記軌道台2にはボール8が転走する転走溝9が形成される一方、摺動台3には軌道レール2のボール転走溝9と対向する負荷転走溝10が形成されており、ボール8はこれら転走溝9と負荷転走溝10との間で荷重を負荷しながら転走する。また、摺動台3には上記負荷転走溝10の終端まで転走し終えたボール8を該負荷転走溝10の始端にまで戻す無限循環路11が形成されており、かかる無限循環路11内をボール8が循環することによって摺動台3は軌道レール2上を連続的に移動することが可能となっている。
【0022】
一方、上記供給部材5は、内部に空間を有する箱型に形成されると共に該空間が軌道レール2に面して開放されたケーシング12と、このケーシング12内に収容されて上記軌道レール2に当接すると共に潤滑油を含浸した潤滑油保持体13とから構成され、上記ケーシング12を貫通する固定ボルト14によって摺動台3の移動方向端面に固定されている。上記潤滑油保持体13としては、ある程度の量の潤滑油を吸収し且つこれを保持できるものであれば良く、ポリウレタンやフェルト材等を用いることができる。
【0023】
これにより、摺動台3が軌道レール2に沿って移動すると、軌道レール2に当接した潤滑油保持体13が該軌道レール2を拭うこととなるので、上記潤滑油保持体13に含浸された潤滑油が軌道レール2のボール転走溝9に塗布され、該ボール転走溝9を転走するボール8が潤滑される。
【0024】
また、上記供給部材5は供給チューブ7を介して可動体4に搭載されたリザーブタンク6と連結されており、リザーブタンク6内に貯蔵された潤滑油が供給チューブ7を通して上記供給部材5内の潤滑油保持体13に吸収されるようになっている。上記供給チューブ7内にはフェルト等の繊維交絡体が詰められており、リザーブタンク6内の潤滑油は一気に供給部材5に流れ込むのではなく、この繊維交絡体に吸い取られるようにして供給部材5へと送られる。
【0025】
更に、この供給チューブ7は上記供給部材5及びリザーブタンク6に対して着脱自在となっており、潤滑油保持体13に潤滑油が含浸されてさえいれば、かかる供給チューブ7を取り外した状態においても、供給部材5で軌道レール2のボール転走溝9の潤滑を行うことができる。
【0026】
一方、上記リザーブタンク6内にもやはりフェルト等からなる潤滑油の吸蔵体15が詰め込まれており、潤滑油はこの吸蔵体15に吸収保持された状態でリザーブタンク6内に貯蔵されている。かかるリザーブタンク6は可動体4に搭載されていることから、潤滑油を直接タンク6内に貯蔵したのでは、可動体4の高速往復運動に伴ってリザーブタンク6内の潤滑油が攪拌され、泡立ってしまう恐れがある。しかし、このように吸蔵体15に吸収させた潤滑油をリザーブタンク6内に貯蔵すれば、かかる問題点の発生を避けることができる。
【0027】
図3に示すように、上記リザーブタンク6の背面には鉤状の取付部16が突出しており、可動体4に固定されたホルダー17に対してこの取付部16を引っ掛けることで、かかるリザーブタンク6を可動体4に固定できるようになっている。従って、このリザーブタンク6は可動体4に対して着脱自在であり、リザーブタンク6内の潤滑油が尽きた場合には、潤滑油が貯蔵されている新たなリザーブタンク6をホルダー17に装着し直すと共に、供給チューブ7を古いタンクから新しいタンクへ接続し直すことで、容易に潤滑油の補給を行うことができる。尚、この実施例では可動体4の側面にリザーブタンク6を装着しているが、可動体4の周辺に配設される機器の妨げとならないのであれば、可動体4の上面又は下面にこれを装着するようにしても差し支えない。
【0028】
そして、以上のように構成された本実施例の潤滑油供給システムによれば、可動体4と共に直線摺動装置1の摺動台3が運動すると、かかる運動に伴って供給部材5が潤滑油保持体13で軌道レール2を拭うので、かかる潤滑油保持体13に含浸された潤滑油によって軌道レール2のボール転走溝9とこれを転走するボール8が潤滑される。このような動作が繰り返されることにより、潤滑油保持体13に含浸されている潤滑油の量は次第に減少してくるが、上記供給部材5には供給チューブ7を介してリザーブタンク6が接続されていることから、軌道レール2への塗布によって消費された分の潤滑油は逐次リザーブタンク6から補給される。
【0029】
このとき、上記供給チューブ7内には繊維交絡体が詰められていることから、リザーブタンク6内の潤滑油はこの繊維交絡体に吸い取られるようにして供給部材5へと送られる一方、供給部材5では消費された分の潤滑油が潤滑油保持体13によって供給チューブ7の繊維交絡体から吸い取られる。ここで、上記リザーブタンク6は摺動台3によって支持された可動体4に搭載されていることから、供給部材5が固定された摺動台3とリザーブタンク6との高低差は殆どなく、たとえリザーブタンク6が供給部材5より僅かに低い場合であっても、リザーブタンク6内の潤滑油は供給チューブ7内の繊維交絡体の毛管現象によって僅かずつではあるが供給部材5へと吸い上げられる。
【0030】
かかる場合に、潤滑油が毛管現象により供給チューブ7内をどの程度まで上昇し得るかを確認するため、本願発明者は実際に実験を行った。実験に用いた供給チューブ7は内径3mm程度のビニール製の透明チューブに麻紐を通したものであり、垂直に垂らした供給チューブ7の下端を潤滑油に浸して実験を行った。その結果、潤滑油が透明チューブ内の麻紐に含浸され、供給チューブ7内を50〜60cm程度上昇するのが確認された。従って、この実験結果によれば、供給部材5がリザーブタンク6よりも50〜60cm程度上方に位置する場合であっても、かかるリザーブタンク6より供給部材5に対して潤滑油を供給可能であることが確認された。
【0031】
一方、リザーブタンク6が供給部材5より高い場合であっても、供給チューブ7内に詰め込まれた繊維交絡体が潤滑油の流動に対して流路抵抗となって作用するので、リザーブタンク6内の潤滑油が重力の影響によって一気に供給部材5に流れ込むことはなく、供給部材5内の潤滑油保持体13は消費した分の潤滑油のみを供給チューブ7から受け取ることになる。
【0032】
従って、本実施例によればポンプ等の特別な機構を用いることなく、リザーブタンク6内の潤滑油を消費量に見合った分だけ供給部材5へと送り込むことができ、かかる供給部材5はリザーブタンク6内に貯蔵された潤滑油が尽きるまで軌道レール2に対して潤滑油を塗布し続けることができる。
【0033】
一方、図4は本発明の潤滑油供給システムを直線摺動装置に適用した第2実施例を示すものである。
この第2実施例の潤滑油供給システムでは上記リザーブタンク6から供給部材5に送られる潤滑油の流量を制御するため、これらリザーブタンク6と供給部材5とを接続する供給チューブ7の途中に流量調整弁18を設け、かかる流量調整弁18の操作によって必要以上の潤滑油が供給部材5に補給されるのを防止している。
【0034】
この流量調整弁18は、図5に示すように、潤滑油の流路19が形成されたハウジング20と、このハウジング20に対して螺合すると共に先端にニードル状の弁体21が形成されたハンドル22とから構成されており、かかるハンドル22の操作に伴い、流路19の途中に設けられた弁座23に対して上記弁体21が抜き差しされ、流路19中を流動する潤滑油の流量が調整されるようになっている。尚、図中の符号24は上記供給チューブ7の接続口である。
【0035】
そして、このように構成された本実施例の潤滑油供給システムによれば、上記流量調整弁18を操作することによってリザーブタンク6から供給部材5へ補給される潤滑油の流量を任意に調整することができるので、直線摺動装置の使用用途に応じた最適量の潤滑油を供給部材から軌道軸2のボール転走溝9に対して塗布することができるものである。
【0036】
尚、この第2実施例では流量調整弁18の流路19の内部にまでフェルト等の繊維交絡体を挿入せず、かかる流路19内には潤滑油のみを満たすように構成したが、上記供給チューブ7と同様に流路19の内部にも繊維交絡体を詰め込むようにしても差し支えない。かかる場合、上記流路19内の繊維交絡体を弁体21によって弁座23に向けて押し潰すようにし、その押し潰し量を変化させることで潤滑油の通過量、つまり供給量を調整する。
【0037】
図6及び図7は本発明をボールねじ装置に適用した第3実施例を示すものである。
同図において、符号30は所定のリードで螺旋状のボール転走溝31が形成されたねじ軸(軌道軸)、符号32はボール33が循環する無限軌道を備えると共に該ボール33を介して上記ねじ軸30に螺合したナット部材(スライド部材)、符号34はこのナット部材32の前後両端面に装着された供給部材である。
【0038】
ここで、上記ナット部材32は、該ナット部材32を固定するためのフランジ部35が突設された鋼製のナット本体36と、このナット本体36の内周面に固定された複数のデフレクタ37と、上記ナット本体とねじ軸との隙間を密封する一対のシール部材38とから構成されている。このデフレクタ37はねじ軸30のボール転走溝31を1巻分だけ飛び越えるようにナット本体36に固定されており、ねじ軸30のボール転走溝31を転走してきたボール33は該デフレクタ37によって進路を変えられると共に、ねじ軸30の外径を乗り越えて1巻分前のボール転走溝31に戻され、これによってボール33がナット部材32の内部を無限循環するように構成されている。また、この実施例におけるナット部材32には該ナット部材32の円周を4等分するようにして4個のデフレクタ37が固定されており、ボール33の無限軌道は全部で4軌道形成されている。
【0039】
一方、上記供給部材39は、前述した第1実施例と同様、ケーシング40の内部に潤滑油を含浸した潤滑油保持体41を収容すると共に、かかる潤滑油保持体41を上記ねじ軸30のボール転走溝31に接触させたものであり、図示外の固定ボルトによって上記ナット部材32に固定されている。
【0040】
また、前述の第1及び第2実施例と同様、上記供給部材39は供給チューブ7によってリザーブタンク6と接続されており、潤滑油保持体41に含浸された潤滑油の減少に伴い、リザーブタンク6内の潤滑油が供給部材39へ補給されるように構成されている。尚、上記リザーブタンク6、供給チューブ7、流量調整弁18等の構成については、第1及び第2実施例と同一なので、ここでは図中に同一符号を付することとし、その詳細な説明は省略する。
【0041】
そして、以上のように構成された本実施例の潤滑油供給システムにおいても、ボールねじ装置のねじ軸30とナット部材32とが相対的に回転すると、かかる運動に伴って供給部材39がねじ軸30のボール転走溝31に対して潤滑油を連続的に塗布することから、かかる供給部材39内の潤滑油保持体41に含浸されている潤滑油の量は次第に減少してくる。しかし、上記供給部材39には供給チューブ7を介してリザーブタンク6が接続されており、しかも該供給チューブ7には繊維交絡体を詰め込まれていることから、潤滑油は毛管現象によって徐々にリザーブタンク6から供給部材39へと送られ、ポンプ等の特別な機構を用いることなく、消費量に見合った分の潤滑油を逐次リザーブタンク6から供給部材39へ補給することができるものである。
【0042】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明における転がり案内装置の潤滑油供給システムによれば、ポンプ等の圧送手段を何ら用いることなく、常に上記供給部材から消費された量に略等しい量の潤滑油をリザーブタンクから供給部材に対して補給することができ、簡易且つ安価な構成で転がり案内装置の潤滑を行うことが可能となる。
【0043】
また、上記供給部材は転動体又は軌道軸に対して潤滑油を塗布しているので、必要以上に多量の潤滑油が消費されることもなく、潤滑油の消費量を低減化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の潤滑油供給システムの第1実施例を示す斜視図である。
【図2】 第1実施例に係る供給部材とリザーブタンクの接続状態を示す断面図である。
【図3】 第1実施例に係るリザーブタンクの可動体への取付け状態を示す分解斜視図である。
【図4】 本発明の潤滑油供給システムの第2実施例を示す断面図である。
【図5】 第2実施例に係る流量調整弁を示す断面図である。
【図6】 本発明の潤滑油供給システムの第3実施例を示す一部断面を含む斜視図である。
【図7】 第3実施例に係る供給部材とリザーブタンクの接続状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…直線摺動装置(転がり案内装置)、2…軌道レール(軌道軸)、3…摺動台(スライド部材)、4…可動体、5…供給部材、6…リザーブタンク、7…供給チューブ、8…ボール(転動体)、9…ボール転走面
Claims (3)
- 転動体を介して軌道軸とスライド部材が係合すると共に、かかるスライド部材に固定された可動体を上記軌道軸に沿って案内する転がり案内装置に付設され、上記転動体又は軌道軸に形成された転動体の転走面を潤滑する潤滑油供給システムであって、
上記スライド部材に固定されるケーシング及びこのケーシング内に収容されて上記軌道軸に当接すると共に潤滑油を含浸した潤滑油保持体を有し、上記スライド部材の運動に伴って上記潤滑油保持体が上記転動体又は軌道軸の転走面に対して潤滑油を塗布する供給部材と、潤滑油を含浸した吸蔵体を収容すると共に、上記スライド部材及び供給部材から離間して上記可動体に搭載されたリザーブタンクと、内部に繊維交絡体が詰められ、上記リザーブタンク内から潤滑油を毛管現象によって吸い取ると共に、かかる潤滑油を上記供給部材の潤滑油保持体へ毛管現象によって補給する供給チューブと、から構成されることを特徴とする潤滑油供給システム。 - 上記供給チューブはリザーブタンクに対して着脱自在であると共に、かかるリザーブタンクは可動体に対して着脱自在であることを特徴とする請求項1記載の潤滑油供給システム。
- 上記リザーブタンクから供給部材に供給される潤滑油の量を制御する流量調整弁が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の潤滑油供給システム。
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1997
- 1997-11-25 JP JP32302297A patent/JP4131755B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH10227311A (ja) | 1998-08-25 |
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