JPH1022563A - 半導体発光装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体発光装置およびその製造方法

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JPH1022563A
JPH1022563A JP17201696A JP17201696A JPH1022563A JP H1022563 A JPH1022563 A JP H1022563A JP 17201696 A JP17201696 A JP 17201696A JP 17201696 A JP17201696 A JP 17201696A JP H1022563 A JPH1022563 A JP H1022563A
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JP
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diamond
semiconductor light
light emitting
film
emitting device
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JP17201696A
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English (en)
Inventor
Isao Kidoguchi
勲 木戸口
Seiji Onaka
清司 大仲
Akira Takamori
晃 高森
Hideo Kurokawa
英雄 黒川
Tetsuya Shiratori
哲也 白鳥
Masahiro Deguchi
正洋 出口
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放熱性の高い半導体発光装置を提供する。 【解決手段】 ダイヤモンド膜3004は半導体発光素子30
05内の活性層3006の発熱を面内方向に広げて放熱の効率
を高める作用を行うもので、1010個/cm2以上の
核密度で形成されたものである。1010個/cm2以
上の核密度のダイヤモンド膜を実現するために、以下の
核発生処理を施した。膜を成長させる基板としてはSi
ウエハーを使用した。(1)Siウエハー表面の自然酸
化膜を、稀フッ酸により除去、(2)Siウエハー表面
に、ダイヤモンドの微粒子(粒径0.1μm以下)を分
散させた水溶液(500ccに10カラット(約2g)
混入)をスピンコート。(3)自然乾燥。以上の処理に
より、Siウエハー表面にダイヤモンドの微粒子が10
10個/cm2オーダーの密度で塗布される。厚みが1
0μm以下であっても熱伝導率の低下が少ない緻密で平
滑なダイヤモンド膜が形成可能となり、放熱特性に優れ
た半導体発光装置が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体発光装置およ
びその製造方法に関し、特に放熱を必要とする半導体発
光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放熱を必要とする半導体発光素子として
は半導体レーザがある。この半導体レーザの放熱につい
ては、特開平3−62987号公報に示されている。こ
の半導体レーザについて、図7を用いて説明する。
【0003】図7は、レーザの構造断面図であり、n−
GaAs基板1上に、順次成長したn−AlGaInP
クラッド層2、GaInP活性層3、p−AlGaIn
Pクラッド層4およびp−GaInP層5と、このp−
AlGaInPクラッド層4に形成したリッジストライ
プ8と、このリッジストライプ8の両側を埋めこむよう
にp−AlGaInPクラッド層4上に形成したn−G
aAs電流ブロック層7が形成されている。
【0004】リッジストライプ8上および電流ブロック
層7の上面に、比較的薄く積層した膜厚0.5〜1.0
ミクロンのp−GaAsキャップ層9と、このキャップ
層9上に形成したp型電極11、およびボンディングの
ためのバンプ層12と、n−GaAs基板1の裏面にn
型電極10が形成されている。
【0005】このように、キャップ層9を薄くして、電
極11上にバンプ12を形成することで、活性層とバン
プ12との距離を短くし、しかも、熱伝導のよいバンプ
を用いることで、活性層から放出される熱をヒートシン
クに逃がすように工夫している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この構
成でも放熱が十分ではない。特に、AlGaInP系の
結晶を用いたレーザでは、結晶の電気抵抗、熱抵抗が高
く、放熱性がよくない。また、レーザをリッジストライ
プ構造のように電流を狭窄することで、さらに電気抵抗
が高くなり、レーザが熱をもってしまい、その結果、し
きい値電流が高くなったり、ひいては、レーザ発振しな
くなってしまう。
【0007】そこで本発明は、放熱性が高く、熱によっ
ても特性の劣化が小さい、半導体発光装置およびその製
造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、半導体発光素子の表面に、ダイヤモンド
を主成分とする層を備えた半導体発光装置とする。これ
により、発光装置から発生する熱をこの熱伝導性の高い
ダイヤモンドがヒートシンクに効率よく放熱するため、
発光装置の特性の劣化を防止することができる。
【0009】特に本発明の半導体発光装置は、少なくと
も発光素子のステムやサブマウントと接合する面に、1
010個/cm2オーダー以上の核発生密度で形成され
たダイヤモンド膜を備えるものである。さらに本発明は
1010個/cm2以上の核発生密度でダイヤモンド膜
を形成する方法として、基板表面にダイヤモンドの核と
なる微粒子を1010個/cm2以上の密度で塗布する
という核発生処理を施したダイヤモンド膜を形成する方
法により、発光装置を製造する。
【0010】ダイヤモンド膜を剥離させる方法としての
第一の手段は、基板表面に粒子の大きさが0.02μm
より小さなダイヤモンドの微粒子を1011個/cm2
以上の密度で塗布するという核発生処理を施して形成し
たダイヤモンド膜を、半導体発光素子のステムやサブマ
ウントと接合する面に転写する方法である。1011個
/cm2以上という高い密度で核が発生するために、従
来に比べて短時間に膜が形成される。このため膜と基板
との界面には極わずかの炭化物しか形成されず、ダイヤ
モンド膜と基板との付着力は弱くなり容易に引き剥がす
ことが可能となる。
【0011】また、第二の手段としては、表面に膜厚
0.1μm以上のSiO2膜を形成した基板に0.1μ
mより小さなダイヤモンドの微粒子を1010個/cm2
以上の密度で塗布するという核発生処理を施して形成し
たダイヤモンド膜を、半導体発光素子のステムやサブマ
ウントと接合する面に転写する方法である。1010個/
cm2以上という高い密度で核が発生し従来に比べて短
時間に膜が形成されるため、基板表面のSiO2膜の一
部はエッチングされることなく残る。すなわち基板表面
のSiO2膜の上にダイヤモンド膜が形成されることに
なる。半導体発光素子を接合した後フッ酸処理を施す
と、SiO2膜が溶解してダイヤモンド膜が転写され
る。
【0012】また、第三の手段は、ダイヤモンド成膜時
の雰囲気、温度条件で損傷を受けず、共有結合の炭化物
を作らないMo、Ge、Ta等の金属機材を基板として
ダイヤモンド膜を形成する方法である。Mo、Ge、T
a等の金属基板にダイヤモンドを形成した後冷却する
と、ダイヤモンドと金属基板との熱膨張係数が大きいた
めにせん断力が発生し、界面に共有結合等の強い結合を
備えた炭化物がない場合にはこのせん断力により膜が剥
離する。この現象を利用して、半導体発光素子を接合し
た後に冷却すれば容易にダイヤモンド膜を転写すること
ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて詳細に説明する。
【0014】(実施の形態1)本発明の構造では、半導
体発光素子のステムやサブマウントと接合する面に、ダ
イヤモンド膜を設けることで放熱効果を高める。このた
めには、非常に緻密で平滑で薄くても大きな熱伝導率を
備えた良質なダイヤモンド膜が必要である。
【0015】まず、上記の特性を備えたダイヤモンド膜
とそれを実現する合成方法について説明する前に、従来
のダイヤモンドの合成方法について触れておく。従来の
ダイヤモンドの合成方法では、核の発生密度はせいぜい
109個/cm2のオーダーであり、図3示すような成長
メカニズムから基板面の粒子界面付近には気孔3003(大
きさ1〜2μm、写真1参照)が存在する。従来の方法
では約20%近くの気孔が存在すると考えられる。膜厚
が100μm以上と厚い場合は問題ないが、膜厚が20
μm以下になると熱伝導率が悪くなり、10μm以下で
は半分以下になる(図4参照)。また膜質も熱伝導率に
大きく影響する。図4に示すように、メタン濃度(CH
4/H2)を高めるとグラファイトの混入量が多くな
り、熱伝導率は小さくなる。従ってメタン濃度は小さく
することが必要となるが、メタン濃度が小さいとエッチ
ングが大きくなり、傷付け処理をした表面もエッチング
されるために核が発生しにくくなり核密度が小さくなる
と同時に核発生の再現性も悪くなる。すなわち膜質の向
上と核発生密度、再現性とが両立しないことから、薄く
ても緻密で平滑で大きな熱伝導を備えたダイヤモンド膜
を合成することは困難であった。
【0016】このため従来のダイヤモンド膜で本発明の
構造を実現しようとすると厚みが100μm以上のダイ
ヤモンド膜が必要となる。厚みが100μm以上のダイ
ヤモンド膜をつくるには多大な時間とコストがかかり、
厚くなることで表面粗さも悪くなるため表面の研磨も必
要となる。ダイヤモンド膜の研磨は非常に困難で手間が
かかることから、現実的ではない。またダイヤモンド膜
が厚くなると特性面でも課題が発生する。すなわちダイ
ヤモンド膜と半導体素子との熱膨張差により半導体素子
(素子内の活性層)の歪みが大きくなり、レーザー特性
が変化したり劣化するという課題が生じる。この歪みの
影響を緩和するためには、ダイヤモンド膜の厚みは少な
くとも20μm以下、願わくば10μm以下が望まし
い。厚みが20μm以下のダイヤモンド膜で本発明の効
果を実現するためには、界面部の気孔率が10%以下で
あることが必要となるため、従来の核発生処理では困難
である。
【0017】以下、本発明によりダイヤモンド膜を合成
し、半導体発光素子のサブマウントやステムに接する面
に転写した半導体発光装置を実現させる。
【0018】(実施例1)以下、半導体発光素子の放熱
効果が高く、緻密で平滑で薄くても熱伝導率が高いダイ
ヤモンドを備えた半導体発光装置について説明する。半
導体発光素子自体は、従来の技術で説明した図7と同じ
ものを用いている。
【0019】図1は半導体発光装置の概略を示し、図1
においてダイヤモンド膜3004は半導体発光素子3005内の
活性層3006の発熱を面内方向に広げて放熱の効率を高め
る作用を行うもので、1010個/cm2以上の核密度で
形成されたものである。
【0020】1010個/cm2以上の核密度のダイヤモ
ンド膜を実現するために、次のような核発生処理を施し
た。なおダイヤモンド膜を成長させる基板としてはSi
ウエハーを使用した。
【0021】(1)Siウエハー表面の自然酸化膜を、
稀フッ酸により除去 (2)Siウエハー表面に、ダイヤモンドの微粒子(粒
径0.1μm以下)を分散させた水溶液(500ccに
10カラット(約2g)混入)をスピンコート (3)自然乾燥 以上の処理により、Siウエハー表面にダイヤモンドの
微粒子が1010個/cm2オーダーの密度で塗布され
る。
【0022】次に、図2に示すマイクロ波プラズマCV
D装置により図8に示す成膜条件で、ダイヤモンド膜を
形成した。マイクロ波プラズマCVD装置は、マイクロ
波電源3007、導波管3008、石英管3013、から構成され、
石英管3013は導波管内を直交するように設置される。石
英管内は真空ポンプにつながっており、途中の配管に設
置されるバルブにより必要な真空度に調整される。電力
は石英管内に最もパワーが集中されるようにプランジャ
ー型調整器3012や調整器3010で調整され、石英管内にプ
ラズマが発生する。
【0023】原料ガスはCH4とCOとの混合ガスを使
用した。COガスを使用したのは、酸素原子によるエッ
チング効果を高めて膜質を向上させるためである。通常
はCOガスを使用するとエッチングが激しすぎて核が形
成されにくくなるが、本実施例では分散塗布されたダイ
ヤモンド微粒子が核となるためエッチングされることな
く膜が成長する。形成された膜の基板側と表面側のSE
M写真像を図6(写真)に示す。従来法で形成した膜
(図5:写真)と比較すると明らかなように、基板界面
部の気孔は全く確認できず緻密な膜であることがわか
る。作成された膜(厚み6μm)の熱伝導率は約110
0W/mKであった。
【0024】この方法で形成した厚み6μmのダイヤモ
ンド膜をレーザーチップに接合して熱抵抗を測定したと
ころ、35%の改善が確認された。
【0025】なお本実施例では基板への塗布粒子として
粒子径0.1μm以下のダイヤモンド微粒子を使用した
が、本発明はダイヤモンド微粒子に限られるものではな
く、β−SiC、フラーレン等、ダイヤモンドの核とな
りうるものであれば同様の効果が期待できる。また塗布
する粒子の粒子径は小さい方が望ましい。粒径が0.1
μmより大きくなると、水溶液中での粒子沈殿等から1
10個/cm2オーダー以上の密度で塗布することが困
難となる。粒子径が小さいほど水溶液中での粒子の分散
性もよくなり高密度で均一に塗布することが可能とな
る。粒子径が0.02μm以下のダイヤモンド微粒子を
使用したところ、核発生密度は1011個/cm2オーダー
にまで高まり、さらに緻密な膜を形成することができ
た。
【0026】微粒子の分散塗布方法としては、スピンコ
ートに限るものではなく、均一に塗布できるのであれば
いずれの手段を使用してもかまわない。ダイヤモンド膜
の合成方法についても本実施例ではマイクロ波プラズマ
CVD法を用いたが、本発明はこの方法に制限されるも
のではなく、熱フィラメント法やDCジェットCVD法
等の既存の方法でも同様の効果を実現できる。
【0027】(実施の形態2)半導体発光素子のステム
やサブマウントと接合する面にダイヤモンド膜を設け
る。このためには、ダイヤモンド膜を半導体素子に転写
できるように、ダイヤモンド膜を基板から容易に剥がせ
ることが重要である。この実施形態では、ダイヤモンド
膜を基板から容易に剥がす方法について説明する。
【0028】本実施形態では、半導体発光素子のステ
ム、サブマウントと接合する面にダイヤモンド膜を設け
るために、以下の手順を踏んだ。
【0029】(1)基板上に核発生処理を施し、ダイヤ
モンド膜を形成 (2)半導体発光素子を形成したウエハとダイヤモンド
膜を形成した基板とを接合する (3)基板を除去する 本発明は、基板を除去する際にドライエッチング等の手
段を施さなくても、ダイヤモンド膜のみが半導体発光素
子を形成したウエハーに転写できるものである。
【0030】以下に前記手順に基づいた具体的な実施例
について説明する。 (実施例1)実施例1は、Si基板表面に粒子の大きさ
が0.02μmより小さなダイヤモンドの微粒子を10
11個/cm2以上の密度で塗布するという核発生処理を
施して形成したダイヤモンド膜を、半導体発光素子のス
テムやサブマウントと接合する面に転写する方法であ
る。以下にこの実施例の手順を記載する。
【0031】(1)Si基板表面の自然酸化膜を希フッ
酸処理で除去 (2)Si基板表面に、ダイヤモンドの微粒子(粒径
0.02μm以下)を分散させた水溶液(500ccに
8カラット(約1.6g)混入)をスピンコ−ト (3)自然乾燥 (4)Si基板表面に、マイクロ波プラズマCVD法に
より厚み5μmのダイヤモンド膜を形成(形成条件は課
題1に対する実施形態で示したものと同様) (5)ダイヤモンド膜表面にTi/Pt/Auのメタライズ膜を
形成 (6)ダイヤモンド膜と半導体発光素子ウエハーとをAu
-Zn半田で接合 (7)半導体発光素子ウエハーを固定し、Si基板との
間に引っ張り力を印加することで、Si基板とダイヤモ
ンド膜が剥離してダイヤモンド膜が半導体素子ウエハー
に転写される (8)半導体発光素子ウエハーを個々の素子に割断処理 先述のように、粒径0.02μm以下のダイヤモンド微
粒子を分散塗布すると1011個/cm2以上の密度で核
を発生させることが可能となり、極めて短時間に核がつ
ながって膜になる。このためダイヤモンド膜とSi基板
との間の界面にはβーSiCがほとんど形成されず、ダイ
ヤモンド膜とSi基板との付着力はダイヤモンド膜と半
導体発光素子間のAu-Zn半田接合より弱くなる。このた
めダイヤモンド膜とSi基板との間が剥離するのであ
る。
【0032】このようにして作られた半導体発光素子の
熱抵抗を測定すると、従来に比べて約50%の特性改善
が確認できた。
【0033】なお本実施例では基板にSiを、ダイヤモ
ンド膜の形成手段にマイクロ波プラズマCVD法を使用
したが、本発明の効果はこれらに限定されるものではな
い。
【0034】(実施例2)実施例2は、表面に膜厚0.
1μm以上のSiO2膜を形成した基板に0.1μmよ
り小さなダイヤモンドの微粒子を1010個/cm2以上
の密度で塗布するという核発生処理を施して形成したダ
イヤモンド膜を、半導体発光素子のステムやサブマウン
トと接合する面に転写する方法である。以下にこの実施
例の手順を記載する。
【0035】(1)Si基板表面に厚み0.3μmの熱
酸化膜(SiO2膜)を形成 (2)Si基板表面に、ダイヤモンドの微粒子(粒径
0.1μm以下)を分散させた水溶液(500ccに1
0カラット(約2g)混入)をスピンコート (3)自然乾燥 (4)Si基板表面に、マイクロ波プラズマCVD法に
より厚み7μmのダイヤモンド膜を形成(形成条件は実
施形態1で記載したものと同様) (5)ダイヤモンド膜表面にTi/Pt/Auのメタライズ膜を
形成 (6)ダイヤモンド膜と半導体発光素子ウエハーとをAu
-Zn半田で接合 (7)接合した状態でフッ酸溶液処理を施し、Si基板
を除去 (8)半導体発光素子ウエハーを個々の素子に割断処理 ダイヤモンド膜が形成される条件下では、SiO2膜は
エッチングされる。しかし1010個/cm2オーダー以上
という高い密度で核が発生すると、従来に比べて短時間
に膜が形成されるため、基板表面のSiO2膜の一部は
エッチングされることなく残る。すなわち基板表面のS
iO2膜の上にダイヤモンド膜が形成されることにな
る。半導体発光素子を接合した後フッ酸処理を施すと、
ダイヤモンド膜と基板との間のSiO2膜が溶解してダ
イヤモンド膜が転写される。
【0036】このようにして作られた半導体発光素子の
熱抵抗を測定すると、従来に比べて約35%の特性改善
が確認できた。
【0037】なお本実施例では基板にSiを、SiO2
膜にSiの熱酸化膜を、ダイヤモンド膜の形成手段にマ
イクロ波プラズマCVD法を使用したが、本発明の効果
はこれらに限定されるものではない。また本実施例で
は、SiO2膜は0.1μmの厚みが必要であった。
0.1μmより薄くなると、本発明の核発生処理であっ
てもエッチングされるためである。
【0038】(実施例3)実施例3は、ダイヤモンド成
膜時の雰囲気、温度条件で損傷を受けず、共有結合の炭
化物を作らないMo、Ge、Ta等の金属機材を基板と
してダイヤモンド膜を形成する方法である。以下にこの
実施例の手順を記載する。
【0039】(1)Mo基板表面に、ダイヤモンドの微
粒子(粒径0.1μm以下)を分散させた水溶液(50
0ccに10カラット(約2g)混入)をスピンコート (2)自然乾燥 (3)Mo基板表面に、マイクロ波プラズマCVD法に
より厚み6μmのダイヤモンド膜を形成(形成条件は課
題1に対する実施形態のところで記載したものと同様) (4)ダイヤモンド膜表面にTi/Pt/Auのメタライズ膜を
形成 (5)ダイヤモンド膜と半導体発光素子ウエハーとをAu
-Zn半田で接合 (6)半導体発光素子ウエハーを固定し、−10℃の温
度条件下でMo基板との間に引っ張り力を印加すること
で、Mo基板とダイヤモンド膜が剥離してダイヤモンド
膜が半導体素子ウエハーに転写される (7)半導体発光素子ウエハーを個々の素子に割断処理 Mo、Ge、Ta等の金属基板にダイヤモンドを形成し
た後冷却すると、ダイヤモンドと金属基板との熱膨張係
数差が大きいために(約1桁異なる)せん断力が発生
し、界面に共有結合等の強い結合を備えた炭化物がない
場合にはこのせん断力により膜が剥離する。
【0040】このようにして作られた半導体発光素子の
熱抵抗を測定すると、従来に比べて約35%の特性改善
が確認できた。
【0041】なお本実施の形態では、基板材料にMo、
ダイヤモンド膜の形成手段にマイクロ波プラズマCVD
法を使用したが、本発明の効果はこれらに限定されるも
のではない。また必要な冷却温度は基板材料、ダイヤモ
ンド膜の厚み、によって変わるため、実験により適値を
求める必要がある。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、厚みが1
0μm以下であっても熱伝導率の低下が少ない緻密で平
滑なダイヤモンド膜が形成可能となり、このダイヤモン
ド膜によって初めて放熱特性に優れた半導体発光装置が
得られる。
【0043】さらに本発明によれば、ダイヤモンド膜の
半導体発光素子への転写が極めて容易に可能となるため
に、放熱特性に優れた半導体発光装置を低コストで安定
に作成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の構成斜視図
【図2】ダイヤモンド膜を製造するための装置の構成断
面図
【図3】ダイヤモンド膜の形成を説明する工程断面図
【図4】メタン濃度と熱伝導率との関係を示す特性図
【図5】ダイヤモンドの表面と裏面を示す平面図
【図6】ダイヤモンドの表面と裏面を示す平面図
【図7】従来の半導体発光素子の構成断面図
【図8】実験条件を示す図
【符号の説明】
3000 傷 3001 核 3002 核成長 3003 気孔 3004 ダイヤモンド膜 3005 半導体発光素子 3006 活性層発熱部 3007 マイクロ波電源 3008 導波管 3009 モニター 3010 調整器 3011 基板 3012 プランジャ−型調整器 3013 石英管
フロントページの続き (72)発明者 黒川 英雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 白鳥 哲也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 出口 正洋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体発光素子の表面に、ダイヤモンドを
    主成分とする層を備えた半導体発光装置。
  2. 【請求項2】転写部材に形成されたダイヤモンドを主成
    分とする放熱材料を、半導体発光素子の表面に転写する
    工程を有する半導体発光装置の製造方法。
  3. 【請求項3】少なくともステムやサブマウントと接合す
    る面に、1010個/cm2以上の核発生密度で形成され
    たダイヤモンド膜を備えた半導体発光装置。
  4. 【請求項4】ダイヤモンド膜が気孔率10%以下である
    請求項3に記載の半導体発光装置。
  5. 【請求項5】ダイヤモンド膜が膜厚20μm以下である
    請求項3に記載の半導体発光装置。
  6. 【請求項6】少なくともステムやサブマウントと接合す
    る面に、1010個/cm2以上の核発生密度で形成され
    たダイヤモンド膜を備えた半導体発光装置の製造方法で
    あって、前記ダイヤモンド膜がダイヤモンドの核となる
    微粒子を1010個/cm2以上の密度で塗布処理した表
    面に形成する半導体発光装置の製造方法。
  7. 【請求項7】ダイヤモンドの核となる微粒子が、粒子径
    が0.02μm以下のダイヤモンド微粒子である請求項
    6に記載の半導体発光装置の製造方法。
  8. 【請求項8】少なくとも、基板への核発生処理、核発生
    成長・膜成長手段を備えたダイヤモンド膜形成手段と、
    前記ダイヤモンド膜を半導体発光素子の少なくともステ
    ムやサブマウントと接合する面に転写する手段とを備え
    た半導体発光装置の製造方法。
  9. 【請求項9】核発生処理が、基板表面に粒子の大きさが
    0.02μmより小さなダイヤモンドの微粒子を1011
    個/cm2以上の密度で塗布する請求項8に記載の半導
    体発光装置の製造方法。
  10. 【請求項10】核発生処理が、表面に膜厚0.1μm以
    上のSiO2膜を形成した基板に0.1μmより小さな
    ダイヤモンドの微粒子を1010個/cm2以上の密度で
    塗布する請求項8に記載の半導体発光装置の製造方法。
  11. 【請求項11】基板が金属である請求項8に記載の半導
    体発光装置の製造方法。
JP17201696A 1996-07-02 1996-07-02 半導体発光装置およびその製造方法 Pending JPH1022563A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012063318A1 (ja) * 2010-11-09 2012-05-18 トーメイダイヤ株式会社 Cvdダイヤモンド析出用基体及び析出面の形成方法

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