JP2003292398A - 単結晶シリコンウェファの製造方法 - Google Patents

単結晶シリコンウェファの製造方法

Info

Publication number
JP2003292398A
JP2003292398A JP2002095995A JP2002095995A JP2003292398A JP 2003292398 A JP2003292398 A JP 2003292398A JP 2002095995 A JP2002095995 A JP 2002095995A JP 2002095995 A JP2002095995 A JP 2002095995A JP 2003292398 A JP2003292398 A JP 2003292398A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
single crystal
crystal silicon
layer
silicon
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002095995A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumi Nakagawa
克己 中川
Akiyuki Nishida
彰志 西田
Takao Yonehara
隆夫 米原
Kazuaki Omi
和明 近江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2002095995A priority Critical patent/JP2003292398A/ja
Priority to US10/402,214 priority patent/US7077901B2/en
Publication of JP2003292398A publication Critical patent/JP2003292398A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B19/00Liquid-phase epitaxial-layer growth
    • C30B19/12Liquid-phase epitaxial-layer growth characterised by the substrate
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B19/00Liquid-phase epitaxial-layer growth
    • C30B19/02Liquid-phase epitaxial-layer growth using molten solvents, e.g. flux
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B29/00Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
    • C30B29/02Elements
    • C30B29/06Silicon

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価な同位体を濃縮したシリコン原料を有効
に使用し、薄く熱伝導性の良好な大口径の単結晶シリコ
ンウェファを製造する。 【解決手段】 単結晶シリコンウェファの製造方法が、
少なくとも、質量数28の同位体濃度が92.5%以下
のシリコンからなる単結晶シリコン基板100の表面に
多孔質層101を形成する工程と、高温還元性雰囲気下
で、メルト103中に質量数28の同位体濃度が98%
以上の原料シリコンを過飽和状態まで溶解する工程と、
メルト103中に単結晶シリコン基板100を浸漬し、
多孔質層101の表面に単結晶シリコン層106を成長
させる工程と、単結晶シリコン層106をウェファとし
て多孔質層101の部分から剥離する工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高いクロック周波
数で動作するマイクロプロセッサーなどの発熱の大きな
素子、あるいは高集光条件下で使用される太陽電池等の
外部からの強い輻射に晒される素子の製造に好適な単結
晶シリコンウェファの製造方法に係り、特に、高熱伝導
性を有する単結晶シリコンウェファの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】コンピューターの性能は日進月歩で向上
している。そのうち、特に処理速度の向上をもたらして
いる大きな要因は、使用されるマイクロプロセッサーの
クロック周波数の増加である。
【0003】しかし、クロック周波数の増加は使用電力
の増大をもたらす。現在でも、Compaq社のAlp
ha21264チップは600MHzで動作し、消費電
力は109Wであるが、さらに動作周波数の高いマイク
ロプロセッサーが開発されており消費電力が増大しつつ
ある。それに伴い、チップが高温になると、電子やホー
ルなどの易動度が低下しマイクロプロセッサーとしての
動作特性が低下し、さらにはホットスポットとよばれる
局所的な温度上昇により致命的な損傷を受ける虞れがあ
る。
【0004】このような問題を解決するために、チップ
を冷却するための工夫が進められているが、消費電力の
増大に伴いチップの内部における熱伝導が問題にされる
ようになってきた。
【0005】また、シリコン単結晶はX線光学系で、B
ragg反射を利用したミラーとして利用されている。
この分野においては、シンクロトロンなどの次世代の強
力なX線光源の普及が進んでいる。それに伴い強い放射
線の輻射を受けてもミラーが発熱による損傷を受けない
ように、シリコン単結晶の冷却法が工夫されている。
【0006】また太陽光発電において、発電コストを削
減するため、光学系で太陽光を10〜500倍位に集光
し、焦点面に単結晶で作られた高性能の太陽電池を置い
て発電を行う集光型太陽光発電が注目されている。この
場合、原理的には変換効率が高まるはずであるが、強力
な光の輻射に対し冷却が不十分であると、太陽電池が高
温になり温度上昇に伴う特性低下が起こるため、結局、
高集光による変換効率上昇のメリットが受けられない。
したがって、この場合も太陽電池の冷却法に工夫が凝ら
されている。
【0007】しかし、X線光学系や高集光用太陽電池で
も、今後さらに性能の向上を求めると、シリコン単結晶
内部の熱伝導が問題になると予想される。熱伝導性は物
質としての基本的な物性である。
【0008】そこで、これらの用途に発熱の少ない、あ
るいは温度上昇があっても特性低下の少ない、あるいは
熱伝導性の高いシリコン以外の半導体を使用することも
試みられている。
【0009】しかし、材料が本質的に希少であったり、
環境に対して有害であったりして、シリコンに置き換え
られる材料は容易には見つからない。また、特にマイク
ロプロセッサーのように複雑なプロセスにより製造され
るデバイスでは、半導体材料を変更するために、一連の
プロセスや各プロセスに使用される材料の殆どすべてを
見直すことが必要となり、容易に実現し難い。
【0010】この様な状況を打開するために、USP
5,144,409号には、質量数28の同位体の純度
を高めたシリコンで素子を製造することが提案されてい
る。すなわち、一般にシリコンは質量数28、29、3
0の3種類の安定な同位体から構成され、それぞれ自然
界における標準的な存在比は、92.2%、4.7%、
3.1%であると言われている。これらの同位体は化学
的には殆ど識別できないが、質量数が異なるため原子核
の熱振動に影響し、フォノンの散乱を増加させるため、
これらの混合物では熱伝導性が低下する。
【0011】そこで、質量数28の同位体の純度を高め
て熱伝導性の改善を図るというのが、USP5,14
4,409号の趣旨である。実際に、T.Ruf、R.
W.Henn、M.Asen−Palmer、E.Gm
elin、M.Cardona、H.−J.Pohl、
G.G.Devyatych and P.G.Sen
nikovは、質量数28の存在比を99.86%に高
めたシリコンでは、室温でも通常のシリコンより熱伝導
率が60%程度改善されることを実証した。室温以下で
は、熱伝導率の改善効果がさらに高まる。
【0012】質量数28のシリコン同位体の純度を高め
るための方法としては、USP4,584,073号に
記載されているような、シリコンフッ化物分子のレーザ
ー光の吸収係数が同位体により異なることを利用した熱
分解による方法や、USP5,176,885号に記載
されているような、酸溶液にしてイオン交換樹脂の吸着
能の違いを利用する方法などが提案されている。質量数
28のシリコンの濃縮には、軍用の設備が冷戦の終結に
より転用可能になったと言われており、今後同位体の純
度を高めたシリコンは急速に生産が増加するものと見ら
れる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、質量数
28の純度を高めたシリコン原料を製造する工程は、元
来、化学的な性質が殆ど同じ同位体を濃縮する必要があ
るため煩雑化し、得られたシリコン原料はいきおい高価
とならざるを得ない。
【0014】また、通常単結晶シリコンウェファは、チ
ョクラルスキー(Cz)法やフローティングゾーン(F
z)法で引き上げたインゴットを、スライス・研磨して
生産されている。質量数28の同位体の純度を高めたシ
リコン単結晶ウェファをこの方法で製造すると、特にス
ライスや表面研磨の過程で原料にかなりの無駄が出る。
【0015】さらに、単結晶シリコンウェファは大口径
化の一途をたどっており、現在、半導体の製造ラインは
8インチφが主流で、さらに12インチφへの置き換え
が進められている。しかし、高価な同位体濃縮シリコン
原料を大量に用いて大口径なインゴットを引き上げるの
は困難である。そこで、通常のシリコンのウェファ上に
質量数28の同位体の純度を高めたシリコンをエピタキ
シャル成長したエピウェファが試作されている。この場
合にはシリコン原料の利用率が高く、大口径化が容易で
あるが、基板に熱伝導率の低い通常のシリコンを使用し
ているため、チップ面内の発熱の不均一性改善には有効
としても、厚さ方向の熱伝導の改善が不十分であった。
【0016】また、シリコンのエピタキシャル成長法と
して、標準的に使用される気相成長法では、容器内に原
料としてシラン、塩化シランなどシリコンを含むガスを
流し、高温に保持した基板上で熱分解させてエピタキシ
ャル成長を行うが、その際に流したガスのかなりの部分
が基板上に成長することなく流れ去る。そのため、気相
成長法によると、同位体の純度を高めたシリコンからな
る高価な原料ガスの相当量が無駄となり、結果として、
エピウェファが高価にならざるを得なかった。この観点
から、エピタキシャル成長の方法として、液相成長法が
大変有効である。すなわち、液相成長法においては坩堝
にインジウム、錫、ガリウム、アルミニウム、銅などの
比較的低融点の金属を溶融し、その中にシリコンを飽和
となるまで溶解しメルトを形成する。次いで、メルトを
徐々に冷却する等の方法により、シリコンを過飽和とし
つつその中に基板を浸漬すると、過飽和になったシリコ
ンは基板上に析出・成長する。液相成長法の場合には、
シリコンは成長により基板とともにメルト持ち出される
他は、外部に流出することがなく全く無駄を生じない。
【0017】しかしこの場合でも、前述したように現実
的には基板として同位体の純度を高めたシリコンが使用
できないので、エピタキシャル成長したシリコンの熱伝
導性が高いことによるメリットが十分生かしきれない恨
みが残る。そこで、同位体の純度を高めたシリコンから
なるエピ層を持つエピウェファの裏面から、ケミカルメ
カニカルグラインディング等の方法でエピタキシャル層
を残してウェファを裏面から所望の厚さまで研削するこ
とも考えられるが、ウェファの厚さを30μm程度残さ
ないと、次工程での取り扱いに困難である。マイクロプ
ロセッサー等の作りこみには厚さ10μmもあれば十分
であり、研削による方法では原料シリコンのコスト削
減、熱伝導改善の効果とも不十分であった。
【0018】本発明は、上記の課題に鑑みて創案された
ものであり、その目的は、高価な同位体を濃縮したシリ
コン原料を無駄なく有効に使用して、薄く熱伝導性の良
好な大口径の単結晶シリコンウェファを製造することが
できる単結晶シリコンウェファの製造方法を提供するこ
とにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、本発明の単結晶シリコンウェファの製造方法は、少
なくとも、質量数28の同位体の濃度が92.5%以下
であるシリコンからなる単結晶シリコン基板の表面に多
孔質層を形成する工程と、高温の還元性雰囲気下で、メ
ルト中に質量数28の同位体の濃度が98%以上である
原料シリコンを過飽和状態まで溶解する工程と、メルト
中に上記単結晶シリコン基板を浸漬し、多孔質層の表面
に単結晶シリコン層を成長させる工程と、単結晶シリコ
ン層をウェファとして多孔質層の部分から剥離する工程
とを有する、質量数28の同位体の平均含有率が98%
以上であるシリコンからなる単結晶シリコンウェファの
製造方法である。
【0020】また、前記単結晶シリコン基板の表面に多
孔質層を形成する工程において、面方位が(111)で
ある単結晶シリコン基板を用いることが好ましい。
【0021】さらに、前記単結晶シリコン基板の表面に
多孔質層を形成する工程において、矩形の単結晶シリコ
ン基板を用いることが好ましい。
【0022】そして、前記原料シリコンを過飽和状態ま
で溶解する工程において、分子を構成するシリコン原子
のうち、質量数28の同位体の濃度が98%以上である
ガスをメルト中に溶解することが好ましい。
【0023】また、前記多孔質層の表面に単結晶シリコ
ン層を成長させる工程において、100μm以下の厚さ
で単結晶シリコン層を成長させることが好ましい。
【0024】さらに、前記多孔質層の表面に単結晶シリ
コン層を成長させる工程と前記単結晶シリコン層を剥離
する工程との間に、単結晶シリコン層に少なくとも半導
体接合を形成する工程を有することが好ましい。
【0025】或いは、前記多孔質層の表面に単結晶シリ
コン層を成長させる工程と前記単結晶シリコン層を剥離
する工程との間に、単結晶シリコン層の表面に少なくと
も酸化シリコン層を形成する工程を有することが好まし
い。
【0026】そして、前記単結晶シリコン層を剥離する
工程において、単結晶シリコン層の表面に基板を貼り付
けた後、該基板と単結晶シリコン基板との間に力を作用
させ、単結晶シリコン層を多孔質層の部分から剥離する
ことが好ましい。
【0027】或いは、前記単結晶シリコン層を剥離する
工程において、単結晶シリコン層の表面と単結晶シリコ
ン基板の裏面との間に急激に温度勾配を付けて、両者の
熱膨張率の差により作用するせん断力で単結晶シリコン
層を多孔質層の部分から剥離することが好ましい。
【0028】加えて、前記単結晶シリコン層を剥離する
工程の終了後、単結晶シリコン基板の表面を平滑化し、
再使用することが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明するが、本発明は本実施形態に限られな
い。
【0030】図1は、本発明の単結晶シリコンウェファ
の製造方法を示す概略図である。図1(a)において、
100は同位体の濃縮が行われていないシリコン原料か
ら作成された単結晶基板であり、標準的には質量数28
の割合が92.2%、質量数29の割合が4.7%、質
量数30の割合が3.1%であるが、不純物の精製方法
により若干の変動はあり得る。この単結晶基板100
は、円形のものに限らず、矩形のものを採用することが
でき、矩形の単結晶基板100は太陽電池の製造に適し
ている。
【0031】この単結晶基板100の表面に、陽極化成
法と呼ばれる電気化学的方法により、大きさ数百オング
ストローム程度の微細な多数の孔を有する多孔質層10
1を形成する。陽極化成においては、単結晶基板100
が比抵抗0.01〜0.1Ωcm程度の低抵抗のp型シ
リコンであると好都合であるが、より高抵抗乃至n型の
シリコンも、光を照射する等の手段を併用すれば使用可
能である。
【0032】また、単結晶シリコン基板の面方位は、最
も一般的な(100)ばかりでなく、(111)も好適
に使用される。特に、厚さ100μm以下の薄いウェフ
ァを製造する場合には、強度の強い(111)はデバイ
スの製造工程において割れが起こり難く、歩留まりが高
まるので有利である。従来、面方位(111)のウェフ
ァは、酸化層との界面に準位が多いとして敬遠されてい
たが、最近、酸化膜の形成にプラズマを利用することで
大幅に特性が改善され、一般のデバイスの製造に利用さ
れる目処が得られ、注目を集めている(大見忠弘、須川
成利、平山昌樹:日経マイクロデバイス 2000年8
月号、p213〜220)。
【0033】さらに、多孔質層101の上に液相法でエ
ピタキシャル成長を行う場合には、(111)の基板を
用いると成長後の表面の平坦性が出やすく、特にマイク
ロプロセッサを始めとするICの製造に使用するウェフ
ァとして有利である。
【0034】そして、図1(b)に示すように、石英ガ
ラスやカーボンの坩堝102に、インジウム、錫、ガリ
ウム、アルミニウム、銅などの比較的低融点の金属を装
入し、加熱し溶融した中に、質量数28の同位体を濃縮
した原料シリコン104を装入する。時間の経過に伴っ
て、シリコンは溶融した金属の中に飽和するまで溶け、
メルト103となる。この際、シリコンやシリコンの濃
度が高いメルトは密度が低いため、メルトの表面付近に
溜まりやすいので、撹拌手段105により、メルト10
3の濃度が均一になるよう撹拌すると効果的である。
【0035】前述したように、質量数28の割合は98
%以上に濃縮可能で、この程度まで濃縮されていると、
熱伝導性向上の効果が顕著に現れる。また、同位体の濃
縮はSi26等のガスの形で行われるので、原料シリコ
ンを多結晶等の固体の形状で供給する代わりに、ガスを
メルトに吹き込み熱で分解する方法によると能率的であ
る。
【0036】次に、図1(c)に示すように、シリコン
で飽和となったメルトを冷却し、所定の過飽和度となっ
たところで、メルト103内に多孔質層101を形成し
た単結晶基板100を浸漬する。すると、多孔質層10
1の上に、質量数28の割合が高い単結晶シリコン層1
06が成長し始める。多孔質層101は多数の微細孔が
開いているが、単結晶としての性質を保持しており、そ
の上にエピタキシャル成長が起こる。
【0037】引き続き冷却を続け、単結晶シリコン層1
06が所望の厚さとなったところで、メルト103から
単結晶基板100を引き上げる。具体的には、100μ
m以下の厚さで単結晶シリコン層106を成長させるこ
とが好ましい。成長したシリコン層106中の同位体の
割合は、図1(b)の工程で使用した原料シリコンの同
位体の割合とほぼ一致する。
【0038】図1(c)では、単結晶基板100の裏面
や端面にはシリコンの成長が起こらない様に描いてある
が、そのためには、単結晶基板100の裏面に不図示の
石英ガラス等でできたマスクを当てたり、単結晶基板1
00の裏面に酸化シリコン層を形成する等の工夫が必要
である。
【0039】なお、液相成長法には、ここで説明した徐
冷法の他にも、メルト中に温度差によるシリコンの飽和
濃度の分布を付け、相対的に高温に保持した原料シリコ
ンから相対的に低温に保持した基板へシリコン原子を拡
散させ成長を行う温度差法と呼ばれる方法もある。
【0040】続いて、図1(d)に示すように、単結晶
シリコン層106が成長した単結晶シリコン基板101
に、急激に単結晶シリコン層106側が低温となり、単
結晶シリコン基板101側が高温となる温度勾配をかけ
る。例えば、単結晶シリコン基板101を温度調整機能
のあるステージに強く固定して所定の温度に保持しなが
ら、単結晶シリコン層106側に零下10℃以下の冷気
107を吹きかける等の方法がある。
【0041】多孔質層101は微細孔が形成されている
ため熱伝導性が低く、また質量数28の割合が高い単結
晶シリコン層106は熱伝導性が高いため、表面から急
冷されると、単結晶シリコン層106だけが急激に冷却
され収縮して、単結晶シリコン基板100との界面にズ
レ応力が発生して、微細孔が形成され強度の落ちた多孔
質層101が破壊されて、単結晶シリコン層106が剥
離する。
【0042】単結晶シリコン層106を剥離するための
方法としては、特開平10−189924号公報に記載
されているように、予め単結晶シリコン層106の表面
に接着剤等を用いて基板を貼り付けておいてから、力を
加えて多孔質層101を破壊する方法を用いることもで
きる。
【0043】剥離後、図1(e)に示すように、単結晶
シリコン基板100や単結晶シリコン層106には、多
孔質層の残渣108が残る。これを除去するには硝酸等
の酸化剤を含むフッ酸やアルカリ溶液を用いてエッチン
グする方法が簡便であるが、さらに水素雰囲気で100
0℃以上でアニールすると平坦度を一層高めることがで
きる。
【0044】そして、図1(f)に示すように、剥離後
多孔質層残渣108を除去した単結晶シリコン層106
は、所望の厚さのシリコンウェファ109となる。これ
までの説明で明らかなように、本発明の単結晶シリコン
ウェファの製造方法によれば、製造工程で高価な同位体
を濃縮した原料シリコンの無駄が生じることが殆どな
い。
【0045】一方、図1(g)に示すように、多孔質層
残渣108を除去した単結晶シリコン基板100は、図
1(a)に示す工程へ戻して、再使用することができ
る。
【0046】図1では、説明の都合上、多孔質層101
を極めて厚く描いているが、実際には厚さ5〜10μm
で良く、厚さ600μm程度の単結晶シリコン基板10
0は、数十回以上繰り返し使用可能で、シリコンウェフ
ァの製造コスト低減にさらに寄与することができる。
【0047】すなわち、本実施形態の単結晶シリコンウ
ェファの製造方法によれば、安価な通常のシリコンから
なる基板を用いながら、液相成長法により同位体を濃縮
したシリコンからなるエピタキシャル層を形成し、基板
から剥離することによって、所望の厚さで熱伝導性の良
好な同位体の純度が高められたシリコンからなるウェフ
ァを得ることができる。
【0048】必要があれば、図1(c)の工程と図1
(d)の工程との間において、エピタキシャル層の表面
に熱伝導性の良い適当な支持基板を貼り付けてもよい。
また剥離の際には、支持基板を貼り付けておき、剥離後
支持基板を取り外して自立したシリコンウェファとする
こともできる。
【0049】したがって、エピタキシャル成長や、基板
からエピタキシャル層を剥離する工程での高価な同位体
を濃縮した原料シリコンの無駄が生じることがない。し
かも、必要最小限の厚さのエピタキシャル層が形成で
き、その後、熱伝導性の低い通常のシリコンウェファを
取り除けるので、同位体の濃縮効果と相俟って、熱伝導
性を極限まで高めたシリコンウェファを製造することが
できるものである。
【0050】また、質量数28の同位体の濃度が92.
5%以下のシリコンからなる単結晶シリコン基板は比較
的安価にて入手可能であり、この点においても本発明は
低コスト化の効果を奏するものである。
【0051】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限られない。
【0052】〔実施例1〕本実施例は、本発明の製造方
法を同位体濃縮シリコンよりなる薄型単結晶シリコンウ
ェファの製造に適用した例であり、高いクロック周波数
で動作するマイクロプロセッサ等の製造に好適である。
【0053】図1(a)に示す単結晶基板100は、同
位体の濃縮が行われていないシリコン原料から作成され
た8インチφの面方位(111)のウェファであり、質
量数28の割合が92.4%、質量数29の割合が4.
6%、質量数30の割合が3.0%、比抵抗は0.2Ω
cmである。
【0054】この単結晶基板100の表面に、陽極化成
法で多孔質層101を形成した。すなわち、フッ酸:イ
ソプロピルアルコール=1:1の混合液に、単結晶基板
100と不図示の白金電極を間隔5cmで対向させつつ
浸漬し、単結晶基板100が陽極となるように直流電圧
を加えた。始めの10分は6Aの電流が流れるよう制御
し、引き続き15Aを2分流した。この操作により、単
結晶基板100の表面から10μmの深さまで比較的微
細孔の径の小さな多孔質層が形成され、さらにその奥に
比較的微細孔の径の大きな多孔質層が形成された。な
お、図1では、これら両者の多孔質層を区別することな
く、101で示している。
【0055】続いて、単結晶基板100の裏面と周囲へ
シリコンが成長するのを防止するため、当該部分を不図
示の石英ガラス製のマスク部材で覆った。
【0056】次に、図1(b)に示すように、周囲から
気密を保つことができる不図示の成長炉に収納された坩
堝102内にインジウムを装入し、900℃に加熱融解
した。その中に、質量数28のシリコンの濃度を98.
3%にまで濃縮したシリコンのペレットを10.0g溶
解し飽和とした。
【0057】続いて、図1(c)に示すように、メルト
の温度を徐々に下げ、890℃となったところで、表面
に多孔質層101を形成した単結晶基板100をメルト
103に浸漬した。そのまま温度を下げて、850℃と
なったところで単結晶基板100を引き上げ、マスク部
材を外したところ、単結晶基板100の所定の部分に単
結晶シリコン層106が綺麗に成長した。メルト103
が単結晶基板100やマスク部材の表面に付着すること
はなかった。
【0058】成長の前後で、単結晶基板100の重量は
2.0g増加した。成長した単結晶シリコン層106に
おける質量数28の同位体の濃度は98.2%で、溶解
した原料シリコンと殆ど変化がなかった。
【0059】次いで、図1(d)に示すように、不図示
の表面温度25℃に保持されたステージに単結晶基板1
00の裏面を真空チャックし、この状態で零下10℃の
乾燥窒素の冷気107を単結晶シリコン層106中の表
面より吹きかけた。
【0060】約15秒後、図1(e)に示すように、単
結晶シリコン層106は単結晶基板100より剥離し
た。剥離した単結晶シリコン層106には、亀裂等の欠
陥は認められなかった。
【0061】図1(f)に示すように、剥離した単結晶
シリコン層106の表面は完全な光沢面であったが、裏
面には多孔質層の残渣が見られたので、裏面を上に向け
パイレックス(登録商標)ガラス製の平底容器の底に設
けた目の細かいスノコの上に置き、上から静かに有機ア
ルカリ溶液を注いだ。残渣がエッチングされ裏面がシリ
コンの光沢を示したところで、有機アルカリ溶液を容器
底面に設けた排液孔より捨て、排液孔を空けたまま純水
を流し続けてリンスした。
【0062】乾燥後、さらに剥離した単結晶シリコン層
106を水素アニール炉に入れ、1100℃で水素アニ
ールした。アニール処理により、単結晶シリコン層10
6の両面は、金属顕微鏡で観察して全く欠陥の見られな
い完全な平面となった。こうして質量数28の同位体が
濃縮された厚さ30μmの8インチφウェファ109が
得られた。
【0063】一方、図1(g)に示すように、残った単
結晶基板100も、有機アルカリによる多孔質層残渣1
08のエッチング、水素アニールの工程を経て、表面は
完全な平面になった。
【0064】このように再生された単結晶基板100を
図1(a)の工程へ戻し、該単結晶基板100の表面に
再び多孔質層101を形成した。
【0065】そして、図1(b)に示すように、1回目
の成長が終わってシリコンの濃度が下がったメルト10
3を再度900℃まで加熱し、その中に質量数28の同
位体を濃縮したシリコンのペレットを装入したところ、
2.1g溶解したところで飽和となった。即ち、1回目
の成長では2.1gのシリコンが消費され、前述したよ
うに、2.0gが基板上に成長し、それが無駄なくシリ
コンウェファとして利用された。原料の利用効率は約9
5%と推定された。
【0066】以下、図1(c)〜(g)に示すように、
1回目と同様な工程を順次経て、2枚目のウェファを得
ることができた。
【0067】比較のため、図1(b)の工程において、
同位体の濃縮を行っていない通常の原料シリコンを用い
た以外は全く本実施例と同様な工程により、8インチφ
の単結晶シリコンウェファを形成した。室温にて両者の
熱伝導率を測定したところ、通常の原料シリコンを用い
たウェファでは、熱伝導率=152W/m・degであ
ったのに対し、本発明の製造方法によるウェファでは、
熱伝導率=245W/m・degと大幅な改善が見られ
た。
【0068】〔実施例2〕本実施例は、本発明の製造方
法を同位体濃縮シリコンよりなるエピタキシャル層と高
熱伝導性基材から構成されるSOIウェファの製造に適
用した例であり、高いクロック周波数で動作するマイク
ロプロセッサ等の製造に好適である。また本実施例で
は、実施例1で用いた工程と異なる部分についてのみ説
明する。
【0069】図1(c)において、本実施例では、単結
晶基板100を890℃のメルト103に浸漬した後、
そのままメルト103の温度を下げて、885℃となっ
たところで単結晶基板100を引き上げ、マスク部材を
外した。このときの単結晶シリコン層106の厚さは5
μmであった。
【0070】その後、図2(h)に示すように、単結晶
シリコン層106の表面に、水素雰囲気でのスパッタに
より厚さ1μmの薄膜ダイヤモンド層201をコーティ
ングしたモリブデン板200のコート面を合わせて圧着
した後、500℃でアニールしたところ、両者は原子間
の結合形成により強く接着した。
【0071】基板として薄膜ダイヤモンド層201をコ
ートしたモリブデン板200を使用したのは、ダイヤモ
ンドが絶縁物としは極めて熱伝導性が良好なこと、モリ
ブデンは比較的熱伝導性が良好な上、金属としては熱膨
張率が小さく、デバイスの形成に伴いSOIウェファを
高温に晒しても膜剥がれや歪み等のトラブルを生じない
ためである。
【0072】この後、図2(i)に示すように、単結晶
基板100をステージに真空チャッキングし、楔202
を多孔質層101に挿入したところ、多孔質層101が
破壊され、薄膜ダイヤモンド層201がコーティングさ
れたモリブデン板200が単結晶基板100から剥離し
た。
【0073】図2(j)に示すように、剥離面に残った
多孔質層108は、有機アルカリ溶液によりエッチング
除去した。その際、モリブデン板200にはアルカリ液
が触れないようにした。リンス・乾燥の後、実施例1と
同様に水素アニールを行った。金属顕微鏡で観察しても
表面に欠陥は認められず、表面は平坦かつ平滑で、良好
なSOIウェファ203が得られた。
【0074】一方、図2(k)に示すように、残った単
結晶基板100も、有機アルカリによる多孔質層残渣1
08のエッチング、水素アニールの工程を経て、表面は
完全な平面になった。
【0075】このように再生された単結晶基板100を
図1(a)の工程へ戻し、該単結晶基板100の表面に
再び多孔質層101を形成した。
【0076】〔実施例3〕本実施例は、本発明の製造方
法を太陽電池素子の製造に適用した例であり、同位体濃
縮シリコンよりなる活性層と高熱伝導性基材から構成さ
れる高い倍率で集光された太陽光の下で動作させるのに
好適である。
【0077】図1(a)において、単結晶基板100
は、同位体の濃縮が行われていないシリコン原料から作
成された1辺が5cmの正方形をなすCz単結晶ウェフ
ァであり、質量数28の割合が92.3%、質量数29
の割合が4.7%、質量数30の割合が3.0%、比抵
抗は0.2Ωcmであった。この単結晶基板100の表
面の方位は(111)である。
【0078】この単結晶基板100の表面に、陽極化成
法で多孔質層101を形成した。陽極化成条件は実施例
1と本質的に同様であるが、電流値は基板の面積に合せ
て調整した。すなわち、フッ酸:イソプロピルアルコー
ル(IPA)=1:1の混合液に、単結晶基板100と
不図示の白金電極を間隔5cmで対向させつつ浸漬し、
単結晶基板100が陽極となるように直流電圧を加え
た。始めの10分は0.5Aが流れるよう制御し、引き
続き1.25Aを2分流した。この操作により、単結晶
基板100の表面から深さ10μmまで、比較的微細孔
の径の小さな多孔質層が形成され、さらにその奥に比較
的微細孔の径の大きな多孔質層が形成された。
【0079】そして、単結晶基板100の裏面と周囲へ
シリコンが成長するのを防止するため、当該部分を不図
示の石英ガラス製のマスク部材で覆った。
【0080】続いて、図1(b)に示すように、実施例
1と同様にして、シリコンで飽和した900℃のメルト
103を用意した。
【0081】次に、図1(c)に示すように、メルト1
03の温度を徐々に下げ、890℃となったところで、
表面に多孔質層101を形成した単結晶基板100を浸
漬した。そのまま温度を下げて、800℃となったとこ
ろで単結晶基板100を引き上げ、マスク部材を外した
ところ、単結晶基板100の所定部分に単結晶シリコン
層106が綺麗に成長しており、特にメルトが単結晶基
板100やマスク部材の表面に付着することはなかっ
た。
【0082】成長の前後で、単結晶基板100の重量は
0.27g増加した。成長した単結晶シリコン層106
における質量数28の同位体の濃度は、98.3%であ
った。
【0083】次いで、図3(l)に示すように、単結晶
シリコン層106の表面に、熱酸化により厚さ0.5μ
mの酸化シリコン層300を形成した。引き続いて、標
準的なフォトリソグラフィー工程によって、酸化シリコ
ン層300に幅40μm、ピッチ100μmの櫛刃状の
貫通孔を形成した。貫通孔はp電極用301とn電極用
302とからなる。貫通孔301,302の形状を明確
に示すため、図3(l’)には図3(l)の平面図を示
した。
【0084】そして、図3(m)に示すように、p電極
用貫通孔301に合せて、ボロンを含む銀ペーストのパ
ターン305を印刷すると共に、n電極用貫通孔302
に合せて、リンを含む銀ペーストのパターン306を印
刷した。その後、銀ペーストのパターン305,306
を焼成した。その際、p型電極のパターン305の直下
にはボロンが拡散し、単結晶シリコン層106の中にp
+型の拡散領域が形成され、またn型電極のパターン3
06の直下にはリンが拡散し、単結晶シリコン層106
の中にn+型の拡散領域が形成され、半導体接合が形成
された。このように電極305、306が形成されたと
ころで、電流取り出し用の不図示の2枚のタブを、図3
(l’)に示す各々303、304の位置に貼り付け
た。
【0085】次に、図3(n)に示すように、電極やタ
ブが形成された単結晶シリコン層106の上から、銅プ
レート307をエポキシ接着剤308で貼り付けた。そ
の際、タブは各々プレートの端から飛び出させ、電流が
取り出せるようにした。
【0086】この後、図3(o)に示すように、銅プレ
ート307をステージに真空チャッキングし、楔202
を多孔質層101に挿入したところ、多孔質層101が
破壊され、単結晶基板100が銅プレート307の貼り
付けられた単結晶シリコン層106から剥離した。
【0087】次いで、図3(p)に示すように、標準の
フォトリソ工程により、剥離面に残った多孔質層108
の除去と併せ、一辺が2μmの四角錐状のテクスチャ3
09を形成した。こうして、銅プレートに支持された厚
さ50μmの活性層を持つ集光用太陽電池が作成され
た。なお、図3(p)において、310は太陽光であ
る。
【0088】この太陽電池では、電極は光入射面から見
て裏面に形成されているので、入射光を遮ることが無く
なるため、より大きな光電流が得られる。
【0089】一方、図3(q)に示すように、残った単
結晶基板100も、有機アルカリによる多孔質層残渣1
08のエッチング、水素アニールの工程を経て、表面は
完全な平面になった。
【0090】そして、このように再生された単結晶基板
100を図1(a)の工程へ戻して、該単結晶基板10
0の表面に再び多孔質層101を形成した。
【0091】続いて、図1(b)に示すように、1回目
の成長が終わってシリコンの濃度が下がったメルト10
3を再度900℃まで加熱し、その中に質量数28のシ
リコンを濃縮したシリコンのペレットを装入したとこ
ろ、0.27g溶解したところで飽和となった。即ち、
1回目の成長でのシリコンの消費量と基板上に成長した
量とが等しく、同位体を濃縮した原料シリコンウェファ
の損失は認められなかった。
【0092】比較のため、図1(b)の工程において、
同位体の濃縮を行っていない通常の原料シリコンを用い
た以外は全く本実施例と同様な工程により、銅プレート
に支持された厚さ50μmの活性層を持つ太陽電池(以
下、「比較電池」という。)を作成した。
【0093】銅プレート側から水冷をかけ、本発明によ
る太陽電池と比較電池の変換効率を比較した。標準(A
M1.5)の照射条件の下では、本発明の双方の電池と
も変換効率22.0%であったが、200倍の集光条件
の下では、本発明の太陽電池は変換効率26.0%とな
ったのに対し、比較電池では変換効率23.0%と、集
光による変換効率の上昇の割合が少なかった。これは本
発明の太陽電池の活性層が熱伝導性の良好な同位体を濃
縮したシリコンを用いているためであると考えられる。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高価な原料シリコンを殆ど無駄にせずに、熱伝導性の良
好な質量数28の同位体を濃縮したシリコンからなるデ
バイスの機能を果たすために必要最小限の厚さの薄膜単
結晶シリコンを形成できる。そのため、この薄膜単結晶
シリコンを用いたデバイスの冷却効果が高まるばかりで
なく、製造コストが大幅に下げることができる。
【0095】したがって、発熱の多い高いクロック周波
数で作動するマイクロプロセッサや、強烈な輻射熱に晒
され温度が上昇しやすい高集光用太陽電池の性能の向上
や低価格化に寄与するところが大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を熱伝導性の良好なシリコン
ウェファの製造に適用する例を示す説明図である。
【図2】本発明の製造方法を熱伝導性の良好なSOIウ
ェファの製造に適用する例を示す説明図である。
【図3】本発明の製造方法を高集光用の太陽電池の製造
に適用する例を示す説明図である。
【符号の説明】
100 単結晶シリコン基板 101 多孔質層 102 坩堝 103 メルト 104 原料シリコン 105 撹拌手段 106 単結晶シリコン層 107 冷気 108 多孔質層の残渣 109 単結晶シリコンウェファ 200 モリブデン基板 201 薄膜ダイヤモンド層 202 楔 203 SOIウェファ 300 酸化シリコン層 301 p電極用の貫通孔 302 n電極用の貫通孔 303、304 タブの貼り付け位置 305 p電極 306 n電極 307 銅プレート 308 エポキシ接着剤 309 テクスチャ 310 太陽光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米原 隆夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 近江 和明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4G077 AA02 AA03 BA04 CG02 CG05 EA02 EC01 FJ03 HA06 QA04 QA11 QA72 5F051 AA02 CB04 5F053 AA03 DD01 FF01 GG01 HH04 JJ01 JJ03 PP07 RR13 RR20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、質量数28の同位体の濃度
    が92.5%以下であるシリコンからなる単結晶シリコ
    ン基板の表面に多孔質層を形成する工程と、 高温の還元性雰囲気下で、メルト中に質量数28の同位
    体の濃度が98%以上である原料シリコンを過飽和状態
    まで溶解する工程と、 メルト中に上記単結晶シリコン基板を浸漬し、多孔質層
    の表面に単結晶シリコン層を成長させる工程と、 単結晶シリコン層をウェファとして多孔質層の部分から
    剥離する工程とを有する、質量数28の同位体の平均含
    有率が98%以上であるシリコンからなる単結晶シリコ
    ンウェファの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記単結晶シリコン基板の表面に多孔質
    層を形成する工程において、 面方位が(111)である単結晶シリコン基板を用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の単結晶シリコンウェ
    ファの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記単結晶シリコン基板の表面に多孔質
    層を形成する工程において、 矩形の単結晶シリコン基板を用いることを特徴とする請
    求項1または2に記載の単結晶シリコンウェファの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記原料シリコンを過飽和状態まで溶解
    する工程において、 分子を構成するシリコン原子のうち、質量数28の同位
    体の濃度が98%以上であるガスをメルト中に溶解する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の単
    結晶シリコンウェファの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記多孔質層の表面に単結晶シリコン層
    を成長させる工程において、 100μm以下の厚さで単結晶シリコン層を成長させる
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の単
    結晶シリコンウェファの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記多孔質層の表面に単結晶シリコン層
    を成長させる工程と前記単結晶シリコン層を剥離する工
    程との間に、 単結晶シリコン層に少なくとも半導体接合を形成する工
    程を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか
    に記載の単結晶シリコンウェファの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記多孔質層の表面に単結晶シリコン層
    を成長させる工程と前記単結晶シリコン層を剥離する工
    程との間に、 単結晶シリコン層の表面に少なくとも酸化シリコン層を
    形成する工程を有することを特徴とする請求項1から6
    のいずれかに記載の単結晶シリコンウェファの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記単結晶シリコン層を剥離する工程に
    おいて、 単結晶シリコン層の表面に基板を貼り付けた後、該基板
    と単結晶シリコン基板との間に力を作用させ、単結晶シ
    リコン層を多孔質層の部分から剥離することを特徴とす
    る請求項1から7のいずれかに記載の単結晶シリコンウ
    ェファの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記単結晶シリコン層を剥離する工程に
    おいて、 単結晶シリコン層の表面と単結晶シリコン基板の裏面と
    の間に急激に温度勾配を付けて、両者の熱膨張率の差に
    より作用するせん断力で単結晶シリコン層を多孔質層の
    部分から剥離することを特徴とする請求項1から7のい
    ずれかに記載の単結晶シリコンウェファの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記単結晶シリコン層を剥離する工程
    の終了後、単結晶シリコン基板の表面を平滑化し、再使
    用することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記
    載の単結晶シリコンウェファの製造方法。
JP2002095995A 2002-03-29 2002-03-29 単結晶シリコンウェファの製造方法 Withdrawn JP2003292398A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002095995A JP2003292398A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 単結晶シリコンウェファの製造方法
US10/402,214 US7077901B2 (en) 2002-03-29 2003-03-31 Process for producing single crystal silicon wafers

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002095995A JP2003292398A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 単結晶シリコンウェファの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003292398A true JP2003292398A (ja) 2003-10-15

Family

ID=28449739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002095995A Withdrawn JP2003292398A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 単結晶シリコンウェファの製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7077901B2 (ja)
JP (1) JP2003292398A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010090383A1 (ko) * 2009-02-05 2010-08-12 주식회사 포인트엔지니어링 다공성 기판을 이용한 박막 태양전지 제조 방법 및 그에 따른 태양전지
JP2014527293A (ja) * 2011-07-25 2014-10-09 ソイテック 半導体材料内に層を製作するための方法及び装置
CN113078236A (zh) * 2020-01-03 2021-07-06 环晟光伏(江苏)有限公司 一种大尺寸硅片热氧工艺

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7119400B2 (en) * 2001-07-05 2006-10-10 Isonics Corporation Isotopically pure silicon-on-insulator wafers and method of making same
US20040171226A1 (en) * 2001-07-05 2004-09-02 Burden Stephen J. Isotopically pure silicon-on-insulator wafers and method of making same
JP2005083862A (ja) * 2003-09-08 2005-03-31 Canon Inc 光学薄膜およびこれを用いたミラー
JP4826882B2 (ja) * 2005-05-18 2011-11-30 株式会社 アイアイエスマテリアル スクラップシリコンの選別及び分析方法
US8895347B2 (en) 2012-02-16 2014-11-25 Industrial Technology Research Institute Method for fabricating semiconductor layer having textured surface and method for fabricating solar cell
CN103258716B (zh) 2012-02-16 2016-03-09 财团法人工业技术研究院 制作具有织化表面的半导体层的方法、制作太阳能电池的方法
US9123780B2 (en) * 2012-12-19 2015-09-01 Invensas Corporation Method and structures for heat dissipating interposers

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4584073A (en) * 1983-12-21 1986-04-22 Westinghouse Electric Corp. Process and apparatus for isotopic enrichment using lasers
US5144409A (en) * 1990-09-05 1992-09-01 Yale University Isotopically enriched semiconductor devices
US5176885A (en) * 1991-04-01 1993-01-05 Westinghouse Electric Corporation Isotope separation of weak acid forming elements by utilization of thermal regeneration of ion exchange resin
US5917195A (en) * 1995-02-17 1999-06-29 B.A. Painter, Iii Phonon resonator and method for its production
JP3501606B2 (ja) 1996-12-27 2004-03-02 キヤノン株式会社 半導体基材の製造方法、および太陽電池の製造方法
EP0851513B1 (en) * 1996-12-27 2007-11-21 Canon Kabushiki Kaisha Method of producing semiconductor member and method of producing solar cell
US5891242A (en) * 1997-06-13 1999-04-06 Seh America, Inc. Apparatus and method for determining an epitaxial layer thickness and transition width
US20030034505A1 (en) * 2001-08-16 2003-02-20 Motorola, Inc. Structure and method for fabricating semiconductor structures and devices utilizing the formation of a compliant substrate including an isotopically enriched material

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010090383A1 (ko) * 2009-02-05 2010-08-12 주식회사 포인트엔지니어링 다공성 기판을 이용한 박막 태양전지 제조 방법 및 그에 따른 태양전지
JP2014527293A (ja) * 2011-07-25 2014-10-09 ソイテック 半導体材料内に層を製作するための方法及び装置
US9528196B2 (en) 2011-07-25 2016-12-27 Soitec Method and device for fabricating a layer in semiconductor material
CN113078236A (zh) * 2020-01-03 2021-07-06 环晟光伏(江苏)有限公司 一种大尺寸硅片热氧工艺

Also Published As

Publication number Publication date
US7077901B2 (en) 2006-07-18
US20030183159A1 (en) 2003-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3492142B2 (ja) 半導体基材の製造方法
US6211038B1 (en) Semiconductor device, and method for manufacturing the same
US6818104B2 (en) Anodizing apparatus
TW507277B (en) Liquid-phase growth method, liquid-phase growth apparatus, and solar cell
JP2001284622A (ja) 半導体部材の製造方法及び太陽電池の製造方法
TW200814347A (en) Method for fabricating a photovoltaic element with stabilised efficiency
JP2001007362A (ja) 半導体基材および太陽電池の製造方法
JPH10189924A (ja) 半導体基材の製造方法、および太陽電池の製造方法
JPH1098205A (ja) 太陽電池の製造方法
JPH10233352A (ja) 半導体部材の製造方法および半導体部材
JP2001094136A (ja) 半導体素子モジュールの製造方法および太陽電池モジュールの製造方法
JPH11162859A (ja) シリコン結晶の液相成長方法及びそれを用いた太陽電池の製造方法
JPH11214720A (ja) 薄膜結晶太陽電池の製造方法
JP2003292398A (ja) 単結晶シリコンウェファの製造方法
JP2000100738A (ja) 結晶成長方法および、半導体装置とその製造方法
JP3472197B2 (ja) 半導体基材及び太陽電池の製造方法
JP3542521B2 (ja) 半導体基体及び太陽電池の製造方法と陽極化成装置
JP3927977B2 (ja) 半導体部材の製造方法
JP2001089291A (ja) 液相成長法、半導体部材の製造方法、太陽電池の製造方法
JP2003092285A (ja) 半導体基板の製造方法
JP2006310389A (ja) 太陽電池の製造方法
JP4282278B2 (ja) 基板、その基板を用いた板状体の製造方法、板状体およびその板状体から作製した太陽電池
JP2005268683A (ja) 太陽電池の製造方法および太陽電池
JP2002217433A (ja) 半導体装置
Weber et al. Silicon liquid phase epitaxy for epilift solar cells

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041125

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20060721