JP2005268683A - 太陽電池の製造方法および太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 信頼性が高くかつ効率の高いバックコンタクト型太陽電池を収率良く生産できるようにする。
【解決手段】 第1の導電型を有する第1の半導体層104上に第1の電極105aを設ける工程、第1の電極近傍の第1の半導体層中に、第1の半導体層とは不純物元素濃度の異なる第1の領域106を形成する工程、第1の電極105a表面に絶縁膜107を形成する工程、第1の半導体層上に第1の半導体層と同じ導電型、不純物濃度である第2の半導体層109を形成する工程、第2の半導体層上に第1の領域とは異なる導電型を有する第3の半導体層110を形成する工程とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、裏面に電極を集中させる構成の太陽電池の製造技術に関する。
各種機器の駆動エネルギー源や商用電力と系統連結させる電源として、太陽電池が広く研究され、また実用化されている。
太陽電池はコスト的要請から低価格基板上に素子を形成することが望まれる。太陽電池を構成する半導体として、一般にシリコンが用いられ、中でも光電変換効率の観点から単結晶シリコンが最も優れているが、大面積化およびコストの観点からは、アモルファスシリコンが有利とされている。また、近年においては、アモルファスシリコン並の低コストと単結晶並の高エネルギー変換効率とを得る目的で、多結晶シリコンや薄膜単結晶が注目されている。
単結晶や多結晶シリコンウエハにおいて、従来は塊状の結晶をスライス、研磨をして板状の基板を得る方法が提案されている。結晶シリコンとして光吸収に必要十分な膜厚は20〜50μm程度であり、スライスにより得られるシリコン基板は光量を十分に吸収するのに必要以上の厚さを有するため、材料の有効利用が不十分で、低価格化を図るためにさらなる薄型化が検討されている。最近では溶融したシリコンを鋳型に流し込むスピン法によりシリコンシートを形成する方法が提案されて、厚さ0.1mm〜0.2mm程度の薄型が得られている。
また、非特許文献1には、単結晶シリコン基板上に成長したエピタキシャル層を基板から分離(剥離)して得られるシリコン薄膜を太陽電池に用いる事で、高エネルギー変換効率と低コスト化を達成する試みが示されている。
また、特許文献1には、マスク材を介して結晶基板上に選択的エピタキシャル成長および横方向成長でシート状の結晶を形成した後、基板から分離することを特徴とする太陽電池の製造方法等により、薄型太陽電池が得られることも示されている。
さらに、特許文献2には、シリコンウエハ表面に陽極化成により多孔質層を形成した後に分離し、分離した多孔質層を金属基板上に固着させて多孔質層上にエピタキシャル層を形成し、これを用いて良好な特性を示す薄膜結晶太陽電池が作成できることが示され、特許文献3には、シリコンウエハ上に多孔質層を形成した上にシリコン薄膜層を成長させた後、成長シリコン薄膜層とウエハを多孔質層から分離して太陽電池化すると共に、シリコン薄膜層分離後のシリコンウエハは多孔質層の残渣を除去した後、再利用して低コスト化を図るとの記載がある。
これらの薄膜Siを利用した特許文献に記載の太陽電池は、通常n+/p/p+接合構造についてのみ記載されているが、さらに高効率化を可能にする手法として、光入射面とは反対側の面にn+、p+両接合を作りこむバックコンタクト構造が試みられている(非特許文献2)。
高品質薄膜へのバックコンタクト構造の適応は、材料と入射光の有効活用と高効率化に優れた手法である。バックコンタクト構造の薄膜太陽電池の製造方法としては、特許文献4、特許文献5に記載されている。
さらに、特許文献6、特許文献7等には、多孔質層を利用したシリコン薄膜のセル化の方法が記載されている。
米国特許第4816420号明細書 特開平6−45622号公報 特開平8−213645号公報 特開平9−172196号公報 特開平11214720号公報 特開平5−283722号公報 特開平8−148709号公報 Milnes,A.G and Feucht,D.L.,"Peeled Film Technology Solar Cells", IEEE Photovoltaic Specialist Conference, p.338,1975 R.ASinton et. al "LARGE−AREA 21%EFFICENT SI SOLAR CELLS"
しかしながら、特許文献4はn+層にアルミニウムをカウンタードープしてn+層を形成するため、n+層とp+層が分離できずリークの原因になりやすいという問題がある。一方、特許文献5は、この問題を解決するためカウンタードープによるn+層の形成をやめ、酸化膜でp+層とn+層を分離する技術である。この技術により、リークの問題は改善されたが、さらに高い特性を実現するためには、電極とシリコン基板が接する部分の表面の設計を工夫する余地がある。なぜなら、電極とシリコン基板が接する部分の表面の酸化を定常的かつ安定に行うことが困難だからである。例えば、膜厚が薄くなったり、ピンホールが開いてしまう場合がある。また酸化膜をはじめ絶縁膜はFrenkel−Poole Emissionという温度に依存する性質を示し、高温に曝されると電流がリークしやすくなり、この現象は絶縁層の膜厚にも相関があり、膜厚が薄いほど電流は流れやすくなる。つまり、酸化膜厚の薄い部分が存在すると、高温での使用時に電極とシリコン基板とが接する部分で電流がリークしやすくなるため、酸化膜のみでp+層とn+層を分離する方法では信頼性が低くなる場合がある。
また、特許文献6、特許文献7等に記載の多孔質層を利用したシリコン薄膜のセル化の方法においては、セル化工程中例えば表面および裏面電極の形成時の温度に耐え得る耐熱性の支持基板や接着剤を用いる必要があるため、材料選定に限定があり、また分離後のハンドリングにも問題があった。
本発明は、これらの問題を解決し、信頼性が高くかつ効率の高い太陽電池を、収率良く生産できるようにすることを目的とする。
本発明の太陽電池の製造方法は、次の工程を有することを特徴とする。
1)第1の導電型を有する第1の半導体層上に、パターニングされた第1の電極を設ける工程、
2)該第1の電極近傍の前記第1の半導体層中に、前記第1の半導体層とは不純物元素濃度の異なる第1の領域を形成する工程、
3)前記第1の電極表面に絶縁膜を形成する工程、
4)前記第1の半導体層上に第1の半導体層と同じ導電型、不純物濃度である第2の半導体層を形成する工程、
5)該第2の半導体層上に、前記第1の領域とは異なる導電型を有する第3の半導体層を形成する工程と、
6)該第3の半導体層上に第2の電極を設ける工程。
上記本発明の太陽電池の製造方法は、更なる好ましい特徴として、
「前記第1の半導体層が結晶構造シリコンからなること」、
「前記第1の半導体層を液相成長法にて形成すること」、
「前記第1の半導体層を気相成長法にて形成すること」、
「前記第1の半導体層が単結晶ウエハを陽極化成して形成した多孔質層上に形成され、最終的に該多孔質層を介して前記単結晶ウエハから分離して得られること」、
を含む。
また、本発明の太陽電池は、第1の導電型を有する第1の半導体層と、該第1の半導体層の一方の面に形成された該第1の半導体層中とは不純物元素濃度の異なる第1の領域と、前記第1の半導体層上に形成された第1の半導体層と同じ導電型、不純物濃度である第2の半導体層と、該第2の半導体層上に形成された前記第1の領域とは異なる導電型を有する第3の半導体層と、前記第1の領域と接続する第1の電極と、前記第3の半導体層と接続する第2の電極とを有する太陽電池において、前記第1の領域と前記第1の電極との界面と、前記第2の半導体層と前記第3の半導体層との界面とが同一平面上にないことを特徴とする。
上記本発明の太陽電池は、更なる好ましい特徴として、
「前記第1の半導体層が結晶構造シリコンからなること」、
「前記第1の半導体層が液相成長法にて形成されたものであること」、
「前記第1の半導体層が気相成長法にて形成されたものであること」、
「前記第1の半導体層が単結晶ウエハを陽極化成して形成した多孔質層上に形成され、最終的に該多孔質層を介して単結晶ウエハから分離して得られること」、
を含む。
本発明の製造方法によれば、薄膜半導体基板を利用して裏面集中型電極太陽電池を形成する際、第1の半導体層中に形成された第1の領域と、この第1の領域とは異なる導電型を有する第3の半導体層との短絡を防止し、信頼性が高くかつ効率の高い薄膜半導体太陽電池を提供する事が出来る。さらに、本発明の製造方法を多孔質層を利用して得られるシリコン薄膜太陽電池の形成に適応すれば、太陽電池のリーク改善、セルフアライメントによる電極の形成が可能な上、薄膜化をセル化工程のほぼ最後に行うため、支持基板や接着剤の材料選択の幅が広がり、薄膜のハンドリングが容易になり、収率、生産性の向上が期待できる。また、本発明を薄膜結晶系太陽電池へ応用することにより、キャリアの収集効率を高めることも出来る。
本発明に係る実施形態の一例として、多孔質層を利用して形成する薄膜太陽電池の製造方法について図1を参照して説明する。
先ず、結晶基板、例えばp-型単結晶シリコンウエハ101の表面に不純物を熱拡散、イオン打ち込みあるいはウエハ作成時に混入させることにより導入し、少なくともウエハ表面にp+層102が形成されるようにする(図1(a))。
次に不純物を導入した側のウエハ表面をHF溶液中で陽極化成により多孔質層103を形成し(図1(b))、その上にエピタキシャル成長法により第1の半導体層となるp-型単結晶シリコン活性層104を成長させる(図1(c))。このとき、陽極化成における多孔質化において、化成電流レベルを、例えば途中で低レベルから高レベルへ変化させる事により、あらかじめ多孔質層の構造に疎密の変化を設けておくことで、エピタキシャル成長後に多孔質層で分離されやすいように制御することができる。
次に成長させた第1の半導体層104上に、アルミニウムペースト105を部分的に形成し(図1(d))、ペーストとウエハの接する部分を合金化させて、第1の半導体層104よりも不純物濃度の濃い第1の領域(p+層)106と第1の電極105aを同時形成する。次いで酸化雰囲気中で加熱して全体を酸化させた後、選択的に第1の電極表面以外の酸化膜をエッチングで除去する(図1(e))。
より具体的には、アルミニウムペースト105を適切な間隔をもつ櫛型パターンに印刷した後に800℃に加熱し、導電ペーストとウエハの接する部分を合金化してp+層106を形成すると共に第1の電極105aを形成する際に、酸化雰囲気中で加熱して同時にウエハ全体を酸化させることにより、アルミニウムの第1の電極105a上には酸化アルミニウムからなる絶縁膜107が、シリコンウエハ上には酸化シリコン108が形成される。これを、フッ酸を含むエッチャントを用い、酸化アルミニウムと酸化シリコンとのエッチングレートの差を利用して酸化シリコンを選択的にエッチングすることにより、p+層106を絶縁層(絶縁膜107)でカバーすることができる。
続いて第1の半導体層104と同じ導電型、不純物濃度である第2の半導体層(p-型シリコン活性層)109を堆積し、第1の領域106とは異なる導電型の第3の半導体層(n+型層)110を堆積する(図1(f))。
上記の工程により絶縁膜107を利用して第1の領域(p+層)106と第3の半導体層(n+型層)110を分離することができる。このとき、第1の電極105aと第1の半導体層104の接する部分の表面において絶縁膜107が薄くなり、この部分から若干リークしてしまう可能性があるが、第3の半導体層(n+型層)110を形成する前に第2の半導体層(p-型層)109を形成することにより、第3の半導体層(n+型層)110と第1の領域(p+層)106との短絡を避けることができる。
次に、第3の半導体層n+型層110上に導電性ペーストを印刷・焼成して第2の電極111を形成し、次いで接着剤114にて支持基板112へ固着させる(図1(g))。この時、導電性接着剤を用いて第2の電極111の形成と支持基板112への固着を同時に行っても良い。
次に、固着した支持基板112とシリコンウエハ101との間に力を作用させて物理的に、または多孔質層103をエッチングすることにより化学的に、多孔質層103を介して単結晶シリコン層をシリコンウエハ101より分離して支持基板112上に転写し(図1(h))、必要に応じて表面に残る多孔質残渣を除去した後、反射防止層113を形成して太陽電池が完成する(図1(i))。
分離が終わった後のシリコンウエハ101は表面に残っている多孔質層残渣をエッチング等により除去し、再び最初の工程に供せられる(図1(j))。
尚、本実施形態においてp、nの極性は逆にして形成することもできる。
本実施形態のように、本発明の太陽電池の製造方法を多孔質層を利用して得られるシリコン薄膜太陽電池の形成に適応すれば、太陽電池の特性、信頼性が向上できると共に、セルフアライメントで電極位置を決めることが出来る上、薄膜化をセル化工程のほぼ最後に行うため、セル化する際の材料選択問題やハンドリングの問題を容易に解決することもでき、収率、生産性も高くなる。
また、本発明をいわゆる薄膜結晶系太陽電池に応用することにより、その効果を一層高めることができる。つまり、本実施形態のようにバックコンタクト構造をとることにより、まず光入射したときに陰となる電極をなくすことができ、入射光を無駄なく利用できる。さらに、素子全体の層厚が薄いので、光入射表面で生成されたキャリアも途中で消滅することなく電極に達することが出来るからである。
また、本発明によって製造される太陽電池では、第1の領域106と第1の電極105aとの界面と、第2の半導体層109と第3の半導体層110との界面とが同一平面上にないため、前述のように第1の電極105aと第1の半導体層104の接する部分の表面において絶縁膜107が薄くなったとしても、第3の半導体層110と第1の領域106との短絡を確実に防ぐことができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例は図2に示すプロセスにより、単結晶シリコン層を金属級シリコン基板に転写して太陽電池を形成した例である。
600μm厚のp-型単結晶シリコンウエハ201の表面にB+を含む拡散材を塗布、焼成した後、拡散してp+層202を形成した(図2(a))後、HF:H2O:C25OH=1:1:1溶液中で、電流密度5mA/cm2、化成時間2.5分で陽極化成を行い、ウエハ表面に多孔質シリコン層203を形成した(図2(b))。
次に、多孔質層203の上に第1の半導体層となるp-型単結晶シリコン活性層204を成長させる(図2(c))。具体的には、まずウエハ201の多孔質層203の形成された表面のみに成長するように裏面に成長防止カバー(不図示)を取り付けて基板ホルダーにセットし、水素雰囲気中1050℃にて15分アニールした後、温度を895℃まで降下させた。これと並行して石英坩堝内で900℃にて金属インジウムを溶解し、溶液を攪拌しつつ飽和状態までp-型多結晶シリコンを溶かし込んだ後、溶液の温度をシリコン基板と同じ895℃までゆっくり下げ、成長用の溶液とした。溶液とシリコン基板との温度が一致した時点で溶液の攪拌を止め、基板ホルダーごとシリコン基板を溶液に浸漬し、冷却速度−1.0℃/分で徐冷して多孔質層面にシリコン層204を50μm成長させて引き上げた。
引き上げた基板をホルダーからはずし、多孔質層上シリコン膜側の表面にアルミニウムペーストにて電極パターン205を印刷した(図2(d))。次に酸化雰囲気中750℃にてペーストを焼成するとともにアルミニウムとシリコンの接触部を合金化し、ペースト印刷パターンにp+層206の作り込みと、第1の電極205aとを形成すると同時に全体を酸化した。これにより、基板表面のシリコン上は酸化シリコン208、電極205a上は酸化アルミニウム207で覆われた(図2(e))。これを薄いフッ酸溶液に浸漬し、エッチングレートの差を利用して、選択的に酸化シリコン208をエッチングした。
次に、表1の条件で第1の電極205aを覆うようにp-層209を堆積し、引き続きn+層210をプラズマCVD法にて堆積した(図2(f))。
Figure 2005268683
その後、n+層210を形成した表面に第2の電極となる導電性接着剤211にて金属級シリコン支持基板212を接着し(図2(g))、多孔質層203に力を作用させて破壊し、薄膜単結晶層を多孔質層203を介してシリコンウエハ201より分離した(図2(h))。剥離後の薄膜単結晶表面に残る多孔質残渣をエッチングで除去した後、反射防止層213としてSiNをプラズマCVD法にて堆積して太陽電池とした(図2(i))。一方のシリコンウエハ201は多孔質残渣を除去した後、再び最初の工程へ供せられ、繰り返し使用した(図2(j))。
1枚のシリコンウエハに上記工程を繰り返し施して太陽電池を10個作製したところ、いずれもシャントはみられず、良好な特性が得られた。
(実施例2)
本実施例は図3に示すプロセスにより、単結晶シリコン層をステンレスシート基板に転写して太陽電池を形成した例である。
600μm厚のp+型単結晶シリコウエハ301をHF:H2O:C25OH=1:1:1溶液中で、5mA/cm2で10分間通電したのち25mA/cm2で1分間通電し、密な構造と疎な構造の二層の多孔質層303を得た。この2枚のウエハの多孔質層303が形成されていない表面同士を、表面を細かく荒らした石英基板を挟んで合わせて基板ホルダーにセットし、インジウム溶液にn+シリコンを溶かし込む以外は実施例1と同様にして液相成長を行った。石英基板側には膜の成長は無く、同時に2枚のウエハの多孔質層側にだけn-型半導体層304を堆積する事が出来た(図3(a))。
液相成長済み基板をホルダーからはずし、多孔質層上シリコン膜側の表面にアルミニウムペーストにて電極パターン305を印刷した(図3(b))。次に酸化雰囲気中700℃にてペーストを焼成するとともにシリコンとの接触部付近にアルミニウムを拡散させてペースト印刷パターンにp+層306の作り込みと、第1の電極305aとを形成すると同時に全体を酸化した。これにより、基板表面のシリコン上は酸化シリコン308、第1の電極305a上は酸化アルミニウム307で覆われた(図3(c))。これを薄いフッ酸溶液に浸漬し、エッチングレートの差を利用して、選択的に酸化シリコン308をエッチングした。
その後実施例1と同様に、表2に示した条件にて少なくともシリコンが剥き出しになった部分を覆うようにn-層309を堆積し(図3(d))、引き続きn+層310をプラズマCVD法にて堆積した(図3(e))。
次いで、n+層310を形成した表面に第2の電極となる導電性接着剤311にてステンレスシート支持基板312を接着し(図3(f))、多孔質層303に力を作用させて破壊し、薄膜単結晶層を多孔質層303を介してシリコンウエハ301より分離した(図3(g))。剥離後の薄膜単結晶表面に残る多孔質残渣をエッチングで除去した後、反射防止層313としてTiO2を堆積してフレキシブル太陽電池とした(図3(i))。一方のシリコンウエハ301は多孔質残渣を除去した後、再び最初の工程へ供せられ、繰り返し使用した。
上記工程を繰り返して、1枚のシリコンウエハから太陽電池を10個作製したところ、いずれもシャントはみられず、良好な特性が得られた。
Figure 2005268683
(実施例3)
本実施例は図4に示すプロセスにより、支持基板へ転写したSi薄膜結晶表面に残る多孔質層を反射防止層として利用した両面光入射型太陽電池の形態について示す。
50cm×50cm、厚さ650μmのp+型シリコン基板401の片面に、実施例2と同様にして陽極化成にて多孔質層403を形成した後、実施例1と同様にして多孔質層403上にp-型シリコン層404を液相成長にて30μm堆積した(図4(a))。
次に、p-型シリコン層表面にアルミニウムペーストにて電極パターン405を印刷し(図4(b))、780℃の酸化雰囲気中でペーストを焼成するとともにシリコンとの接触部付近にアルミニウムを拡散させてp+層306の作り込みと、第1の電極405aとを形成すると同時に全体を酸化した。これにより、基板表面のシリコン上は酸化シリコン308、第1の電極405a上は酸化アルミニウム407で覆われた(図4(c))。次に薄いフッ酸水溶液に浸漬して選択的にシリコン表面上の酸化膜408のみを除去した。
さらに実施例1と同様にして、p-層409、引き続きn+層410をプラズマCVD法にて堆積し(図4(d)〜(e))、さらにn+集電電極(第2の電極)としてAgペーストにて電極パターン411を印刷した(図4(f))。
続いて反射防止層413として塗布焼成によりTiO2膜を形成した後、支持基板として厚さ約150μmの透明なPETフィルム412をエポキシ接着剤414にてn+層表面に接着し、これを液体窒素の冷気にて冷却し、シリコン基板401とPETフィルム412の熱膨張係数の差によって多孔質層403にせん断力を作用させて多孔質403を破壊し、シリコン薄膜をシリコン基板401からフィルム412へ転写した(図4(g))。分離面に残った多孔質層残渣403aは、除去しないでそのまま反射防止層として活用し、シリコン薄膜の両面から光を有効に取り入れることが可能な太陽電池を形成する事が出来た(図4(h))。一方のシリコン基板401は多孔質残渣を除去した後、再び最初の工程へ供せられ、繰り返し使用した。
この様にして太陽電池を20個作製したところ、いずれもシャントはみられず良好な特性が得られた。
本発明の太陽電池の製造方法の一実施形態例を説明するための工程図である。 本発明の実施例1における太陽電池の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施例2における太陽電池の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施例3における太陽電池の製造方法を説明するための工程図である。
符号の説明
101、201、301、401 単結晶シリコンウエハ
102、202 p+層
103、203、303、403 多孔質層
104、204、304、404 第一の半導体層(p-またはn-活性層)
105、205、305、405 導電材料(アルミニウムペースト)
105a、205a、305a、405a 第1の電極
106、206、306、406 第1の領域(p+型半導体領域)
107、207、307、407 絶縁膜(酸化アルミニウム)
108、208、308、408 酸化シリコン
109、209、309、409 第2の半導体層(p-またはn-層)
110、210、310、410 第3の半導体層(n+層)
111、211、311、411 第2の電極
112、212、312、412 支持基板
113、213、313、413、403a 反射防止層
114、414 接着剤

Claims (10)

  1. 第1の導電型を有する第1の半導体層上に、パターニングされた第1の電極を設ける工程と、
    該第1の電極近傍の前記第1の半導体層中に、前記第1の半導体層とは不純物元素濃度の異なる第1の領域を形成する工程と、
    前記第1の電極表面に絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1の半導体層上に第1の半導体層と同じ導電型、不純物濃度である第2の半導体層を形成する工程と、
    該第2の半導体層上に、前記第1の領域とは異なる導電型を有する第3の半導体層を形成する工程と、
    該第3の半導体層上に第2の電極を設ける工程と、
    を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
  2. 前記第1の半導体層が結晶構造シリコンからなることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  3. 前記第1の半導体層を液相成長法にて形成することを特徴とする請求項1乃至2のいずれか一項に記載の太陽電池の製造方法。
  4. 前記第1の半導体層を気相成長法にて形成することを特徴とする請求項1乃至2のいずれか一項に記載の太陽電池の製造方法。
  5. 前記第1の半導体層が単結晶ウエハを陽極化成して形成した多孔質層上に形成され、最終的に該多孔質層を介して前記単結晶ウエハから分離して得られることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の太陽電池の製造方法。
  6. 第1の導電型を有する第1の半導体層と、該第1の半導体層の一方の面に形成された該第1の半導体層中とは不純物元素濃度の異なる第1の領域と、前記第1の半導体層上に形成された第1の半導体層と同じ導電型、不純物濃度である第2の半導体層と、該第2の半導体層上に形成された前記第1の領域とは異なる導電型を有する第3の半導体層と、前記第1の領域と接続する第1の電極と、前記第3の半導体層と接続する第2の電極と、を有する太陽電池において、
    前記第1の領域と前記第1の電極との界面と、前記第2の半導体層と前記第3の半導体層との界面とが同一平面上にないことを特徴とする太陽電池。
  7. 前記第1の半導体層が結晶構造シリコンからなることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池。
  8. 前記第1の半導体層が液相成長法にて形成されたものであることを特徴とする請求項6乃至7のいずれか一項に記載の太陽電池。
  9. 前記第1の半導体層が気相成長法にて形成されたものであることを特徴とする請求項6乃至7のいずれか一項に記載の太陽電池。
  10. 前記第1の半導体層が単結晶ウエハを陽極化成して形成した多孔質層上に形成され、最終的に該多孔質層を介して単結晶ウエハから分離して得られることを特徴とする、請求項6乃至9のいずれか一項に記載の太陽電池。
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