JP4161380B2 - 薄膜半導体および半導体装置の製造方法 - Google Patents

薄膜半導体および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜半導体および半導体装置の製造方法、例えば太陽電池、半導体集積回路等の各種半導体装置を得るための薄膜半導体、あるいはこれら半導体装置の製造方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】
すぐれた特性の太陽電池や、半導体集積回路を構成することのできる薄膜半導体としては結晶性にすぐれた薄膜半導体を形成することが望まれる。
【0003】
従来の太陽電池例えば薄型多結晶Si太陽電池を得る方法としては、プラズマなどを用いた金属級Siからの精製技術によりSiを高純度化し、キャスト法でインゴットを作製し、マルチワイヤー等の高速スライス技術によってウエハーすなわち薄型多結晶Siを得て、これに太陽電池を形成する方法の提案がなされている。ところが、このような金属級Siからのボロンやリンの除去処理や、キャスト法による良質な結晶のインゴットの作製とウエハーの大面積化、マルチワイヤー等の高速スライス技術は、極めて高度な技術を要することから、未だ充分に安価で良質な薄型多結晶Siを製造することができていない。また、このようにして作製する薄型多結晶Siの厚さは、約200μm程度であって薄膜構成によるものではない。
【0004】
一方、CVD(化学的気相成長)法により樹脂基体面にアモルファスSiによる薄膜半導体を成膜することの提案もなされているが、このアモルファス薄膜半導体によって太陽電池等を構成する場合、その光−電気変換効率が、多結晶Siや、単結晶Siに比し低いという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、結晶性にすぐれた薄膜半導体を量産的に、低コストをもって作製することができ、変換効率にすぐれた太陽電池、あるいは特性にすぐれた集積回路等の半導体装置を、低コストをもって製造することのできる薄膜半導体および半導体装置の製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による薄膜半導体の製造方法においては、半導体基体に、多段階の陽極化成によって、互いに多孔率が異なる2層以上の層からなり、内部もしくは上記半導体基体との界面に、他の層と比較して多孔率の高い高多孔率層を含む多孔質層を形成する工程と、その多孔質層の表面に半導体薄膜を成長させる工程とを経て後、表面に複数の吸引口が形成されて吸着面とされた真空吸着装置の該吸着面を、上記半導体基体裏面に密着させ、上記吸引口を通じて排気することにより、所定の吸着力をもって上記半導体基体の裏面を真空吸着する工程と、上記半導体薄膜及び上記真空吸着装置に外力を加えて、上記半導体薄膜を上記多孔質層の上記高多孔率層において半導体基体から分離して、目的とする薄膜半導体を得る。
【0007】
また、本発明による半導体装置の製造方法においては、半導体基体に、多段階の陽極化成によって、互いに多孔率が異なる2層以上の層からなり、内部もしくは上記半導体基体との界面に、他の層と比較して多孔率の高い高多孔率層を含む多孔質層を形成する工程と、その多孔質層の表面に半導体薄膜を成長させる工程と、この半導体薄膜に半導体素子を形成する工程とを経て後、もしくはこの半導体素子の形成前に、表面に複数の吸引口が形成されて吸着面とされた真空吸着装置の該吸着面を、上記半導体基体裏面に密着させ、上記吸引口を通じて排気することにより、所定の吸着力をもって上記半導体基体の裏面を真空吸着し、上記半導体薄膜及び上記真空吸着装置に外力を加えて、上記半導体薄膜を上記多孔質半導体層の上記高多孔率層において上記半導体基体から分離して半導体装置を製造する。
【0008】
上述したように、本発明製造方法おいては、半導体基体表面自体を陽極化成によって変化させて多孔質層を形成し、これの上に半導体薄膜を成長するものであるが、この半導体薄膜は、エピタキシャル成長によって結晶性にすぐれた半導体薄膜として、また必要充分に小なる厚さに成膜できることから、この半導体薄膜を、多孔質層において、あるいは多孔質層の界面において破断することによって半導体基体から剥離して得た目的とする薄膜半導体あるいは半導体装置は、すぐれた特性を有し、かつ任意の充分薄い厚さに形成できる。
【0009】
また、本発明方法によれば、真空吸着によって、すなわちその分離のための剥離力を、広面積に渡って、例えば全面的に保持することができるので、半導体薄膜と半導体基体との剥離(分離)において、この剥離のための外力を、広面積例えば全面的に与えることができることから、例えば機械的クランプ機構等の機械的挟持等によるクランプによって引き剥がす場合等に比し、あるいは接着剤によって他の基板に接着して引き剥がす場合に比し、破損ないしは汚損を回避できる。また、この半導体薄膜の、半導体基体からの分離強度すなわち分離に要する強度は、多孔質層の多孔率を選定することによって高い自由度をもって選定できるので、上述した真空吸着による保持によってその半導体薄膜の分離を行うに最適な分離強度に選定できるものである。したがって、この分離を良好に行うことができて、この分離に伴う破損事故を回避でき、破損に伴う歩留りの低下を回避できるものである。
【0010】
また、上述の本発明方法によれば、半導体薄膜を分離して後に残された半導体基体に対して再び多孔質層の形成、および半導体薄膜の形成を行って、繰り返し薄膜半導体もしくは半導体装置の製造を行うことができるので、廉価に目的とする薄膜半導体もしくは半導体装置の製造を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
本発明においては、半導体基体表面を陽極化成によって変化させて、互いに多孔率(ポロシティ)が異なる2層以上の層からなる多孔質層を形成する。そして、この多孔質層の表面に半導体薄膜を例えばエピタキシャル成長によって形成する。その後この半導体薄膜を多孔質層を介して、半導体基体から剥離して目的とする薄膜半導体を製造する。
【0012】
この半導体基体表面に対する陽極化成は、例えば1958年にD.R.Turnerが示した例を挙げると、弗酸水溶液中に、Siウエハーを陽極とし、その対電極としてPtを配置してそれらの電極間に電圧を印加することにより、Siウエハーの表面から多孔質化が生じることの技術を適用できるものであり、このようにして陽極化成されたSiを、多孔質(ポーラス)Siという。そして、Si以外の半導体、例えばSiGe,GaAs,GaP基板についても陽極化成によって多孔質層を形成できることが見出された。本明細書においては、これら半導体に対して陽極化成によって形成した層を多孔質半導体層という。
【0013】
本発明においては、半導体基体に、多段階の陽極化成によって内部もしくは半導体基体との界面に強度が低下された層を有する多孔質半導体層を形成し、その表面に半導体薄膜を成長させる。そして、半導体基体の裏面を第1の吸着力をもって真空吸着して半導体薄膜を上記多孔質半導体層の上記強度が低下された層において半導体基体から分離して、分離された半導体薄膜よりなる薄膜半導体を形成する。
【0014】
この場合、一般に真空吸着は、1kg/cm2 程度であることから、この半導体薄膜の多孔質層における分離強度すなわち分離に必要な強度は、1kg/cm2 以下に選定して置くことができる。
【0015】
あるいは、本発明においては、上記半導体薄膜の上記半導体基体からの分離工程において、半導体基体裏面を上述の第1の吸着力をもって真空吸着し、これとは反対側の半導体薄膜側を第2の吸着力をもって真空吸着して半導体薄膜を多孔質半導体層の上記強度が低下された層において半導体基体から分離して、分離された半導体薄膜よりなる薄膜半導体を形成する。
【0016】
このように、両側に第1および第2の真空吸着による保持を行ってその分離を行う場合、上記半導体薄膜の多孔質半導体層における分離強度は、第1および第2の吸着力の和、すなわち上述したように、一般に真空吸着は、1kg/cm2 程度であることから、その分離強度は2kg/cm2 以下に選定して置くことができる。
【0017】
しかしながら、例えば半導体装置を製造する場合において、例えば半導体薄膜に、半導体素子を形成する工程とか、各種材料の成膜を行う工程等においてその多孔質層が形成された半導体基体を真空、すなわち負圧とされた空間に配置される工程を伴うことがある。この場合、その空間は、通常、1kg/cm2 程度の負圧が与えられることによって、上述した分離強度を、1kg/cm2 以下とする場合、その製造工程中において、半導体薄膜が分離がなされてしまうおそれが生じる。そこで、本発明において、このような工程を伴う場合においては、上述の分離強度を、1kg/cm2 以上に選定し、かつ上述の第1および第2の吸着によって分離可能の2kg/cm2 以下に選定する。
【0018】
また、上述した半導体薄膜の各分離強度、すなわち多孔質層の所定部における破壊強度は、半導体薄膜の分離を行う時点での分離強度であり、多孔質層の生成後において、半導体薄膜の成膜工程、そのほかの工程での加熱過程等によって、その強度が変化する場合いおいては、予めこの変化を勘案した分離強度を多孔質層の生成条件の選定によってなされる。
【0019】
上述した半導体基体表面の多孔質化の陽極化成は、公知の方法、例えば伊藤らによる表面技術Vol.46,No.5,pp.8〜13,1995〔多孔質Siの陽極化成〕に示された方法によることができる。すなわち、例えば図1にその概略構成図を示す2重セル法で行うことができる。この方法は、第1および第2の槽1Aおよび1Bを有する2槽構造の電解溶液槽1が用いられる。そして、両槽1Aおよび1B間に多孔質層を形成すべき半導体基体11を配置し、両槽1Aおよび1B内に、直流電源2が接続された対の白金電極3Aおよび3Bの各一方が配置される。電解溶液槽1の第1および第2の槽1Aおよび1B内には、それぞれ例えばフッ化水素HFとエタノールC2 5 OHとを含有する電解溶液4、あるいはフッ化水素HFとメタノールCH3 OHとを含有する電解溶液4が収容され、第1および第2の槽1Aおよび1Bにおいて電解溶液4に半導体基体11の両面が接触するように配置され、かつ両電極3Aおよび3Bが電解溶液4に浸漬配置される。そして、半導体基体11の多孔質層を形成すべき表面側の槽1A内の電解溶液4に浸漬されている電極3A側を負極側として、直流電源2が接続されて両電極3Aおよび3B間に通電がなされる。このようにすると、半導体基体11側を陽極側、電極3Aを陰極側とする給電がなされ、これにより、半導体基体11の電極3A側に対向する表面が侵蝕されて多孔質化する。
【0020】
この2槽セル法によるときは、オーミック電極を半導体基体に被着形成することが不要となり、このオーミック電極から不純物が半導体基体に導入することが回避される。
【0021】
そして、この陽極化成における条件の選定により、形成される多孔質層の形態を変化させることができる。この多孔質層の形態の代表的な例としては、次の第1および第2の形態を挙げることができる。
すなわち、第1の形態は、多孔質層のその表面に面して多孔率が低い層を形成し、この多孔質層の半導体基体との界面側、すなわち多孔質層と半導体基体の陽極化成による多孔質化がされない部分側の界面側に多孔率が高い層が形成される形態である。
また、第2の形態は、多孔率が低い表面層と、これの下側に形成された中間多孔率層と、この中間多孔率層内もしくはこの中間多孔率層の半導体基体との界面側、すなわち多孔質層と半導体基体の陽極化成による多孔質化がされない部分側の界面側に中間多孔率層より高い多孔率を有する高多孔率層とが形成された形態である。
【0022】
これらの陽極化成は、少くとも電流密度を異にする2段階以上とする。すなわち、少くとも半導体基体表面を低電流密度で陽極化成する工程と、その後、高電流密度で陽極化成する工程とを採る。
【0023】
例えば陽極化成において、半導体基体表面を低電流密度で陽極化成する工程と、更にこの低電流密度よりも少し高い中間低電流密度で陽極化成する工程と、更にこれより高電流密度で陽極化成する工程とを採ることができる。
【0024】
また、陽極化成における高電流密度での陽極化成を、高電流密度の通電を間欠的に行うようにすることができる。
【0025】
また、多孔質層を形成する陽極化成における、中間低電流密度での陽極化成において、その電流密度を漸次大きくすることができる。
【0026】
また、陽極化成工程において、電流密度を変更するに際して、電解溶液の組成も変更することができる。
【0027】
低電流密度の第1陽極化成は、例えば0.01〜0.02Ωcmのp型シリコン単結晶基体を用い、HF(49%溶液):C2 5 OH(95%溶液)=1:1(体積比)(以下HFと、C2 5 OHの比はそれぞれ49%溶液と95%溶液における体積比を示す。)のとき、0.5〜10mA/cm2 程度の低電流密度で数分間から数十分間行う。また、高電流密度の第2陽極化成は、例えば40〜300mA/cm2 程度の電流密度で、1〜10秒間、好ましくは3秒間前後の時間で行う。
【0028】
上述した第1および第2の2段階の陽極化成では、多孔質層内部の高多孔質層で発生する歪みがかなり大きくなるため、多孔質層の表面までこの歪みの影響が及び、この場合、前述したように、亀裂の発生や、これの上に形成するエピタキシャル半導体膜に結晶欠陥を発生させるおそれが生じる。そこで、多孔質層において、低多孔率の表面層と高多孔率層との間に、これらによって発生する歪みを緩和するバッファー層として、表面層よりは多孔率が高く、かつ高多孔率層に比しては多孔率が低い中間多孔率層を形成することができる。具体的には、最初に低電流密度の第1陽極化成を行い、次いで第1陽極化成よりもやや高い電流密度の第2陽極化成を行って、その後それらよりもかなり高い電流密度で第3陽極化成を行う。第1陽極化成の条件は、特に制限されないが、例えば0.01〜0.02Ωcmのp型シリコン単結晶基体を用い、電解溶液としてHF:C2 5 OH=1:1を用いるとき、0.5〜3mA/cm2 未満程度、第2陽極化成の電流密度は例えば3〜20mA/cm2 程度、第3陽極化成の電流密度は、例えば40〜300mA/cm2 程度で行うことが好ましい。例えば1mA/cm2 の電流密度で陽極化成を行うと、多孔率は約16%程度、7mA/cm2 の電流密度で陽極化成を行うと、多孔率は約26%、200mA/cm2 の電流密度で陽極化成を行うと、多孔率は約40〜70%程度になる。このような陽極化成を行った多孔質層上にエピタキシャル成長を行うと、結晶性のよいエピタキシャル半導体膜が成膜できる。
【0029】
また、上述したように電流密度を3段階とする陽極化成を行う場合、第1陽極化成で形成される多孔率が低い表面層はそのまま低い多孔率を保ち、第2陽極化成で形成される多孔率がやや高い中間多孔率層、すなわちバッファー層は、表面層より内側、すなわち半導体基体との界面側に形成されて、多孔質層は表面層と中間多孔率層との2層構造となる。また、上述の第3陽極化成で形成される多孔率の高い高多孔率層は、原理は不明であるが、その電流密度を90mA/cm2 程度以上とすると、第2陽極化成で形成した中間多孔率層内にすなわち中間多孔質層の厚さ方向の中間部に形成される。
【0030】
また中間多孔率層の形成において、この中間多孔率層を形成する陽極酸化を多段階もしくは漸次例えば通電電流密度を変化する条件下で行うことによって、低多孔率表面層と、高多孔率層との間に階段的にもしくは傾斜的にその多孔率を、表面層から高多孔率層側に向かって高めた中間多孔率層を形成する。このようにすれば、表面層と高多孔率層との間の歪みは、より緩和(バッファ)されて、さらに確実に結晶性のよい半導体薄膜をエピタキシャル成長することができる。
【0031】
ところで、分離面は、最後に行う高多孔率層の剥離層(分離層)とその直前に行う多孔率の小さいバッファ層との界面で格子定数の違いによる歪みが大きくかかることによって形成されるが、この最後の陽極化成を行うときに工夫をすると、分離面がより分離しやすくなる。それは、最後の高電流密度の陽極化成で、例えば時間を3秒間一定に通電するのではなく、1秒間の通電の後陽極化成を停止し、所要時間経過後、例えば1分程度放置した後、同じまたは異なる高電流密度でまた1分間通電してその後陽極化成を停止し、また所要時間経過後、例えば1分程度放置した後、再度同じまたは異なる高電流密度で1秒間通電して陽極化成を停止するという間欠的に通電する方法である。この方法を使用して適当な陽極化成条件を選ぶと、多孔質層による剥離層が半導体基体との界面に、すなわち多孔質層の最下面に形成される。すなわちこの場合、分離面は上記のような中間多孔質層すなわちバッファ層の内部ではなく、多孔質層の半導体基板との界面側となる。分離後の半導体層に残された多孔質層は、例えば電解研磨によって除去される。
【0032】
このように、バッファ層、すなわち中間多孔率層が、高多孔率層の表面層側にのみ形成されるようにするときは、多孔質層における歪みが生じる高多孔質層と表面とが最大限に離間することになって中間多孔率層によるバッファ効果が最大限に発揮されることになり、良好な結晶性を有する半導体薄膜を形成することができる。また、このように中間多孔質層が表面側にのみ形成するときは、で多孔質層の全体の厚さを小さくすることができ、この多孔質層を形成するための半導体基体の消費厚さを減らすことができて、この半導体基体の繰り返し使用回数を大とすることができる。
【0033】
このように、陽極化成条件の選定により、分離面においては、歪が大きく掛かるようにし、しかもこの歪みの影響が半導体薄膜のエピタキシャル成長面に与えられないようにすることができる。
【0034】
また、多孔質層上に、結晶性良く半導体のエピタキシャル成長を行うには、多孔質層の表面層の結晶成長の種となる微細孔を小さくすることが望まれる。このように表面層の微細孔を小さくする手段の一つとしては、陽極化成にあたって電解液中のHF濃度を濃くする方法がある。すなわち、この場合、まず表面層を形成する低電流陽極化成では、HF濃度の濃い電解溶液を使用する。次にバッファ層となる中間多孔率層を形成し、その後、電解溶液のHF濃度を下げてから、最後に高電流密度の陽極化成を行う。このようにすることによって、表面層の微細孔の微細化をはかることができることによって、これの上により結晶性の良いエピタキシャル半導体薄膜を形成することができるものであり、しかも高多孔率層においては、多孔率を必要充分に高くできるので、エピタキシャル半導体膜の剥離は良好に行うことができる。
【0035】
この多孔質層の陽極化成における電解溶液の変更は、例えば表面層の形成においては、電解溶液として、例えばHF:C2 5 OH=2:1による電解溶液を使用した陽極化成を行い、バッファ層としての中間多孔率層の形成においては、やや薄いHF濃度の電解溶液、例えばHF:C2 5 OH=1:1による電解溶液を使用した陽極化成を行い、さらに高多孔率層を形成においては、電解溶液は、さらにHF濃度を薄くして、例えばHF:C2 5 OH=1:1〜1:2の電解溶液を用いた高電流密度の陽極化成を行う。
【0036】
なお、上述した多孔質層の形成において、表面層の形成から中間多孔率層の形成にかけて、電流密度を変化させるとき、一旦陽極化成を停止してから、次の陽極化成を行う通電を開始する手順によることもできるし、一旦陽極化成を停止することなくすなわち通電を停止することなく、連続して電流密度を変化させて行うこともできる。
【0037】
また、陽極化成を行う際に、光を遮断した暗所で行うことにより多孔質層の表面の凹凸を小とし、これの上にエピタキシャル成長させる半導体薄膜の結晶性を上げることができる。
【0038】
以上の工程により、表面(片面または両面)に多孔質層が形成された半導体基板を得ることができる。なお、多孔質層全体の膜厚は、特に制限されないが、1〜50μm、好適には3〜15μm、通常8μm程度の厚さとすることができる。多孔質層全体の厚さは、半導体基板をできる限り繰り返し使用できるようにするためにできるだけ薄くすることが好ましい。
【0039】
また、多孔質層上に、半導体をエピタキシャル成長するに先立って、多孔質層をのアニールを行うことが好ましい。このアニールは、水素ガス雰囲気中での熱処理、すなわち水素アニールを挙げることができる。この水素アニールを行うときは、多孔質層の表面に形成された自然酸化膜の完全な除去、および多孔質層中の酸素原子を極力除去することができ、多孔質層の表面が滑らかになり、良好な結晶性を有するエピタキシャル半導体膜を形成することができる。同時にこの前処理によって、高多孔率層と中間多孔率層との界面の強度を一層弱めることができて、エピタキシャル半導体膜の基板からの分離をより容易に行うことができる。この場合の水素アニールは、例えば950℃〜1150℃程度の温度範囲で行う。
【0040】
また、水素アニールの前に、多孔質層を低温酸化させると、多孔質層の内部は酸化されるので、水素ガス雰囲気中での熱アニールを施しても多孔質層には大きな構造変化が生じない。つまり、多孔質層の表面への剥離層からの歪みが伝わりにくくなり、良質な結晶性のエピタキシャル半導体膜を成膜することができる。この場合の低温酸化は、例えばドライ酸化雰囲気中で400℃で1時間程度で行うことができる。
【0041】
そして、上述したように多孔質層表面に半導体のエピタキシャル成長を行う。この半導体のエピタキシャル成長は、単結晶半導体基板の表面に形成された多孔質層は、多孔質ながら結晶性を保っていることから、この多孔質層上へのエピタキシャル成長は可能である。この多孔質層表面へのエピタキシャル成長は、例えばCVD法により、例えば700℃〜1100℃の温度で行うことができる。
【0042】
また、上述した水素アニール、および半導体のエピタキシャル成長のいずれにおいても、半導体基体を所定の基体温度に加熱する方法としては、いわゆるサセプタ加熱方式によることもできるし、半導体基体自体に直接電流を流して加熱する通電加熱方式等を採ることができる。
【0043】
多孔質層上にエピタキシャル成長する半導体薄膜は、単層半導体膜とすることも複数の半導体層の積層による複層半導体薄膜とすることができる。また、この半導体薄膜は半導体基体と同じ物質でもよいし、異なる物質でもよい。例えば、単結晶Si半導体基体を用い、その表面に形成した多孔質層にSi、あるいはGaAs等の化合物半導体、またはSi化合物、例えばSi1-y Gey をエピタキシャル成長するとか、これらを適宜組み合わせ積層する等、種々の半導体薄膜を成長させることができる。
【0044】
一方、化合物半導体による薄膜半導体を形成する場合においては、半導体基体として化合物半導体基体を用いることができ、この場合においてもこれに陽極化成を行えば、同様に表面に多孔質層を有する半導体基体を構成することができる。そして、その多孔質層上に化合物半導体をエピタキシャル成長させれば、例えばSi半導体基体上に化合物半導体をエピタキシャル成長させる場合よりも格子不整合を小さくすることができることから良好な結晶性をもつ化合物半導体薄膜を形成でき、結晶性にすぐれた化合物半導体による薄膜半導体を得ることができる。
【0045】
また、多孔質層に成膜する半導体薄膜には、そのエピタキシャル成長に際してn型もしくはp型の不純物を導入することができる。あるいは、エピタキシャル半導体薄膜の成膜後に、イオン注入、拡散等によって不純物の導入を全面もしくは選択的に行うこともできる。この場合、その使用目的に応じて、導電型、不純物の濃度、種類の選択がなされる。
【0046】
また、半導体薄膜の厚さも、薄膜半導体の用途に応じて適宜選択することができる。例えば、半導体集積回路を薄膜半導体に形成する場合、半導体素子の動作層は数μm程度の厚さであるので、例えば5μm程度の厚さに形成することができる。
【0047】
単結晶シリコン半導体薄膜による薄膜半導体により太陽電池を構成する場合は、半導体薄膜としては、例えば多孔質層側から順に、例えばp型の高不純物濃度のp+ 半導体層、p型の低不純物濃度のp- 半導体層、およびn型の高不純物濃度のn+ 半導体層の順にエピタキシャル成長させた複層半導体薄膜とすることができる。これらの層の不純物濃度、膜厚は特に制限されないが、例えばp+ 型半導体層は、膜厚が0〜1μmの範囲、典型的には0.5μm程度、ボロンBの濃度が1018〜1020atoms/cm3 の範囲、典型的には約1019atoms/cm3 程度、p型半導体層は、膜厚が1〜30μmの範囲、典型的には5μm程度、ボロン濃度が1014〜1017atoms/cm3 の範囲、典型的には約1016atoms/cm3 程度、n+ 型半導体層は、膜厚が0.1〜1μmの範囲、典型的には0.5μm程度、リンPまたは砒素Asの濃度が1018〜1020atoms/cm3 の範囲、典型的には約1019atoms/cm3 程度とすることが好ましい。
【0048】
また、半導体薄膜を、多孔質層側からp+ 型Si層、p型Si1-x Gex グレーディッド層、アンドープのSi1-y Gey 層、n型Si1-x Gex グレーディッド層、およびn+ 型シリコン層の順にエピタキシャル成長させた半導体膜とし、これによってダブルヘテロ構造の太陽電池を作製することができる。このダブルヘテロ構造を構成する各層の典型的な例示としては、p+ 型Si層としては、不純物濃度が1019atoms/cm3 程度、膜厚が0.5μm程度、p型Si1-x Gex グレーディッド層としては、不純物濃度が1016atoms/cm3 程度、膜厚が1μm程度、アンドープのSi1-y Gey 層としては、yが0.7、膜厚が1μm程度、n型Si1-x Gex グレーディッド層としては、不純物濃度が1016atoms/cm3 程度、膜厚が1μm程度、およびn+ 型Si層としては、不純物濃度が1010cm-3程度、膜厚が0.5μm程度とすることが好ましい。なお、p型、n型Si1-x Gex グレーディッド層中のGeの組成比xは、それぞれ両側に存する層のx=0からアンドープのSi1-y Gey のyまで、漸次増大するようにすることが好ましい。これにより、各界面において格子定数が整合することから、良好な結晶性を得ることができる。
【0049】
このようなダブルヘテロ構造の太陽電池では、その中央のアンドープのSi1-y Gey 層にキャリアおよび光を有効に閉じこめることができるため、高い変換効率を得ることができる。
【0050】
上述の半導体薄膜は、半導体基体から剥離し、そのまま薄膜半導体として使用することが可能である。
【0051】
あるいは、半導体薄膜を、多孔質層を介して半導体基体に弱く固着させた状態のまま、この半導体薄膜に、例えば太陽電池として必要な処理を行うことができる。
【0052】
半導体基体の形状は、種々の構成を採るこができる。例えばウェファ状すなわち円板状、あるいは基体表面が曲面を有する棒状体等の種々の形状をとることができる。
【0053】
半導体基体は、前述したように、シリコンSiの単結晶基体、或る場合はSi多結晶基体、あるいはSiGe,GaAs、GaP等の化合物半導体基体など種々の半導体基体によって構成することができるが、Si単結晶薄膜や、Si単結晶薄膜による太陽電池などの製造には、Si単結晶基体を用いることが好ましい。
【0054】
また、半導体基体は、n型もしくはp型の不純物がドープされた半導体基体あるいは、不純物を含まない半導体基体によって構成することができる。しかし、陽極化成を行う場合は、p型の不純物が高濃度にドープされた低比抵抗の半導体基体いわゆるp+ Si基体を用いることが望ましい。この半導体基体としてp+ 型Si基体を用いるときは、p型不純物の例えばボロンBが、約1019atoms/cm3 程度にドープされ、その抵抗が0.01〜0.02Ωcm程度のSi基板を用いることが望ましい。そして、このp+ 型Si基体を陽極化成すると、基板表面とほぼ垂直方向に細長く伸びた微細孔が形成され、結晶性を維持したまま多孔質するため、望ましい多孔質層が形成される。
【0055】
次に、本発明方法の実施例を説明する。先ず、本発明方法によって薄膜半導体を得る場合の一実施例を説明する。
〔実施例1〕
図2〜図4は、この実施例1の製造工程図を示す。
先ず、高濃度にボロンBがドープされて、比抵抗例えば0.01〜0.02Ωcmとされた単結晶Siによるウエファ状の半導体基体11を用意した(図2A1 )。
【0056】
そして、この半導体基体11の表面を、陽極化成して半導体基体11の表面に多孔質層を形成した。この実施例においては、図1で説明した2槽構造の陽極化成装置を用いて陽極化成を行った。すなわち、第1および第2の各槽1Aおよび1B間に単結晶Siによる半導体基体11を配置し、両槽1Aおよび1Bには、共にHF(49%溶液):C2 5 OH(95%溶液)=1:1による電解溶液を注入した。そして各電解溶液槽1Aおよび1Bの電解溶液中に浸漬配置したPt電極3Aおよび3B間に直流電源2によって電流を流した。
【0057】
この実施例においては、先ず、電流密度1mA/cm2 の低電流で8分間通電した。このようにすると、口径が小さい微細孔による緻密な多孔率16%、厚さ1.7μmの表面層12Sが形成される(図2B1 )。
一旦通電を止めた後、電流密度7mA/cm2 で8分間通電した。このようにすると、表面層12Sの微細孔に比し口径が大きい多孔率26%、厚さ6.3μmの中間多孔率層12Mが、表面層12Sの下層すなわち表面層12Sより内側(下層)に形成された(図2C1 )。
更に、一旦通電を止めた後、200mA/cm2 の高電流密度で3秒間通電させた。このようにすると、中間多孔率層12M内に、すなわち中間多孔率層12Mによって上下に挟み込まれた位置にこの中間多孔率層12Mに比して高い多孔率の約40〜70%程度の脆弱な高多孔率層12Hが形成された(図3D1 )。このようにして、表面層12Sと、中間多孔率層12Mと、高多孔率層12Hとによる多孔質層12が形成された。
【0058】
その後、常圧Siエピタキシャル成長装置内で、先ず、半導体基体11をH2 雰囲気中でアニールした。このアニールすなわち加熱工程は、室温から1100℃までの加熱昇温時間を約20分とし、その後この1100℃に約30分間保持して行った。このH2 アニールによって多孔質層の表面層12Sは、より滑らかになった。
【0059】
その後、このH2 中1100℃のアニール温度から、1060℃に降温して、SiH4 ガスを原料ガスとしてSiのエピタキシャル成長を17分間行った。このようにすると、多孔質層12の表面層12S上に、厚さ約5μmの単結晶Siによるエピタキシャル成長半導体薄膜13が形成される(図3E1 )。このとき、多孔質層12の高多孔率層12Hの強度が、多孔質Siの再結晶化により、より一層脆弱化された。具体的には、その分離強度は1kg/cm2 以下となった。
【0060】
したがって、この状態で、半導体薄膜13を半導体基体11から分離すなわち剥離することができる。この分離作業は、半導体薄膜13の表面に全面的に、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂フィルムよりなる例えば最終的に得る薄膜半導体の補強層となる支持基体31を接着剤によって強固に、例えば上述の分離強度より大なる接着強度をもって接着する。一方、半導体基体11の裏面を、真空吸着装置32に吸着させる。
【0061】
この真空吸着装置32は、その吸着面32sに複数の吸引口32hが開口され、これらが真空ポンプすなわち排気装置33に連結されてその吸引がなされる。この吸着面32sは、半導体基体11の裏面のほぼ全面に渡り、半導体基体11の裏面のほぼ全域に渡って、1kg/cm2 以上の力で吸着されるようにする(図3F1 )。
【0062】
このようにして、半導体薄膜13を、これに接着した支持基体31を、真空吸着装置32に保持された半導体基体11から離間させる方向に引き上げて、半導体薄膜13を半導体基体11から引き剥がす。このようにすると、脆弱化された多孔質層12の、特に高多孔質層12Hにおいて分離がなされ、半導体薄膜13が、半導体基体11より分離される(図4G1 )。
【0063】
このようにして、この例では支持基体31によって支持された半導体薄膜13による薄膜半導体23が構成される。この薄膜半導体23の半導体薄膜13上に付着された多孔質層12は、エッチング除去できる(図4H1 )。
【0064】
一方、薄膜半導体23を剥離して後の半導体基体11に関しては、真空吸着装置32の排気装置33による排気を停止することによって、その吸着力を消失させて半導体基体11を真空吸着装置32から取出し、半導体基体11に残された多孔質層をエッチング除去し、再び図2〜図4の作業を繰返すことによって、同様の薄膜半導体23を製造することができる。
【0065】
このようにして形成された薄膜半導体23は、結晶性にすぐれ、また必要充分に薄く、支持基体31がフレキシブル性を有する場合、全体がフレキシブルな薄膜半導体として構成することができる。
【0066】
なお、上述の実施例では、半導体基体11側のみを真空吸着装置32によって吸着し、半導体薄膜13に支持基体31に接着してその剥離を行った場合であるが、半導体体基体11側を第1の真空吸着装置32によって吸着し、半導体薄膜13側に関しても第2の真空吸着装置に吸着保持させるようにして半導体薄膜13の半導体基体11からの剥離を行うようにすることができる。この場合の例を実施例2に説明する。
【0067】
〔実施例2〕
この場合においても、図2A1 〜C1 および図3D1 および図3E1 で説明したと同様の方法を採って半導体基体11に、表面層12Sと、中間多孔率層12Mと、脆弱化された高多孔率層12Hとによる多孔質層12を形成し、これの上にエピタキシャル成長半導体薄膜13を形成する。
【0068】
そして、この実施例においては、図5にその概略断面図を示すように、半導体基体11の裏面と、半導体薄膜13の表面とに対し、それぞれ第1および第2の真空吸着装置321および322の各吸着面32sを吸着させる。
【0069】
この状態で、第1および第2の真空吸着装置321および322の少なくともいずれかの吸着装置を移動させることによって、半導体基体11と半導体薄膜13を互いに引き離す。このようにすると、脆弱化されている多孔質層12、この例では高多孔率層12Hにおいて破断が生じ、半導体基体11から半導体薄膜13が分離される(図6A)。
【0070】
その後、両真空吸着装置321および322の排気を停止することによって、吸着力を消失させて、各吸着装置321および322から半導体基体11および半導体薄膜13を取り出す。そして、この半導体薄膜13によって薄膜半導体31を得る(図6B)。この場合においても、薄膜半導体31に残された多孔質層をエッチング除去することができる。
【0071】
そして、半導体基体11についても、これに残された多孔質層をエッチング除去し、上述したと同様の作業を繰返すことによって、同様の薄膜半導体23を製造することができる。
【0072】
図5および図6Aにおいて、第1および第2の真空吸着装置321および322の、図3F1 および図4G1 の真空吸着装置32の各部と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0073】
第1および第2の真空吸着装置321および322の吸着力は、同等の例えばそれぞれ1kg/cm2 とすることができ、この場合は、多孔質層12における分離に要する強度すなわち分離強度は2kg/cm2 以下とする。
【0074】
次に、本発明を半導体装置、例えば太陽電池を製造する場合の一実施例について説明する。
〔実施例3〕
この実施例においても、実施例1におけると同様に半導体基体11に多孔質層12を形成する。すなわち、高濃度にボロンBがドープされて、比抵抗例えば0.01〜0.02Ωcmとされた単結晶Siによるウエファ状の半導体基体11を用意した。
【0075】
そして、この半導体基体11の表面を、陽極化成して半導体基体11の表面に多孔質層を形成した。この実施例においては、図1で説明した2槽構造の陽極化成装置を用いて陽極化成を行った。すなわち、第1および第2の各槽1Aおよび1B間に単結晶Siによる半導体基体11を配置し、両槽1Aおよび1Bには、共にHF(49%溶液):C2 5 OH(95%溶液)=1:1による電解溶液を注入した。そして各電解溶液槽1Aおよび1Bの電解溶液中に浸漬配置したPt電極3Aおよび3B間に直流電源2によって電流を流した。
【0076】
この実施例においては、先ず、電流密度1mA/cm2 の低電流で8分間通電した。このようにすると、実施例1における表面層12Sに比し、その微細孔の口径が小さい緻密な多孔率16%、厚さ1.7μmの表面層12Sが形成される(図7A3 )。
一旦通電を止めた後、電流密度7mA/cm2 で8分間通電した。このようにすると、表面層12Sの微細孔に比し口径が大きい多孔率26%、厚さ6.3μmの中間多孔率層12Mが、表面層12Sの下層すなわち表面層12Sより内側に形成された(図7B3 )。
更に、一旦通電を止めた後、200mA/cm2 の高電流密度で3秒間通電させた。このようにすると、中間多孔率層12M内に、すなわち中間多孔率層12Mによって上下に挟み込まれた位置にこの中間多孔率層12Mに比して高い多孔率の約40〜70%程度の脆弱な高多孔率層12Hが形成された(図7C3 )。このようにして、表面層12Sと、中間多孔率層12Mと、高多孔率層12Hとによる多孔質層12が形成された。
【0077】
その後、常圧Siエピタキシャル成長装置内で先ず、半導体基体11をH2 雰囲気中でアニールした。このアニールすなわち加熱工程は、室温から1100℃までの加熱昇温時間を約20分とし、その後この1100℃に約30分間保持して行った。このH2 アニールによって多孔質層の表面層12Sは、より滑らかになった。
【0078】
その後、H2 中1100℃のアニール温度から、1060℃に降温して、SiH4 ガスとB26 ガスを用いた高濃度ボロンドープのSiエピタキシャル成長を3分間行ってp型の高不純物濃度のSiエピタキシャル成長層からなる第1の半導体層131を形成し、次に、SiH4 ガスと低濃度B26 ガスを用いて低濃度ボロンドープのSiエピタキシャル成長を10分間行ってp型の低不純物濃度のSiエピタキシャル成長層からなる第2の半導体層132を形成し、更に、その後、SiH4 ガスとPH3 ガスを用いて4分間のSiエピタキシャル成長を行ってn型のSiエピタキシャル成長層からなる第3の半導体層133を形成し、これら第1〜第3の半導体層の積層による半導体薄膜13を形成した。
【0079】
このような半導体薄膜13のエピタキシャル成長工程によって、多孔質層12の高多孔率層12Hの多孔率は増加し、その分離強度は低下して、1kg/cm2 程度以下もしくは若干これより大きい程度となった。
【0080】
次に、この実施例においては、エピタキシャル半導体薄膜13上に表面熱酸化によってSiO2 膜すなわち透明の絶縁膜16を形成し、フォトリソグラフィによるパターンエッチングを行って電極ないしは配線とのコンタクトを行う開口16Wを形成する(図8E3 )。この開口16Wは、所要の間隔を保持して図においては紙面と直交する方向に延長するストライプ状に平行配列して形成することができる。このように形成したSiO2 膜により、界面でのキャリア発生や再結合を極力少なくすることが可能である。
【0081】
そして、全面的に金属膜の蒸着を行い、フォトリソグラフィによるパターンエッチングを行って受光面側の電極ないしは配線17を、ストライプ状開口16Wに沿って形成する(図9F3 )。この電極ないしは配線17を形成する金属膜は、例えば厚さ30nmのTi膜、厚さ50nmのPd、厚さ100nmのAgを順次蒸着し、さらにこれの上に厚さ8μmのAgメッキを行うことによって形成した多層構造膜によって構成し得る。その後400℃で20〜30分間のアニールを行った。
【0082】
次に、ストライプ状の電極ないしは配線17上に、それぞれこれらに沿って導電線41、この実施例では金属ワイヤを接合し、これの上に透明の接着剤21によって、透明樹脂基板、ガラス基板等の透明基板42を接合する(図9G3 )。電極ないしは配線17への導電性41の接合は、半田付けによることができる。そして、これら導電線41は、その一端を、電極ないしは配線17よりそれぞれ長くして外方に導出する。
【0083】
その後、半導体基体11と透明基板42とに、図5等において説明したと同様の第1および第2の真空吸着装置321および322を、各吸着面32sにおいて、排気装置33による吸引口32hからの真空吸引によって吸着させる。
【0084】
そして、第1および第2の真空吸着装置321および322の少なくともいずれかを移動して、相互に引き離す。このようにして、多孔質層12の脆弱な高多孔率層12Hで破断を生じさせて半導体基体11と、半導体薄膜13とを分離する(図10)。
このようにすると、図11に示すように、透明基板42上に、エピタキシャル半導体薄膜13が接合された薄膜半導体23が構成される。この場合、薄膜半導体23の裏面には、多孔質層12が残存するが、これの上に銀ペーストを塗布し、更に金属板を接合して他方の裏面電極24を構成する。このようにして、プリント基板20にp+ −p- −n+ 構造の薄膜半導体23が形成された太陽電池が構成される。この金属電極24は、太陽電池裏面の素子層保護膜としても機能する。
【0085】
このようにして形成した太陽電池は、受光側電極ないしは配線17が、透明基板42によって覆われているにもかかわらず、これからの電気的外部導出が導電線41によってなされ、かつ外部に導出されていることから、外部との電気的接続が容易になされる。また、例えば上述の実施例におけるように、エピタキシャル半導体薄膜13に対し、すなわち太陽電池の活性部に対しそれぞれコンタクトされた複数の各電極ないしは配線17からそれぞれ導電線41の導出を行うようにしたことから、太陽電池の直列抵抗を充分小とすることができる。
【0086】
尚、上述の導電線41は、金属ワイヤに限られるものではなく、例えば帯状金属線等によって構成することもできる。
【0087】
また、透明基板42は、ガラス基板等の剛性を有する基板によって構成することもできるし、樹脂シートによるフレキシブル基板によって構成することもできる。このようにフレキシブル基板によって構成する場合は、太陽電池全体をフレキシブルに構成することができる。
【0088】
このようにして、太陽電池の製造を行う場合、その受光面に透明基板が配置されているにもかかわわらず、導電線の導出を、各電極17からそれぞれ導出することができるので、直列抵抗の低減化をはかることができるものであり、またその導電線の接続は、薄膜太陽電池として分離される前の、半導体基板11上に形成された状態の機械的に強固で、かつ安定した状態でなされるので、確実、容易に量産的に行うことができ、またこのように、導電線の導出により、複数の太陽電池を相互に容易に接続することができる。
【0089】
また、太陽電池においてその薄膜半導体の裏面に多孔質層12が残っている場合、この多孔質層12は、半導体基体11が高不純物濃度である場合、これも高不純物濃度であることから光起電力を吸収する不都合がある場合は、これを例えばエッチングによって除去することができる。
【0090】
尚、上述した各例においては、多孔質層12内における高多孔率層12Hを、中間多孔率層12M内に形成するようにした場合であるが、陽極化成の条件を変更することによってこの高多孔率層12Hを、表面層12Sとは反対側の最下層に、すなわち多孔質層12の、この多孔質層12が形成されない半導体基体11のとの界面に形成することができる。すなわち、この場合、高多孔率層12Hの形成における例えば200mAの高電流通電を、断続的に数回繰り返し行うことによって、中間多孔率層の界面と基体領域との界面に形成することができる。この場合には、半導体薄膜13と半導体基体11との分離は、多孔質層12とこの多孔質層12が形成されていない半導体基体11との界面でなされる。
【0091】
また、上述した例では、本発明を薄膜半導体装置の製造に適用する例として太陽電池を得る場合について説明したが、他の各種半導体集積回路等の薄膜半導体装置を得る場合に適用することができることはいうまでもない。
【0092】
上述したように、本発明製造方法によれば、半導体基体の表面に多孔質層を形成し、これの上に半導体のエピタキシャル成長を行って、これを剥離するので半導体基体は多孔質化された厚さだけが消耗されるものであるが、上述したエピタキシャル半導体薄膜13の形成およびその分離後は、半導体基体表面を研磨することによって、再び多孔質層の形成、エピタキシャル半導体薄膜の形成、分離を繰り返すことができ、その繰り返し使用が可能であることから、安価に製造できる。また、半導体基体の繰り返し使用によって、これが薄くなった場合には、この半導体基体自体によって薄膜半導体として用いることができ、例えば太陽電池の製造もできるものである。したがって、半導体基体は、最終的に無効となることなく、殆ど無駄なく使用ができることから、これによってもコストの低減化をはかることができる。
【0093】
また、薄膜半導体、太陽電池を製造することによって厚さが減少した半導体基体に対し、この減少した厚さに見合った厚さの半導体のエピタキシャル成長を行って、上述した薄膜太陽電池の製造を繰返し行うようにすることによって、永久的に同一の半導体基体の使用が可能となるので、更に低コスト、低エネルギーで薄膜半導体、太陽電池等の半導体装置を製造することができる。
【0094】
また、単に単一多孔率を有する多孔質層上に半導体薄膜をエピタキシャル成長させる方法とする場合は、その半導体薄膜の結晶性を良好にするには、結晶成長の核となる多孔質層の多孔率を小さくする必要があることから、陽極化成に当たって、電流密度を低くして、電解溶液のHF混合比を多くする必要がある。ところが、このように、多孔率を低くすると、多孔質層が硬くなり、エピタキシャル半導体薄膜の分離が難しくなる。そこで、分離強度を弱くするために多孔率を上げようと、例えば陽極化成の条件のうち、電流密度を高くして、電解溶液のHF混合比を少なくすると、この場合は分離は容易になるが、エピタキシャル半導体薄膜の結晶性が極端に悪くなる。ところが前述した実施例におけるように、多孔質層の表面部分の多孔率を小さくして、多孔質層内部の多孔率が大きいという2面性の性質をもつ多孔質層を形成することにより、多孔質層上にエピタキシャル半導体膜を良好に形成でき、しかも、エピタキシャル半導体膜を容易に分離できる。
【0095】
また、多孔質層に形成する高多孔率層は、多孔率が大きいほど剥離が容易になるが、歪みが大きく、その影響が多孔質層の表面層にまで及ぼしてしまう。このため、表面層に亀裂が生じることもある。また、エピタキシャル成長を行う際、エピタキシャル半導体膜に欠陥を生じさせる原因となる。これに対し、前述したように、多孔率の非常に高い層と多孔率の低い表面層との間に、これらの層から発生する歪みを緩和するバッファー層として、表面層よりやや多孔率の高い中間多孔率層を形成することにより、剥離が容易で良質のエピタキシャル半導体膜を形成できる。
【0096】
そして、また、特に本発明方法においては、半導体基体11と半導体薄膜13の分離(剥離)を、少なくともその一方に真空吸着装置を配置して、全面的にほぼ一様な吸着力をもって保持することができることから、半導体基板11や半導体薄膜13を破損することなく容易、確実にその分離を行うことができる。そして、最終的に得る薄膜半導体23において、支持基板による補強を必要としない場合等においては、半導体基体11および半導体薄膜13の双方に対し、それぞれ真空吸着装置による保持を行うようにすることによって、支持基板や保持基板の接着、その除去の作業を回避することができることから、煩雑の作業、さらにこの作業に伴う半導体薄膜13もしくは薄膜半導体23の破損、および汚損を回避できる。
【0097】
【発明の効果】
上述の本発明製造方法よれば、半導体基体11の表面自体を陽極化成によって変化させて多孔質層12を形成し、これの上に半導体薄膜13を成長するものであり、この半導体薄膜13は、エピタキシャル成長によって結晶性にすぐれた半導体薄膜として、また必要充分に小なる厚さに成膜できることから、この半導体薄膜13を、多孔質層12の中間層あるいは多孔質層の界面において破断することによって半導体基体から剥離して得た目的とする薄膜半導体あるいは半導体装置は、結晶性にすぐれたしたがって、光電気変換効率の高い太陽電池、あるいは特性にすぐれた集積回路装置等の各種薄膜半導体装置を製造形成できる。
【0098】
また、本発明方法によれば、真空吸着によって、すなわちその分離のための剥離力を、広面積に渡って、例えば全面的に保持することができるので、半導体薄膜と半導体基体との剥離(分離)において、この剥離のための外力を、広面積例えば全面的に与えることができることから、例えば機械的クランプ機構等の機械的挟持等によるクランプによって引き剥がす場合等に比し、あるいは接着剤によって他の基板に接着して引き剥がす場合に比し、破損ないしは汚損を回避できる。また、この半導体薄膜の、半導体基体からの分離強度すなわち分離に要する強度は、多孔質層の多孔率を選定することによって高い自由度をもって選定できるので、上述した真空吸着による保持によってその半導体薄膜の分離を行うに最適な分離強度に選定できるものである。したがって、この分離を良好に行うことができて、この分離に伴う破損事故を回避でき、破損に伴う歩留りの低下を回避できるものである。
【0099】
また、上述の本発明方法によれば、半導体薄膜を分離して後に残された半導体基体に対して再び多孔質層の形成半導体薄膜の形成を行って、繰り返し薄膜半導体もしくは半導体装置の製造を行うことができるので、廉価に目的とする薄膜半導体もしくは薄膜半導体装置の製造を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する陽極化成装置の一例の構成図である。
【図2】本発明方法の一実施例の工程図(その1)である。A1 〜C1 は、その各工程の断面図である。
【図3】本発明方法の一実施例の工程図(その2)である。D1 〜F1 は、その各工程の断面図である。
【図4】本発明方法の一実施例の工程図(その3)である。G1 およびH1 は、その各工程の断面図である。
【図5】本発明方法の他の実施例の一工程図(その1)である。
【図6】本発明方法の他の実施例の工程図(その2)である。AおよびBは、その各工程の断面図である。
【図7】本発明方法の実施例の工程図(その1)である。A3 〜C3 は、その各工程の断面図である。
【図8】本発明方法の実施例の工程図(その2)である。D3 およびE3 は、その各工程の断面図である。
【図9】本発明方法の他の実施例の工程図(その3)である。F3 およびG3 は、その各工程の断面図である。
【図10】本発明方法の他の実施例の一工程の断面図(その4)である。
【図11】本発明方法の他の実施例の一工程の断面図(その5)である。

Claims (17)

  1. 半導体基体に、多段階の陽極化成によって、互いに多孔率が異なる2層以上の層からなり、内部もしくは上記半導体基体との界面に、他の層と比較して多孔率の高い高多孔率層を含む多孔質層を形成する工程と、
    上記多孔質層の表面に半導体薄膜を成長させる工程と、
    表面に複数の吸引口が形成されて吸着面とされた真空吸着装置の該吸着面を、上記半導体基体の裏面に密着させ、上記吸引口を通じて排気することにより、所定の吸着力をもって上記半導体基体の裏面を真空吸着する工程と、
    上記半導体薄膜及び上記真空吸着装置に外力を加えて、上記半導体薄膜を上記多孔質半導体層の上記高多孔率層において上記半導体基体から分離する分離工程とを有する
    薄膜半導体の製造方法。
  2. 上記多段階の陽極化成のうち最後の陽極化成において、電流密度を90mA/cm以上とすることによって、その前の陽極酸化により形成された比較的多孔率の低い多孔率層の内部に、上記高多孔率層を形成する請求項1に記載の薄膜半導体の製造方法。
  3. 上記多段階の陽極化成のうち最後の陽極化成において、間欠通電を行うことによって、その前の陽極酸化により形成された比較的多孔率の低い多孔率層と、上記半導体基体との界面に、上記高多孔率層を形成する請求項1に記載の薄膜半導体の製造方法。
  4. 上記半導体薄膜の分離強度が、上記吸着力に比し小に選定された請求項1に記載の薄膜半導体の製造方法。
  5. 上記半導体薄膜の分離強度を、1kg/cm以下に選定した請求項1に記載の薄膜半導体の製造方法。
  6. 上記半導体薄膜の上記半導体基体からの分離工程において、
    上記半導体基体裏面に第1の真空吸着装置の吸着面を密着させて第1の吸着力をもって真空吸着し、上記半導体薄膜側に第2の真空吸着装置の吸着面を密着させて第2の吸着力をもって真空吸着し、上記半導体薄膜を上記多孔質半導体層の上記高多孔率層において上記半導体基体から分離する分離工程とを有する請求項1に記載の薄膜半導体の製造方法。
  7. 上記半導体薄膜の分離強度が、上記第1の吸着力と、上記第2の吸着力の和に比し小に選定された請求項6に記載の薄膜半導体の製造方法。
  8. 上記半導体薄膜の分離強度を、2kg/cm以下に選定した請求項6に記載の薄膜半導体の製造方法。
  9. 半導体基体に、多段階の陽極化成によって、互いに多孔率が異なる2層以上の層からなり、内部もしくは上記半導体基体との界面に、他の層と比較して多孔率の高い高多孔率層を含む多孔質層を形成する工程と、
    上記多孔質層の表面に半導体薄膜を成長させる工程と、
    上記半導体薄膜に半導体素子を形成する工程と、
    表面に複数の吸引口が形成されて吸着面とされた真空吸着装置の該吸着面を、上記半導体基体の裏面に密着させ、上記吸引口を通じて排気することにより、所定の吸着力をもって上記半導体基体の裏面を真空吸着する工程と、
    上記半導体薄膜及び上記真空吸着装置に外力を加えて、上記半導体薄膜を上記多孔質半導体層の上記高多孔率層において上記半導体基体から分離して半導体装置を得る分離工程とを有する
    半導体装置の製造方法。
  10. 上記多段階の陽極化成のうち最後の陽極化成において、電流密度を90mA/cm以上とすることによって、その前の陽極酸化により形成された比較的多孔率の低い多孔率層の内部に上記高多孔率層を形成する請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 上記多段階の陽極化成のうち最後の陽極化成において、間欠通電を行うことによって、その前の陽極酸化により形成された比較的多孔率の低い多孔率層と、上記半導体基体との界面に上記高多孔率層を形成する請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 上記半導体薄膜の分離強度が、上記吸着力に比し小に選定された請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 上記半導体薄膜の分離強度を、1kg/cm以下に選定した請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 上記半導体薄膜の上記半導体基体からの分離工程において、
    上記半導体基体裏面に第1の真空吸着装置の吸着面を密着させて第1の吸着力をもって真空吸着し、上記半導体薄膜側に第2の真空吸着装置の吸着面を密着させて第2の吸着力をもって真空吸着し、上記半導体薄膜を上記多孔質半導体層の上記高多孔率層において上記半導体基体から分離する分離工程とを有する請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 上記半導体薄膜の分離強度が、上記第1の吸着力と、上記第2の吸着力の和に比し小に選定された請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
  16. 上記半導体薄膜の分離強度が、2kg/cm以下に選定された請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
  17. 上記半導体薄膜の分離前に、真空中処理を含む工程を有し、上記半導体薄膜の分離強度を1kg/cm〜2kg/cmとした請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
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