JP3814886B2 - インゴットの外周表面の陽極化成方法と、これを用いた薄膜半導体および薄膜太陽電池の製造方法と、陽極化成装置 - Google Patents

インゴットの外周表面の陽極化成方法と、これを用いた薄膜半導体および薄膜太陽電池の製造方法と、陽極化成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インゴットの外周表面の陽極化成方法と、これを用いた薄膜半導体および薄膜態様電池の製造方法と、陽極化成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池の構成材料としては種々の材料が検討されているが、資源量が豊富で公害の心配がないシリコンSiが中心であり、世界の太陽電池の生産量も90%以上がSi太陽電池である。ところで、太陽電池の課題は、低コスト、高い光−電気変換効率、高信頼性、短エネルギー回収年数である。高変換効率、高信頼性の要求に対しては、単結晶Siが最も適しているが、この単結晶Siは低コスト化に問題がある。そこで、現在太陽電池、特に高面積の太陽電池においては、薄型多結晶Siによる太陽電池や、薄膜アモルファスSiによる太陽電池の研究、開発が活発に行われている。
【0003】
薄型多結晶Si太陽電池は、プラズマなどを用いた金属級Siからの精製技術によりSiを高純度化し、キャスト法でインゴットを作製し、マルチワイヤー等の高速スライス技術によってウエハーすなわち薄型多結晶Siが作製される。ところが、このような金属級Siからのボロンやリンの除去処理や、キャスト法による良質な結晶のインゴットの作製とウエハーの大面積化、マルチワイヤー等の高速スライス技術は、極めて高度な技術を要することから、未だ充分安価で良質な薄型多結晶Siを製造することができていない。また、このようにして作製する薄型多結晶Siの厚さは、約200μm程度であってフレキシブル性を有するものではない。
【0004】
一方、アモルファスSiは、CVD(化学的気相成長)法により樹脂基体面に成膜することができるので、充分薄く構成することが可能で、これによりフレキシブルな薄膜アモルファスSiとして形成することができるが、このアモルファスSiは、その光−電気変換効率が多結晶Siや、単結晶Siに比し低いという問題がある。
【0005】
単結晶Siは、高変換効率、高信頼性が期待できる。薄膜単結晶Siは、集積回路等の製造技術であるSOI(Silicon On Insulator)技術により製作が可能であるが、生産性が低く、製造コストがかなり高くなり、太陽電池への適用に問題がある。また、単結晶Siの作製においては、そのプロセス温度が比較的高いことから、耐熱性の低いプラスチック基体やガラス基体上に形成することが困難である。このようにプラスチック基体への単結晶Siの形成が困難であり、薄膜単結晶Siの製造は難しい状況にある。
【0006】
また、一般に太陽電池は、平板な半導体基板によって構成され、またこの太陽電池は、固定された状態で用いられることから、太陽電池に対する太陽の移動によって入射角が変化し光の入射光量が変動するという不都合がある。そこで、太陽光の入射光とする太陽電池においては、太陽の移動方向に関して彎曲した円筒面に形成されることが起電力の変動を抑制する上で望ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、結晶性にすぐれた薄膜半導体を、容易、確実、低コストをもって製造することができ、また、これにより高効率の薄膜太陽電池を製造できるようにしたインゴットの外周表面の陽極化成方法と、これを用いた薄膜半導体および太陽電池製造方法と陽極化成装置を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によるインゴットの外周表面の陽極化成方法は、半導体結晶インゴットを電解溶液中に浸漬し、この半導体結晶インゴットと、電解溶液中に配置した電極との間に通電を行って半導体インゴット表面を陽極化成して上記インゴット表面に多孔質層を形成するものである。
【0009】
また、本発明による薄膜半導体の製造方法は、半導体結晶インゴットを電解溶液中に浸漬し、この半導体結晶インゴットと、電解溶液中に配置した電極との間に通電を行って半導体インゴット表面を陽極化成して上記インゴット表面に多孔質層を形成する多孔質層の形成工程と、多孔質層の表面に半導体膜を成長させる工程と上記多孔質層を介して、すなわち上記多孔質層における機械的強度の低下ないしは歪みによる脆弱化を用いて上記多孔質層によって上記半導体膜を上記半導体結晶インゴットから剥離する工程とを採って目的とする薄膜太陽電池を構成する。
【0010】
更に、本発明による陽極化成装置は、上述した陽極化成を行うものであって、電解溶液を収容する陽極化成処理槽と、電解溶液中に浸漬される第1の電極と、陽極化成がなされる半導体結晶インゴットの少なくとも一端に装着される第2の電極とを具備する構成を有する。
【0011】
本発明によれば、半導体インゴット表面を陽極化成して、多孔質層を形成するものであり、薄膜半導体、またこの薄膜半導体によって太陽電池を構成する場合において、この多孔質層上に半導体膜を成長させ、この半導体膜を多孔質層における破断によってインゴットから剥離するものであるので、薄膜半導体、薄膜太陽電池は充分薄く形成することができる。また、この陽極化成によって形成される多孔質層は、その微細孔の形成部以外は、半導体結晶インゴットの結晶性を保持していることから、これの上に成長させる半導体膜は結晶性に優れた半導体膜として形成できる。したがって、このようにして半導体膜を剥離して得た薄膜半導体やこれによる薄膜太陽電池は、結晶性にすぐれたものとして形成され、薄膜太陽電池においては、薄膜に形成されたことと相俟って高い変換効率を有する太陽電池として構成することができる。
【0012】
また、本発明によれば、インゴット表面に形成した半導体膜によって薄膜半導体あるいは薄膜太陽電池を構成するので、円筒面状の薄膜半導体あるいは薄膜太陽電池を構成することができることから、例えば太陽電池においては、太陽電池に対する太陽の移動方向に円周方向を沿わせることによって効率良い受光が可能となるものである。
【0013】
また、本発明方法によれば、薄膜半導体あるいは薄膜太陽電池を充分薄く構成できることから、フレキシブルな薄膜半導体あるいは薄膜太陽電池を得ることもできる。
【0014】
また、本発明によれば、大きなエネルギーを必要とし、高価な半導体インゴットは、陽極化成されて多孔質層を形成する厚さだけ減少するものであり、薄膜半導体や薄膜太陽電池は、これの上に形成された半導体膜によって構成するものであるので、廉価に構成することができる。
【0015】
また、本発明においては、半導体インゴットの状態で用いることから、これを例えばスライスしてウエファ状とした基板を構成する必要がないことから、その製造が簡単となり、またコストの低廉化をはかることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
本発明においては、半導体結晶インゴット、例えばSiインゴットを電解溶液中に浸漬し、この半導体結晶インゴットと、電解溶液中に配置した電極との間に通電を行って半導体インゴット周面を陽極化成してインゴット表面に互いに多孔率(ポロシティ)が異なる2層以上の層からなる多孔質層を形成する。
【0017】
また、本発明においては、上述したようにして半導体結晶インゴット表面に形成した多孔質層表面に半導体膜を成長させ、この半導体膜を多孔質層を介して、すなわち多孔層における機械的強度の低下ないしは歪みによる脆弱化を用いて上記多孔質層によって上記半導体膜を半導体結晶インゴットから剥離することによって薄膜半導体を得る。
【0018】
また、本発明においては、上述したようにして半導体結晶インゴット表面に形成した多孔質層表面に少なくとも太陽電池の活性層を構成する半導体膜を成長させ、この半導体膜を多孔質層を介して半導体結晶インゴットから剥離することによって薄膜太陽電池を得る。
【0019】
一方、残された半導体結晶インゴットは、再び上述した薄膜半導体や太陽電池の製造に繰り返して使用される。このインゴットは、その表面を陽極化成することによって多孔質層を形成して薄膜半導体や太陽電池の製造に繰り返することから、その直径が減少していくが、最終的にその直径が細ったインゴットは、これを軸方向に沿ってもしくは軸方向を横切る方向、あるいは両方向にスライスして薄膜半導体や太陽電池の半導体基板として用いることができる。
【0020】
半導体結晶インゴット表面の多孔質化の陽極化成は、図1にその一例の斜視図を示し、図2にその横断面図を示すように、本発明による陽極化成装置によって行うことができる。この陽極化成装置は、鎖線で示した電解溶液1を収容する陽極化成処理槽2と、電解溶液1中に浸漬される第1の電極3と、陽極化成がなされる半導体結晶インゴット11の少なくとも一端に装着される第2の電極4とを具備する構成を有する。図1は、その陽極化成処理槽2の一部を切り欠いた斜視図を示す。
【0021】
電解溶液1は、例えばフッ化水素HFとエタノールC2 5 OHとを含有する電解溶液、あるいはフッ化水素HFとメタノールCH3 OHとを含有する電解溶液が用いられる。
【0022】
インゴット11は、通常中央部が大径に形成され、その両端例えば結晶引き上げの上端と終端が小径部として形成される。また、このように両端に小径部が存在しない場合は、研削等によって容易に小径部とすることができる。
【0023】
第1の電極3は、電解溶液1に対して耐蝕性を有する例えばPtからなり、インゴット11の大径部の周囲に配置され、絶縁性を有し電解溶液に対し耐蝕性を有する支持台5上に配置されて所定の位置に支持される。支持台5は、インゴット11の周囲に配置された第1の電極3の両端において下方から受けるようにするとか、ほぼ全長に渡って下方から受けて支持する例えば半円筒状とされる。
【0024】
第1の電極3は、例えばそれぞれ半円筒状をなす上下一対の電極半体3Aおよび3Bによって構成し、これら電極半体3Aおよび3Bによって取り囲まれるようにインゴット11が配置される。
【0025】
第1の電極3は、例えばメッシュ状に構成される。この電極3は、例えば図3A1 にその斜視図を示し、図3B1 にその側面図を示すように、数十本の半円弧状の例えばPtによる金属すなわち導電性のワイヤ3wを所要の間隔を保持して平行に配列し、図3A2 にその斜視図を示し、図3B2 にその側面図を示すように、各半円弧状のワイヤ3wに差し渡って、各ワイヤ3wの各両端と、これら間に等間隔を保持して例えば全体で5本の連結ワイヤ3cをPt接合材料で接合して、ワイヤ3wを相互に電気的および機械的に連結して半円筒状の、上下の電極半体3Aおよび3Bを構成する。
【0026】
これら、電極半体3Aおよび3Bに、図3A3 ,B3 およびA4 ,B4 に示すように、それぞれその両端に給電用の同様に電解溶液に対し耐蝕性を有するPtよりなる端子ワイヤ3tA および3tB を電気的および機械的にPt接合材料で接合する。電極半体3Aの両端の端子ワイヤ3tA は、例えば直線的ワイヤによって構成することができ、電極半体3Bの端子ワイヤ3tB は、例えば鉤状先端を有するL字状に屈曲させたワイヤによって構成し、その鉤状先端において電極半体3Bの両端の背部にPt接合材料で接合する。
【0027】
尚、上述した例では半円弧状のワイヤ3wを配列した場合であるが、コイル状ワイヤを用意し、これに連結ワイヤ3cを接合して後、軸方向に2分割して電極半体3Aおよび3Bを構成することもできる。
【0028】
第2の電極4は、インゴット11の両端に設けることが好ましい。これら電極4は、電解溶液1と遮断して配置される。このため、例えば図4にその組み立て過程の斜視図を示すように、一対の筒状の液密容器6を用意する。これら液密容器6にはその互いに対向する側に中心孔6hを有する端面板6sを有してなる。
【0029】
また、両液密容器6には、それぞれこれらと連通する端子導出管7が一体にもしくは取り付けられて構成される。また、両液密容器6の下部には、陽極化成処理槽2の底部に設定される脚部9が一体もしくは取り付けられて設けられる。
【0030】
両液密容器6の各中心孔6hには、それぞれ液密封止を行うOリング7が配置される。このOリング7は、柔軟性、弾力性および液密性を有し、かつ電解溶液に対し耐蝕性を有する例えばフッ素ゴム具体的にはカルレッツ(商品名)によって構成する。
【0031】
そして、図4に示すように、導線8が、各端子導出管7および液密容器6内を通じて液密容器6外にOリング7を通じて導出される。これら導線8のOリング7から導出した端部に、第2の電極4が配置される。この電極4は、例えば純粋のカーボンリングによって構成されて、これらリング状電極4が、インゴット11の両端に密着嵌合されて、それぞれインゴット11に電気的に連結される。このように電極4の装着がなされたインゴット11の両端の肩部を、図5に斜視図を示し、図6にその一方の液密容器6の配置部の断面図を示すように、Oリング84に衝合させて、電極4の装着部を液密容器6内に、電解溶液に対し液密に遮断させるように両液密容器6の相互の位置関係を設定する。この状態で、両液密容器6間を機械的に連結する。
【0032】
この連結は、図7に示すように、複数、図示の例では4本の連結棒81を、各液密容器6の外端面に設けた取付板10に、図9AおよびBにその背面図を示すように、ねじどめビスどめするとか、あるいは図9Cに示すように、連結ワイヤ82によって、対角位置にある連結棒81の端部を相互に結着することによって、液密容器6を相互に連結して所定の位置関係、すなわち液密容器6とインゴット11がOリング84を介して液密に密着することができるように設定する。
【0033】
あるいは、図10にその斜視図を示すように、液密容器6の外周に、連結棒81の外端をそれぞれ取着し、各連結棒81間を締付け具83によって、相互に連結しかつ締めつけて、両液密容器6が所定の位置関係、すなわち液密容器6とインゴット11がOリング84を介して液密に密着することができるように設定する。
【0034】
陽極化成処理槽2、支持台5、液密容器6、その端子導出管7、脚部9、取付板10、連結棒81、連結ワイヤ82等は、電解溶液1に対し耐蝕性を有する、具体的には耐フッ酸性の例えば4フッ化エチレン樹脂(商品名:テフロン)、ダイフロン、ポリエチレン、塩化ビニル等によって構成する。
【0035】
そして、図11に示すように、陽極化成処理槽2内に、第1の電極3の支持台5を配置し、これの上に下部側の半円筒状の電極半体3Bを、その端子ワイヤ3tB を、槽2外に導出して配置し、この電極半体3B内に、両端にそれぞれ液密容器6内において、第2の電極4が装着された半導体結晶インゴット11を、半円筒状の電極半体3Bと同軸的に、所要の間隔を保持して対向させて、脚部9によって陽極化成処理槽2内に設置する。
【0036】
そして、図1に示すように、電極半体3B上に、電極半体3Aを載置し、両電極半体3Aおよび3Bによって円筒状の第1の電極3を構成して、この円筒状の電極3によって半導体結晶インゴット11の外周を取り囲む。そして、陽極化成処理槽2内に、電解溶液1を注入する。この場合、第1の電極3は、電解溶液1内に浸漬されるが、インゴット11の両端の第2の電極4は、液密容器6内に配置されていることによって電解溶液1から遮断されている。
第2の電極4の各給電用の導線8は、端子導出管7を通じて電解溶液1と接触することなく、槽2外に導出される。
【0037】
この状態で、電解溶液1に浸漬された第1の電極3および4間に、第1の電極3を負極側とし、第2の電極4側を正極とする通電を行う。すなわち、第1の電3の各電極半体3の各端子ワイヤ3tA および3tB を、通電電源の負極に接続し、第2の電極4の端子導出の導線8を通電電源の正極に接続する。このようにすると、半導体結晶インゴット11側を陽極側、電極3Aを陰極側とする給電がなされ、これにより、半導体インゴットの電極3側に対向する表面が侵蝕されて多孔質化する。
【0038】
このようにして、陽極化成処理を行って後は、通電を停止し、陽極化成処理槽2から、例えばこの槽2の下部に設けられた排出口(図示せず)から、電解溶液1を排除し、第1の電極3の上方の電極半体3Aを取り外し、インゴット11を下方の電極半体3Bから液密容器6が配置された状態で持ち上げて取り外す。その後連結棒81を取り外して液密容器6をインゴット11の軸方向に沿って外方に引き離して抜き取り、第2の電極4を抜き取る。
【0039】
このようにして、インゴット11の外周、すなわち表面に陽極化成によって多孔質化された多孔質層が形成される。
【0040】
上述した陽極化成装置における第1の電極3は、電極半体3Aおよび3Bによるメッシュ状構成とした場合であるが、例えば図12に分解斜視図を示すように、それぞれ半円筒面状に彎曲させたPt板によって構成することもできる。この場合においても、両電極半体3Aおよびの両端の頂部に、それぞれ対の端子ワイヤ3tA および3tB を電気的にPt接合材料で接合する。
【0041】
また、この図12の例においては、半円筒面状をなすPt板によって電極半体3Aおよび3Bを構成した場合であるが、この半円筒面状をなすPt板に多数の透孔、もしくはスリットを穿設することによってメッシュ状構成とすることもできる。
【0042】
また、図1の陽極化成装置においては、インゴット11の端部に対する第2の電極4を液密容器6内に収容した場合であるが、この構成とは逆に、半導体結晶インゴット11、電解溶液1、この電解溶液に浸漬される第1の電極3とが、液密容器内に配置され、この液密容器外に、半導体結晶インゴット11の端部に装着される第2の電極4が配置されて、この電極4が電解溶液と液密に遮断された構成とすることもできる。図13は、この場合の一例の斜視図で、図14はその縦断面図、図15はこれと直交する断面における縦断面図を示す。
【0043】
この例においては、陽極化成処理槽2が、液密容器によって構成される。この陽極化成処理槽すなわち液密容器2は、例えば円筒状とされ、この液密容器2内には、電解溶液1と、これに浸漬される第1の電極3と、半導体結晶インゴット11の陽極化成処理を行う部分が挿入される。
そして半導体結晶インゴットの少なくとも一端部は液密に、液密容器2外に導出され、この導出端部に、第2の電極4が装着される。
【0044】
図示の例では、液密容器2の両端の端面板にそれぞれインゴット11の両端部が導出される透孔2hが穿設され、これら透孔2hの内周にOリング84が装着されてこれらOリング84によって、半導体結晶インゴット11の両端、すなわち第2の電極4の装着部が液密に外部に導出されて、電解溶液1と遮断されるようになされる。
【0045】
第2の電極4は、前述したと同様に端子導出がなされる導線8が接続され、純粋のカーボンよりなる例えばリング状電極によって構成し、これを、インゴット11の両端に嵌合させて電気的に接続することができる。
【0046】
また、液密容器2は、例えばその軸方向に関して2分割された第1および第2の部分2Aおよび2Bのよって構成し、両部分が、液密にOリング85を挟み込んで衝合させ、各衝合面に外周に突設して設けたフランジ部86Aおよび86B間を、ねじ89によって締めつけるとか、あるいは図16にその要部の断面図を示すように、フランジ部86Aおよび86Bの外周に、締付け治具87によって挟み込んで液密に結合することができる。
【0047】
第1の電極3は、液密容器2内に配置されるインゴット11の周囲に、これと所要の間隔を保持して取り囲む円筒状に形成される。
図17A〜Dは第1の電極3の製造方法の一例の工程を示す。先ず図17Aに示すように、電解溶液に耐蝕性を有するPtよりなる多数のリング状の金属すなわち導電性のワイヤ3wを用意し、これらを図17Bに示すように、所要の間隔をもって同軸以上に平行に配列する。図17Cに示すように、これらリング状のワイヤ3wに差し渡って同様に、導電性を有し電解溶液に耐蝕性を有する例えば6本のPtよりなる連結ワイヤ3cをほぼ等間隔に配列し、各ワイヤ3wに電気的および機械的にPt接合材料で接合して、各リング状のワイヤ3wを相互に電気的および機械的に連結する。また、このようにしていわばメッシュ状の第1の電極3を構成する。この電極3の両端には、同様に電解溶液に耐蝕性を有するPtよりなる端子ワイヤ3tをの一端を電気的にPt接合材料で接合する。
【0048】
図17で説明した例では、筒状の第1の電極3を、リング状のワイヤ3wを連結して構成した場合であるが、例えば図18Aに示すように、同様に電解溶液に耐蝕性を有するPtよりなるコイル状すなわち螺旋状の金属すなわち導電性のワイヤ3wを用意し、図18Bに示すように、同様に、導電性を有し電解溶液に耐蝕性を有する例えば6本のPtよりなる連結ワイヤ3cをほぼ等間隔に配列し、全コイル線素もしくはいくつか置きのコイル線素に関して電気的および機械的にPt接合材料で接合して、各リング状のワイヤ3wを相互に電気的および機械的に連結する構成とすることもできる。
【0049】
また、第1の電極3として例えば図19に示すように、例えば導電性を有し電解溶液に耐蝕性を有する例えばPt板をC字状に彎曲させて構成し、その両端に端子ワイヤ3tをPt接合材料で接合する構成とすることもできる。また、あるいはこのPt板に多数の透孔もしくはスリットを穿設してメッシュ状構成とすることもできる。
【0050】
そして、液密容器2の例えば第1の部分2Aに、電解溶液注入口88と、電解溶液排出口89と、第1の電極3の端子ワイヤを導出する端子導出口90が形成される。
【0051】
この場合においても、陽極化成処理槽すなわち液密容器2は、電解溶液1に対し耐蝕性を有する、具体的には耐フッ酸性の例えば4フッ化エチレン樹脂(商品名:テフロン)、ダイフロン、ポリエチレン、塩化ビニル等によって構成する。
【0052】
また、この場合においても、Oリング84および85は、柔軟性、弾力性および液密性を有し、かつ電解溶液に対し耐蝕性を有する例えばフッ素ゴム具体的にはカルレッツ(商品名)によって構成する。
【0053】
この図13で示した装置を用いて陽極化成処理を行うには、図20に示すように、陽極化成処理槽、すなわちこの例では液密容器2の第1および第2の部分2Aおよび2B互いに分離して第1の部分3A内にその軸方向に沿って第1の電極3を挿入し、図20においては示されていないが図13に示すように、端子導出口90から、端子ワイヤ3tを導出する。そして、この第1の電極3内に、インゴット11を、同様に軸方向に沿って挿入し、インゴット11の挿入端を、第1の部分3AのOリング84が配置された透孔2hを貫通させてインゴット11の肩部をOエッチング84に衝合させて、インゴット11の一端を外部に導出する。
【0054】
次に、図21に示すように、液密容器2の第2の部分2Bを、その透孔2h内にインゴット11の他方の端部を貫通させてインゴット11の肩部をOエッチング84に衝合させて、インゴット11の他端を外部に導出する。
【0055】
この状態で、第1および第2の部分2Aおよび2Bを例えば締付けねじ89によって凹リング85を介して、各フランジ部86Aおよび86Bを合致させて液密的に封止する。
【0056】
そして、図13および図14に示すように、陽極化成処理槽、すなわち液密容器2外に導出された両端部にそれぞれ第2の電極4を装着し、陽極化成処理槽すなわち液密容器2内に、電解溶液1を注入する。この場合、第1の電極3およびインゴット11の大径部が電解溶液1内に浸漬されるが、インゴット11の両端の第2の電極4の装着部は、液密容器2外に配置されていることによって電解溶液1から遮断されている。
【0057】
この状態で、電解溶液1に浸漬された第1の電極3と電解溶液1と遮断された外部の第2の電極4間に、第1の電極3を負極側とし、第2の電極4側を正極とする通電を行う。すなわち、第1の電極3の各電極半体3の各端子ワイヤ3tA および3tB を、通電電源の負極に接続し、第2の電極4の端子導出の導線8を通電電源の正極に接続する。このようにすると、半導体結晶インゴット11側を陽極側、電極3Aを陰極側とする給電がなされ、これにより、半導体インゴットの大径部の周面が侵蝕されて多孔質化する。
【0058】
図13〜図21で説明した例では、陽極化成処理槽すなわち液密容器2が、その軸方向に関して分割する構成とした場合であるが、軸方向に沿って分割する構成とすることもできるなど、上述の構成に限られるものではなく、種々の構成を採ることができる。
【0059】
上述したように、本発明装置によれば、インゴット11の表面の陽極化成を行うことができるが、これら装置によって、本発明方法における薄膜半導体や太陽電池の製造過程における電解研磨処理を行うこともできる。
【0060】
また、陽極化成処理によって、その通電電流を大としたり、長時間の通電を行った場合等において、インゴット11から半導体例えばSiが剥離してこの半導体くずが陽極化成処理槽内に付着する場合がある。この付着物の除去は、例えば槽2内にフッ硝酸の混合液を注入することにより、半導体例えばSiのくずをエッチング除去する。フッ硝酸の混合液は、半導体例えばSiをエッチングできる混合液例えばフッ酸と硝酸と純水の混合液、あるいはフッ酸と硝酸と酢酸と純水の混合液を用いることができる。このようにして半導体例えばSiの付着物のエッチング除去を行って後は、エッチング液を回収し、装置内を純水で洗浄する。
【0061】
上述の本発明装置によって、半導体結晶インゴット11に対する陽極化成を行って、多孔質層の形成を行うが、この場合、光を遮断した暗所で行う場合は、この陽極化成の表面の凹凸を小に形成することができる。
【0062】
陽極化成によって形成する多孔質層は、その表面に面して多孔率が低い層を形成し、これと半導体結晶インゴットとの界面(本明細書において半導体結晶インゴットの界面とは多孔質化がされない半導体結晶インゴットに表面を指称する)側に多孔率が高い層を形成する。
【0063】
また、多孔質層形成工程において、例えば多孔率が低い表面層と、この表面層と半導体結晶インゴットとの間に形成され多孔率が表面層のそれより高い中間多孔率層と、この中間多孔率層内もしくはこの中間多孔率層の下層すなわち半導体結晶インゴットとの界面に形成され中間多孔率層より高い多孔率を有する高多孔率層とを形成することができる。
【0064】
多孔質層を形成する陽極化成は、少くとも電流密度を異にする2段階以上とする。すなわち、少くとも半導体結晶インゴット表面を低電流密度で陽極化成する工程と、その後、高電流密度で陽極化成する工程とを採る。
【0065】
例えば陽極化成において、半導体結晶インゴット表面を低電流密度で陽極化成する工程と、更にこの低電流密度よりも少し高い中間低電流密度で陽極化成する工程と、更にこれより高電流密度で陽極化成する工程とを採ることができる。
【0066】
また、陽極化成において、その高電流密度での陽極化成は、高電流密度の通電を間欠的に行うようにすることができる。
【0067】
また、多孔質層を形成する陽極化成における、中間低電流密度での陽極化成において、その電流密度を漸次大きくすることができる。
【0068】
陽極化成は、フッ化水素とエタノールを含有する電解溶液中、あるいはフッ化水素とメタノールを含有する電解溶液中で行うことができる。
【0069】
また、陽極化成工程において、電流密度を変更するに際して、電解溶液の組成も変更することができる。
【0070】
多孔質層を形成した後は、水素ガス雰囲気中で加熱することが好ましい。また、多孔質層を形成した後の、水素ガス雰囲気中での加熱工程の前に、多孔質層を熱酸化することが好ましい。
【0071】
半導体結晶インゴットは、単結晶Siに限られるものではなく、その製造中になんらかの異常が発生して不良品となったインゴットを使用することができる。また、Si以外のGeインゴット、GaAs等の化合物半導体インゴットを用いることもできる。しかしながら、例えばSi半導体薄膜や、Siによる太陽電池などの製造には、Siインゴットを用いることが好ましい。
【0072】
また、このインゴットは、例えばCZ(Czochralski Method)法、MCZ(Magnetic field applied Czochralski Method) 法、FZ(Floating Zone) 法等によって形成した円柱状のインゴットを用いることもできるし、或る場合は、例えばキャスト法で形成した角柱状等のインゴットを用いることもできる。
【0073】
また、半導体インゴットは、n型もしくはp型の不純物がドープされた半導体結晶インゴットあるいは、不純物を含まない半導体結晶インゴットによって構成することができる。しかし、陽極化成を行う場合は、p型の不純物が高濃度にドープされた低比抵抗の半導体結晶インゴットいわゆるp+ Si基体を用いることが望ましい。この半導体結晶インゴットとしてp+ 型Si基体を用いるときは、p型不純物の例えばボロンBが、約1019atoms/cm3 程度にドープされ、その抵抗が0.01〜0.02Ωcm程度のSi基板を用いることが望ましい。そして、このp+ 型Si基体を陽極化成すると、基板表面とほぼ垂直方向に細長く伸びた微細孔が形成され、結晶性を維持したまま多孔質するため、望ましい多孔質層が形成される。
【0074】
このように結晶性を維持したまま多孔質された多孔質層上に、半導体膜をエピタキシャル成長する。この半導体膜は、単層の半導体膜によって構成することもできるが、太陽電池を構成する場合等においては、2層以上の複層半導体膜とすることができる。
【0075】
このように、半導体結晶インゴット上にエピタキシャル成長した半導体膜半導体結晶インゴットから剥離するが、この剥離に先立って半導体膜上に、例えばフレキシブル樹脂シート等による支持基板を接合してこの支持基板と半導体膜とを一体化した後、半導体膜を支持基板と共に、半導体結晶インゴットから、この半導体結晶インゴットに形成した多孔質層を介して剥離することができる。
【0076】
半導体結晶インゴット表面は、多孔率を異にする2層以上からなる多孔質層を形成するものであるが、最表面の多孔質層は、その多孔率が比較的小さく緻密な多孔質層として形成し、この多孔質層上に良好にエピタキシャル半導体膜を成長させることができるようにし、この表面層より内側、すなわち下層側において比較的多孔率の高い多孔質層を基体面に沿って形成することによってこれ自体の高多孔率化による機械的強度の低下、あるいはこの多孔質層と他との格子定数の相違に基く歪みによって脆弱化し、この層においてエピタキシャル半導体膜の剥離、すなわち分離を容易に行うことができる。例えば、超音波印加によって分離させることができる程度に弱い多孔質層を形成することも可能となる。
【0077】
多孔質層の表面より内側に形成する多孔率を大きくした高多孔率層は、その多孔率が大きいほど上述の剥離が容易になるが、この多孔率が余り大きいと、上述したエピタキシャル半導体膜の剥離処理前に、剥離を発生させたり、多孔質層に破損を来すおそれがあることから、この高多孔率層における多孔率は、40%以上70%以下とすることが好ましい。
【0078】
また、多孔質層に高多孔率層を形成する場合、その多孔率が大きくなるにつれ歪みが大きくなり、この歪の影響が多孔質層の表面層にまで大きく及ぶと、表面層に亀裂を発生させるおそれが生じてくる。また、このように多孔質層の表面にまで歪の影響が生じると、これの上にエピタキシャル成長させる半導体膜に結晶欠陥を発生させる。そこで、多孔質層には、その多孔率が高い層と多孔率の低い表面層との間に、歪みを緩和するバッファ層として、表面層よりは多孔率が高く、かつ高多孔率層に比しては多孔率が低い中間多孔率を有する中間多孔率層を形成する。このようにすることにより、高多孔率層の多孔率を、上述のエピタキシャル半導体膜の剥離を確実に行うことができる程度に大きくし、しかも結晶性にすぐれたエピタキシャル半導体膜の形成を可能にする。
【0079】
多孔質層は、陽極化成における条件の選定により、その構造が変化するものであり、これによってこれの上に形成する前述したエピタキシャル半導体膜の結晶性および剥離性が変化する。
【0080】
多孔質層は、多孔率を異にする2層以上の層から形成でき、この場合、陽極化成処理において、電流密度が異なる2段階以上の多段階陽極化成法を採用する。具体的には、表面に多孔率が低いすなわち口径の小さい微細孔による比較的緻密な低多孔率の多孔質層を作製するため、まず、低電流密度で第1陽極化成を施す。多孔質層の膜厚は時間に比例するので、所望する膜厚になるような時間で陽極化成を行う。その後、かなり高い電流密度で第2陽極化成を行えば、最初に形成された低多孔率の多孔質層の下側に多孔率の大きい高多孔率の多孔層が形成される。すなわち、少くとも多孔率の低い低多孔率質層と、多孔率の高い高多孔率層を有する多孔質層が形成される。
【0081】
そして、この場合、低多孔率の多孔質層と、高多孔率の多孔質層との界面付近には、両者の格子定数の違いにより大きな歪みが生じる。この歪みがある値以上になると、多孔質層は2つに分離する。したがって、この歪みによる分離あるいは、多孔率による機械的強度の低下による分離が生じるか、生じないかという境界条件付近の陽極化成条件で多孔質層を形成すれば、この多孔質層上にエピタキシャル成長された半導体膜は、この多孔質層を介して容易に分離することができる。
【0082】
この場合の、低電流密度の第1陽極化成は、例えば0.01〜0.02Ωcmのp型シリコン単結晶基体を用い、HF:C2 5 OH=1:1(HFが49%溶液で、C2 5 OHが95%溶液における体積比:以下同様)のとき、0.5〜10mA/cm2 程度の低電流密度で数分間から数十分間行う。また、高電流密度の第2陽極化成は、例えば40〜300mA/cm2 程度の電流密度で、1〜10秒間、好ましくは3秒間前後の時間で行う。
【0083】
上述した第1および第2の2段階の陽極化成では、多孔質層内部の高多孔質層で発生する歪みがかなり大きくなるため、多孔質層の表面までこの歪みの影響が及び、この場合、前述したように、亀裂の発生や、これの上に形成するエピタキシャル半導体膜に結晶欠陥を発生させるおそれが生じる。そこで、多孔質層において、低多孔率の表面層と高多孔率層との間に、これらによって発生する歪みを緩和するバッファー層として、表面層よりは多孔率が高く、かつ高多孔率層に比しては多孔率が低い中間多孔率層を形成する。具体的には、最初に低電流密度の第1陽極化成を行い、次いで第1陽極化成よりもやや高い電流密度の第2陽極化成を行って、その後それらよりもかなり高い電流密度で第3陽極化成を行う。第1陽極化成の条件は、特に制限されないが、例えば0.01〜0.02Ωcmのp型シリコン単結晶基体を用い、電解溶液としてHF:C2 5 OH=1:1を用いるとき、0.5〜3mA/cm2 未満程度、第2陽極化成の電流密度は例えば3〜20mA/cm2 程度、第3陽極化成の電流密度は、例えば40〜300mA/cm2 程度で行うことが好ましい。例えば1mA/cm2 の電流密度で陽極化成を行うと、多孔率は約16%程度、7mA/cm2 の電流密度で陽極化成を行うと、多孔率は約26%、200mA/cm2 の電流密度で陽極化成を行うと、多孔率は約60〜70%程度になる。このような陽極化成を行った多孔質層上にエピタキシャル成長を行うと、結晶性のよいエピタキシャル半導体膜が成膜できる。
【0084】
また、上述したように電流密度を3段階とする陽極化成を行う場合、第1陽極化成で形成される多孔率が低い表面層はそのまま低い多孔率を保ち、第2陽極化成で形成される多孔率がやや高い中間多孔率層、すなわちバッファー層は、表面層より内側、すなわち表面層と多孔質化がされていない半導体結晶インゴットとの界面に形成されて、多孔質層は表面層と中間多孔率層との2層構造となる。また、上述の第3陽極化成で形成される多孔率の高い高多孔率層は、原理は不明であるが、その電流密度を90mA/cm2 程度以上とすると、第2陽極化成で形成した中間多孔率層内にすなわち中間多孔質層の厚さ方向の中間部に形成される。
【0085】
また中間多孔率層の形成において、この中間多孔率層を形成する陽極酸化を多段階もしくは漸次例えば通電電流密度を変化する条件下で行うことによって、低多孔率表面層と、高多孔率層との間に階段的にもしくは傾斜的にその多孔率を、表面層から高多孔率層側に向かって高めた中間多孔率層を形成する。このようにすれば、表面層と高多孔率層との間の歪みは、より緩和されて、さらに確実に結晶性のよい半導体膜をエピタキシャル成長することができる。
【0086】
半導体膜の半導体インゴットからの分離面は、最後に行う高多孔率層の剥離層とその直前に行う多孔率の小さいバッファー層との界面で格子定数の違いによる歪みが大きくかかることによっても形成されるが、この最後の陽極化成を行うときに工夫をすると、分離面がより分離しやすくなる。それは、最後の高電流密度の陽極化成で、例えば時間を3秒間一定に通電せずに、1秒間の通電の後一旦通電を断って陽極化成を停止し、所要時間例えば1分程度放置した後、同じまたは異なる高電流密度でまた1分間の通電を行って後同様に陽極化成を停止し、また所要時間例えば1分程度放置した後、再度同じまたは異なる高電流密度で1秒間の通電を行って後同様に陽極化成を停止するという間欠的に電流を流す方法である。この方法を使用して適当な陽極化成条件を選ぶと、剥離層が半導体結晶インゴットとの界面に、すなわち多孔質層の最下面に形成され、この場合、分離面は上記のような中間多孔質層すなわちバッファー層の内部ではなく、多孔質層の半導体基板との界面側となる。分離後の半導体層に残された多孔質層は、例えば電解研磨によって除去される。
【0087】
このように、バッファー層、すなわち中間多孔率層が、高多孔率層の表面層側にのみ形成されるようにするときは、多孔質層における歪みが生じる高多孔質層と表面とが最大限に離間することになって中間多孔率層によるバッファー効果が最大限に発揮されることになり、良好な結晶性を有する半導体膜を形成することができる。また、このように中間多孔質層が表面側にのみ形成するときは、で多孔質層の全体の厚さを小さくすることができ、この多孔質層を形成するための半導体結晶インゴットの消耗厚さを減らすことができて、この半導体結晶インゴットの繰り返し使用回数を大とすることができる。
【0088】
このように、陽極化成条件の選定により、分離面においては、歪が大きく掛かるようにし、しかもこの歪みの影響が半導体膜のエピタキシャル成長面に与えられないようにすることができる。
【0089】
また、多孔質層上に、結晶性良く半導体のエピタキシャル成長を行うには、多孔質層の表面層の結晶成長の種となる微細孔を小さくすることが望まれる。このように表面層の微細孔を小さくする手段の一つとしては、陽極化成にあたって電解液中のHF濃度を濃くする方法がある。すなわち、この場合、まず表面層を形成する低電流陽極化成では、HF濃度の濃い電解溶液を使用する。次にバッファー層となる中間多孔率層を形成し、その後、電解溶液のHF濃度を下げてから、最後に高電流密度の陽極化成を行う。このようにすることによって、表面層の微細孔の微細化をはかることができることによって、これの上に結晶性の良いエピタキシャル半導体膜を形成することができるものであり、しかも高多孔率層においては、多孔率を必要充分に高くできるので、エピタキシャル半導体膜の剥離は良好に行うことができる。
【0090】
この多孔質層の陽極化成における電解溶液の変更は、例えば表面層の形成においては、電解溶液として、例えばHF:C2 5 OH=2:1による電解溶液を使用した陽極化成を行い、バッファー層としての中間多孔率層の形成においては、やや薄いHF濃度の電解溶液、例えばHF:C2 5 OH=1:1による電解溶液を使用した陽極化成を行い、さらに高多孔率層を形成においては、電解溶液は、さらにHF濃度を薄くして、例えばHF:C2 5 OH=1:1〜1:2の電解溶液を用いた高電流密度の陽極化成を行う。
【0091】
なお、上述した多孔質層の形成において、表面層の形成から中間多孔率層の形成にかけて、電流密度を変化させるとき、一旦陽極化成を停止してから、次の陽極化成を行う通電を開始する手順によることもできるし、一旦陽極化成を停止することなくすなわち通電を停止することなく、連続して電流密度を変化させて行うこともできる。
【0092】
以上の工程により、表面(片面または両面)に多孔質層が形成された半導体基板を得ることができる。なお、多孔質層全体の膜厚は、特に制限されないが、1〜50μm、好適には3〜15μm、通常8μm程度の厚さとすることができる。多孔質層全体の厚さは、半導体結晶インゴットをできる限り繰り返し使用できるようにするためにできるだけ薄くすることが好ましい。
【0093】
また、多孔質層上に、半導体をエピタキシャル成長するに先立って、多孔質層をのアニールを行うことが好ましい。このアニールは、水素ガス雰囲気中での熱処理、すなわち水素アニールを挙げることができる。この水素アニールを行うときは、多孔質層の表面に形成された自然酸化膜の完全な除去、および多孔質層中の酸素原子を極力除去することができ、多孔質層の表面が滑らかになり、良好な結晶性を有するエピタキシャル半導体膜を形成することができる。同時にこの前処理によって、高多孔率層と中間多孔率層との界面の強度を一層弱めることができて、エピタキシャル半導体膜の基板からの分離をより容易に行うことができる。この場合の水素アニールは、例えば950℃〜1150℃程度の温度範囲で行う。
【0094】
また、水素アニールの前に、多孔質層を低温酸化させると、多孔質層の内部は酸化されるので、水素ガス雰囲気中での熱アニールを施しても多孔質層には大きな構造変化が生じない。つまり、多孔質層の表面への剥離層からの歪みが伝わりにくくなり、良質な結晶性のエピタキシャル半導体膜を成膜することができる。この場合の低温酸化は、例えばドライ酸化雰囲気中で400℃で1時間程度で行うことができる。
【0095】
そして、上述したように多孔質層表面に半導体のエピタキシャル成長を行う。この半導体のエピタキシャル成長は、単結晶半導体基板の表面に形成された多孔質層は、多孔質ながら結晶性を保っていることから、この多孔質層上へのエピタキシャル成長は可能である。この多孔質層表面へのエピタキシャル成長は、例えばCVD法により、例えば700℃〜1100℃の温度で行うことができる。
【0096】
また、上述した水素アニール、および半導体のエピタキシャル成長のいずれにおいても、半導体結晶インゴットを所定の基体温度に加熱する方法としては、いわゆるサセプタ加熱方式によることもできるし、半導体結晶インゴット自体に直接電流を流して加熱する通電加熱方式等を採ることができる。
【0097】
多孔質層上にエピタキシャル成長する半導体膜は、単層半導体膜とすることも複数の半導体層の積層による複層半導体膜とすることができる。また、この半導体膜は半導体結晶インゴットと同じ物質でもよいし、異なる物質でもよい。例えば、単結晶Si半導体結晶インゴットを用い、その表面に形成した多孔質層にSi、あるいはGaAs等の化合物半導体、またはSi化合物、例えばSi1-y Gey をエピタキシャル成長するとか、これらを適宜組み合わせ積層する等、種々のエピタキシャル成長を行うことができる。
【0098】
一方、化合物半導体による薄膜半導体を形成する場合においては、半導体結晶インゴットとして化合物半導体結晶インゴットを用いることができ、この場合においてもこれに陽極化成を行えば、同様に表面に多孔質層を有する半導体結晶インゴットを構成することができる。そして、その多孔質層上に化合物半導体をエピタキシャル成長させれば、例えばSi半導体結晶インゴット上に化合物半導体をエピタキシャル成長させる場合よりも格子不整合を小さくすることができることから良好な結晶性をもつ薄膜化合物半導体を形成することができる。
【0099】
また、多孔質層に成膜する半導体膜には、そのエピタキシャル成長に際してn型もしくはp型の不純物を導入することができる。あるいは、半導体膜の成膜後に、イオン注入、拡散等によって不純物の導入を全面もしくは選択的に行うこともできる。この場合、その使用目的に応じて、導電型、不純物の濃度、種類の選択がなされる。
【0100】
また、半導体膜の厚さも、薄膜半導体の用途に応じて適宜選択することができる。例えば、半導体集積回路を薄膜半導体に形成する場合、半導体素子の動作層は数μm程度の厚さであるので、例えば5μm程度の厚さに形成することができる。
【0101】
単結晶シリコンによる半導体膜をエピタキシャルして薄膜半導体を形成し、これにより太陽電池を構成する場合は、半導体膜としては、例えば多孔質層側から順に、例えばp型の高不純物濃度のp+ 半導体層、p型の低不純物濃度のp- 半導体層、およびn型の高不純物濃度のn+ 半導体層の順にエピタキシャル成長させた複層半導体膜とすることができる。これらの層の不純物濃度、膜厚は特に制限されないが、例えばp+ 型半導体層は、膜厚が0〜1μmの範囲、典型的には0.5μm程度、ボロンBの濃度が1018〜1020atoms/cm3 の範囲、典型的には約1019atoms/cm3 程度、p型半導体層は、膜厚が1〜30μmの範囲、典型的には5μm程度、ボロン濃度が1014〜1017atoms/cm3 の範囲、典型的には約1016atoms/cm3 程度、n+ 型半導体層は、膜厚が0.1〜1μmの範囲、典型的には0.5μm程度、リンPまたは砒素Asの濃度が1018〜1020atoms/cm3 の範囲、典型的には約1019atoms/cm3 程度とすることが好ましい。
【0102】
また、半導体膜を、多孔質層側からp+ 型Si層、p型Si1-x Gex グレーディッド層、アンドープのSi1-y Gey 層、n型Si1-x Gex グレーディッド層、およびn+ 型シリコン層の順にエピタキシャル成長させた半導体膜とし、これによってダブルヘテロ構造の太陽電池を作製することができる。このダブルヘテロ構造を構成する各層の典型的な例示としては、p+ 型Si層としては、不純物濃度が1019atoms/cm3 程度、膜厚が0.5μm程度、p型Si1-x Gex グレーディッド層としては、不純物濃度が1016atoms/cm3 程度、膜厚が1μm程度、アンドープのSi1-y Gey 層としては、yが0.7、膜厚が1μm程度、n型Si1-x Gex グレーディッド層としては、不純物濃度が1016atoms/cm3 程度、膜厚が1μm程度、およびn+ 型Si層としては、不純物濃度が1010cm-3程度、膜厚が0.5μm程度とすることが好ましい。なお、p型、n型Si1-x Gex グレーディッド層中のGeの組成比xは、それぞれ両側に存する層のx=0からアンドープのSi1-y Gey のyまで、漸次増大するようにすることが好ましい。これにより、各界面において格子定数が整合することから、良好な結晶性を得ることができる。
【0103】
このようなダブルヘテロ構造の太陽電池では、その中央のアンドープのSi1- y Gey 層にキャリアおよび光を有効に閉じこめることができるため、高い変換効率を得ることができる。
【0104】
上述の半導体膜は、半導体結晶インゴットから剥離し、そのまま薄膜半導体として使用することが可能である。
【0105】
あるいは、半導体膜を、多孔質層を介して半導体結晶インゴットに弱く固着させた状態のまま、この半導体膜に、例えば太陽電池として必要な処理を行い、その後支持基板を半導体膜に貼合せて、この支持基板と半導体膜とを一体化させた後、この支持基板とともに半導体膜を半導体結晶インゴットから剥離する。
【0106】
次に、太陽電池を構成する工程を説明する。この工程は、上述した半導体結晶インゴットから半導体膜を剥離した後に行うこともできるし、半導体結晶インゴットと一体化した状態のままで行うこともできる。
【0107】
上述した多孔質層が表面に形成された半導体結晶インゴット上に、上述したように、複層シリコン半導体膜をエピタキシャル成長する。その後、例えば熱酸化処理を行って表面に10〜200nm程度の膜厚の酸化膜を形成する。そして、必要に応じて、半導体膜表面の酸化膜をフォトリソグラフィ技術を用いて配線層のパターンに形成する。あるいは、半導体膜との接続が必要な個所にだけ、開口させてもよい。その後、例えば最終的に電極および配線層を構成する導電層、例えばAl等の単層金属層あるいは複数の金属層の積層による多層金属層をそれぞれを蒸着等によって全面的に形成し、これをフォトリソグラフィによるエッチングによって所要の電極および配線パターンにパターニングする。また、この電極および配線パターニングの形成は、例えば印刷法によることもできる。
【0108】
また、例えば透明樹脂シート(本明細書でいうシートとはフィルムも含む)に、所要の電極および配線パターン、いわゆるプリント配線が形成されたいわゆるプリント基板を予め用意しておき、このプリント基板と、上述の半導体結晶インゴットの表面の多孔質層上に成膜した半導体膜に、対応する部分を電気的に接合して貼り合わせる。このとき、両者の電極間相互は、例えば半田により接合する。また、電極以外の部分は、エポキシ樹脂などの透明接着剤を用いて接着できる。
【0109】
このように、プリント基板と薄膜単結晶シリコン(Si)とを貼り合わせることは、従来不可能であったが、本発明においては、極めて容易に行うことができる。また、プリント基板に限らず、透明樹脂シートを貼り合わせてもよい。
プリント基板あるいは透明樹脂シート等の支持基板を貼り合わせた後、半導体結晶インゴットとの間に引っ張り応力を加えることにより、多孔質層の高多孔率層、もしくは高多孔率層と中間多孔質層との界面、あるいは高多孔率層と半導体結晶インゴットとの界面等において破壊を生じさせて、エピタキシャル半導体膜をプリント基板等の支持基板側に貼り合わせた状態で半導体結晶インゴットから容易に剥離することができる。このようにして、プリント基板等のき支持基板面に薄膜半導体による太陽電池が形成された、例えばフレキシブル太陽電池を得ることができる。
【0110】
この場合、エピタキシャル半導体膜の支持基板例えばプリント基板が接合された側とは反対側の裏面には、半導体結晶インゴットからの剥離によって多孔質層が残る場合がある。この場合、例えばエッチングによってこの多孔質層の除去を行うこともできるが、この多孔質層が残された状態で、これに例えば銀ペースト等の金属膜を形成し、太陽電池の他方のオーミック電極とするとか、光反射面として、光の利用率を高めることによって、実効的に光ー電気変換効率の向上をはかることができる。更に、この面に金属板を貼り合せるとか樹脂層を形成することによって保護層とすることもできる。
【0111】
一方、半導体膜が剥離された半導体結晶インゴットは、その表面を研磨して再び同様の作業が繰り返しなされて、太陽電池等の形成がなされる。したがって、本発明方法によれば、高価な半導体結晶インゴットを繰り返し使用できるので、コストの低減化、かつ低エネルギーで太陽電池を製造することができる。また、この繰返し作業によって厚さが充分細くなった半導体結晶インゴットは、これ自体で太陽電池を構成することができる。
【0112】
次に、本発明の実施例を挙げて説明する。しかしながら、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
【0113】
〔実施例1〕
この実施例においては、薄膜太陽電池を作製する場合である。図22〜図26を参照して説明する。図22および図23は各製造過程での斜視図で、図24〜図26は各製造過程での要部の断面図である。
【0114】
この実施例では、CZ法によって作製した高濃度にボロンBがドープされ比抵抗例えば0.01〜0.02Ωcmとされた直径12インチの単結晶Siによる半導体結晶インゴット11を用意した(図22A)。
このインゴット11は、凹凸表面を有していることから、研削して表面の凹凸を減少させる。
【0115】
その後、この実施例においては、図1〜図8で説明した陽極化成装置と手順によって半導体単結晶インゴット11を、その周囲に第1の電極3を配置させて電解溶液1が収容された陽極化成処理槽2に配置し、その表面に対する電解研磨と陽極化成を行った。この場合陽極化成処理槽2内に、電解溶液1としてHF:C2 5 OH=1:1による電解溶液を用いた。そして、インゴット11側すなわち第2の電極4側を正極側とし、第1の電極3側を負極側として、先ず400mA/cm2 で5秒間の通電によって電解研磨をを行った。このようにすると、インゴット11の表面は滑らかな面となった。続いて、陽極化成を行ってインゴット表面に多孔質層12を形成した(図22B)。
【0116】
この陽極化成は、先ず、電流密度1mA/cm2 の低電流で8分間通電させた。これにより多孔率16%、厚さ1.7μmの表面層12Sが形成された(図24A)。
一旦通電を止めた後、電流密度7mA/cm2 で8分間通電した。このようにすると、表面層12Sの微細孔に比し口径が大きい多孔率26%、厚さ6.3μmの中間多孔率層12Mが、表面層12Sの下層すなわち表面層12Sより内側に形成された(図24B)。
更に、一旦通電を止めた後、200mA/cm2 の高電流密度で3秒間通電させた。このようにすると、中間多孔率層12M内に、すなわち中間多孔率層12Mによって上下に挟み込まれた位置にこの中間多孔率層12Mに比して高い多孔率とされた、すなわち多孔率約60%、厚さ0.05μmの高多孔率層12Hが形成された(図24C)。このようにして、表面層12Sと、中間多孔率層12Mと、高多孔率層12Hとによる多孔質層12が形成された。
【0117】
このように形成された多孔質層12は、高多孔率層12Hが、高い多孔率を有することから、この層が脆弱となり、また中間多孔率層12Mと高多孔率層12Hとが多孔率が大きく異なるので、これら中間多孔率層12Mと高多孔率層12Hの界面および界面近傍において大きな歪みがかかり、この付近の強度が極端に弱くなる。
【0118】
このようにして、多孔質層12の形成後、H2 雰囲気中でインゴット11に大電流の通電を行って1100℃に加熱処理すなわちアニール処理を行った。この加熱工程は、室温から1100℃までの加熱昇温時間を約20分とし、その後この1100℃に約30分間保持して行った。このH2 中アニールにより、多孔質層12の表面は滑らかになり、多孔質層12内部の中間多孔率層12Mと、高多孔率層12Hとの界面付近における強度は、一層脆弱化された。
【0119】
その後、インゴット11への通電量を減少させて、1050℃に降温して、インゴット11への通電加熱によるエピタキシャル成長(本出願人による特願平8−61551号出願「薄膜半導体の製造方法」で提案した方法)によってSiのエピタキシャル成長を行って多孔質層12上にp+ −p- −n+ 構造の半導体膜13の形成した(図25A)。すなわち、この場合SiH4 ガスとB2 6 ガスとを用いたエピタキシャル成長を2分間行って、厚さ0.5μmのボロン濃度が1019atoms/cm3 のp+ Siによる第1のエピタキシャル半導体層131を形成し、次に、B2 6 ガスの流量を変更して、Siエピタキシャル成長を17分間行い、厚さ5μmのボロン濃度が1016atoms/cm3 のp- Siによる第2のエピタキシャル半導体層132を形成し、その後、B26 ガスに換えてPH3 ガスを供給してSiエピタキシャル成長を2分間行って、p- エピタキシャル半導体層132上に、高濃度の1019atoms/cm3 のリンドープのn+ Siによる第3のエピタキシャル半導体膜133を形成した。
【0120】
次に、この実施例においては、エピタキシャル半導体膜13上に表面熱酸化によってSiO2 膜すなわち透明の絶縁膜16を形成し、フォトリソグラフィによるパターンエッチングを行って電極ないしは配線とのコンタクトを行う開口16Wを形成する(図25B)。この開口16Wを形成するためのフォトリソグラフィによるエッチングは、インゴット11を転がしながら塗布し、乾燥させる。その後、あらかじめ用意しておいた金属マスクをインゴット11の周面に配置し、露光処理を行い現像処理して、開口16Wに対応する開口を形成する。この場合、太陽電池の製造においては、さほどパターンの精度を必要としないことから、このようなマスクの使用が可能となる。その後、SiO2 絶縁膜16を、HF溶液、この例ではHF(49%溶液):H2 O=1:100(体積比)によってフォトレジストの開口を通じてエッチングして開口16Wを形成する。このエッチングは、上述の陽極化成を行った陽極化成装置を用いてエッチングした。
【0121】
このように、SiO2 絶縁膜16を被着すると、界面でのキャリア発生や再結合を極力少なくすることができる。
【0122】
そして、全面的に金属膜この例ではAlの蒸着を行い、フォトリソグラフィによるパターンエッチングを行って受光面側の電極ないしは配線17を形成する(図22Cおよび図26A)。この開口16Wおよび電極ないしは配線17は、図示のように、インゴット11の周面に形成可能な数の各太陽電池の構成部において、それぞれ形成する。
【0123】
その後、インゴット11の周面の、各太陽電池の構成部上にそれぞれ絶縁性の透明接着剤21によって透明樹脂シートによる透明基板18を接合した(図26B)。
【0124】
このとき、接着剤21の強度は、多孔質層の分離強度よりもやや強いものを使用した。
【0125】
その後、透明基板18と共に、半導体膜13を、インゴット11から引き離す外力を与える。このようにすると多孔質層12の脆弱な高多孔率層12Hもしくはその近傍でインゴット11と、半導体膜13とが分離され、複数の薄膜太陽電池100が形成される(図23B)。
【0126】
そして、各薄膜太陽電池100の、インゴット11から分離された裏面には、多孔質層12が残存するが、これの上に銀ペーストを塗布し、更に金属板を接合して他方の裏面電極24を構成する。この金属板は、裏面電極であると同時に、太陽電池の裏面の保護膜となる。
【0127】
このようにして、薄膜太陽電池が構成される。
【0128】
〔実施例2〕
この実施例においては、図13〜図21で説明した陽極化成装置と、手順とを採って薄膜太陽電池を作製した場合で、この場合においても、CZ法によって作製した高濃度にボロンBがドープされ比抵抗例えば0.01〜0.02Ωcmとされた直径12インチの単結晶Siによる半導体結晶インゴット11を用意し、実施例1とは異なる陽極化成装置を用いる以外は、図22〜図26で説明した実施例1と同様の方法によって薄膜太陽電池を作製した。
【0129】
そして、上述の各実施例において、透明基板18として剛性に富んだインゴット11の周面に沿う形状の円筒面状の透明基板18によって構成すれば、円筒状の薄膜太陽電池を構成することができるし、フレキシブルな透明基板によって構成すれば、フレキシブルな、薄膜太陽電池とすることもできる。
【0130】
また、上述した実施例においては、半導体膜13の成膜において、第1〜第3の半導体層131〜133の形成を行った場合であるが、その成膜に際しては、例えば単層に構成し、その後これに不純物のイオン注入、拡散等を全面的にもしくは選択的に形成することができる。
【0131】
上述した実施例においては、薄膜太陽電池を製造する場合について説明したが、太陽電池に限らず、上述の半導体膜を、単層もしくは複層に構成し、この半導体膜の、インゴット11からの剥離によって薄膜半導体を構成するとか、更に半導体膜に、半導体素子、あるいはIC(集積回路)等を形成することによって、各種半導体装置を構成することができる。
【0132】
また、本発明においては、薄膜太陽電池等の半導体膜を剥離(分離)した後の、半導体結晶インゴット11を再び同様の薄膜太陽電池等の製造のための半導体結晶インゴット11として繰り返し用い得る。
【0133】
半導体膜13を剥離して薄膜半導体例えば薄膜太陽電池等を作製した後の半導体結晶インゴット11の周面には、多孔質層12が、一部残存するので、これを実施例1または実施例2と同様に、図1〜図21で説明した各陽極化成装置によって、例えば400mA/cm2 で5秒間の通電による電解研磨を行って、この残存多孔質層をエッチング除去する。このようにするとその表面は滑らかになるので、このインゴット11を、繰り返し薄膜半導体例えば薄膜太陽電池等の作製に用いることができる。
【0134】
一方、陽極化成装置に、インゴット11に対する陽極化成による多孔質層の形成によって、あるいは電解研磨に際して、例えばSiインゴット11からSiの剥離によってSi屑が発生し、これが装置内に付着した場合は、槽内にフッ硝酸すなわちHFとHNO3 とH2 Oとの混合液を電解溶液と交換して注入することによって、このSiの付着物をエッチング除去することができる。
【0135】
また、半導体結晶インゴット11は、上述した多孔質層の形成によって、薄膜半導体の形成に伴って、これが減少して細くなって行くが、このインゴット11が使用に耐えなくなる程度に細くなった場合は、図27Aに鎖線をもって示すように、インゴット11を、その軸方向を横切る方向にスライスして、これらスライスされた半導体基板とし、これに陽極化成による多孔質層の形成、半導体膜の形成、剥離を行って、薄膜半導体、薄膜太陽電池等を形成することができる。
【0136】
半導体結晶インゴット11のスライスは、図27Bに鎖線をもって示すように、所要の間隔をもってその軸方向を横切る方向に切断し、各切断部分をそれぞれ図27Cに鎖線をもって示すように、インゴットの軸方向に沿う方向にスライスして半導体基板を得て、これに陽極化成による多孔質層の形成、半導体膜の形成、剥離を行って、薄膜半導体、薄膜太陽電池等を形成することができる。
【0137】
尚、半導体膜13の半導体結晶インゴット11からの剥離は、互いに引き離す外力を与えて剥離する場合に限らず、或る場合は超音波振動によって剥離することができる。
【0138】
本発明方法によれば、半導体インゴット表面を陽極化成して、多孔質層を形成するものであり、薄膜半導体、またこの薄膜半導体によって太陽電池等を構成する場合において、この多孔質層上に半導体膜を成長させ、この半導体膜を多孔質層における破断によってインゴットから剥離するものであるので、薄膜半導体、薄膜太陽電池は充分薄く形成することができる。また、この陽極化成によって形成される多孔質層は、その微細孔の形成部以外は、半導体結晶インゴットの結晶性を保持していることから、これの上に成長させる半導体膜は結晶性に優れた半導体膜として形成できる。したがって、このようにして半導体膜を剥離して得た薄膜半導体やこれによる薄膜太陽電池は、結晶性にすぐれたものとして形成され、薄膜太陽電池においては、薄膜に形成されたことと相俟って高い変換効率を有する太陽電池として構成することができる。
【0139】
また、本発明によれば、インゴット表面に形成した半導体膜によって薄膜半導体あるいは薄膜太陽電池を構成するので、円筒面状の薄膜半導体あるいは薄膜太陽電池を構成することができることから、例えば太陽電池においては、太陽の移動方向に円周方向を沿わせることによって効率良い受光が可能となるものである。
【0140】
また、本発明方法によれば、薄膜半導体あるいは薄膜太陽電池を充分薄く構成できることから、フレキシブルな薄膜半導体あるいは薄膜太陽電池を得ることもできる。
【0141】
また、本発明によれば、大きなエネルギーを必要とし、高価な半導体インゴットは、陽極化成されて多孔質層を形成する厚さだけ減少するものであり、薄膜半導体や薄膜太陽電池は、これの上に形成された半導体膜によって構成するものであるので、廉価に構成することができる。
【0142】
また、本発明においては、半導体インゴットの状態で用いることから、これを例えばスライスしてウエファ状とした基板を構成する必要がないことから、その製造が簡単となり、またコストの低廉化をはかることができる。
【0143】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、薄膜半導体、薄膜太陽電池は充分薄く形成することができる。
また、この薄膜半導体、薄膜太陽電池等を構成する半導体膜を成長させる多孔質層は、陽極化成によって形成されたすなわち半導体結晶インゴットの結晶性を保持していることから、結晶性に優れた半導体膜として形成できることから、特性の良い半導体、例えば薄膜太陽電池においては、その結晶性にすぐれていることと薄膜に形成されたことと相俟って高い変換効率を有する太陽電池として構成することができる。
【0144】
また、本発明によれば、結晶引き上げによって形成した高価なインゴットから切り出した半導体スライス自体によるものではなく、インゴット上に形成した半導体膜によって薄膜半導体や、薄膜太陽電池等を構成するので、廉価に形成でき、またインゴットも無駄なく有効に用いられることから、さらに廉価に低エネルギーで構成することができるので、例えば太陽電池においてエネルギー回収年数の減少をはかることができる。
【0145】
また、太陽電池を、円筒面状に形成できるので、太陽電池に対する太陽の移動方向に円周方向を沿わせることによって効率良い受光が可能となるものである。
【0146】
また、本発明装置によれば、インゴットの周面に対して陽極化成を能率よく、良好に行うことができるので、上述した薄膜半導体や太陽電池の製造のコストの低減化をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による陽極化成装置の一例の構成図である。
【図2】図1の陽極化成装置の横断面図である。
【図3】本発明による陽極化成装置の第1の電極の製造工程図である。A1 〜A4 はその斜視図である。B1 〜B4 はその側面図である。
【図4】本発明による陽極化成装置によって陽極化成を行うための手順の説明図である。
【図5】本発明による陽極化成装置によって陽極化成を行うための手順の説明図である。
【図6】図5の要部の断面図である。
【図7】本発明装置によって陽極化成を行うための手順の説明図である。
【図8】図7の要部の側面図である。
【図9】A〜Cは、本発明装置の要部の背面図である。
【図10】本発明装置の他の例のインゴット支持部の斜視図である。
【図11】本発明装置によって陽極化成を行うための手順の説明図である。
【図12】本発明装置の第1の電極の一例の斜視図である。
【図13】本発明装置の他の例の斜視図である。
【図14】図13の一縦断面図である。
【図15】図14と直交する方向の縦断面図である。
【図16】本発明装置の他の例の要部の断面図である。
【図17】A〜Dは本発明装置の第1の電極の製造工程図である。
【図18】AおよびBは、本発明装置の第1の電極の他の例の製造工程図である。
【図19】本発明装置の第1の電極の他の例の斜視図である。
【図20】本発明装置のによって陽極化成を行うための手順の説明図である。
【図21】本発明装置のによって陽極化成を行うための手順の説明図である。
【図22】本発明製造方法の工程図(その1)である。A〜Cは、各工程の斜視図である。
【図23】本発明製造方法の工程図(その2)である。A〜Cは、各工程の斜視図である。
【図24】本発明製造方法の工程図(その1)である。A〜Cは、各工程の断面図である。
【図25】本発明製造方法の工程図(その2)である。AおよびBは、各工程の斜視図である。
【図26】本発明製造方法の工程図(その3)である。AおよびBは、各工程の斜視図である。
【図27】A〜Cは、本発明製造方法のインゴットの切断態様の説明図である。
【符号の説明】
1 電解溶液、2 陽極化成処理槽、2A 第1の部分、2B 第2の部分、3 第1の電極、3w ワイヤ、3c 連結ワイヤ、 3A,3B 電極半体、4 第2の電極、5 支持台、6 液密容器、6h 中心孔、6s 端面板、7端子導出管、8 導線、9 脚部、10 取付板、11 半導体結晶インゴット、12 多孔質層、12M 中間多孔率層、12H 高多孔率層、13 半導体膜、131 第1の半導体膜、132 第2の半導体膜、133 第3の半導体膜、81 連結棒、82 連結ワイヤ、84,85 Oリング

Claims (12)

  1. 半導体結晶インゴットを電解溶液中に浸漬し、該半導体結晶インゴットと、上記電解溶液中に配置した電極との間に通電を行って上記半導体インゴットの外周表面を陽極化成して上記インゴットの外周表面に多孔質層を形成する
    ことを特徴とするインゴットの外周表面の陽極化成方法。
  2. 半導体結晶インゴットを電解溶液中に浸漬し、該半導体結晶インゴットと、上記電解溶液中に配置した電極との間に通電を行って上記半導体インゴットの外周表面を陽極化成して上記インゴットの外周表面に多孔質層を形成する多孔質層の形成工程と、
    該多孔質層の表面に半導体膜を成長させる工程と、
    記多孔質層における機械的強度の低下ないしは歪みによる脆弱化を用いて上記多孔質層によって上記半導体膜を上記半導体結晶インゴットから剥離する工程とを有する
    ことを特徴とする薄膜半導体の製造方法。
  3. 上記半導体膜が剥離された半導体結晶インゴットは、再度上記陽極化成による多孔質層の形成と、上記半導体膜の成長と、該半導体膜の剥離を行って薄膜半導体を得る
    ことを特徴とする請求項2に記載の薄膜半導体の製造方法。
  4. 半導体結晶インゴットを電解溶液中に浸漬し、該半導体結晶インゴットと、上記電解溶液中に配置した電極との間に通電を行って上記半導体インゴットの外周表面を陽極化成して上記インゴットの外周表面に多孔質層を形成する上記インゴットの外周表面の陽極化成による多孔質層の形成工程と、
    該多孔質層の表面に半導体膜を成長させる工程と、
    該半導体膜に太陽電池の少なくとも活性部を形成する工程と、
    記多孔質層における機械的強度の低下ないしは歪みによる脆弱化を用いて上記多孔質層によって上記半導体膜を半導体結晶インゴットから剥離する工程とを有する
    ことを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
  5. 上記太陽電池の活性部を有する半導体膜が剥離された半導体結晶インゴットは、再度上記陽極化成による多孔質層の形成工程と、上記半導体膜の成長工程と、該半導体膜に太陽電池の少なくとも活性部を形成する工程と、該半導体膜の剥離工程とを行って薄膜太陽電池を得る
    ことを特徴とする請求項4に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  6. 電解溶液を収容する陽極化成処理槽と、
    上記電解溶液中に浸漬される第1の電極と、陽極化成がなされる半導体結晶インゴットの少なくとも一端部に装着される第2電極とを具備する
    ことを特徴とする陽極化成装置。
  7. 上記第1の電極が、上記半導体結晶インゴットの周囲を囲んで配された
    ことを特徴とする請求項6に記載の陽極化成装置。
  8. 上記第1の電極が、上記半導体結晶インゴットの周囲に配置されたメッシュ状電極である
    ことを特徴とする請求項6に記載の陽極化成装置。
  9. 上記第1の電極が、上記半導体結晶インゴットの周囲に配置された円筒面状電極である
    ことを特徴とする請求項6に記載の陽極化成装置。
  10. 上記第1の電極が、上記半導体結晶インゴットの周囲を取り巻くコイル状電極である
    ことを特徴とする請求項6に記載の陽極化成装置。
  11. 上記第2の電極が、液密容器内に配置されて上記電解溶液と液密に遮断された
    ことを特徴とする請求項6に記載の陽極化成装置。
  12. 上記陽極化成処理槽が、液密容器によって構成され、
    該液密容器内に、上記電解溶液と、上記第1の電極と、上記半導体結晶インゴットの上記陽極化成処理を行う部分が挿入され、
    上記半導体結晶インゴットの少なくとも一端部は液密に上記液密容器外に導出され、
    該導出端部に、上記第2の電極が装着された
    ことを特徴とする請求項6に記載の陽極化成装置。
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